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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1117692
審判番号 不服2000-3409  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-08-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-03-10 
確定日 2005-06-09 
事件の表示 平成11年特許願第 17399号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 8月 2日出願公開、特開2000-210438〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年1月26日の出願であって、平成11年10月29日付で拒絶理由通知がなされ、同年12月22日付で手続補正がなされ、平成12年2月7日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年3月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年4月7日付で手続補正がなされたものである。

2.平成12年4月7日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成12年4月7日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「制御対象の遊技動作を制御するための遊技プログラムを記憶する記憶手段を備え、この遊技プログラムに従って遊技動作を制御する機能を有する遊技機において、複数個の制御対象毎に、CPU、その他の電子部品が実装されてその制御対象を制御する制御基板を設け、遊技プログラムは、各機能別に分割され且つブランチ命令により個別処理を行う複数個の個別処理サブモジュールと、この複数個の個別処理サブモジュールにブランチ命令により処理順序を命令するメイン処理モジュールとを備え、メイン処理モジュールをメインルーチンで、個別処理サブモジュールを内部サブメインルーチンで夫々構成したことを特徴とする遊技機。」
と補正された。
なお、上記「内部サブメインルーチン」は、審判請求書の手続補正書に記載された「内部サブルーチン」((3)イ.e、ロ.(3)、ハ.(3)、ホ.(5)、ヘ.(4))から、「内部サブルーチン」の誤記と認め、以後、「内部サブルーチン」と記す。
上記補正は、平成11年12月22日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数個の前記制御対象毎に制御基板を設け、」を「複数個の制御対象毎に、CPU、その他の電子部品が実装されてその制御対象を制御する制御基板を設け、」と限定し、同じく「該各制御基板に前記記憶手段を夫々設け、該各記憶手段に記憶された前記遊技プログラムは、機能別に分割された複数個のモジュールで構成されている」を「遊技プログラムは、各機能別に分割され且つブランチ命令により個別処理を行う複数個の個別処理サブモジュールと、この複数個の個別処理サブモジュールにブランチ命令により処理順序を命令するメイン処理モジュールとを備え、メイン処理モジュールをメインルーチンで、個別処理サブモジュールを内部サブルーチンで夫々構成した」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願日前の他の出願であって、その出願後に出願公開された、特願平9-322075号(特開平11-137811号)の願書に最初に添付された明細書または図面(以下、先願明細書という。)には、
「遊技機の遊技内容を機能毎に分けた複数のプログラムモジュールを備え、 該プログラムモジュールを、前記遊技機の機種に対して共通の共通プログラムモジュールと、前記遊技機の特定の機種に特有の非共通プログラムモジュールとに分離し、・・・アドレス化して構成した遊技プログラム、を記録したコンピュータ読み取り可能な遊技機用記録媒体。」(特許請求の範囲、【請求項1】)、
「コンピュータを利用した遊技機において、 遊技機の遊技内容を機能毎に分けた複数のプログラムモジュールを、前記遊技機の機種に対して共通の共通プログラムモジュールと、前記遊技機の特定の機種に特有の非共通プログラムモジュールとに分離し、・・・アドレス化して記憶した第一の記憶手段と、遊技機の特定の機種に特有のデータを含んだデータテーブルを備えた第二の記憶手段と、を備えた遊技機。」(特許請求の範囲、【請求項3】)、
「本発明は、遊技プログラムを記憶させた遊技機用記録媒体及び遊技機に関するものである。」(段落【0001】)、
「従来の弾球遊技機は、制御プログラムのデータを遊技状態に対応した機能をモジュール化し、コマンド化する。・・・独自にプログラムモジュール化を行っていた。」(段落【0002】)、
「機種の変更に要する遊技プログラムの工数の低減、・・・を課題とする。」(段落【0004】)、
「1つの機種の遊技プログラムを他の機種の遊技プログラムに変更するとき、非共通プログラムモジュールを変更、追加又は削除するだけで良いし、また、共通プログラムモジュールのアドレスは変更する必要がないか、或いは、アドレスの軽微の変更に止まるのである。」(段落【0005】)、
「共通プログラムモジュールとしては、例えば第1種パチンコ機の場合、初期設定処理、図柄変動処理、時短処理、大当り判定処理、大当り処理に関するプログラムモジュールが挙げられる。これらの処理を例示すると、初期設定処理は、カウンタやタイマ等を初期値に設定する処理をいう。図柄変動処理は、所定の変動条件の成立に起因して特別図柄や普通図柄を変動及び停止させる処理をいう。時短処理は、フィーバー機において大当りに起因して、或いは所定の時間短縮条件に起因して、普通図柄表示装置(ミニデジタル)の抽選時間が大幅に短縮され、その結果、電動チューリップが良く開くようになり、また、球の持ちが良くなる処理をいう。大当り判定処理は、前述の図柄変動処理に伴い決定される特別図柄の停止図柄が所定の表示態様となったか否かを判定する処理をいい、具体的には、大当り図柄を抽選することをいう。大当り処理は、いわゆるアタッカーが開いて遊技球を拾い、大量の入賞球を獲得させる処理をいう。」(段落【0007】)、
「非共通プログラムモジュールとしては、弾球遊技機のCR機に特有のCR機プログラムモジュールが挙げられる。このCR機プログラムモジュールにより、ある特定の特別図柄で大当りすると、確率変動状態に突入し、高確率中には特別図柄の図柄変動時間が短くなり、また特別図柄が大当り図柄となる確率が高く設定され、小当り確率が向上し、小デジタルの抽選時間が短縮し、電動チューリップの開放時間が延長される。このために、CR機では、通常変動処理のパラメータ(データテーブル)と高確率中変動処理のパラメータ(データテーブル)とをもち、大当り判定処理の当り値が通常時と高確率時とでは異なっている。なお、非共通プログラムモジュールを高確率変動処理、高確率判定処理の単独構成としても良いし、他のプログラムモジュールと組合せても良く、様々な改変を施すことができる。」(段落【0008】)、
「記録媒体としては、代表的には、ROMが挙げられるが、その他、RAM、・・・CD-ROM等が挙げられ、また、主記憶媒体、補助記憶媒体いずれもでも良い。」(段落【0009】)、
「図2に示す・・・センター役物26は、上部中央に普通図柄表示装置27、・・・が設けられている。センター役物26の開口部には・・・特別図柄表示装置33が設けられている。・・・下方中央部に条件装置として動作する、アタッカーとも呼ばれる大入賞装置40が設けられている。」(段落【0015】)、
「パチンコ機1の裏側構造を図5を参照して説明する。・・・。タンクレール105の下側に特別図柄表示装置33を格納した裏蓋110、又、裏蓋110の下側に主基板111が各々設けられている。・・・。主基板111の左側に発射装置制御基板113、・・・、発射制御集合中継基板116が各々設けられている。・・・。機構盤102の右側に枠状態表示器118を備えた枠制御基板119が設けられている。枠状態表示器118は、補給球詰まり、下受け皿満タン、主電源電圧異常、発射停止、主基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLED表示器を用いて表示するものである。機構盤102の右上端部に・・・、電源ターミナル基板122、及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板123が設けられている。」(段落【0018】)、
「図6に示す本実施形態のパチンコ機1の・・・電子制御装置130は、主基板111に設けられた主制御部140、枠制御基板119に設けられた枠制御部150、主制御部140と一方向通信を行う特別図柄制御部160を含み構成されている。主制御部140は、・・・、CPU141、RAM142、ROM143、入出力インタフェース144、及びカウンタ146が・・・相互に接続されたものであり、パチンコ機1の遊技を司っているものである。・・・。枠制御部150は、4ビットの処理容量を備えた論理演算回路を含み構成されたワンチップマイコン(詳細は図示略)を有し、その入力端子が入出力インタフェース144と接続するとともに、その出力端子は・・・、各種ランプ基板61,63、・・・、普通図柄表示装置基板59、・・・、発射装置制御基板113と接続している。更に、主制御部140の入出力インタフェース144は電源ターミナル基板122及び特別図柄制御部160とも接続している。」(段落【0019】)、
「主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ83、・・・等の検知結果に基づいて、当否判定などの遊技状態を判断し、特別図柄表示装置33に表示すべき特別図柄や背景などの指示を特別図柄制御部160へ逐一送信する。」(段落【0020】)、
「主制御部140から枠制御部150へは、特別図柄の変動・停止態様、リーチ発生の有無、リーチ態様(種別、全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技、及び遊技モード(確率変動、時短など)等の遊技態様に応じて各種信号が出力される。これにより、枠飾りランプ基板16等の各種ランプやサウンドジェネレータ94は、枠制御部150により制御されることとなる。」(段落【0021】)、
「図7に示す・・・。特別図柄制御部160はCPU161、RAM162、ROM163、入出力ポート164、VDP(Video Display Processor)165、・・・バス166、・・・D/A変換器167、・・・液晶表示盤用出力ポート168から構成されている。特別図柄制御部160は図柄決定やリーチ決定などのためアクセス可能なRAM162を有している。」(段落【0022】)、
「主制御部140のアドレスマップは、図8に示す通り、作業領域(0000H〜00A4H)、・・・、スタック領域(00EDH〜00FFH)、・・・、内蔵レジスタ領域(1000H〜103FH)、・・・、プログラム管理領域(E000H〜E0FFH)、機種ID領域(E100H〜E15FH)、・・・、データ領域(E200H〜EAF5H)、・・・、制御領域(EE00H〜F7DDH)、・・・から構成されている。・・・、データ領域及び制御領域等としてはROM143、・・・が対応する。・・・制御領域には、主に遊技を司る遊技プログラムが格納されている。」(段落【0023】)、
「図10(a)に示す遊技プログラムのソースプログラムリストの構造の特徴は、メインプログラムのメインモジュールから複数のモジュールを呼び出すことができるようになっており、また、それら複数のモジュールが共通モジュールと非共通モジュールとに分離されており、さらに、その共通モジュールの後に非共通モジュールがアドレス化されて配置されていることである。すなわち、共通モジュールのソースプログラムの文番号(或いは行番号)よりも非共通モジュールのプログラムの文番号の方が後方にくる(番号が大きくなる)ように設定してある。オブジェクトプログラムリストも同様となる。・・・、本実施形態では、遊技プログラムにおいて非共通モジュールの位置が共通モジュールよりも後にくることから、CR機から現金機へのプログラムの変更は、共通モジュールのアドレス変更が無く、非共通モジュールの変更等、わずかな改訂だけで済み、プログラムの変更作業が簡単になる。」(段落【0025】)、
「主制御部140により実行される遊技用メインプログラム(ユーザープログラム)のフローチャートを図11を参照して説明する。これは主制御部140のROM143に格納された遊技を司る遊技プログラムの一部であり、必要な情報をRAM142に一時的に記憶させる等により、CPU141により実行されるものであり、遊技プログラムの全体の処理の流れを示すものである。また、各ステップは、複数のモジュールをコールするようにプログラムされている。」(段落【0027】)、
「本メインプログラムはCPUのシステムリセット(電源投入時)とユーザリセット(2.00ms毎)及び、タイマ出力コンペア1割込み(1.000ms毎)を使用して下記の処理の(を)行う。システムリセットでの処理は、作業領域の初期化及び非等速乱数の更新等を行う。また、ユーザリセットでの処理は、等速乱数の更新、入力信号の読込み、特別図柄表示装置関連処理、第1種特別電動役物関連処理、普通図柄表示装置関連処理、普通電動役物関連処理、時間の管理、効果音データ作成、ランプ、LEDデータ作成・出力、LCD制御データ作成、情報信号作成・出力、賞球処理、エラー処理、非等速乱数等の更新を行う。さらに、タイマ出カコンペア1割込みでの処理では、LCD制御データ出力、LEDデータ出力、及び効果音データ出カ等を行う。割込みについて、本システムで使用又は開始する割込みとリセットとして、システムリセット(ベクタアドレス:FFFEH,FFFFH)がある。これは、電源投入時及びCPUのICLK端子又はE端子から得られる信号の異常時にアクティブにされ、リセット端子がインアクティブとなってからCPUの初期化及びセキュリティチェックを行った後、遊技用メインプログラムの先頭アドレス(EE00H)より処理を実行するものである。また、ユーザリセット(ベクタアドレス:FFFEH,FFFFH)があるが、これは、プログラム管理エリアのICP(アドレス:ED10H)に02Hを設定することによりCPUのICLK端子から周期2.OOOmsのインターバルリセット用基準信号が得られる。この信号とEクロックを1/16に分周した信号を組合せて得られたユーザリセット信号によリ2.000ms毎にアクティブにされ、ユーザリセット信号がインアクティブとなってからダミーサイクル後、メインモジュールの先頭アドレス(EE00H)より処理を実行するものである。」(段落【0028】)、
「先ずパワーオンチェックフラグは正常かどうか判断する(ステップS1)。・・・(ステップS2)、・・・(ステップS3)、・・・(ステップS11)、・・・(ステップS12)。エラーの監視をする(ステップS13)。」(段落【0029】)、
「次にエラー中かどうか判断する(ステップS14)。・・・特別図柄の変動管理をし(ステップS15)、第1種特別電動役物の作動管理をし(ステップS16)、・・・(ステップS17)、・・・、LCD制御コマンドを作成する(ステップS22)。・・・設定する(ステップS23)。S22又はS23の後、非等速乱数を更新する処理(ステップS24)が繰り返し実行される。」(段落【0030】)、
「各ステップを説明する。・・・。ステップS7では他の制御部(枠制御部150、特別図柄制御部160等)への情報出力に必要なデータの作成が行われる。・・・。ステップS15及び16では、特別図柄を表示するためのデータ処理が行われ、特別図柄制御部160へ表示すべき特別図柄や背景などを指示するコマンドデータを逐一送信する。すなわち、特別図柄処理番号メモリを使用してプログラムモジュール(図示略)の呼び出しが行われ、各プログラムモジュールが遊技状態に応じて適宜選択されて実行される。・・・。ステップS22では、特別図柄表示装置33(LCD)に表示される特別図柄管理のためのコマンドの入出力が行われる。」(段落【0031】)、
「パチンコ機1に共通な共通モジュールの例を示す特別図柄駆動モジュールを図12を参照して説明する。この特別図柄駆動モジュールは、図11のステップS15の途中で呼び出されて実行されるものであり、ステップS15の処理で利用される複数のモジュールのうちの1つである。処理が開始されると、シフトカウンタを更新する(ステップS50)。ここでは、特別図柄変動テーブル振分けテーブル先頭アドレス、特別図柄変動テーブル先頭アドレス取得等が行われる。次いでシフトカウンタを補正する(ステップS51)。ここでは、特別図柄更新データ先頭アドレス取得、表示ポインタ先頭、図柄数取得、シフトカウンタリミットテーブルアドレス取得、表示ポインタをオフセットとしてシフトカウンタリミット値を取得、シフトカウンタとリミット値を比較、シフトカウンタが小さければ次図柄チェック、補正後シフトカウンタとリミット値を比較、シフトカウンタ補正等を行う。最後に図柄ポインタを更新する(ステップS52)。ここでは、図柄ポインタを「+1」更新、図柄数より小さければ次図柄チェック、図柄ポインタクリア等を行う。ステップS52の終了後にリターンとなる。この特別図柄駆動モジュールの1行の命令文を例示すると、シフトカウンタ更新処理は、「3788: STA B 03,Y」(ソースプログラムリスト)、又は、「F47A 18E703」(オブジェクトプログラムリスト)となる。」(段落【0032】)、
「パチンコ機1に特有な非共通モジュールの例を示すCR機プログラムモジュールを図13(a)を参照して説明する。このCR機プログラムモジュールは、図11のステップS15の先頭で呼び出されて実行されるものであり、先ず大当り確率が高確率中かどうか判断し(ステップS100)、肯定判断なら高確率時データ、即ち図9の通常時の普通図柄変動時間テーブル、通常時の普通電動役物開放時間テーブル、及び高確率時の特別図柄変動テーブルのデータを読み取り(ステップS101)、大当り判定処理(ステップS103)を行い、リターンとなる。一方、ステップS100にて否定判断なら通常時データ、即ち図9の通常時の特別図柄変動時間テーブル、通常時の普通図柄変動時間テーブル、及び通常時の普通電動役物開放時間テーブルのデータを読み取り(ステップS102)、大当り判定処理(ステップS104)を行い、リターンとなる。大当り判定処理は周知であるからここでは割愛する。本モジュールにおける大当り判定処理(ステップS103)と、大当り判定処理(ステップS104)とでは、概ね処理は共通しているが、大当り確率が異なること・・・から、それに対応して、処理の一部が異なっており、詳細は周知であるから割愛する。こうして特別図柄表示装置33に表示される特別図柄が特定の図柄で停止すると、いわゆる確率変動に突入し、本モジュールにより、大当り確率が10倍になり大当りの継続性が高まり、また、大当りでは、1回につき大入賞口45が16回開放され、一方、小当たりでは、第一種始動口(普通電動役物)41が所定時間開放され、出玉に爆発力が生じる。」(段落【0033】)、
「現金機(図示略)の遊技プログラムの処理の流れは、図11に示すCR機の遊技プログラムの処理全般を示すフローチャートと同様であり、モジュールの一例の構造を図14ないし図21を参照して説明する。この場合、前述のCR機の場合よりもモジュールの構造面を詳細に具体化して図示してある。なお、それら図面において、ブロックの中のアルファベットは処理の略語を示すものであり、また、ブロックの右肩に記載されている例えば、1-2などの記号はモジュールのグループ及び枝番号を示すものである。図14及び図15はモジュールの結合関係を階層構造(ツリー図)で示すもので、ここにおいて、図14の上段の4つのモジュールは、親モジュール、即ちレベル1であり、それらに従属するモジュールは、子モジュール、即ちレベル2であり、さらに、子モジュールの下にある数字だけのブロックはそれに従属する孫モジュール、即ちレベル3を示すものである。孫モジュールに従属するモジュールもあるが図示は割愛してある。また、図17ないし図21は、レベル2又はレベル3のモジュールに選択されるサブモジュールの一覧であり、モジュールのブロックの上にある番号はモジュールの通し識別番号であり、モジュールのブロックの下にある番号はそれに従属するモジュールの識別番号を示すものである。なお、図13(b)の非共通モジュールである現金機判断処理は、上述の図15に示す普通図柄管理処理(NOMMNG)に呼び出されて実行されるようになっている。」(段落【0036】)、
「先ず、図14及び図15に示すメインモジュールは、電源オンに起因して、プログラムスタート(START)、初期設定(VIRINIT)、メイン処理(MAINTOP)、リセット待ちループ処理(ENDLOP)の各モジュールが生成されるように構成されている。このうちのメイン処理は、OC11設定(OC1SET)、出力処理(POUT)、等速乱数更新処理(RNDMAK)、スイッチ読込み処理(SWIN)、入賞監視処理(BALCNT)、特定領域チェック処理(TRYCHK)、カウントチェック処理(CNTCHK)、賞球制御処理(PAYMNG)、エラー監視処理(ERRMNG)、LCD制御コマンド設定処理(CODSET)、タイマ減算処理(TMRMNG)、回転盤モータ制御処理(MOTOR)、大入賞口制御処理(OPNCHK)、普通電動役物制御処理(ACTMNG)、普通図柄管理処理(NOMMNG)、特別図柄駆動処理(MAKMNG)、特別図柄管理処理(TOKMNG)のモジュールから構成されている。」(段落【0037】)、
「割込み処理は、図16に示す通り、割込み発生に起因して、タイマ出力コンペア1割込み処理(TOC11SR)が生成されるように構成されている。このタイマ出力コンペア1割込み処理(TOC11SR)は、LCDコマンド出力処理(LCDOUT)、ダイナミックLED出力処理(DYNOUT)、効果音出力処理(MUSOUT)から構成されている。」(段落【0038】)
「さらに、サブモジュールを列挙すると、図17ないし図21に示す通り、非等速乱数更新処理(RNDMAK2)、カウンタ更新処理(CNTUP:汎用モジュール)、効果音選択処理(MUSSET)、効果音準備処理(MUSRDY)、出力作成処理(OUTMAK)、ランプ出力作成処理(LMPMAK)、遊技効果ランプ出力作成処理(WAKMAK)、LED出力作成処理(LEDMAK)、情報セット処理(PP1MAK)、ランプ・LEDデータ作成処理(BLTDRV:汎用モジュール)、外れ特別図柄取得処理(DIGSET)、第1種始動口入賞判定処理(TGOCHK)、大入賞口開放処理(TOPN)、大入賞口閉口処理(TCLS)、継続チェック処理(TNXT)、大当り終了処理(TENO)、変動時間短縮判定処理(TRTN)、当否判定処理(MCHK)、ブロックコピー処理(BLKCPY:汎用モジュール)、高速変動時間設定処理(MTMR)、左図柄書換処理(MVA1)、図柄書換処理(MVA10:汎用モジュール)、左図柄減速処理(MVA1S)、図柄減速処理(MVA1SO:汎用モジュール)、右図柄書換処理(MVB1)、左右同時減速処理(MVAB)、左図柄停止処理(MVA2)、右図柄停止処理(MVB2)、リーチ判定処理(MRJG)、中図柄書換処理(MVC1)、中図柄減速処理(MVC1S)、中図柄停止処理(MVC2)、特別図柄判定処理(MJDG)、リーチ選択処理(RSEL)、リーチ振分け処理(RPRA)、ショートリーチ変動処理(RST1)、中図柄停止移行処理(RNM1)、リーチ変動速切換処理(RGEN)、リーチ中図柄比較処理(RCCHK:汎用モジュール)、当り図柄通過処理(RTHR)、データセット処理(DTSET:汎用モジュール)、普通図柄作動ゲート通過判定処理(GOMNG)、普通図柄始動処理(NRM000)、普通図柄データセット処理(NRM100)、2バイト減算処理(DBLDEC:汎用モジュール)、タイトル画面・エラー画面処理(MDRCO)、図柄変動画面処理(MDRC1)、当りラインブリンク設定処理(MDRSB2)、リーチライン設定処理(MDRSB1)、大当り画面処理(MDRC2)、コマンドバケットパリティ付加(MKBCC)がある。ここで、汎用モジュールは、メインモジュールに共通的に使用されるもの、つまり2回以上使用されるものをいう。」(段落【0039】)、
「以上はモジュール構造の一例であるが、他の形態のモジュール構造を図22を参照して説明する。このモジュールの非共通モジュールの数は2個以上設けたことが特徴である。メインモジュールはレベル1、レベル2、レベル3の3つの階層構造となっており、レベルが3つ存在する。すなわち、メインモジュールの下に階層構造をなすようにレベル2又はレベル3に共通モジュールと非共通モジュールが配置されている。メインモジュールのモジュールXでは、処理の途中で、共通モジュールBをコールして実行し、共通モジュールDを呼び出して実行し、共通モジュールHを呼び出して実行する。レベル2の共通モジュールAでは、共通モジュールEと、非共通モジュールを呼び出して実行する。共通モジュールDでは、共通モジュールR,S及び非共通モジュールを呼び出して実行する。共通モジュールHでは、共通モジュールV,W,X,Yを呼び出して実行する。なお、上記の階層構造に限定されず様々に構成することができる。例えば、レベル1ないしレベル3において、下層のモジュールを呼び出さないも有り得るように構成することである。また、場合により、非共通モジュールから共通モジュールを呼び出しても良いし、共通モジュールから非共通モジュールを呼び出しても良く(い)。」(段落【0040】)、
「本実施形態によれば、機種変更の際、非共通モジュールの手直しにより、他の機種の共通モジュールのアドレス変更がなく、ほとんどそのまま流用できるから、遊技プログラムの非共通プログラムモジュールを書き換えるだけでよく、遊技機の機種変更に際しての遊技プログラムの工数を著しく低減することができる。その際、非共通モジュールを全部手直ししなくとも、データ領域の一部の変更で済み、より一層工数が削減される効果がある。またパチンコ機1の説明書の・・・の作成は、・・・。夫々の機能別作動に係る制御又はデータ処理に係るプログラムを記載し、また、ROMの記載欄には、個数、用途、記憶容量、使用領域、記憶内容(遊技プログラムの構成、ソースプログラム、使用データ)、型式名、製造者、特記事項を記載しなければならない。その他膨大な記載を要求され、大変な労力を要する作業であるが、本実施形態により他の機種の説明書を流用でき、説明書の作成時間が著しく短縮化されるのである。」(段落【0042】)、
「本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において本発明の構成を適宜改変できることは当然であり、このような改変も、本発明の技術的範囲に属するものである。」(段落【0043】)、
との記載が認められ、また、特別図柄制御部160は、CPU161、RAM162、ROM163等の電子部品から構成されているがどこにどのような形で取り付けられているのか明らかでないが、特別図柄制御部を基板に設けることは周知であり(例えば、特開平8-322993号公報、特開平10-249028号公報参照)、特別図柄制御部160は、制御基板に設けられていると認められる。また、図14等により、START、VIRINIT、MAINTOP、ENDLOPのモジュールは、レベル1のメインモジュールを構成し、OC1SET、POUT、RNDMAK、SWIN、BALCNT、TRYCHK等のモジュールは、レベル2のメインモジュールを構成しているものと認められる。
これらの記載によれば、先願明細書には、

「枠状態表示器118および特別図柄表示装置33等の遊技態様を制御するための遊技プログラムを記憶するROM143、CPU141、RAM142等からなる制御部140が設けられた主基板111を備え、この遊技プログラムに従って遊技態様を制御する機能を有する遊技機において、枠状態表示器118に、ワンチップマイコンが設けられて枠状態表示器118を制御する枠制御基板119を設け、および、特別図柄表示装置33に、CPU161、RAM162、ROM163、VDP165、D/A変換器167が設けられて特別図柄表示装置33を制御する特別図柄制御部160を有する制御基板を設け、遊技プログラムは、機能毎に分けられ且つ呼び出し(コール)により処理を実行する複数個のモジュールからなるレベル2のメインモジュールと、この複数個のモジュールを遊技状態に応じて呼び出し(コール)により適宜選択して処理を実行させるレベル1のメインモジュールとを備え、レベル1のメインモジュールを親モジュールで、レベル2のメインモジュールを子モジュール等で夫々構成した遊技機。」
との発明(以下「先願発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と先願発明とを対比すると、先願発明の「枠状態表示器118および特別図柄表示装置33等」、「遊技態様」、「ROM143」、「枠状態表示器118に、枠状態表示器118を制御する枠制御基板119を設け、および、特別図柄表示装置33に、特別図柄表示装置33を制御する特別図柄制御部160を有する制御基板を設け」、「機能毎に分けられ」、「呼び出し(コール)」、「処理を実行する」、「複数個のモジュールからなるレベル2のメインモジュール」、「遊技状態に応じて呼び出し(コール)により適宜選択して処理を実行させる」、「レベル1のメインモジュール」、「親モジュール」および「子モジュール等」は、本願補正発明の「制御対象」、「遊技動作」、「記憶手段」、「複数個の制御対象毎にその制御対象を制御する制御基板を設け」、「各機能別に分割され」、「ブランチ命令」、「個別処理を行う」、「複数個の個別処理サブモジュール」、「処理順序を命令する」、「メイン処理モジュール」、「メインルーチン」および「内部サブルーチン」に相当し、両者は、
「制御対象の遊技動作を制御するための遊技プログラムを記憶する記憶手段を備え、この遊技プログラムに従って遊技動作を制御する機能を有する遊技機において、複数個の制御対象毎に、その制御対象を制御する制御基板を設け、遊技プログラムは、各機能別に分割され且つブランチ命令により個別処理を行う複数個の個別処理サブモジュールと、この複数個の個別処理サブモジュールにブランチ命令により処理順序を命令するメイン処理モジュールとを備え、メイン処理モジュールをメインルーチンで、個別処理サブモジュールを内部サブメインルーチンで夫々構成したことを特徴とする遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点:制御基板の構造で、本願補正発明では、「各制御基板にCPU、その他の電子部品が実装されて」いるのに対し、先願発明では、「枠制御基板119にワンチップマイコンが設けられ、特別図柄制御部160を有する制御基板にCPU161、RAM162、ROM163、VDP165、D/A変換器167が設けられて」いる点。

(4)判断
上記相違点について検討すると、特別図柄制御部を有する制御基板には、CPUと、その他の電子部品であるRAM、ROM、VDP、D/A変換器が実装されており、本願補正発明の構成と一致している。また、枠制御基板にワンチップマイコンのみならず、必要に応じてその他の電子部品が実装されることは例をあげるまでもなく周知である。してみるならば、上記相違点は、単なる表現の違いにすぎない。
したがって、本願補正発明は、先願発明と実質的に同一と認められるものであり、しかも本件出願の発明者および出願人が先願のそれらと同一であるとも認められないので、特許法第29条の2の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明について
平成12年4月7日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成11年12月22日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「制御対象の遊技動作を制御するための遊技プログラムを記憶する記憶手段を備え、この遊技プログラムに従って遊技動作を制御する機能を有する遊技機において、複数個の前記制御対象毎に制御基板を設け、該各制御基板に前記記憶手段を夫々設け、該各記憶手段に記憶された前記遊技プログラムは、機能別に分割された複数個のモジュールで構成されていることを特徴とする遊技機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例とその記載事項、および該記載から認定される先願発明は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、先願発明と実質的に同一であり、本願発明も、同様の理由により、先願発明と実質的に同一と認められるものであり、しかも本件出願の発明者および出願人が先願のそれらと同一であるとも認められないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、先願発明と同一と認められ、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-29 
結審通知日 2005-04-05 
審決日 2005-04-19 
出願番号 特願平11-17399
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 161- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神 悦彦  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 林 晴男
國分 直樹
発明の名称 遊技機  
代理人 谷藤 孝司  
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