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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09F
管理番号 1116067
審判番号 不服2003-865  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-11-15 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-01-15 
確定日 2005-05-06 
事件の表示 特願2002- 41423「表示装置およびそれに用いる表示パネル並びにその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年11月15日出願公開、特開2002-328623〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、特許法第41条に基づく優先権主張を伴う平成14年2月19日(優先日:平成13年2月27日、出願番号:特願2001-052154号)の出願であって、平成14年12月9日付で拒絶査定がなされ、平成15年1月15日付で審判請求がなされるとともに同年2月14日付けで手続補正がなされた。
それに対し、平成16年12月8日付けで当審により平成15年2月14日付けの手続補正に対する補正の却下の決定がなされると共に、同年12月21日付けで平成14年10月3日付けの手続補正書により補正された請求項に対する拒絶の理由が通知され、請求人は平成17年2月14日付けで意見書および手続補正書を提出した。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成17年2月14日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「スイッチング素子を形成した表示領域と、前記スイッチング素子を駆動する駆動回路を実装した非表示領域と、を有するアレイ基板と、前記アレイ基板の側面を沿って前記アレイ基板を囲む枠体と、を備え、前記非表示領域に位置する前記アレイ基板の側面には凹部が設けられると共に、前記枠体の側面内側には前記凹部の平面視形状に対応する断面形状を有し前記枠体の厚み方向に延びる中実または中空の柱状の凸部が設けられており、前記凸部又は前記凹部が弾性体からなり、前記凸部が前記凹部にはめられており、かつ前記凸部と前記凹部とを前記柱状の凸部の軸方向に相対移動させることによって前記嵌め合いがなされ又は解かれるように構成されている、画像表示装置。」

3.引用刊行物の発明
これに対して、当審の拒絶の理由に引用された実願平2-70798号(実開平4-28686号)のマイクロフィルム(以下、「引用刊行物1」という。)には、次の記述およびその記述に対応した図面が記載されている。
「上面が開放し液晶表示素子の外径寸法よりも大きい内径寸法を有する函状のホルダに液晶表示素子を取付る時の液晶表示素子の取付構造において、前記ホルダは弾性を有する樹脂部材で形成され、該ホルダの側面には上面側で前記ホルダに接合し先端側で前記液晶表示素子の外径寸法よりも内側まで突出する複数の舌状部が設けられ、前記液晶表示素子は前記舌状部の弾性に抗して前記ホルダに圧入されることを特徴とする液晶表示素子の取付構造。」(実用新案登録請求の範囲)
「上記の構成としたホルダ1に液晶表示素子10を取付るときには、第3図に示すようにホルダ1の上面から液晶表示素子10を前記舌状部2の弾性に抗して圧入する。」(第4頁19行〜第5頁2行)
「第4図に示すものは本考案の別な実施例であり前の実施例では前記舌状部2は液晶表示素子10の挿入方向に沿う断面を直線のものとして形成されていたが、これに限定されるものでなく図示の舌状部21のように円弧状に形成しても良く、或いは図示は省略するが他の適宜な曲線として形成しても良いものである。」(第5頁末行〜第6頁6行)
また、図面第1ないし4図から、舌状部は函状のホルダの側面内側に設けられ、液晶表示素子の厚さ方向に延在していることが読みとれる。
また、引用刊行物1記載の取付構造により液晶表示素子を取付たものは「液晶表示装置」ということができるので、引用刊行物1には、
「液晶表示素子と、前記液晶表示素子を囲む函状のホルダとを備え、前記函状のホルダの側面内側には液晶表示素子の厚み方向に延びる突出部材が弾性体からなり、前記突出部材の弾性に抗して前記液晶表示素子は前記ホルダに圧入されるように液晶表示素子をとりつけた液晶表示装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。
また、当審の拒絶の理由に引用された特開平10-190256号公報(以下、「引用刊行物2」という。)には、以下の記載がある。
「接続ケース内に配線基板を圧接固定する配線基板の固定構造において、前記配線基板には雄又は雌の何れか一方の嵌合部が複数形成され、前記接続ケース内には、前記一方の嵌合部と密に嵌合する雄又は雌の他方の嵌合部が複数形成されており、かつ、前記接続ケーブルが配線基板と熱膨張係数の異なる材料で形成されていることを特徴とする配線基板の固定構造」(特許請求の範囲の請求項1)
さらに、当審の拒絶の理由に引用された特開2001-21884号公報(以下、「引用刊行物3」という。)には、以下の記載がある。
「【従来の技術】図11は、従来の液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。図において、1は複数の走査線、信号線及びスイッチング素子とこれに接続された画素電極が形成されたアレイ基板とカラーフィルタ基板の間に液晶が挟持された液晶パネル、2はクッション材、4は駆動用ICが搭載されたゲートTCP3を介して液晶パネル1と接続されたゲート基板、6は駆動用ICが搭載されたソースTCP5を介して液晶パネル1と接続されたソース基板、7はFPC(フレキシブル回路基板)であり、これらの液晶パネル1、ゲートTCP3及びゲート基板4、ソースTCP5及びソース基板5等より液晶表示素子が構成されている。また、8は液晶表示素子前面を覆うフロントフレーム、9は液晶表示素子の下部に配置されたバックライトユニットである。従来の液晶表示装置におけるバックライトユニット9は、図12に示すように、反射シート11、拡散シート13、レンズシート14、保護シート15等の複数枚のシートと、導光板12及び導光板12の長辺側の両側面に配置されたメタルフレームにて保護された管状光源であるランプユニット10、及びこれらを収納するモールドフレーム16、リアフレーム17から構成されている。なお、ランプユニット10は、液晶表示装置の狭額緑化や軽量化に伴い、導光板12の長辺側の一側面のみに配置されることもある。また、通常、導光板12の短辺側の両側面には、位置決め及びずれ防止のための支持部である一対の突起部(耳部)が形成されている。」

4.対比
本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明における「液晶表示素子」は本願発明における「アレイ基板」に相当し、以下同様に「液晶表示素子を囲む函状のホルダ」は「アレイ基板の側面を沿ってアレイ基板を囲む枠体」に、「突出部材」は「凸部」に、「液晶表示装置」は「画像表示装置」に、それぞれ相当するので、両者は、
「アレイ基板と、前記アレイ基板の側面を沿って前記アレイ基板を囲む枠体とを備え、前記枠体の厚み方向に延びる凸部が設けられており、前記凸部が弾性体からなり、凸部の軸方向に相対移動させることによって嵌め合いがなされるように構成されている、画像表示装置。」
で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
本願発明のアレイ基板は、「スイッチング素子を形成した表示領域と、前記スイッチング素子を駆動する駆動回路を実装した非表示領域と、を有する」ものであるのに対し、アレイ基板に相当する引用発明の液晶表示素子はそのような構成を有するとの限定がない点。
[相違点2]
本願発明では、枠体の厚み方向に延びるものは「前記枠体の側面内側には前記凹部の平面視形状に対応する断面形状を有し」、「中実または中空の柱状の」凸部とされているのに対し、引用発明では単に「突出部材」とされている点。
[相違点3]
本願発明では「非表示領域に位置する前記アレイ基板の側面には凹部が設けられ」ているのに対し、引用発明ではアレイ基板に相当する液晶表示素子の側面に凹部が設けられていない点。
[相違点4]
本願発明では、「前記凸部が前記凹部にはめられており、」「前記凸部と前記凹部とを凸部の軸向に相対移動させることによって前記嵌め合いがなされ又は解かれるように構成されている」が、引用発明では凹部が設けられていないことから、このような構成がない点。

5.当審の判断
上記相違点について検討する。
[相違点1]について
引用発明は「液晶表示素子」とされているだけであり、具体的な構成について限定されていないが、引用刊行物3には、従来例として、「スイッチング素子」が形成された「液晶パネル(1)」、「液晶パネル1,ゲートTCP3及びゲート基板4、・・・より液晶表示素子が構成されている。また、9は液晶表示素子前面を覆うフロントフレーム」の構成が開示されていることから、引用発明における液晶表示素子として、「スイッチング素子が形成された表示領域を有し、スイッチング素子を駆動する駆動回路を実装した非表示領域」を有するもの、とすることは引用発明における「液晶表示素子」を単に周知の構成のものに限定したものであり、格別の相違点ではない。
[相違点2]について
引用刊行物2には、配線基板を囲む接続ケースの側面内側に柱状の凸部が形成され、該凸部に嵌合するように配線基板の側面には凹部が形成されて圧接固定するようにした発明が開示されている。
引用刊行物2は電子部品を搭載する配線基板のケースへの固定に関する構造の発明であり、引用発明の液晶表示素子のホルダへの取付と同一技術分野であるということができるので、引用発明の突出部材の形状として引用刊行物2に記載の柱状凸部を採用することは当業者が容易になし得たものである。
[相違点3]および[相違点4]について
これらの相違点は、引用発明においては液晶表示素子に凹部が形成されていないことに起因する相違であるが、引用刊行物2には、配線基板を囲む接続ケースの側面内側に柱状の凸部が形成され、該凸部に嵌合するように配線基板の側面には凹部が形成されて圧接固定するようにした発明が開示されている。そして、引用刊行物2は電子部品を搭載する配線基板のケースへの固定に関する構造の発明であり、引用発明の液晶表示素子のホルダへの取付と同一技術分野であるということができ、液晶表示素子として相違点1で言及した周知の構成の液晶表示素子を使用するとすれば、液晶表示素子の駆動回路が実装された非表示領域に凹部を形成することは引用刊行物2記載の発明に基づけば当業者が容易に想到し得たものである。

以上のとおり、[相違点1]〜[相違点4]は当業者が引用刊行物2ないし3記載の発明を引用発明に適用することにより容易に想到し得る構成であり、また、その作用効果も想到し得るものであり、格別のものではない。

6.むすび
したがって、本願発明は、引用刊行物1ないし引用刊行物3に記載された
発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-02 
結審通知日 2005-03-08 
審決日 2005-03-22 
出願番号 特願2002-41423(P2002-41423)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G09F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柿崎 拓  
特許庁審判長 上野 信
特許庁審判官 辻 徹二
瀬川 勝久
発明の名称 表示装置およびそれに用いる表示パネル並びにその製造方法  
代理人 西谷 俊男  
代理人 角田 嘉宏  
代理人 幅 慶司  
代理人 古川 安航  

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