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審決分類 審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1111094
異議申立番号 異議2003-73830  
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-10-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-26 
確定日 2004-11-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3463940号「電子複写印刷システムと方法」の請求項1ないし9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許3463940号の請求項1に係る発明についての出願は、平成3年9月21日(パリ条約による優先権主張1990年9月24日、米国)に特許出願され、平成15年8月22日にその特許権の設定登録がなされ、その後、コニカミノルタテクノロジーセンター株式会社より特許異議の申立がなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年10月20日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
請求項1を削除する。
請求項2〜9を繰り上げて、請求項1〜8とする。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第3項で準用する平成6年改正前の第126条第1項ただし書き、第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立についての判断
請求項1に係る発明は、訂正の結果削除されたので、特許異議の申立ての対象が存在しないので、この特許異議の申立は、不適法な申立であって、その補正をすることができないものである。
したがって、本件特許異議の申立ては、特許法第120条の6第1項で準用する第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電子複写印刷システムと方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 出力文書セット用の表紙を作成する機能を有し、前記機能は、オペレータが表表紙及び/又は裏表紙を所望の体裁に選択できるようにする機能を含む電子複写印刷システムであって、
原稿文書セットの電子的表現を作成しそれをシステム内に記憶するために、前記原稿文書セットを走査する走査装置と、
原稿文書セットの電子的表現から、順に並べられた電子画像のセットを作成するための手段を備え、所望の体裁に応じて表表紙及び/又は裏表紙を作るのに適した形に電子画像を自動的に再配列する手段と、
前記再配列された電子画像の印刷出力を生成して、表紙を含む完成した文書を作るためのプリンタを備え、
電子画像を自動的に再配列する手段は、さらに、
順に並べられた電子画像セットに空白の電子画像を挿入するための手段と、
所望の表表紙と裏表紙との体裁、及び片面印刷か両面印刷かに応じ、電子画像セットの順序を変更し印刷に適した再配列された電子画像セットを作るための手段を備えたことを特徴とする電子複写印刷システム。
【請求項2】 出力文書セットの表紙を作成する機能を有する電子複写印刷システムであって、
オペレータの選択に応じて、原稿文書が片面か両面かを指示するための手段と、
前記出力文書セットに対し片面印刷するか両面印刷するかを選択するための手段と、
前記オペレータによって変更調整可能であり、前記システムが一組の表表紙のパラメータに基づいて前記出力文書セットに対する表表紙を作成するように前記一組の表表紙のパラメータをプログラムするための手段と、
前記オペレータにより変更可能であり、前記システムが一組の裏表紙のパラメータに基づいて前記出力文書セットに対する裏表紙を作成するように前記一組の裏表紙のパラメータをプログラムするための手段と、
各出力文書用紙に相当する画像を各々が有する一連の電子ページを作成するために、印刷ジョブの対象となる原稿文書用紙を走査するための手段と、
プログラムされた前記印刷ジョブの順序に従い前記電子ページを配列するための手段と、
前記表表紙パラメータに応じて前記電子ページの画像の順序を変更するための手段と、
前記裏表紙パラメータに応じて前記電子ページの画像の順序を変更するための手段と、
前記出力文書セットの電子ページを印刷するための手段を備えたことを特徴とする電子複写印刷システム。
【請求項3】 一組の表表紙のパラメータをプログラムするための手段は、
表表紙のパラメータを表示スクリーン上に表示する手段と、
オペレータの選択に応じ、前記表表紙のために使用可能な表紙ストックのオプションを表示するための手段と、
表表紙の作成に使用されるべき表紙ストックのオプションを選択する手段と、
オペレータの選択に応じ、前記表表紙のために使用可能な印刷のオプションを表示するための手段と、前記表表紙の作成に使用されるべき印刷のオプションを選択する手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子複写印刷システム。
【請求項4】 一組の裏表紙のパラメータをプログラムするための手段は、
裏表紙のパラメータを表示スクリーン上に表示する手段と、
オペレータの選択に応じ、前記裏表紙のために使用可能な表紙ストックのオプションを表示するための手段と、
裏表紙の作成に使用されるべき表紙ストックのオプションを選択する手段と、
オペレータの選択に応じ、裏表紙のために使用可能な印刷のオプションを表示するための手段と、
裏表紙の作成に使用されるべき印刷のオプションを選択する手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子複写印刷システム。
【請求項5】 プログラムされた印刷ジョブの順序に従い電子ページを配列するための手段は、
印刷ジョブのためにプログラムされた印刷出力モードを判定する手段と、
出力モードに応じ、電子ページを片面か両面かのいずれかに設定する手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子複写印刷システム。
【請求項6】 表表紙のパラメータに応じて電子ページの画像の順序を変更するための手段は、
印刷ジョブのためにプログラムされた印刷出力モードを判定する手段と、
空白の電子ページを一連の電子ページの末尾に追加する手段と、
表表紙の電子ページに関連する画像以外の画像を一連の電子ページの末尾方向にシフトし、最後にシフトされた画像が取り除かれた位置が空白ページとなるようにする手段と、
表表紙を片面印刷するか両面印刷するかに応じて一連の電子ページにおける最初の2ページに関連する画像を移動する手段と、
画像の移動により生じた空白の2番目のページを削除するための手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子複写印刷システム。
【請求項7】 裏表紙のパラメータに応じて電子ページの画像の順序を変更するための手段は、
印刷ジョブのためにプログラムされた印刷出力モードを判定する手段と、
空白の電子ページを前記一連の電子ページの末尾に追加する手段と、
裏表紙を片面印刷するか両面印刷するかに応じて一連の電子ページにおける最後の2ページに関連する画像を移動する手段と、
画像の移動により生じた空白の最後から2番目のページを削除するための手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子複写印刷システム。
【請求項8】 片面又は両面の原稿文書を入力する機能を持つ電子複写印刷システムにおいて、出力セットに対する表紙の追加及び前記出力セット及び/又は表紙への印刷を制御するための電子複写印刷方法であって、
a)前記原稿文書が片面か両面かを指示する段階と、
b)前記出力セットに対し片面印刷するか両面印刷するかを選択する段階と、
c)表表紙を片面印刷するか両面印刷するかの選択を含み、前記出力セットに対して表表紙を作成するか否かについて前記システムを選択的にプログラムする段階と、
d)裏表紙を片面印刷するか両面印刷するかの選択を含み、前記出力セットに対して裏表紙を作成するか否かについて前記システムを選択的にプログラムする段階と、
e)印刷ジョブの対象となる前記原稿文書を走査し、前記原稿文書の各々に相当する電子ページを作成する段階と、
f)前記印刷ジョブのためにプログラムされた順序に従い前記電子ページを編成する段階と、
g)前記段階c)において表表紙を作成することが選択された場合には、プログラムされた形で前記表表紙を印刷する段階と、
h)前記片面印刷するか両面印刷するかの選択に応じて前記出力セットの表紙でない用紙を印刷する段階と、
i)前記段階d)において裏表紙を作成することが選択された場合には、プログラムされた形で前記裏表紙を印刷する段階を含むことを特徴とする電子複写印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
文書の複写印刷時、間々必要を感じるのはひと組の出力文書中に別種の紙を一枚ないし数枚差し込めればと云うことである。フォレスト(Forest)等の米国特許第4,763,161号では挿入モードで運転可能な複写機が開示されており、このモードでキイシートを用いて挿入紙にスポットマークを入れるようになっている。この挿入紙は白紙であってもその上に画像を有するものでもよい。
【0002】
サトミ(Satomi)等の米国特許第4,218,130号では複写機を自動的に制御して複写用紙の裏面にも印刷が出来る方法が開示されており、書籍のような文書を送り込むと原本と同一の配列・体裁で出来上がるよう設定出来る。
【0003】
概略的には、上記関連技術にはどれにも出力文書のセットに表紙を自動的に挿入する方法を教示していない。しかしながら、ゼロックス5090(登録商標)複写機ならば表表紙と裏表紙の両方または一方のどちらにも複写ジョブに自動的に付け加えることが可能であり、1988年11月発行のニューヨーク州ロチェスター ゼロックスコーポレーション製ゼロックス5090複写機取扱説明書記載の通りである。とは言え遺憾なことにオペレータの介入が不可欠な部分があり、言い換えれば自動化では表紙の体裁が自由に選べないのであってそのため表紙紙を別の複写ジョブで作らざるを得ない場合が少なくない。したがって丁合い仕事をして表紙と中身との綴じ上げと言う後ジョブをしなければならなない。
【0004】
文書セットの表紙作りが蒙る制約と電子複写印刷システムに備る潜在的な能力とを併せて考慮すれば、表紙作りは電子複写印刷システムの制御能力に任せた方が賢明である。一般的に言って、電子複写印刷システムもしくは電子印刷システムの能力なるものはデジタル画像記憶を利用した複製であるからかなり多様な種類の表紙が作れるのであって投入原稿の体裁に関係なくどんな体裁の表紙でも作れるのである。
【0005】
したがって本発明の目的は電子複写印刷システムが送り出す文書に付ける表紙をつくる際の制御方法を提供することである。本発明の2次的な目的は挿入表紙の1面にでも2面にでも自動的に印刷出来るようにすることであってその印刷画像は事前に入力した画像に対応している。本発明の別な目的として当初プログラムで予定した出力文書セットと表紙付きとなった出力文書との間の食い違いを自動的に調整することでこの食い違いなるものは表紙紙に1ページかそれ以上画像が印刷されるため起こる現象である。最後にもう一つ本発明の利点を挙げれば原本つまり投入文書セットと表紙紙を含めた所望の出力文書セットとの間の食い違いを取り除くのに手ジョブをしないで済む点であって表紙紙挿入が必要な複写ジョブの運用効率向上という効果をもたらすものである。
【0006】
本発明は出力文書セット用の表紙の製作が可能な電子複写印刷システムであってオペレータによる所望表紙の選択機能を備えている。さらに該システムは原稿文書セットを走査する走査装置を備えて原稿文書セットを電子的にデータ化することが出来る。したがって該システムは適当な方法で電子画像を自動的に再配列することが出来るから、前もって決めておいた表裏の表紙の両方ともまたは片方だけでも製作することが出来る。最後に該システムの印刷部で再配列した電子画像から文書を送り出し表紙を付けて完成した文書が得られる。
【0007】
本発明の理解をさらに深めるには添付の図面を参照されたい。図中の同一参照数字は同一部分を指す。
【0008】
図1は電子印刷システムの透視図であって本発明のプリンタ優先機能が組み込まれているものである。
【0009】
図2は図1に示された印刷システムの主要部分を示すブロックダイアグラムである。
【0010】
図3は図1に示された印刷システムの主要機械部品の説明用平面図である。
【0011】
図4は文書走査装置の特定部分の構造を詳細に示す模式図である。
【0012】
図5ないし図7はシステム制御部の主要部の模式的ブロックダイアグラムからなっている。
【0013】
図8はオペレーティングシステムを示すブロックダイアグラムであってプリント配線基板とライン共有結線とが記入されている。
【0014】
図9はジョブプログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってプログラミングジョブに使われるジョブチケットとジョブスコアカードの例を表示したところである。
【0015】
図10は表紙プログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってオプションで表紙を選んだ場合を表示しているところである。
【0016】
図11は表紙プログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってジョブチケット領域内でオプションで表紙ストックを選んだ場合を表示しているところである。
【0017】
図12は表紙プログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってジョブチケット領域内でオプションで印刷を選んだ場合を表示しているところである。
【0018】
図13Aは両面画像投入文書セットの典型例の複製に本発明による図1の印刷システムを用いた場合の図解である。
【0019】
図13Bないし図13Dは表紙を備えた出力文書の3例であって図13Aの投入文書から作り出されたものである。
【0020】
図14Aは片面ものの投入文書セットの典型例の複製に本発明による図1の印刷システムを用いた場合の図解である。
【0021】
図14Bないし図14Dは表紙を備えた出力文書の3例であって図14Aの投入文書から作り出されたものである。
【0022】
図15は図1の印刷システムが自動化ステップを実行し1セットの原本を複製する過程の図解である。
【0023】
図16〜17は本発明のスキャンダン(ScanDone)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法との図解フローチャートである。
【0024】
図18は本発明のセットカバーズ(SetCovers)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法との図解フローチャートである。
【0025】
図19〜20は本発明のセットフロントカバーズインターナル(SetFrontCoversInternal)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法との図解フローチャートである。
【0026】
図21〜23は本発明のセットバックカバーズ(SetBackCovers)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法との図解フローチャートである。
【0027】
〔好適な実施態様の説明〕
図1および図2を参照する。これらの図は本発明の趣旨により印刷ジョブを行うレーザ型印刷システム2を図解したものであって、説明の都合上スキャナ部6、コントローラ部7、プリンタ部8に区分する。ここでは特定の型の印刷システムを採り上げて説明しているけれども本発明は他の型の印刷システム、たとえばインクジェット型印刷システムやイオン式静電型印刷システムなどにも適用可能である。
【0028】
とくに図2ないし図4を参照すれば、スキャナ部6には透明なプラテン20が組み込まれていてその上に被走査文書22を置くことになっている。リニアアレイ24を1個以上プラテン20の下に設け往復運動させて走査する。レンズ26、ミラー28、29、30とは協働してアレイ24をプラテン20の線状区域つまりプラテン上の被走査文書に焦点合わせする。アレイ24は被走査画像の画像信号すなわち画素をプロセッサ25で適当に処理したのちコントローラ部7に出力する。
【0029】
プロセッサ25はアレイ24が出力したアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して処理し、システム2が画像データを記憶し操作しやすいよう必要な形にしてプログラムジョブを遂行する。プロセッサ25の役割はフィルタリング、限界値設定、スクリーニング、クロッピング、拡大/縮小など画像信号を強調したり変化させたりすることである。
【0030】
被走査文書22はプラテン20上に置かれて循環文書処理装置(RDH)モードか半自動文書処理装置(SADH)モードのどちらかで稼働する自動文書処理装置(ADF)35により走査される。他にブックモードとコンピュータフォームフィーダ(CFF)モードとを含む手動モードも用意してある。ここにコンピュータフォームフィーダモードとは文書をコンピュータ用折畳み用紙の様式に当てはめるよう調節するモードのことである。RDHモード動作の場合には文書処理装置35に文書22が一括して積み重ねてある文書トレイ37が付属し、トレイ37中の該文書22はアレイ24で走査されながらプラテン20上の真空搬送ベルト40、文書搬送ロール41、文書搬送ベルト42とで前送りされる。走査後該文書はベルト42でプラテン20から別れ文書搬送ロール44でトレイ37に戻る。
【0031】
SADHモード動作の場合には文書挿入スロット46を設けてあるから文書を個々に手挿しでプラテン20に向って送り込めばトレイ37とプラテン20の間の文書搬送ベルト42にアクセスできる。スロット46の後方の搬送ロール49はニップ部を形成し、文書を噛み込んで搬送ベルト42とプラテン20へ向けて送る。走査後、文書はプラテン20から別れキャッチトレイ48に排出される。
【0032】
CFFモードの動作の場合にはコンピュータ書式のデータをスロット46を介して送り込み搬送ロール49で文書搬送ベルト42に進め該ベルトはさらにプラテン20の所定位置に折畳み紙データの1頁分を取り込む。
【0033】
図2と図3とを参照すればプリンタ部8にはレーザ型プリンタが含まれており、説明上ラスター出力走査部(ROS)87、プリントモジュール部95、用紙供給部107、仕上げ部120とに分けてある。ROS87はレーザ91を備えレーザビームは2個の画像ビーム94に分れ各ビーム94は音響光変調器92が印加する画像信号入力の内容に応じて変調され2重画像ビーム94を生じる。ビーム94は回転多面体の切り欠き小面鏡を介してプリントモジュール部95の可動受光体98を横切って走査し1回の走査毎に受光体98上で2個の画像線を露光して変調器92の入力画像信号に対応した静電潜像を生じる。受光体98では画像ビーム94の露光に先立ちその帯電面がコロトロン102の働きで一様に帯電している。該静電潜像は現像器104で現像され転写器106に達して用紙供給部107が駆動する印刷媒体108に転写される。当然のことながら媒体108としてどんな種類の寸法、形式、色の用紙が含まれていてもよい。転写に当っては該印刷媒体は主用紙トレイ110からも副用紙トレイ112または114からも受光体98の現像画像と同期して引き出される。印刷媒体108に転送された現像画像は保存固定のため定着器116で定着し出来上がった印刷物は出力トレイ118または仕上げ部120に排出される。仕上げ部120にはステッチャ122付きの積み上げ機が組み込まれていて印刷物を束ねて綴じたりかがったりして本の形に纏め加熱製本器124で接着し文書として製本する。
【0034】
図1、図2、図5を参照する。コントローラ部7を説明の都合上画像入力コントローラ50、ユーザインタフェース(UI)52、システムコントローラ54、主メモリ56、画像操作部58、画像出力コントローラ60とに分ける。
【0035】
スキャナ部6のプロセッサ25からコントローラ部7への走査画像データ入力はプリント配線基板(PWB)70-3上の画像入力コントローラ50の画像圧縮装置/プロセッサ51で圧縮される。画像データが画像圧縮装置/プロセッサ51を通過するとN個の走査線を含む幅をもちスライスポインタを備えたスライスに区分される。圧縮画像データはスライスポインタと画像の特定情報(たとえば文書の画素の高さと幅、用いた圧縮技術、圧縮画像データのポインタ、画像スライスポインタに対するポインタなど)を提供する関連画像記述子と一体となって画像ファイルに収められる。さまざまの印刷ジョブに対応する画像ファイルは一時的にシステムメモリ61に保存される。システムメモリにはランダムアクセスメモリ(RAM)が含まれ主メモリへの転送を保留してデータを使用未定の侭保持出来る。
【0036】
図1で明瞭なようにユーザインタフェース(UI)52は会話形タッチスクリーン62、キーボード64、マウス66からなる統合形オペレータ用コントローラつまりCRT表示装置を備えている。UI52ではオペレータが印刷システム2とうまく協働して印刷ジョブやその他の命令をプログラム出来るようにしシステム操作情報、命令、プログラムに関する情報、診断に関する情報などが得られるようにしてある。ジョブも含めプログラミングと文書の走査の進むにつれてジョブデータはジョブファイル188(図15図示)に置かれる。ファイルやアイコンなどタッチスクリーン62の表示項目はそれを指で触るかまたはマウス66でカーソル67を該項目に合せて選びマウスをクリックして操作することが出来る。
【0037】
主メモリ56には複数のハードディスク90-1、90-2、90-3が備えられ機械のオペレーティングシステムのソフトウエア、機械の動作データ、走査画像データのうち現在処理中のデータとを保存する。
【0038】
主メモリ56の圧縮画像データの処理をなお進める場合、またはUI52のタッチスクリーン62に表示の要ある場合、もしくはプリンタ部8で必要な場合、該データは主メモリ56内でアクセスされる。さらにプロセッサ25の処理以外にあらたに処理を必要とする場合には該データはプリント配線基板70-6の画像操作部58に転送される。画像操作部58では付加的な処理ステップたとえば照合、実行可能状態設定、分解などが実行される。これらの処理が済むと該データは主メモリ56に戻りUI52に移ってタッチスクリーン62に表示されるかもしくは画像出力コントローラ60に転送される。
【0039】
画像出力コントローラ60に出力された画像データはプリント配線基板70-7、70-8の画像発生プロセッサ86で圧縮を解かれて印刷の実行準備状態に入る(図5参照)。続いて該データはプリント配線基板70-9のディスパッチプロセッサ88、89でプリンタ部8に出力される。プリンタ部8へ転送した印刷用画像データは通常主メモリ56から消去しメモリ空間を後続画像データ用に空き部屋にする。
【0040】
図5ないし7をとくに注目すればコントローラ部7には複数のプリント配線基板70が含まれ相互間もまたシステムメモリ61とも一対のメモリバス72、74を介してつながり、メモリコントローラ76はシステムメモリ61とバス72、74とでつながっている。プリント配線基板70には複数のシステムプロセッサ78を備えたシステムプロセッサプリント配線基板70-1、データをUI52との間でやり取りするためのUI通信コントローラ80を備えた低速度入出力プロセッサプリント配線基板70-2、データを主メモリ56のディスク90-1、90-2、90-3それぞれとの間でやり取りするためのディスク駆動装置コントローラ/プロセッサ82を備えたプリント配線基板70-3、70-4、70-5(画像データ圧縮用画像圧縮装置/プロセッサ51はプリント配線基板70-3に所在)、画像操作部58の画像操作プロセッサを伴う画像操作用プリント配線基板70-6、画像データをプリンタ部8を用いて印刷処理するための画像発生プロセッサ86を伴う画像発生プロセッサプリント配線基板70-7、70-8、データのプリンタ部8との間でのやり取りを制御するためのディスパッチプロセッサ88、89を備えたディスパッチプロセッサプリント配線基板70-9、ブートコントロール仲裁スケジューラ・プリント配線基板70-10とが含まれている。
【0041】
図8をとくに参照する。システム制御信号は複数のプリント配線基板へ分散する。これらプリント配線基板群に含まれるのはEDNコアプリント配線基板130、マーキング画像形成コアプリント配線基板132、用紙操作コアプリント配線基板134、仕上げ部バインダコアプリント配線基板136、それに各種入出力(I/O)プリント配線基板群138である。システムバス140はコアプリント配線基板130、132、134、136を相互間ともコントローラ部7ともつなぎ他方局所バス142はI/Oプリント配線基板138を相互にもまたそれらの関連コアプリント配線基板ともつなぐ役割を果たしている。
【0042】
機械本体の電源を入れるとオペレーティングシステムソフトウエアが主メモリ56からEDNコアプリント配線基板130にロードされさらにそこからバス140を介して残りのコアプリント配線基板132、134、136へ転送される。ここに各コアプリント配線基板130、132、134、136はブートROM147を備えオペレーティングシステムソフトウエアのプリント配線基板へのダウンロードや誤作動の検出などの制御に使っている。このほかブートROM147の役割はオペレーティングシステムソフトウエアと制御データとをプリント配線基板130、132、134、136との間でバス140を介して容易にやり取りさせ、さらに制御データがI/Oプリント配線基板138との間で局所バス142を介してやり取りさせることである。付加的なROM、RAM、NVMなどの各種メモリはシステム2内のさまざまな位置に常駐している。
【0043】
図9を参照する。ジョブはジョブプログラムモードでプログラムされていてタッチスクリーン62上には現にプログラムジョブ中のジョブチケット150とジョブスコアカード152とを表示する。ジョブチケット150にはプログラムされた各種ジョブの選択結果が、またジョブスコアカード152には該ジョブを印刷するためにシステムに与える基本命令が表示される。
【0044】
図10を参照する。特定の印刷ジョブでの所望の表紙のオプションプログラミングは表紙オプションジョブチケット160の中から所望の項目を選べば終了である。このチケットはユーザが図9図示の表紙タブを選べば表示される。表紙オプションジョブチケット中からユーザが表紙の絵のある表紙アイコンを選ぶと表紙の体裁が5種類中からひとつ選べると言う選択幅がある。第1オプションはデフォルトを兼ねていて無表紙でありアイコン172がそれを示している。表表紙と裏表紙のどちらかだけの場合はアイコン164と166とで夫々示している。アイコン168だと表裏とも表紙をつけることを選びそのあと表紙プログラミングが表裏ともに適用される。アイコン170を選ぶと表裏の表紙が互いに別個の体裁を採れるようになる。表紙オプションジョブチケットの目的はユーザが表紙オプションを選び易くすることである。ユーザが出力文書に表紙を付けたい場合4種類の表紙オプションアイコン164、166、168、170のどれかを選べる。それを実行に移す場合、図11図示のように第2のプログラミングスクリーンが図1のUI52に表示される。表紙が一度プログラムされると図10のスクリーンは表紙付けがその後取り止めにならない限り提示されることは無いと言うことを一言付け加えておく。
【0045】
図11を参照する。そこには表紙のストック用紙見本と印刷見本とが図示してあり、表紙ジョブスコアカード180には表表紙についての現在のプログラミング選択結果が描かれていて標準ストックの白紙を選んだことと印刷は白無地の侭としていることが分る。このどちらも表紙選択でデフォルト値を選んだことを意味する。表紙ジョブスコアカード180を見てその中から表表紙タブ184にするか裏表紙タブ186を選ぶか決めることが出来、適切な表表紙ないし裏表紙に関する表紙ジョブチケット182が表示される。図11に図示したように表紙ジョブチケット182には表表紙用紙として表紙ストックを選択したことが表示されている。あるいはまた裏表紙タブ186を押せば裏表紙用紙として表紙ストックを選択したことが表示されれるようになっている。
【0046】
その上、表紙ジョブスコアカード180を使うとユーザはジョブチケット内に表示してある情報を変更することも出来る。たとえばユーザが表紙ジョブスコアカード180内の印刷アイコン188を選んだとしよう。すると表紙ジョブチケット区域では表示が変り図12の区域182bにオプションが描き出される。ここで図12にも注目することにする。区域182bには表表紙用紙の画像印刷についての現在のプログラムされた選択範囲が表示される。表紙ジョブチケット182b内のアイコンを使えばユーザは4種類の表紙印刷オプションから1点を選ぶことが出来よう。これらオプションはアイコン190の白紙状態と、アイコン192の表表紙印刷と、アイコン194の裏表紙印刷と、アイコン196の両面表紙印刷とから成る。さらにその上これら印刷オプションのどれもが表表紙と裏表紙の両方に対してでも片方に対してでも、投入原稿の印刷側とも出力文書の印刷側とも無関係に選べるのである。たとえば片面ものの投入原稿が図14Aのように両面印刷表表紙と両面印刷裏表紙を付けその間には図14D図示のように片面印刷ページを入れて複製することが出来るのである。
【0047】
ここで図13Aと図13Bとを参照することにする。ここに図13Aは両面画像投入原稿の原本であり、図13Bは文書出力印刷ジョブで作れる体裁である。投入原稿の図13Aには投入原稿として6枚の両面画像ページが含まれておりそれぞれA,B,C,D,E,Zで表わすこととし、この両面画像原本の1枚の両側の画像は添字1と2とで表わしこうして作った全部で12個の原画像を図2の主メモリ56に保存しこうした原画像が図1の走査部6で走査されることになる。
【0048】
すこしの間、図15を参照することにする。図15は1セットの原稿文書を複製するための自動機ジョブのブロックダイアグラムである。ユーザは複製ジョブの開始にあたり先ず走査ジョブから着手する。これがスタートスキャン(StartScan)ブロック300である。スタートスキャン開始後ブロック302で図1の走査部6は順次図13Aの投入両面原稿の両面を走査し、ブロック304で読み取り画像を文書出力順序に適切に並べる。ついでブロック306のスキャンダン(ScanDone)を実行し主メモリ内のページをプログラムされた表紙の特徴に合せて並べ替える。最後にブロック308でシステムコントローラが並べ替えジョブを印刷待ち行列に転送させ、ブロック310で図1のプリンタ部での文書出力を促進し、ブロック310でジョブが完了する。
【0049】
再び図13Aと図13Bとを参照する。図13Aに挙げた画像にはA1,A2,B1,…,Z1,Z2と印しされ、図13Bの方には出力ジョブ中の画像A1,A2,B1,…,Z1,Z2の出力文書に表表紙200と裏表紙204とが夫々付いた形で示す。ここで表紙は表側だけ印刷され内容ページは両面印刷することになっている。さらに第1画像(A1’)は表表紙200の表側に在り表表紙200の裏面は無地の侭にする。空白画像Pを主メモリ内の記号列に挿入して画像A2’が第1中間ページ202aの表側に印刷出来るようにする。それから残りの原画像A2’,B1’,…,Z1’,Z2’を右側に寄せ空白画像Pが画像記号列内の画像A1’のすぐ後に入れるよう空きを設けてやらなければならない。つぎに残りの中間用紙と裏表紙用紙とに順次主メモリに保存されていた画像B1’,B2’…,Z1’,Z2’を印刷する。
【0050】
図13Cを参照する。この図は本発明による前記とは異なる体裁の出力文書の印刷ジョブを示す。出力文書は裏側だけ印刷する表表紙210と表側だけ印刷する裏表紙212と両面印刷の中間紙からなっている。このような出力態様の時には表表紙210の表側を空白にするため空白画像Qを保存画像の記号列の最初の部分に挿入して表表紙を残りの分への両面印刷モードにしたがって出力しなければならない。空白画像以外の画像A1’A2’,B1’,…,Z1’,Z2’は右に寄せて画像(文書)記号列の先頭に空白画像Qの空きを設けてやらなければならない。
【0051】
ここで図13Dを参照することにする。この図は本発明による前記とも異なる体裁の出力文書印刷ジョブを表わし出力文書はどちらも両面印刷の表表紙220と裏表紙224付きで片面印刷なのは中間ページ222の方だけである。走査ジョブ後、保存画像はメモリ内に1画像当り1出力ページという風に順序正しく配列される。そこで表表紙を両面印刷するには第2ページの画像A2’を最初のページつまり表表紙220の裏面に入れなければならない。該ページを移動させるとメモリ内のページ記号列に空白の第2ページが生成するのでこの空白第2ページを削除して表紙のすぐつぎに空白紙が出力されて来るのを防ぐ必要がある。同様に裏表紙画像を構成するには記号列内に最終画像Z2’を読み込んで裏表紙224の裏面に移動させ、その前ページの画像Z1’を読み込み表紙224の表側に移動すればよい。前ページの画像Z1’を移動すると表紙直前の最後から2ページ目にまたも空白を生じるからこれも削除して空白紙の出力を避ける。
【0052】
ここで図14Aと図14Bとを参照することにする。ここに図14Aは片面ものの投入原稿であり図14Bは出力印刷ジョブで作れる体裁の一つである。図14Aの投入原稿は7枚建ての片面ものであってそれをA,B,C,D,E,F.Zとし全7点の原画像を図1の走査部6で走査して生成し図2の主メモリ56に保存する。
【0053】
図14Bは投入画像A,B,C,…Zの出力ジョブ後の出力ページの体裁であって表側だけ印刷した表表紙230と裏表紙234と両面印刷した中間ページ232とからなる。原稿文書の走査に続いて画像は両面印刷出力手順に対応したジョブ列に保存される。そのため表表紙230の表側だけに画像を印刷するには画像B’からZ’迄を1ページ分だけ右に寄せて第1出力紙つまり表表紙230の後に空白を作り出さなければならない。さらに画像列の最後に1ページ追加して画像Z’を現在位置すなわち後から数えて2枚目の裏面の位置から裏表紙234の表側に移動させ中間紙の3枚目232cに空白ページRを設けることが必要である。
【0054】
ここで図14Cを参照することにする。この図は本発明にしたがい前記とはさらに異なる体裁の出力文書の印刷ジョブを表わす。出力文書は裏面印刷だけの表表紙240と表側印刷だけの裏表紙224と両面印刷の中間ページ242である。走査がすむとメモリに在る画像は右へ1画像分だけ寄り表表紙240の表の空白分を稼ぎ、第1の出力紙の裏に画像A’を生成し3枚の中間両面印刷紙の残り6面をB’からZ’までの6画像で埋め尽くす。ついで裏表紙244の表に画像Z’を印刷するのにジョブの最後に1ページ分付け加える必要があり、そこで画像Z’は今の後から数えて2枚目の242cの裏面から図示の通り裏表紙244の表側へ移さなければならない。
【0055】
ここで図14Dを参照することにする。この図は前記とはさらに異なる体裁の図14Aの投入原稿と関連した出力文書の印刷ジョブを表わしており、所望の出力文書は両面印刷の夫々表表紙250と裏表紙254と片面印刷の中間ページ252とからなっている。前述の通り画像は走査中メモリに順次読み込まれている。ついで第2走査画像B’が第1紙、即表紙250の裏に移動しB’の占めていたページは今や空白となって削除される。最終紙、即裏表紙254はどう設定するかというと最終紙の表の画像Z’を該紙の裏面に移動させ、画像F’を最終紙254の先行紙の表側から254自体の表側へ移動し空白化した先行紙をメモリから削除して図示のような体裁を整えて完了する。
【0056】
一言で言えば図15は1セットの原稿文書複製の自動化ステップブロックダイアグラムである。他方、各種の表紙印刷の体裁に関する既述の諸例はブロック306のスキャンダン手順を呼び出せば達成できる。ここで図16〜17を参照することにする。この図はスキャンダン手順のステップを詳細に解説するブロックダイアグラムであって、該手順は前もって要求された画像やページのどんな順序でも完全に実行して図15のブロック308の印刷待ち行列にジョブを送り込むことが出来るよう設計されている。該手順の開始は局所パラメータと変数の初期化のブロック350からであって、ジョブにどの表紙が必要なのか指示を検索するブロック352がそれに続く。つぎに最終ページポインタを初期化してジョブの最終ページを指定するのがブロック364で、ただちに判定ブロック356でテストしジョブページの空白を意味する空ポインタが有るか確認する。諸ページがジョブ状態にあれば処理は進み判定ブロック358と判定ブロック360とに達する。これらの判定ブロックは事実上両表紙が未指定であることの確認テストである。両表紙が既指定であれば配列指定はそれより先不要であるからジョブは印刷準備へと進む。だが両表紙が未指定ならば該手順を呼出してチェックを実行し表紙指定の妥当性の是非を確認するのがブロック362である。該手順での返却値がチェックされ問題が表表紙に有るのかそれとも裏表紙に有るのかの確認が判定ブロック364と366とである。該手順で実行したテストはとくにデザインされたものであって、妥当な数の投入画像が走査されてプログラム通りの表紙を生成するのに充分な画像を提供していることを検証するためのテストである。このことが偽であれば1セットの空白表紙が自動的に該セットで追加され(ブロック368)、セットカバーズ手順を読み飛ばす(ブロック370)。
【0057】
ブロック370のセットカバーズ手順とは投入ジョブの画像の順序付けとページの順序付けとを自動的に調整して前もってプログラムしてあった表紙の選択データを用いてジョブの能率を上げるようにデザインした手順であり、それ以上立ち入った説明は後で図17を参照しながら行なうことにする。ジョブのための表紙のセットで該ジョブは完了(ブロック370)しその状態はジョブデータベースの更新(ブロック372)によって表わされる。ジョブデータベースは進行中の全ジョブの状態を記録している。走査のあとジョブ進度は主メモリ内のデータベースに保存されシステム内で進行するジョブは夫々の段階で終了する毎に更新される。ジョブ状態終了のセットと再順序付け処理の終了の表示に続き、判定ブロック374および判定ブロック376とで付随的テストを実行し表表紙選択にせよ裏表紙選択にせよそれらの際にエラーが検知できなかったかどうか探索する。その結果が真であればジョブは印刷待ち行列に進まず誤動作ジョブリストに進むか誤動作条件がユーザの介入で訂正出来る待ち行列に進みつぎの印刷ジョブに間に合わせる。最後に復帰ブロック380で呼出手順に戻る。
【0058】
ここで図18を参照することにする。この図18で図17の手順ブロック370のところで予告したようにセットカバーズ手順の構造を解説するが、呼出後セットカバーズ手順はブロック400の手順でパスされたパラメータを検索する。つぎに該手順は図では一連の4個の判定ブロック402、404、406、408で示すケース(CASE)文を実行しユーザが図12のプログラミングスクリーンを使ってプログラムした表紙印刷のセット状態を確定する。ブロック402でテストした結果プログラムしたはずの表紙選択が偽であれば、処理手順はブロック416へ進みデータベースを更新し制御は呼出手順に復帰する。ところが表表紙(FRONT),裏表紙(BACK),両表紙(BOTH)と言った選択が判定ブロック404、406、408で夫々探索された場合、付帯手順が呼出され画像とページの自動操作を制御する。とくに付帯手順には手順ブロック312のセットフロントカバーズインターナル手順と手順ブロック414のセットバックカバーズ手順とが含まれていて、表表紙手順と裏表紙手順の両方または片方の呼出の実行につづけて制御が復帰しデータベースおよびブロック416で更新されセットカバーズ手順は制御をブロック418の呼出モジュールに復帰させる。
【0059】
ここで図19〜20を参照することにする。この図は本発明にしたがい既述のセットフロントカバーズインターナル手順に関する処理手順を表わしている。当初該手順はジョブの最終画像ページのポインタを検索しブロック430で最終ページのポインタが判明する。つぎに該手順は現行のページおよび画像の体裁を元にした念入りなイフ(IF)文を実行し現行のジョブ列の最後にページを付加する必要の存否を判定ブロック432で確定する。真であればブロック434で現行の最終ページと同じ特徴の追加ページを該列の最後に生成・追加してジョブ列の新規最終ページを得る(ブロック436)。
【0060】
ジョブ列の末尾の調整を行なった後で該手順は画像の載る表表紙の面数に関したケース(CASE)文を実行し未だ続けて画像とページの再配列が要るかどうか確認する。ケース(CASE)文の実行したものは図で4個からなる一連の判定ブロック438、440、442、444と可変面画像の不適セットの検知結果を表わすデフォルトケースブロック446とで図示され後者が実際に検知された場合にはシステムエラーを宣言する。
【0061】
表表紙のどの面にも画像が載らないのならそのことを検知したとき(判定ブロック438)、空白ページを創成して(ブロック448)ジョブ列の先頭に挿入する(ブロック450)。その結果両面とも空白ページのものが1枚出来たことになり無地表紙を作成したことになる。表紙の表側に印刷するようになっている場合、該手順でテストし(判定ブロック452)画像が1画像分だけジョブ列の末尾に向って寄った方が良いか確認する。このテストの結果、ジョブが両面印刷ジョブならば肯定の結果になり、図13Bの表表紙200の生成に関する既述の例と同じになる。画像のシフトが必要なときにはシフトイメージライト(ShiftImagesRight)手順を呼出して手順ブロック454で画像は右に寄せられる。一般にシフトイメージライト手順はジョブ列の最後の画像と一緒に起動され該画像を1ページ分右へ寄せる手順であってブロック436で追加したページがそれに相当する。ついで該手順は残余の画像を先行シフトで生み出された空白ページに送り全画像を送り続けてその結果一時的に空白第1ページが生じる。最後に再配列の表表紙は画像を最初のつまり表表紙の裏面から表側へとブロック456のムーブサイド(MoveSide)手順を介して寄せて終了する。その結果表表紙の表側に画像を与え表表紙の裏面には空白を生み出すことになる。代わりに判定ブロックでのテストが偽ならばそれはジョブ列が前から片面印刷出力モードになっていたことを意味しており処理手順をこれ以上進めて表側だけに画像を持つ表表紙を創成することは必要ないことになる。
【0062】
ケース(CASE)文の3番目の二者択一は判定ブロック442であって、表表紙の裏面にだけ印刷画像のある場合で図13Cと図14Cとの出力例で解説した場合である。まず判定ブロック460でテストして画像をシフトして文書の表に空白ページ面を創成する必要性が有るかはっきりさせる。両面印刷形式で出力する文書であればその様な送りが必要であるから手順ブロック462で実行する。しかしながらこの状況ではこれ以上画像の操作は必要ではないことはこの場合両面画像文書の第1紙の裏面にだけ画像があるということで明らかである。目的とする文書出力もそれと同じことでジョブ列が片面印刷モードにあるとすれば、判定ブロック460での答は否でありその結果ブロック464のムーブサイド(MoveSide)手順は第1紙の表面の画像をその裏面に移動し前同様所望の出力文書を生ずる。
【0063】
ケース文の最後に残された有効な二者択一は表表紙が両面とも印刷画像を有する場合であって図13Dと図14Dとに図示した出力例がそれである。表表紙が両面印刷であることを確認してから該手順は判定ブロック466でテストを実行しジョブ列が現行では片面印刷モードなのか真偽を問うている。真ならば判定ブロック466が真と答え第2片面印刷ページの表の画像が第1ページの裏面に寄せられて両面印刷第1紙になる(手順ブロック468)。つぎに第2ページの画像の移動のため空白紙になった第2ページはブロック470で削除される。
【0064】
最後にプログラム通りの表表紙の追加で起こるページの調整の後でジョブのページパラメータと画像パラメータとを更新して現行のジョブ列の体裁を反映させる(ブロック458)。ついで制御は復帰して呼出手順へ移り(ブロック472)、裏表紙に関する付随的に必要な再配列を促進する、つまりジョブを進めて印刷待ち行列に達するのである。
【0065】
ここで図21〜23を参照することにする。この図は本発明によるセットバックカバーズ手順関連の処理手順ステップを表わしており、ます手順はジョブの最終画像ページのポインタを検索して最終ページ関連のパラメータを得る(ブロック510)。つぎに該手順は念入りなイフ文を実行して現行のページと画像体裁とを元に現行のジョブ画像列の末尾に追加ページが要るか確認する(判定ブロック512)。真であればブロック514で現行の最終ページと同じ種類の追加ページを創成しついで該ページを列末尾に加えてジョブ列の新規最終ページにする(ブロック516)。
【0066】
ジョブ列の末尾を調整してから該手順は画像を持つ裏表紙の面数値に関してケース文を実行し画像とページの追加再配列が必要か確認する。実行したケース文は一連の4個からなる判定ブロック518、520、522、524と1個のデフォルトケースブロック526とによって図示されておりここにデフォルトケースブロック526は画像付き面変数の設定に無効な設定が有るか探索しそれが検知出来ればシステムエラーを宣言する。
【0067】
判定ブロック518で実行する第1テストは印刷画像が裏表紙の裏面だけに有るか確認するテストであって、真ならば該手順はつぎに判定ブロック528を実行してジョブ上の最終画像がページの表側にあるか確認する。最終ページに画像があればそれは最終ページの表側に有るはずである。手順ブロック530のムーブサイド手順が呼出され該画像を最終ページの表側から裏面へ転送させる。その代り手順ブロック532は画像を前ページの裏面から最終ページつまり裏表紙の裏面に転送しその結果裏面に限り画像を持つ裏表紙と表側に限り画像を持つ最終から2番目のページとを創成する。
【0068】
裏表紙の選び方の問題は既述の図13Bと図13Cでの出力例に見るように表側だけに印刷がプログラムされているとしたら、判定ブロック520でそれが検知されると該システムは再度最終画像が表側のページにあるか判定ブロック534で確認のためチェックする。真ならば画像は正しい位置にあるわけだからどの画像もずらせる必要は無い。だが偽であれば先行のすなわち最終ページから2番目のページの裏は最終ページ即裏表紙の表側にプログラム通りずらさなければ成らない。このシフトは手順ブロック536のムーブサイド手順で完了する。
【0069】
ケース文の第3の二者択一は判定ブロック522で表わされているがこれは裏表紙の両面が印刷画像を有するもので図13Dと図14Dとで示してある。裏表紙が両面画像の表紙だと判定ブロック522で確認してから該システムは最後の画像がページの表にあるか確認のテストをする。偽ならば最後の画像は最終ページの裏にあることになりしたがって最後の紙は両面画像モードになってしまっているわけだからこれ以上の配列ジョブは不要である。判定ブロック538が真であれば最後の画像が表ページにあるはすで、つぎに判定ブロック540で先行ページの裏に画像があるか確認する。先行ページの裏に画像が無ければジョブ列が片面印刷画像モードに設定され両面印刷の裏表紙が最後の2ページ分の表の画像の組み合わせで出来上がる。とくに手順ブロック542はムーブサイド手順を実行して画像を最終ページの表から裏へ転送させ、つぎのムーブサイド手順が手順ブロック544で画像を先行ページの表から最終ページの表へ転送させる。最終ページがこの形態に出来上がると先行ページ即最終ページから2番目のページは空白になってブロック546で削除される。しかし画像が最終ページの反対側にあることが判定ブロック540で検知された場合、該ジョブは両面印刷画像モードにあり最終ページは最初の画像の転送を最終ページの表から裏へ行なうだけで出来上がる。これはムーブサイド手順ブロック548である。第2に先行ページつまり最終ページから数えて第2ページの裏面の画像は最終ページの表側に転送する。これが手順ブロック550であり、これで再度所望の両面印刷画像裏表紙が作成される。
【0070】
ケース文の最初の3個と関連したページの再配列ジョブに引き続き、ジョブ用の関連ページのパラメータと関連画像のパラメータとはジョブデータベース内で必ず更新する必要がある(ブロック560)。こうして新規の体裁作りのジョブはデータベースに正確・確実に反映するのである。最後に、ケース文の第4の二者択一、つまり判定ブロック524は裏表紙のどちらの面にも画像が無い場合である。この種の裏表紙はジョブとしてはたんに追加分のページを足すだけで出来上がり(ブロック552)、この追加ページはジョブ列の末尾に付け加える(ブロック554)。追加分のページパラメータはページ追加ジョブのために更新する必要は無いことを一言付け加える。必要な再配列の達成後、ユーザのプログラム通りの裏表紙が作成され、制御はブロック562の呼出手順に復帰する。
【0071】
ジョブモードと出力文書についてこれ迄例を挙げて説明した内容で明らかなように本発明によれば印刷システムの文書出力に好適なコンパイルされた電子画像の記号列を生成出来、このシステムを用いれば文書に印刷画像付きの表表紙と裏表紙の両方または片方を付帯させることが出来るようになる。さらに本発明を電子複写印刷システムに採用すると表表紙と裏表紙の選択幅が広くなり一般に光学レンズ方式の複写印刷システムや電子複写印刷システムで今日得られている選択幅よりも勝っていることは疑い無いところである。なお言えばこれらの機能は自動化向きであってそれはユーザの複写過程への介入不要と言う条件を満たしているためである。付言すれば表紙の選択範囲をプログラムし生成することが容易であるため出力文書として表紙付き文書を作成するためのオペレータの訓練量が少なくて済みこの分野でのオペレータの訓練項目がやたらに増えるのを防ぐことが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の印刷優先機能が組み込まれている電子印刷システムの透視図である。
【図2】 図1に示された印刷システムの主要部分を含むブロックダイアグラムである。
【図3】 図1に示された印刷システムの主要機械部品の説明用平面図である。
【図4】 文書スキャナの一定部分の構造を詳細に示す模式図である。
【図5】 システムコントローラ部の主要部の模式的ブロックダイアグラムの▲1▼である。
【図6】 システムコントローラ部の主要部の模式的ブロックダイアグラムの▲2▼である。
【図7】 システムコントローラ部の主要部の模式的ブロックダイアグラムの▲3▼である。
【図8】 オペレーティングシステムを示すブロックダイアグラムであってプリント配線プリント配線基板とライン共有結線とが記入されている。
【図9】 ジョブプログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってプログラミングジョブに使われるジョブチケットとジョブスコアカードの例を表示したところである。
【図10】 表紙プログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってオプションで表紙を選んだ場合を表示しているところである。
【図11】 表紙プログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってジョブチケット領域内でオプションで表紙ストックを選んだ場合を表示しているところである。
【図12】 表紙プログラミングモードに在るユーザインタフェースタッチスクリーン表示装置の図であってジョブチケット領域内でオプションで印刷を選んだ場合を表示しているところである。
【図13】 Aは両面画像入力文書セットの典型例の複製に本発明による図1の印刷システムを用いた場合の図解、BないしDは表紙を備えた出力文書の3例であって図13Aの投入文書から作り出されたものである。
【図14】 Aは片面ものの投入文書セットの典型例の複製に本発明による図1の印刷システムを用いた場合の図解、BないしDは表紙を備えた出力文書の3例であって図14Aの投入文書から作り出されたものである。
【図15】 図1の印刷システムが自動化ステップを実行し1セットの原本を複製する過程の図解である。
【図16】 本発明のスキャンダン(ScanDone)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図17】 本発明のスキャンダン(ScanDone)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図18】 本発明のセットカバーズ(SetCovers)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図19】 本発明のセットフロントカバーインターナル(SetFrontCoversInternal)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図20】 本発明のセットフロントカバーインターナル(SetFrontCoversInternal)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図21】 本発明のセットバックカバーズ(SetBackCovers)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図22】 本発明のセットバックカバーズ(SetBackCovers)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【図23】 本発明のセットバックカバーズ(SetBackCovers)と言う手順での各種ジョブと手順呼出方法とを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
2 プリンティングシステム、6 スキャナ部、7 コントローラ部、8 プリンタ部、20 プラテン、22 文書、24 リニアアレイ、25 プロセッサ、26 レンズ、28,29,30 ミラー、35 自動文書取扱装置(ADF)、37 文書トレイ、40 真空引き搬送ベルト、41 文書搬送ロール、42 文書供給ベルト、44 文書搬送ロール、46 文書挿入スロット、48キャッチトレイ、49 送りロール、50 画像入力コントローラ、51 圧縮兼プロセッサ、52 ユーザインタフェース(U/I)、54 システムコントローラ、56 主メモリ、58 画像操作部、60 画像出力コントローラ、61 システムメモリ、62 タッチスクリーン、64 キーボード、66 マウス、67 カーソル、70,70-1〜10 プリント配線基板、72,74 メモリバス、78 システムプロセッサ、80 通信コントローラ、82 プロセッサ、86 プロセッサ、87 ラスタ出力スキャナ部(ROS)、88,89 プロセッサ、90-1〜3 ハードディスク、91 レーザ、92 音響光学変調器、94 結像ビーム、95 プリントモジュール部、98 可動受光体、100 回転多面体、102 コロトロン、104 現像装置、106 転写ステーション、107 用紙供給部、108 プリント媒体、110 主用紙トレイ、112,114 副用紙トレイ、116 定着器、118 出力トレイ、120 仕上げ部、122 ステッチャ、124 加熱製本器、130 EDNコア・プリント配線基板、132 マーキング・画像形成コア・プリント配線基板、134 用紙保持コア・プリント配線基板、136 仕上げバインダコア・プリント配線基板、138 入出力プリント配線基板、140 システムバス、142 ローカルバス、147 ブートROM
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-10-26 
出願番号 特願平3-270371
審決分類 P 1 652・ 534- XA (H04N)
P 1 652・ 121- XA (H04N)
最終処分 決定却下  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 深沢 正志
加藤 恵一
登録日 2003-08-22 
登録番号 特許第3463940号(P3463940)
権利者 ゼロックス・コーポレーション
発明の名称 電子複写印刷システムと方法  
代理人 小堀 益  
代理人 小堀 益  

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