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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1115934
審判番号 不服2001-16942  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-21 
確定日 2005-05-02 
事件の表示 平成 6年特許願第330952号「半導体露光装置および半導体デバイス製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 6月25日出願公開、特開平 8-167563〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯
本願は、平成6年12月9日の出願であって、平成13年8月10日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月21日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年10月18日付で手続補正がなされたものである。

2.平成13年10月18日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成13年10月18日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1) 補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
複数のカテゴリを有し、前記カテゴリ毎に設定された複数の制御パラメータに応じて露光動作を行なう半導体露光装置において、
全ての前記制御パラメータにつけられたID情報を用いて、前記カテゴリ毎に複数の前記制御パラメータを表示する順番を格納する第1のデータファイルと、
前記ID情報に対応させて、全ての前記制御パラメータの表示情報を格納する第2のデータファイルと、
前記ID情報に対応させて、全ての前記制御パラメータのパラメータ値を格納する第3のデータファイルと、
前記第1のデータファイルに格納された前記ID情報に基づいて、前記第2のデータファイルおよび前記第3のデータファイルを検索し、前記ID情報に対応した前記表示情報および前記パラメータ値を読み出し、前記カテゴリ毎に複数の前記制御パラメータの表示画面を編集する編集手段と、
全ての前記制御パラメータの中から、いくつかの前記制御パラメータをパラメータ群として選択指定する手段と、
選択指定された前記パラメータ群にカテゴリ名称を新たに設定する手段を設け、
前記第1のデータファイルは、新たに設定された前記カテゴリ名称に対応した前記カテゴリにおける複数の前記制御パラメータを表示する順番を格納することを特徴とする半導体露光装置。」
と補正された。

(2)補正後の請求項1の新規事項の追加違反について
本件出願に係る上記手続補正により、請求項1に、「制御パラメータを表示する順番を格納」なる記載を含む補正が行われた。
しかしながら、本件出願の願書に最初に添付された明細書及び図面には、「制御パラメータを表示する順番を格納」なる記載はなく、
【0021】ないし【0024】段落に、
「【0021】
同様に従来は、各カテゴリの個別プログラムでもっていた、そのカテゴリに何のパラメータが含まれているのかやそのファイルへの保存順の情報についても、プログラム外のデータファイル42として、そのカテゴリに含まれるパラメータID、カテゴリ名称、保存順を保存する。
…。
【0023】
…データファイル群42から、指定カテゴリに含まれるパラメータID、カテゴリ名称、保存順を読み出す。
【0024】
…。
次に、カテゴリのパラメータファイル44からパラメータ保存順をもとにパラメータ値をプログラムメモリ内に読み込み、図2の様にパラメータ情報をディスプレィに表示し、キーボード5やマウス6など入力装置からのデータによってパラメータの編集を行う。」
との記載はあるものの、「保存順」と、「表示する順番」では概念が異なるし、「保存順」が「表示する順番」を意味するものとも認められないから、上記「制御パラメータを表示する順番を格納」なる上記手続補正は、願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲内の事項ではなく、新規事項である。

(3)むすび
以上のとおり、上記補正は、特許法第17条の2第2項で準用する特許法第17条第2項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項で読み替えられた同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について平成13年10月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成12年6月28日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「予め設定された制御パラメータに応じて動作するデバイス製造装置において、該装置の全制御パラメータのうち所望の制御パラメータのみを1つのカテゴリとして表示し、編集および保存する編集手段を設け、前記カテゴリ内の前記所望の制御パラメータの表示内容は必要に応じて変更可能であることを特徴とするデバイス製造装置。」
(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭62-25418号公報(以下、引用例1という。)の第1頁右欄第5行ないし同欄第10行に、
「本発明は、LSI、…等の半導体デバイスを製造する装置に関し、特に、装置の動作に関するコマンドやパラメータを任意にグループ化して、ユーザが装置を容易に操作できるようにした半導体製造装置に関する。」
と記載されている。
引用例1の特許請求の範囲第1項には、
「1.多数のコマンドおよび動作パラメータに従って動作する半導体製造装置であって、該コマンドおよび動作パラメータをグループ化しグループ名を付して記憶するとともに、該コマンド入力待ち状態における該グループ名の入力によりグループを構成するコマンドおよび動作パラメータを表示することを特徴とする半導体製造装置。」
と記載されている。
引用例1の第3頁左上欄第19行ないし右上欄第4行に、
「予め定義してあるグループに新たな実行コマンドをメンバとして登録する場合について説明する。グループを新たに定義するのか、または、予め存在するグループのの定義を変更するのかについての区別はグループ定義コマンドを入力するときに行なう。」
と記載されている。
引用例1記載の発明
多数のコマンドおよび動作パラメータに従って動作する半導体製造装置であって、該コマンドおよび動作パラメータを予めグループ化しグループ名を付してメモリに記憶するとともに、グループ名の入力によりグループを構成するコマンドおよび動作パラメータを新たに定義することを特徴とする半導体製造装置。

(2)対比
そこで、本願発明と引用例1に記載された発明とを比較する。
引用例1に記載された発明の、「グループ」、「動作パラメータ」及び「半導体製造装置」は、それぞれ、本願発明の、「カテゴリ」、「制御パラメータ」及び「半導体露光装置」に相当する。
引用例1記載の発明において、動作パラメータを新たにグループを構成するように定義する際、定義される動作パラメータに制限はないから、全ての動作パラメータの中から、所望の動作パラメータを1つのグループとして表示する構成を備えている。
また、引用例1記載の発明は、「パラメータを任意にグループ化して、ユーザが装置を容易に操作できるようにした」ものであるから、引用例1記載の発明においても、「編集および保存する編集手段」を備え、「カテゴリ内の前記所望の制御パラメータの表示内容は必要に応じて変更可能である」と認める。
そうすると、本願発明と引用例1に記載された発明は、
「予め設定された制御パラメータに応じて動作するデバイス製造装置において、該装置の全制御パラメータのうち所望の制御パラメータを1つのカテゴリとして表示し、編集および保存する編集手段を設け、前記カテゴリ内の前記所望の制御パラメータの表示内容は必要に応じて変更可能であることを特徴とするデバイス製造装置。」
において一致し、以下の相違を有する。 本願発明が、「全制御パラメータのうち所望の制御パラメータのみを1つのカテゴリとして表示」する構成を有するのに対し、引用例1に記載された発明は、当該構成の記載がない点で相違する(以下、「相違点」という。)。

(3)判断
上記相違点である制御パラメータを表示する際、所望の制御パラメータのみを表示することは、一般に表示において必要なもののみを表示するようにすることは当然の構成であることから、当業者が容易に想到できたことにすぎない。
そして、本願発明の作用効果も、引用例1記載の発明から当業者が予測できる範囲のものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-02-25 
結審通知日 2005-03-02 
審決日 2005-03-15 
出願番号 特願平6-330952
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 町田 光信南 宏輔  
特許庁審判長 上野 信
特許庁審判官 峰 祐治
辻 徹二
発明の名称 半導体露光装置および半導体デバイス製造方法  
代理人 伊東 哲也  

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