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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01D
管理番号 1109477
審判番号 不服2000-15172  
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-07-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-08-17 
確定日 2005-01-06 
事件の表示 平成 7年特許願第341748号「コンバイン」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 7月 8日出願公開、特開平 9-172846〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年12月27日の出願であって、平成12年7月12日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年9月18日付手続補正書により明細書の全文補正がなされ、その明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。

「【請求項1】 穀稈を引起す引起しタイン12の駆動機構が内装されている複数の引起しケース11を有する穀稈引起し装置1と、該穀稈引起し装置1から引き継ぐ穀稈を脱穀部C側へ搬送する下部搬送機構4及び上部搬送機構5並びに該上部搬送機構5の上側に配置される穂先搬送機構6とを備え、該穂先搬送機構6は、穂先タイン62の駆動機構63が内装された複数の穂先搬送ケース61を有しているコンバインにおいて、
前記穂先搬送機構6の全ての穂先搬送ケース61は、その全体が正面視で前記引起しケース11の投影内に位置されていると共に、前記穂先搬送機構6は、前記穂先タイン62の先端周速を前記引起しタイン12の周速よりも遅く設定してあることを特徴とするコンバイン。」

なお、上記平成12年9月18日付の手続補正は、実質的に、特許請求の範囲の請求項1を削除し、請求項2を独立形式で記載して請求項1としたものであるから、特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。

第2.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平5-41921号公報(以下、「刊行物1」という。)、及び、実公平1-42432号公報(以下、「刊行物2」という。)には、それぞれ以下の事項が記載されている。

(1)刊行物1(特開平5-41921号公報)に記載された事項
i.刊行物1には、
「本発明は、コンバインの刈取部に係るものである。」(2頁1欄18、19行)、
「前記刈取部5は、・・・引起装置18を設け、・・・穀稈を後方に搬送する前側株元搬送装置22を設け、該前側株元搬送装置22の上方には上下二段構成の前側穂先搬送装置23、23を設け、前記各前側株元搬送装置22と前記各前側穂先搬送装置23、23の搬送通路の後側には前記各前側株元搬送装置22と前記各前側穂先搬送装置23とにより搬送された穀稈を、合流点A以降に設けた株元引継搬送装置24と穂先引継搬送装置25にまで搬送する株元集合装置26を設けて構成している。」(2頁2欄36-49行)、
「穀稈は、引起装置1818aにより引起され、・・・前側株元搬送装置22、22aにより株元が挾持され、前側穂先搬送装置23、23aにより穂先側が搬送されて搬送通路を通り、株元集合装置26により一箇所の合流点Aに搬送されて株元引継搬送装置24及び穂先引継搬送装置25に引継がれ、該株元引継搬送装置24及び穂先引継搬送装置25により脱穀室の側部の穀稈供給装置53に引継がれ、該穀稈供給装置53により脱穀室52に供給されて脱穀される。」(3頁4欄44-4頁5欄3行)と記載されている。
ii.また、【図1】【図3】を参酌すると、
複数の引起装置18、18a、及び、複数の上段の前側穂先搬送装置23、23aは、いずれもケースを有していることは明らかであり、複数の上段の前側穂先搬送装置23、23aのケースのうち1つのケース(中央)は、そのほぼ全体が正面視で引起装置18aのケースの投影内に位置されており、他の1つのケース(図面左側)の穀稈の搬送通路側は、正面視で引起装置18aのケースの投影内に位置されている、と認められる。
iii.してみると、刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「複数のケースを有する引起装置18、18aと、該引起装置18、18aから引き継ぐ穀稈を脱穀室52側へ搬送する前側株元搬送装置22、22a及び上下二段構成の前側穂先搬送装置23、23aとを備え、該上下二段構成の前側穂先搬送装置23、23aのうち上段の前側穂先搬送装置23、23aは複数のケースを有しているコンバインにおいて、
前記上段の前側穂先搬送装置23、23aのケースのうちの1つのケースは、そのほぼ全体が正面視で前記引起装置18aのケースの投影内に位置されているコンバイン。」

(2)刊行物2(実公平1-42432号公報)に記載された事項
刊行物2には、
「本考案は穀稈の長短に抱らず穀稈引起体により引起された穀稈の穂側を停滞させることなく確実に穂側搬送体の搬送爪に受継することのできるコンバインにおける穀稈搬送装置を提供せんとするものであって、」(1頁1欄24-末行)、
「引起爪5のピッチLと搬送爪14aのピッチIとを等しくした場合、引起爪5の速度Vと搬送爪14aの速度vとをV/v=2というように整数倍にすると搬送爪14aは引起爪5に対して1ピッチおきに通過し、」(2頁3欄11-16行)、
「長稈でかつ倒伏していた穀稈は柔軟になっているので、引起後、直ちに倒伏せんとするが、この穀稈が穀稈引起体の引起爪に係止されている間に穂側搬送体の搬送爪により掻き取るようにして受継搬送することができ、引起された穀稈の穂部が従来のもののように一時停滞してその姿勢が乱れたり穂先移送遅れを生ずることがなく、扱き残し、穂切れ、稈切れ及び稈抜け等を防止することができる。」(2頁4欄32-40行)と記載されている。

第3.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明において、引起装置18、18aのケースに穀稈を引起す引起しタインの駆動機構が内装されている点、及び、上下二段構成の前側穂先搬送装置23、23aの複数のケースに穂先タインの駆動機構が内装されている点は自明であり、
引用発明の「引起装置18、18aのケース」、「引起装置18、18a」、「脱穀室52」、「前側株元搬送装置22、22a」、「下段の前側穂先搬送装置23、23a」、「上段の前側穂先搬送装置23、23a」、「上段の前側穂先搬送装置23、23aのケース」は、それぞれ、本願発明の「引起しケース11」、「穀稈引起し装置1」、「脱穀部C」、「下部搬送機構4」、「上部搬送機構5」、「穂先搬送機構6」、「穂先搬送ケース61」に相当する。
したがって、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。

<一致点>
「穀稈を引起す引起しタインの駆動機構が内装されている複数の引起しケースを有する穀稈引起し装置と、該穀稈引起し装置から引き継ぐ穀稈を脱穀部側へ搬送する下部搬送機構及び上部搬送機構並びに該上部搬送機構の上側に配置される穂先搬送機構とを備え、該穂先搬送機構は、穂先タインの駆動機構が内装された複数の穂先搬送ケースを有しているコンバイン。」
<相違点>
(1)本願発明では、「穂先搬送機構6の全ての穂先搬送ケース61は、その全体が正面視で引起しケース11の投影内に位置されている」のに対して、引用発明では、そうではない点。
(2)本願発明では、「穂先搬送機構6は、穂先タイン62の先端周速を引起しタイン12の周速よりも遅く設定してある」のに対して、引用発明では、そうではない点。

第4.当審の判断
上記相違点について検討する。
<相違点(1)について>
引用発明は、上段の前側穂先搬送装置23、23aの複数のケース(穂先搬送ケース)のうち1つのケース(穂先搬送ケース)は、そのほぼ全体が正面視で引起装置18aのケース(引起しケース)の投影内に位置されているものであり、引用発明を認定した刊行物1には、上段の前側穂先搬送装置23のケース(穂先搬送ケース6)の穀稈の搬送通路側は、正面視で引起装置18aのケース(引起しケース)の投影内に位置されている点が記載されている(上記第2.の(1)のii.参照。)ので、引用発明において、全ての上段の前側穂先搬送装置23、23aのケース(穂先搬送ケース)を、その全体が正面視で引起装置18aのケース(引起しケース)の投影内に位置されているようにする点は、当業者が必要に応じて適宜になし得る設計的事項であり、その効果も当業者にとって自明なものである。
<相違点(2)について>
上記刊行物2には、コンバインにおける穀稈搬送装置に関して、引起爪5の速度Vを搬送爪14aの速度vの2倍にする点、言い換えると、搬送爪14aの速度vを引起爪5の速度Vよりも遅くする点が記載され、「搬送爪14a」及び「引起爪5」は、それぞれ本願発明の、「引起しタイン12」及び「穂先タイン62」に相当するから、上記相違点(2)に係る本願発明を特定する事項は、刊行物2に記載された発明と一致するものであり、引用発明に上記刊行物2に記載された発明を適用する点に格別の困難性は認められない。

そして、本願発明によって奏せられる効果は、引用発明(上記刊行物1に記載された発明)、上記刊行物2に記載された発明によって奏せられる効果と比較して格別顕著なものともいえない。

第5.むすび
したがって、本願発明は、上記刊行物1、2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-11-01 
結審通知日 2004-11-09 
審決日 2004-11-24 
出願番号 特願平7-341748
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A01D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 昭次神 悦彦小林 英司  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 林 晴男
白樫 泰子
発明の名称 コンバイン  
代理人 伴 正昭  
代理人 伴 正昭  
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