ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F |
---|---|
管理番号 | 1110610 |
審判番号 | 不服2002-9524 |
総通号数 | 63 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-06-16 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-05-27 |
確定日 | 2005-01-19 |
事件の表示 | 平成11年特許願第292875号「インディケータ位置制御方法及びその装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 6月16日出願公開、特開2000-163191〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】 手続きの経緯 本願は、平成11年10月14日(優先権主張、1998年10月15日、大韓民国(KR))に特許出願されたものであって、平成13年10月12日付で拒絶の理由が通知され、平成14年1月23日付で手続補正書が提出され、平成14年2月14日付で拒絶査定され、その後平成14年5月27日付で審判請求がなされ、同じく平成14年6月19日付で手続補正書が提出されたものである。 【2】 補正却下の決定 平成14年6月19日付け手続補正について、以下のとおり決定する。 [結論] 平成14年6月19日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)手続補正の内容 平成14年6月19日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は少なくとも特許請求の範囲の請求項1について、これを以下のとおり補正するものである。 「【請求項1】 インディケータにより選択及び調整できる項目を有するメニューをディスプレーするインディケータ位置制御方法において、 前記メニューの位置及び大きさを変更しない場合は項目の中で選択及び調整できるサブ項目を有する項目が選択されると、前記サブ項目をディスプレーすると共に、インディケータをサブ項目がディスプレーされる領域に位置させる段階を有することを特徴とするインディケータ位置制御方法。」 この請求項1に係る補正についてその内容をみると、この補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「ディスプレーするにおいて」について「ディスプレーするインディケータ位置制御方法において」と限定したものであり、また、「前記」と「項目」との間に「メニューの位置及び大きさを変更しない場合は」を付加したものであり、さらに、「位置させること」について「位置させる段階を有すること」と限定したものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか否か)について、以下に検討する。 (2)引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-110892号公報(以下、「引例1」という。)には以下のことが記載されている。 (イ)このようなコマンド入力方法において、従来、所望のアイコンを指示してそれに応じたコマンドを入力した後、次のアイコンを指示するまでのマーカー表示位置は、直前に指示したアイコンの位置か、それとは全く関係のない特定の休止位置、例えば初期表示位置とするのが一般的であった。(1頁右下欄2〜7行目) (ロ)第2図は、主メニュー24の主アイコンAをマーカー23で指示し、副メニュー25、すなわち副アイコンA1〜A5を開いた例である。この時、マーカー23をどこに移動,表示させるかが問題であるが、本発明では以下のようにする。 すなわち本発明では、例えば第6図及び第7図に示すようなルールをメモリ(図示せず)に記録しておく。マーカー23でアイコンを指示しようとしたとき、それ以前に指示したアイコンの種類から次に指示されるであろうアイコンをこのルールにより予測する。第6図の例では、以前にアイコンB1とE3が指示されていれば予測箇所はアイコンA2であり、アイコンB3又はE4が指示されていれば予測箇所はA5である。また、アイコンE1とB1とF1が指示されていれば予測箇所はアイコンA3となる。したがって、主アイコンAをマーカー23で指示し、副メニュー25、すなわち副アイコンA1〜A5を開いた時、マーカー23は、上記条件に従って予測箇所のアイコンA2,A5又はA3に移動,表示される。(2頁左下欄8行〜同頁右下欄8行、第2、6、7図) (ハ)以下に本発明方法の手順の一例を第1図に従って説明する。まず、どの主アイコンがマーカー23で指示されたかを調べ(ステップ1)、それに対応する副メニュー(副アイコン)を開く(ステップ2)。次に、それまでにどのようなアイコンが指示されていたかを調べ(ステップ3)、第6図及び第7図に例示したルール、あるいは図示しないその他のルールを参照してマーカー23の表示位置を求め、そこにマーカー23を表示する(ステップ4)。次にオペレータの実際の入力(アイコン指示)を受け付け(ステップ5)、その指示されたアイコン箇所を記録し、指示されたアイコンに対応のコマンドをコンピュータに与えると共に、副メニュー(副アイコン)を閉じる(ステップ6)。(2頁右下欄13行〜3頁左上欄7行、第1図) (ニ)なお、ステップ6で実際の指示アイコンの箇所を記録するのは、例えば前記ルールの新規作成又は改定などに供するためである。 ルールは、上記のような実際のアイコン指示箇所の履歴記録データに基づく所謂学習(自動設定)の他、初期設定やオペレータによる任意設定などの設定方法がある。(3頁左上欄8〜14行) (3)対比・判断 本件補正発明と引例1に記載された発明とを比較すると、引例1の「マーカー」、「主メニュー」、「主アイコン」、「副アイコン」は本件補正発明の「インディケータ」、「メニュー」、「項目」、「サブ項目」に相当し、また引例1において、主アイコン又は副アイコンを指示することによって、当該主アイコンに相当する項目又は当該副アイコンに相当するサブ項目が選択されることとなるから、両者は 「インディケータにより選択できる項目を有するメニューをディスプレーするインディケータ位置制御方法において、 前記項目の中で選択できるサブ項目を有する項目が選択されると、前記サブ項目をディスプレーすると共に、インディケータをサブ項目がディスプレーされる領域に位置させる段階を有することを特徴とするインディケータ位置制御方法。」である点で一致し、 (a)本件補正発明のものが、選択できるサブ項目の他調整できるサブ項目も有するのに対して、引例1のものは有しない点、 (b)本件補正発明のものが、項目が選択されるとインディケータをサブ項目に位置させるにあたり、メニューの位置及び大きさを変更しない場合と限定しているのに対して、引例1にはこのような限定が付されていない点、で相違する。 相違点について検討する。 (a)の相違点について、 メニュー項目に、選択するサブ項目と調整サブ項目とがあることは周知であるから、選択できるサブ項目と調整できるサブ項目とをメニュー項目に具備することは当業者が必要に応じて適宜なしうるものと認められる。 (b)の相違点について、 引例1に記載された、主アイコンを指示し副アイコンを表示させるマーカー表示位置制御方法も主アイコンの位置及び大きさを変更しないで行っているから、この限定に格別に困難性を要するものとは認められない。 (4)むすび 以上のとおり、本件補正発明は、引例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 【3】 本願発明について (1)本願発明 平成14年6月19日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は平成14年1月23日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 インディケータにより選択及び調整できる項目を有するメニューをディスプレーするにおいて、 前記項目の中で選択及び調整できるサブ項目を有する項目が選択されると、前記サブ項目をディスプレーすると共に、インディケータをサブ項目がディスプレーされる領域に位置させることを特徴とするインディケータ位置制御方法。」 (2)引用刊行物 原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-110892号公報(以下、「引例1」という。)には、前記【2】の(2)に記載したとおりの技術的事項が開示されている。 (3)対比・判断 本願発明は、前記【2】の(1)で検討した本件補正発明における、「ディスプレーするインディケータ位置制御方法において」を「ディスプレーするにおいて」とし、また、「前記」と「項目」との間の「メニューの位置及び大きさを変更しない場合は」という限定を削除し、さらに、「位置させる段階を有すること」を「位置させること」とするものである。 そこで、本願発明と引例1に記載された発明とを比較すると、前記したように、本件補正発明が前記【2】の(3)に記載した理由によって、引例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められる以上、本願発明についてもこれと同様に前記引例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。 (4)むすび 以上のとおりであって、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、前記引例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-08-18 |
結審通知日 | 2004-08-24 |
審決日 | 2004-09-08 |
出願番号 | 特願平11-292875 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 井出 和水 |
特許庁審判長 |
下野 和行 |
特許庁審判官 |
植松 伸二 内田 正和 |
発明の名称 | インディケータ位置制御方法及びその装置 |
代理人 | 伊東 忠彦 |