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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1115769
審判番号 不服2002-23677  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-09 
確定日 2005-04-28 
事件の表示 特願2002- 29387「教育・保育機関における情報の処理方法、処理装置及び処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月25日出願公開、特開2002-312495〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成12年9月21日に出願した特願2000-286355号の一部を平成14年2月6日に新たな出願としたものであって、平成14年11月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成14年12月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成14年12月9日付けで手続補正がなされたものである。
上記補正は、特許請求の範囲について、補正前の請求項4ないし15及び同請求項19ないし21を削除するものであるから、特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。
そして本願の請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「【請求項1】少なくとも教育・保育機関に対する情報処理を実施するサーバによる情報処理方法であって、
教育・保育機関における端末から連絡帳情報を要求する連絡帳要求情報を受信する受信ステップと、
前記連絡帳要求情報に該当する連絡帳情報を、保護者からの連絡事項情報と出欠情報とを含む連絡帳情報を記憶する連絡帳情報記憶手段より抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された前記連絡帳情報を各子供の保護者からの連絡事項情報と出欠情報とを含んで一覧表示させるための連絡帳表示情報を生成し、前記教育・保育機関における端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。」

2.引用刊行物
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、特開平6-282478号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 「【0004】図19は、従来のデータベースシステム他の例を示す構成図であり、複数の入出力装置21と知識エントリ装置22が設けられ、データサーバ23を構成する複数のデータベースA25、B26に入出力装置21から知識情報蓄積装置24を介して複数種類のデータを入力したり、逆に蓄積したデ-タを取り出すことが可能になっている。」(2頁1欄46行〜同2欄2行)
イ 「【実施例】図1は本発明の知識情報格納装置の一実施例の概要説明図であり、共通スタッカ群401と利用者別の個人用スタッカ403O,403P,403Q,403Rが設けられている。そして、共通スタッカ群401の中には、カード形式のデ-タ(以下、カードデ-タ)をその種類W,X,Y,Z別に格納するスタッカ402W,402X,402Y,402Zが設けられ、各利用者が入力したカードデ-タ404はそれぞれ対応する個人用スタッカ403O,403P,403Q,403Rに一旦格納され、ここでデ-タの内容が完成するまで保存される。完成したカードデ-タ404は、利用者の指示により、共通スタッカ群401に転送され、種類別に仕分けされ、対応する種類のスタッカ402W,402X,402Y,402Zに格納される。
【0018】格納したカードデ-タ404は、それに対する検索要求を行うことによって、検索要求を行った利用者に対応する個人用スタッカ403O,403P,403Q,403Rに取り出し、参照したり修正することができる。」(3頁3欄30〜48行)
ウ 「【0048】図13はカード検索部513の説明図であり、入力画面1601においてフォーマットデータを使用して検索条件を設定する。例えば、作成日を示す検索文字列1602および作成者を示す検索文字列1603によって検索条件を設定する。
【0049】すると、カード検索部513は設定された検索条件に適合するカードデ-タ404を共通スタッカ群401内から検索し、出力画面1604に表示する。」(5頁7欄9〜16行)
エ 「【0068】また、日次、月次等のスケジュールをカード一枚づつに登録することにより、スケジュール管理に応用することができる。特に、ネットワークで接続することにより、グループ全員の行動予定を把握することができる。」(6頁9欄6〜10行)
これら記載事項及び図19によると、引用刊行物には、
「複数の入出力装置と知識エントリ装置が設けられ、データサーバを構成する複数のデータベースに入出力装置から知識情報蓄積装置を介して複数種類のデータを入力したり、逆に蓄積したデ-タを取り出すことが可能になっており、検索要求を行うと検索条件に適合するカードデータを検索し、出力画面に表示する方法」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

3.周知例
本願出願前に頒布された、”学校と家庭が直結する”,アスキードットPC,アスキー,1998年12月号,no.7,142-145頁には、次の事項が記載されている。
ア 「この玉川学園の、今年度の入学案内の中に「CHaTNet参加のお願い」という一文があった。「CHaTNet」とは、玉川学園が始めたネットワーク教育システムのことだ。2002年までに、小学部から高等部に通う約3000人の生徒のすべての家庭に、メールアカウントを発行しようとしている。これにより学校、家庭、生徒、教師たちは、電子メールとホームページを使ってコミュニケーションができるようになる。同学園では、受験と入学の前に、このコンセプトに対する理解と、全面的な協力を求めた。
今年4月に入学した小学部1年生147人の場合、既に家庭へのアカウント発行率は97%にまで到達。
「まだパソコンを導入していない家庭は、残り3〜4世帯です」(「CHaTNet」担当・臼井和夫教諭)
ぴかぴかの1年生の親は、とにかく学校での子どもの様子が気になって仕方ない。教師にしたところで、1人で40人弱の連絡帳に書き込むというのは限界がある。そんな時、親は家庭で画像付きのメールを見たり、担任の教師に対して、直接メールで相談ができたら、どんなに気が休まるだろう。」(142頁下欄5行〜143頁13行)
イ 143頁左下の図には「父母」から「担任の先生への連絡」の矢印が記載されている。
ウ 144頁右上の図には「小学生の部屋」のウィンドウ内に「欠席連絡」のアイコンが記載されている。

4.対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「データサーバ」及び「入出力装置と知識エントリ装置」は、それぞれ本願発明の「情報処理を実施するサーバ」及び「端末」に相当する。そして、引用発明において検索要求を行うからにはその要求情報を受信するステップを含むことは明らかであり、また、本願発明の「連絡帳情報記憶手段」も引用発明の「データベース」も上位概念では「記憶手段」ということができ、引用発明において「検索」するということはデータを抽出する抽出ステップを含むことは明らかであり、また、引用発明において表示を行うために、データを表示させるための表示情報を生成し、端末に送信する送信ステップを含むことはネットワークを前提とすれば(2.エ参照。)設計上当然のことである。
してみれば、両者は、
「情報処理を実施するサーバによる情報処理方法であって、
端末から要求情報を受信する受信ステップと、
要求情報に該当するデータを、記憶手段より抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出されたデータを表示させるための表示情報を生成し、端末に送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。」
である点で一致するが、以下の点で相違する。
(相違点)本願発明が、少なくとも教育・保育機関に対する情報処理を前提とし、教育・保育機関における端末から連絡帳情報を要求する連絡帳要求情報を受信し、前記連絡帳要求情報に該当する連絡帳情報を、保護者からの連絡事項情報と出欠情報とを含む連絡帳情報を記憶する連絡帳情報記憶手段より抽出し、抽出された前記連絡帳情報を各子供の保護者からの連絡事項情報と出欠情報とを含んで一覧表示させるための連絡帳表示情報を前記教育・保育機関における端末に送信するものであるのに対し、引用発明は、教育・保育機関に対する情報処理を前提としておらず、連絡事項情報と出欠情報とを含む連絡帳情報を扱わず、また連絡情報を連絡事項情報と出欠情報とを含んで一覧表示させるための連絡帳表示情報を送信しない点。

5.当審の判断
そこで、上記(相違点)について検討すると、引用刊行物には引用発明がネットワーク上で他人に関する情報を把握する用途に用いられることが示唆されており(2.エ参照。)、また、教育・保育機関における情報処理として保護者からの連絡事項情報を含む連絡帳情報を扱うことは周知であり(上記3.参照。3.イの「父母」から「担任の先生への連絡」の矢印は、3.アの「担任の教師に対して、直接メールで相談ができたら」という記載を参酌すれば、「保護者からの連絡事項情報を含む連絡帳情報」を送るものと解釈できる。)、また、日常経験上前記連絡帳情報に出欠情報が含まれることは明らかであるから、引用発明を上記周知の教育・保育機関における情報処理に転用することは当業者が容易になし得ることである。そして、関連する情報を一覧表示することは周知であるから、上記連絡帳情報を表示する際に、各子供の保護者からの連絡情報と出欠情報とを含んで一覧表示させるように設計することは容易に思いつくことである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-02-22 
結審通知日 2005-03-01 
審決日 2005-03-15 
出願番号 特願2002-29387(P2002-29387)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 571- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩間 直純  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 加藤 恵一
深沢 正志
発明の名称 教育・保育機関における情報の処理方法、処理装置及び処理プログラム  
代理人 原田 一男  
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