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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C08L 審判 全部申し立て 発明同一 C08L |
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管理番号 | 1104541 |
異議申立番号 | 異議2003-72129 |
総通号数 | 59 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1997-08-12 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-08-21 |
確定日 | 2004-09-21 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 特許第3380407号「乳酸系ポリマー延伸フィルム」の請求項1ないし10に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3380407号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 |
理由 |
【1】手続きの経緯 本件特許第3380407号は、平成8年11月27日(優先日 平成7年11月30日 日本)に特許の出願がなされ、平成14年12月13日に特許権の設定登録がなされ、その後、東レ株式会社及び栗原弘より特許異議の申立てがなされたものである。 【2】本件発明 本件特許の請求項1〜10に係る発明(以下「本件発明1」〜「本件発明10」という。)は、請求項1〜10に記載された、次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマー100重量部に対し、平均粒径が0.1〜0.5μmである酸化チタン、平均粒径が0.3〜6μmである炭酸カルシウム、平均粒径が0.1〜2μmである硫酸バリウム、平均粒径が1〜12μmであるシリカ、平均粒径が0.5〜10μmであるカオリン及び平均粒径が0.1〜10μmであるタルクからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機質充填材3〜25重量部を含み、且つ、少なくとも1軸方向に1.3〜5倍延伸された乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項2】 平均厚みが0.01〜2mmである請求項1記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項3】 無機質充填材が平均粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンである請求項1記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項4】 耐折強さが900回以上である請求項1記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項5】 ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマー100重量部に対し、滑剤0.1〜2重量部を含む請求項1記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項6】 無機質充填材が平均粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンである請求項5記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項7】 滑剤が脂肪酸アマイド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤及び金属石鹸系滑剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である請求項5記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項8】 平均厚みが0.01〜2mm、厚みの変動係数が1.3%以下、耐折強さが900回以上である請求項5記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項9】 無機質充填材が平均粒径0.1〜0.5μmの酸化チタンである請求項8記載の乳酸系ポリマー延伸フィルム。 【請求項10】 平均厚みが0.1〜0.5mmである請求項1、3〜9のいずれか1項に記載の乳酸系ポリマー延伸フィルムのプリペイドカード用資材としての使用。」 【3】特許異議の申立ての理由の概要 特許異議申立人東レ株式会社は、甲第1号証(特開平7-205278号公報)、甲第2号証(特開昭62-241928号公報)、甲第3号証(特開昭63-137927号公報)、甲第4号証(特開平7-156347号公報)、及び、甲第5号証(特開平6-210720号公報)を提出し、概略、下記主張aのとおり主張している。 主張a:本件発明1〜3は甲第1、2号証に記載された発明に基づいて、本件発明4は甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて、本件発明5〜7は甲第1、2、4号証に記載された発明に基づいて、本件発明8〜10は甲第1〜5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。(以下、東レ株式会社が提出した甲第1〜5号証を「申立1の甲第1号証」〜「申立1の甲第5号証」という。) 特許異議申立人栗原弘は、甲第1号証(特開平5-42786号公報)、甲第2号証(特開平2-206622号公報)、甲第3号証(特開平4-252249号公報)、甲第4号証(特開平5-247245号公報)、甲第5号証(特開平8-267968号公報)、甲第6号証(特開平8-34186号公報)、甲第7号証(特開平7-173266号公報)、甲第8号証(特開平8-34913号公報)、甲第9号証(特開平8-134196号公報)、甲第10号証(特開平8-85722号公報)、甲第11号証(特開平6-80872号公報)、甲第12号証(粉体工学研究会・日本粉体工業協会編「粉体物性図説」昭和50年5月1日 株式会社産業技術センター発行 p.81〜97、196、257、261、273、275〜278、286〜289、294、411)、甲第13号証(「機能性フィラーと複合材料の市場‘95」1995年7月28日 株式会社シーエムシー発行 p.75-83)、甲第14号証(特開昭62-241928号公報)、甲第15号証(特開昭63-193934号公報)、甲第16号証(特開昭61-209260号公報)、甲第17号証(特開平2-80247号公報)、甲第18号証(特開平5-170942号公報)、甲第19号証(特開昭59-179555号公報)、甲第20号証(特開平4-335043号公報)、甲第21号証(特開昭63-137927号公報)、甲第22号証(特開昭51-28141号公報)、甲第23号証(特開平6-90628号公報)、甲第24号証(「NIKKEI MATERIALS & TECHNOLOGY 94.4(no.140)」 p.87-93)、甲第25号証(「増補プラスチックおよびゴム用添加剤実用便覧」昭和62年2月20日 株式会社化学工業社発行 p.589〜596、629〜632)、甲第26号証(特開平7-32775号公報)、及び、甲第27号証(「ISHIHARA TIPAQUE NEWS T-46プラスチック用酸化チタン顔料」石原産業株式会社発行 昭和56年1月印刷)を提出し、概略、下記主張イ〜ルのとおり主張している。 主張イ:本件発明1、4は甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証のいずれに記載された発明に基づいても当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張ロ:本件発明1、3、4は、特願平7-73572号の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願明細書1」という。甲第5号証参照。)に記載された発明とも、特願平6-172516号の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願明細書2」という。甲第6号証参照。)に記載された発明とも同一であるから、本件発明1、3、4に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。 主張ハ:本件発明2は、甲第2、3、4、7号証に記載された一般的な技術を考慮すると、本件発明1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張ニ:本件発明2は、先願明細書2に記載された発明と同一であるから、本件発明2に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。 主張ホ:本件発明3は、甲12〜19号証記載の一般的技術を考慮すると、本件発明1と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張ヘ:本発明5の滑剤の配合量(0.1〜2重量部)は、本件出願日に初めて開示されたから、本件発明5の特許性の判断基準日は現実の出願日である。そして、本件発明5は、甲第6、8、27号証記載の技術常識を考慮すると、本件発明1と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張ト:本件発明6は、甲第12〜19号証記載の技術常識を考慮すると、本件発明5と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張チ:本件発明7は、甲第8〜11号証記載の技術常識を考慮すると、本件発明5と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張リ:本件発明8は、甲第5、6、27号証記載の技術常識を考慮すると、本件発明5と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張ヌ:本件発明9は、甲第12〜19号証記載の技術常識を考慮すると、本件発明8と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 主張ル:本件発明10は、甲第1、3、4、7号証記載の技術常識を考慮すると、本件発明1、3〜9と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。 (以下、特許異議申立人栗原弘が提出した甲第1〜27号証を、「申立2の甲第1号証」〜「申立2の甲第27号証」という。) 【4】判断 1.本件発明1に対する判断 本件発明1に対する特許異議申立人の主張は、主張a、主張イ、主張ロである。 (1)主張a、主張イに対する判断 主張a、主張イにおける特許異議申立人の引用刊行物は、申立1の甲第1、2号証、及び、申立2の甲第1〜4号証であるが、それら以外の各甲号証についても検討することとする。 なお、優先権主張の基礎とされた出願の出願当初の明細書には、添加剤の例として滑剤が記載されているが、滑剤をポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマー100重量部に対し、0.1〜2重量部含ませることについては該明細書に記載されていないから、本件発明1のうち、本件発明5を実施の態様とする発明については、優先権主張の効果は認められない。本件発明1のうちそれ以外の部分については優先権主張の効果を認める。したがって、申立2の甲第5、6号証は、本件発明1が本件発明5を実施の態様とする部分においてのみ、頒布日の要件を満たすものと認める。 まず、本件発明1について検討する。 本件発明1は、ポリ乳酸または乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸のコポリマー(以下「ポリ乳酸等」という。)100重量部に対し、無機質充填材として、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン及びタルクからなる群より選ばれた少なくとも1種(以下「酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、カオリン、タルク」を総称して「本件充填材」という。)を3〜25重量部配合し少なくとも1軸方向に1.3〜5倍延伸された乳酸系ポリマー延伸フィルム(以下「本件フイルム」という。)において、「無機質充填材の平均粒径を、酸化チタンは0.1〜0.5μmと、炭酸カルシウムは0.3〜6μmと、硫酸バリウムは0.1〜2μmと、シリカは1〜12μmと、カオリンは0.5〜10μmと、タルクは0.1〜10μmとすること」を要件とする発明である(以下、この要件を「本件粒径要件」という。)。そして、「本件フイルム」において「本件粒径要件」を採用することにより、本件特許明細書の段落【0016】、【0028】等に記載されたとおりの耐折強さが得られるものと認められ、この耐折強さは、本件特許明細書の実施例と比較例を対比することにより確認することができる。即ち、酸化チタンについては実施例9、10(耐折強さ2300、2400回)と比較例5(耐折強さ600回)を、炭酸カルシウムについては実施例15(耐折強さ1300回)と比較例13(耐折強さ500回)を、硫酸バリウムについては実施例1(耐折強さ1100)と比較例8、9(耐折強さ600、600回)を、シリカについては実施例14(耐折強さ1100回)と比較例12(耐折強さ400回)を、カオリンについては実施例16(耐折強さ1600回)と比較例14(耐折強さ600回)を、タルクについては実施例13(耐折強さ1500回)と比較例10(耐折強さ700回)をそれぞれ対比することにより確認することができる。 そこで、特に「本件粒径要件」の観点から、各甲号証を検討する。 申立1の甲第1号証には、ポリ乳酸系重合体延伸フイルムの製造方法が具体的な延伸倍率とともに記載され、段落【0008】には、無機フイラーの添加についても記載されているが、無機フイラーとして、「本件粒径要件」のものを採用することについては記載も示唆もされていない。 申立1の甲第2号証には「平均粒径0.5μm以下の二酸化チタン8〜20重量%、平均粒径1〜10μmのシリカ0.5〜5重量%・・・を含有するポリエステルからなる・・・二軸配向白色ポリエステルフイルム」(請求項1)と記載され、「本発明でいうポリエステルとは、フイルムを成形しうるものであればどの様なものでも良く・・・もちろん、これらのポリエステルはホモポリエステルであっても、コポリエステルであってもよく」(第2頁右下欄第18行目〜第3頁左上欄第7行)、「二酸化チタンの平均粒径は0.5μm以下であり、好ましくは0.05〜0.4μmである。・・・二酸化チタンのポリエステルの添加含有量は8〜20重量%、好ましくは12〜17重量%である。」(第3頁右上欄第3〜13行)、「シリカの平均粒径は1〜10μmであり、好ましくは2〜8μmである。・・・シリカの添加含有量は0.5〜5重量%、好ましくは2〜4重量%である。」(第3頁左下欄第7〜16行)と記載され、さらに、延伸フイルムの延伸倍率、磁気記録カードへの利用も記載されている。しかし、ポリエステルとして、本件発明1における「ポリ乳酸等」を使用することは具体的に記載されておらず、また、二酸化チタンとシリカは白色度と艶光しない光沢と遮光性の為に使用されており、申立1の甲第2号証には、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立1の甲第3号証には「ポリエステルと総重量基準で8〜30%の炭酸カルシウム微粒子とからなり、・・・ることを特徴とする白色ポリエステルフィルム」(特許請求の範囲)、「炭酸カルシウムの平均粒径は・・・0.3〜3μが好ましく用いられる」(第2頁右上欄第13〜15行)と記載され、延伸ポリエステルフィルムの延伸倍率やカード、ラベルの基材としての用途も記載されているが、該ポリエステルは第2頁左上欄に「本発明におけるポリエステルとはエチレンテレフタレート単位が80モル%以上、好ましくは90モル%以上のものをいう。」と定義されたとおりのものであって、「ポリ乳酸等」ではないから「本件フイルム」については記載されていない。また、炭酸カルシウム微粒子は白度と隠蔽力のために使用されており、申立1の甲第3号証には、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立1の甲第4号証の段落【0024】には「ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートフィルム及び/またはポリプロピレンフィルム中に0.001〜1重量%、好ましくは0.005〜0.5重量%の非粒子系滑剤を添加含有させる方法が好ましい。」と記載され、段落【0036】には非粒子系滑剤の効果を高める為に、平均粒径0.001μmから5.0μmの微粒子を配合することが記載され、該無機粒子の例として、乾式シリカ、湿式シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、カオリナイト、タルク、酸化チタンなどが記載されており、延伸フィルムと延伸倍率も記載されているが、「ポリ乳酸等」からなる「本件フイルム」についての記載はなく、当然ながら、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立1の甲第5号証には、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする延伸ポリエステルフィルムが記載され、段落【0010】には結晶化促進剤の例として、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが好ましく用いられることが記載され、実施例には滑り剤としての0.3μm径のコロイダルシリカ粒子の配合が記載され、延伸フィルムの延伸倍率も記載されているが、「ポリ乳酸等」からなる「本件フイルム」についての記載はなく、当然ながら、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立2の甲第1号証の請求項1等には分解性材料からなるカード支持体が記載され、段落【0008】には、該分解性材料として、分解性プラスチック、特に、分解性ポリエチレン樹脂や分解性ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリビニルアルコールまたは分解性ポリエステルが記載され、段落【0020】には「このような分解性の樹脂には、強度を上げるために、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の金属塩、ケイ酸あるいはカオリン、タルク等のケイ酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物および水酸化アルミニウム、アルミナ等のアルミニウム化合物等の無機質充填材を含有させてもよい。さらに酸化防止剤、分解促進剤、安定剤、帯電防止剤、界面活性剤等の各種添加剤を含有させてもよい。」と記載されているが、「本件粒径要件」については何も記載もしくは示唆するところがないし、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段についても何も記載もしくは示唆するところがない。 申立2の甲第2号証の特許請求の範囲には、平均粒子径0.05〜5.0μmの炭酸カルシウムを5〜30重量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルムが記載され、第2頁左上欄第3行〜第4行には「本発明でいうポリエステルとは、フィルムを成形しうるものであればどの様なものでも良く、」と記載されている。しかし、ポリエステルとして「ポリ乳酸等」を使用することは記載されていないから、申立2の甲第2号証には「本件フイルム」に対して「本件粒径要件」を採用することは記載されていない。また、炭酸カルシウムは白さ、隠ぺい性の為に配合されているから、申立2の甲第2号証には、「本件フイルム」の耐折強さを改善するための技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立2の甲第3号証の段落【0005】には、「本発明は、下記(a)成分30〜95重量%と下記(b)成分70〜5重量%との混合物100重量部に対し、下記(c)成分0〜200重量部の割合で含有する樹脂組成物を延伸してなる微生物崩壊性成形体である。 (a)成分:密度0.900〜0.950g/cm3、メルトフローレート0.01〜20g/10分、沸騰n-ヘキサン抽出量が20重量%以下の、炭素数4以上のα-オレフィンを1〜20重量%含有する線型エチレン共重合体; (b)成分;微生物分解性を有する有機物質; (c)成分;平均粒径10μm以下で、見掛け比重0.1〜0.7の粒状の無機フィラー。」と記載され、段落【0013】には、(b)成分の一例としてポリ乳酸が記載され、段落【0014】には「本発明で用いられる(c)成分は、平均粒径10μm以下、好ましくは0.1〜5μm、好ましくは0.5〜2μmで・・・の粒状無機フィラーである。平均粒径が10μmを越えるとフィルムの外観を阻害し、100μm以下のフィルムを製造する場合は穴あき、延伸ムラなどが発生し安定延伸性が損なわれる。」と記載され、段落【0015】には「本発明で用いられる無機フィラーを例示すれば、炭酸カルシウム、・・合成シリカ、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム・・などを挙げることができ、これらは単独あるいは混合して用いることができる。」と記載され、段落【0016】には「本発明組成物における各成分の含有割合は、・・・・(c)成分は、0〜200重量部、好ましくは15〜170重量部、特に好ましくは40〜110重量部である。・・・・(c)成分が上記範囲を越えると延伸性および成形体の引張強度、引裂強度が低下し、商品価値を著しく損なう。」と記載され、段落【0020】には「本発明においては、・・滑剤・・を樹脂組成物に配合することもできる。」と記載され、実施例5には、エチレン共重合体67重量部と、ポリ乳酸33重量部と、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム67重量部からなる延伸フィルムが記載されている。しかし、申立2の甲第3号証におけるフイルムは、エチレン共重合体が必須の成分であるから、これを含まない「本件フイルム」については記載がなく、また、炭酸カルシウム等の粒状無機フィラーは、延伸によってミクロボイドを形成する為に使用されており(段落【0014】、【0001】を参照)、申立2の甲第3号証には、耐折強さを改善する為の技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立2の甲第4号証の請求項1には「ポリ乳酸または乳酸-ヒドロキシカルボン酸コポリマー80〜100重量%、および、可塑剤0〜20重量%を含むポリ乳酸系樹脂組成物100重量部に対し、平均粒径が0.3〜4μmの微粉状充填剤40〜250重量部を添加した混合物を溶融製膜した後、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸したことを特徴とする多孔性フィルム」と記載され、段落【0020】には、微粉状充填剤の例示として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、珪酸白土等が記載され、特に、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、珪酸白土等が好ましく用いられることも記載されているが、微粉状充填剤の配合量については、段落【0021】に「微粉状充填剤の使用量は、ポリ乳酸系樹脂組成物100重量部に対し40〜250重量部であり、好ましくは60〜150重量部である。この使用量が40重量部未満では、多孔化が不充分で連通孔が少なくなるため、充分な通気性及び透湿性が得られず、」と記載されているだけであるから、「ポリ乳酸等」100重量部に対する「本件充填材」の少なくとも1種の配合量が3〜25重量部である「本件フイルム」についての記載はなされていない。また、申立2の甲第4号証には、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段については何も記載もしくは示唆するところがない。 申立2の甲第5号証の記載は、下記「(2)主張ロに対する判断」で示した先願明細書1の記載のとおりであり、申立2の甲第6号証の記載は、同先願明細書2の記載のとおりであり、いずれにも「本件粒径要件」についての記載はなく、それを示唆する記載もない。 申立2の甲第7号証には、乳酸系共重合ポリエステルの1.0mmのシートを逐次延伸により縦横倍率を2〜6倍の間で変化させて延伸し、少なくとも、60℃、70℃、80℃の3×3延伸によって厚さ0.1mmのサンプルを得た旨が記載されており、同甲第8号証にはポリ乳酸等の延伸シートに滑剤を配合することが記載され、同甲第9号証には脂肪族ポリエステルカーボネートに加える滑剤と酸化チタン等の無機充填材が記載され、粉体状の無機充填材として粒子径が30μm以下、好ましくは10μm以下が用いられることが記載され、同甲第10号証には、「ラクタイドと両末端に水酸基を有するポリエステルと3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその酸無水物との開環共重合体」に加える滑剤、タルク等の無機系充填材、酸化チタン等の着色剤が記載され、同甲第11号証には、特定の脂肪族ポリエステルに加える滑剤が記載され、同甲第12号証には、粉体の粒度とその測定方法について記載され、p.196の左下の図「カオリンの粒度分布例(河東水ひ物)」には、カオリンの粒度分布例が記載され、p.257には、カオリンクレーの粒度が0.5〜3.5μmであることが記載され、p.261には、滑石(タルク)の粒度が2〜8μmであることが記載され、p.273には、超微粒子状無水シリカの粒度が2〜110nmであることが記載され、p.275には、超微粒子状酸化チタンの粒度が2〜50nmであることが記載され、p.276には、酸化チタン(アナターゼ)の粒度が、電顕法:0.15〜0.25μm、沈降法:0.1〜1μmであることが記載され、p.277には、酸化チタン(ルチル)の粒度が0.30〜0.40μmであることが記載され、p.278には、塩素法酸化チタン顔料の粒度が0.15〜0.35μm(平均0.25μm)であることが記載され、p.287には、重質炭酸カルシウムの粒度が0.3〜8μmであることが記載され、p.288には、軽質炭酸カルシウムの粒度が1〜6μmであることが記載され、p.289には、極微細炭酸カルシウムの粒度が0.02〜0.08μmであることが記載され、p.294には、沈降性硫酸バリウムについて「粒子の大きさは沈澱反応条件により変えられるが、工業的製品は0.5〜1.5μmのものが普通である。」と記載され、p.411には、タルク粉の粒度が1〜10μmであることが記載され、同甲第13号証のp.75には「酸化チタンの特長は、白色度、屈折率が高いことに加え粒子径が0.15〜0.3μmと小さいことにある。」と記載され、p.79の表には、硫酸法酸化チタンの各種の銘柄の平均粒子径が0.15〜0.28μmの範囲にあることが記載され、p.80の表には、塩素法酸化チタンの各種の銘柄の平均粒子径が0.21〜0.28μmの範囲にあることが記載され、同甲第14号証は、申立1の甲第2号証と同一の文献であって上述のとおりの記載があり、同甲第15号証には、芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとグリコールとを重縮合させてできるポリエステル(第2頁左下欄の定義を参照)の二軸延伸フィルムに平均粒子径0.1〜1.0μmの酸化チタンを配合することが記載され、実施例1〜4では、平均粒径0.3μmのアナターゼ型二酸化チタンの使用が記載されている。同甲第16号証には、平均粒径0.1〜10μmの白色顔料を含有するポリエステル樹脂が記載され、第3頁の実施例1では、平均粒子径0.3μmのアナターゼ型酸化チタンをPET樹脂に添加して延伸フィルムを製造したことが、第3頁右下欄の実施例2では、平均粒子径0.6μmの硫酸バリウムをPET樹脂に添加して延伸フィルムを製造したことが記載され、同甲第17号証の実施例1には、平均粒径0.3μmの二酸化チタン粒子を使用したポリエチレンテレフタレート延伸フィルムが、実施例3には、平均粒径0.6μmの硫酸バリウムを使用したポリエチレンテレフタレート延伸フィルムが記載され、同甲第18号証の実施例1〜5には、平均粒径0.27μmの酸化チタンを添加して製造した共重合ポリエチレンテレフタレート延伸フィルムが記載され、実施例6には、平均粒径1.20μmの硫酸バリウムを添加(表2参照)して製造した共重合ポリエチレンテレフタレート延伸フィルムが記載され、実施例7及び8には、平均粒径1.20μm及び1.50の炭酸カルシウムを添加(表2参照)して製造した共重合ポリエチレンテレフタレート延伸フィルムが記載され、同甲第19〜21号証には、ポリ乳酸等以外のポリマーの延伸フイルムに配合する酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムの平均粒子径が記載され、同甲第22号証には、ポリエステル樹脂60〜15重量部に平均粒径0.01〜100μの無機充填剤を40〜85重量部と本件発明1よりもかなり高濃度に配合する組成物の製法が記載され、第4頁の実施例1には、平均粒子径1.8μの重質炭酸カルシウム微粉末を配合したポリエチレンテレフタレートが、第4頁の実施例3には、平均粒子径2.5μのカオリンクレー微粉末を配合したポリエチレンテレフタレートが記載され、同甲第23号証には、ポリ乳酸等80〜100重量部と可塑剤0〜20重量部とを含むポリ乳酸系組成物に平均粒径が0.1〜7μmの微粉状充填材を40〜250重量部と、本件発明1よりも大量に添加し延伸して得られる多孔性フィルムが記載されており(請求項1等参照)、段落【0076】の表2には、該フィルムに添加する微粉状充填材として、平均粒子径1.1μmの硫酸バリウムが記載され、同甲第24号証には、ポリ乳酸その他の生分解性ポリエステルが記載され、同甲第25号証のp.591の表6・41には、市販炭酸カルシウムの平均粒子径として本件発明1の平均粒子径を満足するものが記載され、p.595の表6・45には、国産カオリンクレーの粒子径として5μm以下が30〜90%であること、ハードクレーの粒子の大きさは2μ以下80%以上であり、普通品は2μ以下50〜75%であること、p.596には、タルクについて「平均粒子径は普通品で2〜5μのものが多い」と記載され、p.631〜p632には「充填剤はその化学成分、粒子形状のほか、さらに粒子の大きさによってプラスチックに与える効果が異なってくる。ゴム用充填剤の場合、粒子の細かい充填剤がゴムの補強性にすぐれた効果を示すが、プラスチックの場合、分散性、加工性の点から一般にゴムほど細かいものが要求されることは少ない、しかし、プラスチックの剛性、衝撃強さ、引張り強さなどの物理的強度、寸法安定性、仕上がり表面などを考慮した場合、やはりできるだけ細かい充填剤が均一にしかも分散よく配合されることによりすぐれた効果を発揮する。どの程度の細かさの充填剤が適しているかはプラスチックの種類、加工方法によって異なるので一概にはいえないが、一般には粗いもので5μから細かいもので0.1μ程度までのもの、あるいは特殊な表面処理を施して分散性を改善した充填剤では0.1μよりやや細かいものまでが有効である。プラスチックの物性があまり問題にならず、かなり多量に配合したい場合は5〜15μ程度の比較的粗い充填剤が適している場合もある。数10μ以上の充填剤は特殊な用途以外はプラスチックに使用されることが少ない。」と記載され、同甲第26号証には、紙基材と、該紙基材の少なくとも一方の面の一部に分解性プラスチックで形成された樹脂層を備えたカード基材が記載され、カード基材を構成する紙に用いるてん料に関して「耐折強さの点から、てん料はクレーよりも微粒子である二酸化チタン(TiO2)の方が好ましい。」(段落【0012】)と記載され、段落【0027】には「このような分解性の樹脂には、強度を上げるために、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の金属塩、ケイ酸あるいはカオリン、タルク等のケイ酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物および水酸化アルムニウム、アルミナ等のアルミニウム化合物等の無機質充填剤を含有させてもよい。」と記載され、段落【0036】には、カード基材の引っ張り強度と耐折度が記載され、同甲第27号証の第4頁の図3には、各種酸化チタンと滑剤を併用した場合におけるポリエチレンフィルム中への分散度を比較した結果が示されている。 しかし、申立2の甲第7〜27号証のいずれにも、ポリ乳酸等100重量部に対し、無機質充填材を3〜25重量部配合するところの「本件フイルム」において、「本件粒径要件」を採用することについての記載はないし、また、「本件粒径要件」が耐折強さを改善することについては記載もしくは示唆するところがない。 以上のとおり、申立1の甲第1〜5号証及び申立2の甲第1〜27号証には、「本件フイルム」に対して「本件粒径要件」を採用することの記載はなく、また、「本件フイルム」の耐折強さを改善する為の技術手段として「本件粒径要件」が有効であることについては何も記載もしくは示唆するところがない。 したがって、本件発明1は、これら各甲号証の記載に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。 ゆえに、主張a、主張イは採用できない。 なお、各甲号証の記載からみて「本件粒径要件」を満足する「本件充填材」そのものは一般的に使用されていると認められる。また、充填材により耐折強さが向上することは甲第5、6号証に記載されている。しかし、「本件充填材」は「本件粒径要件」以外の平均粒径でも存在しうるのであり、また、充填材により耐折強さが向上するにしても、平均粒径がこの向上にさらに関与することは各甲号証に記載も示唆もされていない。そして、耐折強さの効果を考慮すると、本件発明1における「本件粒径要件」の採用が容易であったと認めることはできない。 (2)主張ロに対する判断 先願明細書1には生分解性カードが記載され(段落【0001】参照)、段落【0010】には「ポリ乳酸又は乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマーからなるオーバーシート」と記載され、段落【0011】には「生分解性カードにおける各層の樹脂に、フィラー及び添加剤が配合されている」と記載され、段落【0012】には「生分解性カードにおける各層の樹脂には、2軸延伸処理が施されている」ことが記載され、段落【0020】には、「上述した樹脂だけではカードとして必要な機械強度及び物性が十分に得られないため、これらの樹脂に各種フィラー及び添加剤を添加、混練することにより、樹脂に対する強度の補強及び改質ができる。また、フィラーの増量によりコストの低減にも効果がある。これらの樹脂に添加するフィラーは、例えば、無定型フィラー内に、重質炭酸カルシューム、軽質炭酸カルシューム、膠質炭酸カルシューム、天然シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、・・などが添加・混練できる。また、板状フィラー内に、例えば、タルク、マイカ、ガラスフレーク等が添加・混練できる。」と記載され、段落【0021】には「前記フィラーは、樹脂に1〜50wt%、好ましくは5〜30wt%を添加・混練して、さらに2軸延伸加工を施すことにより、剛度をはじめとして、耐久性、耐熱変形性、成形加工性、耐衝撃強度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の特性が改良できる。前述のフィラーは単体で添加することができるが、数種で同時に添加することもできる。このフィラーの添加により、従来の塩化ビニル、ABS樹脂材と同等の特性を有することが可能である。なお、フィラー以外に混練された樹脂の特性を失わない範囲であれば、必要に応じて各種の添加剤、例えば、・・・滑剤を0.05〜3重量部、・・を添加することが可能であり、」と記載されている。 以上の記載からみて、先願明細書1には、ポリ乳酸等に炭酸カルシューム等のフィラーを配合し延伸してなるオーバーシート層が記載され、フィラーの配合により耐折り曲げ性等の特性が改良されることも記載されているが、本件粒径要件については記載されていないから、先願明細書1には、本件発明1が記載されているとは認められない。 先願明細書2の請求項1には「カードを構成する基材が、数平均分子量が10000〜100000であるポリ乳酸または乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性ポリマーを二軸延伸してなる分解性樹脂からなることを特徴とするカード」と記載され、請求項2には「前記熱可塑性ポリマーとフィラーを混練した後、二軸延伸してなることを特徴とする請求項1記載のカード」と記載され、段落【0020】には「上記樹脂に、樹脂の特性を失うことのない範囲であれば、必要に応じて各種添加剤、例えば・・・滑剤0.05〜0.5重量部・・・を添加することが可能である。」と記載され、段落【0021】には「とくにフィラーとして、無機充填材である炭酸カルシウム、マイカ、・・を添加し、混練させて二軸延伸加工することにより、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝撃強度、寸法安定性、耐折り曲げ性などの機械特性をさらに向上させることができる。」と記載され、段落【0025】には、実施例1として「数平均分子量150000のL-乳酸と6-ヒドロキシカプロン酸の3:2のコポリマー60wt%とマイカ35wt%(HAR160 白石工業株式会社製)、酸化チタン5wt%をベント式押出機にて混練後、これをTダイ溶融押出機により加工温度200℃で規定の厚さに押し出し後、二軸延伸加工、カレンダー処理を行い、表面平滑性を向上させた厚さ188μmのシートを得た。このシートは曲げ弾性率が40000kgf/cm2を示し、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シートに近い特性が得られた。」と記載されている。 以上の記載からみて、先願明細書2には、「ポリ乳酸等」に炭酸カルシューム等のフィラーを配合し延伸してなるシートが記載され、フィラーの配合により耐折り曲げ性などの機械特性が向上することも記載されているが、「本件粒径要件」については記載されていないから、先願明細書2には、本件発明1が記載されているとは認められない。 したがって、主張ロは採用できない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、本件発明1に対する各特許異議申立人の主張はいずれも採用できない。 2.本件発明2〜10について 本件発明2〜10は、本件発明1と同様に「本件フイルム」に対して「本件粒径要件」を採用するものである。 したがって、本件発明2〜10は、本件発明1について述べた理由により、申立1の甲第1〜5号証、及び、申立2の甲第1〜27号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められず、また、先願明細書1、2に記載された発明と同一であるとも認められない。 ゆえに、本件発明2〜10に対する各特許異議申立人の主張はいずれも採用できない。 【5】むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件発明1〜10についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1〜10についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2004-08-31 |
出願番号 | 特願平8-316085 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(C08L)
P 1 651・ 161- Y (C08L) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 森川 聡 |
特許庁審判長 |
宮坂 初男 |
特許庁審判官 |
石井 あき子 大熊 幸治 |
登録日 | 2002-12-13 |
登録番号 | 特許第3380407号(P3380407) |
権利者 | 三井化学株式会社 |
発明の名称 | 乳酸系ポリマー延伸フィルム |
代理人 | 最上 正太郎 |
代理人 | 苗村 新一 |