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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1116971
審判番号 不服2003-3244  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-05-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-02-27 
確定日 2005-05-12 
事件の表示 特願2000-342965「回転ずし店舗運営システム」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 5月24日出願公開、特開2002-149780〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年11月10日の出願であって、平成14年12月9日付けで手続補正がなされ、平成15年1月16日付でなされた拒絶査定に対し、平成15年2月27日に審判請求がなされるとともに、平成15年3月28日付で明細書についての手続補正がなされたものである。

2.平成15年3月28日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成15年3月28日付けの明細書についてした手続補正を却下する。
[理由]
本件補正により、特許請求の範囲を、
「【請求項1】 回転ずし店舗運営のために用いられる回転ずし店舗運営システムであって、
すしを搬送するための回転ずしコンベアを有する回転テーブルと、
前記回転テーブルへ提供したすしの量をその種類ごとにカウントする第1のカウント手段と、
前記回転テーブルから廃棄されたすしの量をその種類ごとにカウントする第2のカウント手段と、
前記第1のカウント手段および前記第2のカウント手段でそれぞれカウントされた量に基づいて、材料の仕入量を決定する決定手段と、
前記決定された仕入量に基づいて仕入先へ発注を行なう発注手段と、 将来のすしの消費量を予測するための情報を入力する入力手段を備え、 前記決定手段は、入力された客の数および客の種類に基づき、前記回転テーブルに出ている現在のすしの種類と数量を考慮し、前記回転テーブル上のすしの適切な種類と適量とを求め、それに適合するようにすし調理の指示を行ない、 前記決定手段は、前記入力手段により入力された情報を考慮して仕入量を決定する、回転ずし店舗運営システム。
【請求項2】 前記将来のすしの消費量を予測するための情報は、天気予報のデータ、カレンダーに基づくデータ、地域の行事のデータ、売れ筋商品のデータである、請求項1に記載の回転ずし店舗運営システム。
【請求項3】 店舗に設置される第1のシステムと、本部に設置される第2のシステムとからなる回転ずし店舗運営システムであって、
前記第1のシステムと前記第2のシステムとは通信回線により接続され、
前記第1のシステムは、
すしを搬送するための回転ずしコンベアを有する回転テーブルと、
前記回転テーブル上に存在するすしの種類および量を検出するセンサと、
前記センサの検出結果その他の店舗運営に関する数量を前記第2のシステムに送信する送信手段とを備え、
前記第1のシステムは、複数の回転ずし店舗の各々において、商品や顧客に関する情報をリアルタイムに収集し、店舗運営に必要となる各種情報を提供し、入力された客の数および客の種類に基づき、前記回転テーブルに出ている現在のすしの種類と数量を考慮し、前記回転テーブル上のすしの適切な種類と適量とを求め、それに適合するようにすし調理の指示を行ない、 前記第2のシステムにおいて、前記数量をリアルタイムに得ることができるように構成され、前記第2のシステムは、前記複数の回転ずし店舗の各々における、商品発注、売上、勤怠その他の各種情報を管理することを特徴とし、
前記複数の回転ずし店舗の各々における営業情報を収集し、会社運営のための各種情報を管理し、リアルタイムに経営状況を把握する、コンピュータを含む第3のシステムを備えた、回転ずし店舗運営システム。」
と補正しようとするものである。

拒絶査定時の特許請求の範囲の記載(平成14年12月9日付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載)は、
「【請求項1】 回転ずし店舗運営のために用いられる回転ずし店舗運営システムであって、
すしを搬送するための回転ずしコンベアを有する回転テーブルと、
前記回転テーブルへ提供したすしの量をその種類ごとにカウントする第1のカウント手段と、
前記回転テーブルから廃棄されたすしの量をその種類ごとにカウントする第2のカウント手段と、
前記第1のカウント手段および前記第2のカウント手段でそれぞれカウントされた量に基づいて、材料の仕入量を決定する決定手段と、
前記決定された仕入量に基づいて仕入先へ発注を行なう発注手段とを備えた、
回転ずし店舗運営システム。
【請求項2】 将来のすしの消費量を予測するための情報を入力する入力手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記入力手段により入力された情報を考慮して仕入量を決定する、請求項1に記載の回転ずし店舗運営システム。
【請求項3】 前記将来のすしの消費量を予測するための情報は、天気予報のデータ、カレンダーに基づくデータ、地域の行事のデータ、売れ筋商品のデータである、請求項2に記載の回転ずし店舗運営システム。
【請求項4】 店舗に設置される第1のシステムと、本部に設置される第2のシステムとからなる回転ずし店舗運営システムであって、
前記第1のシステムと前記第2のシステムとは通信回線により接続され、
前記第1のシステムは、
すしを搬送するための回転ずしコンベアを有する回転テーブルと、
前記回転テーブル上に存在するすしの種類および量を検出するセンサと、
前記センサの検出結果その他の店舗運営に関する数量を前記第2のシステムに送信する送信手段とを備え、
前記第2のシステムにおいて、前記数量をリアルタイムに得ることができるように構成されたことを特徴とする、回転ずし店舗運営システム。
【請求項5】 前記第1のシステムは、複数の回転ずし店舗の各々において、商品や顧客に関する情報をリアルタイムに収集し、店舗運営に必要となる各種情報を提供し、
前記第2のシステムは、前記複数の回転ずし店舗の各々における、商品発注、売上、勤怠その他の各種情報を管理し、
前記複数の回転ずし店舗の各々における営業情報を収集し、会社運営のための各種情報を管理し、リアルタイムに経営状況を把握する、コンピュータを含む第3のシステムをさらに備えた、請求項4に記載の回転ずし店舗運営システム。」
である。

この補正に対して、請求人は、平成15年3月28日付けの手続補正書(方式)の2頁7〜18行で、補正の適法性を次のように述べている。
「同日付で提出された手続補正書において、補正前の請求項1の発明特定事項の一部が補正された。この補正は、補正前の請求項2の内容を請求項1に含め、かつ、第0045段落などの記載に基づいて請求項1を限定するものであり、新規な事項を追加するものではない。
またこの補正は、補正前の構成要素を限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の目的に合致するものである。
また、同日付で提出された手続補正書において、補正前の請求項4が補正後の請求項3となり、発明特定事項の一部が補正された。この補正は、補正前の請求項5の内容を当該請求項に含め、かつ、第0045段落などの記載に基づいて当該請求項を限定するものであり、新規な事項を追加するものではない。
またこの補正は、補正前の構成要素を限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の目的に合致するものである。」

この補正を検討すると、解決しようとする課題が、補正前の請求項1、2に係る発明では、仕入量を決定し、その決定された仕入量に基づいて仕入先へ発注を行うことであったが、補正後の請求項1においては、入力された客の数および客の種類に基づき、前記回転テーブルに出ている現在のすしの種類と数量を考慮し、前記回転テーブル上のすしの適切な種類と適量とを求め、それに適合するようにすし調理の指示を行うことを新たに加えたものになっている。この補正後の課題は、補正前の課題を概念的に下位にしたものでも、同種のものでもないなど、技術的に密接に関連しているとはいえない。したがって、この補正は解決しようとする課題を変更するものである。
また、補正前の請求項4、5と、補正後の請求項3との関係も同様である。
以上のとおり、この補正は、特許請求の範囲の減縮をするものであるが、補正前の当該請求項に記載された発明と、その補正後の当該請求項に記載される発明の解決しようとする課題が同一のものないので、特許法第17条の2第4項第2号に該当しない。また、同項第1号、第3号及び第4号に該当するとも認められない。よって本件補正は、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
(1)本願発明
平成15年3月28日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成14年12月9日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】 回転ずし店舗運営のために用いられる回転ずし店舗運営システムであって、
すしを搬送するための回転ずしコンベアを有する回転テーブルと、
前記回転テーブルへ提供したすしの量をその種類ごとにカウントする第1のカウント手段と、
前記回転テーブルから廃棄されたすしの量をその種類ごとにカウントする第2のカウント手段と、
前記第1のカウント手段および前記第2のカウント手段でそれぞれカウントされた量に基づいて、材料の仕入量を決定する決定手段と、
前記決定された仕入量に基づいて仕入先へ発注を行なう発注手段とを備えた、
回転ずし店舗運営システム。」

(2)引用例
原査定の拒絶の理由で引用された、平成9年2月14日に頒布された特開平9-44753号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(a)「【請求項1】 ワンタッチ・キーボード図3のメニュー品目を押して、タグの付いた寿司皿(全ての皿にタグを付けておく)図2を読取装置(皿投入口読取装置)(2)で読み取ることによりこの2つのデータはデータ収集装置(7)へ転送されて品目と皿NO.が関係づけされ1つのデータとなる。この関係づけされたデータはパソコン(8)へ転送し、記録される。この皿NO.がコンベア1周の途中の一定位置に設置した読取装置(固定読取装置)(4)によって通過する皿NO.を読み取って、その皿NO.データをデータ収集装置を経由してパソコンへ転送し、記録される。皿投入口から固定読取装置までの寿司皿の移動所要時間が決めてあり、一定時間(例えば60秒)経過してもその皿NO.のデータがパソコンへ転送されてこない場合はコンベアから客がその皿NO.を取ったと判断してデータを処理する方法。」(引用例1の2頁1欄2〜16行)
(b)「【産業上の利用分野】この発明は、回転寿司店舗に於いて、お客へ提供する寿司種類と数量を予め数パターン用意しその中の1パターンを決めて、それに対応した寿司の種類と数量をコンベアに載せるようにすることで、客の欲している寿司の種類と数量を最適にできるようになる。コンベアに載っている寿司の種類と数量を品揃えパターンと比較して、その差の数量を作業場の画面に表示することで、何を何個作成しなさいという作業指示ができる。またこれらのデータを集計することにより、単品別の売上金額及び数量と荒利額管理のできるシステムである。これらの処理はすべてリアルタイムにできる。」(引用例1の2頁1欄29〜39行)
(c)「【従来の技術】従来の回転寿司システムは、コンベアに載って回っている単品別の数量を把握することや、単品別売上管理、荒利管理ができなかった。したがって、開店前に在庫数を把握しておき、閉店後に残った数を調べて、かつ廃棄した数も差し引きして売上数を計算処理していた。すなわち、閉店した後でないと算出することが出来なかった。またコンベアに載っている寿司を廃棄する基準も同じチェーン店舗でありながら店舗ごとに異なっている。新鮮でない干からびた寿司がコンベアを回っているのが見掛けられる。」(引用例1の2頁2欄2〜9行)
(d)「【0006】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、図1において、標準の回転寿司店舗が利用する寿司の皿枚数は1000枚前後である。長さ30mのコンベアに載る最大の皿枚数は200枚である。1日に皿は最大4000枚利用すると想定している。
【0007】図1の(2)のワンタッチ・キーボードからメニュー品目1つを指定した後、寿司皿を皿投入口読取装置で読み取りコンベアに載せることにより、メニュー品目と皿NO.はデータ収集装置で関係づけされパソコンへ転送され、記録される。パソコンでは[皿NO.+寿司種類]別に記録される。
【0008】図1の(4)の固定読取装置で読み取った皿NO.データ(定位置経遇データ)が転送されると既にパソコンに記録された皿NO.とマッチングさせて経過時刻が記録される。一定時間が経過しても定位置経過データが転送されない皿NO.はコンベアから取ったとして処理される。
【0009】これらの処理により、パソコン画面(図7)に品目別の作成すベき数量が表示される。画面の表示数字に従って寿司を握り、皿投入口からコンベアに載せることにより、画面の対象データは更新される。
【0010】ある皿NO.がコンベアを2周(回数は指定可能)した場合、パソコンのデータ記録メモリー上ではその皿NO.データに廃棄フラッグが記録され厨房側コンベアの一定位置で廃棄処理され、コンベアから自動的に排除処理される。この処理は、お客に対していつも新鮮な寿司を提供できる仕組みとなる。
【0011】以上のように、コンベアに載せている寿司品目と数量を的確にできることにより、その前段階の作業であるネタの解凍作業、切りつけ作業等の段取りとタイミングが的確にできるようになる。美味しい状態の寿司を寿司皿に盛りつけてコンベアに載せて、ベストの状態でお客へ提供できる。これらの一連の作業はリアルタイムのデータをパソコンで情報(作業者が動作レベルの指示に変換した内容)に変換して現場へ指示できる。
【0012】店舗の管理者である店長、マネージャーは欲しい時に、その時点の「売上・荒利管理情報」を寿司品目別に画面又はリスト形式で入手することができ、これらの情報利用して、翌日に持ち越せない品目はタイムセール等で売り切ることで廃棄を少なくでき、ロスを少なくした効率のよい店舗運営ができる。」(引用例1の3頁3欄9〜50行)
(e)「【発明の効果】下記の効果が実現できます。
(イ)リアルタイムに売上実績数を把握できるので、食材段取りが正確になり食材のロスを減らすことができる。
(ロ)客の食べた種類と数量に比例して、何の寿司を何個作成しなさいという指示を数字でリアルタイムにできるので作業効率向上が図れる。
(ハ)食材の仕入・在庫数の適正化が図れる。
(ニ)日、曜日、時間帯により店内の客数が大巾に異なっている。この客数や時間帯に合せてコンベアに載せる寿司の種類と数量をパターン化し、そのパターンを選択運用することにより、最適な状態で美味しい寿司をお客へ提供できる。
(ニ)寿司種類別の売上・荒利額表をリアルタイムに見る事ができるので、タイミング良く販売促進を実施できる。また集計作業が大巾に削減できる。
(ホ)正確でグットタイミングに作業指示ができ、その内容は理にかなっているので、従業員の仕事意識も高まり、結果的にお客への対応する態度が的確になる。」(引用例1の3頁4欄12〜30行)
(f)【図6】寿司種類別の売上・荒利額管理表
【図7】作業指示画面
が記載されている。

これらの記載によれば、引用例1には、
「ワンタッチ・キーボードからメニュー品目1つを指定した後、寿司皿を皿投入口読取装置で読み取りコンベアに載せることにより、メニュー品目と皿NO.はデータ収集装置で関係づけされパソコンへ転送され、パソコンでは[皿NO.+寿司種類]別に記録され、
この皿NO.がコンベア1周の途中の一定位置に設置した読取装置によって通過する皿NO.を読み取って、その皿NO.データをデータ収集装置を経由してパソコンへ転送し、既にパソコンに記録された皿NO.とマッチングさせて経過時刻が記録され、
一定時間が経過しても定位置経過データが転送されない皿NO.はコンベアから客がその皿NO.を取ったと判断してデータを処理し、
これらの処理により、パソコン画面に品目別の作成すベき数量が表示され、画面の表示数字に従って寿司を握り、皿投入口からコンベアに載せることにより、画面の対象データは更新され、
ある皿NO.がコンベアを2周(回数は指定可能)した場合、パソコンのデータ記録メモリー上ではその皿NO.データに廃棄フラッグが記録し、厨房側コンベアの一定位置で廃棄処理し、コンベアから自動的に排除処理するようにしたシステムであり、
このようにすることにより、コンベアに載せている寿司品目と数量を的確にできることにより、その前段階の作業であるネタの解凍作業、切りつけ作業等の段取りとタイミングが的確にできるようにすると共に、
店舗の管理者である店長、マネージャーは欲しい時に、その時点の「売上・荒利管理情報」を寿司品目別に画面又はリスト形式で入手することができ、これらの情報利用して、翌日に持ち越せない品目はタイムセール等で売り切ることで廃棄を少なくでき、ロスを少なくし、さらに、食材の仕入・在庫数の適正化が図れるようにした効率のよい店舗運営ができるようにしたことを特徴とする回転寿司店における作業指示及び単品別売上・利益管理システム。」
との発明が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願発明と引用例1に記載された発明を対比すると、
引用例1のものは、店舗の管理者である店長、マネージャーは欲しい時に、その時点の「売上・荒利管理情報」を寿司品目別に画面又はリスト形式で入手することができ、これらの情報利用して、翌日に持ち越せない品目はタイムセール等で売り切ることで廃棄を少なくでき、ロスを少なくし、さらに、食材の仕入・在庫数の適正化が図れるようにした効率のよい店舗運営ができるようにしたことを特徴とする回転寿司店における作業指示及び単品別売上・利益管理システムであるから、引用例1のシステムは本願発明の回転ずし店舗運営システムに相当し、
引用例1のパソコンにおいて、メニュー品目と皿NO.はデータ収集装置で関係づけされ、[皿NO.+寿司種類]別に記録されているから、数量として認識しており、また、ある皿NO.がコンベアを2周(回数は指定可能)した場合、パソコンのデータ記録メモリー上ではその皿NO.データに廃棄フラッグが記録し、厨房側コンベアの一定位置で廃棄処理し、コンベアから自動的に排除処理するようにしいるので、パソコンでは、回転テーブルから廃棄されたすしの量をその種類ごとに、数量を認識しており、さらに、引用例1の2頁2欄30〜34行には「(ト)データ収集装置を経由して集められたデータを処理(コンベアへ皿投入、売上、廃棄、作業指示、単品別利益計算など)するプログラムやパソコンを含む回転寿司店舗に於ける作業指示及び単品別荒利管理システムである。」と記載され、パソコンで数量としてデータ処理されていることが記載されている。このように引用例1では、カウント手段は明記されていないが、パソコンにカウント手段に相当するものがあることは明白であり、また、カウントする対象毎にカウント手段を設けることは必要に応じて行うことであり、
引用例1では、数量に基づいて食材の仕入・在庫数の適正化が図れるようにすることにより、効率のよい店舗運営ができるようにしたものであるから、仕入先への発注を行うことも当然考慮しているものであると認められるから、
両者は
「回転ずし店舗運営のために用いられる回転ずし店舗運営システムであって、
すしを搬送するための回転ずしコンベアを有する回転テーブルと、
前記回転テーブルへ提供したすしの量をその種類ごとにカウントする第1のカウント手段と、
前記回転テーブルから廃棄されたすしの量をその種類ごとにカウントする第2のカウント手段とを備え、
回転テーブルへ提供したすしの量、回転テーブルから廃棄されたすしの量、に基づいて、材料の仕入量を決定し、決定された仕入量に基づいて仕入先へ発注を行なう回転ずし店舗運営システム。」
で一致し、次の点で相違する。

(相違点)
本願発明では、第1のカウント手段および第2のカウント手段でそれぞれカウントされた量に基づいて、材料の仕入量を決定する決定手段が設けられ、さらに、その決定された仕入量に基づいて仕入先へ発注を行なう発注手段が設けられているのに対して、引用例1では、決定手段、発注手段については明記されておらず、コンベアに載せている寿司品目と数量のデータ、客がとった皿データ、廃棄した皿のデータなどから、食材の仕入・在庫数の適正化を図ることが記載されているだけであり、装置が自動的に行うことも記載されていない点。

(4)当審の判断
上記相違点について検討すると、
本願発明では、回転テーブルに提供したすしの量と、廃棄されたすしの量である、第1のカウント手段および第2のカウント手段でそれぞれカウントされた量に基づいて、材料の仕入量を決定するとしているが、もちろん、すしの消費をも考慮して材料の仕入量を決定してるものと認められる。(本願明細書の段落43にすしの消費のことが記載されている。)
引用例1においては、段落11に、前段階の作業について「コンベアに載せているすし寿司品目と数量を的確にできることにより、その前段階の作業であるネタの解凍作業、切りつけ作業等の段取りタイミングが的確にできるようになる。」と記載されている。更に、その前の仕入については、3頁4欄19行に「(ハ)食材の仕入・在庫数の適正化が図れる。」と記載されている。図7の作業指示画面上には、「ネタの在庫数」として「開店時刻前に本日の仕入在庫数を登録する」ことが、また、「消化率%」として「仕入数量に対する販売数量」が表示されている。また、「売上・粗利益管理情報」が表として表示されるのである。店長、マネージャーはこれらの数値、情報を利用して、ロスを少なくした効率のよい店舗運営を行うのであるから、仕入についても、これらの数値、情報を利用して、適正な仕入数量を決めて、仕入れているものである。
一般的に数量の制御を自動的に行う場合においては、一定の数量を維持するために、出力された数量を計測し、その計測された数量に基づいて、入力する数量を決め、その決定した数量を自動的に入力するようことを装置を用いて構成することは常識的なことであるから、引用例1の仕入についての一連の作業を、装置を用いて自動的に行うようにすることは当業者が容易に想像できることである。
したがって、引用例1において、売れたネタの量、廃棄したネタの量、在庫数等から仕入の数量を、決定手段を設けて決めること、さらに、決定された仕入量に基づいて仕入先に発注を行う発注手段を設けることは、当業者が容易に考えられることである。

尚、「入力された客の数および客の種類に基づき、前記回転テーブルに出ている現在のすしの種類と数量を考慮し、前記回転テーブル上のすしの適切な種類と適量とを求め、それに適合するようにすし調理の指示を行な」うことについての補正は、2.で述べたように補正却下されるものであるが、この補正事項が初めから記載されていたとしても、客の込み具合、大人、子供の人数などに応じて提供するすしの種類、数量を調整することは、例えば、特開平11-103996号公報等により周知のことであるから、本願発明は引用例1及び上記周知例から当業者が容易に考えられることである。

(5)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-15 
結審通知日 2005-03-22 
審決日 2005-03-30 
出願番号 特願2000-342965(P2000-342965)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 谷口 信行  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 加藤 恵一
深沢 正志
発明の名称 回転ずし店舗運営システム  
代理人 森田 俊雄  
代理人 仲村 義平  
代理人 堀井 豊  
代理人 酒井 將行  
代理人 野田 久登  
代理人 深見 久郎  
代理人 椿 豊  
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