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審決分類 |
審判 査定不服 特39条先願 特許、登録しない。 A61K |
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管理番号 | 1116771 |
審判番号 | 不服2003-21368 |
総通号数 | 67 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-01-06 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-11-04 |
確定日 | 2005-05-09 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第153659号「歯への細菌付着防止剤」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 1月 6日出願公開、特開平10- 1427〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成8年6月14日の出願であって、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年9月4日付けの手続補正書により補正された明細書から見て、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「【請求項1】セラックを少なくとも含有してなる、歯表面の細菌付着防止歯磨き剤。」 2.先願発明 これに対して、原審の拒絶理由において引用された、特願平8-68923号は、本願の出願前に同一人により出願されたものであり、その後、特許第3084607号として登録され、その請求項1に係る発明(以下、「先願発明」という。)は、その特許明細書(特許第3084607号公報)の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。 「【請求項1】セラックを含有して成る、歯に光沢を与える練歯磨き組成物。」 3.対比・判断 本願発明と先願発明を対比すると、先願発明の歯磨き組成物は歯磨き剤であることは明らかであり、先願発明の練り歯磨きは歯磨き剤として周知の剤型であり、歯磨き剤の下位概念に相当する。 よって両者は、 「セラックを少なくとも含有してなる、歯磨き剤」 である点において、一致し、 前者が、歯表面の細菌付着防止を目的としているのに対し、後者が、歯に光沢を与えることを目的としている点において一応相違している。 そこで、上記相違点について検討する。 まず、本願発明の歯磨き剤の組成を見ると、「セラックの含有量は、一般に0.1〜7重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。」(段落【0008】)と記載されているのに対し、先願発明では「セラックの含有量は、該組成物の全量を基準にして、一般に0.01%〜10%であり、好ましくは0.1〜7%であり、より好ましくは1%〜5%である。」(段落【0011】)と記載されており、組成において一致している。 次に使用態様について見ると、本願発明では、「本発明に係る細菌付着防止剤の使用方法は特に限定されないが、通常は、朝夕のブラッシング時に、従来の歯磨き剤と同様に使用すればよい。」(段落【0007】)と記載されており、先願発明では、「本発明に係る練り歯磨き組成物の使用方法は特に限定されないが、通常は、朝、夕、就寝前のブラッシング時に、従来の練歯磨き剤と同様に使用すればよい。」(段落【0017】)と記載されており、使用態様において一致している。 そして、セラックの作用を見ると、本願発明では、「歯の表面がセラックにより被覆されることにより滑らかになる為、細菌の繁殖の素となる食べかすの付着を防ぎ、更に細菌そのものの付着も防止することができるものと考えられる。」(段落【0009】)、先願発明では、「本発明にかかる練歯磨き組成物を使用すると、歯の表面がセラックにより被覆され滑らかになる。この為、光の乱反射を押さえ、歯に光沢、輝き、つやを与えることができるものと考えられる。」(段落【0028】)と記載されている。 そうすると、本願発明の歯表面の細菌付着防止効果も先願発明の歯に光沢を与える効果も、歯の表面がセラックにより被覆され滑らかになることにより生じる効果であるので、先願発明においても、歯に光沢を与える効果だけでなく、歯表面の細菌付着防止効果も奏しているものと認められる。 したがって、上記相違点は、セラックによる歯表面の被覆による効果を光沢付与と認識したか細菌の付着防止と認識したかの差異に過ぎないと言わざるを得ず、本願発明は先願発明と実質的に同一と認められるものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は先願発明と同一であるので、特許法第39条第1項の規定により、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-03-16 |
結審通知日 | 2005-03-18 |
審決日 | 2005-03-30 |
出願番号 | 特願平8-153659 |
審決分類 |
P
1
8・
4-
Z
(A61K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大宅 郁治 |
特許庁審判長 |
森田 ひとみ |
特許庁審判官 |
亀田 宏之 谷口 博 |
発明の名称 | 歯への細菌付着防止剤 |
代理人 | 廣田 浩一 |
代理人 | 松田 奈緒子 |
代理人 | 廣田 浩一 |
代理人 | 流 良広 |
代理人 | 流 良広 |
代理人 | 松田 奈緒子 |