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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1114169
審判番号 不服2002-17908  
総通号数 65 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-04-14 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-09-17 
確定日 2005-03-25 
事件の表示 平成 8年特許願第282800号「人事考課の漸進的反映法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 4月14日出願公開、特開平10- 97568〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成8年9月19日の出願であって、平成14年8月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月17日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。

2.平成14年9月17日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年9月17日付けの手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
本補正により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】 人事考課の結果を昇給や賞与の数値に反映させるべく演算処理する際に、人事考課点数と給与基準額とから求めた1次計算結果から前期支給額を減じた値に設定自在な調整係数を乗じ、この調整された1次計算結果に上記前期支給額を加算して当期支給額を計算することで、当期のみの考課結果である上記1次計算結果における前期支給額からの増減の程度を上記調整係数の設定値に応じて可変することを特徴とする人事考課の漸進的反映法。」と補正されるとともに、さらに、明細書の段落14、15、17、20が補正されグラフを出力表示する実施例が追加されるとともに、図面の簡単な説明の図2ないし図8についてグラフを出力表示する旨の説明が追加された。

(2)新規事項の追加
しかしながら、グラフを出力表示することは、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、またこれらの記載から自明のこととも認められないから、上記明細書の段落14、15、17、20についての補正及び図面の簡単な説明の図2ないし図8についての補正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものとは認められない。

(3)むすび
以上のとおり、本補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.原査定の理由
平成14年9月17日付けの手続補正は上記のとおり却下され、さらに平成14年4月11日付け手続補正は同年8月14日付けで却下されているので、本願の明細書は平成13年10月11日付け手続補正により補正されたものである。
これに対して、原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
「平成13年10月11日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

出願人は平成13年10月11日付手続き補正書により、請求項1を計算するプログラムであると変更する補正、及び段落【0020】へ調整係数の値範囲の限定及び該数の説明を追加する補正を行ったが、出願当初明細書にはプログラムである旨が記載されているとは認めらずまた、調整係数の数値範囲及び該数の説明についても記載されているとは認めらず、自明でもないから、該両補正は出願当初明細書から、直接的且つ一義的に導き出せるものとは認められない。
したがって、該補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第2項において準用する同法第17条の2第3項の規定に違反するものである。」

4.当審の判断
そこで、上記段落【0020】へ調整係数の値範囲の限定及び該数の説明を追加する補正について検討すると、この補正は具体的には「調整係数Shは、0から1の間の値で設定し、0に近いほど過去の評価が重視される年功主義的な方向で、1に近いほどその期の評価が重視される能力主義的な方向となるものである。」という記載を追加するものである。そして、願書に最初に添付した明細書又は図面には、調整係数Shについて、「この流れ図における反映調整計算が目的機能であり、数式1の計算処理を行う。
【数1】 Hj=Zj+(f(Kj,Tj)-Zj)Sh
Hj:反映額
Zj:前期額
Kj:基準額
Tj:考課点数
f(Kj,Tj):考課反映関数
Sh:反映調整係数」(明細書段落11)と記載されているだけであり、このShすなわち反映調整係数についてはせいぜい前期額と考課反映関数との間の調整をするために人為的に取り決められるものという以上の意味を読み取ることはできず、この人為的な取り決めにShを0から1の間で設定することが含まれていたと願書に最初に添付した明細書又は図面の記載から認めることはできない。例えば、Shを負の適当な数に設定すれば、前期値(Zj)を定数倍(1-Sh)した値を基本とした反映額となり、より過去の評価を重視した方向になるとも考えられる。してみると、上記調整係数の値範囲の限定及び該数の説明の追加により、新たな人為的な取り決めが追加されることになるから、この補正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した範囲内においてしたものではない。

5.備考
特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、
「【請求項1】人事考課の結果を昇給や賞与の数値に反映させるべく演算処理させるプログラムにおいて、人事考課点数と給与基準額とから求めた1次計算結果から前期支給額を減じた値に設定自在な調整係数を乗じ、この調整された1次計算結果に上記前期支給額を加算して当期支給額を計算することで、当期のみの考課結果である上記1次計算結果における前期支給額からの増減の程度を上記調整係数の設定値に応じて可変することを特徴とする人事考課プログラム。」
であるが、これはプログラム自体が記載されており、本願に適用される審査基準によれば特許法第29条第1項柱書に規定されている「発明」ではない。また、人事考課の結果を昇給や賞与の数値に反映させる人為的な取り決めを「プログラム」の形式で記載したにすぎず、自然法則を利用していないから、この点でも「発明」ではない。

6.むすび
以上4.のとおり、平成13年10月11日付けの手続補正書による補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-01-13 
結審通知日 2005-01-18 
審決日 2005-02-01 
出願番号 特願平8-282800
審決分類 P 1 8・ 55- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青柳 光代  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 深沢 正志
加藤 恵一
発明の名称 人事考課の漸進的反映法  
代理人 田辺 敏郎  
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