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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04Q
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H04Q
審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 特許、登録しない。 H04Q
管理番号 1111003
審判番号 不服2002-3990  
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-03-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-03-07 
確定日 2005-02-04 
事件の表示 平成7年特許願第212263号「遠隔検針装置」拒絶査定不服審判事件〔平成9年3月7日出願公開、特開平9-65448〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成7年8月21日の出願であって、平成14年1月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年3月7日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同年4月2日付けで審判請求時の手続補正がなされたものである。

第2.補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年4月2日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
上記審判請求時の手続補正(以下、「本件手続補正」という。)は、請求項4の記載を、
「【請求項4】 中央制御装置からの検針指令及び検針アドレスなどの信号に対応する発呼信号をスイッチング素子を介して送出するようになされた送信回路と、検針アドレス及び計量データなどの信号を電流検出素子を介して受信して上記中央制御装置に送出するようになされた受信回路とを有する検針端末器、上記検針端末器から送出される発呼信号を電流検出素子を介して受信するようになされた受信回路と、この受信回路が受信した信号に対応して検針アドレス及び計量データなどの信号をスイッチング素子を介して送出するうになされた送信回路とを有する計量端末器、上記検針端末器と計量端末器のスイッチング素子と電流検出素子はそれぞれの端末器内で並列接続され、且つこの並列接続の回路が互に直列接続されてカレントループになるように上記検針端末器と計量端末器を接続する通信線を備え、上記検針端末器のスイッチング素子と上記計量端末器の電流検出素子により第一の検針回路を形成し、上記検針端末器の電流検出素子と上記計量端末器のスイッチング素子により第一の検針回路とは独立した第二の検針回路を形成すると共に、上記第一の検針回路と第二の検針回路において双方向交互通信ができるよう構成されたことを特徴とする遠隔検針装置。」
という記載に変更することを含むものである。

2.補正の適否
(1)新規事項の有無
上記補正は、補正前の「双方向同時通信」を「双方向交互通信」に変更するものであるが、第一の検針回路と(第一の検針回路とは独立した)第二の検針回路において「双方向交互通信」を行う構成については願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載されておらず、また、独立した検針回路を用いてあえて交互通信を行う必然性もないから、当該構成が当初明細書等の記載から自明な構成であるとも認められない。
したがって、上記補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものではないから、特許法第17条の2第3項(新規事項)の規定に適合していない。

(2)補正の目的要件
前記「双方向同時通信」を「双方向交互通信」に変更する補正は、特許請求の範囲の減縮でないことは明白であり、「双方向交互通信」が明細書に記載されていないのであるから、誤記の訂正(本来その意であることが明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな字句・語句の誤りを、その意味内容の字句・語句に正すこと)でないことも明白であり、明りょうでない記載の釈明でないことも明白である。
したがって、上記補正は特許法第17条の2第4項(補正の目的)のいずれの規定にも適合していない。

3.結語
以上のとおり、上記補正は、特許法第17条の2第3項(新規事項)の規定又は同法同条第4項(補正の目的)の規定のいずれにも適合していないから、特許法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願について
1.本願明細書
平成14年4月2日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の明細書は平成13年10月23日付け手続補正書により補正された明細書となり、図面は出願当初のものとなる。

2.原審の拒絶理由
原審における平成13年8月24日付けの拒絶理由の概要は以下のとおりである。
「1.(省略)
2.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
[理由1](省略)
[理由2]
本願の特許請求の範囲に記載された構成が以下の点で不明確である。
(1)請求項7には、「双方向同時通信ができるように構成された」と記載されているが、特にどの部分の構成によって、「双方向同時通信ができる」のかが明細書に具体的に説明されていないため、どのような形で「双方向同時通信ができる」のかが不明確である。」

3.当審の判断
そこで、上記拒絶理由について検討するに、(当初明細書の請求項7を補正した)請求項4に記載された「第一の検針回路とは独立した第二の検針回路」という構成及び該構成に対応する発明の詳細な説明中の段落【0025】、【0026】に記載された内容は、当初明細書に記載されていた「カレントループが独立しているため双方向同時通信が可能である」という構成を具体的に説明するものではなく、そもそも、図13の回路構成において通信線3を共用している「第一の検針回路」と「第二の検針回路」がなぜ「独立」な回路であるのかは依然として不明のままであり、それゆえ、図13の回路構成において、どのように双方向同時通信を行うのか(即ち、例えば、明細書段落【0026】中の「送信フォトカプラ11のオン電流を任意の時に受信フォトカプラ21へ通電することができる」ための具体的な構成や「第一の検針回路の送信フォトカプラ11のオン・オフに影響されずに第二の検針回路の送信フォトカプラ23のオン電流を発呼検出フォトカプラ16で検出でき、カレントループがそれぞれ独立しているため双方向同時通信が可能である」ための具体的な構成等)は依然として不明であるから、これらの記載は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

4.むすび
以上のとおり、本願明細書は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-11-30 
結審通知日 2004-12-07 
審決日 2004-12-20 
出願番号 特願平7-212263
審決分類 P 1 8・ 537- Z (H04Q)
P 1 8・ 572- Z (H04Q)
P 1 8・ 573- Z (H04Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 萩原 義則須田 勝巳  
特許庁審判長 佐藤 秀一
特許庁審判官 衣鳩 文彦
浜野 友茂
発明の名称 遠隔検針装置  
代理人 竹中 岑生  
代理人 村上 啓吾  
代理人 大岩 増雄  
代理人 児玉 俊英  

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