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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1116932
審判番号 不服2002-19806  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-09-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-10-10 
確定日 2005-05-12 
事件の表示 特願2000- 54560「保証システム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 9月 7日出願公開,特開2001-243277〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1 手続の経緯・本願発明
本願は,平成12年2月29日の出願であって,その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成16年10月4日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項2に記載された次の事項により特定されるものである。
「コンピューターを用いて保守または修理保証を管理する保証方法において,
予め登録された複数の会員からの入金を運営する運営過程と,
会員およびその家族を示す情報と会員期間とを含む前記会員に関する情報をデータベースに登録する会員登録過程と,
製品の購入時期とその購入時に入力された前記購入者を示す情報とに基づいて,当該購入者が会員の家族であり,なおかつ前記購入時期が会員期間内または会員期間を含む所定の期間内にあるか否かを前記データベースを参照して判定し,会員の家族でありかつ会員期間内または前記所定の期間内にあると判定した場合に,当該製品の保証期間を含む保証内容に関する情報を前記データベースに登録する購入製品登録過程と,
製品の修理依頼に対し,前記データベース内の対応する保証内容および会員に関する情報に基づいて,その依頼時期が,当該保証内容に含まれる保証期間内にあるか否かを判定し,保証期間内にあると判定した場合には,その依頼時期が前記会員期間内にあるか否かに拘わらず,保証の実行を決定する判定過程と,
前記判定過程によって保証を実行する製品であると決定された製品の保守・修理に関する費用を前記運営過程の運営実績額から決済する過程と
を有することを特徴とする保証方法。」

なお,請求項2には,「前記運営手段の運営実績額から決済する過程」と記載されているが,請求項2には,「運営手段」が前記されておらず,明細書の記載全体からみて,「運営過程」の誤記と認められるので,上記のとおり認定する。

2 引用例
これに対して,当審の拒絶の理由に引用された,本願の出願日前に頒布された刊行物である,「日経情報ストラテジー第7巻第2号」日経BP社(1998.2.24)p.16〜17「ケース(1)デオデオ,1100万人の購買履歴を蓄積,DMヒット率は最大17%に」(以下「引用例1」という。), 特開平8-124033号公報(以下「引用例2」という。)には,それぞれ,次の事項が記載されている。

2-1 引用例1(日経情報ストラテジー第7巻第2号p.16〜17)の記載事項
(ア)「広島市に本拠を構える家電販売大手のデオデオ(旧ダイイチ)。同社は1100万人の顧客情報を蓄積したデータウエアハウスを,(1)新規顧客の来店促進,(2)顧客情報システムへの登録促進,(3)顧客への販促支援,(4)顧客の固定化,などあらゆる業務に活用し大きな効果を上げている。
新システムは97年4月から稼働中で,顧客データ(名前や住所,電話番号,生年月日,家族構成など),過去10年間の購買履歴(日時,店舗,担当者,商品名,金額,支払い方法など),修理履歴などを収めている。各部門の担当者が本社や店舗パソコン,店頭にあるパソコンPOS(販売時点情報管理)を操作すれば,すぐに顧客情報を検索できるようにした。情報化投資額は超並列機の導入や店舗サーバー,パソコンなど初年度だけで24億円。」(16頁左欄1行〜中欄5行)
(イ)「来店顧客にデータベース登録を促進するための仕掛けが97年4月から開始した「デオデオカード」だ。これは980円の年会費を支払えば,ポイント制や低金利ローンといった特典のほか,単価5000円以上の購入商品を5年間保障するという日本初のサービスも付加している。
それまでは保証書の発行時に顧客情報を登録していたが,家族構成の情報まで把握できなかった。デオデオカードは顧客本人だけでなく家族も使用できるため,各世帯ごとの購入履歴をつかみやすい。現在,デオデオカードの発行枚数は1年間で約70万枚。登録顧客全体から見ると割合はまだ低いが,今後はさらに発行枚数を増やす計画だ。」(16頁右欄4〜21行)

なお,引用例1中の丸数字は,括弧数字に置き換えた。

2-2 引用例2(特開平8-124033号公報)の記載事項
(ウ)「商品分類コード入力手段と,有効期間データ入力手段と,入力された商品分類コードと有効期間データとを分類別有効期間データとして分類別有効期間データテーブルに設定記憶する分類別有効期間データ設定記憶制御手段と,該分類別有効期間データテーブルを検索して入力された商品分類コードが設定記憶されているか否かを判別する第1の判別手段と,設定記憶されていると判別された商品分類コードに対応する分類別有効期間データと当該商品分類に属する商品の商品番号が入力された販売日データとを用いて当該商品番号に対応する有効期限を算出する有効期限算出手段と,算出された有効期限と当該商品番号とを期限管理データとして期限管理データテーブルに設定記憶する期限管理データ設定記憶制御手段とを設けるとともに,該期限管理データテーブルを検索して入力された商品番号が設定記憶されているか否かを判別する第2の判別手段と,設定記憶されていると判別された商品番号に対応する有効期限内に当日が属するか否かを判別する商品別有効期限判別手段とを設けた,ことを特徴とする商品販売登録データ処理装置。」(特許請求の範囲)
(エ)「本発明は,販売済商品に関する保証や値引きについての期限管理を容易に行える商品販売登録データ処理装置に関する。」(段落【0001】)(オ)「ここに,例えば家電商品等に関しては,販売日または保証期限が明記された保証書が当該商品とともに顧客に手渡される。また,例えばキャンペーン商品やプライベートブランド(PB)商品には,販売日または有効期限が明記されたサービス券を給付する場合がある。保証期限内であれば当該商品の故障発生要因ごとに決められた所定の割引きサービス等をしたり,有効期限内であればそれと類似する商品やそれと関連する商品(例えば,電池)を購入する場合には割引きサービス等をするためである。」(段落【0004】)
(カ)「商品販売時に,商品分類コード入力手段を用いて当該商品の属する分類つまり商品分類コードを入力すると,第1の判別手段が分類別有効期間データテーブルを検索して,当該商品分類コードが設定記憶されているか否かを判別する。設定記憶されている場合に販売商品の商品番号を入力する。すると,有効期限算出手段が,読出した分類別有効期間データと販売日データとを用いて当該商品番号に対応する有効期限を算出する。引続き,期限管理データ設定記憶制御手段が,入力された商品番号と算出された有効期限とを期限管理データとして期限管理データテーブルに設定記憶する。
したがって,キャッシャーは,販売商品が属する商品分類コードと,商品番号とを入力するだけで,その有効期限が自動算出されかつ期限管理データテーブルに設定記憶される。よって,保証書等への記入作業を迅速かつ容易に行え,かつ後のサービス提供に際する準備も行えたことになる。」(段落【0010】,【0011】)
(キ)「顧客の申出によるサービス提供時に際し,商品番号を入力すると,第2の判別手段が期限管理データテーブルを検索して,当該商品番号が設定記憶されているか否かを判別する。設定記憶されていると判別されると,商品別有効期限判別手段が,当該商品番号に対応する有効期限内に当日が属するか否かを判別する。有効期限チェック作業が迅速・正確かつ容易となる。
かくして,顧客持参の保証書等に記入された販売日や有効期限が不明確であったり,保証書等の持参を忘れた場合でも,商品を購入したことが明確でかつその商品番号が明らかである限りにおいて,顧客はその場で当該サービスを確実に享受でき得るとともに,キャッシャーのサービス提供のための作業負担を大幅に軽減できる。さらに,期限管理データに,商品番号と有効期限の他に例えば割引率をも含めておけば,割引きサービスをより迅速に行え得る。」(段落【0012】,【0013】)

2-3 引用例記載発明
(1) 上記2-1の記載事項を検討するに,引用例1には,家電販売店において,顧客データ,購入履歴,修理履歴等を収めたデータベースを具備するシステムを利用し,年会費を払い,データベースに登録され,「デオデオカード」の発行を受けた顧客に対し,購入商品を5年間保障するというサービスを付加することが記載されている。
そして,家電販売店において販売される商品は主として家電商品であるところ,購入商品を5年間保障するというサービスには,保守又は修理保証が含まれるのが通常であるから,引用例1には,システムを用いて保守又は修理保証を管理するための各ステップを有する保証方法が記載されているといえる。
そして,購入商品を5年間保障するというサービスを付加するということは,購入商品の修理を依頼する時が,当該商品の購入日から5年以内であれば,保守又は修理保証の実行を約束することであるといえる。
そして,購入商品を5年間保障するというサービスの付加を受けるには,980円の年会費を払い,「デオデオカード」の発行を受ける必要があるところ,顧客が支払う980円の金員が年会費であることからみて,この顧客は,年会費を払った日から1年間,「デオデオカード」の会員に登録されるということができ,また,その1年間を,会員期間ということができる。
そして,「デオデオカード」の会員である顧客は,会員期間内に,商品購入時に「デオデオカード」を使用すれば,購入商品を5年間保障するというサービスが付加されるようになっているといえる。
そして,データベースには,家族構成を含む顧客データ,購入履歴,修理履歴等が収められるところ,これらのデータを登録する時期は,新規に会員登録される顧客についてみると,家族構成を含む顧客データは,顧客が年会費を払って会員となるとき,購入履歴は,商品を購入するとき,修理履歴は,購入商品の修理がなされるときであることは,登録されるデータの内容からみて明らかである。
そして,「デオデオカードは顧客本人だけでなく家族も使用できる」のであるから,顧客の家族についても,会員期間内に,商品購入時に「デオデオカード」を使用すれば,会員である顧客本人と同様に,購入商品を5年間保障するというサービスが付加されるようになっているといえる。
(2) してみると,引用例1には,
「システムを用いて保守又は修理保証を管理する保証方法において,
会員からの年会費を受け取る年会費受取ステップと,
家族構成を含む会員のデータをデータベースに登録する会員登録ステップと,
商品の購入者が会員又は会員の家族であり,購入日が会員期間内である場合には,購入日,購入商品名を購入履歴としてデータベースに登録するとともに,購入商品について5年間の修理保証サービスを付加する購入商品登録ステップと,
購入商品の修理依頼に対して,その依頼時期が上記5年間内であれば,保証を実行する保証実行ステップと
を有する保証方法。」
の発明(以下「引用例記載発明」という。)が記載されていると認められる。

3 対比
(1) そこで,本願発明(以下「前者」という。)と引用例記載発明(以下「後者」という。)とを対比すると,後者の「システム」が前者の「コンピューター」に相当することは明らかである。
また,後者において,単価5000円以上の購入商品を5年間保障するというサービスを受ける顧客は,予め980円の年会費を支払い,「会員」としてデータベースに登録されるのであり,また,複数の顧客が「会員」となることが予定されていることは明らかであるから,後者の「会員」は,前者の「予め登録された複数の会員」に相当する。
そして,後者の「年会費受取ステップ」は,会員からの入金である年会費を家電販売店が受け取った後,入金をどのように処理するか限定がない(この点は,「相違点1」として抽出する。)が,何らかの処理を行うことは明らかであるから,入金を処理する過程という点で,前者の「入金を運営する運営過程」に対応する。
また,後者の「家族構成を含む会員のデータ」には,会員期間を含むことの限定がない(この点は,「相違点2」として抽出する。)が,前者の「会員に関する情報」に対応し,後者の「データベースに登録する会員登録ステップ」は,前者の「データベースに登録する会員登録過程」に対応する。
また,後者の「購入商品登録ステップ」は,購入商品について,保証期間である5年間の修理保証サービスを付加する際,購入者を示す情報が「その購入時に入力された」ものであるとの限定がなく,購入者が会員の家族であり,なおかつ購入時期が会員期間内または会員期間を含む所定の期間内にあるか否かを前記データベースを参照して判定することについて限定がなく,また,該修理保証サービスの付加に係るデータをどのように保持するかについて限定されておらず,さらに,「会員期間を含む所定の期間内」を判定していない(この点は,「相違点3」として抽出する。)が,購入者が会員又は会員の家族であり,購入日が会員期間内であることを要件としている以上,例えば,「デオデオカード」の提示を求めて購入者を示す情報を得,購入者が会員又は会員の家族であり,また,購入日が年会費を払った日から1年間の会員期間内にあるか否かを,何らかの方法により判定していることは明らかであるから,前者の「購入製品登録過程」に対応する。
また,後者の「保証実行ステップ」は,保証を実行する際,製品の修理依頼に対し,前記データベース内の対応する保証内容および会員に関する情報に基づいて,その依頼時期が,当該保証内容に含まれる保証期間内にあるか否かを判定することについて限定がなく,また,保証期間内にあると判定した場合には,その依頼時期が前記会員期間内にあるか否かに拘わらず,保証の実行を決定するとの限定がない(この点は,「相違点4」として抽出する。)が,修理の依頼時期が保証期間の5年間内であることを要件としている以上,依頼時期が保証期間内にあるか否かを,何らかの方法により判定していることは明らかであるから,前者の「判定過程」に対応する。
(2) そうすると,両者は,
「コンピューターを用いて保守または修理保証を管理する保証方法において,
予め登録された複数の会員からの入金を処理する処理過程と,
会員およびその家族を示す情報を含む前記会員に関する情報をデータベースに登録する会員登録過程と,
製品の購入時期と前記購入者を示す情報とに基づいて,当該購入者が会員の家族でありかつ会員期間内にあると判定した場合に,当該製品に関する情報を前記データベースに登録する購入製品登録過程と,
製品の修理依頼に対し,その依頼時期が,保証期間内にあると判定した場合には,保証の実行を決定する判定過程と
を有することを特徴とする保証方法。」
である点で一致し,下記の点で相違する。

〔相違点1〕前者の入金を処理する過程は,「入金を運営する運営過程」であるのに対し,後者の入金を処理する過程は,処理の内容が特定されていない点。
〔相違点2〕前者の会員に関する情報は,会員の「家族を示す情報」と「会員期間」を含むのに対し,後者の会員に関する情報は,会員の「家族を示す情報」と「会員期間」について特定されていない点。
〔相違点3〕前者の購入製品登録過程は,購入者を示す情報が「その購入時に入力された」ものであり,「当該購入者が会員の家族であり,なおかつ前記購入時期が会員期間内または会員期間を含む所定の期間内にあるか否かを前記データベースを参照して判定し」,「会員の家族でありかつ会員期間内または前記所定の期間内にあると判定した場合に,当該製品の保証期間を含む保証内容に関する情報を前記データベースに登録する」のに対し,後者の購入製品登録過程は,購入者を示す情報が「その購入時に入力された」ものであること,「データベースを参照して判定」すること,また,「データベースに登録する」ことの限定はなく,さらに,「会員期間を含む所定の期間内」を判定していない点。
〔相違点4〕前者の判定過程は,「製品の修理依頼に対し,前記データベース内の対応する保証内容および会員に関する情報に基づいて,その依頼時期が,当該保証内容に含まれる保証期間内にあるか否かを判定し,保証期間内にあると判定した場合には,その依頼時期が前記会員期間内にあるか否かに拘わらず,保証の実行を決定する」のに対し,後者の判定過程はそうでない点。
〔相違点5〕前者は,「前記判定過程によって保証を実行する製品であると決定された製品の保守・修理に関する費用を前記運営過程の運営実績額から決済する過程」を有するのに対し,後者はこの過程を有しない点。

4 判断
(1) 相違点1について
年会費のような入金を金融商品等で運用することは,事業者に限らず,一般に,ごく普通に行われていることであり,また,その管理にコンピュータを利用することも周知の事項である。
してみると,後者において,受け取った入金を金融商品等で運用することは,当業者が容易になし得ることであるから,後者の入金を処理する過程を「入金を運営する運営過程」とすることは,当業者が容易に想到し得ることである。
(2) 相違点2について
後者は,「デオデオカード」を使用することにより,会員の家族も購入商品について5年間の修理保証サービスの付加を受けることができるところ,会員の家族に会員と同様のサービスを提供する方法において,会員の家族を家族会員として会員とともにデータベースに登録し,家族会員もサービスを受けられるようにすることは,例えば,ポイントカードやクレジットカード等にみられるように,普通に行われていることであるから,後者において,会員の家族に対しても購入商品について5年間の修理保証サービスを付加するために,会員の家族を家族会員とし,会員とともにデータベースに登録することは,当業者が容易になし得ることである。
そして,会員にサービスを提供する方法において,会員情報をデータベースに登録し,会員に会員カードを発行し,サービス提供時に会員カードの提示を求め,提示された会員カードの情報を入力してデータベースを検索し,会員資格を確認することは,一般に周知の事項であり,そのために,データベースに登録される会員情報に会員期間を含ませることも周知の事項である。
してみると,後者において,会員の「家族を示す情報」と「会員期間」を会員に関する情報に含ませてデータベースに登録し,会員の家族にサービスを提供する時,データベースを検索して会員資格の確認ができるようにすることは,当業者が容易に想到し得ることである。
(3) 相違点3について
(i) 後者においても,購入者が会員の家族であり,また,購入日が年会費を払った日から1年間の会員期間内にあるかを,何らかの方法により判定しているところ,会員のデータだけでなく,会員の家族を示す情報と会員期間もデータベースに登録する構成を採用すれば,購入者が会員の家族であり,かつ,購入日が会員期間内にあるか否かの判定をするのに,購入者を示す情報を購入時に入力し,データベースを参照して行うことは,直ちに導出される事項である。
会員の家族を示す情報と会員期間もデータベースに登録する構成を採用することは,上記相違点2について検討したとおり,当業者にとって容易であるから,購入時に入力された購入者を示す情報に基づいてデータベースを参照して上記判定を行うこともまた容易である。
そして,会員期間を一定期間遡及,及び又は,延長させてサービスを提供することは,人為的取り決めであるから,後者において,購入商品を5年間保障するというサービスを付加する要件として,1年間の会員期間に一定期間を加え,会員期間を含む所定の期間内とすることは,当業者が適宜決定する事項である。
してみると,後者において,製品の購入時期と「その購入時に入力された」前記購入者を示す情報とに基づいて,「当該購入者が会員の家族であり,なおかつ前記購入時期が会員期間内または会員期間を含む所定の期間内にあるか否かを前記データベースを参照して判定」する構成とすることは,当業者が容易に想到し得ることである。
(ii) 引用例2には,家電商品等の販売済商品に関する保証の期限管理を行う商品販売登録データ処理方法において,商品販売時に,保証の有効期限と商品番号を含む期限管理データを期限管理データテーブルに設定記憶させ,サービス提供時に,期限管理データテーブルを検索し,期限管理データに含まれる保証の有効期限内に当日が属するか否かを判定し,有効期限内であれば,サービスを提供することが記載されている。そして,ここにおいて,期限管理データテーブルがデータベースと同等の作用を奏していることは明らかである。
引用例1,2は,共に,システムを用いて家電商品等の販売,保証をする方法という同一の技術分野に属するから,後者における保証期間の管理に,引用例2記載の,商品販売時に,期限管理データを期限管理データテーブルに設定記憶させるという技術思想を適用することは,当業者が容易になし得ることである。
してみると,後者において,「会員の家族でありかつ会員期間内または前記所定の期間内にあると判定した場合に,当該製品の保証期間を含む保証内容に関する情報を前記データベースに登録する」構成とすることは,当業者が容易に想到し得ることである。
その際,後者のデータベースには,会員に関する情報に関連して,購買履歴や修理履歴も登録されているから,保証内容に関する情報を会員に関する情報に関連して登録することは,直ちに導出される事項である。
(4) 相違点4について
(i) 上記相違点3についての(ii)で述べたのと同様に,後者における保証期間の管理に,引用例2記載の,サービス提供時に,期限管理データテーブルを検索し,期限管理データに含まれる保証の有効期限内に当日が属するか否かを判定し,有効期限内であれば,サービスを提供するという技術思想を適用することも,当業者が容易になし得ることである。
してみると,後者において,「製品の修理依頼に対し,前記データベース内の対応する保証内容および会員に関する情報に基づいて,その依頼時期が,当該保証内容に含まれる保証期間内にあるか否かを判定し,保証期間内にあると判定した場合には,保証の実行を決定する」構成とすることは,当業者が容易に想到し得ることである。
(ii) 家電商品等の修理保証を,商品に付与するか,購入者に付与するかは,人為的取り決めであり,商品に付与することは,引用例2に実質的に記載されるように普通に行われている。
そして,家電商品等の修理保証を商品に付与するのであれば,修理依頼に対し,修理保証を実行するか否かは,依頼時期が保証期間内にあるか否かを判定すれば足り,修理依頼者の資格が問題となることはない。
してみると,後者において,「その依頼時期が前記会員期間内にあるか否かに拘わらず,保証の実行を決定する」ことは,修理保証を,商品に付与する周知の保証形態を採用することに伴い,直ちに導出される事項である。
後者において,修理保証を商品に付与するという普通の保証形態を採用することは,当業者にとって容易であるから,「その依頼時期が前記会員期間内にあるか否かに拘わらず,保証の実行を決定する」こともまた容易である。
(5) 相違点5について
後者における年会費は,保守又は修理保証の目的で入金されるものであるから,購入商品の保守又は修理に要した費用を,入金を処理する過程において得られる金融商品等の運用益から決済することは,ごく自然な構成である。
そして,保守又は修理の対象となる製品は,後者においても,判定過程によって保証を実行する製品であると決定されるものである。
してみると,後者において,「前記判定過程によって保証を実行する製品であると決定された製品の保守・修理に関する費用を前記運営過程の運営実績額から決済する過程」を付加することは,当業者が容易に想到し得ることである。
(6) 作用効果について
本願発明の作用効果についてみても,引用例1,2及び周知事項から当業者が予測し得る程度のものであり,格別のものとはいえない。

5 むすび
したがって,本願発明は,引用例記載発明,引用例2に記載された事項及び周知事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-15 
結審通知日 2005-03-15 
審決日 2005-03-28 
出願番号 特願2000-54560(P2000-54560)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青柳 光代  
特許庁審判長 小林 信雄
特許庁審判官 須原 宏光
久保田 健
発明の名称 保証システム及び方法  
代理人 川▲崎▼ 研二  
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