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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E03D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 E03D
管理番号 1108870
審判番号 不服2004-12044  
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-11 
確定日 2004-12-15 
事件の表示 平成7年特許願第59634号「人体検知センサー付き洋風大便器」拒絶査定不服審判事件〔平成8年8月27日出願公開、特開平8-218468〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
本願は、平成7年2月9日の出願であって、平成16年4月27日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年6月11日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年7月12日付で手続補正がなされた。

【2】平成16年7月12日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年7月12日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
(1)本件補正
本件補正は、請求項1を次のとおりに補正することを含むものである。
「便器本体の台座部における前面部に、人体検知センサーが配設されている洋風大便器において、前記人体検知センサーの高さ位置が、便鉢よりも下方に設定されていることを特徴とする人体検知センサー付き洋風大便器。」(以下、「補正発明」という。)
上記補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正発明が、その特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下に検討する。

(2)引用刊行物
原査定の拒絶の理由で引用された、特開平6-17465号公報(以下、「刊行物」という。)には、以下の記載がある。
「【0001】【産業上の利用分野】本発明はトイレ内の脱臭装置に関するものである。」
「【0008】本発明請求項2の脱臭装置の一実施例において、図1の10はセンサ-であり、便器Bへの人体の接近及び離脱を感知するためのものである。その方式としては人体が発生する赤外線を検知する赤外線式や、図示されている超音波発生装置から常時超音波を発射しておいて人体に当ったときの反射波を検知する超音波式等がある。又、センサ-10の取付位置は小用等で便座に座らない場合でも人体の接近及び離脱を検知できるように考慮する必要がある。」
そして、上記便器Bは洋風大便器であり、センサー10はその前面部の上部に設けてあることが、当業者に明らかな事項であるから、刊行物には以下の発明が記載されていると認められる。
「便器Bの前面部の上部に、人を検知するセンサー10が設けられた、洋風大便器。」

(3)対比・判断
補正発明と、上記刊行物記載の発明とを対比すると、刊行物記載の発明の「便器B」、「人を検知するセンサー10」は、補正発明の「便器本体」、「人体検知センサー」にそれぞれ相当するから、両者は、
「便器本体の前面部に、人体検知センサーが配設されている、人体検知センサー付き洋風大便器。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点:便器本体の前面部に配設された人体検知センサーが、補正発明では、便器本体の台座部において便鉢よりも下方に設定したのに対し、刊行物記載の発明は、便器本体の上部に設けてある点

上記相違点について検討する。
人体検知センサーを便器に設ける場合に、小用等で便座に座らない場合でも人体の接近及び離脱を検知できる位置に設けることが、上記刊行物にも記載されている(【0008】)ように、当業者が当然配慮する事項であり、その位置を、補正発明のように、便器本体の台座部において便鉢よりも下方に設定した点には格別技術的意義は認められず、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。
そして、補正発明が奏する作用効果も、当業者が予期し得る程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、補正発明は、上記刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定によりその特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

以上のように、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正却下の決定の結論]のとおり、決定する。

【3】本願発明について
(1)本願発明
本願の各請求項に係る発明は、平成16年7月12日付手続補正が上記のとおり却下されたので、平成16年3月26日付手続補正書により補正された明細書、及び、図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された次のものと認める。
「【請求項1】 便器本体の台座部における前面部に、人体検知センサーが配設されていることを特徴とする人体検知センサー付き洋風大便器。
【請求項2】 前記人体検知センサーの高さ位置が、便鉢よりも下方に設定されている請求項1に記載の人体検知センサー付き洋風便器。
【請求項3】(記載を省略)」
(以下、請求項2記載の発明を「本願発明」という。)

(2)引用刊行物
これに対し、原査定の拒絶の理由で引用された刊行物、及び、その記載事項は、上記【2】(2)に記載したとおりである。

(3)対比・判断
本願発明は、上記【2】で検討した補正発明と同一である。
そうすると、補正発明が上記【2】(3)に記載したとおり、刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-10-05 
結審通知日 2004-10-12 
審決日 2004-10-25 
出願番号 特願平7-59634
審決分類 P 1 8・ 575- Z (E03D)
P 1 8・ 121- Z (E03D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 江成 克己  
特許庁審判長 山 田 忠 夫
特許庁審判官 南 澤 弘 明
伊 波 猛
発明の名称 人体検知センサー付き洋風大便器  
代理人 内田 敏彦  

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