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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09D
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C09D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C09D
管理番号 1105965
異議申立番号 異議2002-72634  
総通号数 60 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-02-09 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-10-30 
確定日 2004-08-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3278111号「組成物及び該組成物で被覆された光ファイバ」の請求項1ないし13に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3278111号の請求項1ないし13に係る特許を維持する。 
理由 (I)手続の経緯
本件特許第3278111号の請求項1〜13に係る発明は、平成9年12月26日(パリ条約による優先権主張1996年12月31日、米国)に特許出願がなされ、平成14年2月15日に特許権の設定登録がなされ、その後、前記請求項1〜13に係る発明の特許について、ジェイエスアール株式会社(以下、申立人という。)から、特許異議の申立てがなされ、取消理由の通知がなされ、指定された期間内に訂正請求がなされ、訂正拒絶理由の通知がなされ、指定された期間内に訂正請求書の補正がなされたものである。

(II)訂正請求について
(II-1)訂正請求書の補正について:
訂正請求書の補正は、「平均分子量」なる表現を「数平均分子量」なる表現に補正するものであるところ、補正前の「平均分子量」なる表現が「数平均分子量」を示すものであることは、補正前の明細書の段落番号0066や0069の記載から明らかである。
したがって、前記訂正請求書の補正は、請求書の要旨を変更するものでなく、適法なものであるから、これを認める。

(II-2)訂正請求書に記載の訂正事項:
訂正事項1:請求項1の「被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物において、前記被覆組成物は光または電子ビーム硬化性組成物と定着剤とを含み、前記定着剤は、長い主鎖を介して、前記光または電子ビーム硬化性組成物と共重合可能な反応基に結合されたアルコキシシラン官能基を有し、前記長い主鎖の分子量は、少なくとも約1500であることを特徴とする被覆組成物。」なる記載を、「被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物において、前記被覆組成物は光または電子ビーム硬化性組成物と定着剤とを含み、前記定着剤は、光または電子ビーム硬化性組成物と共重合可能なスチリル、ビニル、ナフチル、ビニルエーテル、1-アルケニルエーテル、アリル、アクリレートまたはメタアクリレート基へフッ素を含む主鎖を介して結合されたアルコキシシラン官能基を有し、前記主鎖は、少なくとも約1500の数平均分子量を有することを特徴とする被覆組成物。」と訂正する(アンダーラインは対応部分を示すために付したものである。以下、同様。)
訂正事項2:請求項3の「前記定着剤は、式(・・・省略・・・)を有し、前記式中、Xは、スチリル基、ビニルナフチル基、ビニルエーテル基、1-アルケニルエーテル基、アリル基、アクリレート基又はメタアクリレート基を含み、Rは、分子量が少なくとも1500である比較的長い鎖状分子であり、」を、「前記定着剤は、式(・・・省略・・・)を有し、前記式中、Xは、スチリル基、ビニルナフチル基、ビニルエーテル基、1-アルケニルエーテル基、アリル基、アクリレート基又はメタアクリレート基を含み、Rは、数平均分子量が少なくとも1500である比較的長いフッ素を含む鎖状分子であり、」と訂正する。
訂正事項3:請求項9および11、段落番号0018,0021,0025,0036,0038,0047,0050,0051および0052に記載された「分子量」を、「数平均分子量」と訂正する。
訂正事項4:請求項11の「式中、R6およびR8はそれぞれ、芳香環を含有するか又は含有しない」を、「式中、R6は、芳香環を含有するか又は含有しない」と訂正する。

(II-3)訂正の適否
訂正事項1は、訂正前の請求項1の「共重合可能な反応基」を、当該請求項1を引用する請求項3の記載に基づいて限定し、同請求項1の「長い主鎖」を、同請求項3および同請求項3を引用する訂正前の請求項9の記載に基づいて限定し、さらに、「分子量」を願書に添付した明細書の段落番号0066および0069の記載に基づいて「数平均分子量」に特定するものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。
訂正事項2および訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正と整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明に相当するものであり、訂正事項1と同様の理由で、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。
訂正事項4は、請求項11に記載された式に係る説明中の「R8」に関する記載を削除するものであるが、前記式中には「R8」がないことからみて、誤記の訂正に係るものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

(II-4)訂正請求に係るむすび
以上のとおりであるから、訂正請求に係る訂正は、適法なものとして認める。

(III)特許異議申立について
(III-1)本件発明
本件の請求項1〜13に係る発明(以下、本件発明1〜13という。)は、前記訂正請求により訂正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜13に記載された事項で特定されるものであるところ、本件発明2〜13はいずれも本件発明1を引用するものであり、本件発明1は、次の事項により特定されるものである。
「被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物において、前記被覆組成物は光または電子ビーム硬化性組成物と定着剤とを含み、前記定着剤は、光または電子ビーム硬化性組成物と共重合可能なスチリル、ビニル、ナフチル、ビニルエーテル、1-アルケニルエーテル、アリル、アクリレートまたはメタアクリレート基へフッ素を含む主鎖を介して結合されたアルコキシシラン官能基を有し、前記主鎖は、少なくとも約1500の数平均分子量を有することを特徴とする被覆組成物。」

(III-2)特許異議申立ての理由
申立人は、甲第1号証及び甲第2号証を提示して、本件発明1〜13に係る特許は、以下の(ア)〜(エ)の理由により取り消されるべきである旨を主張する。
理由(ア):本件発明1〜10および13は、甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項3号に規定する発明に該当し、特許を受けることができないものである、
理由(イ):本件発明9及び11の、定着剤にフッ素化ポリエーテルを含む場合の発明は、甲第1,2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、
理由(ウ):本件明細書の特許請求の範囲の記載は、本件発明1〜13に関しては、その「分子量」の意味が不明確であり、本件発明11については、式中に存在しない「R8」が式中の記号として説明されており不明確であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない、
理由(エ):本件明細書の発明の詳細な説明の欄の記載は、本件発明9、11、12について、用いる化合物が一般式で説明されているのみであり、実施例を欠いているから、当業者が実施できる程度に明確かつ十分になされているとすることができず、特許法第36条第4項に規定する要件を満たすものでない。

申立人が提示した刊行物:
甲第1号証:特開平7-18038号公報
甲第2号証:特開平7-218734号公報

(III-3)甲各号証の記載
甲第1号証(特開平7-18038号公報):
(あ)「次の(a)、(b)および(c)
(a)一部の分子末端が、次の一般式(1)
-NHCO-X-(CH2)n-Si(OR1)3 (1)
〔式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示し、Xは硫黄原子または-N(R2)-(R2は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基を示す)を示し、nは1〜10の数を示す〕で表わされる末端基であるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー
(b)(メタ)アクリレート系化合物およびビニル系化合物から選ばれる一種または二種以上の重合性希釈剤
(c)重合開始剤を含有する液状硬化性樹脂組成物。」(2頁の特許請求の範囲の請求項1)、

(い)上記液状硬化性樹脂組成物が、光ファイバーの被覆に適すること、および、ガラスへの長期密着性に優れること(2頁の段落番号0001、0007、及び10頁の段落番号0057参照)、

(う)特許請求の範囲の請求項1に記載された(a)成分が、例えば、特定のジオール、ポリイソシアネート、一般式(2) HX-(CH2)n-Si(OR1)3 (式中、R1、Xおよびnは前記と同じものを示す)で表わされる上記末端基(1)(注:請求項1参照)を形成する化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させることにより得られること(2頁、段落番号0010参照)、

(え)上記一般式(2)で表わされる化合物の具体例として、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等があること(4頁右欄22行)、

(お)上記末端基(1)有するアクリレート系オリゴマーを用いることにより、ガラスとの密着性を飛躍的に向上せしめることができること(4頁の段落番号0023の1〜3行参照)、

(か)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物の具体例として、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等があること(4頁左欄12〜13行参照)、

(き)特許請求の範囲の請求項1に記載された(a)成分(一部の分子末端が上記末端基(1)を有するものであるアクリレート系オリゴマー)の合成方法(4〜5頁の段落番号0024〜0025参照)、

(く)前記(あ)に記載の樹脂組成物が、可視光線、紫外線、電子線等によって硬化されること(7頁の段落番号0038の1〜4行参照)、

(け)前記樹脂組成物を可視光および/または紫外線硬化させる場合、(c)成分である重合開始剤として光重合開始剤等が用いられること(7頁右欄22〜23行参照)、

(こ)ウレタンアクリレート(注:=請求項1の(a)成分であるウレタン(メタ)アクリレート)の合成例(合成例1)として、トリレンジイソシアネートと、数平均分子量2000のテトラヒドロフランと3-メチルテトラヒドロフランの開環共重合体と、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシエチルアクリレートを原料として用いた例(8頁の段落番号0045参照)、

(さ)他の合成例(合成例2)として、トリレンジイソシアネートと、数平均分子量4000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体と、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシエチルアクリレートを原料として用いた例(8頁の段落番号0046参照)、

(し)上記の合成例(合成例1、合成例2)を用いて製造された液状硬化性樹脂組成物の例(実施例1〜4)、及び当該組成物(実施例1〜4)を紫外線で硬化させた後の試験片を用いた試験例(具体的には、ガラスとの密着力の経時的変化の測定データ)(9〜10頁の段落番号0049〜0056参照)。

甲第2号証(特開平7一218734号公報):
(す)「石英または光学ガラスをコアとし、クラッド材がコアよりも低い屈折率を有する光ファイバーにおいて、クラッド材が、(A)ヒドロキシ基等を有し、かつフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート、および(B)分子中にウレタン結合およびフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含んでなる樹脂組成物の硬化物であることを特徴とするプラスチッククラッド光ファイバー。」(2頁1欄15〜23行)、
(せ)「樹脂組成物の屈折率を低減するためには、組成物中の成分がフッ素原子を有する化合物であることが好ましい。」(2頁2欄33〜35行)
(そ)「本発明の樹脂組成物の硬化方法は、・・・紫外線硬化によることが好ましい。」(4頁6欄44〜46行参照)、
(た)前記(B)の(メタ)アクリレートとして、「例えば、式:CH2=CXCOOR1OCONHR2NHCOOR3OCOCX=CH2 [式中、Xは水素またはメチル基、R1およびR3は、式:(省略)で表されるフルオロアルキル基、R2は・・・である。]で示される化合物が挙げられる。」(4頁5欄12行〜同頁6欄19行参照)。

(III-4)対比・判断
(III-4-1)特許異議申立ての理由(ア)および(イ)について
本件発明1〜11および13は、前記した内容からみて、被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物における定着剤が、少なくとも約1500の数平均分子量を有しフッ素を含む主鎖を介して、光または電子ビーム硬化性組成物と共重合可能なスチリル、ビニル、ナフチル、ビニルエーテル、1-アルケニルエーテル、アリル、アクリレートまたはメタアクリレート基へ結合された、アルコキシシラン官能基を有するものであること(以下、「特定事項A」という。)を発明の特定事項とするものである。
これに対して、甲第1号証および甲第2号証には、被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物について記載されているといえるものの、以下に示すように、前記した特定事項Aを想起させる記載はない。
すなわち、甲第1号証には、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと重合性希釈剤を含有する液状硬化性樹脂組成物が光ファイバーの被覆に適すること[前記(あ)、(い)参照]が記載され、前記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーが末端にアルコキシシラン官能基を有するものであり[前記(あ)、(う)、(え)参照]、その合成原料として、数平均分子量が2000のテトラヒドロフランと3-メチルテトラヒドロフランの開環共重合体や、数平均分子量が4000のエチレンオキシドとブテンオキシドの開環共重合体を使用すること[前記(こ)、(さ)参照]が記載されているものの、前記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーについて、例示された多数の化合物の中にフッ素を含むものの記載はなく、当該オリゴマーとして、フッ素を含むもの、さらには、フッ素を主鎖に含むものを想起することが当業者に容易であるとすることはできず、また、前記合成原料の数平均分子量に係る記載は、一般に、成分の種類や数平均分子量が粘度等の特性に大きく影響すると解されることを考慮すると、合成例において使用され前記の例示された多数の化合物の一種にあたる原料の数平均分子量が2000および4000であったことを示しているにすぎず、フッ素を主鎖に含有する原料を使用した場合の数平均分子量までも示唆していると解することはできないから、甲第1号証の記載は、フッ素を有し、少なくとも約1500の数平均分子量を有する主鎖を含んだものを被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物における定着剤として使用することを示唆していないという点で、前記した特定事項Aを当業者に想起させるものでない。
また、甲第2号証には、紫外線硬化により光ファイバーのクラッド材とする樹脂組成物が記載され[前記(す)、(そ)参照]、クラッド材においては屈折率を低減するためにフッ素原子を有する化合物を用いることが好ましいとの観点から[前記(せ)参照]、前記樹脂組成物に式:CH2=CXCOOR1OCONHR2NHCOOR3OCOCX=CH2で示されるような分子中にウレタン結合とフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含有させることが記載されているから[前記(す)、(た)参照]、甲第2号証には、被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物において、組成物中にフッ素原子を有する化合物を含有させることが示されていると解されるものの、フッ素原子を有する化合物としては、前記した特定の(メタ)アクリレートが例示されているのみで、アルコキシシラン官能基を有する化合物の例示も、さらに、当該アルコキシシラン官能基とアクリレートまたはメタアクリレート基とを結合する主鎖にフッ素を含有させた化合物の例示もなく、フッ素原子を有する化合物であれば任意の化合物が好ましいとの記載もないから、甲第2号証が、フッ素を含有させた主鎖でアルコキシシラン官能基とアクリレートまたはメタアクリレート基とを結合した化合物を、被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物において使用することを示唆しているとすることはできず、さらには、前記主鎖の数平均分子量を少なくとも約1500とすることを示唆しているとすることもできないから、甲第2号証は、前記した特定事項Aを当業者に想起させるものでない。
してみると、本件発明1〜13がその特定事項とする前記した特定事項Aは、甲第1号証に記載されているとすることも、甲第1号証及び甲第2号証に想起できる程度に記載されているとすることもできない。
そして、本件発明1〜13が、前記した特定事項Aの採用により、明細書中において作用機構および具体的データに基づいて説明されているとおりの、ガラス基板への接着力を高めるという効果を奏したものである。
よって、本件発明1〜13は、甲第1号証に記載された発明であるとすることも、甲第1号証および甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることもできず、前記(ア)および(イ)の理由に基づく主張は採用できない。

(III-4-2)特許異議申立ての理由(ウ)について
明細書中の「分子量」および「R8」という表現に係る不備は、前記訂正により解消された。
したがって、前記(ウ)の理由に基づく主張は採用できない。

(III-4-3)特許異議申立ての理由(エ)について
本件明細書の発明の詳細な説明の欄には、本件発明1〜13が、前記した特定事項Aの採用により、ガラス基板への接着力を高めるという効果を奏することについて、作用機構および具体的データにより十分に説明されているうえに[明細書の段落番号0009および0037〜0074参照]、本件発明9,11,12で用いる化合物は、その一般式と前記した特定事項Aに基づいて、当業者が十分に理解できるものである。
したがって、前記(エ)の理由に基づく主張は採用できない。

(III-5)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1〜13に係る特許は取り消すべきものであるとすることはできない。
また、他に本件発明1〜13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
組成物及び該組成物で被覆された光ファイバ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 被覆光ファイバの製造に用いる被覆組成物において、
前記被覆組成物は光または電子ビーム硬化性組成物と定着剤を含み、
前記定着剤は、光または電子ビーム硬化性組成物と共重合可能なスチリル、ビニル、ナフチル、ビニルエーテル、1-アルケニルエーテル、アリル、アクリレートまたはメタクリレート基へフッ素を含む主鎖を介して結合されたアルコキシシラン官能基を有し、
前記主鎖は、少なくとも約1500の数平均分子量を有する
ことを特徴とする被覆組成物。
【請求項2】 前記被覆組成物は、(メタ)アクリレート化オリゴマー、1種類以上の(メタ)アクリレートモノマーと、場合により、(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマーと、光開始剤を含む
ことを特徴とする請求項1記載の被覆組成物。
【請求項3】 前記定着剤は、式
(X)m-R-[-(Y)s-Si(OR1)n(R2)3-n]p
を有し、
前記式中、
Xは、スチリル基、ビニルナフチル基、ビニルエーテル基、1-アルケニルエーテル基、アリル基、アクリレート基又はメタアクリレート基を含み、
Rは、数平均分子量が少なくとも1500である比較的長いフッ素を含む鎖状分子であり、
Yは、-{(O)C}1-u-NH-R13-であり、
R1およびR2は、独立に、アルキル基を表し、
R13は、アルキレン鎖であり、
uは0もしくは1であり、
mおよびpは、独立に、1より大きいか、もしくは1と同じであり、
sは、0もしくは1であり、
nは、1もしくは2もしくは3である
ことを特徴とする請求項1記載の被覆組成物。
【請求項4】 Xは、式
[-Cq(R3)(R4)-O-]rC(O)-C(R5)=CH2
(式中、R3、R4およびR5は独立に、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表し、qは1ないし10の範囲内の整数であり、rは0または1ないし10の範囲内の整数である)で示される(メタ)アクリレート基を含む
ことを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項5】 Xは、
-CH2-CH2-O-C(O)-CH=CH2
であることを特徴とする請求項4記載の被覆組成物。
【請求項6】 Xはエチレン系不飽和基である
ことを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項7】 Xはビニルまたはアリル基である
ことを特徴とする請求項6記載の被覆組成物。
【請求項8】 R1はメチルまたはエチルであり、R2はメチルまたはエチルであり、nは3であり、mおよびpは1である
ことを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項9】 Rは、式
-O-C(O)-NH-R6-NH-C(O)-R7-C(O)-NH-R8-NH-C(O)
{式中、R6およびR8は独立に、芳香環を含有するかまたは含有しない、6個ないし12個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖または環状アルキレン基であり、R7は、
(1)
O(CH2CH2O)n1(CF2CF2O)p1(CF2O)q1(CH2CH2O)n1、
O(CH2CH2O)n1CH2CF2O(CF2CF2O)p1(CF2O)q1CF2CH2O(CH2CH2O)n1、
OCH2CF2O(CF2CF2O)p1(CF2O)q1CF2CH2O、
{OCH2CF(CF3)O[CF(CF3)CF2O]2C2F4}2、または、
OCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2CH(OH)CH2O
式中、0≦n1≦5、0.2≦p1/q1≦5であり、p1およびq1の実際の値は、R7の数平均分子量が1500ないし10000の範囲内となるような値であり、反復フッ素化エーテル基はランダムな繰返し単位またはブロック的な繰返し単位のどちらでもよい、
から選択された式のフッ素化ポリエーテル、もしくは、
(2)
-O-(CH2-CH2-O)r-
-O-[CH(CH3)-CH2-O]r-
-O-(CH2-CH2-CH2-CH2-O)r-
から選択された式のポリエーテル、もしくは、
(3)式
-O-[R9O-C(O)-R10-C(O)-O]r-R9-O-
のポリエステル、もしくは、
(4)式
-O-[R11-O-C(O)-O]r
のポリカーボネート、もしくは、
(5)式
-O-R12-O-
の末端が非反応性化された炭化水素鎖、
を含み、
(式中、R9、R10およびR11は独立に、芳香環を含有するかまたは含有しない、6個ないし12個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖または環状アルキレン基であり、R12は不飽和結合を有するかまたは有しない、直鎖または分枝鎖炭化水素基であり、R12の数平均分子量は少なくとも1500であり、rの値は、R7の数平均分子量が少なくとも1500であるような値である)のいずれかである}で示される
ことを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項10】 Yは、
-NH-R13-
(式中、R13はアルキル鎖である)である
ことを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項11】 Yは、
-C(O)-NH-R13-
であり、Rの構造は、
-O-C(O)-NH-R6-NH-C(O)-R7-
{式中、R6は、芳香環を含有するかまたは含有しない、6個ないし12個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖または環状アルキレン基であり、R7は、
O(CH2CH2O)n(CF2CF2O)p(CF2O)q(CH2CH2O)n、
O(CH2CH2O)nCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2O(CH2CH2O)n、
OCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2O、
{OCH2CF(CF3)O[CF(CF3)CF2O]2C2F4}2、または、
OCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2CH(OH)CH2O
(式中、0≦n≦5、0.2≦p/q≦5であり、pおよびqの実際の値は、R7の数平均分子量が1500ないし10000の範囲内となるような値である)で示され、反復フッ素化エーテル基はランダムな繰返し単位またはブロック的な繰返し単位のどちらでもよい、
-O-(CH2-CH2-O)r-
-O-[CH(CH3)-CH2-O]r-
-O-(CH2-CH2-CH2-CH2-O)r-
で示されるポリエーテル、
-O-[R9O-C(O)-R10-C(O)-O]r-R9-O-
で示されるポリエステル、
-O-[R11-O-C(O)-O]r
で示されるポリカーボネート、または
-O-R12-O-
で示される末端が非反応性化された炭化水素鎖、
(式中、R9、R10およびR11は独立に、芳香環を含有するかまたは含有しない、6個ないし12個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖または環状アルキレン基であり、R12は不飽和結合を有するかまたは有しない、直鎖または分枝鎖炭化水素基であり、R12の数平均分子量は少なくとも1500であり、rの値は、R7の数平均分子量が少なくとも1500であるような値である)のいずれかである}で示される
ことを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項12】 sの値は0であり、Rは、
R7[-Cq(R3)(R4)-O]r-C(O)-C(H)(R5)CH2-
または
-O-C(O)-NH-R6-NH-C(O)R7-C(O)-NH-R8-NH-C(O)-O-[-Cq(R3)(R4)-O]rC(O)-C(H)(R5)-CH2-
のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の被覆組成物。
【請求項13】 コアと、硬化した請求項1ないし12のいずれかに記載の被覆組成物とを有することを特徴とする被覆光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は(メタ)アクリレート(即ち、メタアクリレート又はアクリレート)及びアルコキシ置換オルガノシランから得られる硬化性物質に関する。アルコキシ置換オルガノシラン基含有化合物は、(メタ)アクリレート官能基を有する比較的長い分子に共役結合している。光硬化性塗料の一部として、この長鎖は、高分子網状組織をガラス基板へ共役的に結合させることによりガラス基板への接着力を高める。
【0002】
【従来の技術】
ガラス光ファイバの被覆として使用される光硬化性塗料は一般的に、ポリマー層とガラス基板との間の接着力を高めるために、定着剤を含有する。最も一般的なタイプの定着剤(「カップリング剤」とも呼ばれる)は、重合性塗料と反応することができる別の反応基を有するアルコキシ置換オルガノシランからなる(例えば、E.P.Plueddemann,″Silane Coupling Agents,″Plenum.1982参照)。
【0003】
アルコキシシラン基はガラス表面上に存在するSi-OH基と反応することができる。従って、カップリング剤はガラス表面と高分子被膜との間で共有結合を形成する。米国特許第5146531号明細書には、光ファイバ被覆で使用するのに好適な有機官能性シラン(例えば、アミノ官能性シラン、メルカプト官能性シラン、メタクリレート官能性シラン、アクリルアミノ官能性シラン、アリル官能性シラン、ビニル官能性シラン及びアクリレート官能性シランなど)が記載されている。これらのシラン類は好ましくはメトキシ基又はエトキシ基で置換されている。
【0004】
好ましい有機官能性シランは例えば、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3-メルカプトプロピルトリエトキシシランなどである。PCT国際公開(WO)91/03503号公報及び米国特許第4849462号明細書には、好ましい定着剤としてメルカプタン官能性アルコキシシラン(例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、別名「Y-メルカプトプロピルトリメトキシシラン」)の使用が記載されている。
【0005】
定着剤は一般的に、約0.1wt%〜約5wt%の範囲内の配合量で、光硬化性塗料(通常、アクリレートモノマーとオリゴマーとの混合物)に添加される。輻射線照射中に、定着剤は重合性混合物と反応し、ポリマー網状組織内に組込まれる。
【0006】
輻射線照射後、定着剤分子はポリマー網状組織に結合する。これら結合定着剤のうちの極僅かのものがガラス表面と反応するのに十分なほどガラス表面に接近している。従って、殆どの定着剤分子は無効である。なぜなら、これらの定着剤は強制的にポリマー網状組織に結合されるので、ガラス表面に達することができないからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は光硬化性塗料とガラスとの接着力を高める方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、アルコキシシラン分子を比較的長い分子に共役結合させることにより解決される。比較的長い分子は光硬化性塗料の一部であり、露光されると、この塗料と共重合することができる。
【0009】
長い分子が輻射線照射により反応した後、アルコキシシラン官能基は比較的長い主鎖を介して網状組織に結合される。この主鎖の長さは、ポリマー網状組織にランダムに結合される従来の定着剤に比べて、アルコキシシラン基に、ガラス表面へ到達する高い可能性と、該表面と反応する高い可能性を与える。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は具体的には、一層効果的な定着剤を使用することにより、光硬化性高分子被覆のガラス基板(例えば、ガラス光ファイバ)への接着力を高める方法に関する。本発明の組成物は、ガラス基板(例えば、ファイバ)用塗料として使用される。
【0011】
「被覆」又は「被膜」という用語は、ガラスファイバのクラッドを含む意味で使用されている。クラッドの場合、この被覆又は被膜は(ガラス)ファイバよりも低い屈折率を有する。従って、ファイバ内に電磁波エネルギーを導波するために、光ファイバ内のクラッドとして使用することができる。
【0012】
光ファイバ用の光硬化性塗料は一般的に、(メタ)アクリレート化オリゴマーと、一種類以上の(メタ)アクリレートモノマーと、場合により、(メタ)アクリレートと共重合可能なその他のモノマーと、光開始剤と、その他の添加剤とからなる。
【0013】
本発明では、下記の化21、
(X)m-R-[-(Y)s-Si(OR1)n(R2)3-n]p
{前記式中、Xは、スチリル基、ビニルナフチル基、ビニルエーテル基、1-アルケニルエーテル基、アリル基、アクリレート基又はメタアクリレート基を含み、
Rは、分子量が少なくとも1500である比較的長い鎖状分子であり、
Yは、-{(O)C}1-u-NH-R13-であり、
R1およびR2は、独立に、アルキル基を表し、
R13は、アルキレン鎖であり、
uは0もしくは1であり、
mおよびpは、独立に、1より大きいか、もしくは1と同じであり、
sは、0もしくは1であり、
nは、1もしくは2もしくは3である}で示される定着剤を使用する。
【0014】
Xの好ましい構造は下記の化22で示される(メタ)アクリレート基を有する。
【化22】
[-Cq(R3)(R4)-O-]rC(O)-C(R5)=CH2
(式中、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素、メチル、エチル又はプロピルを示し、qは1〜10の範囲内の整数であり、rは0又は1〜10の範囲内の整数である。)特に好ましいXは例えば、
【化23】
-CH2-CH2-O-C(O)-CH=CH2
である。
【0015】
Xのその他の好ましい構造は例えば、ビニル基及びアリル基などのようなエチレン系不飽和基である。
【0016】
R1は好ましくはメチル基又はエチル基であり、R2は好ましくはメチル基又はエチル基であり、nは好ましくは3である。m及びpの好ましい値は1である。
【0017】
Rが光硬化性塗料と相溶性であり、その硬化反応を妨害しない限り、Rの化学的性質に関して特別な要件は存在しない。Rの好ましい分子量は1500である。Rの好ましい構造は下記の化24で示される。
【化24】
-O-C(O)-NH-R6-NH-C-(O)R7-C(O)-NH-R8-NH-C(O)
(式中、R6及びR8はそれぞれ独立して、芳香環を含有するか又は含有しない、炭素原子を6個〜12個有する、直鎖、分枝鎖又は環状アルキレン基を示す。)
【0018】
前記化24におけるR7の構造は例えば、
(化25)O(CH2CH2O)n1(CF2CF2O)p1(CF2O)q1(CH2CH2O)n1、
(化26)O(CH2CH2O)n1CH2CF2O(CF2CF2O)p1(CF2O)q1CF2CH2O(CH2CH2O)n1、
(化27)OCH2CF2O(CF2CF2O)p1(CF2O)q1CF2CH2O、
又は
(化28){OCH2CF(CF3)O[CF(CF3)CF2O]2C2F4}2、
(化29)OCH2CH(OH)CH2OCH2CF2O(CF2CF2O)p(CF2O)qCF2CH2CH(OH)CH2O
(式中、0≦n1≦5、0.2≦p1/q1≦5であり、p1およびq1の実際の値は、R7の数平均分子量が1500ないし10000の範囲内となるような値であり、反復フッ素化エーテル基はランダムな繰返し単位またはブロック的な繰返し単位のどちらでもよい)から選択された式のフッ素化ポリエーテル、もしくは、(2)
(化30)-O-(CH2-CH2-O)r-、
(化31)-O-[CH(CH3)-CH2-O]r-、
(化32)-O-(CH2-CH2-CH2-CH2-O)r-
から選択された式のポリエーテル、もしくは、(3)式
(化33)-O-[R9O-C(O)-R10-C(O)-O]r-R9-O-
のポリエステル、もしくは、(4)式
(化34)-O-[R11-O-C(O)-O]r
のポリカーボネート、もしくは、(5)式
(化35)-O-R12-O-
の、末端が非反応性化された炭化水素鎖などである。
【0019】
前記化33及び化34の式中、R9、R10及びR11はそれぞれ独立して、芳香環を含有するか又は含有しない、炭素原子を6個〜12個有する、直鎖、分枝鎖又は環状アルキレン基である。
【0020】
前記化35の式中、R12は不飽和結合を有するか又は有しない、直鎖又は分枝鎖炭化水素基であり、R12の分子量は少なくとも1500である。
【0021】
前記化30〜化34の式中、rの値は、R7の数平均分子量が少なくとも1500であるような値である。
【0022】
Yの構造はシラン出発物質の構造及びこれをプレポリマーRに結合させるのに使用される化学反応次第である。前記のRの構造と共に使用可能なYの一般構造は下記の化36で示される。
【化36】
-NH-R13-
(式中、R13はアルキル鎖である。)R13の好ましい構造は-[CH2]3-である。
【0023】
別法として、Yの構造は下記の化37であることもできる。
【化37】
-C(O)-NH-R13-
この場合、前記のRの構造は下記の化38で示される構造に置き換えられる。
【化38】
-O-C(O)-NH-R6-NH-C(O)-R7-
【0024】
定着剤分子中のsの値は0(ゼロ)であることもできる。この場合、Rの構造は下記の化39又は化40の何れかである。
【化39】
R7[-Cq(R3)(R4)-O]r-C(O)-C(H)(R5)CH2-
又は
【化40】
-O-C(O)-NH-R6-NH-C(O)R7-C(O)-NH-R8-NH-C(O)-O-[-Cq(R3)(R4)-O-]rC(O)-C(H)(R5)-CH2-
【0025】
Rを光硬化性塗料と相溶性にする最も好都合な方法は、この塗料中で最大の数平均分子量を有する成分(すなわち、ウレタンオリゴマー)と同じ主鎖を使用することである。この同じ主鎖を使用することは、合成が一層好都合になるという点でも、望ましい。
【0026】
このような長鎖定着剤を合成するための方法の一例について説明する。出発物質はα,ω-ジヒドロキシオリゴマーである。この物質をジイソシアネートと反応させ、末端にイソシアネート基を有するオリゴマーを生成する。次いで、このオリゴマーをヒドロキシ官能性(メタ)アクリレート及びアミノ官能性アルキルオキシシランと反応させ、一方の端部にアルコキシシラン基を有し、他方の端部に(メタ)アクリレート基を有するオリゴマー分子を生成する。
【0027】
この方法で使用される反応はウレタン基を生成するための周知のイソシアネート-ヒドロキシル反応及び尿素基を生成するためのイソシアネート-アミン反応である。これらの反応は一般的に、ジラウリン酸ジブチル錫のような錫触媒を用いて行われる。この方法を実施するための別のやり方は、最初にヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートとジイソシアネートとを反応させ、イソシアネート官能性(メタ)アクリレートを生成する。
【0028】
同様に、先ずアミノシランをジイソシアネートと反応させ、イソシアネート官能性アルコキシシランを生成する。別法として、市販のイソシアネート官能性アルコキシシランを使用することもできる。次いで、これらのイソシアネート官能基をα,ω-ジヒドロキシオリゴマーと反応させ、(メタ)アクリレート官能基とアルコキシシラン官能基の両方を有するオリゴマーを生成する。
【0029】
このやり方の利点は、WO91/03503号公報に記載されるように、アクリレート化ウレタンオリゴマーの合成と平行して実施できることである。従って、これら長鎖定着剤を生成する経済的方法は、これらの合成をアクリレート化ウレタン合成の一部として合併することである。下記の実施例は、アクリレート化ウレタンオリゴマーの合成及びオリゴマー系定着剤の合成を例証する。
【0030】
本発明は、適当な官能基を有するアルコキシシランを0.1モル%〜50モル%の範囲内の量で、二官能性(又は多官能性)(メタ)アクリレート化オリゴマーに組込む方法も提供する。
【0031】
特に、これは、下記の化41、
【化41】
F-R-F+2A-X → A-X-F-R-F-X-A
で示される一般反応式、又は、下記の化42
【化42】
E-R-E+2G-R2-G → G-R2-G-E-R-E-G-R2-G
G-R2-G-E-R-E-G-R2-G+2A-X → A-X-G-R2-G-E-R-E-G-R2-G-X-A
で示される中間工程を有する同様な反応式を用いてジ(メタ)アクリレート化オリゴマーを有する場合、E,F,G又はAと反応できる官能基を有するアルコキシシラン含有分子をジ(メタ)アクリレート化オリゴマーの合成に合併させ、ジ(メタ)アクリレート化オリゴマーと、(メタ)アクリレート及びアルコキシシラン官能基の両方を有するオリゴマーを含有する混合物を生成できることを意味する。
【0032】
前記の反応式において、Rは官能基F又は官能基Eを有するプレポリマーであり、Aは、Fと反応することができる官能基Xに結合された(メタ)アクリレート基であり、GはEと反応することができる官能基である。
【0033】
本発明の被覆ファイバは図1に示されるような2重クラッド構造から構成できる。本発明の光ファイバは、コア10と第1のクラッド(すなわち、内側クラッド)11と第2の高分子被覆又はクラッド(すなわち、外側クラッド)12とからなる。コア10と第1のクラッド11は、両方ともシリカ系ガラスから形成されている。第2の高分子被覆(外側クラッド)12は、前記第1のクラッド11との間に境界面13を形成する。第2の高分子被覆(外側クラッド)12は本発明の硬化組成物から構成できる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0035】
実施例1 アクリレート化ウレタンオリゴマー容量
200mlのフラスコをオーブン内で乾燥し、排気し、そしてアルゴン(Ar)ガスを満たした。これに、イソオクチルアクリレート(25ml)、0.02wt%のブチレート化ヒドロキシトルエン重合禁止剤(BHT、イソオクチルアクリレート溶液に0.0464g配合)及びイソホロンジイソシアネート(19.5g,0.044モル)を添加した。赤外線(IR)スペクトルを測定した。
【0036】
反応フラスコの温度を40℃にまで上昇させ、温調器により、この温度を維持した。0.05wt%のジラウリン酸ジブチル錫(イソオクチルアクリレート溶液に0.116g配合)を添加した。4-ヒドロキシブチルアクリレート(12.6g,0.088モル)を15〜20分間かけて滴加した。2時間後、IRスペクトルを測定し、イソシアネートピーク(2260cm-1)が半減したことを確認した。数平均分子量が4000のポリプロピレングリコール(PPG、175g、0.044モル)を添加し、温度を70℃にまで上昇させた。反応の終点はIRスペクトル測定により確認した。
【0037】
実施例2 オリゴマー系定着剤
容量100mlの三頚フラスコをオーブン乾燥し、排気し、Arガスを充満させた。イソオクチルアクリレート(溶剤、20ml)及びイソホロンジイソシアネート(4.45g、0.02モル)を添加し、IRスペクトルを測定した。加熱マントル内の反応フラスコの温度を65℃にまで上昇させ、この温度を温調器により維持した。
【0038】
0.05wt%のジラウリン酸ジブチル錫(触媒)(イソオクチルアクリレート溶液に0.024g配合)を添加した。Arガス流を増大させながら、隔壁を除去し、注射針の無い大口径シリンジにより、ポリプロピレングリコール(PPG、数平均分子量4000、40g、0.01モル)を添加し、隔壁を再配置した。(数平均分子量4000のPPGは高粘性であり、注射針からは注入できない。)
【0039】
反応時間が2時間経過後、IRスペクトル測定を行い、イソシアネートピーク(2260cm-1)が半減するまで、時々、その他のスペクトルを測定した。0.2wt%のブチレート化ヒドロキシトルエン重合禁止剤(BHT、イソオクチルアクリレート溶液に0.0095g配合)を添加し、4-ヒドロキシブチルアクリレートを15〜20分間かけて滴加した。
【0040】
更に1時間経過後、残りの半分のイソシアネートが消耗されるまで、IRスペクトルで反応の進行状況をモニターした。3-アミノプロピルトリメトキシシラン(1.79g、0.01モル)を添加し、反応の終点をIRスペクトルで確認した。
【0041】
前記実施例の合成は、イソホロンジイソシアネート内の2つのイソシアネート基(一方のイソシアネート基は脂環式第2炭素原子に結合し、他方のイソシアネート基は脂肪族第1炭素原子に結合している)が異なる反応性を有することにより促進される。
【0042】
異なる反応性は、イソシアネートが実施例2の第1工程においてジオールを有する線状ポリマーを生成することを抑制する。同様に、異なる反応性は、分子1個当たり1個のイソシアネートだけが実施例1のヒドロキシブチルアクリレートと反応することを確保する。
【0043】
実施例3
オリゴマー主鎖の長さに対するオリゴマー系定着剤の有効性の依存関係を試験するために、実施例2に従って、様々な主鎖分子量を有する一連のオリゴマー系定着剤を生成した。光ファイバの下塗り塗料と同様なUV硬化性塗料を、これらオリゴマー系定着剤(OAP)を用いて生成した。
【0044】
トリメトキシシラン基のモル分量は全ての定着剤含有塗料内で一定に維持した。オリゴマー系アクリレート化ウレタン(実施例1で得られたもので、「オリゴマー」と呼ぶ)及びOAPを共に、塗料の50wt%に調合し、これにより全ての塗料内のPPG濃度を一定にすることができる。一般化された組成を下記の表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
トリメトキシシランの一定重量モル濃度と、同時に、全体的なPPGの一定重量分率を維持するために、定着剤のモル重量を変化させながら、オリゴマーと定着剤の相対量を変更しなければならない。この関係を下記の表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
十分に清浄にしたパイレックス板上に、前記組成物の被膜(厚さ0.152mm(6ミル))を作成した。全ての被膜を、1±0.3J/cm2の線量で硬化させた。
【0049】
剥離試験:幅0.635cm(0.25インチ)の、裏面に接着剤が塗布された銅テープストリップを、前記のUV硬化被膜上に配置し、テープの各側面に切り口を設け、試験のために、被膜の幅0.635cm(0.25インチ)部分を分離させた。室温条件下で、約2.54cm(1インチ)/分の速度で90度剥離試験を行った。データをプロットし、得られた特性曲線から剥離力値を決定した。下記の表3に、各OAPを生成するために使用したPPG先駆物質の分子量の関数としての、測定された剥離力の値を示す。
【0050】
【表3】

【0051】
表3に示された結果は、長い定着剤分子は短い定着剤分子よりも一層有効であることを示している。実際、数平均分子量が2000〜4000の場合の接着力は、被膜が剥離前に破壊(凝着破損)するほど強かった。
【0052】
実施例4
数平均分子量が2000以上のPPG主鎖を有するOAPについて実施例3で示された高接着力が実際に、オリゴマー鎖に結合したトリメトキシシラン官能基によるものであることを確証するために、一連の「モック(模擬)」オリゴマー系定着剤を合成した。合成は実施例2に従って行った。但し、アミノプロピルトリメトキシシランの代わりにn-ヘキシルアミンを使用した。
【0053】
従って、得られた生成物はOAPの構造と全く同様な構造を有していた。但し、鎖の一端は、トリメトキシシラン基の代わりに、ヘキシル基からなっていた。これら「模擬」OAPを含有する塗料による接着力測定は実施例3に述べた方法に従って行った。分子量が4000及び2000のPPG先駆物質に基づく模擬OAPの接着力値はそれぞれ1575g/m(40g/インチ)及び1260g/m(32g/インチ)であった。これらの値は実際のOAPで得られた値よりも一桁低い。
【0054】
前記の合成で反応試薬として使用されたプレポリマーの反応性末端基は通常、同等の反応性を有するので、生成物は純粋ではない。これは、約50%の所望のオリゴマー系定着剤と、25%のジアクリレート化オリゴマーと、25%の両末端にオルガノシロキサン基を有するオリゴマーとを含有する統計的混合物である。
【0055】
しかし、オリゴマー系定着剤を合成するための適正な条件を選択することにより、後者の副生物の生成を最小にすることができる。これを行うための好ましい手段は、オリゴマー系定着剤の合成を、最終塗料内で最後に使用されるジアクリレート化オリゴマーの合成に合併することである。ジアクリレート化オリゴマーを合成する普遍的な方法は、プレポリマー1分子をジイソシアネート2分子と反応させ、末端にイソシアネートを有するプレポリマーを生成することからなる。
【0056】
次いで、この分子をヒドロキシ官能性アクリレート2分子と反応させ、ジアクリレート化オリゴマーを生成する。この方法を若干変更することにより、正しい量のオリゴマー系定着剤を有するジアクリレート化オリゴマー混合物を生成することができる。イソシアネート基を末端に有するプレポリマーを用いて合成を開始することにより、少量の、例えば、アミノプロピルトリメトキシシランを添加することができる。これはイソシアネート基の0.1〜20モル%の範囲内であることができる。
【0057】
アミノ基はイソシアネート基と反応する。これにより、アルコキシシラン官能基を有するプレポリマーが得られる。大過剰量のイソシアネート基が存在するので、2個のアミノプロピルトリメトキシシラン分子が同じプレポリマー分子に結合して終了するチャンスは殆ど存在しない。残りのイソシアネート基は例えば、ヒドロキシエチルアクリレートと反応することができる。
【0058】
生成物は、ジアクリレート化オリゴマーと、オリゴマー系定着剤(すなわち、一方の末端にアクリレート基を有し、他方の末端にアルコキシシラン基を有するオリゴマー分子)と、両末端にアルコキシシラン基を有するオリゴマーとの混合物である。しかし、実施例2と異なり、この場合は、最後の副生物以上にオリゴマー系定着剤の生成が優勢になる。
【0059】
生成物分布は二項分布により説明される。従って、末端にイソシアネート基を有するプレポリマー内のイソシアネート末端基1モルについて、xモルのアミノプロピルトリメトキシシランが存在する場合、生成物の相対量は次の通りである。

【0060】
例えば、イソシアネート基を末端基とするオリゴマーを10%当量のアミノプロピルトリメトキシシラン及び90%当量のヒドロキシエチルアクリレートと反応させる場合、分布は次の通りとなる。

【0061】
従って、同じ方法において、非常に少ない量の副生物を有する、オリゴマーとオリゴマー系定着剤との混合物を生成することができる。
【0062】
先ず、ヒドロキシ官能性アクリレートとジイソシアネートとを反応させてイソシアネート官能性アクリレートを生成し、そして、イソシアネート官能性アルコキシシランを使用するか、又は、アミノ官能性シランとジイソシアネートとを反応させることによりイソシアネート官能性アルコキシシランを生成することにより同等の結果を得ることができる。
【0063】
次いで、イソシアネート官能性アルコキシシラン及びイソシアネート官能性アクリレートをヒドロキシ官能性プレポリマー(イソシアネート官能性アルコキシシランよりも大過剰量のヒドロキシ基を有する)と反応させる。生成物分布は前記の二項分布により説明できる。
【0064】
実施例5 イソシアネート官能性アクリレートの合成
イソホロンジイソシアネート96.14gを、BHT(重合禁止剤)0.09g及びエチルヘキシルアクリレート(溶剤)100ml中のジラウリン酸ジブチル錫(触媒)0.291gと混合した。この混合物を乾燥空気の雰囲気下で45℃にまで加熱した。
【0065】
その後、ヒドロキシエチルアクリレート50.25gを、隔壁を介してシリンジによりゆっくりと添加した。添加は乾燥空気の雰囲気下で2時間かけて行った。NCO基が半分消費されるまで、IRスペクトル測定を行うことにより反応の進行状況をモニターした。得られた生成物はエチルヘキシルアクリレートに溶解されたイソシアネート官能性アクリレートであった。
【0066】
実施例6 ジアクリレート化オリゴマーの合成
α,ω-ジヒドロキシポリ(テトラメチレンオキシド)(別名Terathane2000,数平均分子量2045)(28.52g)を実施例5の生成物(15.086g)と混合した。この混合物を70℃にまで加熱し、乾燥空気の雰囲気下で一晩反応させた。NCO基は全て消費された。得られた生成物はポリ(テトラメチレンオキシド)ウレタンジアクリレートである。
【0067】
実施例7 イソシアネート官能性アルコキシシラン及びイソシアネート官能性アクリレートの合成
イソホロンジイソシアネート(74.11g,0.33モル)をエチルヘキシルアクリレート(溶剤)(65.83g)、BHT(重合禁止剤)(0.09g)及びジラウリン酸ジブチル錫(0.21ml)と混合した。アミノプロピルトリメトキシシラン(6g,0.033モル)を45℃の乾燥空気の雰囲気下で15分間かけて添加した。
【0068】
NH2ダブレットの消失はIRスペクトル測定によりモニターした。ヒドロキシエチルアクリレート(34.8g,0.2999モル)をこの混合物に添加し、55℃で2時間反応させた。得られた生成物は、エチルヘキシルアクリレートに溶解された、約90モル%のイソシアネート官能性アクリレートと10モル%のイソシアネート官能性トリメトキシシランの混合物からなっていた。
【0069】
実施例8 オリゴマー系定着剤及びジアクリレート化オリゴマーの合成
α,ω-ジヒドロキシポリ(テトラメチレンオキシド)(別名Terathane2000,数平均分子量2045)(55.09g)を実施例7の生成物(29g)と乾燥空気の存在下で70℃で反応させた。全てのNCO基が消費されるまで、反応を一晩継続させた。得られた生成物は、ジアクリレート化ウレタンオリゴマー約81モル%と、一方の末端にアクリレート基を有し、他方の末端にトリメトキシシラン基を有するオリゴマー約18モル%の混合物からなるものであった。
【0070】
実施例9 接着力試験
実施例8の生成物を含有するUV硬化性塗料と及び数種類の対照塗料を調製した。
塗料A(対照):実施例6のジアクリレート化オリゴマー(エチルヘキシルアクリレート反応溶剤に溶解されている)65重量部、エトキシレート化ノニルフェニルアクリレート 35重量部、Irgacure 184光重合開始剤 2重量部塗料B:実施例8のジアクリレート化オリゴマー/オリゴマー定着剤(エチルヘキシルアクリレート反応溶剤に溶解されている)
65重量部、エトキシレート化ノニルフェニルアクリレート 35重量部、Irgacure 184光重合開始剤 2重量部塗料C:塗料A 100重量部 メルカプトプロピルトリメトキシシラン 1重量部塗料D:塗料A 100重量部 アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 1重量部
【0071】
塗料Aは定着剤無しの対照として使用した。塗料C及びDは標準的な市販の定着剤を含有する。塗料B、C及びDはそれぞれ、塗料100g当たり、トリメトキシシランを0.0041モル、0.0051モル及び0.0043モル含有する。
【0072】
顕微鏡用スライドガラスを濃硫酸/硝酸溶液(硝酸濃度5%)中で洗浄し、脱イオン水で濯ぎ、風乾させた。前記塗料の被膜をドクターブレード(膜厚0.254mm(10ミル))でガラススライド上に形成し、2J/cm2の線量を用いて硬化させた。様々な条件下で老化させたサンプルについて、12.7cm/分(5インチ/分)の速度で、90度剥離試験を行うことにより、接着力を測定した。測定結果を下記の表4に示す。
【0073】
【表4】

【0074】
本発明のオリゴマー系定着剤を含有する塗料の接着力は市販の定着剤の等モル量のシランを用いて達成できる接着力よりも2倍超も強い
【0075】
本発明は定着剤分子を合成するためにイソシアネートの化学的性質を使用することに限定されない。長鎖の一方の末端にアルコキシシラン基を結合させ、長鎖の他方の末端に(メタ)アクリレート基を結合させるために使用できる全ての化学反応は有効な定着剤を与えることができる。
【0076】
例えば、エポキシ官能性プレポリマーは一般的に、アクリル酸と反応し、アクリレート化オリゴマーを生成する。アミンはエポキシドと容易に反応するので、アミン官能性アルコキシシランは前記のようにオリゴマー内に組込むことができる。
【0077】
オリゴマー系定着剤を合成する別の魅力的な方法は、アルコキシシラン官能基をジアクリレート化オリゴマーに直接結合することである。これはヒドロシリル化反応により行うことができる。白金のような遷移金属触媒を使用し、シリコン水素化物をアクリレートのエチレン系不飽和結合に直接付加させることができる。この反応は下記の化43の反応式で表すことができる。
【化43】
R14SiH+CH2=CH-C(O)- → R14Si-CH2-CH2-C(O)-
【0078】
従って、ジアクリレート化オリゴマーは例えば、少量のトリメトキシシランと反応させ、下記の化44で示される生成物を生成することができる。
【化44】
CH2=CH-C(O)-O-R15-O-C(O)-CH2-CH2-Si(OCH3)3
【0079】
シリコン水素化物よりも大過剰量のアクリレートが存在するので、前記分子の生成は、両末端にトリメトキシシラン基を有する分子の生成よりも優先する。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、(メタ)アクリレート及びアルコキシ置換オルガノシランから生成される、光ファイバ用のクラッド層の形成材料として好適な硬化性物質が得られる。アルコキシ置換オルガノシラン基含有化合物は、(メタ)アクリレート官能基を有する比較的長い分子に共役結合している。光硬化性塗料の一部として、この長鎖は、高分子網状組織をガラス基板へ共役的に結合させることにより、ガラス基板への接着力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆ファイバ構造の断面図である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-07-29 
出願番号 特願平9-366720
審決分類 P 1 651・ 113- YA (C09D)
P 1 651・ 536- YA (C09D)
P 1 651・ 121- YA (C09D)
P 1 651・ 537- YA (C09D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 近藤 政克  
特許庁審判長 雨宮 弘治
特許庁審判官 佐藤 修
井上 彌一
登録日 2002-02-15 
登録番号 特許第3278111号(P3278111)
権利者 ルーセント テクノロジーズ インコーポレイテッド
発明の名称 組成物及び該組成物で被覆された光ファイバ  
代理人 本宮 照久  
代理人 産形 和央  
代理人 衡田 直行  
代理人 岡部 正夫  
代理人 藤野 育男  
代理人 藤野 育男  
代理人 高橋 誠一郎  
代理人 越智 隆夫  
代理人 加藤 伸晃  
代理人 吉澤 弘司  
代理人 高梨 憲通  
代理人 越智 隆夫  
代理人 三俣 弘文  
代理人 本宮 照久  
代理人 産形 和央  
代理人 三俣 弘文  
代理人 臼井 伸一  
代理人 吉澤 弘司  
代理人 高橋 誠一郎  
代理人 加藤 伸晃  
代理人 朝日 伸光  
代理人 岡部 讓  
代理人 岡部 讓  
代理人 朝日 伸光  
代理人 岡部 正夫  
代理人 臼井 伸一  
代理人 高梨 憲通  

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