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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04L
管理番号 1116003
審判番号 不服2004-9191  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-03-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-06 
確定日 2005-05-06 
事件の表示 平成 6年特許願第198573号「電子メール装置及び電子メール配信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 3月 8日出願公開、特開平 8- 65335〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.本願発明
本願は、平成6年8月23日に出願したものであって、平成16年10月15日付け手続補正によって最終的に補正された明細書および図面の記載からみて、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

【請求項1】
「電子メールを配信する機能を少なくとも有する電子メール装置において、受け取った電子メールからグループ宛メールを認識するメール認識部と、電子メールの文書属性に関する分岐条件を含む仕分情報を管理する仕分情報管理部と、前記メール認識部でグループ宛メールであると判断された電子メールに対して前記仕分情報管理部が管理する前記仕分情報に基づいて電子メールを配送するメール配送部を有し、前記メール配送部は、前記電子メール中に前記仕分情報の前記分岐条件に一致する部分が存在するか否かを解析して、前記仕分情報が適用できるか否かを判定し、仕分情報が適用できる場合に前記仕分情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先がグループ宛の場合にはさらに該グループを条件として前記仕分情報の適用を繰り返し、変更後の宛先がグループ宛でないときに変更後の宛先に対してメール機能を利用して配送することを特徴とする電子メール装置。」

第2.引用例
(1)当審の拒絶理由で引用した特開平3-232341号公報(以下、「引用例1」という。)には、下記ア.、イ.が記載されている。
ア.「〔産業上の利用分野〕
この発明は送信されてきた電子メ-ルを個人に振り分けるための電子メ-ル振り分け方式に関するものである。
〔従来の技術〕
第3図は従来の電子メ-ル振り分け方式の構成を示すブロック図である。第3図において、1は送信側から送信されてきた電子メ-ル、2はセクション用メ-ルボックス3又は個人用メ-ルボックスa1〜anに電子メ-ル1を配信するメ-ル配信装置である。
次にこの従来方式の動作について説明する。電子メ-ル1を発信する側は、宛先(配信先)として、セクション又は個人を指定してメ-ル配信装置2に指定先メ-ルボックスへの配信を依頼する。個人用メ-ルボックスa1〜anに配信された電子メ-ル1は各個人が取り出すことになる。セクション用メ-ルボックス3に配信された電子メ-ル1は、セクションの管理者が一旦それを取り出し、その内容から判断した上、メ-ル配信装置2を使用して、再度各個人に振り分けるか、」(1頁左下欄19行〜右下欄19行)、

イ.「〔発明が解決しようとする課題〕
従来の電子メ-ル振り分け方式は上記のように処理するので、電子メ-ル1がセクション用メ-ルボックス3に配信された場合、その電子メ-ルを個人に振り分けるための作業が必要となり、これにより管理者の負担が多くなり、しかも管理者が不在の場合は振り分け作業ができないという問題点があつた。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、管理者の負担を軽減し、管理者が不在の場合であっても電子メ-ルを自動的に個人に振り分けることができる電子メ-ル振り分け方式を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る電子メ-ル振り分け方式は、セクション用メ-ルボックス3に電子メ-ル1が配信された場合、その電子メ-ルlの振り分け先を振り分け先判定テ-ブル5により判定し、その電子メ-ル1を個人用メ-ルボックスa1〜anに振り分ける振り分け装置6を備え、上記セクション用メ-ルボックス3に配信された電子メ-ルlであっても上記振り分け装置6によりその電子メ-ルlを上記個人用メ-ルボックスal〜anに振り分けることを特徴とするものである。
〔作用〕
セクション用メ-ルボックス3に電子メ-ル1が配信された場合、振り分け装置6はその電子メ-ル1の振り分け先を振り分け先判定テ-ブル5により判定し、該当する個人用メ-ルボックスal〜anにその電子メ-ル1を振り分ける。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例に係る電子メ-ル振り分け方式の構成を示すブロック図である。第1図において、第3図に示す構成要素に対応するものには同一の符号を付し、その説明を省略する。第1図において、6はセクション用メ-ルボックス3に電子メ-ル1が配信された場合、その電子メ-ル1の振り分け先を振り分け先判定テ-ブル5により判定し、その電子メ-ル1を個人用メ-ルボックスa1〜anに振り分ける振り分け装置である。
第2図は上記振り分け先判定テ-ブル5の内容を示す図である。この振り分け先判定テ-ブル5は1レコ-ド分からそれぞれ構成される振り分け先Al,A2,・・・,Anを有する。各振り分け先Al,A2,・・・,Anは、キ-ワ-ド抽出開始位置、キ-ワ-ド長、キ-ワ-ド文字タイプ、キ-ワ-ド、及び振り分け先情報(個人名)に基づいて決定される。
次にこの実施例の動作について説明する。送信されてきた電子メ-ル1はメ-ル配信装置2によりセクション用メ-ルボックス3又は個人用メ-ルボックスa1〜anに配信される。振り分け装置6は、セクション用メ-ルボックス3の内容を定期的にサ-チし、電子メ-ル1がセクション用メ-ルボックス3に存在した場合、振り分け先判定テ-ブル5を参照し、その電子メ-ル1の振り分け先を決定し、該当先個人用メ-ルボックスal〜anにその電子メ-ル1を振り分け配信する。この振り分け先の決定は振り分け先判定テ-ブル5に従って行なわれる。即ち、該当電子メ-ル1からは、振り分け先判定テ-ブル5に登録されたキ-ワ-ド抽出開始位置及びキ-ワ-ド長に基づいてキ-ワ-ドとなる文字列が抜き出される。次にキ-ワ-ド文字タイプに基づきその文字列のコ-ド変換を行ない、振り分け先判定テ-ブル5に予め登録されたキ-ワ-ドと、そのコ-ド変換された文字列のキ-ワ-ドとを比較する。両者が一致した場合は該当レコ-ドの振り分け先A1又はA2又はAnに電子メ-ル1を配信する。即ち電子メ-ル1を振り分け先A1又はA2又はAnに該当する個人用メ-ルボックスa1又はa2又はanに配信する。両者が不一致の場合は、上記と同じ処理で次のレコ-ドのキ-ワ-ドと、コ-ド変換された文字列のキ-ワ-ドとを比較し、順次レコ-ドを更新しながら一致するものを捜し、電子メ-ル1を該当振り分け先に配信する。
なお、上記実施例では判定条件としてキ-ワ-ドは1個でかつ一致する場合を示したが、キ-ワ-ドを複数個設け、各キ-ワ-ドの判定条件に範囲を加味することも可能である。又、一致するものが存在しない場合の振り分け先をデフォルトとして設けてもよい。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、セクション用メ-ルボックスに電子メ-ルが配信された場合、その電子メ-ルの振り分け先を振り分け先判定テ-ブルにより判定し、その電子メ-ルを個人用メ-ルボックスに振り分けるようにしたので、管理者がセクション用メ-ルボックスに配信された電子メ-ルを個人用メ-ルボックスに振り分け配信する必要がなくなり、これにより管理者の負担が軽減し、管理者が不在の場合であっても電子メ-ルが自動的に個人用メ-ルボックスに振り分け配信することができ、したがって振り分け作業の高効率化が図れるという効果が得られる。」(2頁左上欄2行〜3頁左上欄17行)。

前記イ.の記載からみて、該記載の「予め登録されたキーワード」は、文書の特性に関する分岐条件であり、振り分け先判定テーブルが、文書属性に関する予め登録されたキーワードからなる分岐条件を含む振り分け情報を有することは自明である。
前記記載事項及び、図面の記載並びに当該分野の技術常識を勘案すると、
引用例1には、
「電子メールを配信する機能を少なくとも有するメール振り分け方式において、受け取った電子メールからセクション宛メールを認識しセクション用メールボックスに配信するメール配信装置と、電子メールの中の文書属性に関する予め登録されたキーワードからなる分岐条件を含む振り分け情報を有する振り分け先判定テーブルと、前記メール配信装置でセクション宛メールと認識しセクション用メールボックスに配信された電子メールに対して振り分け先判定テーブルが有する前記振り分け情報に基づいて電子メールを配信する振り分け装置を有し、前記振り分け装置は、前記電子メール中に前記振り分け情報の前記分岐条件に一致する部分が存在するか否かを解析して、前記振り分け情報が適用できるか否かを判定し、振り分け情報が適用できる場合に前記振り分け情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先である個人用メールボックスに配信するメール振り分け方式。」(以下、「引用例1に記載された発明」という。)、
が記載されている。

(2)周知例として示す、Bryan Costales with Eric Allman & Neil Rickert著 ,”sendmail”,Tim O’Reilly編集、O’Reilly & Associates,Inc発行,November 1993:First Edition ,February 1994:Minor corrections,270頁、287頁〜288頁(以下、「周知例1」という。)には、概ね、下記ア.、イ.の事項が記載されている。

ア.「root:jim,sysadmin@server,
gunther

空白文字のインデント
ここでrootはエイリアスされるローカル・アドレスです。メールがローカルでroot宛に配信された場合には、rootがaliases(5)ファイルの中から検索されます。見つかると、宛先は上に示した3つのアドレスに置き換えられ、メールがrootの代わりにそれらの3つのアドレスに配信されます。
こうした検索および置き換えの処理は、エイリアスがaliases(5)ファイルに見つからなくなるまで、受信者ごとに繰り返されます。例えばrootのエイリアス先の1つがjimであり、そして、jimもエイリアス・ファイルにコロンの左側にある場合には、jimもjimのエイリアスで置き換えられるのです。
jim:jim@otherhost」(270頁13〜25行の和訳)、

イ.「 前章で示したように、sendmailはエイリアス・ファイルから転送先となる受信者のリストを得ることができます。また外部ファイルからも受信者リストを得ることができます。本章では外部ファイルの2つの形式について説明します。外部ファイルには、:include:形式(エイリアス・ファイルからアクセスされるもの)と個人ユーザの〜/.forwardファイルがあります。:include:形式のエイリアスは主としてメーリング・リストを作成するために利用されるので、まずメーリング・リストの概要、その作成と管理、そして最後にユーザの〜/.forwardについて説明していきます。
メーリング・リストは1つの受信者のアドレスに対応しますが、sendmailのエイリアスによる展開で多数の受信者のリストになります。メーリング・リストは内部定義(この場合、すべての受信者はaliasesファイルで指定される)、外部定義(この場合、すべての受信者はaliasesとは別のファイルで指定される)、あるいは両者の組み合せで作成することができます。メーリング・リストを構成する受信者リストにはユーザ、プログラム、ファイルを組み合せて指定することができます。

内部メーリング・リスト

内部メーリング・リストは、aliasesファイルの中で、コロンの右辺に1人以上の受信者を指定した単なる1つのエントリにすぎません。例えば、次のaliasesファイルのエントリを考えてみましょう。

admin: bob,jim,phil
bob: \bob,/u/bob/admin/maillog

ここでadminという名前は、メーリング・リストの名前といえます。なぜなら、それは1人以上の受信者に展開されるからです。同様に、bobという名前も2人の受信者に展開されるのでメーリング.リストです。bobはadminのリストにも含まれるので、adminメーリング・リスト宛に送られたメールはsendmailによってエイリアス展開され、次の受信者リストが生成されます。

jim, phil,\bob,/u/bob/admin/maillog

この後、メール・メッセージはローカルのユーザであるjimとphilには通常の方法で配信されます。つまり、さらに続けてそれぞれの〜/.forwardファイルがチェックされて転送すべきかが決められます。一方もう一人の受信者である \bobは、先頭にバックスラッシュが付いているためそれ以上のエイリアス処理は行われずに配信されます。最後にメッセージがファイル/ubob/admin/maillogに追加されます。
内部のメーリング・リストは、大規模な機関や組織になるほど複雑になっていきます。単純ですが、参考になる次の例を見てみましょう。

research: user1,user2
app11cations:user3,user4
admin: user5,user6
advertising: user7,user8
engineering: research,applications
frontoffice: admin,advertising
everyone: engineering,frontoffice

上の最初の4つのエイリアスは実際のユーザ名に展開するものです。最後の3つはそれら4つの組み合せで自動的にメーリング・リストを形成します。最後のものはすべてのユーザを含む総合的なものになります。
メーリング・リストの数が少なく、変更されることが少ない場合はすべての定義をaliasesファイルに入れておいた方が効率的に管理できます。しかしメーリングリストの数や1つのメーリングリストに属するユーザ数が多くなるに従い、リストをaliasesとは別のファイルに移動させることを検討すべきです。」(287頁中段〜288頁末行の和訳)。

前記記載事項において、「sendmail」が電子メールシステムを意味していることは当業者に自明である。
前記記載事項並びに当該分野の技術常識を勘案すると、
周知例1には、
「電子メールシステムにおいて、複数のメーリング・リスト(例えば、admin: bob,jim,phil及びbob: \bob,/u/bob/admin/maillog)を有し、前記メーリング・リストに基づいて電子メールを配信するものであって、受信した電子メールの宛先(admin)が前記メーリング・リストの名前(admin,bob)に一致が存在するか否かを解析して、前記メーリング・リストが適用できるか否かを判定し、前記メーリング・リストが適用できる場合に前記メーリング・リストを用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先( bob,jim,phil)を名前として前記メーリング・リストの適用を繰り返し、変更後の宛先(jim, phil,\bob,/u/bob/admin/maillog)に対してメール機能を利用して配信すること。」(以下、「周知例1の記載事項」という。)が記載されており、
周知例1の記載事項の「複数のメーリング・リスト」は宛先を一つまたは複数の宛先に宛先を変更するための情報であり「宛先変更情報」といえるものであるから、
周知例1の記載事項は、
「電子メールシステムにおいて、宛先変更情報を有し、前記宛先変更情報に基づいて電子メールを配信するものであって、受信した電子メールの宛先が前記宛先変更情報の名前に一致が存在するか否かを解析して、前記宛先変更情報が適用できるか否かを判定し、前記宛先変更情報が適用できる場合に前記宛先変更情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先を名前として前記宛先変更情報の適用を繰り返し、変更後の宛先に対してメール機能を利用して配信すること。」というものである。

第3.対比・判断
本願発明と引用例1に記載された発明とを対比すると、
(1)引用例1に記載された発明の「メール振り分け方式」、「セクション」、「配信」は、各々、本願発明の「電子メール装置」、「グループ」、「配送」に相当する。
(2)引用例1に記載された発明の「メール配信装置」は、受け取った電子メールからセクション宛メールを認識しセクション用メールボックスに配信する機能を有するものであるから、受け取った電子メールからセクション宛メールを認識する機能を有することは自明であり、前記(1)を考慮すると、「受け取った電子メールからグループ宛メールを認識するメール認識部」といえる。
(3)引用例に記載された発明の「振り分け情報」、「振り分け先判定テーブル」、「振り分け装置」は、各々、本願発明の、「仕分情報」、「仕分情報管理部」、「メール配送部」である。
(4)引用例1に記載された発明の「前記メール配信装置でセクション宛メールと認識しセクション用メールボックスに配信された電子メールに対して振り分け先判定テーブルが有する前記振り分け情報に基づいて電子メールを配信する振り分け装置」は、該記載の「前記メール配信装置でセクション宛メールと認識しセクション用メールボックスに配信された電子メール」なる記載において、電子メールが、前記メール配信装置でセクション宛メールであると判断されたものであることは自明のことであるので、前記(1)、(2)、(3)を考慮して、本願発明の「前記メール認識部でグループ宛メールであると判断された電子メールに対して前記仕分情報管理部が管理する前記仕分情報に基づいて電子メールを配送するメール配送部」に相当する。
(5)引用例1に記載された発明の「文書属性に関する予め登録されたキーワードからなる分岐条件を含む振り分け情報」は、「文書属性に関する分岐条件を含む仕分情報」である。
(6)本願発明の「仕分情報が適用できる場合に前記仕分情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先がグループ宛の場合にはさらに該グループを条件として前記仕分情報の適用を繰り返し、変更後の宛先がグループ宛でないときに変更後の宛先に対してメール機能を利用して配送する」と引用例1に記載された発明の「振り分け情報が適用できる場合に前記振り分け情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先である個人用メールボックスに配信する」とは、引用例1に記載された発明の「変更後の宛先である個人用メールボックス」が変更後の宛先を意味するから、前記(1)、(3)を考慮して、「仕分情報が適用できる場合に前記仕分情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先に対して配送する」点で一致する。
そうしてみると、本願発明1と引用例1に記載された発明とは、

「電子メールを配信する機能を少なくとも有する電子メール装置において、受け取った電子メールからグループ宛メールを認識するメール認識部と、電子メールの文書属性に関する分岐条件を含む仕分情報を管理する仕分情報管理部と、前記メール認識部でグループ宛メールであると判断された電子メールに対して前記仕分情報管理部が管理する前記仕分情報に基づいて電子メールを配送するメール配送部を有し、前記メール配送部は、前記電子メール中に前記仕分情報の前記分岐条件に一致する部分が存在するか否かを解析して、前記仕分情報が適用できるか否かを判定し、仕分情報が適用できる場合に前記仕分情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先に対して配送する電子メール装置。」、
である点において一致し、下記(1)、(2)の点で相違する。

(1)メールを配送する「変更後の宛先」を求める処理について、本願発明が「仕分情報が適用できる場合に前記仕分情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先がグループ宛の場合にはさらに該グループを条件として前記仕分情報の適用を繰り返し、変更後の宛先がグループ宛でないときに」変更後の宛先とするのに対し、引用例1に記載された発明にはこの様な構成が記載されていない点、
(2)メールの配送を、本願発明では、「メール機能を利用して」行うのに対し、引用例1に記載された発明ではこのような構成が明記されていない点。

次に前記相違点(1)、(2)について検討する。
相違点(1)について
例えば周知例1の記載事項にみられるように、「電子メールシステムにおいて、宛先変更情報を有し、前記宛先変更情報に基づいて電子メールを配信するものであって、受信した電子メールの宛先が前記宛先変更情報の名前に一致が存在するか否かを解析して、前記宛先変更情報が適用できるか否かを判定し、前記宛先変更情報が適用できる場合に前記宛先変更情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先を名前として前記宛先変更情報の適用を繰り返し、変更後の宛先に対してメール機能を利用して配信すること。」は本願出願前より周知の技術であり、係る、電子メールシステムにおける周知の宛先変更技術(以下、「周知技術」という。)を引用例1に記載された発明に適用することを阻害する要因はなく、
その際、
引用例1に記載された発明の、仕分情報(振り分け情報)に前記周知技術の「宛先変更情報」が対応し、引用例1に記載された発明の、仕分情報の分岐条件(振り分け情報の分岐条件)に、前記周知技術の「宛先変更情報の名前」が対応することは明らかであり、
また、前記周知技術において、前記周知技術における「前記宛先変更情報が適用できる場合に前記宛先変更情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先」の「変更後の宛先」が前記宛先変更情報の名前に無い場合は、変更後の宛先を前記宛先変更情報に適用する必要がなく、変更後の宛先が前記宛先変更情報の名前にある場合において、前記前記宛先変更情報の適用を繰り返し、変更後の宛先が宛先変更情報の名前でないときに変更後の宛先に対して配信すればよいことは当業者が適宜予想し得る程度の事項であり、また、前記周知技術の「宛先変更情報の名前にある場合」がグループ宛先である場合といえるものであるから、上記周知技術において、「前記宛先変更情報が適用できる場合に前記宛先変更情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先がグループ宛である場合は、該グループを条件として前記宛先変更情報の適用を繰り返し、変更後の宛先がグループ宛でないときに変更後の宛先に対して配信すること。」ことは当業者が適宜予想し得る程度のことである。
よって、引用例1に記載された発明の、メールを配送する「変更後の宛先」を求める処理に、前記周知技術を適用し、引用例1に記載された発明において、メールを配送する「変更後の宛先」を求める処理について、「仕分情報が適用できる場合に前記仕分情報を用いて前記電子メールの宛先を変更し、変更後の宛先がグループ宛の場合にはさらに該グループを条件として前記仕分情報の適用を繰り返し、変更後の宛先がグループ宛でないときに」変更後の宛先とするように成し、「変更後の宛先」に「グループ」が含まれる場合においても対応できるようにすることは、当業者が容易がなし得たことである。

相違点(2)について
電子メールをメール機能を利用して配送するすことは周知であり、引用例1に記載された発明において、メールの配送を「メール機能を利用して」行うことは当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明の奏する効果も引用例1に記載された発明及び周知技術から類推し得る程度のものであり、格別なものではない。

第4、むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、前記引用例1に記載された発明及び前記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-02 
結審通知日 2005-03-09 
審決日 2005-03-23 
出願番号 特願平6-198573
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 玉木 宏治岩田 玲彦  
特許庁審判長 武井 袈裟彦
特許庁審判官 野元 久道
望月 章俊
発明の名称 電子メール装置及び電子メール配信方法  
代理人 石井 康夫  
代理人 柳澤 正夫  

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