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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08F
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  C08F
審判 全部申し立て 特29条の2  C08F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
管理番号 1117834
異議申立番号 異議2003-72674  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-11-06 
確定日 2005-04-11 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3402473号「オレフィン重合用触媒」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3402473号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 【I】手続きの経緯
特許第3402473号の請求項1〜6に係る発明は、平成3年8月20日に特許出願され、平成15年2月28日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、金子しの及びバーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーより特許異議の申立てがなされ、平成16年11月30日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成17年2月8日付けで特許異議意見書とともに訂正請求書が提出され、平成17年3月16日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成17年3月17日付けで先の訂正請求書が取り下げられるとともに新たな訂正請求書が提出されたものである。

【II】訂正請求について
1.訂正の内容
(訂正事項a)
特許請求の範囲の請求項1中の
「成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物、
【化1】

(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である(ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である)。」を、
「成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)、
【化1】

(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である(ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である)。」と訂正する。

(訂正事項b)
特許請求の範囲の請求項2ないし6を削除する。

(訂正事項c )
明細書の段落【0006】中の
「成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物、」を、
「成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)、」と訂正する。

(訂正事項d)
明細書の段落【0007】中の
「(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である。ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である。)」を、
「(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である。ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である。)」と訂正する。

(訂正事項e)
明細書の段落【0011】中の
「下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物である。」を、
「下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)である。」と訂正する。

(訂正事項f)
明細書の段落【0012】中の
「(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、好ましくは1〜4の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、好ましくは4〜8の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)、R3は炭素数1〜30の、好ましくは炭素数2〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜7の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である。)」を、
「(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、好ましくは1〜4の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、好ましくは4〜8の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、好ましくは炭素数2〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、好ましくは炭素素1〜7の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である。)」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、訂正の範囲の適否及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項aの「ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く」ことを追加する訂正は、特許法第29条の2に係る先願[特願平4-158048号(特開平5-209014号公報参照):特許異議申立人金子しのが提出した甲第1号証及び同バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーが提出した甲第1号証]の願書に最初に添付した明細書に記載された発明を除くためのものであり、また、訂正事項aのR2を「かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり」と限定する訂正は、特許明細書の段落【0022】〜【0024】、【0038】〜【0045】の記載に基づくものであるから、訂正事項aは、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内において特許請求の範囲を減縮することを目的とするものである。
訂正事項bは、請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正事項c〜fは、訂正事項aに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るためのものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項a〜fは、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

【III】特許異議申立てについて
1.訂正後の請求項1に係る発明
訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】下記の成分(A)および成分(B)からなることを特徴とする、オレフィン重合用触媒。
成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)、


(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である(ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である)。
成分(B) 下記の一般式〔II〕または〔III〕で表されるアルモキサン。


(ここで、mは4〜30の数であり、R4は1価の炭化水素残基を示す)」

2.特許異議申立ての概要
特許異議申立人 金子しのは、甲第1〜6号証を提出し、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、下記の理由により取り消されるべきである旨を主張している。
1)訂正前の請求項1〜6にかかる発明は、本件出願の日前の他の特許出願であって、本件出願後に出願公開された甲第1号証の願書に最初に添付された明細書に記載された発明と同一であるから、訂正後の請求項1〜6に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。
2)明細書の記載が不備であり、訂正前の請求項2,5,6に係る特許は、特許法第36条第4項の規定を満たしていない特許出願に対してされたものである。
3)平成13年7月10付け手続補正書において請求項2,5,6を追加する補正、及び、平成14年12月25日付け手続補正書において実施例1を追加する補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許出願は、これらの手続補正書を提出した時にしたものとみなされるべきであり、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、その時点で頒布された刊行物になっている甲第6号証に記載された発明であるか、または、甲第6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、特許法第29条第1項及び第29条第2項の規定に違反してされたものである。
また、特許異議申立人 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーは、甲第1〜9号証を提出し、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、下記の理由により取り消されるべきである旨を主張している。
1)訂正前の請求項1〜6にかかる発明は、本件出願の日前の他の特許出願であって、本件出願後に出願公開された甲第1〜3号証の願書に最初に添付された明細書に記載された発明と同一であるから、訂正後の請求項1〜6に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。
2)平成14年12月25日付け手続補正書において実施例1を追加する補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許出願は、これらの手続補正書を提出した時にしたものとみなされるべきであり、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、その時点で頒布された刊行物になっている甲第4号証に記載された発明であるか、または、甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、特許法第29条第1項及び第29条第2項の規定に違反してされたものである。
3)明細書の記載が不備であり、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、特許法第36条第4項の規定を満たしていない特許出願に対してされたものである。

3.取消理由通知の概要
平成16年11月30日付けの取消理由通知の概要は、下記の理由1〜3により、訂正前の請求項1〜6に係る特許は取り消されるべきものである、というものである。
(理由1)訂正前の請求項1〜6に係る発明は、本件出願の日前の他の特許出願であって、本件出願後に出願公開された先願1[特願平4-158048号(特開平5-209014号公報参照):特許異議申立人金子しのが提出した甲第1号証及び同バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーが提出した甲第1号証]及び先願2[特願平3-326117号(特開平4-275294号公報参照):同バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーが提出した甲第3号証]の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるから、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。
(理由2)明細書の記載が不備であり、訂正前の請求項1,2,5,6に係る特許は、特許法第36条第4項の規定を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(理由3)平成14年12月25日付け手続補正書において実施例1を追加する補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許出願は、これらの手続補正書を提出した時にしたものとみなされ、訂正前の請求項1〜6に係る発明は、その時点で頒布された刊行物になっている本件出願の公開公報(特開平5-43616号公報:同金子しのが提出した甲第6号証及び同バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーが提出した甲第4号証)に記載された発明であるか、または、当該刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、特許法第29条第1項及び第29条第2項の規定に違反してされたものである。

4.先願明細書1〜2に記載された事項
(1)先願明細書1:特願平4-158048号(特開平5-209014号公報参照、優先日1991年6月18日 ドイツ)
「【請求項1】C2 -乃至C10-アルケン-1の重合のための触媒組成物が
a)一般式Iにおいて、

式中、Mはチタン、ジルコニユウム、ハフニウム、バナジユウム、ニオブ、タンタルの各原子を、Xはハロゲン原子またはC1 -乃至C8 -アルキルを、Yは炭素、燐、硫黄、珪素、またはゲルマニユウムの各原子を、ZはC1 -乃至C8 -アルキル、C3 -乃至C10-シクロアルキル、C6 -乃至C10-アリールを、R1 、R2 はC1 -乃至C4 -アルキルを(R1 とR2 は同じでも異なっていても良く)、R3 乃至R6 は水素原子、C1 -乃至C8 -アルキルを(R3 とR6 は同じでも異なっていても良く、あるいは2個の隣接基R3 とR4 並びにR5 とR6 は場合により一緒になって4乃至15の炭素原子で示される炭化水素環式組成物を示してもよく)、nが0、1または2を、それぞれ示すメタロセン錯塩、
b)並びに、一般式IIもしくはIIIにおいて、
【化2】

式中、R7 はC1 -C4 -アルキル基を示し、mが5乃至30の数を示す開放鎖の、または環状のアルモオキサン化合物を活性な成分として有することを特徴とする触媒組成物。」
「【0016】更に本発明に従って、一般式Iに組込まれた金属錯塩の重要な構成成分はシクロペンタジエニル基である。・・・更にシクロペンタジエニル基の置換基R3 乃至R6 は水素原子またはC1 -乃至C8 -アルキルを表し、かつ互いに同じでも異なっても良く或は2個の隣接基R3 およびR4 並びにR5 およびR6 は4乃至15の炭素原子を示す炭化水素環状組成物と一緒に存在しても良い。ここでR3 およびR5 がC1 -乃至C4 -アルキルを、R4 およびR6 が水素原子を表すか、または4乃至12の炭素原子を示す炭化水素環状組成物、例えば1個のインデニル組成物と一緒に存在しても良いR3 およびR6 置換基で置換されたシクロペンタジエニル基を組み込まれた一般式Iの金属錯塩が好ましい。炭化水素環状組成物の炭素数については、ここでR3 乃至R6 の結合位置の役をするシクロペンタジエニル組成物の2つの炭素原子は一緒に数えられ、従って例えばR3 およびR4 並びにR5 およびR6 がシクロヘキシル基を示す場合、2つの炭化水素環状組成物は全体として6個の炭素原子となる。
【0017】例えば特に好ましいメタロセン錯塩としは特に次のものがある。
【0018】ジメチルシランジイルビス(-2-メチルインデニル)-ジルコニウムジクロライド、・・・、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロライドおよびジメチルシランジイルビス(-2-メチルインデニル)-ハフニウムジクロライドである。」

(2)先願明細書2:特願平3-326117号(特開平4-275294号公報、優先日1990年12月11日 ドイツ)
「【請求項1】 式XI

〔式中、M1 はチタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブおよびタンタルより成る群の内の金属であり、R1 基は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜15のアリールアルキル基または炭素原子数2〜10のアルケニル基であり、R2 基は互いに同じでも異なっていてもよく、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基またはハロゲン原子であり、R3 は


(式中M2 は珪素、ゲルマニウムまたは錫であり、R4 およびR5 は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアルールアルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基であるかまたはR4 とR5 とはそれぞれそれらの結合する原子と一緒に成って環を形成してもよくそしてpは1、2または3である。)でありそしてnは2〜18の整数である。〕
で表される化合物を製造する方法において、・・・を特徴とする、上記方法。」
「【請求項5】請求項1に記載した式XIで表され、nが4でない化合物。」
「【産業上の利用分野】 本発明は、先ず第一に、シクロペンタジエンの二環誘導体をリガンドとして有しているメタロセンの製造方法に関する。これらの化合物の大部分は新規化合物であり、そして特に、高い立体特異性、高融点および良好な結晶性に特徴のあるポリオレフィンを製造する為の触媒として有利に使用できる。」(3欄5〜10行)
「更に本発明は、nが4である化合物を除く有利な範囲を含む式XIの化合物に関する。従ってnは5〜7であるのが好ましい。」(6欄5〜7行)
「本発明に従って使用される助触媒は、式・・・で表される線状の種類および/または式・・・で表される環状の種類のアルミノキサンである。」(9欄45行〜10欄11行)

5.取消理由通知の理由及び特許異議申立ての理由に対する判断
(特許法第29条の2違反について)
先願明細書1には、C2 -乃至C10-アルケン-1の重合のための触媒組成物が
a)一般式Iにおいて、

式中、Mはチタン、ジルコニユウム、ハフニウム、バナジユウム、ニオブ、タンタルの各原子を、Xはハロゲン原子またはC1 -乃至C8 -アルキルを、Yは炭素、燐、硫黄、珪素、またはゲルマニユウムの各原子を、ZはC1 -乃至C8 -アルキル、C3 -乃至C10-シクロアルキル、C6 -乃至C10-アリールを、R1 、R2 はC1 -乃至C4 -アルキルを(R1 とR2 は同じでも異なっていても良く)、R3 乃至R6 は水素原子、C1 -乃至C8 -アルキルを(R3 とR6 は同じでも異なっていても良く、あるいは2個の隣接基R3 とR4 並びにR5 とR6 は場合により一緒になって4乃至15の炭素原子で示される炭化水素環式組成物を示してもよく)、nが0、1または2を、それぞれ示すメタロセン錯塩、
b)並びに、一般式IIもしくはIIIにおいて、

式中、R7 はC1 -C4 -アルキル基を示し、mが5乃至30の数を示す開放鎖の、または環状のアルモオキサン化合物を活性な成分として有する触媒組成物が記載され、特に好ましいメタロセン錯塩としてジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロライドが記載されている。
しかしながら、本件発明の成分(A)は、先願明細書1で具体的に記載されたジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロライドを除いている。
また、本件発明の成分(A)において、R2は五員環と結合してインデニル構造を形成するものであるから1,3-ブタジエニレン基に限定されるが、R2が無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除いているので、R2は何らかの置換基を有する1,3-ブタジエニレン基となる。しかし、先願明細書1の一般式Iで示されたメタロセン錯塩が、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロライド以外の何らかの置換基を有する1,3-ブタジエニレン基を有するメタロセン錯塩、すなわち、2位と共に、4位,5位,6位または7位のいずれかに置換基を有するインデニル基を有するメタロセン錯塩を具体的に示唆するものとはいえない。
したがって、本件発明は、先願明細書1に記載された発明と同一とはいえない。

先願明細書2には、 式XI

〔式中、M1 はチタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブおよびタンタルより成る群の内の金属であり、R1 基は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜15のアリールアルキル基または炭素原子数2〜10のアルケニル基であり、R2 基は互いに同じでも異なっていてもよく、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基またはハロゲン原子であり、R3 は

(式中M2 は珪素、ゲルマニウムまたは錫であり、R4 およびR5 は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアルールアルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基であるかまたはR4 とR5 とはそれぞれそれらの結合する原子と一緒に成って環を形成してもよくそしてpは1、2または3である。)でありそしてnは2〜18の整数である。〕で表される化合物を触媒とし、アルミノキサンを助触媒として用いた、ポリオレフィンを製造するための触媒が記載されている。
しかしながら、式XIのシクロペンタジエニル環に縮合する部分は-(CH2)n-であるから不飽和結合を含まないので、先願明細書2に記載された発明には、本件発明の成分(A)であるインデニル構造を有する遷移金属化合物は含まれない。
したがって、本件発明は、先願明細書2に記載された発明と同一とはいえない。

なお、特許異議申立人バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハーが提出した甲第2号証に係る先願である特願平3-294690号(特開平6-340684号公報参照)に最初に添付された明細書には、 式I

〔式中、M1 は、周期律表の第IVb、VbまたはVIb族の金属であり、R1 およびR2 は同一または相異なって、水素原子、C1 〜C10-アルキル基、C1 〜C10-アルコキシ基、C6 〜C10-アリール基、C6 〜C10-アリールオキシ基、C2 〜C10-アルケニル基、C7 〜C40-アリールアルキル基、C7 〜C40-アルキルアリール基、C8 〜C40-アリールアルケニル基またはハロゲン原子であり、R3 およびR4 は同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されてもよいC1 〜C10-アルキル基、C6 〜C10-アリール基、-NR2 15、-SR15、-OSiR3 15、-SiR3 15または-PR2 15残基(但し、R15はハロゲン原子、C1 〜C10-アルキル基またはC6 〜C10-アリール基である)であり、R5 およびR6 は同一または相異なって、R5 およびR6 が水素原子でないという条件でR3 およびR4 について記載された意義を有しており、R7 は、

=BR11、=AlR11、-Ge-、-Sn-、-O-、-S-、=SO、=SO2 、=NR11、=CO、-PR11、または=P(O)R11(但し、R11、R12およびR13は同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1 〜C10-アルキル基、C1 〜C10-フルオロアルキル基、C6 〜C10-アリール基、C6 〜C10-フルオロアリール基、C1 〜C10-アルコキシ基、C2 〜C10-アルケニル基、C7 〜C40-アリールアルキル基、C8 〜C40-アリールアルケニル基、C7 〜C40-アルキルアリール基であるかあるいはR11およびR12またはR11およびR13はこれらを結合する原子と一緒になって各々環を形成し、M2 は珪素、ゲルマニウムまたは錫である)であり、R8 およびR9 は同一または相異なって、R11について記載された意義を有しており、mおよびnは同一または相異なって、0、1または2であり(mプラスnは0、1または2である)、そして残基R10は同一または相異なって、R11、R12およびR13について記載された意義を有している〕表される化合物と、助触媒であるアルミノキサンを用いたオレフィン重合用触媒が記載されている(請求項1,請求項5,段落【0038】〜【0042】)。
しかしながら、上記式1は、本件発明の成分(A)で除かれているR2がブチレン基である化合物に相当し、また、上記先願明細書には、式IIのインデニル構造を有するメタロセン化合物を金属ハロゲン化物と反応させた後水素化することによって、式Iの化合物を製造することが記載されているが(段落【0025】〜【0027】)、この式IIの化合物を金属ハロゲン化合物と反応させた中間体をオレフィン重合用触媒として用いることは記載されていない。
したがって、本件発明は上記先願明細書に記載された発明と同一であるとはいえない。

(特許法第36条第4項違反について)
本件発明は、訂正により実施例に相当するインデニル構造を有する遷移金属化合物に限定され、また、請求項2,5,6は削除された。
したがって、訂正明細書の発明の詳細な説明には、本件発明について、当業者が容易に実施し得る程度に発明の目的、構成及び効果が記載されていないとはいえず、訂正明細書に記載の不備があるとすることはできない。

(特許法第29条第1項及び第2項違反について)
平成16年11月30日付けの取消理由通知において、平成14年12月25日付け手続補正書の実施例1を追加する補正は明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許出願は平成14年12月25日にされたものとみなされ、訂正前の請求項1〜6に係る特許は、本件特許出願の公開公報である特開平5-43616号公報により特許法第29条第1項及び第2項の規定を満たさない出願に対してされたものである旨が通知された。
しかしながら、特許異議意見書において、参考資料5を提示して、本件特許明細書の段落【0004】にも記載するように、ジルコニウムの代わりにハフニウムを使用すると触媒活性は下がるもののより高分子量のポリマーが製造可能であることは本件出願時において当業者にとって自明であり、出願当初に実施例として示されていたジルコニウムを用いた参考例1〜2よりも、ハフニウムを用いた実施例1の分子量が高いことは、本件出願当時の周知技術から当業者にとって自明の範囲のものであり、触媒活性と分子量のバランスとしてみれば実施例1と参考例1〜2とは格別な効果の差異があるとはいえないことが示されたので、実施例1を追加する補正は明細書の要旨を変更するものであるとはいえない。
したがって、本件出願の出願日は現実の出願日である平成3年8月20日であると認められ、本件発明は、本件出願後の公知文献である本件出願の公開公報によっては新規性及び進歩性は否定されない。

6.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知の理由及び特許異議申立ての理由、証拠によって、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
オレフィン重合用触媒
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の成分(A)および成分(B)からなることを特徴とする、オレフィン重合用触媒。
成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)、
【化1】

(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である(ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である)。
成分(B) 下記の一般式〔II〕または〔III〕で表されるアルモキサン。
【化2】

(ここで、mは4〜30の数であり、R4は1価の炭化水素残基を示す)
【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】
本発明は、立体規則性ポリオレフィンの製造に用いる触媒に関する。具体的には、本発明は、特定のメタロセン化合物、すなわち橋かけ構造を持つビス置換シクロペンタジエニルブリッジ型二座配位子を有する非対称な新規な遷移金属化合物とアルモキサンからなるオレフィン重合用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン重合用の均一系触媒としては、いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が得られるという特徴がある。
【0003】
アイソタクチックポリオレフィンを製造する遷移金属化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドやエチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド(特開昭61-130314号公報)が知られているが、製造したポリオレフィンの分子量が小さく、また、低温で製造すると高分子量体が得られるが重合活性が低い等の問題点がある。
【0004】
また、ジルコニウムの代わりにハフニウム化合物を使用すると、高分子量体が製造可能であることが知られているが(Journal of Molecular Catalysis,56(1989)p.237〜247)、この方法には重合活性が低いという問題点がある。さらに、ジメチルシリルビス置換シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドなどが特開平1-301704号公報、Polymer Preprints,Japan vol.39,No.6 p.1614〜1616(1990)などで公知であるが、高重合活性と高分子量化を同時に満足する様な触媒の報告例はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、押出成形、射出成形が可能な高分子量(数平均分子量70000以上)のポリプロピレン系重合体を高収率で得る重合法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕
<要旨>本発明は、上記問題点を解消すべく検討を行った結果なされたものである。すなわち、本発明によるオレフィン重合用触媒は、下記の成分(A)および成分(B)からなること、を特徴とするものである。
成分(A) 下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)、
【0007】
【化3】

(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である。ただし、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子は、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称である。)
成分(B) 下記の一般式〔II〕または〔III〕で表わされるアルモキサン。
【0008】
【化4】

(ここで、mは4〜30の数であり、R4は1価の炭化水素残基を示す)
【0009】
<効果>本発明の触媒によれば、分子量の高い立体規則性ポリオレフィンを高収率で製造することが可能となる。本来拮抗的な高重合活性と高分子量化とが両立しえたということは、本発明触媒の特徴、たとえば非対称メタロセン化合物の使用、によるものであるが、思いがけなかったことと解される。
【0010】〔発明の具体的説明〕
<触媒>本発明は、下記の成分(A)および成分(B)からなるオレフィン重合用触媒に関するものである。ここで「からなる」とは、本発明の効果を損わない限りにおいては、(A)および(B)以外の第三成分を使用することが可能であることを意味する。
【0011】
<成分(A)>
(1)本発明において使用される1つの触媒成分(A)は、下記の一般式〔I〕で表される遷移金属化合物(ただし、ジメチルシランジイルビス(-2-メチルベンツインデニル)-ジルコニウムジクロリドを除く)である。
【0012】
【化5】

(式中、Mはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれた遷移金属であり、2個存在するR1は同一でも異なっていてもよくて、炭素数1〜6の、好ましくは1〜4の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり、2個存在するR2は同一でも異なっていてもよくて、五員環配位子の2個の隣接する炭素原子に結合する炭素数4〜20の、好ましくは4〜8の、2価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基であり(ただし、R2がブチレン基または無置換の1,3-ブタジエニレン基である場合を除く)かつ五員環と結合してインデニル構造を形成するものであり、R3は炭素数1〜30の、好ましくは炭素数2〜20の、2価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基であり、XおよびYはそれぞれ独立して水素もしくはハロゲン、または炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜7の、1価の、炭化水素残基または窒素、酸素もしくはケイ素を含む炭化水素残基である。)
【0013】
この発明で使用する式〔I〕のメタロセン化合物は、置換基R1およびR2を有する2個の五員環配位子が、基R3を介しての相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非対称であるということを大きな特徴とするものである。
【0014】
ここで、「基R3を介して相対位置の観点において、Mを含む平面に関して非

の置換五員環がMを含む平面に関して実体と鏡像の関係にない、ということを示すものである。
【0015】
その場合の非対称の状態は、大別すれば2種類ありうる。すなわち、その一つは、両置換五員環配位子はM,X及びYを含む平面に対して、置換基R1およびR2の位置が実体と鏡像の関係にない場合である。そのときは、R1およびR2は両置換五員環配位子間でそれぞれ同一であっても、両置換配位子は実体と鏡像の関係にはない。非対称の他の一つは、両置換配位子が置換基R1およびR2の位置に関して実体と鏡像の関係にあっても、R1およびR2の少なくとも一方が両置換五員環配位子間で同じでない場合である。その場合にも、たとえばR1の位置が実体と鏡像の関係にあっても、その種類が異なっているので両置換五員環配位子は実体と鏡像の関係にはない。しかし、本発明でいう非対称の状態は前者のみを意味する
【0016】
R1は、上記したように炭素数1〜6の、1価の、炭化水素残基またはケイ素を含む炭化水素残基である。さらに詳しくは、R1は、アルキル、シクロアルキル等の飽和炭化水素基、アルケニル等の不飽和炭化水素基、または、アルキルシリル等のケイ素を含む炭化水素基である。具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、n-アミル、i-アミル、n-ヘキシル、シクロプロパン、アリル、トリメチルシリル、ジメチルエチルシリル基等が例示される。これらのうち好ましいのは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル等のアルキル基である。
【0017】
R2は、さらに詳しくは、アルキレン、シクロアルキレン等の飽和炭化水素基、アルカジエニレン、アリーレン等の不飽和炭化水素基、またはアルキルシリルアルキレン、アルキルシリルアルケニレン等のケイ素を含む炭化水素基である。具体例としては、ブチレン、メチルブチレン、2-メチルブチレン、1,2-ジメチルブチレン、シクロプロピルブチレン、1,3-ブタジエニレン、メチル-1,3-ブタジエニレン、フェニルブチレン、フェニル-1,3-ブタジエニレン、トリメチルシリルブチレン、トリメチルシリル-1,3-ブタジエニレン、ジメチルエチルシリルブチレン、ジメチルエチルシリル-1,3-ブタジエニレン基等が例示される。これらのうち好ましいのは、ブチレン、メチルブチレン等のアルキレン基、1,3-ブタジエニレン、メチル-1,3-ブタジエニレン等のアルカジエニレン基である。
【0018】
R3は、さらに詳しくは、アルキレン、シクロアルキレン等の飽和炭化水素残基、アリーレン等の不飽和炭化水素残基、アルキルシリレン、アルキルゲルミレン等のケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基である。好ましくは、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、アルキルシリレン基である。
【0019】
XおよびYは、さらに詳しくは、それぞれ独立して水素もしくはハロゲン(例えばフッ素、塩素、臭素、沃素、好ましくは塩素)、または炭素数1〜20の、1価の、炭化水素残基またはケイ素もしくはゲルマニウムを含む炭化水素残基(好ましくはR1として前記したもの、特に好ましくはメチル)である。
【0020】
本発明の化合物〔I〕の代表的な合成経路は、下記の通りである。なお、HRaは
【0021】
【化6】

を示すものである。
H2Ra+n-C4H9Li→HRaLi+n-C4H9
2HRaLi+R3Cl2→R3(HRa)2+2LiCl
R3(HRa)2+2・n-C4H9Li→R3(RaLi)2+2・n-C4H9
R3(RaLi)2+ZrCl4→R3(Ra)2ZrCl2+2LiCl
【0022】
上記遷移金属化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。なお、これらの化合物は、単に化学的名称のみで指称されているが、その立体構造が本発明でいう非対称性をもつものであることはいうまでもない。
(1)エチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコウニムジクロリド、
(2)1,1,2,2-テトラフェニルエチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ジフェニルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ジメチルゲルミレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)エチレンビス-(2-メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)1,1,2,2-テトラフェニレンエチレンビス-(2-メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ジメチルシリレンビス-(2-メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ジフェニルシリレンビス-(2-メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)ジメチルゲルミレンビス-(2-メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0023】
(11)エチレンビス-(2-エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(12)1,1,2,2-テトラフェニルエチレンビス-(2-エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(13)ジメチルシリレンビス-(2-エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(14)ジフェニルシリレンビス-(2-エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(15)エチレンビス-(2-エチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(16)エチレンビス-(2-n-プロピルインデニル)チタニウムジクロリド、(17)エチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
(18)1,1,2,2-テトラフェニルエチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジメチル、
(19)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)チタニウムジメチル、(20)エチレン(2-メチルインデニル)(2-エチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0024】
(21)エチレン(2-メチルテトラヒドロインデニル)(2-エチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(22)エチレンビス-(2-トリメチルシリルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(23)ジメチルシリレンビス-(2-シクロプロピルテトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロリド、
(24)エチレンビス-(2-メチル-4-メチルインデニル)ハフニウムジクロリド、
(25)エチレンビス-(2-メチル-5-メチルインデニルジルコニウムジクロリド、
(26)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムメチル(メチルフェニルアミン)、
(27)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムブトキシクロリド、
(28)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムビス(トリメチルシリル)、
(29)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムトリメチルシリルクロリド、
(30)ジメチルシリレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムビス(トリメチルシリル)メチルクロリドを挙げることができる。
【0025】
<成分(B)>本発明において使用されるもう一つの成分(成分(B))は、下記の一般式〔II〕または〔III〕で表わされるアルモキサンである。
【0026】
【化7】

(ここで、mは4〜30、好ましくは10〜25、の数であり、R4は炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜4、のもの、を示す。)
【0027】
この成分(B)は、一種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。具体的には、(イ)一種類のトリアルキルアルミニウムから得られるメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、(ロ)二種類のトリアルキルアルミニウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。これらの中で、特に好ましいのはメチルアルモキサンである。
【0028】
これらのアルモキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能であり、また、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可能である。
【0029】
これらのアルモキサンは公知の様々な条件下に調製することができる。具体的には以下の様な方法が例示できる。
(イ) トリアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(ロ) トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物と反応させる方法、
(ハ) トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反応させる方法、
(ニ) トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物、と加熱反応させる方法、
(ヘ) シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウムで追加処理する方法、
(ト) メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方法。
(チ) ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5水塩などの結晶水を有する塩を入れ、-40〜40℃位の温度条件下トリメチルアルミニウムと反応させる方法。この場合、使用される水の量は、トリメチルアルミニウムに対してモル比で通常0.5〜1.5である。このようにして得られたメチルアルモキサンは、線状または環状の有機アルミニウムの重合体である。
【0030】
<触媒の形成>本発明の触媒は、上記の成分(A)及び成分(B)を、重合槽内であるいは重合槽外で、重合させるべきモノマーの存在下あるいは非存在下に接触させることにより得ることができる。
【0031】
本発明で使用する成分(A)および成分(B)の使用量は任意である。例えば溶媒重合の場合、成分(A)の使用量は遷移金属原子として10-7〜102ミリモル/リットルの範囲内が好ましい。Al/遷移金属のモル比は100以上、特に1000以上の範囲が好んで用いられる。
【0032】
本発明の触媒は、成分(A)および(B)以外に、他の成分を包みうるものであることは前記した通りであるが、成分(A)および(B)に加えることが可能な第三成分(任意成分)としては、例えばH2O、メタノール、エタノール、ブタノール等の活性水素含有化合物、エーテル、エステル、アミン等の電子供与性化合物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキシアルミニウム、亜リン酸フェニル、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシ含有化合物を例示することができる。
【0033】
オレフィンの重合にこれらの触媒系を使用するときには、成分(A)および(B)は反応槽に別々に導入してもよいし、成分(A)および(B)に予め接触させたものを反応槽に導入してもよい。
【0034】
<触媒の使用/オレフィンの重合>本発明の触媒は、溶媒を用いる溶媒重合に適用されるのはもちろんであるが、実質的に溶媒を用いない液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合にも適用される。また連続重合、回分式重合に適用される。溶媒重合の場合の溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物が用いられる。
【0035】
重合温度は-78〜200℃程度、好ましくは-20〜100℃、である。反応系のオレフィン圧には特に制限がないが、好ましくは常圧〜50kg/cm2-Gの範囲である。また、重合に際しては公知の手段、例えば温度、圧力の選定あるいは水素の導入により分子量調節を行うことができる。
【0036】
本発明の触媒により重合するオレフィン、即ち本発明の方法において重合反応に用いられるオレフィンは、炭素数2〜20、好ましくは2〜10、のα-オレフィンである。具体的には、例えばプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなど、特に好ましくは、プロピレン、がある。これらのα-オレフィン類は、二種以上混合して重合に供することもできる。
【0037】
また、本発明の触媒は、上記α-オレフィン類とエチレンとの共重合も可能である。さらには、上記α-オレフィンと共重合可能な他の単量体、例えばブタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエンなどのような共役および非共役ジエン類、または、シクロプロパン、シクロブテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの様な環状オレフィンの共重合にも有効である。
【0038】
【実施例】
次の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものである。
<参考例-1>
〔エチレンビス-2-メチルインデニルジルコニウムジクロリドの合成〕
反応はすべて不活性ガス雰囲気下でおこなった。また反応溶媒はあらかじめ乾燥したものを使用した。500mlガラス製反応容器中で、2-メチルインデン5.0g(33mmol)を80mlのテトラヒドロフランに溶解し、冷却下、n-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液21mlをゆっくりと反応容器内に滴下した。室温で1時間撹拌後、再び冷却し、1,2-ジブロモエタン3.1gをゆっくりと滴下し、室温で12時間撹拌後、50mlの水を添加し、有機相を分別、乾燥した。さらに、ヘプタンで数回洗浄し乾燥して、ビス-(2-メチルインデニル)エタン2.9gを得た。
【0039】
上記方法で得たビス-(2-メチルインデニル)エタン2.1g(7.3mmol)をテトラヒドロフラン70mlに溶解し、冷却下、n-ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液9.2mlをゆっくりと滴下した。室温で3時間攪拌後、四塩化ジルコニウム1.6g(7.0mmol)/テトラヒドロフラン60ml溶液にゆっくりと滴下し、5時間攪拌後、塩化水素ガスを吹き込んだ後、乾燥させた。続いて、トルエンを加え可溶部を分別し、低温にて結晶化させて、0.95gの黄色粉末を得た。
【0040】
得られた化合物がエチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドであって、しかも両2-メチルインデニル基が非対称であること、すなわちジルコニウム原子を含む平面に関して実体と鏡像の関係にないこと、は1HNMRによって確認した。
【0041】
〔アルモキサンの合成〕反応容器内でトリメチルアルミニウム48.2gを含むトルエン溶液565mlを、攪拌下硫酸銅5水塩50gを0℃で、5gづつ5分間隔で容器内に投入した。終了後、ゆっくりと25℃に昇温し、25℃で2時間、さらに35℃に昇温して2日間反応させた。残存する硫酸銅の固体を濾過により分離し、アルモキサンのトルエン溶液を得た。メチルアルモキサンの濃度は27.3mg/ml(2.7w/v%)であった。
【0042】
〔重合〕内容積1.5リットルの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸素したトルエンを500ml導入し、実施例1で合成したメチルアルモキサンをAl原子換算で10mmol、エチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを1.0mmol導入した後、プロピレンを導入し、20℃で15分間重合した。さらにプロピレンを導入してオートクレーブ内圧が7kg/cm2-Gにおいて40℃で2時間重合した。反応終了後、得られたポリマースラリーを濾過により分離し、ポリマーを乾燥した。この結果、56.2gのポリマーが得られた。触媒活性は308kg/g-Zr・時であった。ポリマーの数平均分子量は9.60×104、分子量分布は2.02、融点(DSC曲線ピーク温度)は約134.3℃であった。
【0043】
<比較例-1>
エチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。その結果、80.9gのポリマーが得られた。触媒活性は445kg/g・Zr・時であった。ポリマーの数平均分子量は2.13×104、分子量分布は2.04、融点は約135.2℃であった。このものは、押出成形、射出成形が不可能であった。
【0044】
<比較例-2>
エチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドの代わりにエチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドを用いた以外は実施例1と同様に行った。その結果、12.1gのポリマーが得られた。触媒活性は33.6kg/g-Hf・時、数平均分子量は1.20×105、分子量分布は2.63、融点は134.8℃であった。
【0045】
<参考例-2>
エチレンビス-(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを導入する前に、1-ヘキセン5mlを加える以外は参考例-1と同様に行った。その結果、51.2gのポリマーが得られた。触媒活性は281kg/g-Zr・時であった。ポリマーの数平均分子量は7.89×104、分子量分布は1.90、ポリマー中のヘキセン含量は0.59mol%、融点は131.4℃であった。
<実施例-1>
参考例1で用いた2-メチルインデン5.0グラムのかわりに、関東化学(株)社製2,4-ジメチルインデンを4.76グラム(33mmol)用いること、および参考例-1で四塩化ジルコニウム1.6g(7.0mmmol)を四塩化ハフニウム7.0mmolに変更した以外は、すべて参考例-1の方法に従ってエチレンビス(2-メチル-4-メチルインデニル)ハフニウムジクロリドを合成した。さらに、そのうちの1μmolを用いて参考例-1と同一条件でプロピレンの重合を行った。その結果、触媒活性54.3(kg/g-Hf・時)、数平均分子量が14.8×104であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量の高い立体規則性ポリオレフィンを高収率で製造することが可能であることは、「課題を解決するための手段」の項において前記したところである。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-03-23 
出願番号 特願平3-208213
審決分類 P 1 651・ 121- YA (C08F)
P 1 651・ 16- YA (C08F)
P 1 651・ 531- YA (C08F)
P 1 651・ 113- YA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小出 直也  
特許庁審判長 宮坂 初男
特許庁審判官 藤原 浩子
佐野 整博
登録日 2003-02-28 
登録番号 特許第3402473号(P3402473)
権利者 日本ポリプロ株式会社
発明の名称 オレフィン重合用触媒  
代理人 細川 伸哉  
代理人 社本 一夫  
代理人 須藤 阿佐子  
代理人 須藤 阿佐子  
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