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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1105865
異議申立番号 異議2003-70302  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-01-29 
確定日 2004-08-10 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3309973号「離れた場所から複写機を自動的にモニターするためのシステムにおける改良」の請求項7ないし12、14、17に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3309973号の請求項7ないし12、14、17に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3309973号に係る出願は、平成3年8月12日(パリ条約による優先権主張1990年8月14日、米国)に出願され、平成14年5月24日に特許の設定登録がされ、その後異議申立人大木茂によりその特許請求の範囲における請求項7-12,14、及び17に係る発明について特許異議の申立がなされ、および異議申立人武田政子によりその請求項7-11、及び17に係る発明について特許異議の申立がなされ、そして取消しの理由が通知され、その指定期間である平成15年10月6日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
平成15年10月6日付けの訂正請求書による訂正事項は、
ア.特許請求の範囲の請求項7及び17の
「制御コンピュータ」
「インターフェイス」
を、
「装置制御コンピュータ」
「各装置ごとに設けられたインターフェイス」
と訂正するものである。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項ア.は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内において訂正するものであり、前者は誤記の訂正、後者は特許請求の範囲の減縮にそれぞれ該当し、新規事項の追加に該当しない。
そして、上記訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものでもない。

(3)以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同3項において準用する同法第126条第2項及び同第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.本件発明
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件請求項7-12,14、及び17に係る発明は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項7-12,14、及び17に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項7】各イメージ処理装置が装置状況情報をモニターし装置の動作を制御する装置制御コンピュータを備える1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステムであって、
各装置に関連し、離れた場所への伝送のために装置制御コンピュータから状況情報をアクセスする手段と、装置制御コンピュータによる実行のため離れた場所から動作命令を送達する手段とを含む各装置ごとに設けられたインターフェイスと、
該インターフェイスと該離れた場所との間の通信手段と、
該装置制御コンピュータによって処理された状況情報を該離れた場所においてリアルタイムで遠隔モニターする手段と、
動作命令を装置制御コンピュータによる実行のために該離れた場所において発送することによって装置に対する制御命令を遠隔送出する手段とを備え、
該制御命令を送出する手段は、該離れた場所において制御命令を遠隔的に入力する手段と、該制御命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段と、該制御命令に相当するデータパターンを該特定の装置の制御コンピュータに伝達する手段とを備えるシステム。

【請求項8】該1以上のイメージ処理装置の制御コンピュータからの状況情報を遠隔モニターする手段および該1以上のイメージ処理装置の制御コンピュータに遠隔的に動作命令を送出する手段は該離れた場所における中央コンピュータである請求項7記載のシステム。

【請求項9】該中央コンピュータは該離れた場所で該1以上の装置からの状況情報をポールし、集合し、フォーマットする手段を含む請求項8記載のシステム。

【請求項10】ネットワーク内の特定の装置を同定するための状況情報を有し該離れた場所に伝送される同定データパターンを有する不揮発性リードオンリーメモリをさらに備える請求項7記載のシステム。

【請求項11】該インターフェイスと該離れた場所との間の該通信手段は電話線、ハード配線、光ファイバーおよび高周波送信/受信を含む群から選択される請求項7記載のシステム。

【請求項12】該装置はデイスプレイをさらに備え、該システムは該デイスプレイを該離れた場所において再生する手段をさらに備える請求項7記載のシステム。

【請求項14】該装置は制御命令を送出するキーパッドをさらに備え、該システムは該離れた場所において装置のキーパッドによって発生される制御命令を始動させる手段をさらに備える請求項9記載のシステム。

【請求項17】各イメージ処理装置が装置状況情報をモニターし装置の動作を制御する装置制御コンピュータおよび該装置におけるユーザーとの会話のための装置制御パネルを備える1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステムであって、
各装置に関連し、装置制御コンピュータからの状況情報を該離れた場所に伝送するために送出する各装置ごとに設けられたインターフェイスと、
該インターフェイスと該離れた場所との間の通信手段と、
該装置制御コンピュータからの状況情報を該離れた場所において遠隔モニターする手段と、
該装置を該離れた場所から操作する手段とを備え、
該装置を該離れた場所から操作する手段は、該離れた場所において装置にたいする命令を遠隔的に入力する手段と該命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段とを備え、
ネットワーク内の特定の装置を同定するための状況情報を有し該離れた場所に伝送される同定データパターンを有するイメージ処理装置に関連する不揮発性リードオンリーメモリをさらに備えるシステム。」

4.特許異議申立て理由の概要
(1)異議申立人大木茂は、証拠として
甲第1号証(特開昭60-263162号公報)、
甲第2号証(特開昭63-197966号公報)、
甲第3号証(特開昭62-295563号公報)、
甲第4号証(特開平 2- 14663号公報)、
甲第5号証(特開平 2-202161号公報)
を提出し、請求項7-12,14、及び17に係る発明は、甲第1-5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、また特許請求の範囲の請求項7及び17の記載は、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載しているとはいえないから、特許法第36条第5項第2号の規定に違反してなされたものであり、したがって、請求項7-12,14、及び17に係る発明の特許は、同法第113条第1項第2号の規定により取り消すべき旨主張している。
(2)異議申立人武田政子は、
甲第1号証(特願平2-190101号(特開平4- 76560号公報))、
甲第2号証(特願平2-213275号(特開平4- 97261号公報))、
甲第3号証(特願平2- 95270号(特開平3-292043号公報))、
を提出し、請求項7-11、及び17に係る発明は、甲第1-3号証に示される各先願発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであり、したがって、請求項7-11、及び17に係る発明の特許は、同法第113条第1項第2号の規定により取り消すべき旨主張している。

5.引用刊行物記載の発明
当審が通知した取消理由に引用した
特開昭60-263162号公報(以下「刊行物1」という。)(大木茂提示の甲第1号証)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「複写機と集中管理装置とを双方向性の信号で接続し、集中管理装置からの指令で複写機を制御すると共に、この時の複写機からの信号を集中管理装置へ時系列的に記憶していくことを特徴とする複写システム」(第1頁特許請求の範囲)
なお、相方向性と記載されているが、これは双方向性の明かな記載間違いであるから、双方向性とした。

(イ)「[技術分野]
本発明は複写機と、その複写機と双方向性インターフェースにより接続された集中管理装置とを有する複写システムに関する。」(第1頁下左欄第11〜14行)
なお、相方向性と記載されているが、これは双方向性の明かな記載間違いであるから、双方向性とした。

(ウ)「[目的]
本発明は複写機に双方向性のインターフェースをつけ、このインターフェースにより外部から複写機をコントロールし、さらにその時の複写機の内部データ等を取り出すことによって複写機の自動ランニングテストが出来る複写システムを提供することを目的とする。」(第1頁下右欄第5〜11行)

(エ)「第1図に本システムのブロック図を示す。Aは複写機、Bはデータ集計装置,Cは集中管理装置、Dは複写機Aとデータ集計装置を接続するケーブルで構内回線も含む。Eはデータ集計装置Bと集中管理装置Cを接続するケーブルで、構内回線又は公衆回線を利用する。またFはソータ、Gは自動原稿搬送装置(以下DFと呼ぶ)である。
第2図はデータ集計装置Bと複写機Aとの結線を示す図である。」(第1頁下右欄第15行〜第2頁上左欄第3行)

(オ)「第2図において、A1,A2…Anは複数の複写機を示す。データ集計装置Bは1台で複数の複写機をコントロールする様になっている。この為、使用法の例として1〜3Fまで複写機が入っているとすると、1Fのデータ集計装置でその階の複写機全てをコントロールし、さらに2Fのデータ集計装置で2階全ての複写機をコントロールする。3F以上も同様である。集中管理装置Cは各階に設置されたデータ集計装置Bをコントロールする様になっている。
集中管理装置Cは、多数のデータ集計装置Bを管理する。その外形図を第3図に示す。
第3図において1は表示装置であり、各複写機のデータ等を表示する。2は制御部及び外部記憶装置であり通信回線の制御等及び主要なデータ、特別な制御プログラムを記憶する。3は操作部であり、この部分を操作することにより各複写機のデータの表示、及び複写機の制御を行なう。」(第2頁上左欄第4行〜同頁上右欄第1行)

(カ)「データ集計装置Bのブロック図を第4図に示す。構成はCPU4、ROM5、RAM(電池等によるバックアップ又は不揮発性型メモリー等を使用する)6、I/O7、通信機能を有するシリアルインターフェース(SIO)より成る。
この装置は次の機能を有する。
(1)ユーザデータの収集
(イ)各サイズの別のコピー枚数
(ロ)トナーの使用量
(ハ)ペーパなし回数
(ニ)その他
(2)サービスデータの収集
(イ)光学系の汚れ具合
(ロ)高圧電源の電圧、電流変化
(ハ)各々のジャム回数
(ニ)以上箇所及び回数
(ホ)その他
(3)マーケッティング情報の収集
(イ)各モードでのコピー量
(ロ)その他
等のデータの収集機能と、データ集計装置Bからの出力信号により、複写機Aを操作部より操作した状態と同じ様にする機能である。
第5図に複写機Aとデータ集計装置Bとのデータ転送時のタイミングチャートを示す。」(第2頁上右欄第2行〜同頁下左欄第5行)
なお、丸数字及び丸カタカナで記載されている箇所は、印刷の都合上括弧付きの数字及び括弧付きのカタカナとした。

(キ)「また、複写機Aをデータ集計装置Bで外部制御する場合、外部制御として2つのモードを有する。
(1)複写機の操作部を操作したと同一の働きをするモード
(2)複写機の各ユニットを診断するモード
(1)の場合はデータ集計装置Bより“外部”を送ることにより、複写機Aの動きはデータ集計装置Bから送られてくるコードにより、所定の動きをする。
第7図は、複写機の操作キーを押下したことと同一の動作をさせる為に、データ集計装置Bから送られてくるコードを示す図である。
例えば9keyを操作したと同じ働きをさせるには、データ集計装置Bより(00011001)のコードを送れば良いことを示す。他のコードについても同様である。
第8図複写機内に用意されている診断プログラムを実行させる為のコードである。
例えば5vをテストするには、データ集計装置より(0100000)のコードを送ればよいことを示している。」(第2頁下左欄第20行〜同頁下右欄第20行)
なお、丸数字で記載されている箇所は、印刷の都合上括弧付きの数字とした。

(ク)「第9図に診断モードでのデータのやり取り方式を示す。
例えば5vの電圧をチェックする時について説明する。
(1)第9図の(A)で5vのテストコードである“4aH”を送る。そのコードを複写機が受けると、応答信号を返す。その後、複写機は5vの電圧を調査し、(B)のタイミングで正常(50H)又は異常(51H)のコードを返す。
(2)このコードにより、複写機の電源は正常かどうかをチェック出来る。本例では“正常”、“異常”のみであったが、電圧を測定した値をデータとしてデータ集計装置にもどしても良い。
第10図は上述したデータ集計装置Bからのコード判別に係る複写機A内のフローである。
尚、本発明に係る複写システムの制御の説明は、複写機Aとデータ集計装置Bとの間でのものであったが、データ集計装置Bでなく、集中管理装置Cでもよい。この様にすることにより、各複写機の内部が1箇所でわかり、サービスもしやすくなる利点がある。」(第3頁上左欄第1行〜同頁上右欄第1行)
なお、丸アルファベットで記載されている箇所は、印刷の都合上括弧付きのアルファベットとした。

(ケ)「第11図に複写機の自動テストシステムの一例を示す。
この例はテストの手順、複写機の動作上の監視を集中管理装置Cで行なうものである。
通常テストは決まった手順で行なう。この手順は第12図のフロッピーユニット上に前もって作っておくか、キーボードで入力しても良い。
例として、上給紙台で50枚、拡大モードでコピーすることについて説明する。
(1)複写機Aに“外部コントロール信号”を送り、外部で制御出来るモードにする。
(2)第7図に従って
(a)上給紙選択keyコード(26H)を送り、複写機Aを上給紙モードにする。
(b)セット枚数50枚を送り(15H,1φH)、複写機Aのセット枚数を50にする。
(c)拡大key信号(25H)を送り、複写機Aを拡大モードにする。
(d)プリントkey信号(21H)を送り、コピー動作させる。
この時のデータ伝送のタイミングを台13図(a),(b)に示す。
複写機Aがコピー動作を開始することにより、複写機Aよりコピー毎にカウントアップ信号を送ってくる。集中管理装置Cではこれを受け、トータルのコピー枚数、サイズ別枚数をカウントしていく途中でジャム等があれば、その時のカウント数に合わせて、異常状態を集中管理装置に記憶すると共に、CRT上へ表示する。
第14図にそのデータの一例を示す。
第14図において、トータル枚数はスタート時から何枚コピーしたかを示すカウンタであり、コピーする毎にカウントアップする。ジャムコードはジャムした位置を示すコードである。トータル枚数より何枚目にジャムしたかを見ることが出来る。
例えば、ジャムコードが“000”であれば“ジャムなし”であるが、“001”であれば“レジストジャム”を表わす。
紙サイズは現在使用中の紙サイズを示す。
給紙台は現在使用している給紙台を示す。
複写機のモードは、この部分にて複写機がどんなモードになっているかを示す。

コードの意味を下に示す。

Bit数 意味
8 )セット枚数
8 )コピー枚数
3 )濃度設定
3 )倍率設定
2 )両面モード

異常コードは機械異常の状態を示す。

コード 異常内容 コード 異常内容
000 異常なし 100 トータルカウント
001 スキャナ 101 電源
010 ハロゲン 110 ドラム
011 定着 111 モータ

この様にして記憶しておくことにより、テスト終了後、異常項目別に分離が出来、機械の不具合の改良を早く行なえ、さらに無人にてテスト出来ることになる。
第14図のデータは一部であり、さらに電圧電源、DC電源入力電圧、定着温度等を記憶しておいても良い。」(第3頁上右欄第2行〜第4頁上左欄第7行)
なお、丸数字及び丸アルファベットで記載されている箇所は、印刷の都合上括弧付きの数字及び括弧付きのアルファベットとした。

(コ)「[効果]
以上述べた様に本発明における複写システムにおいては、多数の複写機を1ヶ所で管理することが出来るので、機械の故障を未然に防ぐことが出来、機械のサービスコストを下げることが出来る。」(第4頁上左欄第9〜12行)

6.対比・判断
(i)請求項7に係る発明
請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
刊行物1には、複数の複写機と集中管理装置とを双方向性のインターフェースを介して接続し、遠隔地にある集中管理装置からの指令で複写機を遠隔制御すると共に、集中管理装置が複写機の動作状況を自動的に遠隔監視すなわち遠隔モニターすることが記載されている(前記(ア)〜(ウ)参照。)から、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「1以上の各イメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステム」である点で差異はない。

刊行物1には、各複写機と集中管理装置とを双方向性のインターフェースすなわちデータ集計装置を介して構内回線や公衆回線等のケーブルで結んだ複写システムが記載されており、このシステムのデータ集計装置(双方向性のインターフェース)は、各複写機の動作状況情報を収集し遠隔地にある集中管理装置に伝送する一方、遠隔地にある集中管理装置のコントロールにより各複写機に対する動作指令を発し、この動作指令は各複写機に伝送され複写機を遠隔制御すること、つまり該データ集計装置(双方向性のインターフェース)は、各複写機の動作状況と遠隔地にある集中管理装置のコントロール信号とをケーブル等の通信回線を介して各複写機から集中管理装置へ又は集中管理装置から各複写機へと双方向的に伝達することが記載されている(前記(ア)〜(カ)参照。)から、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「各装置に関連し、離れた場所への伝送のために状況情報をアクセスする手段と、離れた場所から動作命令を送達する手段とを含むインターフェイス」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、各複写機と集中管理装置とを双方向性のインターフェースすなわちデータ集計装置を介して構内回線や公衆回線等のケーブルで結び、各複写機と集中管理装置とが双方向的に通信することが記載されており(前記(エ)及び(オ)参照。)、そして本件特許公報第4頁右欄の第23〜25行、及び同頁同欄第30行には、通信手段はライン52である旨明記されており、明細書の記載をみるに該ライン52はケーブルであることは明白であるから、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「該インターフェースと該離れた場所との間の通信手段」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、遠隔地にある集中管理装置が各複写機の状況情報を遠隔監視すなわち遠隔モニターすることが記載されている(前記(ア)〜(カ)参照。)から、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「状況情報を該離れた場所において遠隔モニターする手段」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、
「集中管理装置は、(中略)、3は操作部であり、この部分を操作することにより各複写機のデータの表示、及び複写機の制御を行なう。」(前記(オ)参照。)
「この装置は次の機能を有する。(中略)、複写機Aを操作部により操作した状態と同じ様にする機能である。」(前記(カ)参照。)
「尚、本発明に係る複写システムの制御の説明は、複写機Aとデータ集計装置Bとの間でのものであったが、データ集計装置Bでなく、集中管理装置Cでもよい。この様にすることにより、各複写機の内部が1箇所でわかり、サービスもしやすくなる利点がある。」(前記(ク)参照。)
との記載がなされており、これらの記載からみるに、刊行物1には、遠隔地にある集中管理装置の操作部を操作し、各複写機に対する制御命令を発送することにより各複写機を遠隔制御することが記載されているから、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「動作命令を実行のために該離れた場所において発送することによって装置に対する制御命令を遠隔送出する手段」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、遠隔地にある集中管理装置の操作部を操作し制御命令を入力し、この制御命令を複写機に伝送する(前記(オ)〜(ク)参照。)ことが記載されており、そしてこの制御命令は、特定の複写機を個別的に制御するために発行されることは明かである。また、刊行物1には、
「例えば9keyを操作したと同じ働きをさせるには、データ集計装置Bより(00011001)のコードを送れば良いことを示す。他のコードについても同様である。」(前記(キ)参照。)
「例えば5vをテストするには、データ集計装置より(0100000)のコードを送ればよいことを示している。」(前記(キ)参照。)
「例えば5vの電圧をチェックする時について説明する。
(1)第9図の(A)で5vのテストコードである“4aH”を送る。そのコードを複写機が受けると、応答信号を返す。その後、複写機は5vの電圧を調査し、(B)のタイミングで正常(50H)又は異常(51H)のコードを返す。」(前記(ク)参照。)
「例として、上給紙台で50枚、拡大モードでコピーすることについて説明する。
(1)複写機Aに“外部コントロール信号”を送り、外部で制御出来るモードにする。
(2)第7図に従って
(a)上給紙選択keyコード(26H)を送り、複写機Aを上給紙モードにする。
(b)セット枚数50枚を送り(15H,1φH)、複写機Aのセット枚数を50にする。
(c)拡大key信号(25H)を送り、複写機Aを拡大モードにする。
(d)プリントkey信号(21H)を送り、コピー動作させる。」(前記(ケ)参照。)
との記載がなされており、
ここに示される9key操作コード(00011001)、5vテストコード(0100000)、上給紙選択keyコード(26H)、拡大keyコード(25H)、プリントkeyコード(21H)等は、請求項7に係る発明の「制御命令に相当するデータパターン」に相当することは明かであるから、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「該制御命令を送出する手段は、該離れた場所において制御命令を遠隔的に入力する手段と、該制御命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段と、該制御命令に相当するデータパターンを該特定の装置の制御コンピュータに伝達する手段」を有する点で差異はない。

そうすると、請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、

(一致点)
「1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステムであって、
各装置に関連し、離れた場所への伝送のために状況情報をアクセスする手段と、実行のため離れた場所から動作命令を送達する手段とを含むインターフェイスと、
該インターフェイスと該離れた場所との間の通信手段と、
状況情報を該離れた場所において遠隔モニターする手段と、
動作命令を実行のために該離れた場所において発送することによって装置に対する制御命令を遠隔送出する手段とを備え、
該制御命令を送出する手段は、該離れた場所において制御命令を遠隔的に入力する手段と、該制御命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段と、該制御命令に相当するデータパターンを該特定の装置に伝達する手段とを備えるシステム。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
請求項7に係る発明は、各イメージ処理装置が装置状況情報をモニターし装置の動作を制御する装置制御コンピュータを備えているのに対し、刊行物1に記載された発明は、そのような装置制御コンピュータを備えていると明記しない点。

(相違点2)
請求項7に係る発明は、インターフェースを各装置ごとに設けているのに対し、刊行物1に記載された発明は、双方向性インターフェース(データ集計装置)を所定台数の複写機に対して1台ずつ、例えば、各フロアに1台ずつ設けており、各複写機ごとに設けていない点。

(相違点3)
請求項7に係る発明は、リアルタイムで遠隔モニターしているのに対し、刊行物1に記載された発明は、リアルタイムで遠隔モニターすると明記しない点。

(判断)
上記相違点1について判断するに、
刊行物1には、各複写機は、遠隔地にある集中管理装置から送信されて来る制御信号や制御コードに応じて動作を行い、その処理結果を集中管理装置に送信しているのであるから、各複写機は、受信命令を解釈実行し、かつ自装置をモニタするコンピュータ又はコントローラを備えているべきことは、明かであるところ、例えば、特開昭63-197966号公報(大木茂提示の甲第2号証)(以下、「刊行物2」という。)には、複写機の装置状況をモニターすると共に装置の状態を制御するコントローラを備えた複写機が記載されており、刊行物1に記載された複写機を、刊行物2に示されるコントローラを備えた複写機に代え請求項7に係る発明の如く構成することは、当業者が適宜なし得ることである。

上記相違点2について判断するに、
刊行物1に記載された複写システムにおいては、双方向性インターフェース(データ集計装置)が、インターフェース機能の他にデータ収集機能、データ集計機能、マーケッティング機能、自動テスト機能等の複数の機能を有するものであり、システム構成上の経済性故に所定台数の複写機に対して1台ずつ双方向性インターフェース(データ集計装置)を設けるものであるが、このシステムにおいて実現されるインターフェース機能は、各複写機ごとにインターフェースを設けるシステムにおいて実現される機能と全く同じであり、インターフェース機能の実現という面から見ると請求項7に係る発明と刊行物1に記載された発明とは相違のないものである。しかも、それぞれ機種の異なる複数の端末装置と集中管理装置とからなる一般のコンピュータネットワークシステムでは、各端末装置ごとにインターフェースを設けることも、周知慣用されている技術常識であることに鑑みれば、各装置ごとにインターフェースを設けるようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。

上記相違点3について判断するに、
刊行物1には、各複写機は外部からの信号に応答する度に直ちに処理結果を返送することが記載されている。例えば、集中管理装置が50枚のコピーを遠隔の地から行わせたとき、複写機はコピーする毎にカウントアップ信号を集中管理装置に送ることが記載されている(前記(ケ)参照。)。そして、リアルタイムで複数の対象装置を監視する遠隔監視システムは、当業者には周知であるから、刊行物1に記載された発明の遠隔モニターを周知のリアルタイムの遠隔モニターに代え請求項7に記載された発明の如く構成することは、当業者が適宜なし得ることである。

(ii)請求項8に係る発明
請求項8に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比するに、請求項8に係る発明は、中央コンピュータが遠隔モニターし、かつ遠隔的に動作命令を送出するものであるが、
刊行物1には、集中管理装置が、複写機を遠隔監視すなわち遠隔モニターしかつ遠隔的に動作命令を送出し、複写機を制御することが記載されているから、請求項8に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、この点で差異はない。
したがって、請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明についての判断の項で述べたと同じ理由により、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明し得たものである。

(iii)請求項9に係る発明
請求項9に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比するに、請求項9に係る発明は、中央コンピュータが装置の近況状況をポールし、集合し、フォーマットするものであるが、
刊行物1には、複写機の5vの電圧をチェックする時、テストコード“4H”を複写機に送り、このコードを複写機が受け取ると応答信号を返送し、その後、複写機は5vの電圧を調査し、直ちに正常又は異常のコードをデータ集計装置に返すことが記載されており(前記(ク)参照。)、また、刊行物1には、
「尚、本発明に係る複写システムの制御の説明は、複写機Aとデータ集計装置Bとの間でのものであったが、データ集計装置Bでなく、集中管理装置Cでもよい。この様にすることにより、各複写機の内部が1箇所でわかり、サービスもしやすくなる利点がある。」(前記(ク)参照。)
との記載もなされており、これらの記載からみるに、集中管理装置は、各複写機の状況情報をポーリングしていることは明かである。
そして、集中管理装置が各複写機の状況情報をポーリングし各複写機の状況情報を集中管理装置に収集することは、当業者には周知な事項である。例えば、この点に関しては、
特開昭59-112382号公報(特に第1図及び第2図そして関連説明参照。)
特開昭59-81656号公報(特に第1図及び第2図そして関連説明参照。)
特開昭59-116761号公報(特に第1図及び第2図そして関連説明参照。)
を参照のこと。
また、刊行物1には、「各複写機の内部が1箇所で分かり、サービスもしやすくなる利点がある。」(前記(ク)参照。)との記載がなされており、この記載からみるに、刊行物1に記載された発明の集中管理装置は、集中管理というからには自明なことではあるが、各複写機の近況状況を集合しすなわち収集していることは、明かである。
また、各複写機から収集した状況情報は、全て統一した書式で扱う必要があり、一定の書式にフォーマットし管理しなければならないことは、自明な技術常識である。
したがって、請求項9に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明し得たものである。

(iv)請求項10に係る発明
請求項10に係る発明と、刊行物1に記載された発明とを対比するに、請求項10に係る発明は、ネットワーク内の特定の装置を同定するための状況情報を有し該離れた場所に伝送される同定データパターンを有する不揮発性リードオンリーメモリを備えたものであるが、
一般に、複数の装置からなるネットワークにおいては、ネットワークを構成する各装置を同定すなわち特定するために各装置に装置番号や識別バージョン等のID情報を付与しており、該装置識別用のID情報は、通常、各装置のROMに不揮発的に記憶しておき必要な時に読み出されることは、当業者には周知な技術常識であるところ、例えば、特開平2-14663号公報(大木茂提示の甲第4号証)(以下、「刊行物4」という。)には、複数のファクシミリ装置が電話回線を介してホストコンピュータと接続されるファクシミリネットワークにおいて、遠隔地のホストコンピュータが電話回線を介して各ファクシミリ装置の設定内容の確認及び変更を制御するファクシミリ通信方式が記載されており、ネットワークを構成する各ファクシミリ装置は、ROMを備え該ROMには、ファクシミリ装置の機種名、識別番号等を表す情報が不揮発的に記憶されていることが記載されている。そして、この不揮発性ROMに記憶されている機種名、識別バージョン等を表す情報は、各ファクシミリ装置を同定すなわち特定するためのID情報であり、またファクシミリ装置は読取装置、記録装置(コピー機も含む)、及び通信装置を備えているからイメージ処理装置といえるものであるから、請求項10に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明し得たものである。

(v)請求甲11に係る発明
請求項11に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比するに、請求項11に係る発明は、インターフェースと離れた場所との通信手段は、電話線、ハード配線、光ファイバー及び高周波送信/受信を含む群から選択されるものであるが、
刊行物1には、複写機と集中管理装置とは、双方向性のインターフェースを介して構内回線又は公衆回線(電話回線)で接続されることが記載されており(前記(エ)参照。)、また電話回線の代わりに無線や光ファイバーとすることも周知慣用されている事項であることに鑑みれば、この点で請求項11に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、差異がない。
したがって、請求項11に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明し得たものである。
(vi)請求項12に係る発明
請求項12に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比するに、請求項12に係る発明は、装置がディスプレイを備え、システムは該ディスプレイを離れた場所において再生する手段を備えるものであるが、刊行物1には、
「集中管理装置Cは、多数のデータ集計装置Bを管理する。その外形図を第3図に示す。
第3図において1は表示装置であり、各複写機のデータ等を表示する。2は制御部及び外部記憶装置であり通信回線の制御等及び主要なデータ、特別な制御プログラムを記憶する。3は操作部であり、この部分を操作することにより各複写機のデータの表示、及び複写機の制御を行なう。」(前記(オ)参照。)
「複写機Aを操作部より操作した状態と同じ様にする機能である。」(前記(カ)参照。)
「外部制御として2つのモードを有する。
(1)複写機の操作部を操作したと同一の働きをするモード」(前記(キ)参照。)
「尚、本発明に係る複写システムの制御の説明は、複写機Aとデータ集計装置Bとの間でのものであったが、データ集計装置Bでなく、集中管理装置Cでもよい。この様にすることにより、各複写機の内部が1箇所でわかり、サービスもしやすくなる利点がある。」(前記(ク)参照。)
との記載がなされており、これらの記載は、複写機の操作部を操作したとき、操作部に表示される内容が集中管理装置にも表示されモニターされることを示すものである。
しかも、中央監視システムのホストコンピュータが、ネットワークを構成する各装置の表示装置にディスプレイされている情報を再生し各装置を遠隔的にモニターすることは、周知慣用されている技術事項である。したがって、請求項12に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明し得たものである。

(vii)請求項14に係る発明
請求項14に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、請求項14に係る発明は、離れた場所において、装置のキーパッドによって発生される制御命令を始動させる手段を有するものであるが、刊行物1には、
「集中管理装置Cは、多数のデータ集計装置Bを管理する。その外形図を第3図に示す。
第3図において1は表示装置であり、各複写機のデータ等を表示する。2は制御部及び外部記憶装置であり通信回線の制御等及び主要なデータ、特別な制御プログラムを記憶する。3は操作部であり、この部分を操作することにより各複写機のデータの表示、及び複写機の制御を行なう。」(前記(オ)参照。)
「外部制御として2つのモードを有する。
(1)複写機の操作部を操作したと同一の働きをするモード」(前記(キ)参照。)
「尚、本発明に係る複写システムの制御の説明は、複写機Aとデータ集計装置Bとの間でのものであったが、データ集計装置Bでなく、集中管理装置Cでもよい。この様にすることにより、各複写機の内部が1箇所でわかり、サービスもしやすくなる利点がある。」(前記(ク)参照。)
「第11図に複写機の自動テストシステムの一例を示す。
この例はテストの手順、複写機の動作上の監視を集中管理装置Cで行なうものである。
通常テストは決まった手順で行なう。この手順は第12図のフロッピーユニット上に前もって作っておくか、キーボードで入力しても良い。」(前記(ケ)参照。)
との記載がなされており、これらの記載は、遠隔地にある集中管理装置の操作部(キーボード等)から制御命令を入力することにより、あたかも現場の複写機の操作部(キーボードや制御パネル等)から制御命令を入力し直接複写機を制御するのと同じ動作を始動させることができることを示すものである。
そして、複写機に対する制御命令入力手段としてのキーボードや制御パネルとキーパッドとの間には技術的には本質的な差異がないものであるから、刊行物1に記載の複写機のキーボードや制御パネルをキーパッドに代え請求項14に係る発明との如く構成することは、当業者が適宜なし得ることである。

(viii)請求項17に係る発明
請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
刊行物1には、複数の複写機と遠隔地にある集中管理装置とを双方向性のインターフェースを介して接続し、集中管理装置からの指令で複写機を遠隔制御すると共に、集中管理装置が複写機の動作状況を自動的に遠隔監視すなわち遠隔モニターすることが記載されており(前記(ア)〜(ウ)参照。)、
また刊行物1には、
「複写機Aを操作部より操作した状態と同じ様にする機能である。」(前記(カ)参照。)、
「(1)複写機の操作部を操作したと同一の働きをするモード」(前記(キ)参照。)、
「第7図は、複写機の操作キーを押下したことと同一の動作をさせる為に、データ集計装置Bから送られてくるコードを示す図である。」(前記(キ)参照。)
との記載がなされており、これらの記載からみるに、刊行物1に係る発明の複写機(イメージ処理装置に相当)は、ユーザとの会話のための操作部(制御パネルに相当)を有するものであるから、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「ユーザとの会話のための装置制御パネルを備える1以上の各イメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステム」である点で差異はない。

刊行物1には、各複写機と集中管理装置とを双方向性のインターフェースすなわちデータ集計装置を介して構内回線や公衆回線等のケーブルで結んだ複写システムが記載されており、このシステムのデータ集計装置(双方向性のインターフェース)は、各複写機の動作状況情報を収集し遠隔地にある集中管理装置に伝送する一方、遠隔地にある集中管理装置のコントロールにより各複写機に対する動作指令を発し、この動作指令は各複写機に伝送され複写機を遠隔制御すること、つまり該データ集計装置(双方向性のインターフェース)は、各複写機の動作状況と遠隔地にある集中管理装置のコントロール信号とをケーブル等の通信回線を介して各複写機から集中管理装置へ又は集中管理装置から各複写機へと双方向的に伝達することが記載されている(前記(ア)〜(カ)参照。)から、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「各装置に関連し、状況情報を該離れた場所に伝送するために送出するインターフェイス」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、各複写機と集中管理装置とを双方向性のインターフェースすなわちデータ集計装置を介して構内回線や公衆回線等のケーブルで結び、各複写機と集計管理装置とが双方向的に通信することが記載されており(前記(エ)及び(オ)参照。)、そして本件特許公報第4頁右欄の第23〜25行、及び同頁同欄第30行には、通信手段はライン52である旨明記されており、明細書の記載をみるに該ライン52はケーブルであることは明白であるから、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「該インターフェースと該離れた場所との間の通信手段」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、遠隔地にある集中管理装置が各複写機の状況情報を遠隔監視すなわち遠隔モニターすることが記載されている(前記(ア)〜(カ)参照。)から、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「状況情報を該離れた場所において遠隔モニターする手段」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、集中管理装置の操作部を操作することにより各複写機を遠隔制御することが記載されている(前記(ア)〜(ケ)参照。)から、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「該装置を該離れた場所から操作する手段」
を有する点で差異はない。

刊行物1には、
「集中管理装置は、(中略)、3は操作部であり、この部分を操作することにより各複写機のデータの表示、及び複写機の制御を行なう。」(前記(オ)参照。)
「この装置は次の機能を有する。(中略)、複写機Aを操作部により操作した状態と同じ様にする機能である。」(前記(カ)参照。)、
「尚、本発明に係る複写システムの制御の説明は、複写機Aとデータ集計装置Bとの間でのものであったが、データ集計装置Bでなく、集中管理装置Cでもよい。この様にすることにより、各複写機の内部が1箇所でわかり、サービスもしやすくなる利点がある。」(前記(ク)参照。)
との記載がなされており、これらの記載からみるに、刊行物1には、遠隔地にある集中管理装置の操作部を操作し、各複写機に対する制御命令を遠隔的に入力することが記載されており、そしてこの制御命令は、特定の複写機を個別的に制御するために出されることは明かであるから、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、
「該装置を該離れた場所から操作する手段は、該離れた場所において装置に対する命令を遠隔的に入力する手段と該命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段」
を有する点で差異はない。

そうすると、請求項17に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、

(一致点)
「ユーザーとの会話のための装置制御パネルを備える1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステムであって、
各装置に関連し、状況情報を該離れた場所に伝送するために送出するインターフェイスと、
該インターフェイスと該離れた場所との間の通信手段と、
状況情報を該離れた場所において遠隔モニターする手段と、
該装置を該離れた場所から操作する手段とを備え、
該装置を該離れた場所から操作する手段は、該離れた場所において装置にたいする命令を遠隔的に入力する手段と該命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段とを備えるシステム。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
請求項17に係る発明は、各イメージ処理装置が装置状況情報をモニターし装置の動作を制御する装置制御コンピュータを備えているのに対し、刊行物1に記載された発明は、そのような装置制御コンピュータを備えていると明記しない点。

(相違点2)
請求項17に係る発明は、インターフェースを各装置ごとに設けているのに対し、刊行物1に記載された発明は、双方向性インターフェース(データ集計装置)を所定台数の複写機に対して1台ずつ、例えば、各フロアに1台ずつ設けており、各複写機ごとに設けていない点。

(相違点3)
請求項17に係る発明は、ネットワーク内の特定の装置を同定するための状況情報を有し該離れた場所に伝送される同定データパターンを有するイメージ処理装置に関連する不揮発性リードオンリーメモリを備えているのに対し、刊行物1に記載された発明は、各複写機(イメージ処理装置に相当)が、複写機を同定するデータパターンを記憶した不揮発性リードオンリーメモリーを備えていると明記しない点。

(判断)
上記相違点1については、請求項7に係る発明の相違点1について判断したとおりである。

上記相違点2については、請求項7に係る発明の相違点2について判断したとおりである。

上記相違点3について判断するに、
一般に、複数の装置からなるネットワークにおいては、ネットワークを構成する各装置を同定すなわち特定するために各装置に装置番号や識別バージョン等のID情報を付与しており、該装置識別用のID情報は、通常、各装置のROMに不揮発的に記憶され必要な時に読み出されることは、当業者には周知な技術常識であるところ、例えば、特開平2-14663号公報(大木茂提示の甲第4号証)(以下、「刊行物4」という。)には、複数のファクシミリ装置が電話回線を介してホストコンピュータと接続されるファクシミリネットワークにおいて、遠隔地のホストコンピュータが電話回線を介して各ファクシミリ装置の設定内容の確認及び変更を制御するファクシミリ通信方式が記載されており、ネットワークを構成する各ファクシミリ装置は、ROMを備え該ROMには、ファクシミリ装置の機種名、識別番号等を表す情報が不揮発的に記憶されていることが記載されている。そして、この不揮発性ROMに記憶されている機種名、識別バージョン等を表す情報は、各ファクシミリ装置を同定すなわち特定するためのID情報であり、またファクシミリ装置は記録装置(コピー機も含む)を備えているからイメージ処理装置といえるものであるから、請求項17に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基づいて当業者が容易に発明し得たものである。

7.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項7-12,14、及び17に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項7-12,14、及び17に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件請求項7-12,14、及び17に係る発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
離れた場所から複写機を自動的にモニターするためのシステムにおける改良
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 各イメージ処理装置が装置状況情報を処理し装置の動作を制御する制御コンピュータを備える1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所からモニターしイメージ処理装置制御命令を送出する方法であって、次の工程を含む方法
a)該1以上のイメージ処理装置の制御コンピュータによって処理された状況情報をインターセプトする工程
b)該情報を該離れた場所に伝送する工程
c)該離れた場所において特定のイメージ処理装置から現在の動作状況をリアルタイムで選択的に得る工程
d)該離れた場所からイメージ処理装置制御命令を発生する工程
e)該イメージ処理装置制御命令に相当するデータパターンをイメージ処理装置制御コンピュータに伝達する工程、および
f)該制御命令による該装置にたいする効果を該離れた場所からリアルタイムでモニターする工程。
【請求項2】 該イメージ処理装置は複写機である請求項1記載の方法。
【請求項3】 該状況情報のインターセプトは物理的Y-タップにより行われる請求項1記載の方法。
【請求項4】 該装置からリアルタイムで情報を得る工程は約毎秒ごとに作動状況のポーリングを行う工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項5】 該イメージ処理装置はさらに該装置の作動状況を表示するディスプレイを備え、該イメージ処理装置で表示された作動状況は該離れた場所において再生される請求項1記載の方法。
【請求項6】 該イメージ処理装置は制御命令を送出するキーパッドを備え、該離れた場所から該処理装置に制御命令を発生する工程は該離れた場所においてイメージ処理装置キーパッド命令を始動する手段を備える請求項1記載の方法。
【請求項7】 各イメージ処理装置が装置状況情報をモニターし装置の動作を制御する装置制御コンピュータを備える1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステムであって、
各装置に関連し、離れた場所への伝送のために装置制御コンピュータから状況情報をアクセスする手段と、装置制御コンピュータによる実行のため離れた場所から動作命令を送達する手段とを含む各装置ごとに設けられたインターフェイスと、
該インターフェイスと該離れた場所との間の通信手段と、
該装置制御コンピュータによって処理された状況情報を該離れた場所においてリアルタイムで遠隔モニターする手段と、
動作命令を装置制御コンピュータによる実行のために該離れた場所において発送することによって装置に対する制御命令を遠隔送出する手段とを備え、
該制御命令を送出する手段は、該離れた場所において制御命令を遠隔的に入力する手段と、該制御命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段と、該制御命令に相当するデータパターンを該特定の装置の制御コンピュータに伝達する手段とを備えるシステム。
【請求項8】 該1以上のイメージ処理装置の制御コンピュータからの状況情報を遠隔モニターする手段および該1以上のイメージ処理装置の制御コンピュータに遠隔的に動作命令を送出する手段は該離れた場所における中央コンピュータである請求項7記載のシステム。
【請求項9】 該中央コンピュータは該離れた場所で該1以上の装置からの状況情報をポールし、集合し、フォーマットする手段を含む請求項8記載のシステム。
【請求項10】 ネットワーク内の特定の装置を同定するための状況情報を有し該離れた場所に伝送される同定データパターンを有する不揮発性リードオンリーメモリをさらに備える請求項7記載のシステム。
【請求項11】 該インターフェイスと該離れた場所との間の該通信手段は電話線、ハード配線、光ファイバーおよび高周波送信/受信を含む群から選択される請求項7記載のシステム。
【請求項12】 該装置はデイスプレイをさらに備え、該システムは該デイスプレイを該離れた場所において再生する手段をさらに備える請求項7記載のシステム。
【請求項13】 該装置の動作制御パネルに入力されたキーストロークを該離れた場所から読み取る手段をさらに備える請求項7記載のシステム。
【請求項14】 該装置は制御命令を送出するキーパッドをさらに備え、該システムは該離れた場所において装置のキーパッドによって発生される制御命令を始動させる手段をさらに備える請求項9記載のシステム。
【請求項15】 操作キーを備える装置制御パネルおよび制御コンピュータを備えるイメージ処理装置のキーストリークを離れた場所から自動的にモニターし制御する方法であって、次の工程を含む方法
a)該離れた場所から装置制御パネル操作キーストローク命令を送出する工程
b)該装置制御パネル操作キーストローク命令を該装置コンピュータに伝送する工程。
【請求項16】 該装置制御パネル操作キーストローク命令は装置に認識されない命令であって、制御される装置に特異的な装置制御パネル上のキーストロークによって発生するデータパターンと等価のデータパターンに翻訳される請求項15記載の方法。
【請求項17】 各イメージ処理装置が装置状況情報をモニターし装置の動作を制御する装置制御コンピュータおよび該装置におけるユーザーとの会話のための装置制御パネルを備える1以上のイメージ処理装置の作動状況を離れた場所において自動的にモニターし、動作命令を送出するシステムであって、
各装置に関連し、装置制御コンピュータからの状況情報を該離れた場所に伝送するために送出する各装置ごとに設けられたインターフェイスと、
該インターフェイスと該離れた場所との間の通信手段と、
該装置制御コンピュータからの状況情報を該離れた場所において遠隔モニターする手段と、
該装置を該離れた場所から操作する手段とを備え、
該装置を該離れた場所から操作する手段は、該離れた場所において装置にたいする命令を遠隔的に入力する手段と該命令をシステム中の特定の装置に差向ける手段とを備え、
ネットワーク内の特定の装置を同定するための状況情報を有し該離れた場所に伝送される同定データパターンを有するイメージ処理装置に関連する不揮発性リードオンリーメモリをさらに備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
本発明は複数台の複写機の状況を中核位置から遠隔的にモニターするためのシステムに関する。
発明の背景
複写機械の状況をリポートするための数種類の方法が当該技術分野において知られている。最も簡単なものは「スコアボード」として遠隔的に配置された一連のインジケータが限定された態様において各複写機の状況を示すというものである。しかしながら、このアプローチは単に総体的な故障を示し得るに過ぎず、また広い範囲に、あるいはビルディングの多数階に亘って分配された多数台の複写機が存在する場合の実用的なモニターシステムではない。
多数台の複写機を遠隔的にモニターするための技法はゼロックス遠隔会話形通信[XEROX REMOTE INTERACTIVE COMMUNICATIONS](RIC)システムであって、これは数種類の異なったゼロックス複写機(たとえば、1090)を結合し、そして電話線により状況情報を中央サービス事務所へ中継するというものである。RICは当初請求書の情報を収集するために設計された。それに加えて、故障の傾向、すなわちフューザー部におけるジャムの突然の増加について局部的に分析する、進行中の事故情報をもまた収集する。事故の傾向が認識されると、RICはその事故分析をサービス事務所に報告することになる。RICアダプターは専用のマイクロプロセッサ制御装置であって、複写機の特別なデータ口に差し込むものと、電話線に直接接続するための自動ダイアルモデムから構成されている。
このRICシステムは、それがゼロックス複写機の限られたサブセットとのみ結合するように設計されているという欠点を有している。同一および異なった製造業者の異なった複写機モデルに適合させるために、特定の複写機構造に対応するトランスレータ(translator)であって、1989年12月13日に出願された出願番号第07/450,605号中に記載されたものが、複写機と中央データ収集地点との間に一定方式のインターフェースを提供するために使用される。このトランスレータは単一の装置であって、到来複写機情報を中央データ収集地点によって読み取られるべき一定方式の信号に変換すると同時に離れて配置されたスキャナー/マルチプレクサーと通信して、情報を受け、かつ中央データ収集地点に対してそれを伝達する能力を有している。
このタイプのトランスレータ、すなわち単一のマイクロプロセッサに基づくものはオーバーロードとなり、そしてシステム性能を劣化させる可能性がある。本発明の目的はこれを、二つの別個のマイクロプロセッサシステム、-一方は到来複写機情報を変換し、そして一方は中央データ収集地点と通信するためのもの-を利用することによって克服することにある。しかしながら、本発明の主要目的は中央位置からハードウェアおよびソフトウェアによってエラー状態を含むリアルタイムまたは準リアルタイムにおける複写機状況の連続的、自動的モニターをもたらすような態様で複数台の複写機を連結する方法を提供することである。
本発明の別の目的は単一のシステムによって各種タイプ、すなわちスタティックおよびダイナミックタイプのものをモニターすることである。
発明の概要
離れた場所から1台以上の複写機の作動状況を自動的にモニターするためのシステムであって、それぞれの複写機が複写機の状況を決定するための複写機制御コンピュータを備えるものにおいて、複写機制御コンピュータからの状況情報をモニターするための手段と、特定の複写機からの状況情報を、離れた場所へ伝達する目的で一定方式の状況情報に適応させるための手段を含む各複写機と関連するトランスレータと、各複写機のトランスレータおよび離れた場所間で情報の伝達を行うための手段とを含んで構成されている。
図面の簡単な説明
同様な参照符号が同様な部分を示す以下の図面は本発明の実施態様の例示であり、その一部を形成する請求範囲によって包含されものとして如何なる態様においても本発明の範囲の限定を意図するものではない。
第1図は本発明のシステムについての概略ブロック線図である。
第2図はスタティック複写機インターフェースおよび本システムに関して使用する複写機制御データケーブルに対する受動的データタップについての概略ブロック線図である。
第3図はダイナミック複写機インターフェースおよび本システムに関して使用する複写機制御データケーブルに対する受動的データタップについての概略ブロック線図である。
第4図はスタティック複写機インターフェースおよび複写機制御コンピュータ上に配置された受動的データタップについての概略ブロック線図である。
第5A図は制御パネルデータケーブルの接続部を含む複写機の制御コンピュータボードについての概略頂部平面図である。
第5B図は元の制御パネルデータケーブル接続部についての側部平面図である。
第5C図は本発明に関して使用するための受動的データタップを含む制御パネルデータケーブル接続部についての側部平面図である。
第5D図はトランスレータデータケーブルと制御パネルデータケーブルとの並列結線に使用するためのY-タップヘッダについての側部平面図である。
第5E図はトランスレータデータケーブルと制御パネルデータケーブルとの並列結線に使用するためのY-タップヘッダについての前部平面図である。
第6図は多重化インジケータおよび本システムに関して使用するためのデータタップの式型についての概略線図である。
第7図は本発明に関して使用するための多重化データバージョントランスレータについての概略ブロック線図である。
第8図は中央処理装置に統合されたランダム・アクセス・メモリー、タイマーおよび汎用非同期受信/送信装置と共に多重化データバージョントランスレータについての概略ブロック線図である。
第9図はアクティブデータタップおよびバッファーノードコンピュータを備えたスタティック複写機についての概略ブロック線図である。
第10A図はアクティブデータタップとの複写機制御パネルデータケーブル接続部を含む複写機制御コンピュータボードについての概略頂部平面図である。
第10B図は元の制御パネルデータケーブル接続部についての側部平面図である。
第10C図は本発明に関して使用するためのアクティブデータタップを含む制御パネルデータケーブル接続部についての側部平面図である。
第10D図は本発明に関して使用するためのアクティブデータタップを含む制御パネルデータケーブル接続部についての頂部平面図である。
第11図はトランスレータの多重化データバージョンのアクティブデータタップ構成要素についての概略ブロック線図である。
第12図はトランスレータのバッファーノードコンピュータ構成要素についての概略ブロック線図である。
第13図はバッファーノードコンピュータを経由する複写機受信パワーについての概略ブロック線図である。
第14図は複写機パワー切り替えケイパビリティに関するバッファーノードコンピュータについての概略ブロック線図である。
第15図は複写機制御コンピュータから制御パネルディスプレイへの直列データ伝送技法についての概略ブロック線図である。
第16図は複写機制御コンピュータから制御パネルディスプレイへの並列データ伝送技法についての概略ブロック線図である。
第17図は本発明に関して使用するための直列/並列データバージョントランスレータについての概略ブロック線図である。
第18図は並列インターフェーストランスレータ用の12x48FIFOメモリーについての概略線図である。
第19図は遠隔キーストロークモニタリングおよび遠隔キーストロークオペレーション・ケーパビリティを備えた複写機多重化キーボードについての概略線図である。
第19A図は多重化キーボードタイミング線図である。
第20A図は中央コンピュータに関して使用するための概観メニュー選択チャートである。
第20B図はCOPIERメニュー選択から入手可能な情報についての拡大図である。
第20C図はSERVICEメニュー選択から入手可能な情報についての拡大図である。
第20D図はADMINメニュー選択から入手可能な情報についての拡大図である。
第20E図はSYSTEMメニュー選択から入手可能な情報についての拡大図である。
第21図はゼロックス1025複写機用のリアルタイム・モニタリングモードについてのスクリーン書出しである。
第22図は障害コード用のオンライン・ヘルプ機構についてのスクリーン書出しである。
好ましい実施態様の説明
添付図面、そして特に第1図を参照すると、本複写機のモニタリングシステムは中核位置またはデータ収集地点4から様々な場所に配置された複数台の複写機2より複写機のプロフィル、サービスレコードおよび診断法を自動的にモニター、収集および記憶することが出来る。同一および異なった製造業者双方の様々な複写機モデル間の相違に適応させるために、トランスレータ6を使用して複写機と複写機状況情報のための中央データ収集地点4との間に一定方式のインターフェースを提供する。トランスレータ6は専門化されたハードウェアおよびソフトウェアであって、特定の複写機に対してカスタマイズされ、そしてネットワーク内でアドレス可能ノードとして機能するものを備えたマイクロコンピュータである。トランスレータ6は各複写機部位に配置され、そしてデータタップ8(第2、3および4図参照)であって、制御パネルデータケーブル18に沿って複写機制御コンピュータ10から複写機状況ディスプレイ12へ伝送される状況情報をモニターするものを用いることによって複写機2と通信する。
現在の複写機状況情報はトランスレータ6内に記憶されると共にこれよって、中核位置4におけるスキャナ/マルチプレクサ14からのボール(poll)に応答し、ライン52として示される通信手段に沿ってデータ収集コンピュータ16へ伝送される。中核位置4においてデータは処理され、そしてデータ収集コンピュータ16内にデータベースとして記憶される。
従って、本システムは離れた複写機を、通常はデータタップ8およびトランスレータ6であって、カストマ構内の複写機2と関連し、かつ通信手段52によって中核位置4におけるスキャナ/マルチプレクサ構成要素14および状況複写機データ収集構成要素16に接続されたものを使用することによって、中核データ収集地点4に連結する。
一般に、複写機における機械状況モニタリングは出力機能であるが、入力機能、たとえば制御パネルからのオペレータのキーストロークをモニターすることも出来る。様々な入力/出力インターフェースまたは複写機制御パネル12が複写機のモデルおよび製造業者に左右されて存在する。出力インターフェースは通常 「スタティック」および「ダイナミック」に分類することが可能である。出力機能をモニターすることに加えて、遠隔入力オペレーションケーパビリティ、たとえば制御パネルのキーストロークを離れて遂行し得ることを提供するのもまた、望ましい。
スタティックタイプのものはインジケータの照明、たとえば制御パネル12上の発光ダイオード(「LED」)を利用して、透明なものをバック照明するか、あるいはラベルに近接するインジケータとしてのいずれかによってセットアップおよび作動状況を示す。この方法を使用すれば、複写機制御コンピュータ10は、必要により状況インジケータを作動または停止させることによってそれらを直接制御するものである。或る場合には、複写機の故障状態はエラーコードによって表示され、これはたとえば2桁のコードナンバーとしてコピーカウンターにより表示させることも出来る。このクラスの複写機の一例はゼロックスモデル1025である。
ダイナミック出力タイプのものは前のように、照明インジケータのみならずまた、或る形式の英数字ディスプレイ装置であって、セットアップおよび状況情報を普通の言語英数字テキストにおいて表示させることが可能であるものをも利用している。このディスプレイ装置は単一または複数回線ディスプレイであればよく、真空蛍光、液晶または発光ダイオード、あるいはCRTビデオディスプレイの工業技術を利用するものである。これらのダイナミック複写機において、複写機制御コンピュータ10は情報を制御パネルデータケーブル18を経由してディスプレイ装置制御器に伝え、これを順次生データ制御パネル12上で定様式表示イメージに変換する。この情報の流れは直列または並列法のいずれかであればよい。このクラスの複写機の一例はゼロックスモデル1040である。
スタティックディスプレイ法の場合においては、単にこの状況装置の一部をモニターすることが望ましい。それはこの状況装置の全てが故障状態を表示するものではないからである。そこにはまた、異なった状況装置の特性および回路作動電圧であって、異なったあるいは同一製造業者の各種モデルにおいて存在する多様性の故でスタティックディスプレイと結合するのに困難が存在する。
更に、状況インジケータは一般に時多重化(time multiplexed)されて電力消費および複写機制御コンピュータ10と制御パネル12との間の総体的な接続数を減少させる。このことが状況装置の両端の電圧降下の単純なモニタリングを排除し、そして状況装置のスイッチを入れる際のデータのラッチング(latching)を必要とする。
多重化ディスプレイシステムの一例は第6図中に見ることが出来る。24個のLED、すなわちLED1-LED24が3行x8列のマトリックスに構成されている。マルチプレクサタイミング線図中に示されるように、各行の8個のLEDは駆動パルスを装置の2個のベースターミナルに適用することによって共通のスイッチングトランジスタQ9-Q11を介してそれぞれ選択される。共通行内の個々のLEDは駆動信号を列ドライバートランジスタQ1-Q8のベースに加えることによってそれぞれ並列に選択される。LED10を作動させるために、駆動信号を時点T2においてQ10が駆動される[C1xROW1]ときにQ2に対して加える必要がある。各行についてデータ列パターンを捕捉するためには、C0-C7およびROW0-ROW2信号がデータタップ8からトランスレータ6へ処理のために通過することが必要となろう。
制御パネル12上に表示されている複写機状況情報を抽出するために、データタップ8が複写機内に据え付けられることになる。データタップ8は、第4図中に示すように複写機制御コンピュータボード10上か、あるいは第2図および第3図中に示すように、複写機制御コンピュータ10および制御パネルデータケーブル18上の制御パネル12間のいずれかにインラインで配置されることになる。データタップ8の主目的は各種の複写機に関してトランスレータ6に対する物理的インターフェース手段を提供することである。トランスレータ6の主要目的は様々な複写機2の様々な信号を一定様式の信号に変換し、これらの信号はデータ収集コンピュータ16によって読み取られるべきものであると共に複写機制御コンピュータ10からスキャンされる複写機状況情報をデマルチプレクサし、そしてそのようにすることがポールされると、このデータを中核データ収集地点4に復帰させるものである。これらの機能はモニタリングネットワークの相対的配置に依存して単一のマイクロコンピュータをベースとするシステムか、2台の別個のマイクロコンピュータをベースとするシステムのいずれかによって遂行される。
モニタリングネットワークが寸法において比較的小型であるか、あるいはリアルタイムの態様においてポールされることに高い要求が無い場合には、単一のCPUベーストランスレータ6に関連して「受動」データタップ8が第2図および第3図中に示されるように、使用されることになる。
データタップ8は複写機2の内側に配置され、そして如何なるFCC規制をも妨げてはならない。その結果、その最も簡単な形状におけるデータタップ8は受動装置であって、これは複写機制御コンピュータ10から移される状況情報を単にトランスレータ6に至る制御パネル12へ、すなわちY-タップヘッダ、Y-ケーブルまたはバッファ/ドライバー装置によって伝えるに過ぎない。ゼロックス1025複写機に関して使用するための簡単なY-タップであって、第5A図および第5B図中に示され、かつ34-ポジションピンヘッダ19を介して複写機制御コンピュータ10に接続されたその制御パネルデータケーブル18を備えるものは延長された34-ポジションピンヘッダ19(3-MESPシリーズ)を含んで構成される。Y-タップヘッダ17であって、物理的オス電気接続部を備え、この接続部は第5D図および第5E図中に示され、貫通する直線に対し90度であるものが複写機制御コンピュータボード10に対する元の制御パネルデータケーブル18の接続部を置き換え、そしてトランスレータデータケーブル20を制御パネルデータケーブル18と並列に接続させる、第5C図参照。
スタティック多重化データインターフェース用の単一CPUベース・トランスレータシステムは第7図および第8図中に示されている。それは標準の常備構成要素ならびに基本的な設計技術を利用してマイクロプロセッサベースとされている。A6809マイクロプロセッサチップはサポート装置(すなわち、RAM、ROM等)であって、CPU22に対してアドレスマップとされるものを選択するために使用されるプログラム可能アドレスデコーダ24(16V8)を加えた中央処理装置22(CPU)である。
CPU22に関し記憶されたプログラムは読取り専用メモリ26(ROM、27C64または27C256)中に見出だすことが出来る。このCPUスタック情報および一時的数値変数はランダム・アクセス・メモリ(RAM、6264)内に発見される。
単一CPUをベースとするトランスレータ6もまた、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ27(NVRAM、MCM 2814)、構成選択スイッチ30、ディジタル口32(8255)、アナログ・ディジタルインターフェース34(LM339)、タイマー36(555)およびユニバーサル非同期受信/送信装置38(UART、6850)を含んで構成される。もし、マイクロコンプロセッサチップが中央処理装置22として使用されるのなら、ランダム・アクセス・メモリタイマーおよびユニバーサル非同期受信/送信装置の機能は第8図中に示されるように1個のチップに統合される。
NVRAM27は慣用のRAMについてのように読出されるが、もし電力が排除されてもそれは記憶したデータを保持する。この装置はまた、電気的に消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)および/またはバッテリー付きRAM(BBRAM)であって、それ自体の搭載バッテリーおよび切り替え回路を含むものとして知られている。特別な情報パターン、たとえば同定用署名はNVRAM27中にロードされる。これは製造時、またはデータ収集コンピュータ16を介して遠隔的に行うことが出来る。次いで、この情報をネットワーク内の複写機を遠隔的に同定するために、たとえば中核データ収集地点4に復帰させるデータに添付するヘッダとして使用することが出来る。
このことが多数の複写機に関係する複写機をして、そのデータベース記録に対する特定の複写機に関連する問題を少なくせしめるものである。たとえば、もし複写機がネットワーク内の一つの場所から他の場所に移動されたとすれば、署名のアイデンティフィケーションはそれと共に移動することになる。その結果、たとえその複写機が今はネットワーク内の異なった場所にあったとしてもデータ収集コンピュータ16のデータベースマネージャーによって、依然としてその複写機は認識可能である。同定用署名に関するより少ない明かな利点は、盗難にあい、そのシリアルラベルの全てが剥され、そして転売された複写機を同定する能力にある。この構成要素は外観上恒久的な内部構成要素であるという理由で、それが複写機の内部に元の侭残り、そして同定の手段を提供するという確率は高い。
構成選択スイッチ30の設定がトランスレータ6をして、スイッチの設定に基づく異なった機能特性を取ることを可能とせしめる。スイッチ30の出力はディジタル口32を介してCPU22によって読取られる。この装置は3個の8-ビット並列口から構成され、これらはCPU22にディジタル口32からのディジタルレベル信号における読取りをさせるものとして構成される。スイッチ30の状態はCPU22によって電力供給時に読取られて、トランスレータ6の或る作動特性を設定する。
これの若干の例は特定の複写機に関する異なったデータ入力ラインの組合わせに対しROM26内に記憶されたエラーコードをマップすることになるというものである。ディジタル口32の他の入力内へのスイッチ設定は同様な複写機に関してトランスレータ6の他の作動パラメータを構成する。補整される可能性のある複写機間の微小な差異には、1台以上の特定複写機に独特であるエラーメッセージまたはメッセージ長に関してRAM28内に割り当てられた記憶空間のサイズが包含されるかも知れない。
CPU22はディジタル口32から状態データを受ける。しかしながら、データタップ8からディジタル口32にやって来るデータは多重化データであり、そしてディジタル口32にとってその情報は適切な信号レベルには無い可能性、あるいは望ましくない信号ノイズを含んでいる可能性があり、従ってアナログ・ディジタルインターフェース34を介してディジタルレベルに調節せねばならない。このインターフェース34は電圧コンパレータ40、たとえばLM339または同様な構成要素から構成され、これは二つの入力、すなわち複写機2からの調節すべき信号および閾値基準電圧(VREF)[第7図参照]である。
コンパレータ40の出力、すなわち論理’’0’’状態に関する0Vまたは論理’’1’’状態に関する+5Vは、複写機2およびVREFからの電圧入力についての差分(differential)関係を反映することになる。すなわち、もし入力がその基準よりも大きければ、その出力は0Vととなり、また逆の場合も同じである。
入力信号はディジタル口32に関して修正信号レベルに調節されているので、その信号はディジタル口32のラインを経由してCPU22によって読取ることが可能である。次いで、この情報は構成スイッチ30からの特性に基づく後の評価のためにRAM28に伝えられる。
複写機の状況情報はマイクロプロセッサをベースとするシステムの計算速度と比較して相対的に緩慢に変化する。従って、トランスレータ6は複写機2の状態を周期的に評価することのみが必要とされる。この周期的目標捕捉技法を遂行するために、「割込み駆動(interrupt driven)」として知られる方法が用いられる。
通常、CPU22がアイドルループを待機するそのプログラムを実施しつつある。CPU22の割込み要求(IRQ)入力への信号であって、CPU22にアルゴリズムを実行させて8行x8列のマトリックスから提供されるデータを入力かつ記憶させるものは、或る間隔において信号を生成する第7図に示されるようなバックグラウンドタイマー36あるいは第8図に示されるようなワイヤー25によって生じせしめ得るものであるが、このワイヤーはアナログ・ディジタルインターフェース34のマトリックスについてのROW1を表示する出力口をCPU22のIRQであって、データが存在するときにCPU22をトリガーするものに接続する。CPU22が始動された後、行LEDは可能となり、そして列LEDは安定となり、データは記憶され、そしてデータの次の行が表示される。その後、CPU22は更に情報を評価してどんな状況コンディションが存在するかを決定する。
バックグラウンドタイマー36がIRQ入力をパルスするか、あるいはアナログ・ディジタルインターフェース34のマトリックスのROW1を表す出力口がハイ(high)になった(全ての信号基準は第6図のマルチプレクサ・タイム線図からのものである)後、この種のスキャンに関するアルゴリズムは概念的に以下のように考えられる:
1.CPU22はROW1にマップされたディジタル口入力をポールし、そしてそれがT1において断定されるのを待機する。
2.その時点で、C0-C7に関するデータが妥当であることが知られ、そしてそれらはRAM28内の知られた位置に記憶される。
3.CPU22はT2乃至T8においてROW2乃至ROW8が断定されることに関してポーリングされる代わりに、今や工程1および2を反復する。
4.一度全ての情報が断定されると、記憶されたイメージは移転され、そしてROM26内に記憶されている試験テーブルと対照して比較される。試験の成果は後の利用のためにRAM28中に記憶される。
5.次いで、CPU22は次のタイマー割込みに関してその待機ループに復帰する。
CPU22はUART38から割込み要求信号を受けることも出来る。このUART38はCPU22をスキャナ/マルチプレクサ14と通信させることが出来る。UART38は順次データであって、スキャナ14から8-ビットバイトのCPU22が処理し得るものへと伝達されるデータを変換するタスクを行う。それはまた、CPU22からの8-ビットバイトのデータを、ライン52に沿ってスキャナ14に送り返されるべき順次流れに変換する。更に、送信(TX)および受信(RX)信号ラインは、長距離に及ぶデータの伝送に関する標準RS-422ラインドライバー/レシーバー50であって、外部ノイズ源からの高い免疫性を有するものへ、そしてまたそれから転用される。様々な通信メディア、たとえばファィバーオプティックス、電話線等もまた可能である。
中核データ収集地点4からのサービス要求指令がトランスレータ6によって受信されると、CPU22はアルゴリズムを実行して、RAM28内の一番最近の状態評価を回復させる。このリポートは一番最近の評価の意味を表すコード化したトークン(token)程度に簡単なものとすることが出来る。次いで、このトークンはスキャナ14またはユーザーのコンピュータ16によって状況テキスト・ストリング(status text string)に復号される。あるいは伝送されたデータを、それが複写機制御パネル12上に示されたとき状況メッセージのリテラルテキスト・ストリング(literal text string)とすることも出来る。
大きなモニタリングネットワークにおいて、単一CPUベースのトランスレータ6はオーバーロードとなり、システムの性能を劣化させる可能性がある。これを補整するために、データタップ8およびトランスレータ6の機能を二つの別個のマイクロコンピュータシステム、すなわち「アクティブ」データタップ3およびバッファーノードコンピュータ5であって、第9図に示すファィバーオプティックケーブルによって連絡されるものにおいて具現させる。
「アクティブ」または「スマート(smart)」データタップ3は複写機2内に設けられる。それは複写機2に対し物理的インターフェースを提供し、かつそれ自体のマイクロプロセッサを備えていて制御パネル情報をデマルチプレックスする。バッファーノードコンピュータ5は複写機2の外部に配置され、そしてスマートデータタップ3と中核データ収集地点4との間の通信の責任を負っている。この区分はスマートデータタップ3をして、捕捉された多重化データをモニターすることに対しその供給源の殆ど全てを専用とするのに対し、バッファーノードコンピュータ5は中核データ収集地点4からのポール要求を引き受け得るものである。バッファーノードコンピュータ5からポールが受信された場合のみ、スマートデータタップ3はそのデータモニタリング・オペレーションを中止し、そして中核データ収集地点4への復帰のためにそのデータをバッファーノードコンピュータ5に対しアップロードする。スマートデータタップ3はバッファーノードコンピュータ5と共に単一CPUトランスレータ8と同一の方法において同一の機能を発揮するものである。
第11図に示すスマートデータタップ3は標準の常備構成要素ならびに基礎的設計技法を利用するマイクロプロセッサベースのものである。その構成要素は単一CPUベーストランスレータのデザイン中で先に説明したものと同様である。
スマートデータタップ3は中央処理装置(CPU)29を含んで構成され、これはランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ユニバーサル非同期受信/送信器(UART)およびタイマーをCPU29に組み込むか、あるいは別個のコンポーネント(図示せず)として備えていればよく、更にプログラマブル・アドレス復号器24(74LS138)、読取り専用メモリ26(ROM、27C256)、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ27(MCM2814)、ディジタル口(74LS573)、アナログ・ディジタル電圧イコライザー34(4504)ならびにファィバーオプティック受信および送信器コネクタ11および13(それぞれ、HFBR-1510およびHFBR-2501)を有していてよい。
スマートデータタップ3は第10A図および第10C図に示すように複写機制御コンピュータボード10上に直接据え付けられる。制御パネルデータケーブル18は第10B図に示される複写機制御コンピュータボード10の、そのオリジナル位置のピンヘッダ19から取り除かれる。その場所に嵌合ヘッダ15であって、プリント回路板アセンブリーの部分であるものによってスマートデータタップ3が挿入される。第10D図に示すスマートタップマイクロコンピュータの残部は表面取付け装置(SMD)21としてパッケージされた実際の計算エレメント、フロントパネルコネクタ19およびファィバーオプティック送信器11および受信機13の一対から構成される。
第12図に示されるようなバッファーノードコンピュータ5はまた、標準の常備構成要素を使用するマイクロプロセッサベースのものである。それは中央処理装置31を含んで構成され、また再びランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ユニバーサル非同期受信/送信器(UART)およびタイマーをチップに統合するか、あるいは別個のコンポーネント(図示せず)として備えていればよい。更に、バッファーノードコンピュータ5に含まれているものはプログラマブル・アドレス復号器37(74LS138)、読取り専用メモリ39(ROM、27C256)、ユニバーサル非同期受信/送信器33(UART、8250)、ファィバーオプティック送信および受信機コネクタ11および13(HFBR-1510、HFBR-2501)ならびにRS-422ラインドライバー/レシーバー50(3487、3486)である。
スマートデータタップ3およびバッファーノードコンピュータ5の機能性は前記単一CPUベーストランスレータにおいて先に説明したのと基本的に同一である。スマートデータタップCPU29はROM26内に記憶された指令を連続的に実行して、複写機制御情報をデマルチプレックスする。次いで、この情報は、バッファーノードコンピュータ5からポールを受信するまでRAM内に記憶される。バッファーノードコンピュータ5は中核データ地点4からのサービス要求に関するアイドル待機状態にある。バッファーノードコンピュータ5が中核データ地点4からのポールを受けると、CPU31はアルゴリズムを実行してスマートデータタップ3からの複写機状況データを復旧する。
スマートデータタップCPU29がその受入口にポールを受けると、アルゴリズムが実施されてRAMからの複写機状況データを復旧する。CPU29内に配置されたUARTは8-ビットバイトをファィバーオプティックケーブル21を介して伝送されるべき順次データに変換する。データがバッファーノードコンピュータ5に到達すると、その情報はUART33によって再び8-ビットバイトに戻るよう変換される。データがバッファーノードコンピュータCPU31に移される準備が整うと、UART33はライン35に沿って割込み要求信号をCPU31に送りアルゴリズムを始動させてデータを復旧させ、そのデータを順次フォーマットに変換し、次いでこのデータをRS-422ラインドライバー/レシーバー50を経由してスキャナ14に伝える。
制御パネルオペレータキーは、第19図に示す技法であって、第6図に示すようなスタティックディスプレイにおいて用いたのと同様なものを利用して屡々多重化される。トランスレータ6に関して、オペレータキーはどれかのキーを押すことで現在の状況を示す状況入力手段として、あるいはシステムユーザーが制御パネル上のキーを離れて「打つ」ことが出来る出力手段として双方の機能を果たすことが出来る。
その方法は第19図中に示されている。キーボードS1-S32は4x8マトリックスとして構成され示されている。信号ROW1*-ROW4*によりストローブされた(strobed)ものとしての行は復帰センス列COL0-COL7と共に抵抗R1-R8によってそれぞれ論理的1に引き寄せられる。COL READ EN*信号が断定されると、得られた列データは複写機制御によって読取られ、列スキャン信号の各発生に関してバッファーU1を介してD0-D7を得る。この作動の一例は第19A図の多重化タイミング線図内に見出だされる。オペレータがキー、たとえばS10(複写機スタート)を或る時点T1で押し、そしてスキャンサイクルの間に時点T3においてキーボードマトリックスROW2*が断定されると、COL2センスラインは論理0に進められることになる。これは、バッファーU1が読取られたときのデータビットD1に対応する。
キーボード・スキャニング・オペレーションはトランスレータ6が4個の8-ビットラッチのセットを捕捉するためには余りにも短い可能性がある故で、各マトリックス行に対応するU6-U9が自動的に列センス信号を捕捉するために提供される。各行はROW1*-ROW4*によってストローブされるので、センス列データはそれぞれのラッチ内に刻時される。この方法において、トランスレータCPU22は実際の複写機スキャニング操作に対し非同期的に信号RD ROW1 DATA*-RD ROW4 DATA*を断定することによってスイッチマトリックスの現在のイメージを得る。次いで、このイメージはMACコンピュータ16に対し伝送される前に複写機の特定情報に関して評価される。第19A図のタイミング線図において、トランスレータ6はT4およびT5間のラッチU8からSFF(16進数)を読取ってスイッチS17-S24のイメージを得る。このイメージは行3内の何れのキーも現在押されていないことを示している。
キーボード状況の読取りに加えて、トランスレータ6は、恰もオペレータが正にキーを押したかのように制御パネルキーを遠隔的に現す能力を備えたシステムを提供する。各マトリックス行に対応する4個の8-ビットラッチU2-U5の一組は列センスラインCOL0-COL7を横切って共に並列に接続される。リモートキーアクセスが望ましいときには、MACコンピュータ16が特定のキーに関連するコードを通信ライン52を介して所望のトランスレータ6に伝送する。トランスレータ6は指令を復号し、そして必要なデータパターンを選択したラッチに書込む。行選択ラインが「プログラムしたラッチ」に対応することを断定すると、ラッチの出力ドライバーは使用可能となる。これが列センスラインをラッチ内に書込まれたパターンに対応する論理レベルに伝動する。次に、このデータは複写機制御コンピュータによって列センスバッファーU1を介して読み戻される。
キーボードタイミング線図第19A図において、一例がスイッチS10の断定に関して示されている。トランスレータCPU22はSFDをラッチU3中に書込む。ROW2*が断定されると、COL1は論理0に駆動されることになり、これはスイッチS10が押されたことに相当する。U1が読取られたときD1上で複写機制御コンピュータが受けるであろうイメージは、恰もS10がオペレータによって押されたかのように出現する。所定時間の後、ラッチU2-U5はクリアされて模擬キーストロークは排除される。
好ましい実施態様において、キーボード状況モニタリングおよび駆動制御回路はスマートタップ論理の部分である。これは、回路がデザインにおいて特定の複写機でなければならないので、必要なことである。スマートタップ3はバッファーノードコンピュータ5を経由してMACコンピュータ16から指令を受けることになり、そして同様な方法で状況情報を復帰させることになる。
その通信機能の他にバッファーノードコンピュータ5に対し付加することが出来る他の特徴は1台以上のネットワーク複写機2を遠隔的にパワーダウンして正式に認められていない使用を阻止する能力である。これは第13図中に示すように壁のアウトレットから直接とする代わりに、バッファーノードコンピュータ5を経由する複写機2の受けるパワーを複写機2と壁アウトレットとの間に直列に配置することによって遂行される。バッファーノードコンピュータ5は、パワーライン63を複写機またはオーディトロン(auditron)にすら切り替えて正式に認められていない使用を阻止しながらパワーをパワーコード61から直接受けることになる。
第14図中に示される有り得るスイッチング技法は、CPU31のディジタル口から制御ライン65を使用してソリッドステートリレー67(光学的に隔離されたトライアック、たとえばCydromD1D41)の入力を伝送することである。所望により、プリセット時間にデータ収集コンピュータ16によって複写機使用可能/使用不能コードが発せられて複写機2を運転停止とする。パワーは同じ方法で翌朝機械2に対し復活させることが出来る。
ダイナミック・ディスプレイシステムに関して、一般に制御およびテキスト情報を制御パネル12に送るために利用される2種類のタイプのデータ伝送方法がある。これらのタイプは「直列」および「並列」として分類される。
第15図中に示される直列伝送によって、情報は複写機制御コンピュータ10からディスプレイエレメント12aに対し特定のデータ速度(ビット伝送速度)でビット・バイ・ビットの流れにおいて送られる。各8-ビットバイトはスタートビット、すなわちS1により先行され、そしてストップビット、すなわちS2により終結されて受信装置を同期させ、かつ到来データを受信させる。
第16図中に示される並列伝送システムにおいて、情報は複写機制御コンピュータ10から受信ディスプレイエレメント12aに対し8-ビットとして同期的に送られる。各バイトはデータバス上に配置され、そしてストローブ(ENABLE*)を介して受信装置内に刻時される。
何れの場合にも、受信ディスプレイエレメント12aは或る種の搭載インテリジェンス(専用機能マイクロコントローラ)を備えており、これは到来データを処理し、そしてそれをディスプレイ出力媒体にフォーマットするものである。このデータは制御コマンドまたはASCII(テキスト)文字の何れかであればよい。もし、それがコマンドであれば、制御パネル12のディスプレイエレメント12aがどんなアクション(たとえば、ディスプレイを初期設定すること、特定のラインまたはアドレス等にカーソルを位置させること)を取るべきかを解釈する。もし、データがテキストであれば、文字の視覚的表示がディスプレイのカーソルの現在位置に現れることになる。
第17図に示されるダイナミック複写機のトランスレータ6に関する構成は基本的にはスタティック多重化データ複写機に関するものと同一である。CPU22、ROM26、RAM28、構成スイッチ30およびUART1 38の機能はその侭である。更に、バッファー42、第二のユニバーサル非同期受信/送信器(UART2)38bおよび先入れ先出し(FIFO)メモリ44が存在する。しかしながら、そこにはバックグラウンドタイマーが無い。ダイナミック複写機に関して2構成要素バージョンのトランスレータもまた、利用可能である(図示せず)。バッファーノードコンピュータ5は同一のものとなる。アクティブデータタップに対する微小変更は異なった複写機を補整するために必要である。
ダイナミックトランスレータ6はデータタップ8から直列または並列データの何れかを受けるケイパビリティを有している。再び、CPU22は構成選択スイッチ30からこれを決定することが可能である。これらのスイッチ30は、先に説明した多重化データに関するトランスレータ6に対するのと同様な原理においてトランスレータ6が作動するオペレーティングモードを選択するためにプログラムされる。たとえば、1個のスイッチを直列および並列オペレーティングモード間、すなわち1=直列、そして0=並列データオペレーション等で選択するために使用することが出来る。
スイッチ30はディジタル口32の入力に接続される。パワーアップ時にCPU22はディジタル口32を読取ってオペレーティングモードを決定し、それの下で継続される筈である。
もし、直列モードが選択されると、データタップ8からの到来直列データは先ずバッファー42Aを通過して信号をUART2 38bについて適切であるレベルに調整する。トランスレータ6の初期化相の間に、UART2 38bはCPU22により必要なパラメータをもって内部的に形成されて到来データを受ける。次いで、この直列データの流れはCPU22によって用いられるために並列データに変換される。
各バイトを組み立てた後、UART2 38bはCPU22を遮断して、それに対しデータについて他のバイトを有することを通知する。CPU22はデータを読取った後、RAM28内に以後の評価のために記憶する。データの流れの末端は推論によって決定される、たとえば所定量の時間の後、付加的な文字が全く検出されないか、あるいは伝送文字の末端が見出だされるかによるものである。
並列モードにおいて、データタップ8からの到来並列データは8-ビットのワイドバイト(第16図のD0-D7)である。並列バスはまた、制御信号(REGISTER SELECTおよびREAD/WRITE)および割込み可能信号であって、データおよび制御信号が妥当である場合に断定されるものを有している。このデータの全ては、割込み信号が断定されるまで、当初はバッファー42Bを通過し、次いで自動的に先入れ先出し(FIFO)メモリ44へ送られる。
好ましい実施態様において、FIFOメモリ44は第18図中に示されるように構成される。この特定のメモリアレンジメントは9個のより小さい4x16ビットFIFO(40105装置を含んで構成される)複合体から、より幅広く、かつより深い12x48ビットFIFO44を形成するように直列/並列に接続されて、生成される。これらの装置は複写機2から装置U1、U4およびU7のデータ入力(D0-D3)中に並列入力(D0-D3)を受ける。このデータは複写機2からのENABLE*クロックによってこの第一バンク内に刻時される。そこからデータはバケツリレー(bucket brigada)態様においてFIFO44(U3、U6およびU9)のバックにリップル(ripple)し、そしてディジタル口32の入力に対し提示される。
最初の12-ビットの語がFIFO44のバックに伝播されるや否やDATA RDY信号が3-入力ANDゲート(U11A)によって送られ、そしてディジタル口32に対し利用可能なものとされる。この方法において、CPU22はDATA RDYラインをポールしてFIFO44中に存在するあらゆるデータを試験することが可能である。信号が送られると、CPU22はディジタル口32を読み取ってデータを抽出し、次いで、ディジタル口32のPB5をパルスしてFIFO44の次の語を伝播させる。CPU22はまた、FIFOCLRラインを、たとえばT0においてパルスすることによって全FIFOアレイのマスターリセットを行うことも可能である。
FIFOメモリタイミング線図中に明示したように、ENABLE(T1、T2、T3およびT4)によってそれが刻時されると、FIFO44はデータによって充填され、そしてCPU22によって刻時が解除されると、それはアンロードされる。T1およびT2間でFIFOメモリ44はCPU22とは独立にデータの48語を取り入れることが可能であり、そして複写機2とは独立にCPU22に対しデータを出力することが出来る。直列インターフェース法に関して、データはバッファリングおよび評価のためにRAM28に対し伝送される。
ダイナミック複写機2によって伝えられたデータの流れは別個のディスプレイコマンドおよびASCIIテキスト文字から成っている。トランスレータ6はその制御文字をストリップし、そしてそのASCIIテキストの流れを評価およびフォーマットするために中央コンピュータ16に送る。この種のデータ流を評価するために、数種類の他のアプローチがある。たとえば、データを中央コンピュータ16に対し直接送り、変更を加えず、そして中央コンピュータ16にそのデータを評価またはリフォーマットさせる。更に、キーワードを探すデータをパーシング(parsing)し、そしてキーワードから問題が存在するという推論を行うことを達成し得るものである。それからデータを(トークンまたはテキスト流によって)評価またはリフォーマットのために中央コンピュータ16に対し送ることが出来る。
トランスレータ6はスキャナ14によってポールされて、最も新しい状況情報を得る。トランスレータの場所にはRS422送信/受信機50(3486)が存在しており、これらは中核位置4のスキャナ14に配線されている。しかしながら、上に述べたように、トランスレータ6からスキャナ14への状況情報の送信に関する通信手段はハード配線に限定されるものではない。
スキャナ14はデータ収集コンピュータ16によって制御され、そしてそれに対してトランスレータ6がポールするためのデータ収集コンピュータ16からのメッセージを受ける多重スイッチャとして作動する。次いで、スキャナ14は適切なトランスレータ6に対し交差接続を行い、そして情報をデータ収集コンピュータ16に渡す。
スキャナ/マルチプレクサ14は多数のこの種装置の何れか一つであってよく、そしてそれらは当該技術分野において周知である。一例は名称SMART6の下でL TEX ELECTRONICSにより製造される6口のオートスイッチである。
トランスレータ6のポーリングに関する可能性はスキャナ14を備える各トランスレータ6のための別の通信ライン52を包含し、各ユニットに対する要求を順次ラウンドロビン形式(第1図中に示す)において送り、あるいはトランスレータ6を共通線と共に連結または非連結リングにおいてデイジー-チェーンし、ここにおいてスキャナ14は、ライン52に対してポールされるユニットのトランスレータに識別子を付することになる。
ネットワークの全般的な遠隔モニタリングはデータ収集コンピュータ16によって制御される。このモニタリングは二つのモード、すなわち準リアルタイムまたはリアルタイムを備えている。準リアルタイムモニタリングは、データ収集コンピュータ16が特定場所に対して優先権を与えることなく、各個別の複写機2をポーリングしつつある場合の作動についての正常なモードである。たとえば、1/秒の速度でポールされる25台の複写機があるとすれば、全体のサンプリングベースは25秒において更新される。従って、ネットワーク内の何れの所定の複写機の状況も過去25秒以内の最新のものとなる。
リアルタイムモニタリングは特殊な作動モードにおいて行われ、これはデータ収集コンピュータ16をして特定の複写機2に対し焦点を合わせしめ、そしてその他の複写機2のみをバックグラウンドタスクとして、かつ著しく低い速度においてポールするものである。これがデータ収集コンピュータ16にその特定複写機2の状況を、複写機2において事象が発生する時間とそれが報告される時間との間に何等の遅れをも有するとは思われないであろう速度において、サンプルさせるものである。
データ収集コンピュータ16はIBMコンパチブルパソコンであればよく、これはモニター、キーボード、CPU、フロッピードライブ、ハードディスクドライブおよびDOS3.3を実行する640Kのランダム・アクセス・メモリから構成されるものである。このデータ収集コンピュータ16は状況情報を様々なディスプレイフォーマットに組み立てる。ユーザー特徴の或るものはメニュー選択ツリー(第20A-第20E図)においてディスプレイされる。これらの特徴は確立すべき製造業者、形式、オプション、場所、機能等によって複写機に対する情報のデータベースを使用可能とする。次いで、このデータベースは状況情報とマージされて、モニタリングネットワークに関する全複写機2の状況についての現在の表示を提示する。作動上の問題を伴う複写機2は容易に同定され、そしてサービスの要求が行われ、かつ同様な方法で追跡される。
記憶された情報の全てもまた、多方面に亘る種類のリポート生成に関して利用可能である。それはまた、可能性または将来の機械の故障を予報するために使用することも出来る。或るタイプの障害における増大を検知し、そしてやがて起こる故障としてフラグすることが可能である。このタイプのウインドウ・ディテクションはRICシステムゼロックスが用いるところのものと類似である。しかしながら、前記システムは連続的オンライン、リアルタイムモニタリングシステムである。本システムはまた、差し迫っているあるいは現存する複写機の問題について自動的に送出しオフィスに警告することが出来る。
データ収集コンピュータ16がリアルタイムモードで作動しつつあれば、ユーザーは実際の複写機制御パネル12の表示をデータ収集コンピュータ16のCRTスクリーン上に見ることが出来る。
第21図はゼロックス1025複写機に関するモニタリングモードについての実際のスクリーンダンプである。制御パネル情報のコピーを有することによって、この種のスクリーンはパネルが単純なインジケータ(スタティックパネル)あるいは原文のディスプレイ文字(ダイナミックパネル)を構成するか否かにより、実際上如何なる複写機に関しても作成および保持が可能となる。次いで、所定の複写機2のディスプレイ・レイアウトについてのマップに対するデータの処理問題となり、最終結果に達する。第22図のスクリーンは10種類の主要状況インジケータの現在状態ならびに複写機のセットアップパラメータ、コピーカウントおよび複写機故障の場合のエラーコードを示している。
遠隔キーオペレータまたはサービス要員を置くことによって得られる効果はいずれの複写機2が特に重要であるかについて実際の表示を見得ることである。それは経験を有する者に最初に実際の機械状態を見ることを許容し、そしてまたそれらをもって離れた機械の場所におけるより経験の乏しい人員を指導せしむるものである。このリアルタイムモニタリング技法の付加的な利益は、完全に別の機関または街に居る人がモデム電話リンクを介して複写機2の実際の状況パネルを見て問題に対する可能性ある解決を示唆出来ることである。もし、複写機の障害が発生すると、複写機の障害コードが制御パネル12上に表示される。ソフトウェアを経てこの障害コードはデータ収集コンピュータ16によりオンラインヘルプ施設中に変換されて、キーオペレータが第22図に示すような非技術的(non-technical)障害を修正するのを助けることが出来る。
実施例
複写機コントローラコンピュータ10から制御パネル12へ送られるエラー状況はY-タップ17を含んで構成される受動データタップ8によって途中捕捉される。このデータはデータトランスレータケーブル20によりトランスレータ6に伝送される。トランスレータ6はモジュラージャックを備えており、これはトランスレータデータケーブル20上の協働ジャックを受ける。
トランスレータ6は情報に関してポールされ、次いで読取り可能なデータをマルチプレクサ/スキャナ14により伝送し、かつ或る種のデータを記憶する。次いで、トランスレータ6はラインドライバー/レシーバー50(RS422)を用いることによりライン52に沿って中核位置におけるスキャナ/マルチプレクサ14にデータを伝送する。同様にライン52は各端部にモジュラージャックを備えており、これはトランスレータおよびスキャナ/マルチプレクサ14両者のジャックと協働する。
スキャナ/マルチプレクサ14はDOS3.3の下でデータ収集コンピュータ16内のプログラムにより制御される。そのようなものとして、スキャナ/マルチプレクサ14はデータ収集コンピュータ16中に統合される。
CRT、キーボードおよびCPUを含むパソコンから構成される、その他の情報を抽出するためのユーザーインターフェースはそのユーザーにその場所およびエラーの状況を変更させるために使用される。
本発明の変更はそれらを当業者に対し明らかにせしめるものであり、そして添付の請求の範囲によってのみ限定される発明の精神および範囲内に収めることを意図するものである。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-03-23 
出願番号 特願平3-514283
審決分類 P 1 652・ 121- ZA (H04N)
最終処分 取消  
前審関与審査官 手島 聖治  
特許庁審判長 東 次男
特許庁審判官 江頭 信彦
関川 正志
登録日 2002-05-24 
登録番号 特許第3309973号(P3309973)
権利者 ウェインバーガー、ジョセフ
発明の名称 離れた場所から複写機を自動的にモニターするためのシステムにおける改良  
代理人 坂本 徹  
代理人 坂本 徹  

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