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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H02K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H02K
管理番号 1115435
審判番号 不服2002-20512  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-06-06 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-23 
確定日 2005-04-14 
事件の表示 平成 7年特許願第307125号「全閉形回転電機」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 6月 6日出願公開、特開平 9-149599〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成7年11月27日の出願であって、平成14年9月13日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。

1.平成14年10月23日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年10月23日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
請求人は、補正の内容について、審判請求書で以下のように主張し、補正した。
「平成14年5月9日付け提出の手続補正書で補正した請求項1及び3を削除すると共に、請求項2と4を一緒にしたものを新たな請求項1(新請求項1という)、請求項2と5を一緒にしたものを新たな請求項2(以下、新請求項2という)、請求項2と請求項6を一緒にしたものを新たな請求項3(以下、新請求項3という)、請求項2と請求項4及び5を一緒にしたものを新たな請求項4(以下、新請求項4という)、請求項2と請求項5及び6を一緒にしたものを新たな請求項5(以下、新請求項5という)、及び請求項2と請求項4,5及び6を一緒にしたものを新たな請求項6(以下、新請求項6という)とする補正を行いました。」(審判請求書4頁末行〜5頁8行)

(2)補正の検討
イ.補正の目的について
請求項の削除は、特許法第17条の2第4項第1号の規定に該当するが、該削除した請求項に他の請求項同士を一緒にして新たな請求項を設ける補正は、形式的には同条第4項のいずれの規定にも該当しないことになるが、平成14年5月9日付手続補正書の請求項1(以下、旧請求項1という。)と、平成14年10月23日付手続補正書の請求項1(新請求項1)を対比すると、旧請求項2は旧請求項1の構成を全て備えているものと認められるから、新請求項1は実質的に旧請求項1を減縮したものと認められ、この補正は前記第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的としたものに該当する。(新請求項2,4乃至6も同様)
しかし、旧請求項3と新請求項3(旧請求項2と4)を対比すると、新請求項3は、旧請求項3の構成(特に「この内側通風路の内面を波状にする」点)を欠いているから、この補正は特許請求の範囲を拡張したことになり、上記第4項のいずれの規定を目的とするものにも該当しない。

ロ.独立特許用件について
この手続補正は、上記のとおり認められないものであるが、独立特許用件についても一応検討する。
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「請求項1
周方向に所定間隔をもち、かつ、軸方向に連続して形成された通風路を内側に有すると共に、軸方向に連続し、かつ、前記内側通風路の周方向間に所定間隔をもって径方向外方に突出している複数の放熱リブが設けられて複数個形成された通風路を外側に有する略円筒状の固定子枠と、該固定子枠の内面に嵌合され、固定子巻線を有する固定子鉄心と、該固定子鉄心と所定の間隙をもって対向配置され、回転子巻線を有すると共に回転子軸を嵌合される回転子鉄心と、前記回転子軸を回転可能に支持するベアリングと、前記固定子枠内に固定子鉄心と回転子鉄心を収納した状態で該固定子枠の軸方向両端を閉鎖するブラケットと、前記閉鎖された固定子枠内に配置され、前記回転子軸と共に回転することにより前記固定子鉄心と回転子鉄心を冷却した内部冷却風を前記内側通風路に送り循環させる内部ファンと、前記固定子枠の外部に配置され、前記回転子軸と共に回転することにより前記外側通風路に外部冷却風を送る外部ファンとを備えた全閉形回転電機において、
前記内側通風路を周方向に等間隔に5乃至12個設け、該各内側通風路は、前記固定子枠内側の径方向外側に凹状を成して形成されると共に、各内側通風路の外側には前記外側通風路を形成する前記放熱リブの径方向端部と略同程度の長さまで延びる別の放熱リブが設けられ、かつ、該各内側通風路外側の放熱リブと対向する内側通風路内に放熱リブが軸方向に連続して設けられていることを特徴とする全閉形回転電機。」
と補正された。
上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「内側通風路の周方向間の通風路」について「所定間隔をもって径方向外方に突出している複数の放熱リブが設けられて」との限定を付加し、同じく「内側通風路」と「外側通風路」及び「放熱リブ」の配置関係について「前記内側通風路を周方向に等間隔に5乃至12個設け、該各内側通風路は、前記固定子枠内側の径方向外側に凹状を成して形成されると共に、各内側通風路の外側には前記外側通風路を形成する前記放熱リブの径方向端部と略同程度の長さまで延びる別の放熱リブが設けられ、かつ、該各内側通風路外側の放熱リブと対向する内側通風路内に放熱リブが軸方向に連続して設けられていること」との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
(2)-1 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された実願昭60-179824号(実開昭62-88454号のマイクロフィルム、昭和62年6月5日公開、以下「引用例1」という。)には、以下の記載がある。
a.「全閉カゴ形誘導電動機の内部は、同図(a)の側断面図に示すように、回転軸1にベアリング2を介して保持されるブラケット3と固定子わく4によって遮蔽されている。この遮蔽内部固定子わく4に固定された固定子鉄心5、固定子巻線6、回転軸1に固定された回転子鉄心7,回転子巻線(図示省略)等の冷却を行うため、遮蔽ブラケット3の外側には回転軸1に固定して外扇ファン8が設けられる。」(明細書1頁末行〜2頁8行)
b.「固定子わく4は凹凸状に形成して固定子わく4,固定子鉄心5間に通風路4aを設ける」(同11行〜12行)
c.「風量が不足する。そこで従来は、更に同図(a)に示すように別置の内部ファン10を回転軸に取り付け、矢印で示す内気の循環を行っていた。」(同2頁18行〜同3頁1行)
d.第4図(b)の記載から以下の点が明らかである。
イ.固定子わくは略円筒状であり、その一部に設けられる通風路4aは、45°間隔で複数設けられているものと認められるから、全周で8個設けられているものと認められる。
ロ.固定子わくの上記通風路間には、外向きにのびる放熱リブが設けられている。
ハ.通風路は、固定子わく内側の径方向外側に凹状をなして形成されると共に、各通風路の外側には前記通風路を形成する放熱リブの径方向端部と同程度の長さまで延びる別の放熱リブが設けられているものと認められる。
e.第4図(a)の記載から、以下の点が明らかである。
ニ.放熱リブと通風路4aの長さは略同程度と認められる。
ホ.ブラケットは固定子わくの軸方向両端を閉鎖している。

以上の点を考慮すると、引用例1には、「周方向に所定の間隔を持ち、かつ、軸方向に連続して形成された通風路を内側に有すると共に、軸方向に連続し、かつ、前記通風路の周方向間に所定間隔を持って径方向外方に突出している複数の放熱リブが設けられて複数個形成された外側通風路を外側に有する略円筒状の固定子わくと、該固定子わくの内面に嵌合され、固定子巻線を有する固定子鉄心と、該固定子鉄心と所定の間隙をもって対向配置され、回転子巻線を有すると共に回転子軸を嵌合される回転子鉄心と、前記回転子軸を回転可能に支持するベアリングと、前記固定子わく内に固定子鉄心と回転子鉄心を収納した状態で該固定子鉄心わくの軸方向両端を閉鎖するブラケットと、前記閉鎖された固定子鉄心わく内に配置され、前記回転子軸とともに回転することにより前記固定子鉄心と回転子鉄心を冷却した内部冷却風を前記通風路に送り循環させる内部ファンと、前記固定子わくの外部に配置され、前記回転子軸とともに回転することにより前記外側通風路に外部冷却風を送る外部ファンとを備えた全閉形回転電機において、
前記通風路を周方向に等間隔に8個設け、該各通風路は、前記固定子わく内側の径方向外側に凹状を成して形成されると共に、各内側通風路の外側には前記外側通風路を形成する前記放熱リブの径方向端部と同程度の長さまで延びる別の放熱リブが設けられていることを特徴とする全閉形回転電機。」
との発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認めることができる。

(2)-2 引用例2
また、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭49-91857号(実開昭51-19204号のマイクロフィルム、以下、「引用例2」という。)には、内側通風路と外側通風路を備えた全閉型回転電機における冷却効率の高い外枠構造について記載されており、「固定子枠11は内側に円周方向に等間隔にリブを有し、このリブ21の内周に鉄心12が嵌込まれ保持される。
またリブとリブとの間に機内の負荷側および反負荷側間を連通する気道22を有し、かつこの気道22の周壁を切り抜いて開放した各開口部23に蓋板を兼ねた後述する放熱板24がねじ止めにより固定される。
放熱器24は熱伝導性のよい金属(アルミニウムまたはアルミニウム合金等)が用いられ、図示のように開口部23を閉塞する蓋板を兼ねた円弧状の放熱板25の外側に等間隔で放射状に配列されて外気に対して放熱面を形成する複数個の外側フィン26を有すると共に、この外側フィンと同一間隔で内側に機内空気に対して受熱面を形成する複数個の内側フィン27をもっている。」(明細書3頁1行〜16行)と記載されている。
また図2によれば、等間隔で放射状に形成される内側のフィン27、外側のフィン26は「放熱板から対向して配置されている」といえ、さらにこれらの冷却用フィンは放熱板の軸方向長さと等しく「軸方向に連続して設けられている」ことも明かである。
したがって、引用例2には、
「気道と外気通風路を備えた全閉形回転電機において、内側に前記気道が形成される放熱板25を備え、該放熱板25には半径方向外方に外側フィンを設け、気道内には前記外側フィンと対向し内側フィンが軸方向に連続して設けられている全閉形回転電機の冷却構成。」(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明1とを比較すると、引用発明1の「通風路」は、本願補正発明の「内側通風路」に相当し、以下同様に、「外扇ファン」は「外部ファン」に、「回転軸」は「回転子軸」に相当するから、両者は、
「周方向に所定間隔をもち、かつ、軸方向に連続して形成された通風路を内側に有すると共に、軸方向に連続し、かつ、前記内側通風路の周方向間に所定間隔をもって径方向外方に突出している複数の放熱リブが設けられて複数個形成された通風路を外側に有する略円筒状の固定子枠と、該固定子枠の内面に嵌合され、固定子巻線を有する固定子鉄心と、該固定子鉄心と所定の間隙をもって対向配置され、回転子巻線を有すると共に回転子軸を嵌合される回転子鉄心と、前記回転子軸を回転可能に支持するベアリングと、前記固定子枠内に固定子鉄心と回転子鉄心を収納した状態で該固定子枠の軸方向両端を閉鎖するブラケットと、前記閉鎖された固定子枠内に配置され、前記回転子軸と共に回転することにより前記固定子鉄心と回転子鉄心を冷却した内部冷却風を前記内側通風路に送り循環させる内部ファンと、前記固定子枠の外部に配置され、前記回転子軸と共に回転することにより前記外側通風路に外部冷却風を送る外部ファンとを備えた全閉形回転電機において、
前記内側通風路を周方向に等間隔に8個設け、該各内側通風路は、前記固定子枠内側の径方向外側に凹状を成して形成されると共に、各内側通風路の外側には前記外側通風路を形成する前記放熱リブの径方向端部と略同程度の長さまで延びる別の放熱リブが設けられていることを特徴とする全閉形回転電機。」
の点で一致し、
本願補正発明が、「各内側通風路外側の放熱リブと対向する内側通風路内に放熱リブが軸方向に連続して設けられていること」との構成を備えているのに対し、引用発明1ではこのような構成を備えていない点で相違する。

(4)判断
上記相違点について検討する。
本願補正発明及び引用発明1と同じ技術分野に属する発明として、引用発明2、すなわち「気道と外気通風路を備えた全閉形回転電機において、内側に前記気道が形成される放熱板25を備え、該放熱板25には半径方向外方に外側フィンを設け、気道内には前記外側フィンと対向し内側フィンが軸方向に連続して設けられている全閉形回転電機の冷却構成。」が引用例2に記載されている。ここで、引用発明2の「気道」は引用発明1の「(内側)通風路」に相当し、同じく「外側フィン」は「別の放熱リブ」に相当するものと認められ、かつ、引用発明1においても冷却効率を高めることは当然の技術課題と認められるから、引用発明1に引用発明2の冷却構造を用いることに格別の困難性がなく、容易に実施し得るものと認められる。
そして、引用発明2を採用することにより、引用発明1において(内側)通風路内に「内側通風路外側の放熱リブと対向する内側通風路内に放熱リブが軸方向に連続して設けられていること」の構成は当然得られるものと認められる。
そして、本願補正発明の作用効果も、引用例1、引用例2から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項、及び同条第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成14年10月23日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成14年5月9日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
周方向に所定間隔をもち、かつ、軸方向に連続して形成された通風路を内側に有すると共に、軸方向に連続し、かつ、前記内側通風路の周方向間で複数個形成された通風路を外側に有する略円筒状の固定子枠と、該固定子枠の内面に嵌合され、固定子巻線を有する固定子鉄心と、該固定子鉄心と所定の間隙をもって対向配置され、回転子巻線を有すると共に回転子軸に嵌合される回転子鉄心と、前記回転子軸を回転可能に支持するベアリングと、前記固定子枠内に固定子鉄心と回転子鉄心を収納した状態で該固定子枠の軸方向両端を閉鎖するブラケットと、前記閉鎖された固定子枠内に配置され、前記回転子軸と共に回転することにより前記固定子鉄心と回転子鉄心を冷却した内部冷却風を前記内側通風路に送り循環させる内部ファンと、前記固定子枠の外部に配置され、前記回転子軸と共に回転することにより前記外側通風路に外部冷却風を送る外部ファンとを備えた全閉形回転電機において、
前記内側通風路は、前記固定子枠内側の径方向外側に凹状を成して形成され、
この内側通風路内に放熱リブを軸方向に連続して設けたことを特徴とする全閉形回転電機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。
(2)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から、「内側通風路の周方向間の通風路」について「所定間隔をもって径方向外方に突出している複数の放熱リブが設けられて」との限定を省略し、同じく「内側通風路」と「外側通風路」及び「放熱リブ」の配置関係について「前記内側通風路を周方向に等間隔に5乃至12個設け、該各内側通風路は、前記固定子枠内側の径方向外側に凹状を成して形成されると共に、各内側通風路の外側には前記外側通風路を形成する前記放熱リブの径方向端部と略同程度の長さまで延びる別の放熱リブが設けられ、かつ、該各内側通風路外側の放熱リブと対向する内側通風路内に放熱リブが軸方向に連続して設けられていること」との限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例1、引用例2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1、引用例2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明、引用例2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-02-14 
結審通知日 2005-02-15 
審決日 2005-03-01 
出願番号 特願平7-307125
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H02K)
P 1 8・ 121- Z (H02K)
P 1 8・ 572- Z (H02K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 栗林 敏彦野村 亨  
特許庁審判長 三友 英二
特許庁審判官 安池 一貴
岩本 正義
発明の名称 全閉形回転電機  
代理人 作田 康夫  

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