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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1116065
審判番号 不服2003-1976  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-02-06 
確定日 2005-05-06 
事件の表示 平成10年特許願第 3418号「資産管理システム及び端末装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 7月30日出願公開、特開平11-203349〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成10年1月9日の出願であって、平成14年12月4日付けで手続補正がなされ、平成14年12月24日付で拒絶査定がなされ、これに対して、平成15年2月6日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成15年3月5日付で手続補正がなされたものである。

2.平成15年3月5日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成15年3月5日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】 資産品に関する情報が格納された資産品データベースを備える上位装置と、前記上位装置との間でデータ通信を行う端末装置とを備え、前記端末装置を用いて前記資産品の棚卸しが行われる資産管理システムにおいて、
資産品と各資産品の棚卸しの実施状況を示す情報とが格納される第一の記憶部と、棚卸し時に更新される前記棚卸し実施状況に関する予め設定された更新情報を格納する第二の記憶部と、
資産品を特定する情報がバーコード入力される第一の入力手段と、
人手により必要に応じて管理番号などが手入力され、操作される第二の入力手段とを備え、
前記第一の入力手段により前記資産品を特定する情報が入力された場合は、前記第一の記憶部に記憶された当該資産品に対応する棚卸し実施状況情報を、前記第二の記憶部に格納された更新情報により更新し、
前記第一の入力手段によらず前記資産品を特定する情報が入力された場合は、前記第一の記憶部の棚卸情報の更新を禁止することを特徴とする、資産管理システム。
【請求項2】 前記資産管理システムにおいて、予め設定された前記更新情報に基づき前記第一の入力手段により前記資産品を特定する情報が入力され、更新モードに設定された場合に、前記第一の記録部に記憶された棚卸し実施状況情報を更新することを特徴とする、請求項1記載の資産管理システム。」
と補正しようとするものである。

拒絶査定時の特許請求の範囲の記載(平成14年12月4日付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載)は、
「【請求項1】 資産品に関する情報が格納された資産品データベースを備える上位装置と、前記上位装置との間でデータ通信を行う端末装置とを備え、前記端末装置を用いて前記資産品の棚卸しが行われる資産管理システムにおいて、資産品と各資産品の棚卸しの実施状況を示す情報とが格納される第一の記憶部と、棚卸し時に自動更新される前記棚卸し実施状況に関する予め設定された更新情報を格納する第二の記憶部と、資産品を特定する情報が入力される入力手段とを備え、
前記入力手段により前記資産品を特定する情報が入力された場合、前記第一の記憶部に記憶された当該資産品に対応する棚卸し実施状況情報を、前記第二の記憶部に格納された更新情報により自動的に更新することを特徴とする、資産管理システム。
【請求項2】 前記資産管理システムにおいて、予め設定された前記更新情報に基づき自動更新されるモードに設定された場合に、前記第一の記録部に記憶された棚卸し実施状況情報を自動更新することを特徴とする、請求項1記載の資産管理システム。」
である。

補正後の請求項1に記載された、「人手により必要に応じて管理番号などが手入力され、操作される第二の入力手段」は、請求項1に記載した発明を特定するための必要な事項を限定するものでない。さらに、補正後の請求項1では、補正前の「棚卸し時に自動更新される」の「自動」が削除され、補正前の「更新情報により自動的に更新する」の「自動的に」が削除されており、補正後の請求項2では、補正前の「自動更新されるモード」の「自動」が削除されている。したがって、本件補正は、請求項の削除、請求の範囲の減縮、誤記の訂正、及び、明りょうでない記載の釈明、を目的とするものとは認められない。

以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第4項第1〜4号のいずれにも該当しないので、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成15年3月5日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成14年12月4日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】 資産品に関する情報が格納された資産品データベースを備える上位装置と、前記上位装置との間でデータ通信を行う端末装置とを備え、前記端末装置を用いて前記資産品の棚卸しが行われる資産管理システムにおいて、
資産品と各資産品の棚卸しの実施状況を示す情報とが格納される第一の記憶部と、
棚卸し時に自動更新される前記棚卸し実施状況に関する予め設定された更新情報を格納する第二の記憶部と、
資産品を特定する情報が入力される入力手段とを備え、
前記入力手段により前記資産品を特定する情報が入力された場合、前記第一の記憶部に記憶された当該資産品に対応する棚卸し実施状況情報を、前記第二の記憶部に格納された更新情報により自動的に更新することを特徴とする、資産管理システム。」

(2)引用例
平成7年11月28日に頒布された特開平7-311800号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(a)「【請求項2】 特定人に属すべき固定資産毎に固定資産に関する複数項目のデータを入力する入力部と、入力された固定資産毎のデータを記憶するデータ記憶部と、データ記憶部に記憶されたデータの入出力を外部と行なう入出力部と、入力部から入力されるデータをデータ記憶部に記憶させ、入出力部から入力される制御信号により、入力されるデータに対応する記憶データを出力させ、あるいは、記憶部に記憶されるデータを入力されるデータに改訂記憶させる制御部とからなる本体と、
入出力部に接続され、入出力部から入力する信号を変調し送信すると共に受信する信号を復調し出力することで無線通信させる無線ターミナルと、
固定資産毎に予め付与されたバーコードを読取る読取り部と、入出力する信号の変復調を行ない無線通信する無線通信部と、データ入力可能な端末入力部と、固定資産のデータを表示する表示部と、読取り部の読取ったバーコードのデータ及び照合を指示する制御信号を無線通信部から送信させ、対応するデータを無線通信部で受信させ、受信データを表示部へ表示させ、端末入力部で変更された受信データを無線通信部からデータ及び改訂記憶を指示する制御信号を送信させる端末制御部からなる端末部を有することを特徴とする固定資産管理システム。」(引用例1の2頁1欄10〜31行、【特許請求の範囲】)
(b)「【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、企業、法人、自然人等の特定人に属し、同人が管理する種々ある固定資産の管理・照合を行なう固定資産管理システム、及び、同システムを本体及び端末間で無線通信により行なう固定資産管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、企業、団体等に属する固定資産の管理は、固定資産購入時に個別に番号が付与され、その番号がホストコンピュータに登録され、同時に番号ラベルが固定資産に貼付されて使用部署へ渡されていた。そして、毎年決算期に行なわれるチェックの際には、企業等の照合担当者が企業内の通常あるべき場所へ行き、ホストコンピュータから出力した管理番号・品名等のリストデータと固定資産とを目視照合し確認していた。一方、従来、バーコードを用いた管理方法としては、管理対象物の鮮度及び価格の管理を可能とする管理システムとして特開平5-54211号公報記載の発明が知られている。この管理システムでは管理対象物に貼付するバーコードに予め販売管理に関連する日付・時刻情報を含ませ、バーコードデータから読取ったこれら情報と現日付・時刻とを比較解析することで管理対象物の販売管理を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、かかる従来の方法では、例えば研究開発部門の専用測定機器等その名称が経理担当あるいは各部署の担当者等の照合担当者には、リストデータから判明しないことが多い。又、汎用性の高い計測機器等では企業内で設置場所を変更する場合が多く、照合に費やす時間が長くなるという問題点を有した。又、一般にデータの管理者に固定資産の設置位置の変更が伝わり難いためデータの改訂がスムーズに行なえないという問題点を有した。他方、従来のバーコードを用いた管理システムでは、端末装置から上位コントローラの個別データの改訂が行なえないため、照合と同時に管理対象の個別データの改訂は行なえないという問題点を有した。
【0004】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、専用機器等の知識のない照合担当者でも、容易にしかも、設置場所が移動された場合でも、固定資産の照合作業を行なえ、更に、データの改訂が照合時に同時に行なえる固定資産管理システムの提供を課題とする。」(引用例1の2頁1欄33行〜同頁2欄24行、段落【0001】〜【0004】)
(c)「【0014】次に、第2実施例を図3に基づき説明する。1は、固定資産管理システムであり、本体であるホストコンピュータ2、無線ターミナル3、端末部であるハンディターミナル4とからなる。固定資産管理システム1は管理される固定資産毎にホストコンピュータ2にデータを蓄積する。固定資産の照合時にはハンディターミナル4でデータを読取りホストコンピュータ2及びハンディターミナル4間で無線ターミナル3を経由して無線通信でデータの照合を行ない、資産管理を行なう。ホストコンピュータ2は、データ入力部21、データ記憶部22、入出力部23、制御部24とからなる。データ入力部21は、固定資産Wのナンバー・画像データ・購入日・製品名・設置位置等それぞれの項目を入力する。データ記憶部22は、表1に表されるデータ記憶部12同様に、データ入力部21から入力された固定資産W毎に対応テーブルに記憶アドレスを記憶すると共に、画像データ・購入日・製品名・設置位置の各データを各アドレスへ記憶する。
【0015】入出力部23は、無線ターミナル3と接続され、制御部24の制御によりデータ記憶部22のデータを無線ターミナル3へ出力し、かつ、無線ターミナル3からのデータを入力し、制御部へ出力する。制御部24は、データ蓄積時には、データ入力部21から入力される固定資産Wのナンバー及び各データの記憶アドレスをデータ記憶部22の対応テーブルへ順次記憶させると共に、各データを対応する記憶アドレスへ記憶させる。データ照合時には、無線ターミナル4から入出力部23へ入力された固定資産Wナンバーと、対応テーブルに記憶されたナンバーとを照合し、記憶された同ナンバーの各項目データを入出力部23から無線ターミナル4へ出力する。更に、ハンディターミナル4の指示により記憶されているデータを入力するデータに改訂し記憶する。
【0016】ハンディターミナル4は、読取り部41、無線通信部42、表示部43、端末入力部44、及び、制御部45とからなる。読取り部41は、予め固定資産Wに貼付されたバーコードを読取る。無線通信部42は、読取り部41で読取ったデータ、あるいは、端末入力部44から入力したデータを変調し無線ターミナル3へ無線送信する。受信時には、受信する無線ターミナル3からの信号を復調し制御部45へ出力する。端末入力部44は、照合担当者が表示部43に表示されたデータを訂正変更する場合、あるいは、ハンディターミナル4の操作時に入力される。表示部43は、読取り部41で読取られるバーコードのデータ、無線通信部42の通信する各データを表示する液晶ディスプレイからなる。
【0017】制御部45は、固定資産Wの照合時には読取り部41からバーコードを読み込み、バーコードの固定資産Wのデータを表示部43に表示させると共に、無線通信部42から読込んだデータを無線通信し、ホストコンピュータ2に記憶された対応する固定資産Wのデータを受領し、バーコードのデータと共に表示部43に表示させる。又、この表示から照合担当者が照合し、データを訂正する場合には、無線通信部42によりデータを改訂するよう端末入力部44から入力される改訂データを送信する。無線ターミナル3は、入出力部23と接続され、入出力部23からのデータを変調し通信する。更に、ハンディターミナル4からの無線信号を復調し入出力部23へ出力する。
【0018】次に、この実施例の作用を説明する。データ記憶時には、新規購入された固定資産Wに、既にあるナンバー「ABC0001」に続く「ABC0002」を付与すると共に、ハンディターミナル4で読取り可能なバーコードを貼付する。次いで、固定資産NO「ABC0002」の各データをデータ入力部21から入力する。入力された各データは、表1及び図2に表すように、制御部24により「ABC0001」の次の位置に、各データの記憶アドレスを対応テーブルに記憶すると共に、そのデータを記憶部22の当該アドレス位置に記憶する。同様に複数の固定資産Wのデータを蓄積する。
【0019】固定資産Wの照合時は、固定資産Wに貼付されたバーコードを読取り部41で読取る。読取られる固定資産Wは「ABC0002」とする。制御部45がバーコードから読取られた「ABC0002」のデータを、表示部43に表示させると共に、ナンバーを無線通信部42から無線通信させる。すると無線ターミナル3でデータは復調され入出力部23から、制御部24へ入力される。制御部24では、対応するデータをデータ記憶部22に記憶されたデータから入出力部23へ出力し、データは無線ターミナル3から通信される。この信号を無線通信部42が受信復調し、制御部45へ出力する。制御部45は、ホストコンピュータ2からのデータとバーコードからのデータとを表示部43に表示させ、照合担当者が照合する。
【0020】照合の結果、固定資産Wの設置場所等ホストコンピュータ2に記憶されていたデータの訂正が必要な場合には、端末入力部44から入力する。入力されたデータは、ナンバー「ABC0002」の改訂データとして制御部45により無線通信部42から通信される。改訂データは無線ターミナル3で受信復調され、入出力部23から制御部24に入力されデータ記憶部のナンバー該当位置に記憶され、ナンバー「ABC0002」の固定資産Wのデータは訂正される。」(引用例1の4頁5欄10〜5頁7欄2行、段落【0014】〜【0020】)
(d)「【発明の効果】 従って本発明によれば、固定資産Wに貼付されたバーコードを読取るだけでホストコンピュータに蓄積されたデータと照合し固定資産Wを特定できる。そのため、専用機器等の知識のない照合担当者でも、容易にしかも、固定資産Wが異なる設置場所に移動されていても、照合作業を短時間で行なえる。又、ハンディターミナルからデータの訂正を行なえるので、設置位置が変更されている場合等でも改訂をスムーズに行なうことができる。」(引用例1の5頁7欄4〜12行、段落【0021】)
が記載されている。

これらの記載によれば、引用例1には、
「特定人に属すべき固定資産毎に固定資産に関する複数項目のデータを入力する入力部と、入力された固定資産毎のデータを記憶するデータ記憶部と、データ記憶部に記憶されたデータの入出力を外部と行なう入出力部と、入力部から入力されるデータをデータ記憶部に記憶させ、入出力部から入力される制御信号により、入力されるデータに対応する記憶データを出力させ、あるいは、記憶部に記憶されるデータを入力されるデータに改訂記憶させる制御部とからなる本体と、
入出力部に接続され、入出力部から入力する信号を変調し送信すると共に受信する信号を復調し出力することで無線通信させる無線ターミナルと、
固定資産毎に予め付与されたバーコードを読取る読取り部と、入出力する信号の変復調を行ない無線通信する無線通信部と、データ入力可能な端末入力部と、固定資産のデータを表示する表示部と、読取り部の読取ったバーコードのデータ及び照合を指示する制御信号を無線通信部から送信させ、対応するデータを無線通信部で受信させ、受信データとバーコードからのデータとを表示部へ表示させ、端末入力部で変更された受信データを無線通信部からデータ及び改訂記憶を指示する制御信号を送信させる端末制御部からなる端末部を有することを特徴とする固定資産を管理・照合する固定資産管理システム。」
との発明が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願発明と引用例1に記載された発明を対比すると、
引用例1の「固定資産」、及び「固定資産管理システム」は、下記の相違点はあるが、本願発明の「資産品」、及び「資産管理システム」に、
引用例1の「固定資産に関する複数項目のデータ」は、本願発明の「資産品に関する情報」に、
引用例1の「データ記憶部」は、本願発明の「資産品データベース」に、
引用例1の「本体」は、本願発明の「上位装置」に、
引用例1の「無線通信を行う」は、本願発明の「データ通信を行う」に、
引用例1の「端末部」は、本願発明の「端末装置」に、
引用例1の「固定資産毎に予め付与されたバーコード」は、本願発明の「資産品を特定する情報」に、
引用例1の「読取り部」は、本願発明の「入力手段」に
それぞれ相当するから、
両者は
「資産品に関する情報が格納された資産品データベースを備える上位装置と、前記上位装置との間でデータ通信を行う端末装置とを備え、前記端末装置を用いて前記資産品の管理を行う資産管理システムにおいて、
資産品を特定する情報が入力される入力手段とを備え、
前記入力手段により前記資産品を特定する情報が入力された場合、当該資産品に対応する情報を更新することを特徴とする、資産管理システム。」
で一致し、次の点で相違する。

(相違点)
(相違点1)
資産品とシステムが、本願発明が、資産品の棚卸しを行う資産管理システムであるのに対して、引用例1では、固定資産の管理・照合を行う固定資産管理システムである点。
(相違点2)
本願発明が、資産品と各資産品の棚卸しの実施状況を示す情報とが格納される第一の記憶部と、棚卸し時に自動更新される前記棚卸し実施状況に関する予め設定された更新情報を格納する第二の記憶部とを備え、入力手段により前記資産品を特定する情報が入力された場合、前記第一の記憶部に記憶された当該資産品に対応する棚卸し実施状況情報を、前記第二の記憶部に格納された更新情報により自動的に更新するのに対して、
引用例1では、端末制御部が、読取り部の読取ったバーコードのデータ及び照合を指示する制御信号を無線通信部から送信させ、対応するデータを無線通信部で受信させ、受信データを表示部へ表示させ、端末入力部で変更された受信データを無線通信部からデータ及び改訂記憶を指示する制御信号を送信させて、本体のデータ記憶部の対応するデータを改訂記憶する点。

(4)当審の判断
上記相違点について検討すると、
(相違点1)について
本願発明の明細書の段落【0001】の【発明の属する技術分野】において、「従来より、企業では固定資産品やリース/レンタル品などの資産管理を行う必要がある。そのために、年に数回の棚卸しが行われている。」と記載されており、通常の商品等の棚卸し以外にも、固定資産品やリース/レンタル品等の棚卸しも含まれていることが示唆されている。また、引用例1においては、管理対象物として「専用測定機器等」、「汎用性の高い測定機器等」があげられており、【従来の技術】の欄には「毎年決算期に行われるチェックの際には、企業等の照合担当者が企業内の通常あるべき場所へ行き、ホストコンピュータから出力した管理番号・品名等のリストデータと固定資産とを目視照合し確認していた。」と記載されている。これらの記載からすると、引用例1の発明は、決算期に行われるチェックの際に、照合担当者がホストコンピュータから出力した管理番号・品名等のリストデータと固定資産とを目視照合し確認することが従来行われていたことを考慮し、照合担当者が、容易にしかも、設置場所が移動された場合でも、固定資産の照合作業を行なえ、更に、データの改訂が照合時に同時に行えるシステムを提供する発明である。また、ハンディー端末を用いて棚卸しを行うことも周知の技術である。したがって、引用例1のものから、本願発明のような棚卸しを行う資産管理システムを考えることは当業者が容易に行えることである。
(相違点2)について
まず、第一の記憶部と、第二の記憶部とを設ける場所であるが、請求人は、出願当初の明細書の特許請求の範囲の請求項1で、端末装置が、第一の記憶部と、第二の記憶部とを備えることを明記しているが、平成14年12月4日の手続補正書ではそのことを削除しているで、第一の記憶部と、第二の記憶部とは、端末装置に備えられるものに限定されているものではなくなっている。
一般的に、データベース等に記録されたデータを直接変更処理するのでなく、別の記憶装置に一旦移してから、変更処理を行うことは当業者にとって常套手段であり、また、データの更新処理を行うときに、更新処理を行うとき毎にキーボードから直接入力するのではなく、入力する効率を図って、予め更新用のデータを作成し、メモリ等に記憶しておき、その更新用のデータを用いて更新処理を行うことも、当業者ならば当然行うことである。
引用例1のものは、本体からのデータとバーコードからのデータとを表示させ、照合担当者が照合し、本体のデータ記憶部に記憶されていたデータの訂正が必要な場合には、改訂することが記載されているが、上述したように、引用例1のものが固定資産の管理を目的とするものであり、決算期に行われるチェックを考慮したものであるから、固定資産を照合担当者がチェックしたときに、そのことを何らかの形で記録し、チェックしたことが確認できるようにすること、また、チェックしたことを記録する方法として、チェックマーク、チェックした日時、時間、照合担当者名等を入力することは、当然行うであろうことは想像することができることである。(棚卸しにおいて、作業時間を台帳個数と一致した場合に自動記録するものは、例えば、特開平4-373070号公報等で周知である。)
このように、日時、担当者名等を、固定資産毎のチェック時に、その都度キーボードから入力しないで、入力の効率を上げるために、スタンプを押すがごとく、チェックが済んだときに自動的に、記憶装置に記憶しておいた、更新用のデータを用いて、更新するようにすることは当業者ならば容易に考えることと認められる。

(5)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-01 
結審通知日 2005-03-08 
審決日 2005-03-22 
出願番号 特願平10-3418
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山下 達也  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 大野 弘
深沢 正志
発明の名称 資産管理システム及び端末装置  
代理人 横山 淳一  
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