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審決分類 |
審判 一部申し立て 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) G05B 審判 一部申し立て 2項進歩性 G05B 審判 一部申し立て 特29条の2 G05B |
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管理番号 | 1109586 |
異議申立番号 | 異議2003-71885 |
総通号数 | 62 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1999-11-16 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-07-28 |
確定日 | 2004-10-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3371418号「プラント監視装置」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3371418号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 出願 平成10年 5月 6日 特許権設定登録 平成14年11月22日 (公報発行日 平成15年 1月27日) 特許異議申立て 平成15年 7月28日(申立人 藤山和宏) 取消理由通知 平成15年11月27日 (平成15年12月 9日発送) 訂正請求 平成16年 2月 6日 2.訂正の適否 2-1 訂正の内容 平成16年2月6日付け訂正請求書に添付された全文訂正明細書の記載によれば、特許権者が求めている訂正の内容は、以下の訂正を行うものと認められる。 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1中の「前記プラントからプロセスデータを取得し、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを送信するデータ送信手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記データ送信手段のプロセスデータと・・」を、「前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーンョンからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと・・」と訂正する。 訂正事項2 発明の詳細な説明の0007段落中の「前記プラントからプロセスデータを取得し、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを送信するデータ送信手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記データ送信手段のプロセスデータと・・」を、「前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーンョンからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと・・」と訂正する。 訂正事項3. 発明の詳細な説明の0010段落中の「データ送信手段」を、「リモート・データ・アクセス・サーバ手段」と訂正する。 2-2 訂正の適否 (1)訂正事項1について ア.請求項1についての訂正事項1は、発明を特定する事項である「前記プラントからプロセスデータを取得し、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを送信するデータ送信手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記データ送信手段のプロセスデータと・・」という構成を、これに含まれる事項である「前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーンョンからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと・・」という構成に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当するものである。 イ.願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。また、願書に添付した明細書及び図面を、以下「特許明細書・図面」という。)の発明の詳細な説明の0010段落、0013段落、0015段落の記載、図1の記載からみて、「前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーンョンからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段とを有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと・・」という構成は、特許明細書・図面の記載から自明な事項である。 よって、訂正事項1は、特許明細書・図面に記載した事項の範囲内においてなされたものである。 ウ.そして、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 エ.特許異議の申立てがなされていない請求項4、請求項5は、請求項4が請求項1を引用する請求項2を更に引用するものであり、請求項5が請求項1を引用する請求項2を更に引用する請求項4を更に引用するものであることから、請求項4,5は請求項1についての訂正事項1により特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正がなされたものである。そこで、独立特許要件について検討すると、訂正後の請求項4、請求項5に記載されている事項により特定される発明は、下記の本件発明1を更に限定するものであるから、下記3-4(1)と同様に引用刊行物1又は2に記載された発明であるとも、引用刊行物1ないし3に記載された各発明から容易に発明をすることができたものであるとも、甲第4号証に記載の発明と実質的に同一であるとも認められず、またその他に特許出願の際に独立して特許を受けることができないという理由はない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、請求項1についての訂正事項1と整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当するものであり、特許明細書・図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、請求項1についての訂正事項1と整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当するものであり、特許明細書・図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 2-3 むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法120条の4第第2項及び第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、上記訂正を認める。 3.異議申立てについての判断 3-1 本件発明 上記のとおり、訂正は認められるから、本件の請求項1ないし5にかかる発明は、上記訂正請求にかかる訂正明細書の請求項1ないし5に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、本件の請求項1ないし3に係る発明を、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)。 【請求項1】 プラントの状態を示すプラント監視画面を表示するプラント監視装置において、 プラント監視画面ごとに設けられると共に、WWWブラウザ手段で用いられる汎用プログラムで作成され、描画表示命令と前記プラントのプロセスデータの呼び出し命令が記述されているプログラムファイルと、 このプログラムファイルの呼び出し命令が記述されているHTMLファイルと、 HTTPで通信を行い、前記HTMLファイルと前記プログラムファイルとを公開するWWWサーバ手段と、 前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーションからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、 前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段と を有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと前記プログラムファイルの描画表示命令とにより、プロセスデータに基づいたプラント監視画面の表示を行うことを特徴とするプラント監視装置。 【請求項2】 プログラムファイルは、バイナリコードファイルであることを特徴とする請求項1記載のプラント監視装置。 【請求項3】 HTMLファイルに、他のプログラムファイルを呼び出すHTMLファイルを呼び出すリンクタグが記述されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラント監視装置。 【請求項4】 プラント監視専用のグラフィックス画面手段に用いられるプラント監視画面ソースファイルをWWWブラウザ手段に用いられる汎用プログラムのプログラムソースファイルに変換する変換手段と、 前記汎用プログラムソースファイルをバイナリコードファイルにコンパイルするコンパイラ手段と を有することを特徴とする請求項2記載のプラント監視装置。 【請求項5】 変換手段は、 プラント監視画面ソースファイルを読み込み、どのようなプログラムであるかの解析を行う解析手段と、 この解析結果に基づいて、プログラムソースファイルを生成する生成手段とからなることを特徴とする請求項4記載のプラント監視装置。 3-2 申立の理由の概要 特許異議申立人藤山和宏は、 (i)甲第1、2号証(下記引用刊行物1、2)を提示して、本件の請求項1、2に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである旨主張し、 (ii)甲第1〜甲第3号証(下記引用刊行物1〜3)を提示して、本件の請求項1-3に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである旨主張し、 (iii)甲第4号証を提示して、本件の請求項1-3に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである旨主張している。 3-3 取消理由通知で引用した刊行物等 刊行物1:「ネットワーク機器の運用状態を容易に監視できるWWWを使用したネットワーク管理ソフト」、日立電線、No.17(1998年1月1日発行)、第19〜22頁(甲第1号証) 刊行物2:特開平10-041861号公報(甲第2号証) 刊行物3:「イントラネットの核になる技術〜WWWの動向〜」、CQ出版、OPEN DESIGN 10月号(第3巻第5号、1996年10月1日発行)第28〜51頁(甲第3号証) 甲第4号証:特願平9-236037号の願書に最初に添付した明細書及び図面(特開平11-85651号公報参照)(以下、特願平9-236037号の願書に最初に添付した明細書及び図面に記載された発明を、「先願発明」という。) 3-4 対比・判断 (1)本件発明1について 本件発明1と、上記引用刊行物1〜3(甲第1〜3号証)に記載された各発明及び先願発明とを対比すると、後者のいずれにも、「プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーションからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段とを有する」構成については記載もされておらず、示唆もされていない。 したがって、本件発明1が、引用刊行物1又は2に記載された発明であるとも、引用刊行物1ないし3に記載された各発明から容易に発明をすることができたものであるとも、先願発明と実質的に同一であるとも認められない。 (2)本件発明2について 本件発明2は、本件発明1を更に限定するものであるから、上記(1)と同様に、引用刊行物1又は2に記載された発明であるとも、引用刊行物1ないし3に記載された各発明から容易に発明をすることができたものであるとも、先願発明と実質的に同一であるとも認められない。 (3)本件発明3について 本件発明3は、本件発明1を更に限定するものであるから、上記(1)と同様に、引用刊行物1ないし3に記載された各発明から容易に発明をすることができたものであるとも、先願発明と実質的に同一であるとも認められない。 4.結論 したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ないし3に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 プラント監視装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 プラントの状態を示すプラント監視画面を表示するプラント監視装置において、 プラント監視画面ごとに設けられると共に、WWWブラウザ手段で用いられる汎用プログラムで作成され、描画表示命令と前記プラントのプロセスデータの呼び出し命令が記述されているプログラムファイルと、 このプログラムファイルの呼び出し命令が記述されているHTMLファイルと、 HTTPで通信を行い、前記HTMLファイルと前記プログラムファイルとを公開するWWWサーバ手段と、 前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーションからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、 前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段と を有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと前記プログラムファイルの描画表示命令とにより、プロセスデータに基づいたプラント監視画面の表示を行うことを特徴とするプラント監視装置。 【請求項2】 プログラムファイルは、バイナリコードファイルであることを特徴とする請求項1記載のプラント監視装置。 【請求項3】 HTMLファイルに、他のプログラムファイルを呼び出すHTMLファイルを呼び出すリンクタグが記述されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラント監視装置。 【請求項4】 プラント監視専用のグラフィックス画面手段に用いられるプラント監視画面ソースファイルをWWWブラウザ手段に用いられる汎用プログラムのプログラムソースファイルに変換する変換手段と、 前記汎用プログラムソースファイルをバイナリコードファイルにコンパイルするコンパイラ手段と を有することを特徴とする請求項2記載のプラント監視装置。 【請求項5】 変換手段は、 プラント監視画面ソースファイルを読み込み、どのようなプログラムであるかの解析を行う解析手段と、 この解析結果に基づいて、プログラムソースファイルを生成する生成手段とからなることを特徴とする請求項4記載のプラント監視装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、プラントの状態を示すプラント監視画面を専用端末で表示するプラント監視装置に関し、WWWブラウザ手段によりプラントの状態を監視することができるプラント監視装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来のプラント監視装置では、専用端末で、閉鎖されたネットワークによりプラントの監視を行うと共に、プラントの制御を行っていた。このような装置を図5に示し説明する。 【0003】 図において、フィールド・コントロール・ステーションFCSは、プラント1を監視すると共に、制御する。オペレータ・ステーションOPSは、独自のネットワークプロトコルで構築された制御バスBを介して、フィールド・コントロール・ステーションFCSからプロセスデータを取得すると共に、フィールド・コントロール・ステーションFCSに対して、プラント1を制御する制御信号を出力する。そして、オペレータ・ステーションOPSは、グラフィック画面手段GRを有し、ハードディスク2にプラント監視画面オブジェクト3を格納している。グラフィック画面手段GRは、プラント監視画面オブジェクト3を解釈して、フィールド・コントロール・ステーションFCSからプロセスデータを取得すると共に、プラント監視画面を描画する。 【0004】 このような装置の動作を以下に説明する。 監視員が、専用端末であるオペレータ・ステーションOPSを操作し、グラフィック画面手段GRを起動する。グラフィック画面手段GRは、ハードディスク2からプラント監視画面オブジェクト3を取得し、解釈する。そして、グラフィック画面手段GRは、フィールド・コントロール・ステーションFCSからプロセスデータを取得し、プラント監視画面を描画する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 このような装置では、プラントを監視するためには専用端末を用意しなければならなかった。そのため、計装エンジニアやマネージャ等が事務棟からフィールドを監視したい場合、専用の制御バスを設けると共に、専用端末を設けなければならないという問題点があった。 【0006】 そこで、本発明の目的は、専用端末を設けることなく、WWWブラウザによりプラントの状態を監視することができるプラント監視装置を実現することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は、 プラントの状態を示すプラント監視画面を表示するプラント監視装置において、 プラント監視画面ごとに設けられると共に、WWWブラウザ手段で用いられる汎用プログラムで作成され、描画表示命令と前記プラントのプロセスデータの呼び出し命令が記述されているプログラムファイルと、 このプログラムファイルの呼び出し命令が記述されているHTMLファイルと、 HTTPで通信を行い、前記HTMLファイルと前記プログラムファイルとを公開するWWWサーバ手段と、 前記プラントを監視すると共に、制御するフィールド・コントロール・ステーションからプロセスデータを、制御バスを介して取得するプロセスデータハンドラ手段と、 前記プログラムファイルによるWWWブラウザ手段の呼び出し命令により、WWWブラウザ手段にプロセスデータを、前記プロセスデータハンドラ手段から取得し、送信するリモート・データ・アクセス・サーバ手段と を有し、前記WWWブラウザ手段が、前記リモート・データ・アクセス・サーバ手段のプロセスデータと前記プログラムファイルの描画表示命令とにより、プロセスデータに基づいたプラント監視画面の表示を行うことを特徴とするものである。 【0008】 このような本発明では、WWWブラウザ手段が、WWWサーバ手段にHTMLファイルの呼び出しを要求する。そして、WWWサーバ手段は、HTMLファイルをWWWブラウザ手段に送信する。 【0009】 そして、WWWブラウザ手段は、HTMLファイルのプログラムファイルの呼び出し命令に従い、WWWサーバ手段にプログラムファイルの呼び出しを要求する。WWWサーバ手段は、プログラムファイルをWWWブラウザ手段に送信する。 【0010】 WWWブラウザ手段は、プログラムファイルの描画表示命令とプロセスデータの呼び出し命令に従い、プロセスデータをリモート・データ・アクセス・サーバ手段から取得し、プラント監視画面の描画表示を行う。 【0011】 【発明の実施の形態】 以下図面を用いて本発明を説明する。 図1は本発明の一実施例を示した構成図である。 図において、フィールド・コントロール・ステーションFCSは、プラント1を監視すると共に、制御する。オペレータ・ステーションOPSは、専用端末で、独自のネットワークプロトコルで構築された制御バスBを介して、フィールド・コントロール・ステーションFCSからプロセスデータを取得すると共に、フィールド・コントロール・ステーションFCSに対して、プラント(図示せず)を制御する制御信号を出力する。 【0012】 パソコンPCは、WWWブラウザ手段10を有し、イーサネットLANに接続している。 【0013】 サーバSVは、WWWサーバ手段21とプロセスデータベースハンドラ手段22とリモート・データ・アクセス・サーバ手段23とを有し、ハードディスクHDに接続すると共に、イーサネットLANと制御バスBとに接続している。ハードディスクHDは、プログラムファイルであるJava Applet31とHTML(HyperText Markup Language)ファイル32とが格納されている。(なお、Javaは、米国およびその他の国における米国Sun Microsystems,Inc.の商標または登録商標です。) 【0014】 Java Applet31は、プラント監視画面ごとに設けられると共に、WWWブラウザ手段10で用いられる汎用プログラムで作成され、描画表示命令とプラント1のプロセスデータの呼び出し命令が記述されている。HTMLファイル32は、Java Applet31の呼び出し命令が記述されている。また、HTMLファイル32は、他のJava Applet31を呼び出すHTMLファイルを呼び出すリンクタグも記述されている。 【0015】 WWWサーバ手段21は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)で通信を行い、HTMLファイル32を公開する。プロセスデータベースハンドラ手段22は、フィールド・コントロール・ステーションFCSからプロセスデータを取得する。リモート・データ・アクセス・サーバ手段23は、Java Applet31によるWWWブラウザ手段10が出力する呼び出し命令により、WWWブラウザ手段10にプロセスデータを、プロセスデータベースハンドラ手段22から取得し、送信する。そして、プロセスデータベースハンドラ手段22とリモート・データ・アクセス・サーバ手段23とにより、データ送信手段が構成される。 【0016】 このような装置の動作を以下で説明する。 パソコンPCのWWWブラウザ手段10が、WWWサーバ手段21に対して、HTMLファイル32の読み込みを要求する。WWWサーバ手段21は、ハードディスクHDからHTMLファイル32を読み出して、WWWブラウザ手段10に送る。WWWブラウザ手段10は、HTMLファイル32を読み込んで、HTMLファイル32の指示に従い、Java applet31の読み込みをWWWサーバ手段21に要求する。WWWサーバ手段21は、ハードディスクHDからJava applet31を読み出して、WWWブラウザ手段10に送る。 【0017】 WWWブラウザ手段10は、Java Applet31の指示により、リモート・データ・アクセス・サーバ手段23に対して、プロセスデータの取得を定周期で要求する。リモート・データ・アクセス・サーバ手段23は、プロセスデータベースハンドラ手段22に対してプロセスデータの取得を要求する。プロセスデータベースハンドラ手段22は、フィールド・コントロール・ステーションFCSがプラントから取得したプロセスデータを取得し、リモート・データ・アクセス・サーバ手段23にプロセスデータを渡す。リモート・データ・アクセス・サーバ手段23は、プロセスデータベースハンドラ手段22から取得したプロセスデータを、WWWブラウザ手段10に送信する。 【0018】 WWWブラウザ手段10は、リモート・データ・アクセス・サーバ手段23からのプロセスデータとJava Applet31とにより、プロセスデータに基づいたプラント監視画面の表示を行う。 【0019】 このように、WWWサーバ手段21によりHTMLファイル32を公開し、WWWブラウザ手段10で、HMTLファイル32を読み込み、Java Applet31を読み込んで、Java Applet31の指示によりプロセスデータを取得し、プラント監視画面の表示を行う。従って、プラント監視画面を表示するための専用ソフトを予めインストールする必要がない。つまり、専用端末を必要としない。 【0020】 また、HTMLファイル32を用いているので、他のHTMLファイル32を呼び出すリンクタグを用いれば、プラント監視画面の切替をユーザが自由に設定変更することができる。そして、画面切替のために、Java Applet31にリンクのプログラムを作成する必要がない。 【0021】 次に、プラント監視画面のプログラム変換装置の構成を示す。 図2はプラント監視画面のプログラム変換装置の構成を示した図である。図1と同一のものは、同一符号を付し、説明を省略する。 図において、プラント監視画面ソースファイル41は、グラフィック画面手段GRに用いられるプログラムで作成され、プラント監視画面を描画するプログラムが記述されている。グラフィックコンパイラ手段C1は、プラント監視画面ソースファイル41をプラント監視画面オブジェクト3に変換する。プラント監視画面オブジェクト3は、バイナリコードである。グラフィック画面手段GRは、プラント監視画面オブジェクト3を呼び出して、プラント監視画面オブジェクト3の指示に従い、描画を行う。以上の構成が図5の従来のプラント監視装置で行われていた処理構成である。 【0022】 変換手段Tは、プラント監視画面ソースファイル41をJavaソースファイル42に変換する。Javaコンパイラ手段C2は、Javaソースファイル42をJava Applet31にコンパイルする。WWWブラウザ手段10は、Java Applet31によりプラント監視画面を表示する。以上の構成が、実施例の処理構成である。 【0023】 さらに、詳細に図3に変換手段Tの詳細構成を示し、説明する。 図において、解析手段T1は、プラント監視画面ソースファイル41を読み込み、どのようなプログラムであるか、例えば、初期表示プログラム、定周期表示プログラム、定周期データ収集プログラム、条件による動作変化プログラムのどれに当てはまるか、解析を行い、記憶部T2にプログラムと共に、解析結果を格納する。生成手段T3は、記憶部T2の解析結果からプログラムを呼び出し、Javaソースコードを生成し、Javaソースファイル42を生成する。 【0024】 このような装置の動作を以下に説明する。 図4は変換手段Tの動作を示したフローチャートである。 解析手段T1は、プラント監視画面ソースファイル41のプログラムを順次読み込み、どのようなプログラムであるかを解析する。この解析結果を、解析手段T1は、対応するプログラムと共に、記憶部T2に格納する。 【0025】 そして、生成手段T3は、記憶部T2の解析結果からプログラムを順次呼び出し、つまり、例えば、解析結果が初期表示のプログラムを呼び出し、Javaソースコードを生成する。すべての解析結果に対して、プログラムを変換し、Javaソースファイル42を生成する。 【0026】 このJavaソースファイル42を、Javaコンパイラ手段C2を用いて、Java Applet31にコンパイルする。 【0027】 このように、変換手段Tにより、グラフィック画面手段GRに用いられるプラント監視画面ソースファイル41をJavaソースファイル42に変換するので、専用端末を設けなくとも、WWWブラウザ手段10でプラント監視画面を見ることができる。 【0028】 なお、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のものでもよい。 HTMLファイル32にプラント監視画面を切り替えるためのリンクタグを設ける構成を示したが、Java Applet31にプラント監視画面を切り替えるプログラムを設ける構成にしてもよい。 【0029】 また、変換手段Tに記憶部T2を設ける構成を示したが、解析手段T1あるいは生成手段T3が記憶部T2の機能を含む構成でもよい。 【0030】 【発明の効果】 本発明によれば、以下のような効果がある。 請求項1,2によれば、WWWサーバ手段によりHTMLファイルを公開し、WWWブラウザ手段で、HMTLファイルを読み込み、プログラムファイルを読み込んで、プログラムファイルの指示によりプロセスデータを取得し、プラント監視画面の表示を行う。従って、プラント監視画面を表示するための専用ソフトを予めインストールする必要がない。つまり、専用端末を必要としない。 【0031】 請求項3によれば、HTMLファイルを用いているので、他のHTMLファイルを呼び出すリンクタグを用いれば、プラント監視画面の切替をユーザが自由に設定変更することができる。そして、画面切替のために、プログラムファイルにリンクのプログラムを作成する必要がない。 【0032】 請求項4,5によれば、変換手段により、プラント監視専用のグラフィックス画面手段に用いられるプラント監視画面ソースファイルをプログラムソースファイルに変換するので、専用端末を設けなくとも、WWWブラウザ手段でプラント監視画面を見ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例を示した構成図である。 【図2】 プラント監視画面のプログラム変換装置の構成を示した図である。 【図3】 変換手段Tの具体的構成を示した図である。 【図4】 変換手段Tの動作を示したフローチャートである。 【図5】 従来のプラント監視装置を示した構成図である。 【符号の説明】 10 WWWブラウザ手段 21 WWWサーバ手段 22 プロセスデータベースハンドラ 23 リモート・データ・アクセス・サーバ手段 31 Java Applet 32 HTMLファイル 41 プラント監視画面ソースファイル 42 Javaソースファイル C2 Javaコンパイラ手段 T 変換手段 T1 解析手段 T2 生成手段 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-09-30 |
出願番号 | 特願平10-123109 |
審決分類 |
P
1
652・
832-
YA
(G05B)
P 1 652・ 121- YA (G05B) P 1 652・ 16- YA (G05B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 森林 克郎 |
特許庁審判長 |
城戸 博兒 |
特許庁審判官 |
村上 哲 安池 一貴 |
登録日 | 2002-11-22 |
登録番号 | 特許第3371418号(P3371418) |
権利者 | 横河電機株式会社 |
発明の名称 | プラント監視装置 |