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審決分類 審判 全部申し立て 特39条先願  A63F
審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
審判 全部申し立て 特29条の2  A63F
管理番号 1117796
異議申立番号 異議2002-72705  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-04-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-11-13 
確定日 2005-03-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3281345号「循環式パチンコ機」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3281345号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
特許第3281345号の請求項1、2に係る発明についての出願は、平成3年7月24日に出願された特許出願(特願平3-207514号)の一部が特許法第44条の規定により新たな特許出願(特願平11-323027号)とされたものであって、平成14年2月22日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人上田実より特許異議の申し立てがなされ、取消の理由(以下取消理由通知1という)が通知され、その指定期間内である平成15年3月28日に訂正請求がなされ、訂正を認めた上で更に取消の理由(以下取消理由通知2という)が通知され、その指定期間内である平成15年7月29日付けで先の訂正請求が取下げられ再度の訂正請求がなされ、訂正を認めた上で更に取消の理由(以下取消理由3という)が通知され、その指定期間である平成16年5月14日付けで先の訂正請求が取下げられ再度の訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
ア.訂正の内容

特許権者が求めている訂正の内容は、以下のaないしdのとおりである。

訂正事項a.
特許請求の範囲の請求項1の、
「打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、 前記ファール球回収部と前記待機誘導部との間は、これらファール球回収部と待機誘導部とを連通しかつ前記ファール球回収部のファール球を前記待機誘導部に導入するファール球通し口が設けられる一方、 前記貯留誘導部には、同貯留誘導部のパチンコ球を順次に前記待機誘導部に送り出す球送り部材が設けられている循環式パチンコ機。」

「打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球及びセーフ球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、
前記貯留誘導部と前記待機誘導部は、前記遊技盤よりも下方においてそれぞれ配置され、
前記貯留誘導部は、パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え、
前記待機誘導部には、その待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出器が設けられる一方
前記貯留誘導部には、前記待機球検出器の検出信号によって作動しかつ前記第1の縦配列通路部の下端のパチンコ球を前記方向変換部を通して前記第2の縦配列通路部の下端に向けて移送しかつ前記第2の縦配列通路部のパチンコ球を順次に上側に押し出して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられ、
しかも、前記待機誘導部には、前記ファール球回収部に連通しかつ前記ファール球回収部のファール球を前記待機誘導部に導入するファール球通し口が設けられ、
前記ファール球通し口は、前記待機誘導部のうち、前記待機球検出器の上流側に位置して配置されていることを特徴とする循環式パチンコ機。」
と訂正する。

訂正事項b.
本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項2を削除する。

訂正事項c.
本件特許明細書の発明の詳細な説明の欄の[0004]段落の記載
「[課題を解決するための手段]
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係る循環式パチンコ機は、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、
前記ファール球回収部と前記待機誘導部との間は、これらファール球回収部と待機誘導部とを連通しかつ前記ファール球回収部のファール球を前記待機誘導部に導入するファール球通し口が設けられる一方、
前記貯留誘導部には、同貯留誘導部のパチンコ球を順次に前記待機誘導部に送り出す球送り部材が設けられている。
また、請求項2に係る循環式パチンコ機は、請求項1に記載の循環式パチンコ機であって、待機誘導部には球検出器が設けられ、
球送り部材は、前記球検出器の信号によって作動し、前記貯留誘導部のパチンコ球を前記待機誘導部に順次に送り出して同待機誘導部に適数個のパチンコ球を確保する構成にしてある。」
を、
「[課題を解決するための手段]
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係る循環式パチンコ機は、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球及びセーフ球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、
前記貯留誘導部と前記待機誘導部は、前記遊技盤よりも下方においてそれぞれ配置され、
前記貯留誘導部は、パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部(第4循環路46Dに相当する)と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部(第6循環路46Fに相当する)と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部(第5循環路46Eに相当する)と、を備え、
前記待機誘導部には、その待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出器が設けられる一方、
前記貯留誘導部には、前記待機球検出器の検出信号によって作動しかつ前記第1の縦配列通路部の下端のパチンコ球を前記方向変換部を通して前記第2の縦配列通路部の下端に向けて移送しかつ前記第2の縦配列通路部のパチンコ球を順次に上側に押し出して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられ、
しかも、前記待機誘導部には、前記ファール球回収部に連通しかつ前記ファール球回収部のファール球を前記待機誘導部に導入するファール球通し口が設けられ、
前記ファール球通し口は、前記待機誘導部のうち、前記待機球検出器の上流側に位置して配置されていることを特徴とする。」
と訂正する。

訂正事項d.
本件特許明細書の発明の詳細な説明の欄の[0005]段落の記載
「[作用]
したがって、この発明の請求項1に係る循環式パチンコ機において、発射制御機構によって遊技盤面に向けて発射されたパチンコ球のうち、ファール球はファール球回収部に流れて回収され、アウト球はアウト球回収部に流れて回収される。 前記アウト球回収部に流れたパチンコ球はそのアウト球回収部の出口から貯留誘導部に順次に流入して貯留される。
前記貯留誘導部に貯留されたパチンコ球のうち、その出口側に位置するパチンコ球が球送り部材によって順次に待機誘導部に送り出される。このように待機誘導部には貯留誘導部の出口部のパチンコ球が送り出され、その待機誘導部には適数個のパチンコ球が待機される。そして、待機誘導部の最前端のパチンコ球が打球位置へ送り込まれる。
一方、ファール球回収部に流れたパチンコ球はファール球通し口を通して待機誘導部の入口側寄り部分に流入して、同待機誘導部の下流側に流れる。
このようにして、打球位置にあるパチンコ球が、アウト球回収部、貯留誘導部、待機誘導部及び打球位置、あるいは、ファール球回収部、待機誘導部及び打球位置に順次に流れて循環される。
前記ファール球回収部に流れたパチンコ球はファール球通し口を通して待機誘導部に直接的に流入し、同待機誘導部の下流側に流れるため、ファール球が貯留誘導部に流れる構造のもの比べ、ファール球が待機誘導部に直接に戻される分だけ、貯留誘導部に貯留された球の送り出し個数を軽減することができる。
また、請求項2に係る循環式パチンコ機において、待機誘導部の球検出器による球の検出信号によって球送り部材が作動し、貯留誘導部の球を待機誘導部に送り出してその待機誘導部に適数個の球を確保することができる。
また、ファール球が待機誘導部に直接に戻される分だけ、球送り部材の作動が減少するため、球送り部材の作動負荷を軽減して耐久性の向上を図ることが可能となる。」
を、
「[作用]
したがって、この発明の請求項1に係る循環式パチンコ機において、発射制御機構によって遊技盤面に向けて発射されたパチンコ球のうち、ファール球はファール球回収部に流れて回収され、アウト球及びセーフ球はアウト球回収部に流れて回収される。
前記アウト球回収部に流れたパチンコ球はそのアウト球回収部の出口から貯留誘導部の第1の縦配列通路部に流れて縦方向に配列貯留される。
第1の縦配列通路部に貯留されたパチンコ球は、球送り部材によって第2の縦配列通路部に送られる。第2の縦配列通路部に送られたパチンコ球は、第2の縦配列通路部に沿って順次に上側に移送され、その出口側すなわち上端部に位置するパチンコ球が待機誘導部に送り出される。このように待機誘導部には貯留誘導部の出口部のパチンコ球が送り出され、その待機誘導部には適数個のパチンコ球が待機される。そして、待機誘導部の最前端のパチンコ球が打球位置へ送り込まれる。
一方、ファール球回収部に流れたパチンコ球はファール球通し口を通して待機誘導部の入口側寄り部分に流入して、同待機誘導部の下流側に流れる。
このようにして、打球位置にあるパチンコ球が、アウト球回収部、貯留誘導部、待機誘導部及び打球位置、あるいは、ファール球回収部、ファール球通し口、待機誘導部及び打球位置に順次に流れて循環される。
前記ファール球回収部に流れたパチンコ球はファール球通し口を通して待機誘導部に直接的に流入し、同待機誘導部の待機球検出器を通過して下流側に流れるため、ファール球が貯留誘導部に流れる構造のもの比べ、ファール球が待機誘導部に直接に戻される分だけ、貯留誘導部に貯留された球の送り出し個数を軽減することができる。」
と訂正する。

イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否

上記訂正事項a.は、回収部、貯留誘導部、待機誘導部及びファール球通し口を限定したものであり、また、上記訂正事項b.は請求項2を削除するものであって特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当しない。
上記訂正事項c.、d.は上記訂正事項a.、b.と整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当しない。
そして、いずれも、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

ウ.むすび

以上の通りであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120の4第3項において準用する平成6年法律第116条による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申し立てについての判断
ア.申立ての理由の概要
特許異議申立人上田実は、特許第3281345号の請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許を取り消すべき旨主張している。

イ.訂正明細書の請求項1に係る発明
訂正明細書の請求項1に係る発明は、上記訂正事項a.を参照されたい。(以下「本件特許発明」という。)

ウ.引用刊行物及び先願発明
刊行物1:
特開昭56-91769号公報(甲第1号証、取消理由1引例2)

刊行物2:
特開昭51-78451号公報(甲第2号証、取消理由1引例3)

刊行物3:
特開昭63-302871号公報(甲第3号証、取消理由1引例4)

刊行物4:
特開平2-5983号公報(甲第4号証、取消理由1引例5)

刊行物5:
特公昭57―54137号公報(甲第5号証、取消理由1引例6)

刊行物6:
特開平2-299680号公報(甲第6号証、取消理由1引例7)

刊行物7:
特開昭60-174167号公報(取消理由1引例1、取消理由2引例1)

刊行物8:
実願昭58-111373号(実開昭60-20278号)のマイクロフィルム(取消理由2引例2)

先願発明1:
特願平3-24408号(特開平4-263885号)(取消理由2の第1先願)

先願発明2:
特願平1-333198号(特開平3-193079号)(取消理由2の第2先願)

先願発明3:
特願平2-254407号(特開平4-126174号)(取消理由2の第3先願)

同一発明1:
特願平11-323028号(特許第3300692号)(取消理由3の同一発明1)

同一発明2:
特願平11-352235号(特許第3300693号)(取消理由3の同一発明2)

刊行物9:
特開昭59-168868号公報(平成15年8月19日付上申書資料1)

刊行物10:
実願昭62-65842号(実開昭63-176488号)のマイクロフィルム(平成15年8月19日付上申書資料2)

刊行物11:
特開昭56-108582号公報(平成15年8月19日付上申書資料1)

エ.刊行物1(甲第1号証)〜刊行物6(甲第6号証)記載の発明
刊行物1(甲第1号証)には、循環式パチンコ機であって、アウト球及びセーフ球を回収しゲーム球貯留室に戻し、ゲーム球貯留室から送り装置の作動によって発射装置にゲーム球が送り出されるものであって、ファウル球が貯留室に連通したファウル球通路を通して戻されるものが記載されている。

刊行物2(甲第2号証)には、循環式パチンコ機であって、アウト球及びセーフ球を回収して打球部へ球を送り出す、遊技球送り出し装置を設けた球整列管を有しており、球残数が一定値以下になると球送り出し装置により一定数の球を、盤面に打ち込まれる球が待機する部分へ送り出すものが記載されている。

刊行物3(甲第3号証)、刊行物4(甲第4号証)には、循環式パチンコ機であって、ファウル球が球貯留空間に回収されるものが記載されている。
刊行物5(甲第5号証)には、循環式パチンコ機であって、アウト又はセ-フ玉となって落下してくる玉を押し上げ循環させる玉揚げ装置を有するものが記載されている。

刊行物6(甲第6号証)には、循環式パチンコ機であって、入賞球及びアウト球を上方へ揚送する還元機と還元機より揚送される遊技球を一列で螺旋状に整列させて収容する螺旋タンクレールと、螺旋タンクレールに並ぶ遊技球を一個づつ発射装置に供給する遊技球供給装置が設けられたものが記載されている。

オ-1.刊行物7〜11記載の発明
刊行物7には、遊技盤と、その遊技盤の下方に位置して配設されかつ打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、その発射制御機構によって発射された各パチンコ球を回収する回収部と、前記回収部の出口に一端部が連通しかつ同回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ備えた循環式パチンコ機であって、これら貯留誘導部と待機誘導部は、前記遊技盤の下方においてそれぞれ配置され、前記待機誘導部には、その待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出器が設けられる一方、前記貯留誘導部には、前記待機球検出器の検出信号によって作動しかつ前記貯留誘導部のパチンコ球を順次に前記待機誘導部に送り出す球送り部材が設けられ、前記貯留誘導部にはパチンコ球が相互に接して配列される配列通路部が設けられている循環式パチンコ機が記載されている。
刊行物8には、セーフ玉貯留部が低い位置に設けられ、玉上げ装置により玉を一個づつ排出部に揚送することによって盤面のゲージ構成を多様化することが記載されている。
刊行物9〜11には一端部が搬入部に通じる一方の配列通路部と一端部が搬出部に通じる他方の配列通路部と、両配列通路部の他端部をUターン状に連通する方向変換部を備え方向変換部に被搬送物送り部材が設けられ送り力が被搬送物の相互の接触によって伝達され被搬送物が順次に送り出される構成が記載されている。

オー2.先願発明
先願発明1は、循環式パチンコ機であって遊技盤と、その遊技盤の下方に位置して配設されかつ打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、その発射制御機構によって発射された各パチンコ球を回収する回収部と、前記回収部の出口に一端部が連通しかつ同回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ備えた循環式パチンコ機であって、前記貯留誘導部は前記待機誘導部よりも低い位置に配置されるとともに、これら貯留誘導部と待機誘導部は、前記遊技盤の下方においてそれぞれ配置され、前記待機誘導部には、その待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出器が設けられる一方、前記貯留誘導部には、前記待機球検出器の検出信号によって作動しかつ前記貯留誘導部のパチンコ球を順次に上側に移送して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられ、前記貯留誘導部にはパチンコ球が相互に接して配列される配列通路部が設けられている循環式パチンコ機の発明である。

先願発明2は、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、アウト球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、前記貯留誘導部は前記待機誘導部よりも低い位置に配置するとともに、これら貯留誘導部と待機誘導部は、前記遊技盤の下方においてそれぞれ配置され、前記貯留誘導部には、同貯留誘導部のパチンコ球を順次に上側に移送して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられている循環式パチンコ機の発明である。

先願発明3は、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、前記貯留誘導部は前記待機誘導部よりも低い位置に配置するとともに、これら貯留誘導部と待機誘導部は、前記遊技盤の下方においてそれぞれ配置され、前記貯留誘導部には、同貯留誘導部のパチンコ球を順次に上側に移送して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられている循環式パチンコ機の発明である。

オ-3.同一発明
同一発明1は、「本件特許発明」の出願の親出願(特願平3-207514号)の一部を分割出願したものである。
同一発明2は、「本件特許発明」の出願の一部を分割出願したものである。

カ.対比・判断
カ-1の1.取消理由1の「理由1」について。
取消理由1の「理由1」は、「本件特許発明」は刊行物7に記載された発明と同一又はその発明から容易に想到しえたとするものである。
しかしながら、刊行物7記載のものは、ファ-ル球を回収し待機誘導部にファール球通し口を介して導出する点において「本件特許発明」と一致する循環式パチンコ機であるが、「本件特許発明」の、「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成を有してはいない。
そしてこの構成は、上記刊行物1〜6、8〜11のいずれを更に加え検討しても、容易に想到できるものとはいえない。

カ-1の2.取消理由1の「理由2」について。
取消理由1の「理由2」は、「本件特許発明」は上記刊行物1〜6(甲第1〜6号証)に記載された発明から容易に想到しえたとするものである。

対比:
「本件特許発明」と刊行物1(甲第1号証)記載のものを比較すると、両者はともに循環式パチンコ機であり、発射制御機構、アウト球及びセーフ球回収部、パチンコ球を打球位置へ送り出す待機誘導部、を有しているが、「本件特許発明」の、「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成を有してはいない。

「本件特許発明」と刊行物2(甲第2号証)記載のものとを比較すると、やはり両者はともに循環式パチンコ機であり、発射制御機構、アウト球及びセーフ球回収部、パチンコ球を打球位置へ送り出す待機誘導部、を有しているが、「本件特許発明」の、「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成を有してはいない。

「本件特許発明」と刊行物3(甲第3号証)及び刊行物4(甲4号証)記載のものとを比較すると、刊行物3、4記載のものには共にファ-ル球回収部は備わっているものの、その構成が「本件特許発明」と異なり、また、共に貯留誘導部に相当する部分の構成が「本件特許発明」と相違する。

「本件特許発明」と刊行物5(甲第5号証)記載のものとを比較すると、刊行物5記載のものは循環式パチンコ機において発射のための待機誘導部にパチンコ球を送り出す揚送機構を有する点において一致するが、「本件特許発明」の、「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成を有してはいない。

「本件特許発明」と刊行物6(甲第6号証)記載のものとを比較すると、刊行物6記載のものにおいては循環式パチンコ機において遊技球をUターン状に形成した貯留部に貯留させて打球部に送り出す点において一致するが、「本件特許発明」の、「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成を有してはいない。

そして、「本件特許発明」は、待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が存在することとUターン状縦配列の貯留誘導部であることとが協働して、ファ-ル球通し口位置に、ファ-ル球が合流する余地が生じて、ファ-ル球を確実に待機誘導部に導出できるという格別の効果を奏するものと認められる。
「本件特許発明」の、この協働する構成は、刊行物1〜6のいずれにも記載されておらずまたそれらから容易に想到することもできない。そして、上記刊行物7〜11を更に加えても想到出来るものとは認められない。

カ-2.取消理由2の「理由1」について
取消理由2の「理由1」は、「本件特許発明」は刊行物7、8に記載された発明に基づいて容易に想到しえたとするものである。

対比:
刊行物7記載のものは、ファ-ル球を回収し待機誘導部にファ-ル球通し口を介して導出する点において「本件特許発明」と一致する循環式パチンコ機ではあるが、「本件特許発明」の、「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成を有してはいない。
そして刊行物8の、パチンコ機においてパチンコ球を上側に揚送することによって空間利用を適宜効率化する開示及び刊行物9-11に記載されている様な、適宜パチンコ機の空間利用を効率化するという周知技術に基づいても、「本件特許発明」のファ-ル球回収部の、待機誘導部における球検出器より上流側にファ-ル球通し口が存在することとUターン状縦配列の貯留誘導部であることとが協働して、ファ-ル球を確実に待機誘導部に導出できるという格別の効果を奏するこの構成に至ることはできない。

また、上記した他の刊行物のいずれを加えても、この構成に想到しえたと言うことは出来ない。

カ-3.取消理由2の「理由2」〜「理由4」について
取消理由2の「理由2」〜「理由4」は、それぞれ、「本件特許発明」は第1先願発明〜第3先願発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許をうけることができないとするものである。

第1先願発明〜第3先願発明との対比:
各先願発明と「本件特許発明」とは以下の相違点が存在し、これら相違点は、周知でも自明でもなく、「本件特許発明」は各先願と実質的に同一の発明とはいえない。

第1先願発明〜第3先願発明との相違点:
「待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が位置して配置」されているという構成及び貯留誘導部が「パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え」るという構成。

カ-4.取消理由3の「理由1」及び「理由2」について
取消理由3の「理由1」及び「理由2」が、同日付の同一出願であるとする同一発明1及び同一発明2とは、次の点において相違する。

同一発明1及び2との相違点:
待機誘導部における待機球検出器より上流側にファ-ル球通し口が存在するという構成

これら相違点は、周知でも自明でもなく、「本件特許発明」は各「同一出願」と実質的に同一の発明とはいえない。

キ.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申し立ての理由及び証拠によっては本件請求項1に係る特許を取り消すことは出来ない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論の通りに審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
循環式パチンコ機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球及びセーフ球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、
前記貯留誘導部と前記待機誘導部は、前記遊技盤よりも下方においてそれぞれ配置され、
前記貯留誘導部は、パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部と、を備え、
前記待機誘導部には、その待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出器が設けられる一方、
前記貯留誘導部には、前記待機球検出器の検出信号によって作動しかつ前記第1の縦配列通路部の下端のパチンコ球を前記方向変換部を通して前記第2の縦配列通路部の下端に向けて移送しかつ前記第2の縦配列通路部のパチンコ球を順次に上側に押し出して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられ、
しかも、前記待機誘導部には、前記ファール球回収部に連通しかつ前記ファール球回収部のファール球を前記待機誘導部に導入するファール球通し口が設けられ、
前記ファール球通し口は、前記待機誘導部のうち、前記待機球検出器の上流側に位置して配置されていることを特徴とする循環式パチンコ機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は循環式パチンコ機において、パチンコ機内で循環させて回収使用する1群のパチンコ球の循環制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
循環式パチンコ機では機内に封入された一定個数のパチンコ球を使用し、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を順次発射し、発射されたパチンコ球を回収して再び打球位置へ送り込み、パチンコ機内を循環させるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は循環式パチンコ機において、パチンコ球を回収および貯留して打球位置へ還元させる際のパチンコ球の循環動作を円滑化することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、この発明の請求項1に係る循環式パチンコ機は、打球位置へ送り込まれたパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構と、ファール球を回収するファール球回収部と、アウト球及びセーフ球を回収するアウト球回収部と、前記アウト球回収部の出口に一端部が連通しかつ同アウト球回収部の出口から流出したパチンコ球を貯留する貯留誘導部と、前記貯留誘導部の他端部に連通しかつ同貯留誘導部から送り出されたパチンコ球を前記打球位置へ送り出す待機誘導部と、をそれぞれ配置し、
前記貯留誘導部と前記待機誘導部は、前記遊技盤よりも下方においてそれぞれ配置され、
前記貯留誘導部は、パチンコ球が縦方向にそれぞれ配列貯留されかつ上端部が前記アウト球回収部の出口に連通する第1の縦配列通路部(第4循環路46Dに相当する)と、上端部が前記待機誘導部の入口部と略同じ高さ位置まで存在して連通する第2の縦配列通路部(第6循環路46Fに相当する)と、前記第1、第2の両縦配列通路部の下端部をUターン状に連通する方向変換部(第5循環路46Eに相当する)と、を備え、
前記待機誘導部には、その待機誘導部で待機するパチンコ球数の不足を検出する待機球検出器が設けられる一方、
前記貯留誘導部には、前記待機球検出器の検出信号によって作動しかつ前記第1の縦配列通路部の下端のパチンコ球を前記方向変換部を通して前記第2の縦配列通路部の下端に向けて移送しかつ前記第2の縦配列通路部のパチンコ球を順次に上側に押し出して前記待機誘導部に送り出すモータ駆動の球送り部材が設けられ、
しかも、前記待機誘導部には、前記ファール球回収部に連通しかつ前記ファール球回収部のファール球を前記待機誘導部に導入するファール球通し口が設けられ、
前記ファール球通し口は、前記待機誘導部のうち、前記待機球検出器の上流側に位置して配置されていることを特徴とする。
【0005】
【作用】
したがって、この発明の請求項1に係る循環式パチンコ機において、発射制御機構によって遊技盤面に向けて発射されたパチンコ球のうち、ファール球はファール球回収部に流れて回収され、アウト球及びセーフ球はアウト球回収部に流れて回収される。
前記アウト球回収部に流れたパチンコ球はそのアウト球回収部の出口から貯留誘導部の第1の縦配列通路部に流れて縦方向に配列貯留される。
第1の縦配列通路部に貯留されたパチンコ球は、球送り部材によって第2の縦配列通路部に送られる。第2の縦配列通路部に送られたパチンコ球は、第2の縦配列通路部に沿って順次に上側に移送され、その出口側すなわち上端部に位置するパチンコ球が待機誘導部に送り出される。このように待機誘導部には貯留誘導部の出口部のパチンコ球が送り出され、その待機誘導部には適数個のパチンコ球が待機される。そして、待機誘導部の最前端のパチンコ球が打球位置へ送り込まれる。
一方、ファール球回収部に流れたパチンコ球はファール球通し口を通して待機誘導部の入口側寄り部分に流入して、同待機誘導部の下流側に流れる。
このようにして、打球位置にあるパチンコ球が、アウト球回収部、貯留誘導部、待機誘導部及び打球位置、あるいは、ファール球回収部、ファール球通し口、待機誘導部及び打球位置に順次に流れて循環される。
前記ファール球回収部に流れたパチンコ球はファール球通し口を通して待機誘導部に直接的に流入し、同待機誘導部の待機球検出器を通過して下流側に流れるため、ファール球が貯留誘導部に流れる構造のもの比べ、ファール球が待機誘導部に直接に戻される分だけ、貯留誘導部に貯留された球の送り出し個数を軽減することができる。
【0006】
【発明の効果】
この発明によれば、打球位置から発射された各パチンコ球を回収して貯留し、再び打球位置へ還元させるまでの各パチンコ球の循環動作を円滑に順行させることができる。
また、ファール球がファール球回収部のファール球通し口を通して待機誘導部に直接に戻される構成にすることにより、貯留誘導部に貯留されたパチンコ球の送り出し個数を軽減することができ、パチンコ球の循環効率を高めることができる。
【0007】
【実施例】
次に、本発明の1実施例を図面にしたがって説明する。
一定個数のパチンコ球が機内に封入され、ゲームに必要な事項を記録したカード(遊技券)のためのカード処理システムを備えた循環式パチンコ機において、木製の外枠に前方への回動可能に軸支された方形枠状の枠1の前面にはガラス扉が前方への回動可能に軸支されるとともに、枠1の裏面には枠1の開口部とほぼ等しい形状の開口部を有する方形枠状のメインセット枠2が装着され、このメインセット枠2の下部に垂立された下板2aの裏面には横長の長方形状の取付基板3が取付けられている。取付基板3は片側の下コーナ部付近に切欠き部を有する第1取付板3Aと、この第1取付板3Aの切欠き部に嵌め込まれた第2取付板3Bとに分割されている。メインセット枠2の開口部内には裏セット枠30を介して遊技盤25が脱着可能に嵌め込まれている。
【0008】
メインセット枠2の取付基板3の前面の片側には発射されたパチンコ球を遊技盤面へ誘導する発射レール4がレール台を介して内方に向って上傾した姿勢で取付けられている。
【0009】
取付基板3の裏面の一端部に組付けられた発射制御機構において、取付基板3の第2取付板3Bの裏面にビス着された発射モータセット板5には発射モータ6が取付けられ、この発射モータ6の出力軸6aには凸部7aを有する1山のモータカム7が取付けられている。
【0010】
発射モータセット板5の下端に形成された角筒状の取付部5a内には発射制御回路がプリントされたモータ制御基板8が装入されている。
【0011】
モータカム7の内方で取付基板3に回動可能に貫挿支持された支軸19の後端にはハンマセット板9が固定され、このハンマセット板9のモータカム7側端部にはモータカム7に摺接して転動するカムフォロア9aが回転可能にピン着され、ハンマセット板9の反モータカム9側端部には引きばねローラ9bがピン着され、ハンマセット板9の上部には後方へ延出された延出部10aと、この延出部10aの前端に直交状に連接された垂立部10bと、この垂立部10bの下端に連接されてループ状に湾曲された取付部10cとを有する球送りワイヤ10の取付部10cがボルト81によって締着されている。
【0012】
取付基板3に貫設された横長状のガイド孔3a内には横一列に配列された複数個の調整孔12aが貫設されてハンマセット板9側へ延出された延出部12bを有する引きばね片12が左右方向への移動可能に貫挿され、この引きばね片12と、ハンマセット板9の引きばねローラ9bとにはパチンコ球を発射させる強さを設定する引きばね13が掛架されている。
【0013】
モータカム9の下方には枠1の下端に軸支されて枠1の前方に突出されたハンドルにハンドル軸を介して連動可能に連結されたハンドル連動カム14と、この連動カム14に対接されたローラ15aを備え、連動カム14に対向して左右方向への揺動可能に軸支された可動片15とが配設されている。
【0014】
引きばね片12の下方には取付基板3に引きばね片12に対向して左右方向への揺動可能に吊支されて揺動角度が7段階に調整される球とび調整片16が配設され、この球とび調整片16の上部付近には後方へ突出された支軸16aが挿着されている。
【0015】
球とび調整片16に支軸16aを介して揺動可能に軸支された引きばね駆動アーム17の上端には引きばね片12の調整孔12b内に選択的に係入されて引きばね片12と引きばね駆動アーム17とを連動可能に連繋するピン17aが突設され、引きばね駆動アーム17の下端には外端が可動片15の上端に繋止されて可動片15と引きばね駆動アーム17とを連動可能に連結する連結ワイヤ18の内端が繋止されている。
【0016】
ハンドルを回動してハンドル連動カム14の回動角度を調整すると、可動片15および引きばね駆動アーム17が揺動して引きばね片12が左右方向へ進退動し、引きばね13が伸縮して引きばね13の弾発力が増減する。
【0017】
ハンマセット板9が嵌着された前記支軸19の前端には打球位置のパチンコ球を叩打して発射レール4上から遊技盤面へ向けて発射させる打球ハンマ20がハンマセット板9との共同回動動作可能に嵌着され、この打球ハンマ20はボルト81によって球送りワイヤ10とともにハンマセット板9に締結され、打球ハンマ20の上端には発射レール4側へ突出された叩打部20aが形成されている。
【0018】
取付基板3の前面に打球ハンマ20の上下端付近にそれぞれ対向して取着された上下1対の当てゴムホルダ22には打球ハンマ20が打球後に衝突して打球ハンマ20の回動端を規定する当てゴム23がそれぞれ嵌装されている。
【0019】
取付基板3には発射レール4の基端部の上方に配設されてパチンコ球を取付基板3の裏側から発射レール4の基端部上へ送り込むための球送り口26が開口されるとともに、取付基板3の前面で打球位置の若干上方には打球位置のパチンコ球の転落を阻止する球止め片27が取付けられている。
【0020】
取付基板3の裏面には先端部が球送り口26付近に配設された横長状の球送り樋70が球送り口26側へ若干下傾して取付けられ、メインセット枠2の下部裏側にはパチンコ球を待機させかつ打球位置へ誘導して還元させる待機誘導部52Eが発射制御機構に対向して配設されている。
【0021】
球送り樋70には取付基板3の後方に垂立された横長状の後壁板70aと、この後壁板70aの上端縁に連接されて前方へ横出された上壁板70bと、後壁板70aの前面下部にその基端から先端の内方にわたって先端に向って下傾した状態で連接されて前方へ横出され、パチンコ球が横一列に配列されて転動可能に載置される底壁板70cと、後壁板70aおよび底壁板70cにわたって開設された複数個の透視窓70dとが形成され、取付基板3と球送り樋70の後壁板70aとの間で底壁板70c上には適数個のパチンコ球を待機させて1個づつ打球位置へ送り込む待機誘導部52Eとしての第8循環通路46Hが形成され、第8循環誘導通路46Hの先端は球送り口26に対置されている。
【0022】
球送り樋70の後壁板70aの先端には前方へ横出された上支軸73および下支軸74が挿着され、この下支軸74には水平状の上片24aと、この上片24aの内端付近に直交状に垂下された下片24bとを有する球送りアーム24が前記球送りワイヤ10の上端に対向して左右方向への揺動可能に支持されている。
【0023】
ハンマセット板9が反時計方向へ回動して球送りワイヤ10が外方へ傾倒したときには球送りアーム24の下片24bが球送りワイヤ10によって外方へ押動されて球送りアーム24が時計回り方向へ揺動する。
【0024】
球送り樋70の上支軸73には球送り樋70の先端部内に装入されて球送りアーム24の上片24a上に設置された球送り制御片28が球送り口26に対向して揺動可能に支持されている。この球送り制御片28には上面が前方に向って下傾する凹曲面状で1個のパチンコ球の受取りおよび送り出しが可能な球受け部28aと、この球受け部28aの基端に連接されて上支軸73が貫挿されたボス部28bと、このボス部28bに連接されて外方へ延出された延出部28cとが形成され、この延出部28cの先端には球送りアーム24の上片24a上に載置された錘り29がピン着されている。
【0025】
球送り制御片28は錘り29の重量によって常には球受け部28aが上動した揺動姿勢で保持され、球受け部28aの先端縁が球送り樋70の底壁板70c上で待機するパチンコ球の先頭のパチンコ球に突き当てられている。球送りアーム24の下片24bが球送りワイヤ10で外方へ押動されたときには錘り29が球送りアーム24の上片24aで押上げられて球送り制御片28の球受け部28aが下方へ変位し、球受け部28aの先端縁が球送り樋70の底壁板70cの先端縁に整合され、底壁板70c上の先頭のパチンコ球が球受け部28a上へ移載されて前方へ送り出され、球送り口26を通り抜けて発射レール4の基端上の打球位置へ移載される。
【0026】
球送り樋70の底壁板70cの中央部の下側には第8循環通路46Hの中央部付近で待機するパチンコ球の有無を検出する球検出器としての待機球検出スイッチ(近接スイッチ)75が取付けられ、第8循環通路46Hの出口から待機球検出スイッチ75の上方位置までの間に配列される規定数のパチンコ球が不足した待機球不足時には待機球検出スイッチ75が検出信号を発信する。
【0027】
メインセット枠2の取付基板3の上端に間隙を隔てて垂立された左右の壁板3c,3dのうち、一方の壁板3cの内端には上部の正面形状が逆V形状で上部が壁板3c上へ突出されて下部の正面形状が円弧状の球止め部材40が連接されている。
【0028】
球止め部材40内の下部には発射レール4上から発射されたパチンコ球のうち、発射レール4側へ戻ったファール球を受止めて落下させる球止め片42がその先端面を露出した状態で設置されている。
【0029】
壁板3dの内端付近の下方で取付基板3の前面には図6に示すように壁板3dの内端縁の下端の内方にファール球を通過させる球通し口43を隔てて縦設された内縦樋板44aと、この内縦樋板44aの下端に連接されて外方へ若干下傾した状態で横設された上横樋板44bと、この上横樋板44bの外端に連接されて若干外傾状に縦設された外縦樋板44cと、この外縦樋板44cの下端に連接されて外方へ若干下傾した状態で横設され、外端付近の端縁が円弧状に湾曲された中横樋板44dと、この中横樋板44dの下方に並行状に横設されて内端付近の正面形状が円弧状に形成され、外端縁付近の平面形状が円弧状に湾曲された下横樋板44eと、中,上横樋板44d,44eの外端付近に連接されて横断面形状が円弧状に湾曲された蓋板44fとを有するファール球用の表誘導樋44が突出形成されている。
【0030】
表誘導樋44の上横樋板44bの外端付近と、中横樋板44dの内端付近とにはファール球が通過する上下一対の球通し口45が開口されている。
【0031】
表誘導樋44はその各樋板44a〜44eの前端面に当接されて外端縁が蓋板44fの内端縁に掛止された表蓋47によって覆蓋され、表蓋47と取付基板3との間で表誘導樋44内にはファール球が集合して通り抜ける第1循環通路46Aが形成され、取付基板3の前側の中央部にはファール球を回収して送り出す表回収誘導部52A(この発明のファール球回収部に相当する)が配設されている。
【0032】
表誘導樋44の上,中横樋板44b,44d間には上下球通し口45間に挿入された検出口69aを有し、第1循環通路46Aを通り抜けるパチンコ球を検出するファール球通過検出スイッチ69が挟み込まれている。
【0033】
取付基板3の上部には中横樋板44dの外端付近と下横樋板44eの外端付近との間に開設されて蓋板44fによってカバーされ、第1循環通路46Aの先端に連通された方形孔状のファール球通し口48が形成され、第1循環通路45へ導入されたファール球はファール球通し口48を通り抜けて第8循環通路46Hの入口付近へ導入される。
【0034】
メインセット枠2の裏面の開口縁には中央部に開口部30bを有し、メインセット枠2にヒンジを介して後方への回動可能に組付けられて遊技盤25の裏面をカバーする裏セット枠30が添設されている。
【0035】
裏セット枠30はメインセット枠2の縦枠部2bに取付けられた軸受け80を介してメインセット枠2に後方への回動可能に軸支されるとともに、裏セット枠30はメインセット枠2の裏面の開口縁付近に回動可能にビス着された複数個の締め具31によって遊技盤25をサンドイッチ状に挟み込んだ状態でメインセット枠2に解放可能に固止されている。
【0036】
裏セット枠30の下枠部30aの前面にはその左右端部付近からその中央部に向ってそれぞれ緩やかな勾配で下傾する左右の帯板状の集合樋32,32が突出形成されて間隙を隔てて並設され、この両集合樋32の内端縁32aは高低差が付与されている。
【0037】
裏セット枠30の下枠部30aの前面中央部には一方の集合樋32の内端縁32aに連接されて垂下された第1仕切り板35と、他方の集合樋32の内端縁32aの下方に配設されて第1仕切り壁35の側方に間隙を隔てて垂立された垂立片36aおよびこの垂立片36aの上端に直交状に連接された上片36bを有する第2仕切り板36とが突出形成されている。
【0038】
裏セット枠30の下枠部30aの前面にはこの下枠部30aの前方に垂立された横長状の裏板37が並着され、この裏板37の下端の中央部付近には球通し窓38が開口されている。
【0039】
裏セット枠30の下枠部30aと裏板37との間で両仕切り壁35,36間には遊技盤25の裏面から両集合樋32上へ転落したパチンコ球を通過させる第2循環通路46Bが垂直状に形成されるとともに、一方の集合樋32の内端付近と第2仕切り壁36の水平片36bとの間には第2球通路46Bを通過したセーフ球およびアウト球を検出する前通過球検出スイッチ76が挟み込まれている。
【0040】
遊技盤25の裏面へ送り出されたセーフ球および遊技盤25の下端のアウト球受口25aから送り出されたアウト球は両集合樋32上へ転落して内方へ転動し、第2循環通路46Bを通り抜けて球通し窓38内へ導入される。
【0041】
取付基板3の裏面の上端付近には後方へ水平状に突出された支持板3eが取付基板3のほぼ全長にわたって形成され、この支持板3e中央部付近には球通し窓38を通り抜けて落下したセーフ球およびアウト球を通過させる切り欠き部3fが形成されている。
【0042】
取付基板3の裏面中央部の上端付近には図7に示すように球通し窓38の下方に縦設されて支持板3eの切り欠き部3fの端縁に連接された縦樋板50aと、この縦樋板50aの下端に連接されて内方へ下傾した上樋板50bと、この上樋板50bの先端に連接されて上樋板50bの傾斜方向と同方向へ下傾した中樋板50cと、この中樋板50cの両端部にそれぞれ連接されて正面形状がほぼ左右対称の円弧状に湾曲した左右の下樋板50d,50eと、中樋板50cおよび右下樋板50eの側方に設置されて上部が垂直状で下部が円弧状の側樋板50fと、左下樋板50dの円弧中心位置に配設された突片50gとを有する裏誘導樋50が突出形成され、この裏誘導樋50は各樋板50a〜50fおよび突条5gの後端縁に当接された裏蓋51によって覆蓋されている。裏蓋51にはパチンコ球を透視するための透視窓51a〜51aが開設されている。
【0043】
取付基板と裏蓋51との間で、上樋板50b上、中樋板50c上および右下樋板50eと側樋板50fとの間にはアウト球およびセーフ球を貯留および通過させる第3循環通路46cが形成され、左下樋板50dと突片50gとの間には第8循環通路46Hに連通された第7循環通路46Gが第8循環通路46Hの入口に向って上傾した状態で形成され、取付基板3の後側の中央部にはセーフ球およびアウト球を回収して送り出す裏回収誘導部52B(この発明のアウト球回収部に相当する)が配設されている。
【0044】
取付基板3の前面中央部の下端付近には前記待機球検出スイッチ75の検出信号に基づいて回転制御されるステッピングモータ型の球送りモータ58が取付けられるとともに、取付基板3の裏面中央部には裏誘導樋50の下方に連設されて取付基板3を挟んで球送りモータ58に締結された樋本体54が取付けられている。
【0045】
樋本体54には縦長状の樋部55と、この樋部55の下部に連接された後方開放の箱形状の取付部56とが形成され、樋部55にはその後面の両側縁に垂直状に突設された左右の外突条55aと、その後面の中央部に垂直状に突設された中突条55bとが並行状に形成されるとともに、両外突条55aと中突条55bとの間には左右1対の溝部55c,55cが並行状に形成されている。
【0046】
樋本体54の樋部55の下端には丸孔状の前通し孔55dが開口され、この前通し孔55dの孔縁の下部には円弧状に湾曲されて両外突条55aの下端に連接された下突条55eが突設され、樋部55の左右端面の上端にはそれぞれ軸部55fが横出されている。
【0047】
樋本体54の取付部56にはモータ基板ボックス57の前端部が挿入され、このモータ基板ボックス57内には球送りモータ58が接続されたモータ基板59が設置されている。
【0048】
樋本体54の樋部54aの後側に重ね合わされた樋カバー60の上端の左右端部にはそれぞれ樋本体54の軸部55fが嵌挿された左右1対の軸受部60aが形成され、樋カバー60は樋本体54に両軸部55fおよび両軸受部60aを介して上方への回動可能に連結されている。
【0049】
樋カバー60には樋本体54の両溝部55cにそれぞれ対向して縦長状の溝部60b,60bが左右並行状に形成されるとともに、樋カバー60の下端には樋本体54の前通し孔55dに対向して丸孔状の後通し孔60cが開口され、溝部60bの両側壁面には横断面が三角形状のリブ60dがパチンコ球の通過不能な間隙を隔てて垂直方向に沿って相対向状に突設されている。
【0050】
裏回収誘導部52Bの下方には樋本体54の両溝部55cと樋カバー60の両溝部60bとによって形成されて、パチンコ球が縦2列に配列されて貯留される貯留誘導部52Cが配設され、この貯留誘導部52Cには、第4循環通路46Dと、第6循環通路46Fとが並行状に形成され、第4循環通路46Dの上端は第3循環通路46Cの下端に連通され、第6循環通路46Fの上端は第7循環通路46Gの下端に連通されている。
【0051】
貯留誘導部52Cのパチンコ球を必要時に待機誘導部52Eとしての第8循環通路46Hへ送り出すために設けた球送り出し機構において、樋本体54の前通し孔55dと樋カバー60の後通し孔60c内には球送りモータ58の出力軸58aに嵌着された球送り歯車68(この発明の球送り部材に相当する)が装入され、この球送り歯車68の外周面には縦断面形状が円弧状で周方向へ60°の回転対称状に配列された6個の球受け部68aが凹設され、球送り歯車68は各球受け部68aが第4循環通路46Dの直下位置および第6循環通路46Fの直下位置へ順次変位するように回転制御される。
【0052】
第4、第6循環通路46D,46Fの下方には貯留誘導部52Cのパチンコ球を上方から上方へUターン状に曲進移送させる第5循環通路46Eが球送り歯車68の各球受け部68aによって形成されるとともに、貯留誘導部52Cの途中には球送り出し部52Dが配設されている。
【0053】
球送り歯車68は球送りモータ58によって時計回り方向へ60°づつ間欠的に回転駆動され、球送り歯車68が60°回転すると、第4循環通路46D内の先頭のパチンコ球が第5循環通路46E内へ進入して球送り歯車68の球受部68aで受止められ第5循環通路46E内の先頭のパチンコ球が第6循環通路46F内へ進入し、第6循環通路46F内の先頭のパチンコ球が押出されて第7循環通路46G内へ進入し、第7循環通路46G内の先頭のパチンコ球が押出されて第8循環通路46H内へ進入する。
【0054】
樋本体54の樋部54aの中央部付近の前側には取付基板3に凹設された凹部3g内に嵌挿されて第4循環通路46D内のパチンコ球の不足を検出して検出信号を発信する貯留球検出スイッチ77が設置され、球詰りなどの原因によって第4循環通路46D内のパチンコ球が不足したときにはこの貯留球検出スイッチ77の検出信号に基づいて貯留球不足状態が外部に報知される。
【0055】
樋カバー60の後側には樋カバー60の左側の溝部60bを覆蓋する蓋板63が重ね合わされ、この蓋板63には縦長状の蓋部63aと、この蓋部63aの中央部に連接されて側方へ延出された係止部63bとが形成され、蓋部63aの側縁には樋カバー60の反係止部63b側の側縁60eに係合された係合部63cが縦設され、蓋板63はこの係合部63cと係止部63bとによって樋カバー60に取外し可能に組付けられている。
【0056】
蓋板63の蓋部63aの上下端部には楕円孔状の通し孔63dがそれぞれ貫設されるとともに、蓋部63aの前面には樋カバー60の左側の溝部60bに対置された縦長状の溝部64が両通し孔63d間にわたって凹設されている。
【0057】
蓋板63の溝部64と、樋カバー60の左側の窓部60bの両リブ60cとの間に縦長状に形成されて第6循環通路46Fに連通された空隙部65内には第6循環通路46Fを通過するパチンコ球に摺接して第6循環通路46F内のパチンコ球を清浄化する左右1対の紐状のクリーニング部材66,66が並行状に挿通されている。
【0058】
続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効果を説明する。
本例では打球位置のパチンコ球を遊技盤面に向けて発射させる発射制御機構の近傍にはファール球を回収して誘導する表回収誘導部52Aと、セーフ球およびアウト球を回収して誘導する裏回収誘導部52Bと、パチンコ球を貯留して誘導する貯留誘導部52Cと、この貯留誘導部52Cのパチンコ球を積極的に送り出す球送り出し部52Dと、一定個数のパチンコ球を待機させて打球位置へ還元させる待機誘導部52Eとを配置してある。
【0059】
このため、1群のパチンコ球を循環制御する循環制御機構全体をコンパクト化してそのスペースを縮小することができるとともに、打球位置から発射された各パチンコ球を回収して貯留し、再び打球位置へ還元させるまでの各パチンコ球の循環動作を円滑に順行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1実施例を示す要部の一部破断裏面図である。
【図2】
メインセット枠、遊技盤および裏セット枠の分解斜視図である。
【図3】
要部の裏面図である。
【図4】
球送り樋付近の分解斜視図である。
【図5】
図1のX1-X1線拡大断面図である。
【図6】
表回収誘導部の分解斜視図である。
【図7】
裏回収誘導部および貯留誘導部付近の分解斜視図である。
【図8】
図1のX2-X2線拡大面図である。
【図9】
図1のX3-X3線拡大断面図である。
【図10】
図3のX4-X4線拡大断面図である。
【図11】
図1のX5-X5線拡大断面図である。
【図12】
図1のX6-X6戦拡大断面図である。
【符号の説明】
48 ファール球通し口
52A 表回収誘導部
52B 裏回収誘導部
52C 貯留誘導部
52E 待機誘導部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-03-07 
出願番号 特願平11-323027
審決分類 P 1 651・ 121- YA (A63F)
P 1 651・ 4- YA (A63F)
P 1 651・ 16- YA (A63F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 塩崎 進
白樫 泰子
登録日 2002-02-22 
登録番号 特許第3281345号(P3281345)
権利者 株式会社大一商会
発明の名称 循環式パチンコ機  
代理人 石岡 隆  
代理人 中村 敦子  
代理人 福田 鉄男  
代理人 石岡 隆  
代理人 中村 敦子  
代理人 犬飼 達彦  
代理人 犬飼 達彦  
代理人 岡田 英彦  
代理人 福田 鉄男  
代理人 岡田 英彦  

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