ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 F25C 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25C |
---|---|
管理番号 | 1111900 |
審判番号 | 不服2002-25256 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1999-02-02 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-12-27 |
確定日 | 2005-02-07 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第202315号「機械室の部品配置構造」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 2月 2日出願公開、特開平11- 30464〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成9年7月10日の出願であって、平成14年11月25日付け(発送日:同年12月3日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年12月27日に審判請求がなされるとともに、平成15年1月27日に手続補正がなされたものである。 2.平成15年1月27日付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成15年1月27日付け手続補正を却下する。 [理由] 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりに補正された。 「【請求項1】 製氷機の外郭をなす筐体(10)に内部画成した貯氷室(14)の上部に製氷機構(40)を配設すると共に、該筐体(10)の内部における貯氷室(14)の下方に画成した機械室(16)に冷凍機構(20)等を配設し、該機械室(16)を画成するベース(12)に通気孔(22)が形成されている機械室の部品配置構造において、前記通気孔(22)を塞がない状態で前記ベース(12)に配設したコンプレッサ台(30)に、冷凍機構(20)を構成するコンプレッサ(24)を配置し、該冷凍機構(20)の制御系等への電源供給を行なうトランス(28)を、前記コンプレッサ(24)の端子(26)を覆う端子カバー(26a)の下方に、上下に所要の高低差をもって少なくとも一部が上下に重なるように配置したことを特徴とする機械室の部品配置構造。」 本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「筐体(10)の内部に画成した機械室(16)」について「筐体(10)の内部における貯氷室(14)の下方に画成した」との限定を付加すると共に、「製氷機の外郭をなす筐体(10)に内部画成した貯氷室(14)の上部に製氷機構(40)を配設する」との事項を追加するものであるが、上記「製氷機の外郭をなす筐体(10)に内部画成した貯氷室(14)の上部に製氷機構(40)を配設する」との事項を追加する点は、特許法第17条の2第4項第2号に規定する「請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するもの」ではない。 したがつて、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものでなく、また、請求項の削除を目的とするものでも、誤記の訂正を目的とするものでも、明りょうでない記載の釈明を目的とするものでもない。 以上のことから、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであり、同第159条第1項で読み替えて準用する同第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について (1)本願発明 平成15年1月27日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年10月7日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものである。 「【請求項1】 筐体(10)の内部に画成した機械室(16)に冷凍機構(20)等を配設し、該機械室(16)を画成するベース(12)に通気孔が形成されている機械室の部品配置構造において、前記通気孔(22)を塞がない状態で前記ベース(12)に配設したコンプレッサ台(30)に、前記冷凍機構(20)を構成するコンプレッサ(24)を配置し、該冷凍機構(20)の制御系等への電源供給を行なうトランス(28)を、前記コンプレッサ(24)の端子(26)を覆う端子カバー(26a)の下方に、上下に所要の高低差をもって少なくとも一部が上下に重なるように配置したことを特徴とする機械室の部品配置構造。」 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用した実願平3-63802号(実開平5-8372号)のCD-ROM(以下、「引用例」という。」)には、図面とともに次の記載がある。 ・「【0002】【従来技術】 例えば図15は、角氷を連続的に製造してこれを貯留する自動製氷機の概略構成を示すものであって、筐体10の内部中間に角氷貯蔵室12が設けられると共に、筐体下部には冷却機構14を配設した機械室16が画成されている。この冷却機構14は、圧縮機18、凝縮器20および冷却器22から基本的に構成され、該冷却器22は筐体上部に位置する製氷機構24に設けられている。」 ・「【0003】 (略)すなわち図15に示す如く、筐体10における機械室16の底部10aに多数の吸込口39が穿設され、筐体上方に設けた吸気ファン38を回転させることにより吸込口39から外部空気を取入れ、該空気を前記凝縮器20に接触させて熱交換を行なわせるようになっている。」 また、図15には、吸込口を塞がない状態で機械室の底部に配設した部材に圧縮機を配置した点が記載されている。 これらの記載及び図15を参照すると、引用例には次の発明が記載されている(以下、「引用例発明」という。」)。 「筐体の内部に画成した機械室に冷却機構を配設し、該機械室を画成する底部に吸込口が形成されている機械室の部品配置構造において、前記吸込口を塞がない状態で前記底部に配設した部材に、前記冷却機構を構成する圧縮機を配置した機械室の部品配置構造。」 (3)対比 本願発明と上記引用例発明とを比較する。 引用例発明の「冷却機構」は本願発明の「冷凍機構等」に相当し、以下同様に「底部」は「ベース」に、「吸込口」は「通気孔」に、「圧縮機」は「コンプレッサ」に、それぞれ相当する。また、圧縮機を配置した「部材」は、「コンプレッサ台」といえる。 したがつて、両者は、 「筐体の内部に画成した機械室に冷凍機構等を配設し、該機械室を画成するベースに通気孔が形成されている機械室の部品配置構造において、前記通気孔を塞がない状態で前記ベースに配設したコンプレッサ台に、前記冷凍機構を構成するコンプレッサを配置した機械室の部品配置構造。」の点で一致し、 次の点で相違する。 [相違点] 本願発明では、「冷凍機構の制御系等への電源供給を行なうトランスを、コンプレッサの端子を覆う端子カバーの下方に、上下に所要の高低差をもって少なくとも一部が上下に重なるように配置した」のに対して、引用例発明では、そのような構成を有しない点。 (4)相違点についての判断 製氷機において、冷凍機構の制御系等への電源供給を行なうトランスを設けること、また、コンプレッサが端子、及びその端子を覆う端子カバーを有することは、従来周知である(トランスを設ける点については、例えば、特開平2-17373号公報、特開平7-98169号公報を参照。)。 更に、一般に、必要に応じて部品をコンパクトに配置すること、及び、そのために部品相互の空間を有効に利用できるように部品を配置することも、従来周知である。 したがって、上記相違点に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到し得たものである。 そして、本願発明の作用効果も、引用例に記載された事項、及び従来周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。 (5)むすび 本願発明は、引用例に記載された発明、及び、従来周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-12-10 |
結審通知日 | 2004-12-14 |
審決日 | 2004-12-27 |
出願番号 | 特願平9-202315 |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(F25C)
P 1 8・ 121- Z (F25C) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山本 信平、内山 隆史 |
特許庁審判長 |
水谷 万司 |
特許庁審判官 |
櫻井 康平 長浜 義憲 |
発明の名称 | 機械室の部品配置構造 |
代理人 | 山本 喜幾 |