• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04F
管理番号 1105555
審判番号 不服2003-18898  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-01-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-09-25 
確定日 2004-10-28 
事件の表示 特願2000-188756「室内縁部構造」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月 9日出願公開、特開2002- 4561〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
出願 平成12年 6月23日
拒絶理由通知 平成15年 1月 8日 (起案日)
手続補正・意見 平成15年 3月24日 (受付日)
拒絶査定 平成15年 8月18日 (起案日)
審判請求 平成15年 9月25日 (受付日)
手続補正 平成15年10月27日 (受付日)
手続補正 平成16年 3月 1日 (受付日)
拒絶理由通知 平成16年 6月 2日 (起案日)
手続補正・意見 平成16年 8月 9日 (受付日)

【2】本願発明
「【請求項1】壁の室内面の縁部に対して縁用固定部材が突出して固定される室内縁部構造であって、前記縁用固定部材は壁に角度をなしてまたは平行に当接可能な室外側端部の平坦な端面を有し、前記室外側端部にある室内面開放側コーナーが半径5ミリ以上の曲面となっており、壁紙が縁部を前記縁用固定部材の室内面開放側コーナーの曲面と前記壁との隙間に差し込んで前記壁に貼り付けられていることを、特徴とする室内縁部構造。
【請求項2】、【請求項3】(記載を省略)」
(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)

【3】本願出願前に頒布された刊行物に記載された発明
当審の拒絶の理由に引用された特開平9-317156号公報(以下、「刊行物」という。)には、次の記載がある。
「【請求項1】一側面が開放形成された箱形状に形成されるとともに、建物壁面に構築される方形箱状の凹部の高さ,奥行き,幅の各長さに合わせて上下左右の各板部にて外形が形成され、前記凹部内に遊嵌状態で収容され嵌め込まれる家具本体部と、前記家具本体部の上板部及び又は下板部と左右側板部における各外側面と前記凹部の内側面との間隙に挿入される固定片が裏面に突設され、前記各板部における各外側面に固定されるとともに、前記裏面が前記各板部の前端面と凹部周囲の建物壁面縁部とに当接して渡設され、前記家具本体部と前記凹部との間隙を閉塞する化粧枠と、を具備することを特徴とする収納家具。」、
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅などの建築物の居室内壁面に嵌め込まれる収納家具に関するものである。」、
「【0027】次に、化粧枠18は、本実施の形態では、それぞれ真直に形成されている上枠部19と左枠部20及び右枠部21とで構成されているとともに、それぞれが分割され、各々が連結されて門型形状に形成されている。
【0028】これら枠部19,20,21は、木又は合成樹脂などよりなり、本実施の形態では、図3及び図4に示すように、その断面形状が略くさび状に形成され、化粧枠18として組み立てられた状態での外周部23に対し、内周部24の厚みが小さくなるよう形成されるとともに、その断面形状における各角部分が湾曲形成され丸みを帯びた形状とされている。」、
「【0035】また、上及び左右の各枠部19,20,21の裏面19b,20b,21bには、図3及び図4に示すように、その裏面19b,20b,21bに対して略垂直に突出するように、固定片29が固設されている。
【0036】この固定片29は、各枠部19,20,21においてのその長手方向に沿うように長尺に形成される断面略矩形の杆状部材で、各枠部19,20,21の裏面19b,20b,21bに接着やネジ,ダボなどの固定手段にて固定されている。
【0037】また、この固定片29には、長手方向の所定間隔毎、本実施の形態では上枠部19の固定片29の場合は前記上板部4の取付穴17に対応する箇所とされ、左右各枠部20,21の固定片29の場合は前記左右各板部5の取付穴17に対応する箇所とされる位置に、鬼目ナットなどのナット部材30が、各枠部の裏面19b,20b,21bと平行となって埋め込まれ設けられている。
【0038】なお、本実施の形態では、この固定片29の固定位置が、枠部の裏面19b,20b,21bにおける内周側24に近接した位置とされるとともに、この内周側24端より、家具本体部3の上板部4及び左右側板部5の厚さの略半分の長さとなる位置に設定されている。
【0039】さらに、これら枠部19,20,21の裏面19b,20b,21bには、断面形状における厚みのある外周側23に位置した面に、図3及び図 に示すように、前記固定片29に沿ってパッキン材31が設けられている。
【0040】このパッキン材31は、例えば、一方の面にモヘアなどが植毛された帯状の部材や、塩化ビニール樹脂よりなるチューブ状部材などよりなり、両面テープや接着剤などにて各枠部19,20,21の裏面に接着固定されている。」、
「【0047】次に、工場内で各寸法に製作された上下左右の各板部4,5,6や、仕切板8,化粧枠18等を、それぞれ建築現場に搬入する。このとき、居室内の凹部1や壁面Bなどの施工は終了しており、壁紙などの内装施工も全て終了されている。」、
「【0051】次に、化粧枠18の左右各枠部20,21を、図8に示すように、家具本体部3に固定する。この左右各枠部20,21には、予め連結端面20a,21aに接続プレート25が木ねじなどの固定手段にて固定される。」、
「【0053】次に、間隙C内の固定片29を、家具本体部3の側板部5の内面側から、取付穴17を介して固定ボルト33を挿し込み、ナット部材30に螺着させることで固定する。このとき、左右各枠部20,21は、その裏面20b,21bの内周側24が家具本体部3の側板部5前端面の半部に当接し、外周側23がパッキン材31を介して壁面Bに当接する(図4参照)。」。
ここで、刊行物には「住宅などの建築物の居室内壁面に嵌め込まれる収納家具に関する」と記載されていることから、壁が居室内面であることは自明であり、また、図3,4,10を参照すると、壁Bの居室内面の縁部に対して化粧枠18が突出し、また、化粧枠18は、壁Bに平行に位置し、裏面19b、20b、21b端部の平坦な端面を有していることも自明な事項であり、「工場内で各寸法に製作された・・・化粧枠18等を、それぞれ建築現場に搬入する。このとき、・・・壁紙などの内装施工も全て終了されている。」とあるから、壁紙は化粧枠18を取り付ける前に予め貼り付けられていることも自明である。
そうすると、上記記載、対応する図面及び当業者の技術常識を参酌すると、
刊行物には、
「壁Bの居室内面の縁部に対して化粧枠18が突出して固定される居室内縁部構造であって、前記化粧枠18は、壁に平行にパッキン材31を介して当接され、裏面19b、20b、21b端部の平坦な端面を有し、前記裏面19b、20b、21b端部にある角部分が湾曲形成され丸みを帯びた形状となっており、壁紙が化粧枠を取り付ける前に予め壁に貼り付けられている居室内縁部構造。」の発明が記載されている。

【4】対比・判断
本願発明と刊行物記載の発明を対比すると、刊行物記載の「居室内」は本願発明の「室内」に、同様に「化粧枠18」は「縁用固定部材」に、「裏面19b、20b、21b」は「室外側」に、「裏面19b、20b、21b端部にある角部分」は「室内面開放側コーナー」に、「湾曲形成され丸みを帯びた形状」は「曲面」に各々相当し、そして、刊行物記載の化粧枠18は壁に平行に配置される点で本願発明の縁用固定部材と共通するから、両者は
「壁の室内面の縁部に対して縁用固定部材が突出して固定される室内縁部構造であって、前記縁用固定部材は壁に平行に配置され室外側端部の平坦な端面を有し、前記室外側端部にある室内面開放側コーナーが曲面となっており、壁紙が壁に貼り付けられている室内縁部構造。」である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明は、縁用固定部材は、壁に当接可能な平坦な端面を有するのに対し、刊行物記載の発明は、縁用固定部材は壁にパッキン材31を介して当接可能な平坦な端面である点

[相違点2]
本願発明は、室内面開放側コーナーが半径5ミリ以上の曲面となっており、壁紙が縁部を縁用固定部材の室内面開放側コーナーの曲面と壁との隙間に差し込んで前記壁に貼り付けられているのに対し、刊行物記載の発明は、室内開放側コーナーの半径の大きさが記載されておらず、また、壁紙は室内面開放側コーナーの曲面と壁との隙間に差し込んで貼り付けられていない点

上記相違点について検討する。
[相違点1]について
縁用固定部材において、壁に当接可能な平坦な端面を有するものは、周知慣用の技術にすぎず、刊行物記載の発明に周知慣用技術を適用し、相違点1に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得た事項にすぎない。

[相違点2]について
刊行物記載の発明は、具体的な半径の数値が不明であるが、適宜の半径を有する曲面であることは明らかであり、半径5ミリ以上とすることは当業者が適宜採用し得る程度の設計事項である。
また刊行物記載の発明は、壁に予め壁紙が貼り付けられているものであるが、縁用固定部材を取り付けた後に壁紙を貼り付けることは、壁紙を貼り付ける施工方法の一つとして当業者が適宜選択し得る程度の事項であり、そのような施工方法を選択した場合に、壁紙を室内面開放側コーナーの曲面と壁の隙間に差し込んで壁に貼り付けることは、壁紙の端部処理方法として当業者が当然考慮し得た事項にすぎず、また、このような事項は、実願平4-4654号(実開平5-64352号)のCD-ROM(【0016】、図7参照)にも記載されており、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得た事項にすぎない。
さらに、本願発明の作用効果も、刊行物記載の発明から当業者が予測できる範囲のものにすぎない。

【5】むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願は、当審で通知した上記拒絶の理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-08-25 
結審通知日 2004-08-31 
審決日 2004-09-13 
出願番号 特願2000-188756(P2000-188756)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 七字 ひろみ  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 伊波 猛
南澤 弘明
発明の名称 室内縁部構造  
代理人 須田 篤  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ