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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  F04C
管理番号 1109607
異議申立番号 異議2003-70817  
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-06-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-03-26 
確定日 2004-12-01 
異議申立件数
事件の表示 特許第3330455号「ロータリコンプレッサ」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3330455号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 第1 手続の経緯
1.特許出願:平成6年11月16日
2.特許権の設定登録:平成14年7月19日
3.特許公報発行日:平成14年9月30日
4.特許異議の申立て(特許異議申立人:臼谷 康):平成15年3月2 6日
5.特許異議の申立て(特許異議申立人:三菱電機株式会社):平成15 年3月31日
6.取消理由の通知:平成15年6月9日(発送:平成15年6月20日)
7.意見書の提出:平成15年9月2日
8.取消理由の通知:平成15年10月8日(発送:平成15年10月2 1日)
9.意見書の提出:平成16年1月15日

第2 異議申立て、取消理由の概要
特許異議申立人 臼谷 康が、平成15年3月26日付けの特許異議申立書で主張している異議申立ての理由(以下、「異議理由1」という。)、特許異議申立人 三菱電機株式会社が、平成15年3月31日付けの特許異議申立書で主張している異議申立ての理由(以下、「異議理由2」という。)、及び当審が平成15年10月8日付けで通知した取消理由(以下、「取消理由」という。)は、概略、次のとおりである。

1.異議理由1
「本件発明は、本件出願日前に頒布された刊行物である下記甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものである。

甲第1号証:1990年7月17日〜20日 米国合衆国インディアナ州ウ ェストファイエット パデュー大学の1990年パデュー国際 圧縮機工学会議の会議録 第2巻、541〜547頁、750 〜760頁
甲第2号証:特開平6-17078号公報
甲第3号証:特開平6-194009号公報
甲第4号証:特開昭60-128991号公報
甲第5号証:特開平5-85967号公報 」

2.異議理由2
「本件発明は、本件出願日前に頒布された刊行物である下記甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものである。

甲第1号証:「日本冷凍協会論文集 Vol.10,No.2(1993. 7)」社団法人日本冷凍協会発行[平成5年7月31]
335〜340頁
甲第2号証:「機械学会論文集 B編 第49巻 第444号」社団法人 日本機械学会発行[昭和58年8月25日]
1762〜1771頁
甲第3号証:「冷凍 Vol.69,No.795 平成6年1月号」
社団法人 日本冷凍協会発行[平成6年1月16日]
100〜111頁

3.取消理由
(1)取消理由1
上記異議理由1のとおり。
(2)取消理由2
上記異議理油2のとおり。
(3)取消理由3
「本件発明は、本件出願日前に頒布された下記1〜8の刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものである。

1:1990年7月17日〜20日 米国合衆国インディアナ州ウェスト ファイエット パデュー大学の1990年パデュー国際圧縮機工学会議 の会議録 第2巻 541〜547頁、750〜760頁
2:特開平6-17078号公報
3:特開平6-194009号公報
4:特開昭60-128991号公報
5:特開平5-85967号公報
6:「日本冷凍協会論文集 Vol.10,No.2(1993.7)」社 団法人日本冷凍協会発行[平成5年7月31]335〜340頁
7:「日本機械学会論文集 B編 第49巻 第444号」社団法人 日本 機械学会発行[昭和58年8月25日]1762〜1771頁
8:「冷凍 Vol.69,No.795 平成6年1月号」社団法人 日本冷凍協会発行[平成6年1月16日]100〜111頁」

なお、以下、上記1〜8の刊行物をそれぞれ刊行物1〜8という。

第3 特許異議申立てについての当審の判断
1.本件発明
本件特許の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、設定登録時における本件明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものであると認める。
「密閉ケース内に、仕切板により仕切られた複数のシリンダと、各シリンダ内に設けられ、偏心回転が与えられるローラとを有する圧縮機構部とを備え、冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いたロータリコンプレッサにおいて、シリンダ内径Ds(mm)、シリンダ高さをH(mm)、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量をe(mm)で与えられる時、これらをH/(Ds・e)の式で求められる値が0.07〜0.13の間となるように形成してなることを特徴とするロータリコンプレッサ。」

2.刊行物6に記載された発明
これに対して、刊行物6には、次のように記載されている。
(1)「1.はじめに
ロータリー圧縮機は・・・・・
そこで、小容量の2シリンダロータリー圧縮機の高効率化を狙い、高効率化への技術シーズを数値解析で検討し、実験解析によって評価を行った。・・・・・
2.シリンダ設計諸元が性能に影響を及ぼす
最適形状探索シミュレーション(Simulator for Optimum Design以下、SOD)を開発し、ロータリー圧縮機のシリンダ設計諸元(シリンダ高さ:H シリンダ直径:D 偏心量:E)が性能に及ぼす影響を調べた。・・・・
今回のSODの設計変数は、D、Eの2変数としたが、吸入容積一定であることよりHも変化し3変数となる。・・・・・
また幾何形状や2シリンダ型特有の上下シリンダを仕切るための仕切板内径と・・・・・
2.1 数値解析結果(SOD)
・・・・・
ここでSODの解析結果を以下に示す。
総合効率・・・・ H/D値0.47で最高効率となる。
・・・・・
指示効率 H/D値減少に伴い、・・・・・
ここで最高効率となったシリンダ設計諸元の最適組合せを図6に示す。・・・・・
そして、この最適諸元での圧縮機性能は、容積効率:+5.8%、指示効率:+0.6%、機械効率:-0.4%となり、総合効率で6.0%向上する。」(335頁左欄下から8行〜 338頁左欄12行)

(2)「6.結論
小容量2シリンダロータリー圧縮機の高効率化に向け、数値・実験解析を用いて技術シーズの検討及び評価を行った。その結果、最も高効率化に有効な技術が、シリンダ設計諸元(シリンダ半径、高さ、偏心量)の最適組み合わせの採用であり・・・・5.5%向上した。」(340頁左欄14〜32行)
(3)上記記載(1)及び第337頁左上のFig.2によれば、仕切板により仕切られた上下シリンダそれぞれの内部で偏心回転するピストンにより圧縮機構部が形成されているものといえる。

以上を総合すると、刊行物6には次のような発明(以下、「刊行物6記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。
「パーティションにより仕切られた2つのシリンダと各シリンダ内に設けられ、偏心回転が与えられるピストンとを有する圧縮機構部とを備えたロータリー圧縮機において、シリンダ直径D、シリンダ高さH、ピストンに偏心回転を与える偏心量Eを、ロータリー圧縮機が高効率化するよう組み合わせてなるロータリー圧縮機。」

3.本件発明と刊行物6記載の発明との対比
本件発明と刊行物6記載の発明とを対比すると、後者における「ピストン」、「シリンダ直径D」、「偏心量E」及び「ロータリー圧縮機」は、その技術的意義に照らして、前者における「ローラー」、「シリンダ内径Ds」、「クランク偏心量e」及び「ロータリーコンプレッサ」のそれぞれに相当する。
さらに後者における「シリンダ直径D、シリンダ高さH、ピストンに偏心回転を与える偏心量Eを、圧縮機が高効率化するよう選定した」点と前者における「シリンダ内径Ds(mm)、シリンダ高さをH(mm)、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量をe(mm)で与えられる時、これらをH/(Ds・e)の式で求められる値が0.07〜0.13の間となるように形成し」た点とは、「シリンダ内径Ds、シリンダ高さをH、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量をeで与えられる時、これらを所定の値となるように形成した」限りにおいて一致する。

以上を総合すると、本件発明と刊行物6記載の発明との一致点、相違点は次のとおりである。
〈一致点〉
「仕切板により仕切られた複数のシリンダと、各シリンダ内に設けられ、偏心回転が与えられるローラとを有する圧縮機構部とを備えたロータリコンプレッサにおいて、シリンダ内径Ds、シリンダ高さをH、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量をe(mm)で与えられる時、これらを所定の値となるように形成してなるロータリコンプレッサ。」
〈相違点1〉
本件発明においては、「密閉ケース内に、仕切板により仕切られた複数のシリンダと、各シリンダ内に設けられ、偏心回転が与えられるローラとを有する圧縮機構部とを備え」ているのに対して、刊行物6記載の発明においては、密閉ケース内に「パーティションにより仕切られた2つのシリンダと各シリンダ内に設けられ、偏心回転が与えられるピストンとを有する圧縮機構部と」を備えているのか否か明らかではない点。
〈相違点2〉
本件発明においては、冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いたロータリコンプレッサを前提としているのに対して、刊行物6記載の発明においては、どのような冷媒を用いたロータリコンプレッサを前提としているのか明らかではない点。
〈相違点3〉
シリンダ内径Ds、シリンダ高さをH、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量をeで与えられる時、これらが所定の値となるように形成するに際し、本件発明においては「H/(Ds・e)の式で求められる値が0.07〜0.13の間となるように形成して」いるのに対して、刊行物6記載の発明においてはH/(Ds・e)の式で求められる値がどのようなものになるのか明らかではない点。

4.相違点についての検討及び判断
そこで、上記相違点1〜3について検討する。
(1)相違点1について
密閉ケース内に、仕切板により仕切られた複数のシリンダと、各シリンダ内に設けられ、偏心回転が与えられるローラとを有する圧縮機構部とを備えることは、刊行物4の第1図(密閉容器101)のほか、特開平5-99171号公報の第2図(密閉容器1)等にみられるように、この出願前より周知の技術であり、本件発明の相違点1に係る構成は、当業者が適宜採用し得る程度のものにすぎない。

(2)相違点2について
ロータリコンプレッサの冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いることは、刊行物2(特に第11欄の段落【0046】参照)、刊行物3(特に第13欄の段落【0048】参照)、刊行物5(特に第2欄の段落【0007】参照)、刊行物8(特に第103頁〜第105の「5.評価試験候補冷媒」、「6.冷媒評価供試機器」、「8.冷媒物性値」の欄参照)にみられるように本件出願前より周知の技術である。
たしかに刊行物6記載の発明においては、どのような冷媒を用いるのか明らかではないが、上記のように冷媒として周知のHFC32/125混合冷媒を用いることを妨げる特段の事情も見いだせないので、本件発明の相違点2に係る構成は、当業者が適宜なし得ることというべきである。

(3)相違点3について
本件発明の相違点3に係る技術的意義は、本件明細書の「そこで、この発明は、各構成因子を基礎とする式に基づいて設計することで、圧縮室の最適化を図り、代替冷媒を使用した時の圧縮効率の向上が図れるようにしたロータリコンプレッサを提供することを目的とする。」(段落【0007】)、「以上、説明したように、この発明のロータリコンプレッサによれば、冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いたロータリコンプレッサにおいて、圧縮機構部の圧縮室を成績係数上最適なディメンジョンにでき、成績係数の高いロータリコンプレッサが得られる。」(段落【0037】)などの記載によれば、冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いたロータリコンプレッサを前提に、シリンダ内径Ds(mm)、シリンダ高さをH(mm)、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量e(mm)を、H/(Ds・e)の式で求められる値に基づいて選定し、圧縮効率、成績係数を向上することにあるものと解される。
これに対して、刊行物6記載の発明においては、どのような冷媒を用いるかは特定されていないものの、シリンダ直径D、シリンダ高さH、ピストンに偏心回転を与える偏心量Eを、ロータリー圧縮機が高効率化するよう組み合わせている。
この点に関して、例えば、刊行物6の「総合効率」の欄及びFig.3(337頁)あるいは「指示効率」の欄及びFig.6(第338頁)などを参酌すると、H/D、すなわち「シリンダ高さ/シリンダ直径」の値を変化させ、効率がどのように変化するのかが示されており、ロータリコンプレッサの吸入容積あるいは排除容積が一定の条件下では、シリンダ高さH、シリンダ直径Dが決まれば、一義的に偏心量Eが定まることから、結局H、D、Eの値を変化させ、効率がどのように変化するのかが示唆されていると解される。
ところで、刊行物7「5・4 体積効率」の欄(1767頁)には、「冷媒の種別によりロータリ圧縮機の体積効率が変化すること」及び同「6・4 圧縮機寸法と体積効率」の欄(1769頁)には、「ロータリ圧縮機のシリンダ高さl、ピストン半径r、シリンダ半径Rといったシリンダ設計諸元により体積効率が変化する」といった趣旨の記載がなされている。
さらに刊行物8「6.冷媒評価供試機器」の欄(103頁〜105頁)には、「物性値がR22と著しく異なる混合冷媒もあり、冷媒による性能、サイクル挙動を正しく把握するためには、R22で最適化設計された機器をそのまま用いての性能評価は正しい性能評価とはいえない」といった趣旨の記載がなされている。
そうしてみると、上記(2)の「相違点2について」で述べたように、刊行物6記載の発明において、冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いるにあたり、当該冷媒の特性に応じて、シリンダ直径D、シリンダ高さH、ピストンに偏心回転を与える偏心量Eを、ロータリー圧縮機が高効率化するよう組み合わせてみようとすることは、上記刊行物7、8に記載された事項に基づいて、当業者がごく自然に想起し得ることというべきであり、実験等を繰り返すことにより当該冷媒に対応した最適な組み合わせを選択し、結果としてH/(D・E)の値が所定の値になるようにすることは、当業者が実験等により容易に到達し得ることというべきである。
そこで、シリンダ内径Ds(mm)、シリンダ高さをH(mm)、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量をe(mm)としたときのH/(Ds・e)の値について検討する。
刊行物7の表1「圧縮機主要寸法」(1765頁右下)を参照すると、シングルロータリコンプレッサに関わるものではあるが、シリンダ半径Rを27mm(シリンダ内径Dsを54mm)、シリンダ高さl(H)を23.8mm、クランク偏心量(e)を3.6mm(シリンダ半径-ピストン半径=27.0-23.4=3.6)とすることが記載されているから、H/(Ds・e)≒0.122となる。
あるいは、刊行物1の第542頁のTable1から、ツインロータリコンプレッサにおけるCylinder diameter すなわちシリンダ内径Dsを41mm、Strokeすなわちクランク偏心量eを3.5mm、Displacementすなわち排除容積Vsを13.3cc(13,300立法ミリメートル)とすることが記載されており、シリンダ内径をDs、クランク偏心量をe、排除容積をVs、シリンダ高さをHとしたとき、Vs≒πe(Ds-e)Hが成り立つことから、シリンダ高さは約16.19mmとなり、H/(Ds・e)≒0.112となる。
さらに同第753頁の「rj is the eccentric radius(rj は偏心半径である。)」、「hc is the cylinder height,and Rr is the radius of the rolling piston.(hcはシリンダ高さ、Rrは回転するピストンの半径である。)」、第754頁の「Rc is the inner radius of the cylinder(Rcはシリンダの内半径である。)」の記載及び第757頁のAPPENDIXの「(a) Twin Rotary Compressor」の諸元から、偏心半径rj すなわちクランク偏心量eを3.5mm、シリンダ高さhc(H)を16mm、シリンダの内半径Rcを20.05mm、すなわちシリンダ内径Dsを40.1mmにすることが記載されているから、クランク偏心量をe、シリンダ高さをH、シリンダ内径をDsとすると、H/(Ds・e)≒0.114となる。
(なお、刊行物1は、本件出願の4年以上前である1990年(平成2年)7月17日〜20日に、米国合衆国インディアナ州で開催されたパデュー国際圧縮機工学会議の会議録と解され、会議録の性格上、講演に先だって講演者から受講者等に配布された資料などに基づいて編集され、会議終了後さほどの期間を置くことなく受講者等に頒布されるべきものと解するのが相当であるから、本件出願前に日本国内または外国において頒布された刊行物とすべきである。)
以上のとおり、これらH/(Ds・e)の値は、いずれも0.07〜0.13の間であり、このような数値範囲は、ロータリコンプレッサにおけるシリンダ内径Ds、シリンダ高さH、ローラに偏心回転を与えるクランク偏心量eの設計上の組み合わせとして、特殊なものとは解されない。
しかも、本件発明において、冷媒としてHFC32/125混合冷媒を用いた際に、H/(D・E)の値を0.07〜0.13としたことにより、成績係数が格段に改善されるといった臨界的な意義があると解することもできず、本件明細書の段落【0030】及び【図8】などを参酌すると、このような数値範囲の特定は、単に成績係数が所定以上となる範囲の選定によるものというべきである。
したがって、本件発明の相違点3に係る構成は、刊行物6記載の発明において、HFC32/125混合冷媒を用いるにあたり、シリンダ直径D、シリンダ高さH、ピストンに偏心回転を与える偏心量Eを、圧縮機が高効率化するようその組み合わせを適宜選択することにより、当業者が容易になし得ることである。

(4)相違点についての検討及び判断のむすび
本件発明を全体構成でみても、その作用、効果は、刊行物6記載の発明、刊行物1〜5、7、8に記載された事項及び上記した周知の技術に基づいて当業者が予測し得る程度のものにすぎない。
したがって、本件発明は、刊行物6記載の発明及び刊行物1〜5、7、8に記載された事項、上記した周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明の特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してなされたものである。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2004-10-14 
出願番号 特願平6-281757
審決分類 P 1 651・ 121- Z (F04C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 藤井 眞吾  
特許庁審判長 石原 正博
特許庁審判官 長谷川 一郎
清田 栄章
登録日 2002-07-19 
登録番号 特許第3330455号(P3330455)
権利者 東芝キヤリア株式会社
発明の名称 ロータリコンプレッサ  
代理人 高瀬 彌平  
代理人 宮田 金雄  

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