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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A41D
管理番号 1112590
審判番号 不服2002-21253  
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-02-16 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-31 
確定日 2005-02-28 
事件の表示 平成 9年特許願第193833号「作業用衣服」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 2月16日出願公開、特開平11- 43809〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 <1>手続の経緯・本件発明
本件は、平成9年7月18日の出願であって、その後、拒絶理由が通知され、平成14年9月11日に手続補正がなされ、平成14年10月1日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月31日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものであり、その請求項1に係る発明は、平成14年9月11日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 上半身部を少なくとも有する作業用衣服の肩部分に、反発弾性率20%以下のポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材が取り付けられていることを特徴とする作業用衣服。」(以下、「本件発明」という)
<2>引用例
本件発明に対して、原査定の拒絶の理由には、下記の刊行物1および2が引用されている。
刊行物1:実願昭62-133628号(実開昭64-37418号)のマイクロフィルム
刊行物2:特開平7-290626号公報

刊行物1および2には、図面を引用して、次の記載がある。

<刊行物1>実願昭62-133628号(実開昭64-37418号)のマイクロフィルム
a:
「2.実用新案登録請求の範囲 作業上必要な箇所に緩衝材を逢着した作業服」
b:
「上衣の肩部、胸部、背部、ズボンの腰部、太モモ部等作業に必要な箇所に可とう性の発泡材が緩衝材1として逢着されている。
・・・尚、この考案は、上記の説明及び図面に示した実施例だけでなく、例えば緩衝材として皮、スポンジ等の発泡材(東レペフロンがよい)を用いることも可能であり、必要に応じて、緩衝材の逢着箇所を変更することも可能である。」(第3頁1〜11行)
<刊行物2>特開平7-290626号公報
c:
「【特許請求の範囲】【請求項1】 発泡体からなる緩衝本体内に、前記緩衝本体の表面側から離して反発弾性(JIS K 6301準拠)0〜20%、硬度(JIS K 6301準拠)0〜50Hsの非発泡体からなる衝撃吸収体を埋設したことを特徴とする緩衝体。
【請求項2】 請求項1において、緩衝本体がウレタンフォーム、衝撃吸収体が非発泡ウレタン樹脂からなる緩衝体。・・・」
d:
「【0002】【従来の技術】 たとえば、スポーツ用のプロテクターやヘッドギアあるいはレガース、またはサポーターなどの衝撃保護具には、衝撃を和らげるために軟質または半硬質のウレタン発泡体やポリエチレン発泡体よりなる緩衝体が用いられることがある。前記緩衝体は、衝撃保護具の種類や保護する人体の部位に応じて適度な硬さに形成されて使用される。」
e:
「【0007】【作用】 この発明の緩衝体は、表面に加わる衝撃が、発泡体からなる緩衝本体と、その緩衝本体内に埋設された非発泡体からなる衝撃吸収体とで吸収される。その際、緩衝本体の表面側から離れて衝撃吸収体が埋設されているため、初めに緩衝本体によって衝撃が吸収され、その緩衝本体でも吸収できない衝撃が内部の衝撃吸収体によって吸収される。しかも、その衝撃吸収体は、反発弾性が0〜20%と低いものからなるため、衝撃を効率良く吸収する。
前記衝撃吸収体の反発弾性は、衝撃吸収性の点からみれば低い程良いが、低くすると復元性がなくなってへたりを生じるようになるため、再使用を考慮した場合には、特に2〜20%の範囲で選択するのが好ましい。
また、前記衝撃吸収体が硬すぎると、緩衝本体との間で違和感を生じたり、衝撃を受けた際などに衝撃吸収体が緩衝本体から剥離し易くなる恐れがある。そため、衝撃吸収体の硬度は0〜50Hsとするのが好ましい。」

<3>本件発明と刊行物1記載の発明との対比・判断
本件発明と刊行物1記載の発明を対比すると、刊行物1記載の発明の「緩衝材」も、広い意味での「衝撃吸収材」の一種であるということができるから、両者は、
「上半身部を少なくとも有する作業用衣服の肩部分に、発泡体からなる衝撃吸収材が取り付けられていることを特徴とする作業用衣服」、
の点で一致するが、
「衝撃吸収材」が、
本件発明では、「反発弾性率20%以下のポリウレタンフォームからなる衝撃吸収材」であるのに対し、引用例1記載の発明では、そのようなものではない点で、相違する。

<4>相違点について検討
上記相違点について検討すると、引用例2には、「フォーム(発泡体)」ではないが、「反発弾性率20%以下のポリウレタンからなる衝撃吸収材」を用いることが記載されている(記載c)。
又、本出願前の当該技術分野においては、衝撃吸収のために「反発弾性率20%以下のポリウレタンフォーム」を用いる例(特開平1-280413号公報 第2頁 実施例1,実施例2参照)や、反発弾性率30%以下のポリウレタンフォームを用いた例(特開平9-124764号公報(段落【0004】、表1、表2(比較例4は反発率18%の例もある)参照))があるように、必要とされる衝撃吸収機能を達成するためには、反発弾性率をどのくらいにするか、樹脂の性質をどの様なものにするか、発泡体・非発泡体のいずれにするか等々、当業者であれば適宜調整することは普通に行われていた技術であるということができる。
そうしてみると、引用例1記載の発明の「緩衝材(本件発明の「衝撃吸収材」に対応)」を、引用例2記載の発明の「反発弾性率20%以下のポリウレタンからなる衝撃吸収材」にして、その際、非発泡のポリウレタンを、発泡体である「ポリウレタンフォーム」とし、本件発明を構成することは、当業者が容易に想到し得る程度の変更であるということができる。
そのことによる効果も、予測可能なものである。
<5>むすび
以上のとおり、本件発明は、刊行物1、2記載の発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 2005-01-04 
結審通知日 2005-01-05 
審決日 2005-01-18 
出願番号 特願平9-193833
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A41D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 水野 治彦  
特許庁審判長 寺本 光生
特許庁審判官 中西 一友
西村 綾子
発明の名称 作業用衣服  
代理人 池内 寛幸  
代理人 池内 寛幸  
代理人 佐藤 公博  
代理人 佐藤 公博  
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