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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1117686
審判番号 不服2001-6400  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-06-20 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-04-20 
確定日 2005-06-09 
事件の表示 平成10年特許願第348286号「遊技機用プリント基板」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 6月20日出願公開、特開2000-167203〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成10年12月8日の出願であって、平成11年8月10日付で拒絶理由通知がなされ、同年10月25日付で手続補正がなされ、平成13年3月14日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月20日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月11日付で手続補正がなされたものである。

2.平成13年5月11日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成13年5月11日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「複数個の基板側コネクタ(28)〜(30)と、該各基板側コネクタ(28)〜(30)が装着された基板本体(46)とを備え、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)に各外部コネクタ(54)〜(56)が夫々接続されるように構成された遊技機用プリント基板において、前記基板本体(46)に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)別に所要情報を色彩の違いにより識別可能に表示する複数個の着色表示手段(57)〜(59)を設け、該各着色表示手段(57)〜(59)は、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の装着箇所を示す装着箇所表示部(57a) 〜(59a) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)のコネクタ番号を示すコネクタ番号表示部(57b) 〜(59b) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の向きを示す方向表示部(57c) 〜(59c) と、色彩を示す色彩表示部(57d) 〜(59d) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の端子数を示す端子数表示部(57e) 〜(59e) とを備え、前記装着箇所表示部(57a) 〜(59a) を前記基板側コネクタ(28)〜(30)を取り囲むように設け、前記コネクタ番号表示部(57b) 〜(59b) と前記方向表示部(57c) 〜(59c) と前記色彩表示部(57d) 〜(59d) と前記端子数表示部(57e) 〜(59e) とを前記装着箇所表示部(57a) 〜(59a) の外側近傍に夫々設け、前記各着色表示手段(57)〜(59)と前記各基板側コネクタ(28)〜(30)に接続される前記各外部コネクタ(54)〜(56)との色彩を一致させたことを特徴とする遊技機用プリント基板。」
と補正された。
上記補正は、平成11年10月25日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「基板本体(46)に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)の装着箇所を示す各装着箇所表示部(57a) 〜(59a) を前記各基板側コネクタ(28)〜(30)を取り囲むように設けると共に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)の向きを示す各方向表示部(57c) 〜(59c) を前記各装着箇所表示部(57a) 〜(59a) の外側近傍に位置させて設け、」を「基板本体(46)に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)別に所要情報を色彩の違いにより識別可能に表示する複数個の着色表示手段(57)〜(59)を設け、該各着色表示手段(57)〜(59)は、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の装着箇所を示す装着箇所表示部(57a) 〜(59a) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)のコネクタ番号を示すコネクタ番号表示部(57b) 〜(59b) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の向きを示す方向表示部(57c) 〜(59c) と、色彩を示す色彩表示部(57d) 〜(59d) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の端子数を示す端子数表示部(57e) 〜(59e) とを備え、前記装着箇所表示部(57a) 〜(59a) を前記基板側コネクタ(28)〜(30)を取り囲むように設け、前記コネクタ番号表示部(57b) 〜(59b) と前記方向表示部(57c) 〜(59c) と前記色彩表示部(57d) 〜(59d) と前記端子数表示部(57e) 〜(59e) とを前記装着箇所表示部(57a) 〜(59a) の外側近傍に夫々設け、」と限定し、同じく「前記各装着箇所表示部(57a) 〜(59a) 及び前記各方向表示部(57c) 〜(59c) を、前記各外部コネクタ(54)〜(56)との間で色彩の違いにより識別可能となるように着色した」を「前記各着色表示手段(57)〜(59)と前記各基板側コネクタ(28)〜(30)に接続される前記各外部コネクタ(54)〜(56)との色彩を一致させた」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-241764号公報(以下、引用例1という。)には、図面とともに、
「複数の接続端子が設けられる中継端子基板において、前記複数の接続端子の各接続端子の色を、当該接続端子に接続される電気的装置の配線の色と同一としたことを特徴とする弾球遊技機の中継端子基板。」(特許請求の範囲、【請求項1】)、
「本発明は、複数の接続端子が設けられる弾球遊技機の中継端子基板に関するものである。」(段落【0001】)、
「この発明は、・・・、誤配線を確実になくすことができる弾球遊技機の中継端子基板を提供することにある。」(段落【0003】)、
「なお、・・・特定入賞玉検出器74及び入賞個数検出器87も副遊技装置を構成し、それらの配線が中継端子基板90の副遊技装置コネクタ93e,93fにそれぞれ接続される。」(段落【0017】)、
「この枠表示装置23も副遊技装置であり、その配線が中継端子基板90の副遊技装置コネクタ93aにコネクタ95を介して接続される。」(段落【0019】)、
「制御基板から(の)延びる配線47の先端に固着されるコネクタ47a〜47cが・・・中継端子基板90の制御基板コネクタ群92の制御基板コネクタ92a〜92cに接続されるようになっている。(なお、上記(の)は誤記と認められる。)」(段落【0024】)、
「中継端子基板90の構造について図2ないし図4を参照して説明すると、中継端子基板90のほぼ中央には、・・・主遊技装置コネクタ群91が植立される。・・・、主遊技装置コネクタ群91として、4つの主遊技装置コネクタ91a〜91dが上下2列に配列される。また、主遊技装置コネクタ群91の外側上下には、・・・制御基板コネクタ群92が植立される。・・・、制御基板コネクタ群92として、3つの制御基板コネクタ92a〜92cが主遊技装置コネクタ群91の上下に配列される。更に、制御基板コネクタ群92の外側上下には、・・・副遊技装置コネクタ群93が植立される。・・・、8つの副遊技装置コネクタ93a〜93hが制御基板コネクタ群92の上下に4個づつ配列される。」(段落【0028】)、
「コネクタ群のうち中継端子基板90の内側に配列される主遊技装置コネクタ群91と制御基板コネクタ群92とは、図4に示すように、その差込みピンが中継端子基板90と直交するように植立され、副遊技装置コネクタ群93は、その差込みピンが中継端子基板90と平行となるように植立されている。・・・、それぞれの配線の接続作業を行い易くしている。また、副遊技装置コネクタ群93の近傍には、その接続コネクタに接続される副遊技装置の種別と配線の色を示す情報が印刷され、誤配線を起こさないように配慮されている。なお、色の情報としてコネクタ自体に着色しても良い。」(段落【0029】)、
「なお、実施形態においては、中継端子基板90上に主遊技装置コネクタ群91、制御基板コネクタ群92、及び副遊技装置コネクタ群93とがそれぞれ2列となるものを示したが、制御回路によって制御される主遊技装置の電気的部品、及び副遊技装置の電気的部品が少ない場合には、1列となる場合がある。このような場合でも、制御基板コネクタ92を挟むように主遊技装置コネクタ91及び副遊技装置コネクタ93を配置すれば良い。」(段落【0033】)
との記載が認められ、また、副遊技装置の種別と紫、青、白等の配線の色を示す情報が印刷されることは、配線の色を示す色表示部と副遊技装置の種別を示す種別表示部が印刷された作業情報表示手段であると認められる。また、図4から、副遊技装置コネクタ93aと93eは、段落【0024】に示すコネクタ47a〜47cと同じように、配線の先端に固着された接続コネクタが設けられている。このことから、副遊技装置コネクタ93a〜93hは、それぞれが接続コネクタで接続されていると認められる。
これらの記載によれば、引用例1には、

「複数個の副遊技装置コネクタ93a〜93hと、該各副遊技装置コネクタ93a〜93hが植立された中継端子基板90とを備え、前記各副遊技装置コネクタ93a〜93hに各接続コネクタが夫々接続されるように構成された弾球遊技機の中継端子基板において、前記中継端子基板90に、前記各副遊技装置コネクタ93a〜93h別に副遊技装置の種別と配線の色を示す情報を文字の違いにより誤配線を起こさないように表示する複数個の作業情報表示手段を設け、該各作業情報表示手段は、配線の色を示す色表示部と副遊技装置の種別を示す種別表示部とを備え、前記色表示部と種別表示部とを副遊技装置コネクタ群93の近傍に設け、前記各作業情報表示手段の色表示部と前記各副遊技装置コネクタ93a〜93hに接続される前記各接続コネクタの配線の色との色関係を一致させ、または、前記色表示部を着色された副遊技装置コネクタ93a〜93hとした弾球遊技機の中継端子基板。」
との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。

また、原査定の拒絶の理由に引用された実願昭53-137713号(実開昭55-54974号)のマイクロフィルム(以下、引用例2という。)には、図面とともに、
「部品実装領域面に付された複数種の部品配置マークを、各部品毎に色分けした・・・印刷配線板。」(実用新案登録請求の範囲)、
「複数種の部品配置マークにそれらマークに照合した部品を・・・実装し得る印刷配線板を提供」(第1頁第20行〜第2頁第2行)、
「1は緑色の部品実装領域面2を有する・・・印刷配線基板本体である。・・・部品実装領域面2には、抵抗配置マーク3…3、コンデンサー配置マーク4…4,ダイオード配置マーク5…5、IC配置マーク6…6及びトランジスタ配置マーク7…7が付されている。・・・各配置マークは部品毎に色分けされており、例えば抵抗配置マーク3…3は白、・・・に色分けされている。なお、・・・色分けにあたっては、多色印刷法を採用すればよい。」(第2頁第5〜18行)、
「部品配置マークの色分けは、・・・任意に変換し得るものである。・・・部品配置マーク全体に色を付さず、部品配置マークの極性、取付方向をしるす部分のみに色を付してもよい。」(第3頁第9〜14行)、
「各部品の部品番号を示す部品番号表示部を備えている」(図)
との記載が認められ、引用例2には、
「印刷配線板において、印刷配線基板本体1に、複数種の部品毎に色分けされた配置マークを設け、該各配置マークは、前記各部品の装着箇所を示す照合部と、前記各部品の部品番号を示す部品番号表示部と、前記部品の取付方向をしるす方向表示部とを備えた印刷配線板。」
との技術的事項が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、引用例1発明の「副遊技装置コネクタ93a〜93h」、「植立された」、「中継端子基板90」、「接続コネクタ」、「弾球遊技機の中継端子基板」、「副遊技装置の種別と配線の色を示す情報」、「誤配線を起こさないように」および「色表示部」は、本願補正発明の「基板側コネクタ(28)〜(30)」、「装着された」、「基板本体(46)」、「各外部コネクタ(54)〜(56)」、「遊技機用プリント基板」、「所要情報」、「識別可能に」および「色彩表示部(57d)〜(59d)」に相当し、また、引用例1発明の「作業情報表示手段」と本願補正発明の「着色表示手段(57)〜(59)」は、取付・接続等に必要な「表示手段」で共通し、また、引用例1発明と本願補正発明の「各表示部の位置関係」で、複数の表示部の場所を特定する上で「基板本体(46)の特定場所」で共通し、また、引用例1発明の「各副遊技装置コネクタ93a〜93hに接続される前記各接続コネクタの配線の色との色関係を一致させ」と本願補正発明の「各基板側コネクタ(28)〜(30)に接続される前記各外部コネクタ(54)〜(56)との色彩を一致させ」は、各表示手段と各外部接続部との色関係を一致させたことで共通するから、両者は、
「複数個の基板側コネクタ(28)〜(30)と、該各基板側コネクタ(28)〜(30)が装着された基板本体(46)とを備え、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)に各外部コネクタ(54)〜(56)が夫々接続されるように構成された遊技機用プリント基板において、前記基板本体(46)に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)別に所要情報を識別可能に表示する複数個の表示手段を設け、該各表示手段は、複数の表示部を備え、各表示部を基板本体(46)の特定場所に設け、前記各表示手段と外部接続部との色関係を一致させたことを特徴とする遊技機用プリント基板。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:配線の接続ミス等を防止するための所要情報を識別可能に表示する複数個の表示手段において、本願補正発明では、基板本体に、「色彩の違う着色表示手段(57)〜(59)」を設けているのに対して、引用例1発明では、中継端子基板90に、「文字の違う作業情報表示手段」を設けており、表示手段を着色していない点。

相違点2:表示手段に設けた複数の表示部の具体的内容と位置関係において、本願補正発明では、基板本体に、「基板側コネクタ(28)〜(30)の装着箇所を示す装着箇所表示部(57a) 〜(59a) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)のコネクタ番号を示すコネクタ番号表示部(57b) 〜(59b) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の向きを示す方向表示部(57c) 〜(59c) と、色彩を示す色彩表示部(57d) 〜(59d) と、前記基板側コネクタ(28)〜(30)の端子数を示す端子数表示部(57e) 〜(59e) とを備え、前記装着箇所表示部(57a) 〜(59a) を前記基板側コネクタ(28)〜(30)を取り囲むように設け、前記コネクタ番号表示部(57b) 〜(59b) と前記方向表示部(57c) 〜(59c) と前記色彩表示部(57d) 〜(59d) と前記端子数表示部(57e) 〜(59e) とを前記装着箇所表示部(57a) 〜(59a) の外側近傍に夫々設け」ているのに対し、引用例1発明では、中継端子基板90に、「配線の色を示す色表示部と副遊技装置の種別を示す種別表示部とを備え、前記色表示部と種別表示部とを副遊技装置コネクタ群93の近傍に設け」ており、本願補正発明の色彩表示部(57d)〜(59d)と引用例1発明の色表示部とは、共通するが、装着箇所表示部、コネクタ番号表示部、方向表示部および端子数表示部を設けていない点。

相違点3:表示手段と外部接続部との関係において、本願補正発明では、「各着色表示手段(57)〜(59)と各基板側コネクタ(28)〜(30)に接続される各外部コネクタ(54)〜(56)との色彩を一致させ」ているのに対し、引用例1発明では、「各作業情報表示手段の色表示部と前記各副遊技装置コネクタ93a〜93hに接続される前記各接続コネクタの配線の色との色関係を一致させ」て、色彩を示す文字と色彩そのものとを関係させているが、色彩そのものを一致させていない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
相違点1について、従来、印刷配線板等に色分けした情報を表示することは周知であり(例えば、引用例2、実願昭47-131094号(実開昭49-86396号)のマイクロフィルム参照。)、所要情報を識別可能に表示するため、引用例1発明の文字の違う作業情報表示手段に代えて、本願補正発明のように色彩の違う着色表示手段とすることは、当業者が格別の発明力を要することなく必要に応じて適宜なし得る程度の設計事項である。

相違点2について、一般的に、プリント配線板等において、(a)部品の実装箇所を示すこと、(b)コネクタ番号を示すこと、(c)コネクタの向きを示すこと、(d)色彩を示すこと、および、(e)コネクタの端子数を示すことはそれぞれが周知であり(例えば、(a)について、引用例2、特開平7-307534号公報、(b)について、実願昭57-148623号(実開昭59-52657号)のマイクロフィルム、特開平8-185930号公報、(c)について、引用例2、特開平2-177588号公報、(d)について、引用例1、実願昭46-120687号(実開昭48-75178号)のマイクロフィルム、および、(e)について、実願昭63-156566号(実開平2-76476号)のマイクロフィルム、特開平2-177588号公報、参照。)、引用例1発明の配線の色を示す色表示部と副遊技装置の種別を示す種別表示部に前記周知事項を付加して、本願発明のように表示事項を増やした構成とすることは、前記周知事項が同じ技術分野であることを考慮すると、その適用に当たり、特に困難性も認められない。その際に、各表示事項をどの場所に配置するかは、当業者が必要に応じて適宜選択すればよい単なる設計事項である。

相違点3について、引用例1発明は、作業情報表示手段の色表示部と前記各副遊技装置コネクタ93a〜93hに接続される前記各接続コネクタの配線の色との色関係を一致させている。つまり、接続コネクタの配線の色に合わせて中継端子基板に印刷された紫、青、白等の色彩を示す文字情報から接続コネクタを副遊技装置コネクタに接続している。これに対して、本願補正発明では、各着色表示手段と各外部コネクタとの色彩を一致させて、各外部コネクタを各基板側コネクタに接続させている。そこで検討するに、まず、引用例1発明における配線と接続コネクタからなる外部コネクタ部の着色について、配線が着色され、その先端に固着される接続コネクタが着色されているかどうか不明であるが、外部コネクタを着色することは周知であり(一例として、前記実願昭63-156566号(実開平2-76476号)のマイクロフィルム参照。)、配線の色を接続コネクタに置き換えることは、前記周知事項から当業者がその設計に際し適宜選択できるものである。すなわち、引用例1発明の着色された配線とその先端に固着される接続コネクタからなる着色された外部コネクタ部は、本願補正発明の外部コネクタに相当するものと認められる。次に、色関係の一致についてさらに検討すると、着色された外部コネクタの接続にあたり、引用例1発明のように着色された外部コネクタ部を各副遊技装置コネクタに接続するのに中継端子基板の色彩を表す文字情報を参考にして接続するか、本願補正発明のように外部コネクタを基板側コネクタに接続するのに基板本体にある色そのものの色彩情報を参考にして接続するかは、そのことによって確認できる色関係に格別の差違をもたらすものでない。してみると、引用例1発明の各作業情報表示手段の色表示部と前記各接続コネクタの配線の色との色関係を一致させることと、本願補正発明の各着色表示手段と各外部コネクタとの色彩を一致させることとの選択は、その設計に際し当業者が容易に想到しうるところである。また、その際の色合わせにあたり、引用例1発明では、作業情報表示手段の二つの表示部から見て部分的な色表示部の文字情報を基にし、本願補正発明では、着色表示手段の複数の表示部全体の色彩を基にしている。しかし、基板本体の各表示部から外部と一致した色彩情報を得るのに、表示部が引用例1発明のように単数であるか本願補正発明のように複数であるかは、色関係を確認する点で何ら支障はなく、表示部を複数にすることに当業者が格別の創意を要することなく容易に想到し得るところである。

そして、本願補正発明が奏する効果は、引用例1発明および引用例2に記載された事項および周知事項から当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。

したがって、本願補正発明は、引用例1発明および引用例2に記載された事項および周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成13年5月11日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成11年10月25日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「複数個の基板側コネクタ(28)〜(30)と、これらの基板側コネクタ(28)〜(30)が装着された基板本体(46)とを備え、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)に対して各外部コネクタ(54)〜(56)が夫々接続されるように構成された遊技機用プリント基板において、前記基板本体(46)に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)の装着箇所を示す各装着箇所表示部(57a) 〜(59a) を前記各基板側コネクタ(28)〜(30)を取り囲むように設けると共に、前記各基板側コネクタ(28)〜(30)の向きを示す各方向表示部(57c) 〜(59c) を前記各装着箇所表示部(57a) 〜(59a) の外側近傍に位置させて設け、前記各装着箇所表示部(57a) 〜(59a) 及び前記各方向表示部(57c) 〜(59c) を、前記各外部コネクタ(54)〜(56)との間で色彩の違いにより識別可能となるように着色したことを特徴とする遊技機用プリント基板。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例1発明および引用例2に記載された事項および周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1発明および引用例2に記載された事項および周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明および引用例2に記載された事項および周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-28 
結審通知日 2005-03-29 
審決日 2005-04-19 
出願番号 特願平10-348286
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦土屋 保光小林 英司  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
林 晴男
発明の名称 遊技機用プリント基板  
代理人 谷藤 孝司  
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