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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1114016
審判番号 不服2000-14967  
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-05-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-09-21 
確定日 2005-03-17 
事件の表示 平成 6年特許願第279813号「遊技場管理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 5月14日出願公開、特開平 8-117427〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成6年10月20日の出願であって、平成12年7月28日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月21日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年10月2日付で手続補正がなされたものである。

第2.平成12年10月2日付の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成12年10月2日付の手続補正を却下する。

1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】 パチンコ遊技機と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、予め識別コードが記憶されている識別カードから識別コードを読み込む識別コード読み込み装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、表示を行うための表示部及び該表示部と一体の接触式操作入力部とを備えた情報表示・操作入力装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、前記パチンコ遊技機、識別コード読み込み装置及び情報表示・操作入力装置に接続された台コンピュータと、前記台コンピュータと通信接続されたホストコンピュータとを有し、
前記台コンピュータは、前記識別コード読み込み装置に前記識別カードが挿入されると該識別カードから識別コードを読み込み、前記識別コードを前記ホストコンピュータに送信し、前記ホストコンピュータは、前記識別コードを受けると、前記識別コードに対応して予め記憶されている暗証番号及び貯玉残高を読み出して前記台コンピュータに送信し、前記台コンピュータは、前記暗証番号及び貯玉残高を受けると、前記情報表示・操作入力装置への暗証番号の操作入力を要求し、前記情報表示・操作入力装置から操作入力された暗証番号を受けると、前記情報表示・操作入力装置から入力された暗証番号が前記ホストコンピュータから送られた暗証番号に一致するか否かを判別し、一致している場合に、前記情報表示・操作入力装置への飲物のサービス要求入力を受け付け、前記情報表示・操作入力装置への飲物のサービス要求入力操作に基づき、前記ホストコンピュータから送られた前記貯玉残高からサービス要求項目に対応する対価玉数を差し引いて前記ホストコンピュータに対して飲物のサービス要求信号を送出することを特徴とする遊技場管理装置。」
(以下、「本願補正発明」という。)と補正された。
上記補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「所定のサービス要求入力」、「所定のサービス要求入力操作」及び「所定のサービス要求信号」を、「飲物のサービス要求入力」、「飲物のサービス要求入力操作」及び「飲物のサービス要求信号」とそれぞれ限定するものであって、平成6年改正前特許法第17条の2第3項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本願補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成6年改正前特許法第17条の2第4項において読み替えて準用する同法第126条第3項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.刊行物記載の発明
刊行物1:特開平3-242173号公報
刊行物2:PCT国際公開第94/10658号パンフレット

(1)刊行物1:特開平3-242173号公報
原査定の拒絶の理由に引用例1として引用された、本願の出願日前である平成3年10月29日に頒布された刊行物である特開平3-242173号公報には、図面と共に以下の事項が記載されている。
(1-1)「第1図に本発明を適用したパチンコ遊技システムの一実施例を示す。
この実施例のパチンコ遊技システムは、遊技機としてのパチンコ機100と、各パチンコ機における遊技を開始させるためローカルな有価価値を有する記憶媒体としてのカードCDを発行する記憶媒体発行装置としての発行機200と、遊技の結果得られた賞品球および遊技に使用せずに残った購入金を精算するための記憶媒体精算装置としての精算機300と、上記各種端末機を集中的に管理し、制御する管理装置400と、この管理装置400と各端末機を有機的に結合するデータ伝送路500とからなり、これらによって、有機的結合体が構成される。この有機的結合体は、上記カードCDによってのみ介入が可能とされ、かつ有機的結合体によってのみカードの運用とその有価データの変換が可能となっている。そのため、有機的結合体の各構成要素たるパチンコ機100、発行機200、精算機300および管理装置400には、それぞれカードリーダ(この明細書では、カードの磁気面への書込みを行うものもカードリーダと称する)が設けられているとともに、カードの情報および各端末機の情報は、管理装置400の記憶装置内にファイルの形で記憶されるようになっている。」(第2ページ右下欄第10行〜第3ページ左上欄第14行)
(1-2)「第2図(E)には、カードに設けられた磁気記録部MGの構成例を示す。
この実施例のカードの磁気記録部MGは2つのトラックで構成され、このうち、第1のトラックTRC1にはサンプリングタイミングを与えるクロックデータを記録する。第2のトラックTRC2は、左から順に4ビットの開始符号とそのパリティビットの入るフィールドSTX、カードリーダの製造元を示す企業コードMKCとカードリーダの機種を示す機器コードMCC、遊技店の識別コードDSC、年月日データDATE、カード番号No、カード発行時にカードリーダから与えられる発行指令コードFNCおよび真偽鑑別領域から読み取られたセキュリティデータSDCの入るテキストフィールドTXT、テキスト終了符号の入るフィールドETX、テキストデータと終了符号との排他的論理和の値(検出符号)の入るフィールドLRCと開始符号の入るフィールドSTXとから構成されている。しかも、年月日データDATEは、4ビットごとにそれぞれのパリティを示すビットPが設けられているとともに、最初の4ビットで「月」を、第6〜第9ビットと第11ビットとで「日」を、そして第12〜第14ビットおよび第16〜第19ビットで西暦の下2桁を2進コード化してそれぞれ記録するようになっている。」(第4ページ右上欄第12行〜左下欄第17行)
(1-3)「さらに、上述したように、この実施例のカードの磁気記録部に記録される情報は、カードの使用可能空間を特定するための識別コードDSCと、カードの有効期間を示すための発行年月日DATEと、発行通し番号nから適当な関数もしくは変換方式を使って得られる識別符号としてのカード番号と、エラー検出用のチェックコードのみであり、購入金額や持玉数は記録されないようになっている。これらは、上記カード番号NOによって管理装置400のデータファイルからリアルタイムで引出し可能な構成にしてある。これによって、カードのコピーによる不正を防止し、かつ不正による被害を最小限にとどめることができる。つまり、カードがコピーされてもデータファイル内に登録されている購入金額と獲得玉数以上の被害は生じないので、カードをコピーするのは全くの無駄な行為となる。」(第4ページ右下欄第9行〜第5ページ左上欄第5行)
(1-4)「この実施例の遊技機はパチンコ機100と、該パチンコ機と1対1で対応されて遊技機本体上方の島設備等に配置され、主として表示器とカードリーダに関する制御と遊技中の稼動データの収集を司る制御ユニット160とにより構成される。」(第5ページ右上欄第2〜6行)
(1-5)「第13図はこのようにして前面枠108の裏面にフレーム106とフレームボード109を取り付けた状態を示しており、フレーム106に保持された遊技盤の裏面には更に入賞球集合樋131が装着され、またフレームボード109の下方にはパチンコ機制御装置195が配設されている。さらに、フレーム106および入賞球集合樋131の裏面には遊技の制御装置158や中継基板159が装着されている。
第14図〜第16図に、パチンコ機100と別個に構成された制御ユニット160の実施例が示されている。
この実施例の制御ユニット160は、収納枠161の前面にパチンコ機の状態を示す状態表示器162と、複数個のランプが一列に整列されてなるアナログ表示器163、入賞球発生表示用のセーフ球ランプ164、係員呼出し用の呼出しボタン165等を有している。上記アナログ表示器163は、遊技中の持玉数をアナログ的に表示したり、打止め状態やフリー状態を同時点滅と移動点滅で表示するのに用いられる。
また、収納枠161内にはスピーカ166とカードリーダ800が内蔵され、収納枠前面にはカードリーダ800のカード挿排口802aが露出されており、この挿排口802aの上方にはカードリーダ内にカードがあるか否か示すカード保持表示ランプ167(LED1)が、カード挿排口802aの下方には制御ユニット160にカードを挿入可能な状態にあるか否か表示するカード挿入表示ランプ168が配置されている。」(第8ページ左上欄第6行〜右上欄第15行)
(1-6)「さらに、収納枠161内には、カードリーダ800と、制御ユニット160全体の制御を司るユニットコントローラ190や伝送手段、モニタ表示器174,175,176を有するユニット制御装置180とカードリーダ制御装置188および電源装置177が内蔵されている。」(第8ページ左下欄第17行〜右下欄第2行)
(1-7)「なお、制御ユニット160内のユニット制御装置180は、光ファイバもしくは同軸ケーブルのような伝送路によって、パチンコ機100の制御装置195に、また後述の伝送コントローラおよびローカルネットワーク(伝送ケーブル)を介して管理装置400に接続される。」(第9ページ左上欄第7〜12行)
(1-8)「パチンコ機制御装置195は、マイクロコンピュータからなるパチンコ機コントローラCPU1と、このコントローラCPU1から出力される定期的なウォッチドッグパルスを監視してパルスが途切れたときにリセット信号を発生するリセット回路RST1と、ユニット制御装置180との間の光データ伝送を可能にするためパレラレル送信データをシリアルデータに変換する並直変換手段およびシリアル受信データをパラレルデータに変換する直並変換手段を備えた多重伝送コントローラCNT1と、光コネクタ193を介して光ケーブル191と接続される光電変換回路OETと、各種センサからの検出信号のノイズをカットするフィルタ回路FLT、金額表示器111や玉数表示器112への表示データをデコードするデコーダDEC1,DEC2やその出力に基づいて表示器の駆動信号を形成するドライバDRV1,DRV2と、購入ランプ121や遊技状態表示ランプ123、打球発射装置103の駆動信号を形成するドライバDRV3とにより構成されている。
このパチンコ機制御装置195におけるセンサからの検出信号の処理に関しては、単に検出信号からノイズを除去し一定のパルス幅に整形してから発射球やセーフ球等の検出データとしてユニット制御装置180へ送る。つまり、パチンコ機制御装置195側ではセーフ球数等の演算は行わず、そのような演算はユニット制御装置180の側で行うようになっている。」(第10ページ右上欄第7行〜左下欄第14行)
(1-9)「上記のごとくユニット制御装置180は、管理装置400、カードリーダ制御装置188、パチンコ機制御装置195の三方に情報交換の窓口を有しており、管理装置400の制御下のもとにカードでパチンコ遊技をさせるための制御をするとともに、遊技結果として発生するパチンコ機遊技情報を定期的に管理装置に送信するソフトウェアを有している。」(第12ページ左上欄第4〜11行)
(1-10)「上記カード取出装置710によってタンク701から取り出されたカードは、カードリーダ800で磁気記録部への識別コードやカード番号等の書込みが行なわれ、かつ内部のパンチ装置820で発行穴穿孔位置にパンチ穴が開けられてから後方のカード反転装置740へ送り出される。カードリーダ800の下方には穿孔片すなわちパンチ屑を収納するケース705が配置されている。」(第22ページ左下欄第12〜19行)
(1-11)「管理装置400は、ミニコンクラスの中央処理装置CPUや半導体メモリ(RAM)からなる主記憶装置M-MEM、伝送制御装置SCC等が格納されたマスタ制御装置401と、このマスタ制御装置401の上部に設けられた補助記憶装置としてのフロッピディスク記憶装置402、ハードディスク記憶装置403とパーソナルコンピュータ410とにより構成されている。」(第35ページ右下欄第4〜11行)
(1-12)「第77図に、カード発行機200によるカードの発行処理の手順が示されている。・・・カード発行装置はカードタンクよりカードを1枚取り出してカードリーダ800へ供給し、磁気記録部にカード番号を記録させ、待機する(ステップS5542)。・・・管理装置400がこの“カード購入”パケットを受信すると、パケット内のカード番号、購入金額および発行通し番号を確認して実際のカード購入であると判定すると、発行通し番号を使って検索したカードファイルに金額を書き込んでから“ACK”パケットを送信する(ステップS2545〜S2547)。・・・上記のように、カード発行に際して予めカードの発行予約を行なってカード番号を記録した状態で待機させ、実際の紙幣投入時に購入金額のみ印字して排出させるようにしているので紙幣投入からカード発行までの待ち時間を大幅に短縮させることができる。」(第58ページ左下欄第16行〜第59ページ右下欄第5行)
(1-13)「第78図には、遊技を始めるためパチンコ機100にカードCDが挿入されてから実際に遊技が開始されるまでの手順が示されている。
外部よりパチンコ機上部の制御ユニット180のカード挿排口802aへカードCDが挿入されると、カードリーダ800がパンチ穴およびカードの磁気面に記録されている情報を読み取って、精算済または帰零カードを排除しそれ以外のカードについては年月日と識別コード(店番号)を確認して、日付またはコードが一致しないときにはそのままカードを排出し、一致した場合にはカード番号をユニットコントローラ190へ転送する。すると、ユニットコントローラ190はカード番号を受け取ってユニットメモリ550内のコマンドレジスタCR1にカードが挿入されたことを示すコマンドを、また送信データエリアにカード番号を書き込んで“カードイン”パケットの送信要求を行なう(ステップS5551)。データ伝送コントローラ551はヘッド部に“カードイン”なるコードを持ち、データ部にカード番号を入れたパケットを低層ネットワークを介してNAU530へ送信し、NAU530がそれを受信すると、高層ネットワーク用のヘッドを頭に付けて管理装置400へ送信する(ステップS4551,S3551)。
管理装置400がNAU530からカード番号を受け取ると、カード番号から発行通し番号nを算出し、主記憶装置M-MEM内のカードファイルFL3より該当するカードのデータを読み取る(ステップS2551〜S2553)。そして、ファイル内のカード番号と受信したカード番号を照合してカード番号が一致しない場合、あるいはカードファイル内の中のカード状態をチェックして、遊技を開始させるのが妥当でないと判断した場合(精算済カード等の場合)には、応答拒否信号たる“NAK”パケットを送信する(ステップS2554〜S2556)。すると、NAU530がそのパケットを受信して高層ネットワーク用のヘッド部を除去して低層ネットワーク510に送り、指定されたユニットのデータ伝送コントローラ551が“NAK”を受信して、ユニットメモリ550内のコマンドレジスタCR2に応答が拒否されたことを示すコマンドを書き込む(ステップS3552,S4552)。これをユニットコントローラ190が読み取って応答拒否を確認し、カードリーダ800からカードを排出させる(ステップS5552)。
一方、中央処理装置において、カードが適正なものと確認されると、カードファイルFL1とP機ファイルFL2(表24、表26)を更新する。すなわちカード状態を「フリー状態」から「遊技中」に更新し、また、カードの所在する端末(パチンコ機)の台番号やカード番号を、該当するテーブルに書き込んだ後、カードテキスト(金額、持玉数等)を付けて応答信号たる“ACK”パケットを送信する(ステップS2557,S2558)。
指定されたNAU530がこのパケットを受信すると、高層ネットワーク用のヘッド部を除去して低層ネットワーク510に送り出し、指定されたユニットのデータ伝送コントローラ551がこれを受信すると、ユニットメモリ550内のコマンドレジスタCR2に「カードイン」なるコマンドを入れ、受信データエリアにカードテキストを入れる(ステップS3553〜S4553)。
そして、ユニットコントローラ190がユニットメモリ550の内のコマンドを読み取って応答があったことを確認すると、カードリーダ800内にカードを保持させたまま、遊技制御を開始させユニットメモリ550の送信データエリアSDA内の稼動情報を「遊技中」に変更すると共に、玉数表示器112と金額表示器111にカードの持玉数と金額を表示させ、また金額がゼロでない場合には購入可表示ランプ121を点灯させて購入可能状態を表示させる(ステップS5553,S5554)。」(第59ページ右下欄第6行〜第60ページ右下欄第1行)

これらの記載によれば、刊行物1には、
「パチンコ機100と、
前記パチンコ機100と1対1で対応されて配置され、予めカード番号を記録したカードからカード番号を読み取るカードリーダ800、パチンコ機100の状態を示す状態表示器162、遊技中の持玉数をアナログ的に表示したり打止め状態やフリー状態を同時点滅と移動点滅で表示するアナログ表示器163、入賞球発生表示用のセーフ球ランプ164、係員呼出し用の呼出しボタン165、ユニットコントローラ190を有するユニット制御装置180、カードリーダ制御装置188、電源177を収納枠161に内蔵し、パチンコ機100の制御装置195に接続された制御ユニット160と、
前記制御ユニット160内のユニット制御装置180に伝送コントローラ及びローカルネットワークを介して接続され、主記憶装置M-MEM、マスタ制御装置401、フロッピディスク記憶装置402、ハードディスク記憶装置403、パーソナルコンピュータ410により構成される管理装置400とを有し、
制御ユニット160のカード挿排口802aへカードが挿入されると、カードリーダ800がカードの磁気面に記録されている情報を読み取ってカード番号をユニットコントローラ190へ転送し、ユニットコントローラ190は前記カード番号を受け取るとNAU530を介して前記カード番号を前記管理装置400へ送信し、
前記管理装置400は前記カード番号を受け取ると、主記憶装置M-MEM内のカードファイルFL3より該当するカードのデータを読み取り、ファイル内のカード番号と受信したカード番号を照合して前記カードが適正なものと確認されると、カード状態をフリー状態から遊技中に更新し、台番号、カード番号、金額、持玉数等を含む応答信号を送信し、
前記ユニットコントローラ190は応答を確認すると稼動情報を遊技中に変更すると共に購入可能状態とするパチンコ遊技システム。」
の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

(2)刊行物2:PCT国際公開第94/10658号パンフレット
(特表平8-503087号公報参照)
原査定の拒絶の理由に引用例2として引用された、本願の出願日前である平成6年5月11日に頒布された刊行物であるPCT国際公開第94/10658号パンフレットには、図面と共に以下の事項が記載されている。なお、対応する特表平8-503087号公報の記載を括弧内に記載する。

(2-1)「The invention has particular but not exclusive
application to a secure access control system for use in gaming
establishments such as casinos and for illustrative purposes
reference will be made herein to such an application. However it
is to be understood that this invention can be used in many other
applications, such as for example restricted area security,
automatic teller machines, medical records, information retrieval
etc, where control of access to only authorised users is
important.」(第1ページ第5〜14行)
(「本発明はカジノのようなゲーム施設における用途のための安全なアクセスの制御システムへの特殊ではあるが限定的ではない応用例を有し、例示の目的でそのような応用例に関連するであろう。しかしながら、本発明は他の多くの応用例、例えば、限定された領域での防衛手段、自動預金支払機、医療記録、情報検索など承認されたユーザのみへのアクセス制御が重要であるもののような応用例に使用され得ることが理解されるべきである。」(第5ページ第5〜10行))
(2-2)「As used herein the expression "key assembly" includes
devices for permitting access by a user to a secure access system
upon correct use of the device by the user. Cards and keys are
examples of key assemblies.」(第3ページ第10〜13行)
(「ここで使用されるように、「鍵アセンブリ(key assembly)」という表現は、ユーザによる装置の正しい使用の際に安全なアクセスシステムへのユーザによるアクセスを許可するための装置を含む。カードおよび鍵は鍵アセンブリの具体例である。安全なアクセスの制御システムは中央コンピュータアセンブリ、およびアクセス制御アセンブリから中央コンピュータアセンブリヘデータを転送するための通信手段を含むことができる。」(第7ページ第5〜10行))
(2-3)「An access control assembly may verify a user's
identification by comparing a PIN entered by the user with a PIN
stored in the key assembly data storage means.」(第3ページ第36〜38行)
(「アクセス制御アセンブリは鍵アセンブリのデータ格納手段に格納されたPINとユーザにより入力されたPINを比較することによりユーザの同一性を照合することができる。」(第7ページ第25〜27行))
(2-4)「FIG 2 shows a front view of the face 21 of user
interface 13. (In this embodiment the keyboard 19 forms part of
the interface unit 13.) A liquid crystal display 20 is provided
for conveying information to the user. For example, the display
may prompt the user to take necessary action to progress
the identification process.
In this embodiment the user is also provided with a PIN number
which is entered by keyboard 22 before access to the secure
system 16 is enabled. The use of both a PIN number and the visual
identification technique increases the security of the system.
In use, the display 20 can prompt the user to insert the key 14
into the slot 18. The user will then be asked to input the PIN
number on the keyboard 22. If the PIN number is correct,
the apparatus will proceed to the visual identification stage.
A switch 23 is provided to cause the camera 17 to be activated
to take a frame. The switch 23 may be activated by the user.
A frame is taken by the CCD unit, converted to digital and
transferred to the processor unit 15. The lighting conditions
at the site are then altered (darker or lighter) and a second frame
is taken by the CCD unit. A light sensor 24 is provided to detect
lighting conditions. This frame is also converted to digital and
transferred to the processor unit 15. The change of light
conditions ensures that the diameter of the pupil of the eye of
the user will change. This is a test to ensure that the face is
that of a real person and not a photograph. The processor will
determine whether the pupil diameter has changed and if there has
been no change, access to the secure system 16 will be denied.
If pupil identification has changed the visual identification
process will proceed.
The image stored in the key and obtained by interface unit 13 is
transferred to the processor means 15. A comparison is then
carried out between the image from the unit 12 and the image from
the interface unit 13.
The flow chart of FIG 3 is illustrative of the above process.
FIG 4 is a detailed schematic block diagram of a secure
access control system in accordance with the invention.
A key assembly, user carriable device or memory storage device 25
includes data processing assembly 26 having a central processor or
digital processing device 27 and data storage means 28 for storing
identification data 29 and image data 30. Interface 31 provides
communication between key assembly 25 and an access control
assembly 33.
Access control assembly 33 includes a data processing assembly 44,
user interface assembly or interface unit 45, receiving means 38
for receiving key assembly 25, and identity verification means 39.
Data processing assembly 44 is controlled by a central
processor 34 and includes data storage means 35. User interface
assembly 45 includes input means in the form of keypad 36 and
information display means 37 in the form of a liquid crystal
display as previously described. Receiving means or keyslot 38
includes an interface 32 for providing communication with key
assembly 25. Identity verification means 39 in the form of processor
means adapted to compare information is associated with a sensing
means, sensor or visual sensing unit in the form of a camera 40
as previously described. Image display means 46 in the form of
a video screen is provided at the access control assembly 33
to display a screen picture of the face of the legitimate holder of
the key assembly 25. Interface means 41 is adapted to provide
communication between access control assembly 33 and other access
control assemblies and a central computer assembly or control
unit 42 via communication bus 43.」(第9ページ第15行〜第11ページ第9行)
(「図2はユーザインターフェイス13の表面12の正面図である(この実施例では、キーボード19はインターフェイスユニット13の部分を形成する)。ユーザへ情報を送るために液晶表示部20が備えられる。例えば、表示部は、ユーザが識別過程を進めるのに必要な行動をとるよう促してもよい。
この実施例では、ユーザは、安全システム16へのアクセスが可能になる前にキーボード22により入力されるPIN番号をも備えている。PIN番号および視覚的識別技術の使用はシステムの安全性を高める。
使用する際、表示部20はユーザがスロット18の中に鍵14を挿入するよう促す。次いで、ユーザはキーボード22でPIN番号を入力するよう求められるであろう。もしPIN番号が正しいのであれば、装置は視覚的識別段階へ進行するであろう。スイッチ23はカメラ17が映像を取る動作を生じるように備えられる。スイッチ23はユーザにより作動されてもよい。映像はCCDユニットにより取られ、デジタルに変換されてプロセッサ15へ転送される。次いで、その場所の照明条件は変更され(より暗くまたはより明るく)、第2のの映像がCCDユニットにより取られる。光センサ24は照明条件を検知するために備えられる。この映像もまたデジタルに変換されてプロセッサ15へ転送される。照明条件の変化はユーザの目の瞳孔の直径が変わることを確実にする。これはその顔が現実の人のものであり写真ではないことを保証するテストである。プロセッサは瞳孔の直径が変化したかどうかを測定し、もし変化がなければ安全システム16へのアクセスは否定されるであろう。もし瞳孔の識別が変化するならば、視覚的識別過程は進行するであろう。
鍵に格納され、インターフェイスユニット13により得られるイメージは処理手段15へ転送される。次いで、ユニット12からのイメージとインターフェイスユニット13からのイメージとの比較が行われる。
図3のフローチャートは上記の過程を説明するものである。
図4は本発明による安全なアクセス制御システムの詳細な概要ブロック図である。鍵アセンブリ、ユーザが持ち運び可能な装置、またはメモリ格納装置25は、中央プロセッサまたはデジタルプロセッサ27と、識別データ29およびイメージデータ30を格納するためのデータ格納手段28とを有するデータ処理アセンブリ26を含む。インターフェイス31は鍵アセンブリ25とアクセス制御アセンブリ33との間の通信を提供する。
アクセス制御アセンブリ33は、データ処理アセンブリ44、ユーザインターフェイスアセンブリまたはインターフェイスユニット45、鍵アセンブリ25を受け入れるための受け入れ手段38、および同一性照合手段39を含む。
データ処理アセンブリ44は中央プロセッサ34により制御され、データ格納手段35を含む。ユーザインターフェイスアセンブリ45はキーパッド36の形式の入力手段と、前述されたような液晶表示の形式の情報表示手段37とを含む。
受け入れ手段または鍵スロット38は鍵アセンブリ25との通信を提供するためのインターフェイス32を含む。情報を比較するように適応したプロセッサの形式の同一性照合手段39は、検出手段、センサ、または前述したようなカメラの形式の視覚的検出ユニット40と連関している。ビデオスクリーンの形式のイメージ表示手段46はアクセス制御アセンブリ33に備えられ、鍵アセンブリ25の正当な保持者の顔のスクリーン画像を表示する。インターフェイス手段41は、通信バス43を介してアクセス制御アセンブリ33および他のアクセス制御アセンブリ並びに中央コンピュータアセンブリまたは制御ユニット42間の通信を提供するように適応している。」(第12ページ第22行〜第14ページ第10行))
(2-5)「The paging function enables services to be provided to
users of the machine 49 without the users needing to leave their
seat by the machine. Keyboard means such as keys 53 as described
with reference to FIGS 7 and 8 and associated with the access
control assembly 57 are actuable to instigate a paging function to
call a service operator to attend to the needs of the user,
depending upon the key actuated on the user assembly 45.」(第12ページ第26〜33行)
(「ページング機能はユーザが機械のそばのシートを離れることなく機械49のユーザにサービスを提供することを可能とする。図7および8を参照して説明され、アクセス制御アセンブリ57と連携するキー53のようなキーボード手段は、ユーザアセンブリ45において作動されるキーに応じてサービスオペレータを呼び出してユーザの要求に応じるようにページング機能を促すよう作動することができる。」(第15ページ第16〜21行))
(2-6)「To obtain access to the machine 49, the user inserts
intelligent key 25 into the key slot 65 and enters the PIN number
by actuation of the appropriate keys on the keyboard 66.
The intelligent key 25 contains in its memory credit information
indicating the amount of credit available to the owner of the key
for playing the machines 49. Whether the player has enough credit
on the key will be checked by the unit 64 and if approved the player
will be allowed to play machine 49. The player may play the machine
with any amount of credit available on the key 25. As credit is
entered to play the machine it is debited from the key 25.
Winnings are credited to the memory store on the key.」(第13ページ第20〜32行)
(「機械49へのアクセスを得るためには、ユーザは鍵スロット65の中にインテリジェントキー25を挿入し、キーボード66の適当なキーの作動によりPIN番号を入力する。インテリジェントキー25はそのメモリの中に機械49をプレーするための鍵の所有者に利用可能なクレジット量を示すクレジット情報を含んでいる。プレーヤが鍵に充分なクレジットを持っているかどうかはユニット64により検査され、もし承認されればプレーヤは機械49をプレーすることを許容されるであろう。プレーヤは鍵25で利用可能な何らかのクレジット量を有する機械をプレーすることができる。機械をプレーするためにクレジットが入力されるときこのクレジットは鍵25から貸付される。賞金は鍵のメモリにクレジットされる。」(第16ページ第10〜19行))
(2-7)「If a user requires a service function or a drink
at the machine, the appropriate button 53 on the keyboard is
pressed and a service operator will be paged by the paging system.
The central computer 42 detects that a paging operation is required
and causes the paging CPU 61 to cause a paging transmission
via paging transmitter 62 to page a designated operator by a remote
paging unit. The designated operator can then approach the user
to carry out the required service. If a drink or other service is
to be provided which will cost the user money, the user may pay
for it by debiting credits from his key. This can be done
at the user interface unit 64.」(第14ページ第18〜29行)
(「もしユーザが機械にサービス機能または飲み物を要求するならば、適当なボタン53が押されてサービスオペレータがぺージングシステムにより呼び出されるであろう。中央コンピュータ42は、ページング操作が要求され、ページングCPU61がページング伝送機62を介してページング送信を生じさせて遠隔のページングユニットにより指定されたオペレータを呼び出すように働くことを検知する。次いで、指定されたオペレータはユーザに接近して要求されたサービスを実行することができる。もしユーザにお金を費やさせる飲物または他のサービスが提供されるのであれば、ユーザは彼の鍵からクレジットを借用することにより支払うことができる。これはユーザインターフェイスユニット64において行われ得る。」(第17ページ第8〜17行))

3.対比
本願補正発明と引用発明1とを対比すると、引用発明1における、「パチンコ機100」、「カード番号」、「カード」、「カードリーダ800」、「持玉数」、「パチンコ遊技システム」は、本願補正発明における、「パチンコ遊技機」、「識別コード」、「識別カード」、「識別コード読み込み装置」、「貯玉残高」、「遊技場管理装置」にそれぞれ対応する。
引用発明1における「状態表示器162、アナログ表示器163、セーフ球ランプ164」と本願補正発明における「表示部」とは、パチンコ遊技機毎に設置され、遊技者に対して情報を表示する表示部を備えた情報表示装置であるという構成において共通する。
引用発明1における「係員呼出し用の呼出しボタン165」と本願補正発明における「接触式操作入力部」とは、パチンコ遊技機毎に設置され、遊技者が操作する操作入力部を備えた操作入力装置であるという構成において共通する。
引用発明1における「制御ユニット160」と本願補正発明における「台コンピュータ」とは、パチンコ遊技機毎に設置され、パチンコ遊技機に接続された台制御装置であるという構成において共通する。
引用発明1における「管理装置400」と本願補正発明における「ホストコンピュータ」とは、台制御装置に通信接続されたホスト制御装置であるという構成において共通する。
よって、本願補正発明と引用発明1とは、以下の点でそれぞれ、一致ならびに相違(以下、「相違点aないしf」という。)すると認められる。

一致点:パチンコ遊技機と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、予め識別コードが記憶されている識別カードから識別コードを読み込む識別コード読み込み装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、表示を行うための表示部を備えた情報表示装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、操作入力部を備えた操作入力装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、前記パチンコ遊技機に接続された台制御装置と、前記台制御装置と通信接続されたホスト制御装置とを有し、
前記台制御装置は、前記識別コード読み込み装置に前記識別カードが挿入されると該識別カードから識別コードを読み込み、前記識別コードを前記ホスト制御装置に送信し、前記ホスト制御装置は、前記識別コードを受けると、前記識別コードに対応して予め記憶されている貯玉残高を読み出して前記台制御装置に送信する遊技場管理装置。

相違点a:情報表示装置及び操作入力装置の構成に関して、本願補正発明においては、表示部と一体の接触式操作入力部を備えた情報表示・操作入力装置であるのに対し、引用発明1においては、情報表示装置及び操作入力装置が別々に構成されている点。

相違点b:情報表示装置及び操作入力装置が、本願補正発明においては、台制御装置に接続されているのに対し、引用発明1においては、台制御装置に含まれている点。

相違点c:台制御装置が、本願補正発明においては、コンピュータであるのに対し、引用発明1においては、コンピュータであるかが不明な点。

相違点d:ホスト制御装置が、本願補正発明においては、コンピュータであるのに対し、引用発明1においては、コンピュータを含むものである点。

相違点e:飲物のサービス要求入力の受け付けに関して、本願補正発明においては、ホスト制御装置が、予め記憶されている暗証番号を読み出して台制御装置に送信し、前記台制御装置は、前記暗証番号を受けると、操作入力装置への暗証番号の操作入力を要求し、前記操作入力装置から操作入力された暗証番号を受けると、前記操作入力装置から入力された暗証番号が前記ホスト制御装置から送られた暗証番号に一致するか否かを判別し、一致している場合に、前記操作入力装置への飲物のサービス要求入力を受け付けるのに対し、引用発明1においては、そのような構成を有していない点。

相違点f:飲物のサービス要求信号の送出に関して、本願補正発明においては、操作入力装置への飲物のサービス要求入力操作に基づき、ホスト制御装置から送られた貯玉残高からサービス要求項目に対応する対価玉数を差し引いて前記ホスト制御装置に対して飲物のサービス要求信号を送出するのに対し、引用発明1においては、そのような構成を有していない点。

4.判断
(1)相違点aの検討
表示部と一体の接触式操作入力部を備えた情報表示・操作入力装置は、一般にタッチパネルとして知られており、遊技場の管理装置に用いることも本願出願前において周知である(例えば、特開平3-49787号公報、特開平4-371185号公報、特開平5-216865号公報参照。)ので、引用発明1の情報表示装置及び操作入力装置に代えて周知のタッチパネルを採用し、前記相違点aに係る本願補正発明の構成のようにすることは、当業者が容易に想到できるものである。

(2)相違点bの検討
機能的に関連する複数の装置を別々に構成するか一体に構成するかは、装置の設置場所、他の装置との関連性、メンテナンスの容易性等を考慮することにより、当業者であれば適宜選択し得る設計的事項であり、前記相違点bに係る本願補正発明の構成のようにすることは、格別困難なこととは認められない。

(3)相違点cの検討
制御装置をコンピュータで構成することは、例を示すまでもなく周知な事項であるので、引用発明1における台制御装置をコンピュータで構成し、前記相違点cに係る本願補正発明の構成のようにすることは、当業者が容易に想到できるものである。

(4)相違点dの検討
制御装置をコンピュータで構成することは、例を示すまでもなく周知な事項であり、引用発明1におけるホスト制御装置もコンピュータを含むものであるので、引用発明1におけるホスト制御装置をコンピュータで構成し、前記相違点dに係る本願補正発明の構成のようにすることは、当業者が容易に想到できるものである。

(5)相違点eの検討
遊技者からのサービスの要求を受け付けるために、操作入力装置への暗証番号の操作入力を要求し、操作入力装置から操作入力された暗証番号を受けると、操作入力装置から入力された暗証番号が記憶されている暗証番号に一致するか否かを判別し、一致している場合にサービスの要求を受け付けることは、前記刊行物2に、プレーヤがゲーム機49を使用するために、キーボード22へのPIN番号の入力を求め、アクセス制御アセンブリがキーボード22から入力されたPIN番号と鍵アセンブリ25に格納されているPIN番号とを照合し、一致する場合にゲーム機49の使用を可能とすることとして開示されている。
暗証番号をどこに記憶させておくかは、漏洩、改竄といったセキュリティ、装置全体のコスト・製造容易性等を考慮することにより、当業者であれば適宜選択し得る設計的事項である。
そして、遊技機において飲物のサービス要求を受け付けることも、前記刊行物2に、ユーザが飲物を要求する場合、ボタン53を押すことにより、オペレータがサービスを実行することとして開示されている。
そうすると、引用発明1に、前記刊行物2に記載された暗証番号の照合、飲物のサービス要求に関する技術事項を適用し、前記相違点eに係る本願補正発明の構成のようにすることは、当業者であれば格別な創意工夫を必要とせずになし得ることであると認められる。

(6)相違点fの検討
操作入力装置への飲物のサービス要求入力操作に基づき、ホストコンピュータに対して飲物のサービス要求信号を送出することは、前記刊行物2に、飲物を要求するためにボタン53が押されると、中央コンピュータ42がオペレータの呼び出しを検知することとして開示されている。
また、飲物の対価の支払いに関して、前記刊行物2には、ユーザインターフェイスユニット64において、鍵からクレジットを差し引くことにより支払うことが記載されている。当該刊行物2の記載において、前記鍵の所有者は、文脈から判断してユーザであると認められる。
そして、対価をどの段階で差し引くかは、取引の安全性等を考慮することにより、当業者であれば適宜選択し得る設計的事項である。
そうすると、引用発明1に、前記刊行物2に記載された飲物のサービス要求信号の送出、飲物の対価をユーザのクレジットから差し引く対価支払いに関する技術事項を適用し、前記相違点fに係る本願補正発明の構成のようにすることは、当業者であれば格別な創意工夫を必要とせずになし得ることであると認められる。

平成12年10月2日に提出された手続補正書により補正された審判請求書の請求の理由によると、審判請求人は、前記鍵の所有者がオペレータであると解釈しているので、前記鍵の所有者がオペレータである場合について検討するに、飲物の対価を支払う義務はユーザにあり、ゲームを行うための対価はユーザの鍵から支払われることを考慮すると、オペレータの鍵に代えてユーザの鍵のクレジットから対価を差し引くようにすることは、当業者であれば容易に想到できるものであり、いずれにしても、前記相違点fに係る本願補正発明の構成のようにすることは、当業者であれば格別な創意工夫を必要とせずになし得ることであると認められる。

(7)作用効果の検討
本願補正発明の奏する作用効果は、刊行物1及び2から当業者が予測できる範囲のものである。

(8)まとめ
したがって、本願補正発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.むすび
以上のとおり、本件補正は、平成6年改正前特許法第17条の2第4項において読み替えて準用する同法第126条第3項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成12年10月2日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、本願の請求項1に係る発明を「本願発明」という。)は、平成12年7月3日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

【請求項1】 パチンコ遊技機と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、予め識別コードが記憶されている識別カードから識別コードを読み込む識別コード読み込み装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、表示を行うための表示部及び該表示部と一体の接触式操作入力部とを備えた情報表示・操作入力装置と、前記パチンコ遊技機毎に設置され、前記パチンコ遊技機、識別コード読み込み装置及び情報表示・操作入力装置に接続された台コンピュータと、前記台コンピュータと通信接続されたホストコンピュータとを有し、
前記台コンピュータは、前記識別コード読み込み装置に前記識別カードが挿入されると該識別カードから識別コードを読み込み、前記識別コードを前記ホストコンピュータに送信し、前記ホストコンピュータは、前記識別コードを受けると、前記識別コードに対応して予め記憶されている暗証番号及び貯玉残高を読み出して前記台コンピュータに送信し、前記台コンピュータは、前記暗証番号及び貯玉残高を受けると、前記情報表示・操作入力装置への暗証番号の操作入力を要求し、前記情報表示・操作入力装置から操作入力された暗証番号を受けると、前記情報表示・操作入力装置から入力された暗証番号が前記ホストコンピュータから送られた暗証番号に一致するか否かを判別し、一致している場合に、前記情報表示・操作入力装置への所定のサービス要求入力を受け付け、前記情報表示・操作入力装置への所定のサービス要求入力操作に基づき、前記ホストコンピュータから送られた前記貯玉残高からサービス要求項目に対応する対価玉数を差し引いて前記ホストコンピュータに対して所定のサービス要求信号を送出することを特徴とする遊技場管理装置。

2.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された上記刊行物1及び2の記載事項については、前記「第2.2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は、上記「第2.」で検討した本願補正発明と、上記「第2.1.」で示したとおりの関係を有するものであり、本願補正発明を、サービスの内容に関して飲物のサービスから所定のサービスへ上位概念化したものである。
そうすると、本願発明を特定する事項にさらに限定を加えたものに相当する本願補正発明が、前記「第2.4.」に記載したとおり、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-01-17 
結審通知日 2005-01-19 
審決日 2005-02-01 
出願番号 特願平6-279813
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 渡戸 正義
南澤 弘明
発明の名称 遊技場管理装置  
代理人 湯田 浩一  
代理人 杉山 秀雄  
代理人 塩野入 章夫  
代理人 魚住 高博  
代理人 竹本 松司  
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