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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1115789
審判番号 不服2002-17563  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-12-15 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-09-12 
確定日 2005-04-28 
事件の表示 平成11年特許願第102734号「通信端末装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年12月15日出願公開、特開2000-349742〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成11年4月9日の出願(優先権主張 平成11年3月31日)であって、平成14年8月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月12日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同年10月4日付けで手続補正がなされたものである。

第2.補正却下の決定
[結論]
平成14年10月4日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
上記手続補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を、
「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システムにおいて使用される通信端末装置であって、
情報データを含む伝送単位および誤りビットの位置を示す位置情報であって前記伝送単位よりもビット数が少ない位置情報の双方を、前記下り回線を介して受信する受信手段と、
前記伝送単位または前記位置情報に誤りが有るか否かを検査する検査手段と、
前記検査手段によって前記伝送単位に誤りが発見された場合は、前記伝送単位をそのまま前記上り回線を介して基地局装置へ送信する一方、前記検査手段によって前記位置情報に誤りが発見された場合は、前記位置情報の再送要求を前記上り回線を介して前記基地局装置へ送信する送信手段と、
前記検査手段によって前記位置情報に誤りが発見されない場合に、前記検査手段によって発見された伝送単位の誤りを前記位置情報に基づいて修正する修正手段と、
を具備し、
前記受信手段は、前記伝送単位の各々を、前記下り回線で発生する誤りの有無によらず1回だけ前記下り回線を介して受信し、
前記送信手段は、
前記検査手段によって誤りが発見された前記伝送単位の各々について、
1回だけ前記伝送単位をそのまま前記上り回線を介して前記基地局装置へ送信し、
その後は、前記伝送単位を送信せずに、前記位置情報に誤りが検出されなくなるまで繰り返し前記位置情報の再送要求を前記上り回線を介して前記基地局装置へ送信する、
ことを特徴とする通信端末装置。」
という発明に変更することを含むものである。

2.補正の適否
上記補正のうち「1回だけ前記伝送単位をそのまま前記上り回線を介して前記基地局装置へ送信し」という構成について検討するに、例えば願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の明細書4頁6欄、段落【0029】には「1番と6番のセルはエラーが発生したので、移動局は上りUchを使用して、エラーのある1番203と6番204のセルをそのまま基地局に返送する。1番のデータセル203は正しく返送されたので、基地局は、受信されたエラーのあるデータセル203と元の蓄積された該当送信データとを比較してエラーの検出を行い、エラーの発生位置を示すエラー情報205を下りCchを使用して移動局に伝送する。一方、6番のデータセル204は正しく返送できなかったため、基地局はNAK信号207を使って6番のデータセルの返送をを再度移動局に求める。」と記載されており、当該記載によれば、上り回線を介して基地局装置へ送信されるデータセル(即ち、伝送単位)は正しく返送されるまで何回でも再送されるものであるところ、この返送を「1回だけ」に限定する構成はどこにも記載されておらず、また、その必然性も存しない。
したがって、上記補正は、当初明細書等に記載されていた事項の範囲内においてなされたものではないから、特許法第17条の2第3項(新規事項)の規定に適合していない。

3.結語
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項(新規事項)の規定に適合していないから、特許法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成14年10月4日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年3月11日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システムにおいて使用される通信端末装置であって、
情報データを含む伝送単位および誤りビットの位置を示す位置情報の双方を受信する受信手段と、
前記伝送単位または前記位置情報に誤りが有るか否かを検査する検査手段と、
前記検査手段によって前記伝送単位に誤りが発見された場合は、前記伝送単位をそのまま前記上り回線を介して基地局装置へ送信する一方、前記検査手段によって前記位置情報に誤りが発見された場合は、前記位置情報の再送要求を前記上り回線を介して前記基地局装置へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。」

2.引用発明及び周知技術
(1)これに対して、原審の拒絶理由に引用された特開平8-163101号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
イ.「【請求項1】送信装置と受信装置との間で誤り制御を行う誤り制御システムにおいて、
前記送信装置は、
送信すべき情報に誤り検出のための冗長ビットを付加して送信信号を生成する送信信号生成手段と、
前記送信信号に基づいて誤り訂正に用いられる第1の剰余信号もしくは第1のシンドロームを生成する第1の剰余/シンドローム生成手段と、
前記第1の剰余信号または第1のシンドロームと前記受信装置からの第2の剰余信号または第2のシンドロームに基づいて誤り位置を検出して誤り位置情報を出力する誤り位置検出手段と、
前記送信信号および前記誤り位置情報を送信する送信手段とを具備し、
前記受信装置は、
前記送信信号および前記誤り位置情報を受信する受信手段と、
この受信手段により前記送信信号を受信して得られた受信信号中の前記冗長ビットを用いて該受信信号の誤りの有無を検出する誤り検出手段と、
前記受信信号に基づいて誤り訂正に用いられる前記第2の剰余信号もしくは第2のシンドロームを生成する第2の剰余/シンドローム生成手段と、
前記誤り検出手段により前記受信信号の誤りが検出されたとき前記第2の剰余信号もしくは第2のシンドロームを前記送信装置に返送する剰余/シンドローム返送手段と、
前記受信手段により受信された前記誤り位置情報に従って受信信号の誤りを訂正する誤り訂正手段とを具備することを特徴とする誤り制御システム。」(2頁1欄、請求項1)
ロ.「【0011】
【作用】このように構成された誤り制御システムによると、送信時には送信情報に誤り検出のための冗長ビットのみを付加した送信信号が送信される。この送信信号を受信した受信装置は受信信号の誤りの有無を検出し、誤りが検出されると受信信号から誤り訂正のための剰余信号もしくはシンドロームを生成し、送信装置に返送される。送信装置では、送信信号から誤り訂正のための剰余信号もしくはシンドロームを生成し、これと受信装置から返送されてきた剰余信号もしくはシンドロームに基づいて、例えば両者を加算することにより誤りビットに起因する剰余信号もしくはシンドロームのみを生成し、通常の誤り訂正の手法で誤り位置を検出する。そして、この誤り位置情報を受信装置に送信し、この誤り位置情報に基づいて受信装置で誤りを訂正する。」(3頁3欄、段落11)
ハ.「【0017】次に、送信装置の概略的な動作を説明する。送信装置の第1の入力端子151より入力される送信すべき情報(以下、送信情報という)は、誤り検出符号化回路111により誤り検出のためのCRC(Cyclic Redundant Check)ビットが付加されて送信信号S(x)となり、S(x)送信バッファ112に一旦記憶されると共に、信号合成器118を介して送信される。信号発生器118は、4つの入力端子のいずれから入力される信号をも等しく出力端子152に出力するものである。出力端子152から出力される信号は、図示しない通信路を介して送信され、図2の受信装置で受信される。
【0018】送信装置の第2の入力端子153に、図2の受信装置から出力端子156を経て返送される信号が入力される。この入力端子153に入力された信号は、まず受信信号判別回路121で剰余信号re(x)、ACK信号、S(x)再送要求信号、およびWi再送要求信号のいずれであるかが判別され、これらの信号が別々の出力端子から出力される。これらの信号は、いずれも制御回路122に入力される。」(4頁5欄、段落17〜18)
ニ.「【0025】次に、受信装置の概略的な動作を説明する。送信装置の出力端子152から図示しない通信路に送出された信号は、受信装置の入力端子154に入力される。入力端子154に入力された信号は、まず受信信号判別回路131で信号の種別が判別される。受信信号判別回路131では、受信信号R(x)、符号化信号Wi、reqA信号およびreqB信号のいずれかの信号が受信される。送信装置からの送信信号S(x)は、受信装置では受信信号R(x)として受信される。この受信信号R(x)は送信信号S(x)そのものか、もしくはS(x)の幾つかのビットが誤った信号である。この受信信号R(x)は、一般には他の3つの信号よりパケット長が長いため、パケット長を観測することにより他の信号と区別できる。つまり、規定のパケット長が受信されるとR(x)とみなされる。
【0026】符号化信号Wi、reqA信号およびreqB信号は、正しく受信されたときのみ受信されたと判別される。もし、これらの信号の幾つかのビットが誤ると、受信信号判別回路131は受信検出を行わないので、これらの信号のパケットは消失する。これらのパケットが消失した場合でも、送信装置および受信装置でのタイマ処理により、信号が正しく受信装置で復元されるまで、デッドロック状態となることはない。」(4頁6欄、段落25〜26)
ホ.「【0029】受信信号判別回路131で符号化信号Wiが受信されると、符号化信号WiはWi復号回路136と受信バッファ132に導かれる。Wi復号回路136は、符号化信号Wiから誤りが発生したビット位置を示す誤り位置情報を復号し、誤りビット反転回路137に出力する。誤りビット反転回路137は、この誤り位置情報に基づいて、受信バッファ138から入力される受信信号R(x)の誤り位置のビットを反転する。」(5頁7欄、段落29)
ヘ.「【0049】この符号化信号Wiは受信装置に送信され、ステップS21,ステップS22で送信バッファに保存された後、タイマBをセットして待ち受け状態となる(ステップS23)。符号化信号Wiを送信する際には、誤り検出のためのCRCビットを付加する。
【0050】一方、受信装置のステップS49の待ち受け状態では、4種類の信号のどれかが受信される。まず、タイマDがタイムアウトした場合には、符号化信号Wiの再送を要求する信号を送信し(ステップS50)、再度タイマDを設定して待ち受け状態となる(ステップS49)。これは、ステップS21で送られた符号化信号Wiが通信路上で誤って消失した場合に起こり、正しく符号化信号Wiが受信されるまで、上記の手順を繰り返す。」(7頁11欄、段落49〜50)
ト.「【0053】最後に、ステップS49の待ち受け状態で符号化信号Wiが受信されると、ステップS51に進む。ステップS51では、符号化信号Wiが復号される。この復号結果は、受信信号R(x)の誤り位置を直接的に示しているので、この誤り位置のビットを反転することにより訂正を行う(ステップS52)。」(7頁11欄、28〜33行目)

上記引用例の記載及び添付図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記「送信装置」の出力端子152から「受信装置」の入力端子154を結ぶ通信路はいわゆる「下り通信路」を構成しており、上記「受信装置」の出力端子156から「送信装置」の入力端子153を結ぶ通信路はいわゆる「上り通信路」を構成している。そして、上記「送信装置」と「受信装置」及び2つの「通信路」はいわゆる「通信システム」を構成しており、上記「送信信号」は「パケット」として伝送され、当該「パケット」はいわゆる「伝送単位」を構成しており、上記「符号化信号Wi」は「誤りが発生したビット位置を示す誤り位置情報(即ち、誤りビットの位置を示す位置情報)」である。
また、上記「符号化信号Wi」には誤り検出のためのCRCビットが付加されており、「信号の幾つかのビットが誤ると、受信信号判別回路131は受信検出を行わない」のであるから、当該構成によれば、上記「受信手段」は、受信した「送信信号」ばかりでなく、受信した「符号化信号(即ち、誤りビットの位置を示す位置情報)」についても、その誤りの有無を検出している。したがって、上記「受信手段」は、前記送信信号(即ち、前記伝送単位)及び前記符号化信号(即ち、前記位置情報)中の誤りの有無を検出する誤り検出手段を備えるものである。
また、上記「ステップS21で送られた符号化信号Wiが通信路上で誤って消失した場合に起こり、正しく符号化信号Wiが受信されるまで、上記の手順を繰り返す。」という構成は、段落26の構成を参照すれば、ビット誤りが検出された場合もパケットの消失が発生するのであるから、前記「符号化信号Wiが通信路上で誤って消失した場合」とは符号化信号の一部のビット情報が消失した場合を含むものである。それゆえ、前記「正しく符号化信号Wiが受信されるまで、上記の手順を繰り返す。」という構成は前記誤り検出手段が符号化信号Wi中に誤りを検出した場合に、タイムアウト方式によりWi再送要求を自動的に行う構成を含むものである。
したがって、上記引用例には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「下り通信路と上り通信路を用いて通信が行われる通信システムにおいて使用される受信装置であって、
送信信号パケットからなる伝送単位および誤りビットの位置を示す位置情報の双方を受信する受信手段と、
前記伝送単位及び前記位置情報中の誤りの有無を検出する誤り検出手段と、
前記検出手段によって前記伝送単位に誤りが発見された場合は、前記伝送単位の剰余信号を前記上り通信路を介して送信装置へ送信する一方、前記検出手段によって前記位置情報に誤りが発見された場合は、前記位置情報の再送要求を前記上り通信路を介して前記送信装置へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする受信装置。」

(2)また、原審の拒絶査定に引用された特開平9-186740号公報(以下、「周知例」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
イ.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、携帯情報端末機器とその携帯情報端末機器に情報提供を行う情報提供局との間で非対称なデータ伝送速度でデータ送受信を行う際のデータ伝送制御方法および、それを用いたデータ伝送システムに関する。」(4頁5欄、段落1)
ロ.「【0003】このような要求を満たす通信携帯は、無線通信しかあり得ない。」(4頁5欄、段落3)
ハ.「【0045】図1において、第1の局1は、高速伝送システム3を用いて第2の局2にデータの送信を行ない、第2の局2は、第1の局1から伝送されてきたデータパケット5に誤りが含まれているかどうかを検査して低速伝送システム4用いて応答パケット6にてデータパケット5の内容に対する肯定応答あるいは否定応答を第1の局1に伝送し、誤りのあるデータに関しては次のデータパケット5にて第1の局1が再送を行なうものである。」(7頁12欄、段落45)

上記周知例の記載によれば「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システム」は周知であり、当該周知のシステムにおいても必要な誤り訂正は当然に行われるものである。

3.対比
そこで、本願発明と引用発明とを対比するに、本願発明の「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システム」と引用発明の「下り通信路と上り通信路を用いて通信が行われる通信システム」はいずれも「下り回線と上り回線を用いて通信が行われる通信システム」であるという点で一致しており、引用発明の「送信装置」、「受信装置」、「下り通信路」、「上り通信路」はそれぞれ本願発明の「基地局装置」、「通信端末装置」、「下り回線」、「上り回線」に対応する構成であり、情報伝送媒体として無線を用いるか否かの差はあるものの、通信機能上の実質的な差異はない。
また、引用発明の「送信信号パケットからなる伝送単位」は本願発明の「情報データを含む伝送単位」と実質的に同じ伝送データであり、引用発明の「前記伝送単位及び前記位置情報中の誤りの有無を検出する誤り検出手段」構成と本願発明の「前記伝送単位または前記位置情報に誤りが有るか否かを検査する検査手段」も実質的に同じ手段である。
また、引用発明の「伝送単位の剰余信号」を返送する構成と本願発明の「伝送単位をそのまま」返送する構成はいずれも「所定の返送信号」を返送する構成であるという点で一致している。
したがって、本願発明と引用発明は、
「下り回線と上り回線を用いて通信が行われる通信システムにおいて使用される通信端末装置であって、
情報データを含む伝送単位および誤りビットの位置を示す位置情報の双方を受信する受信手段と、
前記伝送単位または前記位置情報に誤りが有るか否かを検査する検査手段と、
前記検査手段によって前記伝送単位に誤りが発見された場合は、所定の返送信号を前記上り回線を介して基地局装置へ送信する一方、前記検査手段によって前記位置情報に誤りが発見された場合は、前記位置情報の再送要求を前記上り回線を介して前記基地局装置へ送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信端末装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点>
(1)「下り回線と上り回線を用いて通信が行われる通信システム」に関し、本願発明の通信システムは「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システム」であり、「基地局装置」、「通信端末装置」、「下り回線」、「上り回線」は無線通信システム用のものであるのに対し、引用発明の通信システムは「下り通信路と上り通信路を用いて通信が行われる通信システム」であり、「通信システム」、「送信装置」、「受信装置」、「下り通信路」、「上り通信路」が無線通信システム用のものであるか否か不明である点。
(2)「所定の返送信号」に関し、本願発明は「前記伝送単位をそのまま」返送するのに対し、引用発明は「前記伝送単位の剰余信号」を返送する構成である点。

4.当審の判断
そこで、まず、上記相違点(1)の「下り回線と上り回線を用いて通信が行われる通信システム」について検討するに、例えば上記周知例によれば「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システム」は周知であり、当該周知のシステムにおいても必要な誤り訂正は当然に行われるものであるから、当該周知の無線通信システムを引用発明に適用する上での阻害要因は何ら見あたらず、また適用後の作用効果も予想される範囲を超えるものではないから、引用発明の「下り通信路と上り通信路を用いて通信が行われる通信システム」の構成を、当該周知技術に基づいて、「下り回線の負荷が上り回線の負荷に比べて重い非対称通信が行われる無線通信システム」に変更するとともに、関連する「送信装置」、「受信装置」、「下り通信路」、「上り通信路」を前記「無線通信システム」に適した構成に変更する程度のことは当業者であれば適宜成し得ることである。
ついで、上記相違点(2)の「所定の返送信号」について検討するに、引用発明の「前記送信信号の剰余信号」は、「前記送信信号」(即ち、本願発明でいう「伝送単位」)から「導出」される信号であり、送信側において、誤りの位置を検出するための信号であるところ、送信側において、誤りの位置を検出するために、当該「導出」を行うことなく、より直接的に「前記伝送単位をそのまま」返送する構成とする程度のことは、当業者であればその所望に応じて適宜成し得ることである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、上記引用例に記載された発明ならびに上記周知例に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-02-24 
結審通知日 2005-03-01 
審決日 2005-03-14 
出願番号 特願平11-102734
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H04L)
P 1 8・ 121- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 衣鳩 文彦  
特許庁審判長 武井 袈裟彦
特許庁審判官 浜野 友茂
望月 章俊
発明の名称 通信端末装置  
代理人 鷲田 公一  

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