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審決分類 |
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する C09B 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C09B 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する C09B 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C09B 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する C09B |
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管理番号 | 1110374 |
審判番号 | 訂正2004-39159 |
総通号数 | 63 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1990-07-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2004-07-09 |
確定日 | 2004-11-16 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2757965号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2757965号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は、特許第2757965号発明(平成1年7月4日特許出願(パリ条約による優先権主張1988年9月2日、米国)、平成10年3月13日設定登録、平成15年3月13日料金不納による特許権の消滅)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記訂正事項(1)及び(2)のとおりに訂正することを求めるものである。 訂正事項(1) 特許請求の範囲の【請求項6】における「 シアニン、メロシアニン(化学構造式略)、スチリル(化学構造式略)[ここで、XおよびYはO、Sおよび よりなる群から選ばれ、ZはOおよびSよりなる群から選ばれ、mは1、2、3および4よりなる群から選ばれる整数であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7基は、独立して、水素、 (ここで、QおよびWは、I、ClおよびBrよりなる群から選ばれ、nは0又は整数である)よりなる群から選ばれ、ただし、これらの基の少なくとも1つは水素ではなく、R8およびR9基(存在時)の少なくとも一つはスルホネート基である]よりなる群から選ばれる発光染料。」を「以下の構造: を有する発光染料。」と訂正し、「請求項6」を「請求項1」と訂正する。 訂正事項(2) 特許請求の範囲の【請求項1】〜【請求項5】、【請求項7】〜【請求項9】を削除する。 2.当審の判断 そこで、上記訂正事項(1)及び(2)について検討する。 訂正事項(1)について この訂正による請求項1に記載の化合物は、特許明細書の特許請求の範囲の【請求項6】に記載された構造式において、シアニンの構造を有するものであって、X及びYが 、mが2、R3、R4及びR7が水素、R1及びR2が 、nが5、R8、R9がスルホネートである化合物である。また、特許明細書には、羊γ-グロブリンとスルホインドジカルボシアニン活性エステルである、 とを反応させること、上記化学構造式で表される染料で蛋白を標識すること、生成物の蛍光度に関することが記載されており(特許公報19頁、例1)、上記活性エステルは、この訂正により特定される化学構造を有する発光染料であるから、特許明細書には、上記活性エステルの発光染料が記載されているということができる。したがって、この訂正は願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内においてしたものである。また、上述のことからみて、この訂正によって、特許明細書の特許請求の範囲のもとの請求項6に記載の発光染料が上記活性エステルの化学構造を有するものに限定されるものと認められるから、この訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、請求項6を請求項1とする訂正は、もとの請求項1〜5の削除により項番号を繰り上げるものであるから、この訂正は、願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内においてしたものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。 訂正事項(2)について この訂正は、請求項の削除を行うものであるから、願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内のものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、上記訂正事項(1)は、一般式で表される化合物を、その範囲内で限定するもの、及び、単に請求項の項番号を繰り上げるものであり、訂正事項(2)は請求項を削除するものに過ぎないから、いずれも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明は特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。 3.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、同法による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 発光アリールスルホネートシアニン染料を用いた物質の標識ないし検出方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】以下の構造: を有する発光染料。 【発明の詳細な説明】 発明の背景 吸光特性を有するシアニンおよび関連染料は写真フィルムに用いられてきた。斯かる染料は吸光特性を必要とするが、ルミネッセンス(蛍光若しくは燐光)特性を必要としない。これまでルミネッセンス特性を有するシアニン染料は非常に限られた用途しかなかった。斯かる用途に取分け蛋白のスルフヒドリル基を標識することが含まれる。「スルフヒドリル試薬染料は筋形質小網嚢(SR)からの迅速Ca2+解放を開始させる(Sulfhydryl Reagent Dyes Trigger the Rapid Release of Ca2 from Sacoplasmic Reticulum Vesicles(SR))」と題する論文で、Salama G.Waggoner A.S.Abramson J.は、ヨードアセチル基を有するシアニン発色団がCa2+解放を開始させるべくpH6.7で筋形質小網蛋白上のスルフヒドリル基と共有結合を形成するのに用いられたことを報告している(Biophysical Journal、47、456a(1985))。この論文はまた、蛍光染料が蛋白の標識ないし単離に用いられたことを述べている。 「レチニリデン結合箇所から離れたロドプシン分子領域での配座変化の力学(Kinetics of Conformational Changes in a Region of the Rhodopsin Molecule Away From the Retinylidene Binding Site)」と題する論文で、Waggoner A.S.、Jenkins P.L.、Carpenter J.P.およびGupta R.は、牛ロドプシンのF1領域上のスルフヒドリル基が660nmで吸光度を有するシアニン染料により共有標識されたことを報告している〔Biophysical Journal、33、292a(1985)〕。ここでも、特に蛋白のスルフヒドリル基を標識するのにシアニン染料を用いたことが報告されているが、蛍光染料の使用については開示されていない。 「細胞生物学における問題への蛍光フォトブリーチ技法の応用に関する国際ゼミ(International Workshop on the Application of Fluorescence photobleaching Techniques to Problems in Cell Biology)」と題する記事には蛋白質に複合され得しかもスペクトルの濃赤領域で励起されうるシアニンタイプ蛍光プローブに関するJacobson K.、Elson E.、Koppel D.およびWebb W.の論文が報告されている(Fed.Proc.42:72-79(1983))。 上記三つの論文のいずれにも記述されている唯一のシアニンプローブは特に蛋白質のスルフヒドリル基に共有結合するものである。記述されている唯一の特定シアニン化合物はヨードアセチル基を有するもので、該基はシアニン染料をスルフヒドリル基と共有反応させる。上記記事はいずれもシアニン染料と蛋白質以外の物質又はスルフヒドリル基以外の蛋白質上任意基との共有反応を開示していない。 しかしながら、多くの非蛋白質物質はスルフヒドリル基を有さず、また多くの蛋白質は該基を蛍光探査に有用とする程十分には有していない。しかも、スルフヒドリル基(-SHSH-)は空気の存在でジスルフィド(-S-S-)に容易に酸化し、それによって蛍光プローブへの共有結合に受容されなくなる。 発明の概要 本発明に従えば、物質の蛍光ないし燐光検出のために適当な反応条件下、蛋白質および他物質上のスルフヒドリル基のみならずアミン(-NH2)およびヒドロキシ(OH)基その他アルデヒド(-CHO)基の如き基と共有反応する置換基を有するシアニンおよび関連ポリメチン染料が開発された。本発明は、従来法のヨードアセチルシアニン染料の使用およびその、スルフヒドリル基との特異反応性よりもかなりの益をもたらす。アミンおよびヒドロキシ基はスルフヒドリル基よりも蛋白ないし他の物質中で優勢であり、安定である。それによって、特定蛋白有無の探査に蛍光シアニン染料を用いるとき、被探査蛋白に多くの染料分子が結合しうるので、より強い蛍光ないし燐光の光度信号が出される。しかも、アミンないしヒドロキシ基は、当然スルフヒドリル、アミン若しくはヒドロキシ基を含まない重合体粒子の如き標識の所望される成分に、より容易に付加される。 本発明はまた、標識蛋白又は他物質の有無ないし量が、該標識成分をクロマトグラフィー法で分離後探査されうるように、アミン若しくはヒドロキシ基又は他の反応基と共有反応する基を含む発光シアニン染料を用いて混合物中の染料と反応しうるアミン若しくはヒドロキシ基又は他の基を有する蛋白又は他の原料を標識する方法に関する。先に引用せる文献に依れば、明らかにスルフヒドリル基は、特に蛋白分子上のスルフヒドリル基が非常に少なくまた或る場合該基が蛋白の機能で有意な役割を果たす故に共有反応用に選定された。それ故、著者が蛋白構造上のスルフヒドリル基の特定位置を確認する試みは可能であった。また、上記文献で、スルフヒドリル基は特定蛋白の構造変化を探査し或いは該変化をもたらすプローブとして用いられた。斯くして、染料による吸光の変化又は染料結合による解放カルシウムイオンの変化を判断するために、プローブの結合場所を知ることが必要であった。 大部分の蛋白上のスルフヒドリル基は非常に少ない故に、探査に十分な全ルミネッセンスをもたらすのに該スルフヒドリル基数が十分でないことがある。これとは対照的に、アミンないしヒドロキシ基数は蛋白分子上に数において有意に多く且つ広く分散しているので分子上の多数箇所に蛍光プローブを結合させることができ、それによって蛋白検出が容易になるため吸光若しくは蛍光変化の判断が排除される。 本発明は発光ポリメチンシアニンないし関連ポリメチン染料による蛋白その他、核酸、DNA、薬物、トキシン、血液細胞、微生物物質、粒子、プラスチック若しくはガラス表面材、重合体膜等を含む物質の、該物質上アミン若しくはヒドロキシ箇所での標識に関する。有利なことに、染料は、標識物質を含む水性ないし他の媒体に可溶である。本発明は標識1段法に加えて標識2段法に関する。標識2段法では、抗体の如き第一成分を、該成分上の、アミン、ヒドロキシ、アルデヒド若しくはスルフヒドリル箇所を含む箇所で標識しうる。標識された成分は、抗体が特異な抗原の如き第二成分のプローブとして用いられる。 先に記した従来技術では、スルフヒドリル基と共有反応するプローブを用いることにより、シアニンプローブによる結合箇所の特異性が達成された。本発明の2段法に従えば、第一段階でシアニンないし関連プローブを抗体の如き第一成分上のアミン、アルデヒド、スルフヒドリル、ヒドロキシ若しくは他の基と反応させることができ、而して第二ないし染色段階で抗体は抗原の如き第二成分での所望の特異性を達成しうる。この特異性は抗体への抗原結合箇所により調べられる。 本発明はまた、ターゲット分子上のアミン、ヒドロキシ、アルデヒド若しくはスルフヒドリル基への共有結合を可能にする基を含む発光ポリメチンシアニンおよび関連化合物に関する。本発明は抗原のプローブとなりうるこれら発光シアニン化合物で標識された単一クローン抗体および他の成分に関する。ターゲットが1種の細胞であるとき、本発明は、該細胞に結合する標識抗体の量を測定するのに用いることができる。この測定は、細胞のルミネッセンスの相対的明暗を調べることによって実施しうる。 本発明は、系の特定蛋白若しくは他成分の濃度を調べるのに用いることができる。もし、プローブと反応しうる蛋白上の反応基数が既知なら、分子当りの蛍光を知ることができ、また系の分子濃度を系の全ルミネッセンス強度によって調べることができる。 本方法は、系の蛋白の混合物すべてを標識し、次いで標識蛋白をクロマトグラフィーの如き任意手段で分離することにより系の各種の蛋白ないし他の物質を定量するのに用いることができる。次いで、分離せる発光性の蛋白量を調べることができ、クロマトグラフィー検出系で、標識物質上の染料位置を確認することができる。 本発明はまた、抗体により標識された種々の細胞数を調べるのに使用しうる。この数の調査は系の複数種の細胞を標識し次いで標識細胞を系外に分離することにより実施しうる。また、標識細胞は系外の非標識細胞からも分離することができる。 本発明の別の具体化は、抗体の如き別異の複数第一成分にして、各々が抗原の如き別異の第二成分に特異な第一成分に夫々結合した複数の発光シアニン若しくは関連染料を、抗原混合物中複数抗原の各々を同定するのに用いられるマルチパラメーター方法を含む。この具体化に従えば、各抗体は、他のプローブを標識するのに用いられる染料とは別異の吸光およびルミネッセンス波長特性を有する染料で別個に標識される。次いで、標識抗体はすべて、夫々特定の標識抗体により染色されうる抗原の如き第二成分を含むと分析された生物学的調製物に加えられる。未反応染料物質は、もしそれが分析を妨げるなら、洗浄によって調製物から全て除去されうる。生物学的調製物は次いで種々の励起波長に付される。用いられる各励起波長は特定の共役染料の励起波長である。励起波長に相当する発光波長の光度を調べるのにルミネッセンス顕微鏡又は、励起波長の光を選択し且つルミネッセンスの波長を選定するフィルター若しくはモノクロメーターを有するフローシトメター又は蛍光分光光度計の如き他のルミネッセンス検出系が用いられる。特定の共役染料の発光波長に相当する波長でのルミネッセンス強度は、染料が結合する抗体に結合した抗原の量を示す。或る場合、各々が別異の波長で蛍光を発する混合物中の物質2種以上からのルミネッセンスを励起するのに単一励起波長を用いることができ、その各蛍光波長における個々の蛍光強度を検出することにより各標識種の量を測定することができる。所望なら、吸光検出法を用いることができる。本発明の2段法は、ルミネッセンス若しくは吸光検出系で第一物質-染料複合物が方向づけられる別の物質の有無を探査するのに染料と結合した第一物質を用いる任意系に適用されうる。例えば、染料はDNA若しくはRNA断片に結合して染料結合DNA若しくはRNAフラグメントを形成し得、次いでそれは断片が相補的なDNA若しくはRNA主鎖に方向づけられる。同じ試験方法はDNAの相補的主鎖の有無を探査するのに用いることができる。 本発明のシアニンおよび関連染料は特に、広範囲の励起および発光波長を有する特定のシアニンおよび関連染料が合成されうる故に、種々の励起および発光波長の染料を必要とする成分混合物分析によく適合する。特定の励起および発光波長を有する特定のシアニンおよび関連染料は、メチン基の数又はシアニン環構造を変えることにより合成することができる。このようにして、レーザー例えばHeNe若しくはダイオードレーザーの如き特定の励起光源に相当する特定励起波長を有する染料を合成することができる。 本発明は、反応条件下発光性の高いまた吸光度の高いシアニンおよび関連染料分子を蛋白、ペプチド、炭水化物、核酸、誘導核酸、脂質、他の特定の生物学的分子、生物学的細胞上のアミン、ヒドロキシ、アルデヒド、スルフヒドリル若しくは他の基並びに可溶性重合体、重合体粒子、重合体表面材、重合体膜、ガラス表面材および他の粒子ないし表面材の如き非生物学的物質に共有反応させることに関する。ルミネッセンスには高感度の光学的技法が包含されるので、標識が非常に低い量で存在するときでさえ染料「標識」の有無を探査定量することができ、かくして染料標識試薬を用いて標識された物質の量を測定することができる。最も有用な染料は吸光度が高く(ε=70,000〜250,000lb/モルcm又はそれ以上)、非常に発光性であり、少なくとも5〜80%以上の量子収量を有する。該量は染料そのものに当てはまり、また標識物質に結合した染料にも当てはまる。 斯かるカラー標識試薬の重要な適用は発光性単一クローン抗体の産生である。単一クローン抗体は、特定の化学的箇所又は細胞表面上若しくは細胞内「マーカー」に非常に堅く且つ特異的に結合する蛋白分子である。それ故、これら抗体は、特定細胞種(例えばHLA、T細胞、バクテリアおよびウイルス等)および異常細胞を同定するのに莫大な研究と臨床適用とを有する。従来、細胞に結合した抗体は種々の方法による抗体の標識によって計量されており、そして標識は放射性標識(ラジオイムノアッセイ)、酵素(ELISA技法)又は蛍光染料(通常フ されてきた。臨床的抗体試薬のほとんどの製造業者ないしユーザーは放射性トレーサーの使用に伴う問題の排除を望んでおり、そのためルミネッセンスが最も有望な代替法の一つと考えられている。実際、多くの業者は今日、単一クローン抗 を市場に出している。 近年、細胞上の蛍光抗体を検出する光学的/電子工学的装置は複雑さを増している。例えば、フロー血球計算法を用いて個々の細胞上の蛍光抗体量を、細胞5,000個/秒までの割合で測定することができ、また顕微鏡および溶液蛍光技法も進歩している。これら装置は、スペクトルのUV、可視および近IR領域の多くの波長で蛍光を励起することができる。今日受容される有用な蛍光標識試薬のほとんどは400〜580nmスペクトル領域で励起しうる。例外は、蛋白に共有結合し得且つ若干長い波長で励起しうる。海洋性生物から単離されたいくつかのフィコビリプロテインタイプ顔料である。それ故、今日市販されている装置で分析される生物学的ないし非生物学的物質の標識で新たな標識試薬が有効となることが必要な580〜約900nm範囲の大スペクトル窓がある。このスペクトル領域で励起しうる新しい試薬は、種々の特異性を有する抗体が各々別異の着色蛍光染料で標識しうる故に細胞上マーカーのマルチカラールミネッセンス分析の実施を可能にする。斯くして、分析される各細胞に関し同時にいくつかのマーカーの有無を調べることができる。 本発明はまた、生物学的ないし非生物学的物質に共有結合しうる発光(蛍光若しくは燐光)シアニン、メロシアニンおよびスチリル染料そのものに関する。メロシアニンおよびスチリル染料は本発明のためのシアニン染料に関連すると認められる。新しい標識試薬そのものは、特にそれが標識成分に結合しているとき初めに定義せる波長の光例えば450〜900nmスペクトル範囲の波長の光で励起しうる。細胞のバックグラウンド蛍光はより低い波長で概ね生じる。それ故、標識試薬はバックグラウンド蛍光とは区別される。特に有利なのは633nmの光を吸収する誘導体である。何故なら、該誘導体は、安価で、強く、安定で、寿命の長いHeNeレーザー給源により励起されうるからである。次いで、標識成分により蛍光ないし燐光放出される、二番目に定義した波長の光が検出されうる。蛍光若しくは燐光は一般に励起光より長い波長を有する。検出段階は、励起波長の散乱光を吸収するための、また検体とともに用いられる特定の染料標識に相当するルミネッセンスの対応波長を通過させるためのフィルターを有するルミネッセンス顕微鏡を用いることができる。斯かる光学顕微鏡については米国特許第4,621,911号に記述されている。 シアニンおよび関連染料がすべて発光性というわけではない。しかしながら、本発明の染料には、発光性であるシアニンおよび関連染料が含まれる。それらは比較的安定性であり、多くは反応溶液好ましくは水溶液に可溶である。結合染料そのものは、特にそれが標識成分に結合しているとき少なくとも50,000好ましくは100,000l/モルcmの分子吸光係数(ε)を有する。吸光係数は分子が光を吸収する能力の尺度である。本発明の結合染料は少なくとも2%好ましくは少なくとも10%の量子収量を有する。加えて、本発明の結合染料は400〜900nm好ましくは600〜900nmスペクトル範囲の光を吸収し且つ発生する。 アリールスルホン化染料 本明細書に記載の如きアリールスルホネートないしアリールスルホン酸置換染料が、アリールスルホネートないしアリールスルホン酸基のない類似染料に比べ本質的に蛍光が強く、改良された光安定性および水溶性を有すると分かった。用語アリールスルホネートないしアリールスルホン酸基を本明細書で用いるとき、それは、単一環芳香族構造又はナフタレン構造の如き融合環構造を含む芳香族環構造に結合した互換可能なアリールスルホン酸基若しくはアリールスルホネート基を意味する。単一環芳香族構造若しくは融合環芳香族構造はポリメチン、シアニン、メロシアニン若しくはスチリルタイプ染料中に存在しうる。 通常シアニン染料を含む同一平面分子構造を有する多くの染料は、特に、緩衝液ないし生理的食塩水における如く無機塩も亦存在するとき水溶液中で二量体ないしそれ以上の結合体を形成しやすい。これらの結合体は通常単量体吸収の短波長側にシフトした吸収バンドを有し、概ね非常に弱い蛍光種である。水溶液でのシアニン染料の結合体易形成傾向は特に写真工業で周知である〔West W.& Pierce S.、J.Phys.Chem.,69;1894(1965);Sturmer D.M.、Spec.Top in Heterocyclic Chemistry,30(1974)〕。 多くの染料分子特にシアニン染料分子は水溶液中結合体を形成しやすい。然るに、アリールスルホネート染料はこれらの結合体形成傾向を最低限で有すると分かった。アリールスルホネート染料を蛍光標識試薬の形成に用いるとき、それは、蛋白又は抗体の如き他の分子に高い表面密度で結合する場合結合体形成傾向が低下する。塩溶液(例 150mM塩化ナトリウム)中特定染料分子が結合体を形成する傾向は、同じ染料分子が蛋白の表面上で結合体を形成する傾向の尺度として採用されうる。それ故、染料分子が水性塩溶液中結合体を形成する傾向が最低限であることが望ましい。第2図に示すデーターを用いて、特定のアリールスルホネート化染料が水性塩溶液中高濃度でさえ結合体を形成する傾向が低いことを例示することができる。 第1図は、水性緩衝液に溶解せる典型的シアニン染料の単量体吸収スペクトルおよび二量体吸収スペクトルを示す。これらのスペクトルを生じさせるのに用いられる染料N,N’-ジ-スルホブチルインドジカルボシアニンはアリールスルホネート基を有さず、ミリモル範囲未満の濃度でさえ二量体を容易に形成する。二量体スペクトルは濃度の異なる染料スペクトルから算定された(West & Pearce、1965の方法参照)。燐酸塩緩衝剤入り食塩溶液中3ミリモルの濃度では、単量体および二量体バンドの吸収はほぼ等しかった。 改善されたスルホインドジカルボシアニンN,N’-ジエチルインドジカルボシアニン-5,5’-ジスルホン酸のスペクトルを第2図に示す。この染料は濃度10ミリモルまでの食塩溶液中結合体の兆候を何ら示さなかった。 特定の反応染料が抗体の如き蛋白に定義された反応条件で結合する効率を測定することは常法である。試験染料はN,N’-ジカルボキシペンチルインドジカルボシアニン-5,5’-ジスルホン酸のビス-N-ヒドロキシスクシンイミドであった。第3図は、このスルホシアニン染料活性エステルがpH9.2の炭酸塩緩衝液中で羊免疫グロブリンと効率よく反応し、反応溶液中相対的染料ないし抗体濃度に依って1未満〜20以上の範囲にわたる染料:抗体モル比を有する共有標識抗体分子を形成することを例示する。データーに最小2乗法を適用して得た勾配は、斯かる条件下この染料の標識効率が約80%であることを示している。同様の調査で、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)が約20%の効率を以て反応した。 新規なスルホインドジカルボシアニン染料の活性エステルの反応性は羊免疫グロブリン(IgG)を標識することによって調べられた。蛋白(4mg/ml)を0.1モル炭酸塩緩衝液(pH9.2)に溶かした。無水ジメチルホルムアミドに溶解せる反応性染料のアリコートを蛋白試料に加えて初期の染料:蛋白モル比を得た。30分後、ゲル透過クロマトグラフィー(Sephadex G-50)により羊結合染料から蛋白を分離した。得られた染料:蛋白モル比を分光光度計で調べ、これを第3図に示す。 低い染料:蛋白比において、標識蛋白の吸収スペクトルは、遊離単量体染料のスペクトルと密接に対応するバンドを示す。高度標識され(染料:蛋白比の高い)或は、水性溶液中凝集傾向の高い染料で標識された抗体分子は往々、水性溶液中単量体染料吸収バンドよりも短波長で現われる新しい吸収ピークを有することが見出されている。新しい吸収ピークの波長はしばしば、染料の二量体吸収スペクトル特性を示す領域に入る(第1図参照)。 抗体の標識度が高いほど短波長:長波長吸収ピーク比は高い。この、より短い波長吸収ピークは第4図中約590nmで見ることができる。第4図中、より長い波長(645nm)ピークは、抗体に結合した単量体染料分子による。第4図の抗体吸収スペクトルをもたらすのに用いた標識試薬N,N’-ジカルボブチルインドジカルボシアニン-5,5’-酢酸のビス-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルはアリールスルホネート基を有さず、水性塩溶液中でまた、それが反応した抗体上で二量体を容易に形成する。重要なこととして、これら抗体の蛍光励起スペクトルは、短波長ピークでの標識抗体の励起が、長波長ピークで励起する程多くは蛍光を比例的に生成しないことを示す。この考察は、短波長吸収ピークが抗体分子上の非蛍光二量体ないし結合体の形成によるという概念と調和する。 本発明者等は、第3図のデーターを得るのに使用したアリールスルホネートシアニン染料が、二量体の特徴的吸収波長におけるはるかにより小さな吸収ピーク(第5図参照)によって判断される如く抗体分子上で容易には結合しないことを見出した。これは、抗体および他の「非結合性」標識試薬が蛍光のより強い標識蛋白を産生すべきなので重要である。実際、アリールスルホシアニンは平均染料/抗体比が比較的高いときでさえ鮮明な蛍光抗体を産生する(第6図参照)。 第4図にカルボキシインドジカルボシアニン染料で標識された羊免疫グロブリンを示す。第5図は、新規なスルホインドジカルボシアニン染料と結合した蛋白を示す。前者の試料において増加した二量体の存在(第1図参照)は明らかである。両調製物で染料:蛋白モル比はほぼ同じであるけれども、第5図に示す蛋白は第4図に示す試料よりも蛍光が強かった。 蛍光染料で標識された鮮明な蛍光性抗体又は他の蛋白を有するには、蛋白上染料分子当りの平均量子収量ができるだけ高いことが重要である。一般に、蛋白上染料分子の表面密度が高くなる(すなわち染料/蛋白比が増加する)につれ、染料の平均量子収量が低下する。この効果は時折、標識度の高い蛋白の表面上染料相互作用の結果として生じるケンチングに起因してきた。確かに、蛋白表面上非蛍光二量体の形成はこのケンチングに寄与しうる。第6図は、染料/蛋白比が高くなるにつれアリールスルホシアニン染料の平均量子収量が緩徐に低下することを示している(菱形印を繋ぐ曲線)。これとは対照的に、丸印を繋ぐ曲線は、染料/蛋白比が高くなるにつれ非アリールスルホシアニン染料(N,N’-ジ-スルホブチルインドジカルボシアニン-5-イソチオシアネート)の結合に関する平均量子収量の非常に迅速な低下があることを示している。それ故、第6図に例示されるスルホシアニン染料は、他の染料に比較して、特に抗体分子当り染料分子1〜10個の標識範囲でより鮮明な蛍光抗体を産生する。 標識蛋白上の個々の染料分子の平均蛍光量子収量はこれら生物分子から得られる蛍光信号の尺度である。燐酸塩緩衝剤入り食塩溶液中の新規なスルホインドジカルボシアニン染料で標識された羊免疫グロブリン(IgG)からのデーターは第6図の菱形印を繋いだ曲線で示される。第6図の丸印を繋いだ曲線は、比較のためインドジカルボシアニン-イソチオシアネート反応性染料で標識した蛋白を示す。第6図で、染料/蛋白比0での量子収量は緩衝液中反応性染料(遊離染料)のメチルアミン付加物に関する値を示す。 バックグラウンド方法 発光プローブは、分子および細胞を分析分離しまた他物質を検出定量するのに有用な試薬である。非常に少ない数の発光分子が最適環境下で検出することができる。BarakとWebbは、SITカメラを用いて細胞のLDL受理に関連した50個未満の蛍光脂質類似物を可視化した(J.Cell Biol.90:595-604(1981)〕。粒子若しくは特定細胞に関連した10,000個未満のフルオレセイン分子の検出にフロー血球計算法を用いることができる〔Muirhead、HoranおよびPoste、Bio/Technology 3:337-356(1985)〕。蛍光プローブ応用のいくつかの特定例は、(1)蛍光フロー血球計算法、蛍光賦活細胞分類および蛍光鏡検法という技法による細胞混合物中の細胞の部分母集団の同定および分離、(2)蛍光免疫アッセイの技法で別の種に結合する物質(例えば抗原-抗体反応物)の濃度測定および(3)蛍光染色の技法によるゲルおよび他の不溶性担体中の物質のローカリゼイションである。これらの技法については、Herzenberg等、「細胞免疫学(Cellular Immunology)」、第3版、第22章;Blackwell Scientific Publications、1978(蛍光賦活細胞分類)およびGoldman、「蛍光抗体法(Fluorescence Antibody Methods)」、ニューヨーク所在Academic Press、1968(蛍光鏡検法および蛍光染色(fluorescence microscopy and fluorescence staining))並びにApplications of Fluorescence in the Biomedical Sciences、編集Taior等、Alan Liss Inc.、1986に記載されている。 上記目的に蛍光を用いるとき、蛍光物質の選定に多くの制約がある。一つの制約は蛍光物質の吸収および放出特性である。なぜなら、多くのリガンド、受容体および、検体例えば血液、尿素、脳脊髄液中の物質は蛍光を発し、蛍光標識の蛍光の正確な測定を干渉するからである。この現象はオートフルオレッセンス又はバックグラウンド蛍光と呼ばれる。別の考慮すべき点は、蛍光物質の、リガンドおよび受容体並びに他の生物学的ないし非生物学的物質への結合能力と斯かる蛍光物質に対する結合の効果である。多くの状況で、別の分子への結合は蛍光物質の蛍光特性における実質的変化をもたらし得、或る場合蛍光物質の量子効率を実質的に損ない或いは低下させる。蛍光物質との結合が、標識分子の機能を不活性にすることも可能である。三つ目の考慮すべき点は、鋭敏検出の場合高くあるべき蛍光物質の量子効率である。四つ目の考慮すべき点は、できるだけ大きくあるべき蛍光物質の吸光能又は吸光率である。また、蛍光分子が近接状態にあるとき互いに干渉してセルフケンチングを生じるか否かが関係する。更に、蛍光物質が他の化合物と或は該蛍光物質そのものにより或は該物質が結合している化合物との関連において容器壁と非特異結合するか否かも関係する。 上記方法の適用性および価値はふさわしい蛍光化合物の入手性と密接に結付く。特に、長波長可視領域(黄〜近赤外)で発光する蛍光物質が入用である。なぜなら、これら発色団の励起はオートフルオレッセンスをあまり生ぜず、またスペクトルの全可視および近赤外領域を使用しうるとき別異の波長で発光する多数の発色団が同時分析できるからである。広く用いられている蛍光化合物フルオレセインは緑領域では有用なエミッターであるけれども、特定の免疫検定および細胞分析系ではフロオレセイン吸収波長での励起により生じるバックグラウンドオートフルオレッセンスが検出感度を制限する。しかしながら、慣用の赤蛍光標識ロダ 78nmで励起しうる有用な標識試薬であり、610nmで最大限に蛍光を発する。 フィコビリプロテインは、その高い吸光率と高い量子収量の故に重要な貢献をなしてきた。斯かる発色団含有蛋白は多くの蛋白に共有結合し得、而して鏡検法およびフロー血球計算法での蛍光抗体アッセイに用いられる。フィコビリプロテインは、(1)蛋白標識法が比較的複雑であり、(2)蛋白標識効率が通常高くなく(典型的には平均0.5フィコビリプロテイン分子/蛋白)、(3)フィコビリプロテインが天然物で、その調製および精製が複雑であり、(4)フィコビリプロテインが高価であり、(5)680nmで最大限蛍光を発するアロフィコシアニンより更に赤領域スペクトルで蛍光を発する標識試薬として有効なフィコビリプロテインが現存せず、(6)フィコビリプロテインが比較的化学的に不安定であり、(7)それが比較的容易に光褪色し、(8)フィコビリプロテインが33,000〜240,000範囲の分子量を持つ大蛋白であり、代謝産物、薬物、ホルモン、誘導ヌクレオチドおよび、抗体を含む多くの蛋白の如き標識が望ましい多くの物質より大きいという欠点を有する。後者の欠点は特に重大である。なぜなら、大きなフィコビリプロテインで標識された抗体、アビジン、DNAハイブリダイゼーションプローブ、ホルモンおよび小分子は複合錯体の寸法によって課せられた立体的制限故にそのターゲットに結合し得ず、またターゲットへの結合物の結合速度が低分子量結合物に対して緩徐だからである。 組織学、細胞学、免疫検定を含む他の技法も亦、長い波長での高い量子効率、吸収および放出特性を示し、簡単な結合手段を有し且つ非特異的干渉の事実上ない蛍光物質の使用から実質的益を受ける。 発明のアウトライン 本発明は、標識成分の検定および定量化目的で比較的大きな吸光率および高い量子収量を有する蛍光アリールスルホネート化シアニンおよび関連染料を用いる。蛍光シアニンおよび関連染料は、抗体、抗原、アビジン、ストレプトアビジン、蛋白、ペプチド、誘導ヌクレオチド、炭水化物、脂質、生物学的細胞、バクテリア、ウイルス、血液細胞、組織細胞、ホルモン、リンフォカイン、トレース生物分子、トキシンおよび薬物の如き生物学的物質を標識するのに用いることができる。また、蛍光染料は、可溶性重合体、重合体ないしガラス粒子、薬物、導体、半導体、ガラスないし重合体表面材、重合体膜および他の固体粒子の如き非生物学的物質を標識するのにも用いることができる。標識される成分は、他の物質を含む混合形で存在しうる。標識反応が生じる混合物は液体混合物特に水混合物でありうる。検出段階は顕微鏡スライドの如き液体若しくは乾燥状態の混合物を以て生じうる。 本発明は、ターゲット分子に好ましくはアミン若しくはヒドロキシ部位或る場合にはスルフヒドリル若しくはアルデヒド部位で共有結合する反応性基のシアニン分子への編入により変性すべきシアニン染料を必要とする。本発明はまた、シアニンおよび関連染料構造の試験液体への溶解性を高めて(1)標識反応での取扱いを容易にし、(2)標識される蛋白の表面上での染料結合の防止を助成し且つ(3)生物学的物質および表面材ないしアッセイ装置への標識物質の非特異的結合の防止を助成すべくシアニンおよび関連染料構造の使用ないし変性を用いる。 シアニンおよび関連染料は、現存の蛍光標識試薬に勝る重要な利点を供する。先ず第一に、400〜約1100nm範囲のスペクトル領域で吸光ないし発光するシアニンおよび関連染料が合成される。斯くして、これら染料の反応性誘導体は、複数の標識物質を同時測定することが必要なアッセイ用に調製されうる。この種のマルチカラー(若しくはマルチパラメーター)分析は簡素化、コスト効果或は、粒子の複雑な混合物中の各粒子上の異なる標識種の比(例えばマルチパラメーターフロー血球計算法若しくは蛍光顕微鏡による複雑な混合物中の個々の血液細胞上の抗原マーカーの比)の決定に望ましい。第二に、多くのシアニンおよび関連染料は強く光を吸収し且つ蛍光を発する。第三に、多くのシアニンおよび関連染料は比較的光安定性で、蛍光顕微鏡下迅速には漂白しない。第四に、簡単且つ効果的な結合試薬であるシアニンおよび関連染料誘導体を製造することができる。第五に、多くの構造および合成方法が有効であり、またこの種の染料は多目的である。それ故、試薬を多少水溶性にするのに多くの構造上の変性を行なうことができる。そのチャージは、それが結合する分子をかき乱さないようまた非特異的結合が低下しうるよう変化しうる。第六に、フィコビリプロテインとは異なって、シアニン染料は比較的小さく(分子量=1,000)、そのためその結合域に迅速到達し或はその機能を遂行する標識分子能力を目立つほど立体障害しない。 斯くして、シアニンタイプ染料標識剤は多くの潜在的利点を供する。斯かる染料は、液体特に水性液体中での成分1種ないし2種以上の選択的標識に用いることができる。次いで、標識成分は光学的方法又はルミネッセンス方法により検出することができる。別法として、標識成分は、それが強い親和性を有する別の成分の染色に用いられ、而して後者の成分は光学的ないしルミネッセンス方法で検出される。この場合、染料は標識成分のアミン、ヒドロキシ、アルデヒド若しくはスルフヒドリル基と反応する。例えば、標識成分は抗体であり得、それが強い親和性を有する染色された成分は生物学的細胞、抗原若しくはハプテン、又は抗原若しくはハプテンを含有する生物学的細胞ないし粒子でありうる。別の例では、標識成分はアビジンで、染色される成分はビオチニル化物質でありうる。また、ポリメチンシアニンタイプ染料と結合したレクチンを用いて特定の炭水化物基を検出定量することができる。加えて、発光シアニンおよび関連染料はDNA若しくはRNAフラグメントに結合しうる。DNA若しくはRNA標識フラグメントは、DNAないしRNAを含有する試料中特定の相補ヌクレオチド序列の有無および量を調べる蛍光ハイブリダイゼーションプローブとして用いることができる。また、該染料はホルモンないしリガンド(例 ホルモン、蛋白、ペプチド、リンフォカイン、代謝産物)に結合し、次いで該ホルモンないしリガンドは受容体に結合しうる。 反応性シアニンの他の用途に関する特許の記述 Miraha等(米国特許第4,337,063号)並びにMasuda等(米国特許第4,404,289号、同第4,405,711号および同第4,414,325号)は、N-ヒドロキシスクシンイミド活性エステル基を有する種々のシアニン染料を合成している。これらの特許は、上記試薬が写真感光剤として用いられうることを示している。該試薬の見込まれる蛍光性質は上記特許に記述されておらず、事実そのプロセスには蛍光が必要とされない。上記特許に列挙された染料のほとんどは弱い蛍光しか発せず、特に光安定性でなく、その溶解特性も、標識物資の蛍光検出を伴う多くの用途に最適でない。 Exekiel等(英国特許第1,529,202号)は、共有反応性分子として用いることのできる多くのシアニン染料誘導体を提示している。この試薬に用いられる反応性基は、モノ-若しくはジクロロトリアジン基が属するアジン基である。該英国特許は写真フィルム感光剤としての上記試薬の開発および使用に関する。蛍光はそのプロセスに必要でなく、記述された試薬のほとんどは蛍光を発しない。この英国特許は、標識物質を検出ないし定量することを目的とした反応性シアニン染料の開発および使用に関するものでない。 具体化の説明 本発明は、標識されている物質を、それがルミネッセンス検出方法により検出され且つ/或は定量されうるよう発光性とするため発光シアニンおよびシアニンタイプ染料を生物学的物質、非生物学的分子および巨大分子並びに粒子に共有結合させる方法に関する。 本発明は、液体中の成分を検出する際、該液体に可溶の染料で、該染料を成分上のアミンないしヒドロキシ基場合によってアルデヒドないしスルフヒドリル基と共有結合させる置換基を含有するシアニン、メロシアニンおよびスチリル染料よりなる群から選ばれる染料を加えてそれが上記成分を標識するようにする方法に関する。標識成分はルミネッセンス若しくは光吸収方法により検出され且つ/或は定量される。標識成分が抗体、DNAフラグメント、ホルモン、リンフォカイン又は薬物であるときは、該標識成分を、それが結合する別の成分の有無を調べるのに用いることができ、而して該別の成分を検出し且つ/或は定量することができる。 任意の有効なルミネッセンス又は吸光検出段階を用いることができる。例えば、検出段階は、液体を初めに定義した波長の光で照明する光学的検出段階とすることができる。次いで、標識成分により蛍光ないし燐光を発せられる別の定義波長での光が検出される。検出はまた、光学的吸光によるものとしうる。例えば、検出段階は、液体に初めの定義波長の光を通し次いで液体により伝導される光波長を確認することを含む。 所望なら、検出段階は、成分へのシアニン若しくは関連発色団の結合を化学的に検出する化学分析を含みうる。 共有標識試薬を創生すべく変性されうるシアニン、メロシアニンおよびスチリル染料の基本構造を以下に示す: シアニン メロシアニン スチリル 下記のものはポリメチンタイプ染料の更に特定した例である: シアニン メロシアニン スチリル シアニン メロシアニン スチリル 上記構造において、 XおよびYはO,Sおよび よりなる群から選ばれ、 ZはOおよびSよりなる群から選ばれ、そして、 mは1,2,3および4よりなる群から選ばれる整数である。 上記式において、メチン基の数は部分的に励起カラーを決定する。環式アジン構造も亦、部分的に励起構造を決定しうる。しばしば、mのより高い値は増加ルミネッセンスないし吸光度に寄与する。4より高いmの値では、化合物は不安定になる。そこでは、環構造での変性により更にルミネッセンスが付与されうる。m=2のとき、励起波長は約650nmで、該化合物は正しく蛍光を発生する。最大発光波長は最大励起波長より概ね15〜100nm大きい。 各分子中R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基の少なくとも一つ(好ましくは一つのみ場合により二つないし三つ以上)は、染料を標識成分に結合させるための反応基である。或る試薬に関しては、各分子上R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基の少なくとも一つは、発色団の溶解性を高め或は標識成分の標識の選択性ないし染料による標識成分の標識位置に影響する基でありうる。 上記式において、R8,R9(存在時)およびR10(存在時)の少なくとも一つはスルホネート基の少なくとも一つを含む。用語スルホネート基はスルホン酸を含むものとする。なぜなら、スルホネート基はイオン化スルホン酸に過ぎないからである。 発色団に直接若しくは間接に結合してR1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基を形成しうる反応基として、イソチオシアネート、イソシアネート、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、モノ-ないしジ-ハロゲン置換ピリジン、モノ-ないしジ-ハロゲン置換ジアジン、マレイミド、アジリジン、スルホニルハリド、酸ハリド、ヒドロキシスクシンイミドエステル、ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル、イミドエステル、ヒドラジン、アジドニトロフェニル、アジド、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド、グリオキサルおよびアルデヒドを含有する基の如き反応部分が含まれうる。 有効アミノ、ヒドロキシおよびスルフヒドリル基を有する成分の標識に特に有用なR1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基の特定例として次のものが含まれる。 (ここで、Q又はWの少なくとも一つはI、Br又はClの如き残基である)、 2段階法で抗体を標識するのに用いることのできる有効スルフヒドリルを有する成分の標識に特に有用なR1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基の特定例は次のものである: (ここで、QはI又はBrの如き残基である)、 および (ここで、nは0又は整数である)。 光賦活架橋による成分の標識に特に有用なR1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基の特定例として が含まれる。 水溶性を高め、或は試料中不適当な成分への標識成分の望ましくない非特異性結合を減じ、或いはまた蛍光のケンチングをもたらしうる標識成分上の反応性発色団2種以上の相互作用を低下させるために、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7基を周知の極性ないし帯電化学基から選定することができる。例は-E-Fであり、ここでFはヒドロキシ、スルホネート、スルフェート、カルボキシレート、置換アミノ又は第四アミノを示し、Eは-(CH2)n(n=0,1,2,3又は4)の如きスペーサー基を示す。有用な例にはアルキルスルホネート-(CH2)3SO3-および-(CH2)4-SO3-が含まれる。 本発明の発光染料のポリメチン鎖はまた、ポリメチン鎖の炭素原子2個以上の間のブリッジを形成する環式化学基1個以上を含みうる。これらのブリッジは染料の化学的安定性若しくは光安定性を高めるのに役立ち得、また染料の吸光ないし発光波長を変えたり量子収量の吸光係数を変化させるのに用いられうる。改良された溶解特性はこの変性によって達成することができる。 本発明に従えば、標識成分は抗体、蛋白、ペプチド、酵素基質、ホルモン、リンフォカイン、代謝産物、レセプタ、抗原、ハプテン、レクチン、アビジン、ストレプタビジン、トキシン、炭水化物、寡糖類、多糖類、核酸、デオキシ核酸、誘導核酸、誘導デオキシ核酸、DNAフラグメント、RNAフラグメント、誘導DNAフラグメント、誘導RNAフラグメント、天然薬物、ウイルス粒子、バクテリア粒子、ウイルス成分、イースト成分、血液細胞、血液細胞成分、生物細胞、非細胞血液成分、バクテリア、バクテリア成分、天然ないし合成脂質嚢、合成薬物、毒薬、環境汚染物質、重合体、重合体粒子、ガラス粒子、ガラス表面材、プラスチック粒子、プラスチック表面材、重合体膜、導体および半導体でありうる。 或る成分との反応時633nmで光を吸収しうるシアニン又は関連発色団を調製することができ、而して検出工程は、このスペクトル波長で発光するヘリウムネオンレーザーを用いることができる。また、或る成分との反応時700nmと900nmとの間で最大限に光を吸収しうるシアニン又は関連染料を調製することができ、而して検出工程は、スペクトルのこの領域で光を放出するレーザーダイオードを用いることができる。 選択性 上に列挙した反応性基は、適当なpH条件を含む適当な反応条件が用いられる限り蛋白その他生物学的若しくは非生物学的分子、巨大分子、表面材又は粒子上の特定官能基を標識するのに比較的特異性である。 反応性シアニン、メロシアニンおよびスチリル染料並びにそれらの生成物の特性 本発明の染料のスペクトル特性は、本明細書に記載の官能化によっては認めうるほど変化しない。標識蛋白その他の化合物のスペクトル特性も亦、蛋白その他の物質に結合してないベース染料分子とさほど異ならない。単独若しくは標識物質に結合した本発明に記載の染料は概ね、大きな吸光係数(ε=100,000〜250,000)と、或る場合には0.4程度の高い量子収量を有し、そして400〜900nmのスペクトル範囲で光を発生する。斯くして、それらは発光検出用試薬を標識するものとして特に価値がある。 光学的検出方法 標識ないし染色成分を検出するのに任意の方法を用いることができる。検出方法は、初めに定義された波長の光で標識物質を含む混合物を照明する光源を用いることができる。該混合物により伝達され或は該混合物により蛍光ないし発光される第二波長で光を検出する既知装置が用いられる。斯かる検出装置に蛍光分光計、吸収分光測光、蛍光顕微鏡、透過光顕微鏡ないしフロー血球計算器、ファイバーオプチックセンサーおよび免疫検定装置が含まれる。 本発明の方法は、単数ないし複数の標識成分への染料結合を検出するのに化学的分析方法を用いることもできる。化学的分析方法には赤外スペクトロメトリー、NMRスペクトロメトリー、吸収スペクトロメトリー、蛍光スペクトロメトリー、質量スペクトロメトリーおよびクロマトグラフィー方法が含まれうる。 例 1 スルホインドジカルボシアニンと蛋白との結合に対するpHの影響 0.1M炭酸塩緩衝液中の羊γ-グロブリン(4mg/ml)試料を室温で10倍モル過剰の下記スルホインドジカルボシアニン活性エステル(m=2)と室温で混合した: 5秒〜30分範囲の適当な時間、セファデックスG-50上でのゲル透過クロマトグラフィーにより蛋白試料を非共有結合染料から分離した。蛋白の最大標識は10分後に生じて、pH8.5、8.9および9.4でインキュベートした試料に関し夫々5.8、6.4および8.2の最終的染料/蛋白モル比をもたらした。染料/蛋白比を5とするのに必要な時間および異なるpHでの生成物の量子収量を次表に示す: 上記データーは、この染料で標識した蛋白がpH9未満よりもpH9.4において良好であることを示している。緩衝液のpHが高いほど、結合反応は非常に迅速であるが、標識効率が優れ、生成物の蛍光度が高い。量子収率は標識蛋白上の染料分子当りの平均量子収量を表わす。 例 2 スルホインドカルボシアニン活性エステルと蛋白との結合 pH7.4の燐酸塩緩衝剤入り塩水(PBS)に溶解せる羊γ-グロブリン(1mg/ml)を、0.1M炭酸ナトリウムを用いてpH9.4に調節した。種々の染料/蛋白モル比を得るためにこの蛋白溶液のアリコートにシアニン染料標識剤(例1の構造、m=1)を加えた。室温で30分のインキュベーション後、PBSを溶離剤とするセファデックスG-50ゲル透過クロマトグラフィーにより分離した。生成物中蛋白に共有結合した染料のモル比は、初期染料/蛋白比3、6、12、24および30に関し夫々1.2、3.5、5.4、6.7および11.2であった。 例 3 スルホインドジカルボシアニンによるAECMデキストランの標識 デキストラン分子当り平均16個のアミノ基を含有するN-アミノエチル-カルボキシアミドメチル(AECM)デキストランを平均分子量70000のデキストランから合成した〔Inman、J.K.,J.Immunol.114:704-709(1975)〕。pH9.4の、0.1M炭酸塩緩衝液に溶解せるAECM-デキストラン(1mg/250μl)の一部分をスルホインドジカルボシアニン活性エステル(例1の構造、m=2)0.2mgに加えて染料/蛋白モル比10を得た。混合物を室温で30分間攪拌した。次いで、溶離緩衝液として酢酸アンモニウム(50mM)を用いたセファデックスG-50ゲル透過クロマトグラフィーによりデキストランを非結合染料から分離した。各デキストラン分子に平均2.2個の染料分子が共有結合した。 例 4 特異抗体のスルホインドジカルボシアニン活性エステル標識 1.1M炭酸塩緩衝液(pH9.4)中のネズミIgG(1mg/ml)に対し特異な羊γ-グロブリンとスルホインドジカルボシアニン活性エステル(例1の構造、m=2)とを染料分子/蛋白分子比8で混合した。室温で3分間のンキュベーション後、標識混合物を、燐酸塩緩衝剤入り塩水(pH7.4)で平衡させたセファデックスG-50上でのゲル濾過により分離した。回収された蛋白には、各蛋白に共有結合した平均4.4の染料分子が含まれた。 例 5 羊抗マウスIgG抗体に結合したスルホインドジカルボシアニン染料によるヒトリンパ球の染色ないし顕微鏡可視化 新たに単離した抹消血リンパ球をマウス抗-β2-ミクログロブリン(0.25μg106細胞)により0℃で30分間処理した。細胞をDMEM緩衝液で二回洗浄し、次いでスルホインドジカルボシアニン標識羊抗-マウスIgG抗体(1μg/106細胞)で処理した。0℃で30分間のインキュベーション後、細胞を遠心処理して過剰の抗体を除去し、細胞を再度DMEM緩衝液で洗浄した。蛍光顕微鏡で分析すべく細胞のアリコートをスライド上に固定させた。顕微鏡下、スライド上のリンパ球を610〜630nmの光で照射し、イメージデジタル化装置およびテレビモニターに取付けたCOTU赤色感知性増強テレビカメラによって650〜700nmの蛍光を検出した。この方法で染色した細胞は顕微鏡下蛍光を示した。対照実験で、一次マウス抗-β2-ミクログロブリン抗体の使用を省いたほかは上記の如く染色および分析を行なった。対照試料は顕微鏡下で蛍光を示さず、而してスルホインドシアニン標識羊抗-マウス抗体がリンパ球への有意な非特異性結合をもたらさないことを示した。 前掲特許請求の範囲の実施態様を以下に付記します: (1)染料がスルホン酸基若しくはスルホネート基1個以上を含有する、特許請求の範囲第1項記載の方法。 (2)スルホン酸基若しくはスルホネート基が染料の水溶性を高める、特許請求の範囲第1項記載の方法。 (3)スルホン酸基若しくはスルホネート基が、蛍光ケンチングを誘発する染料間の相互作用を低下させる、特許請求の範囲第1項記載の方法。 (4)染料がシアニン染料である、特許請求の範囲第1項記載の方法。 (5)染料がメロシアニン染料である、特許請求の範囲第1項記載の方法。 (6)検出工程がレーザーによる光励起を含む、特許請求の範囲第4項記載の方法。 (7)検出工程が蛍光鏡検法を用いる、特許請求の範囲第4項記載の方法。 (8)検出工程がフロー血球計算法を用いる、特許請求の範囲第4項記載の方法。 (9)検出成分が計量される、特許請求の範囲第4項記載の方法。 (10)染料がスチリル染料である、特許請求の範囲第1項記載の方法。 (11)染料がスルホン酸基若しくはスルホネート基を1個より多く含有する、特許請求の範囲第6項記載の方法。 (12)染料がスルホン酸基若しくはスルホネート基を1個より多く含有する、特許請求の範囲第7項記載の方法。 (13)第1成分がレクチンであり、第2成分が、炭水化物、炭水化物担持巨大分子および炭水化物担持細胞よりなる群から選ばれる物質である、特許請求の範囲第7項記載の方法。 (14)第1成分が、抗体、核酸フラグメント、薬物、トキシン、ホルモン、代謝産物、生物細胞、バクテリア、ウイルス粒子、抗原およびハプテンよりなる群の物質を含有する重合体粒子であり、第2成分が対応する抗原、相補核酸序列、抗体又はレセプタである、特許請求の範囲第7項記載の方法。 (15)染料がシアニン染料であって、第1成分上のアミン又はヒドロキシ基と反応する、特許請求の範囲第7項記載の方法。 (16)染料がシアニン染料であって、第1成分上のアルデヒド若しくはスルフヒドリル基と反応する、特許請求の範囲第7項記載の方法。 (17)第2成分が、血液細胞、組織細胞、バクテリア、ウイルス、染料体、DNA、RNA、トキシン、薬物、ホルモンおよび重合体粒子よりなる群から選ばれる、特許請求の範囲第7項記載の方法。 (18)成分が抗体である、特許請求の範囲第10項記載の生成物。 (19)第2成分がDNAないしRNAフラグメントである、特許請求の範囲第8項記載の方法。 (20)水溶性である特許請求の範囲第16項記載の発光染料。 (21)水中少なくとも50,000l/モルcmの分子吸光係数および少なくとも2%の量子収量を有し、且つ400〜850nm分光範囲の光を吸収ないし放出する、特許請求の範囲第16項記載の発光染料。 (22)水中少なくとも100,000l/モルcmの分子吸光係数および少なくとも10%の量子収量を有し、600〜900nm分光範囲の光を吸収ないし放出する、特許請求の範囲第16項記載の発光染料。 (23)スルホシアニン染料標識物質が抗体又はDNAハイブリダイゼイションプローブである、特許請求の範囲第21項記載の方法。 【図面の簡単な説明】 第1図は、N,N’-ジスルホブチルインドジカルボシアニン染料の単量体吸収スペクトルおよび二量体スペクトルを示す。第2図は、N,N’-ジエチルインドジカルボシアニン-5,5’-ジスルホン酸染料のスペクトルを示す。第3図は、N,N’-ジカルボキシペンチルインドジカルボシアニン-5,5’-ジスルホン酸のビス-N-ヒドロキシスクシンイミド染料による羊免疫グロブリンの標識反応における染料/蛋白モル比を示す。第4図は、N,N’-ジカルボブチルインドジカルボシアニン-5,5’-酢酸のビス-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルで標識された抗体の吸収スペクトルを示す。第5図は、新規なスルホインドジカルボシアニン染料と結合した蛋白の吸収スペクトルを示す。第6図は、染料/蛋白比の上昇に伴うアリールスルホシアニン染料の量子収量(菱形印)変化と非アリールスルホシアニン染料のそれ(丸印)との比較を示す。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2004-11-04 |
出願番号 | 特願平1-171326 |
審決分類 |
P
1
41・
855-
Y
(C09B)
P 1 41・ 841- Y (C09B) P 1 41・ 851- Y (C09B) P 1 41・ 856- Y (C09B) P 1 41・ 854- Y (C09B) |
最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
脇村 善一 |
特許庁審判官 |
冨永 保 後藤 圭次 |
登録日 | 1998-03-13 |
登録番号 | 特許第2757965号(P2757965) |
発明の名称 | 発光アリールスルホネートシアニン染料を用いた物質の標識ないし検出方法 |
代理人 | 泉谷 玲子 |
代理人 | 富田 博行 |
代理人 | 社本 一夫 |
代理人 | 泉谷 玲子 |
代理人 | 社本 一夫 |
代理人 | 富田 博行 |