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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F28D
管理番号 1113983
審判番号 不服2003-17936  
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-01-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-08-13 
確定日 2005-03-17 
事件の表示 平成 7年特許願第196919号「多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 1月17日出願公開、特開平 9- 14875〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年6月29日の出願であって、請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成8年6月27日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「軽金属を素材とし、長さ方向に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有する長尺の可撓性扁平金属管、または同じ構造の可撓性扁平金属管の管外周に微細フィン群が形成され或いは装着されてある長尺の可撓性扁平金属管、の何れかにおける、その両端末が溶接密閉され、これにより形成される密閉細径トンネル群は所定の手段により相互に連結されてあり、これらの密閉細径トンネル群内にはその内容積に未満の所定量の、所定の二相凝縮性作動液が真空封入されて、ヒートパイプとして構成されてある、可撓性扁平金属管ヒートパイプにより構成された熱交換器であって、この可撓性扁平金属管ヒートパイプは螺旋形状をも含む蛇行形状に再成形されて、これにより高温受熱部と低温放熱部の間を往復蛇行せしめられてあり、作動液の核沸騰発生部群と作動液蒸気の凝縮部群を有し、作動液の振動を主たる熱量輸送の手段とする熱交換装置として構成されてある上述の可撓性多孔扁平金属管ヒートパイプを主たる構成要素として構成されてあることを特徴とする多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器。」

2.引用文献等に記載の発明
これに対して、周知例として引用した特公平6-97147号公報(以下、「周知例1」という。なお、拒絶査定において特公平6-67147号公報と記載したが、これは請求人も認めるとおり特公平6-97147号公報の誤記である。)には、図面とともに次のように記載されている。

「本発明に係るループ型細管ヒートパイプは第1図に例示の通り次の如く構成される。細管の両端末が相互に連結されて流体が管内をループ状に流通することが自在である様に形成されてあるループ型細管コンテナ1の少なくとも1個所の所定の部分は受熱部1-Hとして、残余の部分の少なくとも1個所の所定の部分は放熱部1-Cとして構成されてあり、それらの大部分は受熱部と放熱部とが交互に配設されてあり、ループ型細管コンテナ1、内にはその全内容積に未満の所定量の所定の2相凝縮性作動流体4が封入されてあり、細管の内壁直径は作動流体が常に管内を閉塞した状態で循環又は移動することの出来る最大直径以下の直径であることを特徴とする構造。第1図においてH及びCは夫々受熱手段及び放熱手段を示す。
該構造において封入作動液の所定量が細管コンテナの全内容積に未満であることは受熱部で核沸騰が発生するに必要な気相容積部が必要な為であり、又細管の内壁が作動液が閉塞されたままで循環又は移動出来る直径になっていることは受熱部における核沸騰の蒸気圧に敏感に反応して移動することが出来る様にする為である。」(第2頁第4欄第49行〜第3頁第5欄第18行)、

「本発明に係るループ型細管ヒートパイプは作動流体の軸方向振動による熱伝達を利用するものである」(第4頁第8欄第1行〜第2行)、

「外径1mm内径0.7mmの長尺細管を長径38mm短径18mmの長円形螺旋状に成形しターン数を45ターンとしその細管の両端を流通自在に連結した螺旋蛇行のループ型細管コンテナを2個製作した。又半径9mmの2条の溝を有するフィン高さ13mm、受熱底面50mm×50mmのアルミヒートシンクを準備した。螺旋蛇行のループ型細管コンテナの2個の端部を第5図の如くヒートシンクの条溝にはんだ接着して放熱器を構成した。図においては簡略の為細管コンテナは線図で示してある。又図においてH-Sは受熱用ヒートシンク、1-H、1-H-2は受熱部、1-C-1、1-C-2は放熱部、Cの矢印は冷却手段の冷却風である。……夫々に2相作動流体を内容積の80%封入して第5図の如き本発明に係るループ型細管ヒートパイプを構成して性能を測定した。測定風速は総て3m/sとし、測定態様はボトムヒートモード及びトップヒートモードとした。測定結果は何れの測定モードにおいて本発明に係るループ型細管ヒートパイプの方が性能が勝っており、更に前者がトップヒートモードで性能が低下したのに対し、本発明に係るループ型細管ヒートパイプのトップヒートモードの性能はボトムヒートモードの性能と全く変化がなかった。」(第6頁第11欄第43行〜第12欄第17行)、

また、同じく周知例として引用した特開平4-251189号公報(以下、「周知例2」という。)には、図面とともに次のように記載されている。

「密閉細管コンテナは真空封入されてある所定の2相凝縮性作動流体が、その表面張力によりコンテナ内を常に充填閉塞したままの状態で移動することが出来る様、充分に小さい内径に形成された長尺金属細管で構成されてあり、その所定の複数部分が受熱部として他の所定の複数部分が放熱部として構成されてあり、且つ放熱部は複数の受熱部の間に位置する様構成されてあることを特徴とするマイクロヒートパイプ。」(特許請求の範囲の請求項1)、

「図3においてループ型細管コンテナ2は充分に細い内径になっており、それに因り細管コンテナ内に封入されてある2相凝縮性作動液は図の如くその表面張力によって常に管内を閉塞したままの状態で循環又は移動する。又該ループ型細管ヒートパイプにおいても受熱部2-Hと放熱部2-Cとは夫々少なくとも一個所に配設される。然しこれ等の配設個所は実用的には夫々複数個所であることが望ましく、出来得れば夫々多数個所であることがより望ましい。更に他の条件として放熱部2-Cは常に複数の受熱部2-Hの間に位置していることが必須条件である。又作動流体4の封入量は通常図2のループ型細管ヒートパイプでは細管コンテナの全内容積の20%〜50%が適量であるのに対し、図3の該ループ型細管ヒートパイプにおいては全内容積の30%〜95%の作動液が適量として封入される。」(第2頁第2欄第33行〜第48行)、

「図3に於いて受熱手段Hにより受熱した受熱部2-Hにおいては夫々に核沸騰が発生し、それにより圧力波が発生し、同時に断続する蒸気泡群が発生する。各受熱部2-Hで発生した圧力波と蒸気泡群の圧力とは相隣接する受熱部間の細管コンテナ内を閉塞する状態で封入されてある作動流体を時には同時に押し合い、時には同時に引き合い、時には一方から他方へ押圧し、又時には一方から他方に吸引して、振動状態となる。管路はループをなしているから受熱部2-Hが多数である場合は相互に増幅したり干渉したりするが結果的には振動は増幅されループ内の総ての作動流体が軸方向の振動状態となる。」(第3頁第3欄第11行〜第22行)、

「第3図のループ型細管ヒートパイプは基本的には作動流体の軸方向振動によって顕熱として大部分の熱量を輸送し、副次的には蒸気泡の緩速度循環により潜熱として熱量を運搬する。」(第3頁第3欄第33行〜第36行)、

「該ループ型細管ヒートパイプは主として作動流体の軸方向振動により熱輸送がなされるから作動流体封入量が80%以上ではトップヒート、ボトムヒート、水平ヒートの各受熱モードで熱輸送能力が殆ど変化しない点で従来型の逆止弁付ループ型細管ヒートパイプより優れている。」(第3頁第3欄第46行〜第4欄第1行)、

上記の記載及び図面のからみて周知例1及び周知例2には、「長さ方向に配置された貫通細孔を有する長尺の可撓性金属管における両端末が相互に連結されてあり、これらの密閉細管コンテナ内にはその内容積に未満の所定量の、所定の2相凝縮性作動流体が真空密封されて、ヒートパイプとして構成してある、可撓性金属管ヒートパイプにより構成された熱交換器であって、この可撓性金属管ヒートパイプは螺旋形状をも含む蛇行形状に成形されて、これにより高温受熱部と低温放熱部の間を往復蛇行せしめられてあり、作動流体の核沸騰発生群と作動流体蒸気の凝縮部群を有し、作動流体の軸方向振動を主たる熱量輸送の手段とする熱交換装置として構成されてある上述の可撓性金属管ヒートパイプを主たる構成要素として構成されてあることを特徴とする可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器」がそれぞれ記載されており、このような可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器は、よく知られたものであって周知のものと認められる。

また、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭62-12992号(実開昭63-121491号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次のように記載されている。

「第1図に示すように、密閉筺体用熱交換器1は、ケーシング2内の下部に設けられた吸熱室3、上記ケーシング2内の上部に設けられて上記吸熱室3と仕切板4で遮断された排熱室5、蛇行状に形成された押出偏平多孔管からなり上記仕切板4を貫通して吸熱室3と排熱室5とに渡って設けられたヒートパイプ6、該ヒートパイプ6に配設されたコルゲートフィン10、上記吸熱室3と近接して配設され密閉筺体内部の空気をヒートパイプ6の吸熱室側部分の偏平方向に沿って送風する吸熱用送風機11および上記排熱室3と近接して配設され密閉筺体外部の空気をヒートパイプ6の排熱室側部分の偏平方向に沿って送風する排熱用送風機12から構成されている。……なお、仕切板4、ヒートパイプ6およびコルゲートフィン10の材質は、いずれも純アルミニウムもしくはアルミニウム合金である。」(明細書第8頁第17行〜第9頁第17行)、

「ヒートパイプ6は、押出偏平多孔管を蛇行形状に加工して成り、一端側はヘッダ管部13を、一方、他端側は封止部14を形成している。該ヒートパイプ6の内部は、一例として第3図の横断面図に示すように、中仕切壁31a,31b,31c,31d,31e,31fにより7個の管32a,32b,32c,32d,32e,32f,32gに分割されている。」(同第9頁第18行〜第10頁第6行)、

「ヘッダ管41には、注入管42が接続され、該注入管42からフレオンもしくはアルコール等の作動流体がヒートパイプ6内部に注入される。」(同第10頁第10行〜第12行)、

「封止部14は、第5図の縦断面図に示すように、ヒートパイプ6の端部51を溶接により封止し、さらに各中仕切壁31a,31b,31c,31d,31e,31fを除去して、液溜り部52を形成している。」(同第10頁第17行〜第11頁第1行)、

「なお、偏平多孔管から成るヒートパイプが送風方向と平行に設置されているため、空気流通時の圧力損失が少なくなり、所定の風量を比較的容易に確保できると共に、偏平多孔管から成るヒートパイプの偏平方向に沿って空気を円滑に流通させて、単位容積当たりの熱交換能力を向上することができる。」(同第7頁第11行〜第17行)、

「さらに、ヒートパイプが偏平多孔管を蛇行状に形成したものであるから、複数の円管を多段に配列した場合と比べて接合部が少ない。このため、組立工数を低減できる」(同第18頁第11行〜第14行)、

これら記載事項及び図面の記載からみて、引用文献1には、
「純アルミニウムもしくはアルミニウム合金を素材とし、長さ方向に平行並列に整列配置された多数の管32a,32b,32c,32d,32e,32f,32gを有する長尺の可撓性偏平多孔管における、その両端末が密閉され、これにより形成される密閉細径トンネル群は所定の手段により相互に連結されてあり、これらの密閉細径トンネル群内には、所定量の、フレオンもしくはアルコール等の作動流体が封入されて、ヒートパイプ6として構成されてある、可撓性偏平多孔管ヒートパイプにより構成された密閉筺体用熱交換器であって、この可撓性偏平多孔管ヒートパイプは蛇行形状に成形されてこれにより高温受熱部と低温放熱部の間を往復蛇行せしめられた、上述の可撓性多孔偏平管ヒートパイプを主たる構成要素として構成されたことを特徴とする多孔偏平管ヒートパイプ式熱交換器」が記載されている。

3.対比
本願発明と上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器とを対比すると、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器における「貫通細孔」、「密閉細管コンテナ」、「2相凝縮性作動流体」、「ヒートパイプ」、「熱交換器」、「作動流体」は、その機能に照らし、本願発明における「貫通細孔」、「密閉細径トンネル」、「二相凝縮性作動液」、「ヒートパイプ」、「熱交換器」、「作動液」にそれぞれ相当する。

したがって、上記両者は、
「長さ方向に配置された貫通細孔を有する長尺の可撓性金属管における両端末が相互に連結されてあり、これらの密閉細径トンネル内にはその内容積に未満の所定量の、所定の二相凝縮性作動液が真空封入されて、ヒートパイプとして構成されてある、可撓性金属管ヒートパイプにより構成された熱交換器であって、この可撓性金属管ヒートパイプは螺旋形状をも含む蛇行形状に成形されて、これにより高温受熱部と低温放熱部の間を往復蛇行せしめられてあり、作動液の核沸騰発生部群と作動液蒸気の凝縮部群を有し、作動液の振動を主たる熱量輸送の手段とする熱交換装置として構成されてある上述の可撓性金属管ヒートパイプを主たる構成要素として構成されてあることを特徴とする金属管ヒートパイプ式熱交換器」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明では、軽金属を素材とし、長さ方向に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有する長尺の可撓性扁平金属管、または同じ構造の可撓性扁平金属管の管外周に微細フィン群が形成され或いは装着されてある長尺の可撓性扁平金属管、の何れかにおける、その両端末が溶接密閉され、これにより形成される密閉細径トンネル群は所定の手段により相互に連結されてあり、これらの密閉細径トンネル群内にはその内容積に未満の所定量の、所定の二相凝縮性作動液が真空封入されて、ヒートパイプとして構成されてある、可撓性扁平金属管ヒートパイプにより構成された熱交換器であるのに対し、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器では、長さ方向に配置された貫通細孔を有する長尺の可撓性金属管における両端末が相互に連結されてあり、これらの密閉細径トンネル内にはその内容積に未満の所定量の、所定の二相凝縮性作動液が真空封入されて、ヒートパイプとして構成されてある、可撓性金属管ヒートパイプにより構成された熱交換器である点。

[相違点2]
本願発明では、蛇行形状に再成形されているのに対し、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器では、蛇行形状に成形されてはいるが、蛇行形状に再成形されているとの記載はない点。

[相違点3]
本願発明は、多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器であるのに対し、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器は、単に可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器である点。

4.当審の判断
そこで、上記相違点について以下検討する。

[相違点1]について
引用文献1に記載された発明における「純アルミニウムもしくはアルミニウム合金」、「多数の管32a,32b,32c,32d,32e,32f,32g」、「可撓性偏平多孔管」、「密閉細径トンネル群」、「フレオンもしくはアルコール等の作動流体」、「ヒートパイプ6」、「可撓性偏平多孔管ヒートパイプ」、「密閉筺体用熱交換器」、「多孔偏平管ヒートパイプ」は、その機能に照らし、本願発明における「軽金属」、「多数の貫通細孔」、「可撓性扁平金属管」、「密閉細径トンネル群」、「所定の二相凝縮性作動液」、「ヒートパイプ」、「可撓性扁平金属管ヒートパイプ」、「熱交換器」、「多孔扁平金属管ヒートパイプ」にそれぞれ相当する。したがって、引用文献1には、「軽金属を素材とし、長さ方向に平行並列に整列配置された多数の貫通細孔を有する長尺の可撓性扁平金属管における、その両端末が密閉され、これにより形成される密閉細径トンネル群は所定の手段により相互に連結されてあり、これらの密閉細径トンネル群内には所定量の、所定の二相凝縮性作動液が真空封入されて、ヒートパイプとして構成されてある、可撓性扁平金属管ヒートパイプにより構成された熱交換器であって、この可撓性扁平金属管ヒートパイプは螺旋形状をも含む蛇行形状に成形されて、これにより高温受熱部と低温放熱部の間を往復蛇行せしめられた、上述の可撓性多孔扁平金属管ヒートパイプを主たる構成要素として構成されてあることを特徴とする多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器」が記載されている。

そして、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器と引用文献1に記載された多孔偏平管ヒートパイプ式熱交換器は、ともにヒートパイプ式熱交換器の分野に属するものであって、同じ技術分野に属し、しかも、引用文献1に記載された技術を、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器に適用するのに、その適用を阻害する要因もないことから、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器に引用文献1に記載された技術を適用すること、そして、その際に、引用文献1に記載された多孔偏平管ヒートパイプ式熱交換器では、多数の貫通細孔を有する長尺の可撓性扁平金属管の一端のみが溶接密閉され、他端はヘッダ管41が接続されているが、多数の貫通細孔を有する長尺の可撓性扁平金属管の両端を引用文献1に記載の一端と同様に溶接密閉して適用することは、当業者が必要に応じて適宜採用し得る設計上の事項にすぎないものと認められるから、このように構成を変更し適用すること、すなわち、[相違点1]における本願発明の構成とすることは、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器及び引用文献1に記載された技術に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。

[相違点2]について
上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器及び引用文献1に記載された多孔偏平管ヒートパイプ式熱交換器はともに蛇行形状に成形することが記載され、さらに蛇行形状への成形をどの時点で行うかは当業者が適宜選択し得る設計上の事項と認められるから、蛇行形状への成形を[相違点2]における本願発明のようになすことは当業者が容易に想到し得たことである。

[相違点3]について
上記「[相違点1]について」で記載したとおり、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器に引用文献1に記載された技術を適用し、多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器とすることが容易であるから、当然に[相違点3]における本願発明とすることも容易である。

そして、本願発明が奏する作用、効果も、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器及び引用文献1に記載された発明から当業者が予測できる範囲のものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、上記周知の可撓性金属管ヒートパイプ式熱交換器及び引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-01-05 
結審通知日 2005-01-11 
審決日 2005-01-26 
出願番号 特願平7-196919
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F28D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 丸山 英行  
特許庁審判長 水谷 万司
特許庁審判官 佐野 遵
櫻井 康平
発明の名称 多孔扁平金属管ヒートパイプ式熱交換器  

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