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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1112544 |
審判番号 | 不服2000-9454 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-02-17 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-05-18 |
確定日 | 2005-03-01 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第235755号「パチンコ玉入れ消音・衝撃防止ワンタッチシート」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 2月17日出願公開、特開平10- 43420〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本件出願は、平成8年8月1日の出願であって、平成11年9月1日付けの手続補正書により補正された明細書の記載からみて、特許を受けようとする発明は、特許請求の範囲の請求項1および請求項2に記載されたものであり、その請求項1に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、下記のとおりのものと認める。 「請求項1 ゴムまたは消音・衝撃防止可能な物質の裏面に、吸盤を取り付けワンタッチで装着可能なシート。」 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された本件出願前に日本国内において頒布された刊行物である実願平5-48952号(実開平7-9388号)のCD-ROM(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、 「発泡スチロールを成形した薄板の裏面に剥離可能な接着剤を塗布したパチンコ玉収納ケース用防音マットに関するものである。」(段落【0001】)、 「従来、パチンコ玉収納ケースにパチンコ玉を入れるときに発する騒音を防止する・・・。」(段落【0002】)、 「・・・パチンコ玉収納ケースの底面に張り付ける。」(段落【0005】)、 「(イ)発泡スチロール(1)を、・・・薄板・・・の形に成形する。(ロ)その薄板の裏面(2)・・・に・・・接着剤(3)を塗布する。」(段落【0006】)、 「パチンコ玉収納ケースに玉をいれるときに発生する騒音の相当量を軽減する効果がある。」(段落【0007】) との記載が認められ、これらの記載によれば、引用例1には、 「騒音を防止する発泡スチロール(1)の裏面に、剥離可能な接着剤を塗布しパチンコ玉収納ケースの底面に張り付けるパチンコ玉収納ケース用防音マット。」 との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。 3.対比 そこで、本件請求項1に係る発明と引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「騒音を防止する発泡スチロール(1)」、「張り付ける」および「パチンコ玉収納ケース用防音マット」は、本件請求項1に係る発明における「消音・衝撃防止可能な物質」、「装着可能な」および「シート」に相当する。また、本件請求項1に係る発明の「吸盤」と引用例1発明の「剥離可能な接着剤」とは、「固着部材」である点で共通している。したがって、両者は、 「消音・衝撃防止可能な物質の裏面に、固着部材を取り付け装着可能なシート」 である点で一致し、以下の点で相違している。 相違点、消音・衝撃防止可能な物質の裏面に取り付ける固着部材について、本件請求項1に係る発明は、吸盤を取り付けワンタッチで装着可能であるのに対し、引用例1発明は、そのように構成されていない。 4.判断 上記相違点について検討する。 シート状部材の裏面に吸盤を取り付けて、シート状部材をワンタッチで装着可能とすることは、本件出願前に周知であり(例えば、実公平3-47589号公報、実願平1-140239号(実開平3-78631号)のマイクロフィルム、実願平1-108421号(実開平3-48578号)のマイクロフィルム参照)、シート状部材を固着するために前記引用例1発明の剥離可能な接着剤に代えて、本件請求項1に係る発明のように、吸盤を設けることは、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。 そして、本件請求項1に係る発明が上記相違点に係る構成を採ることによりもたらされる効果は、引用例1に記載された発明および周知技術から当業者が予測できる範囲のものであって格別のものとは認められない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本件請求項1に係る発明は、引用例1に記載の発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものと認められ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-11-30 |
結審通知日 | 2004-12-07 |
審決日 | 2005-01-07 |
出願番号 | 特願平8-235755 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 土屋 保光 |
特許庁審判長 |
村山 隆 |
特許庁審判官 |
林 晴男 白樫 泰子 |
発明の名称 | パチンコ玉入れ消音・衝撃防止ワンタッチシート |