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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 H04N |
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管理番号 | 1114546 |
異議申立番号 | 異議2003-72073 |
総通号数 | 65 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-09-21 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-08-13 |
確定日 | 2005-01-17 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3378030号「カメラおよびレンズアセンブリの制御機能を増強改良したサーベイランス装置」の請求項1ないし3,8ないし16,20ないし28,33ないし41,45ないし47に係る特許に対する特許異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3378030号の訂正された請求項2,3,7ないし15,19ないし25,27,31ないし39,43ないし45に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 特許第3378030号の請求項1ないし47に係る発明(以下,それぞれ「本件発明1,2」などということがある。)についての出願は,平成4年7月29日(優先日:平成3年7月31日,米国)に特許出願され,平成14年12月6日に設定登録され,その後,その特許について異議申立人,竹島国彦から請求項1ないし3,8ないし16,20ないし28,33ないし41,及び45ないし47(以下,これらの異議申立の対象となっている請求項をまとめて「異議申立対象となった特許」という。)について特許異議の申立てがなされ,取消理由通知がなされ,その指定期間内である平成16年12月1日に訂正請求がなされたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正事項 平成16年12月1日付け訂正請求によって特許権者が求めている訂正の内容は以下のとおりである。 (1) 訂正事項a 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項b 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項27を削除する。 (3) 訂正事項c 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項4を独立請求項に書き改め,請求項に付する番号を訂正し,請求項1とする。 (4) 訂正事項d 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項17を独立請求項に書き改め,請求項に付する番号を訂正し,請求項16とする。 (5) 訂正事項e 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項29を独立請求項に書き改め,請求項に付する番号を訂正し,請求項26とする。 (6) 訂正事項f 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項42を独立請求項に書き改め,請求項に付する番号を訂正し,請求項40とする。 (7) 訂正事項g 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項5ないし7の請求項に付する番号を訂正し,請求項4ないし6とする。 (8) 訂正事項h 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項8ないし16の請求項に付する番号を訂正し,請求項7ないし15とする。 (9) 訂正事項i 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項18及び19の請求項に付する番号を訂正し,請求項17及び18とする。 (10) 訂正事項j 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項20ないし26の請求項に付する番号を訂正し,請求項19ないし25とする。 (11) 訂正事項k 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項28の請求項に付する番号を訂正し,請求項27とする。 (12) 訂正事項l 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項30ないし32の請求項に付する番号を訂正し,請求項28ないし30とする。 (13) 訂正事項m 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項33ないし41の請求項に付する番号を訂正し,請求項31ないし39とする。 (14) 訂正事項n 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項43及び44の請求項に付する番号を訂正し,請求項41及び42とする。 (15) 訂正事項o 本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項45ないし47の請求項に付する番号を訂正し,請求項43ないし45とする。 2 訂正事項について (1) 訂正事項a及びbについては,異議申立の対象となっている本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1及び27を削除するものであり,特許請求の範囲の減縮に該当する。 そして,該訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (2) 訂正事項c,d,e及びfについては,本件特許明細書の特許請求の範囲の特許異議の申し立てがされていない請求項4,17,29及び42を独立請求項に書き改め,併せて請求項に付する番号を訂正し,請求項1,16,26及び40としたものであり,明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして,該訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (3) 訂正事項g,i,l及びnについては,本件特許明細書の特許請求の範囲の特許異議の申し立てがされていない請求項5ないし7,18,19,30ないし32,43及び44の請求項に付する番号を訂正し,請求項4ないし6,18,19,28ないし30,41及び42としたものであり,明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして,該訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (4) 訂正事項hについては,本件特許明細書の請求項8ないし16の請求項に付する番号を訂正し,請求項7ないし15としたものである。 訂正前の請求項8ないし16は訂正前の請求項1を引用する形式であったが,訂正後の請求項7ないし15は,訂正前の請求項1が削除され,訂正前の請求項4が訂正後の請求項1となったため,訂正後の請求項7ないし15は,訂正前の請求項4の内容を新たに加えることとなった。 訂正前の請求項4は,「前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分を制御するパルス幅変調(PWM)信号を発生する請求項1記載の装置。」であり,訂正前の請求項1の「閉ループディジタル運動制御手段」を限定するものであるから,訂正後の請求項7ないし15は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また,これらの訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 (5) 訂正事項jについては,本件特許明細書の請求項20ないし26の請求項に付する番号を訂正し,請求項19ないし25としたものであり,前記訂正事項hと同様,これらの訂正は,特許請求の範囲の減縮に相当するものである。 また,これらの訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 (6) 訂正事項k,m及びoについては,本件特許明細書の請求項28,33ないし41,45ないし47の請求項に付する番号を訂正し,請求項27,31ないし39,43ないし45としたものである。 訂正前の請求項29は,「前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは前記移動自在部分を制御するパルス幅変調(PWM)信号を発生するステップで構成される請求項27記載の方法。」であり,訂正前の請求項27の「閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップ」を限定するものであるから,訂正後の請求項27,31ないし39,43ないし45は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また,これらの訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 (7) 請求項2及び3について 請求項2及び3は,請求項に付する番号を含め形式上訂正されていないが,引用する請求項が訂正前の請求項1から訂正前の請求項4に変化することとなったため,実質的には,訂正前の請求項4の内容を新たに加える訂正となった。 この訂正は,訂正事項hと同様の理由により,特許請求の範囲の減縮を目的とするもので,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 3 むすび 以上のとおりであるから,異議申立の対象となった特許については,特許請求の範囲の減縮を目的とし,異議申立の対象でない特許については,明りょうでない記載の釈明を目的とするもので,これらの訂正は,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり,実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 したがって,上記訂正は,特許法第120条の4第2項の規定及び同条第3項で準用する126条1項から3項までの規定に適合するので,当該訂正を認める。 第3 特許異議の申し立てについて 1 本件発明 上記第2に記載したとおり,訂正請求は認められるところとなったので,本件発明は,同訂正請求書に添付した訂正明細書の,特許請求の範囲の請求項1ないし45に記載された事項により特定されるとおりのもの(以下,「本件発明1ないし45」という。)である。 2 申立の概要 特許異議申立人は特許異議の申立て時に,証拠として (1) 甲第1号証:特開平2-211780号公報 (2) 甲第2号証:米国特許第4855838号明細書 (3) 甲第3号証:特開昭63-49904号公報 (4) 甲第4号証:特開平2-282213号公報 (5) 甲第5号証:特開平2-219113号公報 (6) 甲第6号証:特開平3-78373号公報 (7) 甲第7号証:実願平1-105907号(実開平3-45506号公報)のマイクロフィルム (8) 甲第8号証:実願昭52-116143号(実開昭54-42419号公報)のマイクロフィルム (9) 甲第9号証:特開昭54-145430号公報 (10) 甲第10号証:特開昭57-192176号公報 (11) 甲第11号証:実願昭54-601号(実開昭55-102265号公報)のマイクロフィルム を提出し,本件訂正前の異議申立の対象となった特許の各発明は,甲第1ないし11号証に記載された発明と同一,又は同号証に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法29条1項又は2項の規定に該当し,取り消されるべきものである旨主張している。 3 当審の判断 異議申立対象となった特許に係る発明は前記のとおり,訂正請求により,異議申立のされていない訂正前の請求項4,17,29,42のいずれかの内容をすべて含むものとなった。 そして,特許異議申立人が提出した甲第1ないし11号証に記載された発明には,訂正された本件発明2,3,7ないし15,19ないし25,27,31ないし39,43ないし45が備えている,「閉ループディジタル運動制御手段は移動自在部分を制御するパルス幅変調(PWM)信号を発生する」なる構成は示されておらず,それを示唆する記載もない。 したがって,訂正された請求項2,3,7ないし15,19ないし25,27,31ないし39,43ないし45の各発明は甲第1ないし11号証に記載された発明と同一とも、また甲第1ないし11号証に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたともいえない。 第4 むすび 以上のとおりであるから,特許異議の申立ての理由及び証拠によっては,訂正された本件発明に係る特許を取り消すことはできない。 また,他に訂正された本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 カメラおよびレンズアセンブリの制御機能を増強改良したサーベイランス装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 CCTVシステムに使用されるカメラ・レンズアセンブリ手段を有し、該カメラ・レンズアセンブリ手段の少なくとも1つの状態を制御するために該カメラ・レンズアセンブリ手段は少なくとも部分的に移動自在であり、 前記移動自在部分の状態に応じて前記カメラ・レンズアセンブリ手段の前記1つの状態を制御するように前記移動自在部分を制御する閉ループディジタル運動制御手段を有する装置であって、 前記閉ループディジタル運動制御手段は、リモートオペレータ手段から送信されたコマンドを受信する中央処理ユニットと、前記中央処理ユニットに応答して前記移動自在部分を制御するディジタル処理手段とを備え、前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分を制御するパルス幅変調(PWM)信号を発生する、ことを特徴とする装置。 【請求項2】 少なくとも前記移動自在部分の運動を許容するように前記カメラ・レンズアセンブリ手段を支承するハウジングと、 前記カメラ・レンズアセンブリを収容するように前記ハウジングに対して着脱自在のドーム状部材とをさらに備える請求項1記載の装置。 【請求項3】 前記ドーム状部材の形状は球の一部である請求項2記載の装置。 【請求項4】 前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分の状態を検出し、また前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分の前記検出された状態を所望の状態と比較して前記PWM制御信号を発生する請求項1記載の装置。 【請求項5】 前記移動自在部分は、これを移動させるモータを備え、また前記PWM制御信号は前記モータに印加される請求項4記載の装置。 【請求項6】 前記閉ループディジタル運動制御手段は前記モータをモニタして前記1つの条件の状態を検出する請求項5記載の装置。 【請求項7】 前記閉ループディジタル運動制御手段による前記移動自在部分の前記制御はある範囲の速度にわたって前記移動自在部分の移動速度を変化させる機能を有する請求項1記載の装置。 【請求項8】 前記移動自在部分は第1位置から第2位置に移動されるように構成され、 前記第1位置から第2位置への移動時に前記移動自在部分を制御するに際して前記閉ループディジタル運動制御手段によりなされる前記移動自在部分の速度の変化が予め選択された速度プロファイル特性に従ってなされる請求項7記載の装置。 【請求項9】 前記速度プロファイル特性は、前記第1位置からの前記移動自在部分に対する速度の最大速度までの比較的滑らかな増加を与えると共に前記最大速度からの速度の比較的滑らかな減少を与えて前記移動自在部分を前記第2位置にもたらす請求項8記載の装置。 【請求項10】 前記速度プロファイル特性は、さらに前記速度を減少させる前に予め選択された時間の間前記最大速度を維持することを与える請求項9記載の装置。 【請求項11】 前記第1および第2位置は静止位置である請求項9記載の装置。 【請求項12】 前記閉ループディジタル運動制御手段による前記移動自在部分の前記制御は前記移動自在部分の予め選択された加速を与える能力を更に備える請求項7記載の装置。 【請求項13】 前記移動自在部分はその移動端部位置に係わる端部停止位置を有し、 前記閉ループディジタル運動制御手段は、メモリに前記端部停止位置を格納すると共に前記移動自在部分の制御中に前記格納された端部停止位置を利用して前記移動自在部分が前記移動端部位置に達した際に前記移動自在部分の移動を停止させる請求項1記載の装置。 【請求項14】 前記カメラ・レンズアセンブリ手段は、視軸線を画定し該視軸線に沿って画像を視野におさめることができ、かつ、画像の大きさ及び視野の範囲を定めるズーム条件を画定し、 前記移動自在部分の移動により制御される前記条件は前記視軸線の方向であり、さらに、 前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分を制御して前記視軸線の方向を制御するとき前記ズーム条件に応答する請求項1記載の装置。 【請求項15】 前記閉ループディジタル運動制御手段は、拡大したサイズの画像及びより狭い範囲の視野を示すズーム条件に対して前記閉ループディジタル運動制御手段が前記移動自在部分に対して減少した速度を選択するように前記移動自在部分の速度を制御する請求項14記載の装置。 【請求項16】 CCTVシステムに使用されるカメラ・レンズアセンブリ手段を有し、該カメラ・レンズアセンブリ手段の少なくとも1つの状態を制御するために該カメラ・レンズアセンブリ手段は少なくとも部分的に移動自在であり、 前記移動自在部分の状態に応じて前記カメラ・レンズアセンブリ手段の前記1つの状態を制御するように前記移動自在部分を制御する閉ループディジタル運動制御手段を有する装置であって、 前記閉ループディジタル運動制御手段は、リモートオペレータ手段から送信されたコマンドを受信する中央処理ユニットと、前記中央処理ユニットに応答して前記移動自在部分を制御するディジタル処理手段とを備え、 前記カメラ・レンズアセンブリ手段は、画像を見る視軸線と、前記カメラ・レンズアセンブリ手段において前記画像が合焦状態にある度合を示すフォーカス条件と、画像の大きさ及び前記カメラ・レンズアセンブリ手段の視野の範囲を示すズーム条件と、前記カメラ・レンズアセンブリ手段で受光された光のレベルを示すアイリス条件とを規定し、 前記移動自在部分により制御される前記条件は前記カメラ・レンズアセンブリ手段のフォーカス条件であり、さらに 前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分を制御して前記フォーカス条件を制御する際に前記ズーム条件と前記アイリス条件に応答する、ことを特徴とする装置。 【請求項17】 前記閉ループディジタル運動制御手段は、より低い光レベルを示すアイリス条件と、より大きな画像及びより狭い範囲の視野とを示すズーム条件とに対して前記移動自在部分がより低い速度を持つように制御する請求項16記載の装置。 【請求項18】 前記フォーカス条件が所望のフォーカス条件からの比較的大きなずれを示すとき、前記閉ループディジタル運動制御手段が前記移動自在部分の速度を初めは前記低速度に、そして速度を増大させるように制御する請求項17記載の装置。 【請求項19】 前記閉ループディジタル運動制御手段は、前記閉ループディジタル運動制御手段を制御するプログラム手段を格納するメモリ手段と、当該装置から遠位にある手段に応答し、該遠位手段からプログラム手段を受けて前記メモリ手段に格納する手段とを備える請求項1記載の装置。 【請求項20】 前記メモリ手段はEEPROMおよび不揮発性RAMの一方で構成される請求項19記載の装置。 【請求項21】 前記条件は前記カメラ・レンズアセンブリのパン、傾斜、フォーカス、アイリス、およびズーム条件の1つである請求項1記載の装置。 【請求項22】 前記カメラ・レンズアセンブリは該カメラ・レンズアセンブリのパン、傾斜、ズーム、フォーカス、およびアイリス条件の各々を制御する移動自在部分を備え、さらに、 前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分の各々の状態に応答して前記条件を制御するように前記移動自在部分を制御する請求項1記載の装置。 【請求項23】 前記閉ループディジタル運動制御手段は前記移動自在部分の各々を制御する閉ループディジタル運動制御システムを備える請求項22記載の装置。 【請求項24】 前記閉ループディジタル運動制御システムは1つ以上の共通要素を共有する請求項23記載の装置。 【請求項25】 前記閉ループディジタル運動制御手段は1つ以上の速度プロファイル特性を格納するメモリ手段を備え、さらに、 前記中央処理ユニットは前記ディジタル処理手段をして前記移動自在部分の制御時に前記速度プロファイル特性の特定のひとつを選択的に使用させる請求項1記載の装置。 【請求項26】 少なくとも部分的に移動自在のカメラ・レンズアセンブリを設けて該カメラ・レンズアセンブリの少なくとも1つの条件を制御するステップと、 前記移動自在部分の状態に応じて、前記1つの条件を制御するように閉ループディジタル運動制御システムを用いて前記移動自在部分を制御するステップとで構成された方法であって、前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、前記閉ループディジタル運動制御システムをして前記移動自在部分の制御時に複数の速度プロファイル特性のある特定の1つを選択的に使用せしめるステップを含み、 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは前記移動自在部分を制御するパルス幅変調(PWM)信号を発生するステップで構成されることを特徴とする方法。 【請求項27】 少なくとも前記移動自在部分の移動を許容するように前記カメラ・レンズアセンブリを支承するハウジングを設けるステップと、 前記カメラ・レンズアセンブリを収納するように前記ハウジングに対して着脱自在のドーム状部材を設けるステップとでさらに構成される請求項26記載の方法。 【請求項28】 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、前記移動自在部分の状態を検出するステップと、前記移動自在部分の前記検出された状態を所望の状態と比較して前記PWM制御信号を発生するステップとでさらに構成される請求項26記載の方法。 【請求項29】 前記移動自在部分は前記移動自在部分を移動させるモータを備え、さらに前記PWM制御信号はこのモータに印加される請求項28記載の方法。 【請求項30】 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは前記モータをモニタして前記1つの条件の状態を検出するステップでさらに構成される請求項29記載の方法。 【請求項31】 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップはある速度範囲にわたって前記移動自在部分の移動速度を変化させる機能を含む請求項26記載の方法。 【請求項32】 前記移動自在部分は第1位置から第2位置まで移動されるように構成され、さらに、 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは予め選択された速度プロファイル特性に従って移動自在部分を前記第1位置から第2位置への移動に際して制御するステップでさらに構成される請求項31記載の方法。 【請求項33】 前記速度プロファイル特性は、前記移動自在部分の速度の前記第1位置から最大速度までの比較的滑らかな増加を与えると共に、前記最大速度から前記移動自在部分を前記第2位置にもたらす速度の比較的滑らかな減少を与える請求項32記載の方法。 【請求項34】 前記速度プロファイル特性は前記速度を減少させる前に予め選択された時間にわたって前記最大速度を維持することをさらに与える請求項33記載の方法。 【請求項35】 前記第1および第2位置は静止位置である請求項34記載の方法。 【請求項36】 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは前記移動自在部分の予め選択された加速を与える機能をさらに含む請求項31記載の方法。 【請求項37】 前記移動自在部分はその移動終了位置に係る端部停止位置を有し、 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、メモリに前記端部停止位置を格納するステップと、前記移動自在部分の制御時に前記格納された端部停止位置を利用して前記移動自在部分が前記移動終了位置に達した際に前記移動自在部分の移動を停止させるステップとでさらに構成される請求項26記載の方法。 【請求項38】 前記カメラ・レンズアセンブリは、視軸線を規定しこの視軸線に沿って画像を視野内に収めることができ、かつ、画像の大きさ及び視野の範囲を決定するズーム条件とを規定し、 前記移動自在部分の移動により制御される条件は前記視軸線の方向であり、さらに、前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、前記移動自在部分を制御して前記視軸線の方向を制御するとき前記ズーム条件に応答する請求項26記載の方法。 【請求項39】 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、拡大された大きさの画像及びより狭い範囲の視野を示すズーム条件に対して前記閉ループディジタル運動制御システムが前記移動自在部分に対して減少された速度を選択するように前記移動自在部分の速度を制御するステップで構成される請求項38記載の方法。 【請求項40】 少なくとも部分的に移動自在のカメラ・レンズアセンブリを設けて該カメラ・レンズアセンブリの少なくとも1つの条件を制御するステップと、 前記移動自在部分の状態に応じて、前記1つの条件を制御するように閉ループディジタル運動制御システムを用いて前記移動自在部分を制御するステップとで構成された方法であって、前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、前記閉ループディジタル運動制御システムをして前記移動自在部分の制御時に複数の速度プロファイル特性のある特定の1つを選択的に使用せしめるステップを含み、 前記カメラ・レンズアセンブリは、画像を見るための視軸線と、前記画像が前記カメラ・レンズアセンブリにおいてフォーカス状態にある度合を示すフォーカス条件と、前記カメラ・レンズアセンブリの視野の範囲と画像の大きさを示すズーム条件と、前記カメラ・レンズアセンブリで受光された光のレベルを示すアイリス条件とを規定し、 前記移動自在部分により制御される前記条件は前記カメラ・レンズアセンブリのフォーカス条件であり、 さらに、前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、前記移動自在部分を制御して前記フォーカス条件を制御する際の前記ズーム条件と前記アイリス条件に応答する、ことを特徴とする方法。 【請求項41】 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、より低い光レベルを示すアイリス条件及び、より大きなサイズの画像とより狭い範囲の視野とを示すズーム条件に対して前記移動自在部分がより低い速度を有するように制御するステップでさらに構成される請求項40記載の方法。 【請求項42】 前記フォーカス条件が所望のフォーカス条件からの比較的大きなずれを示すとき、前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは前記移動自在部分の速度を初めは前記低速度に次に増加された速度に制御するステップでさらに構成される請求項41記載の方法。 【請求項43】 前記条件は前記カメラ・レンズアセンブリのパン、傾斜、フォーカス、アイリス、およびズーム条件の1つである請求項26記載の方法。 【請求項44】 前記カメラ・レンズアセンブリはそのパン、傾斜、ズーム、フォーカス、およびアイリス条件の各々を制御する移動自在部分を含み、さらに、 前記閉ループディジタル運動制御システムによる制御ステップは、前記移動自在部分の各々の状態に応答すると共に前記移動自在部分の前記条件を制御するように前記移動自在部分を制御するステップで構成される請求項26記載の方法。 【請求項45】 前記カメラ・レンズアセンブリを遠位位置から制御するステップでさらに構成される請求項26記載の方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、サーベイランス装置に係り、特に閉回路テレビジョン(CCTV)システムに用いられるサーベイランス装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 今日のCCTVシステムはある位置をモニタする多くのサーベイランス装置を使用している。このようなサーベイランス装置としてはカメラ・レンズアセンブリを用いるビデオモニタ装置が普通に用いられている。このアセンブリは通常は上記位置に固着されたハウジングにより支承されている。このハウジングはプラスチックまたはその他の材料からなるドームにより閉鎖されることが多い。 サーベイランス装置のカメラ・レンズアセンブリは、このアセンブリが上記位置において画像または景色を見る視軸線を画成する。カメラ・レンズアセンブリのレンズは見た画像をカメラの撮像部に搬送し、そこで画像は電気信号に変換される。次に、この信号はCCTVシステムオペレータによる観察のために中央位置のモニタに搬送される。 【0003】 ビデオサーベイランス装置のカメラ・レンズアセンブリは、このアセンブリの1つ以上の条件を制御する位置を持つ1つ以上の移動自在部分を備えている。さらに、調節機構(例えば、モータ、モータ駆動回路、歯車装置)が設けられてアセンブリの対応する条件を変えるように移動自在部分の位置を調節する。 このように制御されるアセンブリの特徴は上記のアセンブリ視軸線にある。ハウジング内に、アセンブリを支承する移動自在装着部により、視軸線の傾斜方向(通常は垂直方向)の傾斜が可能になり、さらにパンニング方向に(通常は水平方向)パン動作(カメラを動かす動作)が可能になる。 アセンブリのパンおよび傾斜条件の他に、移動自在部分により制御されるアセンブリのその他の条件にはアセンブリのレンズ部分の各種条件がある。これらの条件のうちでよく知られているものとしてレンズアセンブリのいわゆる集光、ズーム、およびアイリス条件がある。 【0004】 レンズアセンブリの集光条件は、レンズアセンブリにより捕捉された画像がカメラの撮像装置上に鮮明に集光されるようになるアセンブリからの距離を決定する。所定の距離に対して、鮮明画像はイン・フォーカス条件に対応し、またぼやけた像はアウト・オブ・フォーカス条件に対応する。 一方、レンズアセンブリのズーム条件はアセンブリの視野の範囲とこの視野内の画像の大きさを決定する。広い範囲の視野はより小さな大きさの画像を有すると共にアセンブリの広角条件に対応し、一方より小さな範囲の視野はより大きな画像を有すると共にアセンブリの望遠条件に対応する。 また、レンズアセンブリのアイリス条件はこのアセンブリで受光した画像の光のレベルを決定する。完全に開いたアイリス条件は最大光レベルに対応し、また完全に閉じたアイリス条件は最小光レベルに対応する。 レンズアセンブリの上記集光、レンズ、アイリス条件の各々はレンズ軸線に沿って配置された回転自在バレルの形態をなす移動自在部分により制御されるのが普通である。駆動モータおよび歯車装置を介した所定のバレルの回転により所望の条件変化が行われる。同様に、モータ・歯車装置を用いてカメラ・レンズアセンブリを駆動し、所望のパンおよび傾斜条件を実施する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 現在のサーベイランス装置の多くは、パン、傾斜、ズーム、集光、およびアイリス条件を制御する移動自在部分は一定速度で駆動されるのが普通である。したがって、CCTVオペレータがサーベイランス装置に近接して通過している移動対象上に視軸線を維持しようとすると、パンおよび傾斜移動自在部分に対する一定速度は上記の運動を追随するのに十分な速さを有することはできない。一方、サーベイランス装置が望遠またはズーム・イン条件にあるときは、同じパン・傾斜速度はこの場合は速過ぎることになり、位置的に大きな変化をもたらす。これは、見ることを望む画像を「オーバシュート」することから視軸線を正確に位置づけることを困難にする。このような場合に、オペレータは、視軸線が所望画像上で得られる前に右/左パンニングまたはアップ/ダウン傾斜を数回変更しなければならない。 【0006】 同様の問題点が各種条件の下でのアセンブリのズーム、結像、およびアイリス条件を設定する際にしばしば発する。特に、アセンブリが広角条件にある場合、また高い周囲照明状態にあるとき(すなわち、アイリスがほぼ閉じられ、またズーム設定が広角にある場合)、結像条件を制御する移動自在部分は、オペレータが全結像範囲を横切ることを許容するのに十分な速い速度で移動されなければならない。しかしながら、望遠条件の下では、また低い光環境においては(すなわち、アイリスがほぼ開口し、またズーム条件が望遠にあるとき)、同様の結像速度は速過ぎ、したがってオペレータが対象に対して適切に結像することを困難にする。オペレータは、通常は、適切な結像状態を実現する前にニアフォーカスとファーフォーカスの間を(最適フォーカス設定をオーバシュートすることに起因して)数回変更しなければならず、これは調節プロセスを困難にすると共に時間を無駄に消費させることになる。 【0007】 上記のようなサーベイランス装置を用いる場合は、任意の装置の視範囲内に以上の記憶位置の臨界領域があるのが普通である。記憶位置におけるこれらの臨界領域は記憶位置エントランスと、記憶位置またはキャッシュレジスタのローディングドック領域、または記憶位置の宝石類表示領域を含んでいる。オペレータは、ある事象に応答して、サーベイランス装置と共に迅速かつ正確に上記「ターゲット」にアクセスする必要がある。 これは、一般にはオペレータの手動調節制御装置により実行され、カメラ・レンズアセンブリの上記移動自在部分を適切に移動させることになる。しかしながら、これらの調節を行うことは時間がかかり、したがって、オペレータはターゲット領域から移動されている画像を見逃がす可能性がある。 また、カメラ・レンズアセンブリの各種条件(すなわち、傾斜、ズーム、結像、およびアイリス条件)を制御する移動自在部分がそれらの移動終了位置に達した時点を検出する要件が上記の種類のサーベイランス装置には存在する(これは通常は、この条件を制御する移動自在部分が連結的に移動し、また移動終了点を有さないことからパン条件に対しては要求されない。)。このような端部停止または移動終了の検出を与えることに失敗すると、問題の部分が移動の機械的停止の端部に衝撃を与えたときそれぞれの駆動モータおよび/または歯車装置は損傷を受けることになる。現在の装置においては、端部停止検出には3つの方法が用いられている。 【0008】 第1の方法は、移動自在部分が端部停止位置に近づくとき機械的に作動される移動自在部分あたりの2つのスイッチ(移動の各端部における1つ)を使用するものである。この方法は、スイッチのコスト、組付け時にスイッチを調整する必要性、およびスイッチの信頼度に起因して不都合である。 【0009】 第2の方法は、移動自在部分が端部停止部に衝突したとき、移動が停止されても、クラッチ抵抗が克服され、また駆動モータが動作を継続する(突然の停止に強制されない)ようにスリップ・クラッチアセンブリを用いるものである。この方法は、上記スイッチ法の場合と同様の問題点、すなわちコスト高や調節、および時間的なクラッチ調節の信頼度の点で問題がある。 【0010】 第3の方法は、移動自在部分が強制的突発停止によって端部止め具が当接されたとき生じる駆動モータ電流の増加を検出するものである。この方法は、これが端部止め具が衝撃を受けるようになっているためモータ・歯車装置に損傷され得る点で不都合である。 以上に示した従来のサーベイランス装置の問題点を解消するサーベイランス装置がBlackshearの米国特許第4,945,367号に示してある。このBlackshearの特許においては、カメラ・レンズアセンブリのパン、傾斜、結像、ズーム、およびアイリス条件はオンボードコンピュータにより制御される。オンボードコンピュータは結像、ズーム、およびアイリス機能に、またパンおよび傾斜機能に対して制御電圧を与える。次に、これらの機能はコンピュータにフィードバックデータを与える。 【0011】 Blackshearはまた、x-y方向に移動されてパンおよび傾斜制御情報をオン・ボードコンピュータに送りパンおよび傾斜機能を変化させる操作レバーのオペレータコンソールにおける使用について開示している。オペレータはまた、操作レバーの回転自在ノブを介してズーム制御情報を、また制御パネルのスイッチを介して集光およびアイリス制御情報をオン・ボードコンピュータに与えることができる。また、Blackshearは、パンおよび傾斜移動速度が操作レバーのx-y運動に比例し、これによりカメラがゆっくり移動されてゆっくり移動する対象をトラックし、また迅速に移動されて所望のシーンに移動し、あるいは可変に移動されて可変速度対象をトラックすることができる方法を示している。 Blackshearはさらに、オン・ボードコンピュータが、一連の設定ターゲットを通してアセンブリを移動させる自動モードでカメラ・レンズアセンブリを操作する方法を示している。この場合、コンピュータは、上記ターゲットの各々に対してパン、傾斜、結像、集光、ズーム、およびアイリス設定条件を記憶格納し、アセンブリがターゲットに対して移動されるにつれ上記条件がターゲットに対して確立されるように動作する。さらに、アラーム条件が生じると、オン・ボードコンピュータはカメラ・レンズアセンブリをアラーム領域に直接移動させることができることを示し、これは、カメラ・レンズアセンブリの構成要素の動的バランスを維持するためパンおよび傾斜運動に対して高いスルーレートで実施することができる。 【0012】 以上のようにBlackshearの特許によれば、カメラ・レンズアセンブリを使用する上記のさらに従来のサーベイランス装置の欠点のあるものが解消されるが、その他の一連の欠点はなお解消されず未解決のままである。 したがって、本発明の目的は、装置の各部分の移動制御がより効率的かつより正確に行われる上記のような種類のサーベイランス装置を提供することにある。 さらに、本発明の他の目的は、装置の移動自在部分の移動が滑らかに、また急激に移動および停止することなしに行われる上記の種類のサーベイランス装置を提供することにある。 さらに、本発明の目的は、移動自在部分の端部停止制御を改良した上記の種類のサーベイランス装置を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は、結像およびズーム制御を改良した上記種類のサーベイランス装置を提供することにある。 さらに、本発明の目的はプログラム制御を改良した上記の種類のサーベイランス装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】 上記目的およびその他の目的を達成するために、本発明の原理によれば、サーベイランス装置はカメラ・レンズアセンブリで構成され、このアセンブリはその状態を制御するように少なくとも部分的に移動自在であり、またこのアセンブリにおいては、このアセンブリの移動自在部分に応答する閉ループデイジタル運動制御手段またはシステムが設けられて移動自在部分を制御し、したがってこのアセンブリの対応する状態を制御する。さらに、本発明によれば、閉ループ制御システムはパルス幅変調(PWM)信号を用いて移動自在部分を好適に制御し、これにより十分正確で、効率的かつ滑らかな制御を実現することができる。 すなわち、PWM信号現示機能付き閉ループデイジタル運動制御手段を用いることにより、移動自在部分の加速度を広範囲の速度にわたって変化させることができる。したがって、制御される移動自在部分は、急激な移動なしに始動および停止または1つの速度から他の速度に変化させることができる。これは、所望の運動で実現する際に移動自在部分の速度を徐々に変化させる閉ループ手段により好適に実現される。 【0014】 閉ループシステムはさらに移動自在部分に対する端部停止位置を格納するように構成されている。移動自在部分の現在位置を格納された端部停止位置と比較することにより、移動自在部分は端部停止位置で容易にかつ正確に停止可能になされる。 アセンブリの移動自在部分が用いられてアセンブリのパンおよび傾斜条件を制御し、さらにアセンブリがそのズーム条件を制御する移動自在部分を備える場合は、本発明の閉ループシステムは、パンおよび傾斜条件を制御する移動自在部分を調節するときアセンブリのズーム条件に応答するように構成することができる。 アセンブリの移動自在部分がその結像条件を制御し、さらにアセンブリがそのアイリスおよびズーム条件を制御する移動自在部分を備える場合は、閉ループ制御システムはさらに、結像条件を制御する移動自在部分の調節時にアセンブリのアイリスおよびズーム条件に応答するように構成することができる。 閉ループシステムはさらに、プログラム制御プロセッサおよびプロセッサのプログラムを格納するメモリにより構成される。このメモリはサーベイランス装置の遠位部分から電気的に再プログラム可能なように選択することができる。 以下に説明する本発明の実施例においては、カメラ・レンズアセンブリは、そのパン、傾斜、結像、ズーム、およびアイリス条件の各々を制御する移動自在部分を備えている。また、閉ループ制御システムは複数の中央プロセッサと専用のデイジタル信号プロセッサとを備え、これらは移動自在部分の閉ループデイジタル制御を与えるように協同動作する。閉ループシステムはさらに複数の制御アルゴリズムまたはプログラムを備え、これらは中央プロセッサおよびデイジタル信号プロセッサによりアクセスされて各種の速度制御特性を与えることができる。 【0015】 【作用】 上記のように、本発明によるサーベイランス装置は、カメラ・レンズアセンブリ手段がその少なくとも1つの条件を制御するように少なくとも部分的に移動自在であり、また閉ループデイジタル運動制御手段は上記移動自在部分の状態に応答制御して少くとも上記1つの条件を制御する。 【0016】 【実施例】 以下、図面につき本発明の実施例を説明する。 図1に示したように、CCTV(Closed Circuit Television)システムは制御パネル3およびモニタ4を有するオペレータコンソール2から構成される。信号は通信チャネル5を介してオペレータコンソールと複数のサーベイランス装置6の間でやりとりされる。 サーベランス装置6はカメラ・レンズアセンブリをそれぞれ備えている。各々のカメラ・レンズアセンブリ7は、オペレータ位置から遠位にあり、また視野7A内でアセンブリの視軸線7Bに沿う位置8の領域を眺める。各々の画像はそれぞれのカメラ・レンズアセンブリ7により電気ビデオ信号に変換され、この信号は通信チャネル5を介してオペレータコンソール2に供給される。 図示のように、各々のサーベイランス装置6は上部ハウジング9からなり、このハウジングは上記位置8に固定され、またこのハウジングにはカメラ・レンズアセンブリ7が装着される。ドーム状カバー11が、ハウジングの開放端部を閉成し、またこのカバー11は、閉鎖アセンブリ7が上記位置を見ることができるように光の通過を許容する特徴を有している。 【0017】 図2はカメラ・レンズアセンブリ7の構成要素をさらに詳細に示すブロック図である。図に示したように、カメラ・レンズアセンブリ7はハウジング9の一部として形成可能な固定プラットフォーム21で構成されている。このプラットフォーム21には他のプラットフォーム22が回転自在に装着されている。プラットフォーム22はビデオカメラ23および電動式レンズアセンブリ24を支承する。これらの構成要素は、共通軸線に沿って装着され、また上記の視野7Aおよびアセンブリの視軸線7Bを画定する。電源およびその他の各種制御信号がスリップリングアセンブリ25を介して定置プラットフォーム21から回転プラットフォーム22に送出される。上記スリップリングアセンブリ25はブラシ・ブロック/ロータ接触アセンブリを備え、これは、直接配線が捩られるという心配がないように、回転プラットフォームが自由に回転することを許容するものである。 固定プラットフォーム21上の第1印刷回路基板は、中央処理ユニット(CPU)26、電気的に消去可能なプログラマブルリード・オンリ・メモリ(EEPROM)27または不揮発性メモリ、デイジタル信号プロセッサ(DSP)28、パンモータ駆動回路29A、エンコーダ31、アセンブリインタフェース回路32、および電源33を有する。駆動回路29Aはパンモータ29を駆動し、これによりこのパンモータ29はプラットフォーム22を回転運動させ、したがってアセンブリの視軸線7Bのパンニングを生起する。 さらに、回転プラットフォーム22には第2印刷回路板が設けられる。この回路板は、CPU41、EEPROM42、DSP43、傾斜モータ駆動回路44A、エンコーダ45、結像(合焦)モータ、ズームモータおよびアイリスモータ駆動回路46A、47Aおよび48A、さらに関連するエンコーダ49、50および51を有している。傾斜駆動回路44Aは傾斜モータ44を駆動してプラットフォーム22を傾斜させ、またアセンブリの視軸線7Bの傾斜を与える。合焦、ズーム、およびアイリス回路46A、47Aおよび48Aは対応するモータ46、47および48を駆動し、これらのモニタはレンズ24の関連するバレル状部分24A、24B、24Cを回転させてレンズ、したがってアセンブリの合焦、ズーム、およびアイリス条件を制御する。 【0018】 図示のように、インタフェース回路32は、低電圧AC Power In Port(交流電源入力ポート)、Data In/Out Port(データ入出力ポート)、Video Sync In Port(ビデオ同期入力ポート)、およびVideo Out Port(ビデオ出力ポート)を有する。これらのポートは通信チャネル5に結合される。さらに、インタフェース32は補助装置に接続されるAuxiliary Input(補助入力)およびAuxiliary Output Ports(補助出力ポート)を有する。 交流電力はインタフェース32により電源33に経路指定され、さらに12VDCおよび5VDC信号を提供するために用いられる。通常、電源33はスイッチング形のものであり、広い範囲の入力電圧にわたって安定な出力を与える。これにより、アセンブリ7が変化する電源ライン条件の下で、また変化するケーブル長と共に作用することが保証される。電源33からの直流電力は印刷回路板およびカメラ23に分配される。 【0019】 インタフェース32のData In/Outポートはチャネル5を介してオペレータコンソール2とアセンブリ7の間で双方向デイジタルシリアル通信を与える。コンソールにおけるオペレータ入力に基づいてアセンブリ7にはコマンドが送出される。次に、アセンブリ7は必要に応じてコンソール21にデータを送出し、あるいは補助アラーム入力作動化信号などの補助的データを送出することができる。 【0020】 Video Sync Inポートは任意のポートであり、必要に応じていわゆる「Gen-Locked(情報がロックされる)」ようにアセンブリをマスタ同期信号に同期化させるために用いられる。Video Outポートはカメラ23から出力された複合ビデオ信号を配送する。Auxiliary Inpntsはアセンブリ7が単純な「開/閉」形スイッチに、またはリレー式出力を有する逆入アラーム装置に接続されることを許容する。アセンブリ7がこれらの外部装置の作動を検出すると、そのデータをData In/Outポートを介してオペレータコンソール2に送出し、他の処理に供する。Auxiliary Outpntsは位置8における光、サイレン、ドアロックなどの外部装置を制御することができる。これは、アセンブリに対して外部に配置され、図示してない固体リレーなどの高電力インタフェース回路を通して実現される。 CPU26は、高速データを送出すると共にオペレータコンソール2からの高速データ(Data In/Outポートおよびシステムインタフェース回路32を介して)を受信し、オペレータコンソールからのコマンドを処理し、コマンドをリフォーマットすると共にそれらを回転プラットフォーム22上のCPU41に送出し、さらにDSP28を介してモータ29のパン動作を制御する。DSP28はパン駆動回路29Aおよび増分エンコーダ31とのインタフェースのために特定的に設計され、パンモータ29の完全閉ループデイジタル運動制御、したがってパンニング条件、すなわちアセンブリ7の視軸線7Bのパンニングの制御を与える。 【0021】 さらに、DSP28は8ビット双方向多重化アドレスデータバスとして形成され得るデータバス26Aを介してCPU26からの入力コマンドを受信する。また、DSP28は、パンモータに機械的に結合された増分エンコーダ31からのパン位置フィードバック信号を受けると共に直角位相出力の形態の位置情報を出力する。エンコーダフィードバック信号はDSP28により直角位相カウント値に解読され、またDSP上の24ビットカウンタはパン位置のトラックを維持する。次に、DSP28は所望の位置(または速度)を実際位置(または速度)と比較し、DSPにさらに内蔵されるプログラマブルデイジタルフィルタを用いてパンモータ29に対する補償モータ制御信号を計算する。DSP28により与えられたパンモータ制御信号は好適にはPWM信号であり、これによりパルス幅またはデューティサイクルはパンモータの速度/トルク性能を制御する。 CPU41、DSP43、傾斜モータ駆動回路44Aおよびエンコーダ45はCPU26、DSP28、パンモータ駆動回路29Aおよびエンコーダ31と同様の機能を実行して傾斜モータ44、したがって傾斜条件、すなわちアセンブリ7の軸線7Bの傾斜位置を制御する。同様に、CPU41、駆動回路46A、47A、および48A、さらにエンコーダ49、50、51は合焦、ズーム、およびアイリスモータ46、47、および48の位置、したがってアセンブリ7の合焦、ズーム、およびアイリス条件を制御する。このようにして、これらの条件(パン、傾斜、合焦、ズーム、およびアイリス)に影響を与えるアセンブリの移動自在部分はそれぞれPWM信号制御によりそれぞれの閉ループディジタル運動制御システムにより制御される。 【0022】 閉ループ運動制御を与える場合に、CPU26の制御下でのDSP28、CPU41の制御下でCPU26からのコマンドに基づくDSP43、および同様にCPU26からのコマンドに基づくCPU41はそれぞれ4つの制御プログラムまたはアルゴリズムの1つを実行することができる。実行される特定のプログラムは移動自在部分を介して、したがって制御される駆動モータを介して実施される制御動作に依存して与えられる。 Position Controlとして示した第1制御アルゴリズムは、移動自在部分の所望の位置(その駆動モータの所望の位置に変換された)と移動自在部分の実際の位置(駆動モータの実際の位置に基づく)の間の点から点への位置的な差を決定し、さらに駆動回路を介して移動自在部分を移動させるPWM信号を生成して(これは速度プロファイリングなしに行われる)、元の位置を維持するように作用する。このアルゴリズムは基本的には、例え外力が(重力などの)移動自在部分を移動させようとしても、「停止」位置に移動自在部分を維持するように作用する。 【0023】 Integral Velocity Control(積分速度制御)と名づけた第2の制御アルゴリズムは移動自在部分に対して連続的な速度プロファイリングを実施する。これはコマンド速度およびコマンド加速度により規定される。移動自在部分の速度および加速度は任意の時点で変化されて時間的に連続して速度をプロファイルすることができる。特定のコマンド速度が得られると、それは新しいコマンドが特定されるまで維持される。現在規定された線形コマンド加速度において実際の速度間に変化が生じる。このアルゴリズムはアセンブリ7の移動自在部分の可変速度動作を与え、その場合移動自在部分は特定の割合で所望の速度増加まで加速され、また特定の割合で所望の速度減少まで減速される。これにより、システムオペレータはコンソール2からアセンブリ7に一連のディスクリート速度コマンドを送出することが許容され、これらのコマンドは1つの速度から次の速度への遷移が非常に滑らかになるように積分される。 Trapezoidal Profile Control(台形プロファイル制御)と名づけた第3の制御アルゴリズムはアセンブリ7の移動自在部分のポイント・ツー・ポイント位置決めを実行し、速度軌道を台形または三角形にプロファイルする。所望の最終位置、加速度、最大速度はシステムオペレータからのコマンドデータに基づいてCPU26または41により規定される。次に、コマンドデータに適合するようにDSP28または43あるいはCPU41により必要なプロファイルが計算される。距離の途中点前に最大速度が得られたときは、プロファイルは台形に、あるいは三角形になる。 【0024】 このアルゴリズムは、現在位置が知られており、また移動自在部分が所望位置に移動しなければならないターゲットまたはターゲットのパターンをアセンブリが見ることができるようにアセンブリ7の移動自在部分を移動させるために用いられる。これにより、コンソール2におけるオペレータは所望のコマンドをアセンブリ7に送出することが許容され、そこで次にアセンブリをターゲットにもたらすように移動が要求される各移動自在部分に対してポイント・ツー・ポイントプロファイルが計算される。各々のプロファイルはそれぞれの部分がそのそれぞれの駆動モータにより最大速度に加速され、次に駆動モータにより所望の位置の停止点に減速されることをもたらす。 Proportional Velocity Control(比例速度制御)と名づけた第4の制御アルゴリズムは、補償利得因子のみを用いて、モータ速度、したがって対応する移動自在部分の制御を実施するが、特定速度の維持は意図してない。このアルゴリズムを用いることにより移動自在部分そしてその対応するモータの機構についての定性的情報を与えることができる。このアルゴリズムが診断機能として用いられる場合、それはCPUおよびDSPにより用いられ、移動自在部分の移動時の「ラフな(rough)」スポットの有無と位置を決定する。 すでに示したように、CPU26に接続されたEEPROM27はCPU26により直接消去または再プログラミングが可能である。このEEPROM27はプログラム(すなわちプログラムコード)およびサーベイランス装置6に関するその他の情報を内蔵している。その他の情報としては、通し番号、製造年月日、カメラ23およびレンズ24の形式、装置6のその他の構成要素の修正レベル、および装置に対してなされた現場での変形の日付と特性などがある。CPU26はEEPROM27を消去および再プログラムできるので、コンソール2におけるオペレータはサーベイランス装置6を動作させる既存プログラムに新しいプログラムまたは修正を「アップロード(upload)」し、プログラムコードバッグを固定または新しいプログラムの特徴を付加する効率的な方法を与えることができる。 【0025】 CPU26および41に関わるバッテリ26Bおよび41Aは数時間の持久RAMメモリを各々のCPUに提供する。これにより、CPU26の場合は、交流電源が瞬時に失われる場合のターゲット、パターン、および境界座標などの記録を「アップロード」する必要性が回避される。 すでに示したように、CPU41はCPU26から(スリップ・リングアセンブリを介して)データを受け、さらにDSP43を介してCPU26からのコマンドを処理してズーム、結像、およびアイリスモータ46、47および48の動作を制御すると共に傾斜モータ44の動作を制御する。このようにして、アセンブリ7の傾斜条件が、パン条件の場合と同様に専用のDSPにより制御され、一方ズーム、フォーカスおよびアイリス条件がCPU(現在の場合はCPU41)により直接制御される。この構成によりサーベイランス装置6の全体のコストが低減され、さらにパンおよび傾斜移動自在部分について要求されるさらに精密な制御が保証される。一方、専用DSPを用いてアセンブリ7のズーム、フォーカス及びアイリス条件の各々を制御し、付加されたDSPの付加的な犠牲はあるがかなりの性能の改良が得られる。 上記のように構成されたサーベイランス装置6によれば、この装置6の各種条件に係る移動自在部分の各々の速度は、広範囲の動作速度を与えるように制御することができる。可変速度はコンソール2におけるオペレータにサーベイランス装置を制御するより自然で効果的な手段を提供する。例えば、パン移動の速度はサーベイランス装置に近接して速いペースで歩く対象をオペレータが追随するのに十分な速さにすることができる。このようなパン移動の速度はまた、装置がズームイン条件にある場合に、オペレータが装置から離れて配置された特定のターゲットに対して装置を正確に位置づけるのに十分なように遅くすることが可能である。 【0026】 装置6の移動自在部分の速度はコンソール2におけるオペレータにより多くの方法で制御することができる。第1の方法では、制御位置が変化するとコンソールから異なる信号が送出される。この種の制御の例としては、コンソールにおける「ジョイ・スティック(操縦レバー)」または「x-yプラットフォーム」形の制御装置3Aがある。この種の制御装置ではその偏向またはx-y変位の角度が増加または減少されたとき装置6に異なる速度信号が送出される。 【0027】 第2の方法では簡単なスイッチ制御装置2Cが用いられる。スイッチの初めの押圧により移動自在部分に対する比較的ゆっくりした制御速度を示す信号が装置6に与えられる。しかし、このスイッチが解除されると、得られた信号は制御信号をしてある最大速度まで除々に増加せしめる。位置的に大きな変化が望まれるときは、スイッチをデプレスレホールドすることにより制御信号のその最大速度までのランプアップが生じる。また、位置的に小さな変化が望ましいときは、スイッチを迅速に押圧し解除するとゆっくりした制御速度が得られ、精度がさらに改善される。 さらに、上記のように構成されたサーベイランス装置6によると、装置条件を制御する移動自在部分の加速度は、これらの移動自在部分が広い速度範囲にわたって滑らかに移動すると共に「ソフトな」始動および停止を行うように制御することができる。滑らかな動作は、現在の速度から新しい速度にジャンプする代りに、移動自在部分の速度を現在の速度から新しい速度に除々に変化させる(ランプさせる)ことにより上記のアルゴリズムを介して実現される。同様に、ソフトな始動は速度を停止状態から所望の速度にランプさせることにより実現され、一方ソフトな停止は速度を停止状態に除々に減速することにより実現される。この方法によれば摩耗が最小になると共に小形軽量のモータと減速装置の使用が可能になる。 【0028】 サーベイランス装置6の他の重要な利点は、CPU26がアセンブリ状態に関する正確な位置情報を知っている点、すなわちカメラ・レンズアセンブリ7の視軸線7Bの位置(パンおよび傾斜位置)を「知っている」点、さらにズーム、フォーカス、アイリス設定が何であるかを知っている点にある。このようにして、CPU26はこの位置的情報を用いて以下に示すサーベイランス装置6の一連の独自の特徴を実施することができる。 【0029】 1.インテリジェントな端部停止検出。 装置6のCPU41はさらに、アセンブリ7の移動自在部分の上記閉ループ制御法を用いて移動自在部分の独自の端位停止検出および移動端部停止を与えるように構成されている。始動時には、CPU41はアセンブリ7の傾斜、ズーム、フォーカス、およびアイリス条件を制御する各々の部分がそれらのそれぞれの移動経路の一端部にゆっくり駆動されることをもたらす。この位置は移動自在部分の較正またはホーム位置と考えられ、メモリに格納される。次に、CPU41は各々の部分をそのそれぞれの逆移動端部に駆動し、さらにこの位置を上記部分の最大移動位置として格納する。このようにして、実際に、CPU41は電源立上げ時の各々の移動自在部分の移動範囲を学習することになる。 CPUは、これらの学習した位置を用いて、サーベイランス装置6の動作時に、現在の位置データをこれらの位置に関係する格納データと比較することによりそのホーム位置または移動端部位置を越えてアセンブリ7の各々の移動自在部分が駆動されないように保証することができる。したがって、サーベイランス装置6を用いることにより、スイッチやスリップクラッチまたは電流検出を必要とせずに端部停止保護が迅速かつ正確に達成されることになる。 【0030】 2.ズーム比例パン/傾斜制御 この場合、CPU26およびCPU41はアセンブリ7のズーム条件を制御する移動自在部分の現在位置を考慮し、次にアセンブリのパンおよび傾斜位置を制御する移動自在部分の速度スケールを適切に定める。ズームを制御する移動自在部分が広角ズーム条件または設定を示す位置を有するときは、パンおよび傾斜速度はより速い速度に向けてスケールが定められ、カメラ・レンズアセンブリ7が迅速に移動され位置決めされることを許容する。ズームを制御する移動自在部分の位置が望遠条件または設定を示すときは、パンおよび傾斜速度はより遅い速度に向けてスケールが定められ、アセンブリ7の正確な位置決めが許容される。 【0031】 3.被写界深度(ズームおよびアイリス)比例フォーカス制御. この場合のCPU41はズームおよびアイリス条件を制御する移動自在部分の現在位置を考慮し、次にアセンブリのフォーカス条件を制御する移動自在部分の速度スケールを適切に定める。ブライトライト条件および大きな被写界深度の下では(すなわち、アイリスがほぼ閉じられ、またズームが広角またはズームアウトされた)、フォーカス範囲の厳しさは低減される。したがって、CPU41は、速いフォーカス速度が実現できるようにフォーカス状態を制御する移動自在部分の速度を調節する。これにより、全フォーカス範囲が迅速に横断され、イン・フォーカス条件が実現される。 ローライト低光条件および浅い被写界深度の下では(すなわち、アイリスがほぼ開放され、ズームが望遠またはズーム・インされた)、フォーカス範囲はより厳しくなる。したがって、この場合は、CPU41はフォーカス状態を制御する移動自在部分がより遅い速度をとることをもたらし、対象への正確なフォーカス動作が可能になる。この場合も、集光条件がかなり調節から外れているときは、ゆっくりした制御によりフォーカス状態を調節する時間が長くなる。したがって、CPU26は、調節プロセスがより迅速に実施できるように初めの低速度の後速度を「ランプアップ」できるようにさらに構成されている。 【0032】 4.より高速、より正確なターゲットまたはプリセット(ポイント・ツー・ポイント移動). すでに示したように、ターゲットは位置8における特定の画像であり、サーベイランス装置6が特定のパン、傾斜、ズーム、アイリス、およびフォーカス条件をとることを要求している。これらの条件が一旦規定されると、ターゲットを、コンソール2におけるオペレータにより手動で、またはコンソール2により自動で(ある外部事象に基づいて)コールアップ(呼び込み)できる。したがって、迅速かつ正確なターゲット獲得が装置6により実現可能になる。 特に、閉ループ制御のため、ターゲットのホームアップ(すなわち較正)が電源立上げ時に1度だけ要求される。この特性は、正確な位置情報、速度制御、および加速度制御と組み合わされて、装置6が非常に迅速にターゲットにアクセスすることを可能にする。装置6は、これを、移動が要求される各々の移動自在部分を始動させて低速でターゲットに達し、移動自在部分をより高速に迅速に加速し、次に同じ部分を低速度に減速し、その後所望のターゲットにおいて完全な停止にもたらすことにより実現している。これは、上記積分式速度・加速度制御法と共に上記の台形プロファイル制御法を用いることにより実現される。 【0033】 すなわち、ある部分の速度はゆっくりかつ滑らかに停止状態から最大速度まで増加される。次に、最大速度が適切な時間維持される。次に、制御された減速動作が行われ、上記部分の速度を除々にかつ滑らかに減速させて完全な停止状態をもたらす。このようにして、移動自在部分の機械的な不規則を克服する範囲に対しても滑らかな動作が得られる。 さらに、不規則性および外側からの力とは無関係に位置精度が維持される。このようにして、駆動モータおよび関連する歯車に対する応力が最小な状態で最も早い方法でターゲットに到達することになる。この結果、最要の場合のターゲット移動(パン移動の180°)に対して、ターゲットは、従来の装置では8秒以上かかったが、1秒以下で到達できることになる。 以上の全ての場合に、その説明は本発明の用途を代表する多くの可能な特定の実施例についての単なる例示として与えられたものであり、本発明の精神と範囲から逸脱せずに本発明の原理にしたがって多くの、かつ他の変形例が容易に得られることが理解される。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の原理によるサーベイランス装置を利用したCCTVシステムを示す構成図である。 【図2】 図1のサーベイランス装置のさらに詳細なブロック図である。 【符号の説明】 2 オペレータコンソール 3 制御パネル 4 モニタ 5 通信チャネル 6 サーベイランス装置 7 カメラ・レンズアセンブリ 7A 視野 7B 視軸線 8 位置 9 ハウジング |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-12-22 |
出願番号 | 特願平4-202095 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YA
(H04N)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 関谷 隆一 |
特許庁審判長 |
杉山 務 |
特許庁審判官 |
新宮佳典 原 光明 |
登録日 | 2002-12-06 |
登録番号 | 特許第3378030号(P3378030) |
権利者 | センサーマティック エレクトロニクス コーポレーション |
発明の名称 | カメラおよびレンズアセンブリの制御機能を増強改良したサーベイランス装置 |
代理人 | 岡部 正夫 |
代理人 | 臼井 伸一 |
代理人 | 井上 義雄 |
代理人 | 井上 義雄 |
代理人 | 加藤 伸晃 |
代理人 | 藤野 育男 |
代理人 | 藤野 育男 |
代理人 | 臼井 伸一 |
代理人 | 加藤 伸晃 |
代理人 | 岡部 正夫 |