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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1117867
異議申立番号 異議2003-73164  
総通号数 67 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1996-03-19 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-24 
確定日 2005-03-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3419910号「早炊き用の米の調製方法」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3419910号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3419910号の請求項1ないし3に係る発明についての出願は、平成6年9月8日に特願平6-251167号として出願され、平成15年4月18日にその特許の設定登録がなされ、その後、キユーピー株式会社より特許異議申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年10月5日に訂正請求がなされたものである。

II.訂正請求
1.訂正の内容
特許請求の範囲の請求項1の「水洗、水浸漬、水切り、蒸煮、冷却、凍結の各工程で米を順次処理することを特徴とする早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。」を、「水洗、水浸漬、水切り、蒸煮、冷却、凍結の各工程で米を順次処理すること、前記冷却の工程が、ほぐしながら品温20℃程度に冷却する工程であることを特徴とする早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項は、「前記冷却の工程が、ほぐしながら品温20℃程度に冷却する工程であること」という事項を直列的に付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
また、この訂正は新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法120条の4、2項及び同条3項で準用する126条2項及び3項の規定に適合するので、請求のとおり当該訂正を認める。

III.特許異議申立
1.本件請求項1ないし3に係る発明
上記「II.」で示したように、上記訂正は認められるから、本件の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本件発明1ないし3」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】水洗、水浸漬、水切り、蒸煮、冷却、凍結の各工程で米を順次処理すること、前記冷却の工程が、ほぐしながら品温20℃程度に冷却する工程であることを特徴とする早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。
【請求項2】蒸煮工程が蒸気で一定の水分、α化度に蒸す工程である請求項1の早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。
【請求項3】一定の水分、α化度が水分30〜40%、α化度80〜95%である請求項1または2の早炊き用バラ状凍結米の調製方法。」

2.引用例
当審で通知した取消理由で引用した引用例1(特公平6-24474号公報)には、(a)「洗浄した白米を20℃程度の水に約30分間浸漬してから水切りし、更に蒸気で蒸して米澱粉をアルファー化する過程で白米中に水分を含ませてから約80℃に空冷し、約80℃から25℃程度に急速に真空冷却をなした後、0℃〜3℃位の低温かつ無菌の状態で約1日間熟成して、一度米澱粉をアルファー化した白米をこれの表面を粘り気のない固化層にし、これをほぐして単粒化してアルファー化処理米とし、これを脱酸素状態に包装したことを特徴とする貯蔵飯の製造法。」(特許請求の範囲の請求項1)、(b)「又、(2)の製造法は、「澱粉を充分にα-化させる様に炊飯した米飯を、熱いうちにほぐして冷却し、・・・」(2頁3欄8〜9行)、(c)「従来例の(1),(2),(3),(4)は、いずれも、いったん米を完全に炊飯、すなわち、水分を60〜65重量%にしたあと、常温にて放置し風を送って米飯の表面水分を除き、凍結したあと1〜10℃の低温に保存するか、あるいは上述の低温にて放置したあと、凍結保存して炊きたての米飯の組織の脱水、収縮、亀裂、硬化等を抑制するものである。しかしながら、これら従来例は、米を完全に炊飯するものであるから、元の米の容量、重量の2.1〜2.3倍程度になりボリュームが増え、更に炊飯したものを凍結するものであるから、そのための冷凍設備も必要であり、冷凍設備の運転は法定の資格者が必要となる等設備コスト、運転コストが大がかりとなる。」(2頁3欄25〜36行)、(d)「その結果、水に白米を浸漬して白米に一定量の水を吸収させてから水切し、そのあと白米を蒸すと、その米澱粉はベータ状態から人間が消化できるアルファー化するが、その過程では水分がおいしいごはんであるといわれる水分60〜65重量%にならず、その白米を急速に冷却して低温にて1〜2日程度放置し、一定期間保管したものに水を加えて加熱し、白米に水を吸収させておいしいごはんであるといわれる上記水分量にすると、蒸らしがいらず、しかも炊き上がりのごはんと同じような味のごはんを得ることを知見し、本発明を完成させるに至った。」(2頁3欄末行〜4欄10行)、(e)「・・・ほぐして単粒化する。このようにしてほぐされた製品は、そのまま炊飯用として使用することができる。この製品米は、通常の粳米の水分値が13〜15重量%であるのに対して、36重量%程度の水分値が得られる。」(3頁5欄38〜42行)、及び(f)「ア、生の白米を一度アルファー化し、そのアルファー化した白米の表面を粘り気のない固化層(ベーター化状)にするように構成してあるので、短時間でしかも弱い火力でもって釜めし等所望のご飯を炊き上げることができる。又、従来のように炊飯の量に関係することなく、しかも「むらし」を必要としない利点もある。」(3頁6欄33〜38行)と記載されている。
同じく取消理由で引用した引用例2(特開平3-53856号公報)には、包装早炊米の製造方法に関し「本発明の包装早炊米の加熱処理とは、米の澱粉を加熱によりα化状態に変化する処理であるが、α化した澱粉は、経時的に変化するので、100%がα化している状態を言っているのではない。」(2頁左下欄19行〜右下欄2行)と記載されている。

3.当審の判断
(1)本件発明1について
本件発明1と引用例1の、特に摘示事項(a)の発明とを対比すると、上記摘示事項(f)の記載に照らし、引用例1のものも「早炊き用」に係るものであるから、両者は、「水洗、水浸漬、水切り、蒸煮、冷却の各工程で米を順次処理する早炊き用のバラ状米の調製方法。」で一致し、(A)冷却の工程が、前者では「ほぐしながら品温20℃程度に冷却する工程」であるのに対し、後者では「約80℃に空冷し、約80℃から25℃程度に急速に真空冷却をなす工程」である点、及び(B)前者では「凍結」の工程を有するのに対し、後者では「凍結」の工程を有していない点で相違する。
相違点(A)について
上記摘示事項(b)に従来例として示されているように、炊飯後、ほぐしながら冷却することは従来から普通に行われていることであり、また、「品温20℃程度」もいわゆる常温の範囲であるから、冷却の工程として「ほぐしながら品温20℃程度に冷却する工程」を採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。
相違点(B)について
上記摘示事項(c)に従来例として示されているように、冷却した炊飯米を凍結して長期保存できるようにすることは、本件出願前に既によく知られていた技術である。
したがって、引用例1に係る調製方法の冷却後に、凍結工程を付加することは、当業者にとって格別困難であるとはいえない。
また、本件発明1に係る効果は、引用例1に記載された事項から予測されるところを超えて優れているとはいえない。
したがって、本件発明1は、引用例1に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたといえる。
なお、特許権者は、平成16年10月5日付特許異議意見書において、「引用例1記載の発明は、『簡単な操作にて炊き上がりのごはんと同様な味を得ることができるものでありながら、冷凍設備や保冷設備を必要とせず、しかも保管のためのスペースを小さくすることができて、大量生産や企業化をしやすい貯蔵飯の製造法を提供することを課題』(第3欄40〜45行)とし、特許請求の範囲記載の構成を採用するものである。」(3頁下7〜3行)と指摘した上で、「引用例1の4段階で行う冷却工程は、その後に凍結工程にもって行くことを積極的に排除する、上記課題を解決するための「最終工程」であり、凍結工程を後に続けることは当業者であればむしろ阻害要件と言うべきであり、容易に想到しうることではない。」(4頁4〜7行)と主張している。
しかし、引用例1の上記摘示事項(c)には、「凍結」することの問題点として、「そのための冷凍設備も必要であり、冷凍設備の運転は法定の資格者が必要となる等設備コスト、運転コストが大がかりとなる。」と記載されているところ、これは単に経済的な理由にすぎず、コスト削減等を図ることにより解消されるべきものであって、冷却工程の後に凍結工程を設けることが技術的に不可能であると言っているのではない。したがって、上記理由は、冷却工程の後に凍結工程を設けることの阻害要因とはならず、上記特許権者の主張は採用できない。

(2)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の蒸煮工程を「蒸気で一定の水分、α化度に蒸す工程」と限定するものであるところ、蒸煮とは蒸気で蒸すことであることは明らかであり、しかも、蒸煮する際に一定の水分やα化度にすることは、当業者が当然考慮することであるから、上記限定に格別の技術的意義を認めることはできない。
そうすると、本件発明2は、本件発明1で検討したのと同じ理由により、引用例1に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたといえる。

(3)本件発明3について
本件発明3は、本件発明1又は2に係る凍結米の水分を30〜40%、及びα化度を80〜95%に限定したものであるところ、引用例1に係る摘示事項(e)には、引用例1に係る製品米は、36重量%程度の水分値である旨記載されており、本件発明3に係る水分量と重複している。
また、早炊米は再度加熱処理して食するものであり、再度の加熱処理によってもα化が進行するから、早炊米の製造において、完全にα化する必要がないことは当業者が容易に予想できること、及び引用例2の「本発明の包装早炊米の加熱処理とは、米の澱粉を加熱によりα化状態に変化する処理であるが、α化した澱粉は、経時的に変化するので、100%がα化している状態を言っているのではない。」との記載は、早炊き米の製造においては、100%までα化する必要はないことを教示するものであることを併せ考えると、α化度を80〜95%の範囲に設定することは、当業者にとって格別困難なことではない。
そして、本件発明3に係る効果は、刊行物1及び2に記載の事項から予測されるところを超えて優れているとはいえない。
してみれば、本件発明3は、刊行物1及び2に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたといえる。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件発明1ないし3に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件発明1ないし3に係る特許は、特許法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
早炊き用の米の調製方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 水洗、水浸漬、水切り、蒸煮、冷却、凍結の各工程で米を順次処理すること、前記冷却の工程が、ほぐしながら品温20℃程度に冷却する工程であることを特徴とする早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。
【請求項2】 蒸煮工程が蒸気で一定の水分、α化度に蒸す工程である請求項1の早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。
【請求項3】 一定の水分、α化度が水分30〜40%、α化度80〜95%である請求項1または2の早炊き用のバラ状凍結米の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は早炊き用の米の調製方法に関する。詳細には、本発明は、炊飯器を用いた家庭、給食施設における炊飯時間を1/3程度短縮でき、冷凍により長期保存が可能で、米の種類を問わず一定の炊飯処理で米飯が得られる、早炊き用の冷凍米の製造方法に関するものである。また、本発明は、凍結処理に際し凍結時間および解凍時間が短く、氷結晶の増長による米の破壊がないため破砕米を生じず、凍結中の米の品質劣化も起こらず、炊き込みご飯に適用する場合は、具材の劣化も少なく、かつ炊き込みご飯を製造する際の利用者の手間を省略できる、早炊き用米の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、米を主原料とする多種の加工食品が製造、販売されており、その代表的なものとして、冷凍ピラフ、レトルトライスなどが挙げられる。これらのものは、炊飯→ほぐし→袋詰め→乾燥、凍結、レトルト処理などの方法で製造される。しかしながら、この様な加工米飯は、米どうしが付着して塊を生じるブロッキング状態になり易く、水分が多いため保存中の米粒の劣化が生じるなどの欠点がある。また、最終的には、電子レンジ、湯煎等の加熱方法で温めて食するが、ブロッキング状態にある米をバラバラにほぐして加熱するとしても、破砕米が多く、米の澱粉の老化も進んでいて、食味、食感が低下し、炊飯によって得られる炊きたての美味しさは再現できない。
【0003】
このような問題点を解決する手段として、特開昭62-186755号には、生米を洗米、浸漬した後、沸騰水中で煮沸した後冷却し、加工米飯を得る方法が開示されているが、煮沸により米のうま味成分が流出して、本来の米のおいしさが損なわれる。また、この煮沸米を凍結する場合、こめ表面に水分が多いため米どうしが付着してブロッキングを起こし、解凍に時間が懸かり、破砕米が多くなるなどの欠点がある。同様に、特開平1-256355号には、生米を洗米、浸漬した後、熱水中で1〜3分間煮沸し、冷却後水と共に凍結する方法が開示されているが、上記出願の方法より処理時間は短いものの、煮沸によるうま味成分の流出、凍結時のブロッキング現象、米の破砕は避けられない。また、これらの方法で得られた加工米飯は、電子レンジ等で温めて食するものであり、炊きたての美味しさは望めない、
【0004】
また、特開平6-153826号には、生米を洗米、浸漬した後脱水し、マイクロ波で加熱し70〜80%α化処理し、冷却、冷凍する方法が開示されている。しかし、マイクロ波による加熱では、均一なα化が難しい。さらに、80%以上のα化を行うためには、マイクロ波の照射時間が長くなり、凍結後破砕米が多く生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、家庭または給食施設における米の炊飯時間を短縮し、炊き込みご飯やピラフにも適用でき、冷凍時の米の破砕などの品質低下が起こらず、米本来のうま味が保持されており、しかも利用者が一定の加水により簡便に短時間で炊飯できる冷凍米を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点は、米を水洗し、水浸漬後水切りし、高温で一定の水分、α化度に蒸した後、ほぐし、冷却し、一定の水分を保持した状態で凍結することによって解決される。すなわち、本発明は、炊飯用の米に対して特定の処理を工場で行うことにより、長期の冷凍保存が可能で、かつ、普通に炊飯したときに、早く炊けてかつ米本来のうま味が保持されている状態で、米を消費者に提供するものである。したがって、本発明は水洗、水浸漬、水切り、蒸煮、冷却、凍結の各工程で米を順次処理することを特徴とする早炊き用の米の調製方法である。
【0007】
水洗工程では、精米された米を常法により洗米する。洗米が終了すると、次いで常法により水浸漬、水切りした後、高温蒸煮工程を行う。高温蒸煮工程において、米の水分が30〜40%、α化度が80〜95%となるように蒸気で蒸す。この水分、α化度を得る手段としては蒸煮処理でなければならず、煮沸、マイクロ波などのその他の加熱処理では目的とする性状とはならない。
【0008】
高温蒸煮工程の手段は特に限定されない。処理量が少ない場合はバッチ式の蒸し器、多い場合は連続蒸煮装置などを使用できる。この蒸煮工程により、米の内部が80〜95%がα化され、米の形状には変化が起きず、表面はしっかりしていてなめらかである。
【0009】
高温蒸煮工程終了後、米を冷却する。このとき、ほぐしながら冷却するのが好ましいが、蒸煮工程によるα化により、水分は米の内部に吸収され、米表面は水分が少なくさらさらした状態であるため、ほぐし手段は簡単なものでよい。冷却方法は特に限定するものではなく、冷風、冷蔵庫等で品温が20℃程度まで低下するように行えばよい。保存、輸送、販売などを考慮して、ほぐした米を討量して適当な量に分け、容器に収容した後、速やかに凍結処理を行う。最終製品が炊き込みご飯、ピラフ等である場合、所定の容器に収容する際に、必要量の具材、調味料を添加すればよい。その後、同様に凍結処理を行う。
【0010】
凍結処理は、特に限定されるものではないが、急速に15℃以下に凍結されるよう行うことが望ましい。米表面の水分が少ない状態で凍結するため、ブロッキングが起こらずバラ状に凍結され、また、氷結晶の増長による米の破壊が生じない。また、具材を添加している場合には、具材への水分移行も少ないため、品質劣化もほとんど起こらない。
【0011】
本願の処理により製造された冷凍米は、利用者が喫食時に、解凍後もしくは凍結状態のまま炊飯器に投入し、必要量の水もしくは調味液を添加して炊飯する。凍結状態の米は、米どうしの付着がなくバラ状態であるため、凍結状態のまま炊飯を開始しても、炊飯器中で直ちに解凍され、米飯の品質には問題ない。また、長期間冷凍保存しても、米の品質劣化が生じない。
【0012】
米のα化度が80〜95%に処理されているため、炊飯時間は通常約60分かかるところ40分程度で炊きあがり、1/3程度短縮される。また、外米、特にタイ米は国産米と比べてアミロース含量が多いため粘りが少なく、細胞壁が堅いため吸水しにくいなどの特徴があり、これをおいしく炊くためには、浸漬時間や炊飯時の加水量の調整が難しい。このような調整を行わないと、炊きあがりに芯が残ったり、均一な品質の炊飯米を得られないなどの欠点がある。タイ米以外の外国米でも、やはり通常の国産米での炊飯と違い、浸漬時間、水加減などの調整が多少は必要である。しかし、本発明の方法により水分、α化度を所定の範囲に処理すれば、炊飯の難しい外国米であっても国産米と同様の炊飯処理で簡単に短時間で、食味、食感、外観に優れた炊飯米が得られる。タイ米については、無処理で炊飯したものより、優れた品質の炊飯米が得られる。
【0013】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0014】
実施例1
米(カリフォルニア米)1000gを水洗し、水1500gに90分浸漬したのち、水切りをした。その後、バットに布を張り、米を入れて蒸し器に入れ2分(試験例)、10分、30分、60分間蒸した。
蒸し終了後、10分間ほぐしながら20℃まで冷却し、一定の水分となった処理米を-18℃のフリーザーで、急速凍結した。
【0015】
比較例1
実施例1と同様に水洗、浸漬、水切り後、沸騰水に入れ6分間煮沸した。その後水切りし、10分間ほぐしながら冷却し凍結した。
【0016】
試験例、実施例1、比較例1の蒸し、煮沸処理直後の水分、α化度、解凍後の外観を表1に示す。α化度は、ジアスターゼ法で測定した。
【0017】
【表1】

【0018】
実施例2
実施例1(試験例を含む)および比較例1と同様の方法で冷却処理までを行った後、それぞれ調理した具材を加え凍結した。解凍後、醤油および味醂を添加した水を加え(米および具材の全重量:水重量=1:0.6)、炊飯器で炊飯した。
配合 処理米 340g
鶏そぼろ 150g
野菜炒め 10g
炊飯後の官能検査を表2に示す。
官能検査は、10名の専門パネラーにより、次の4段階の評価を行った。
評価:◎非常に良好、○良好、△少し悪い、×悪い
【0019】
【表2】

【0020】
実施例3
日本米(コシヒカリ)と外国米(カリフォルニア米、中国米、タイ米)それぞれ米1000gを水洗し、水1500gに90分浸漬したのち、水切りをした。その後、バットに布を張り、米を入れて蒸し器に入れ、30分間蒸した。
蒸し終了後、10分間ほぐしながら冷却した。冷却したα化米340gを取り、鶏そぼろ150g、野菜炒め10gを入れて袋詰めし凍結した。
その後、凍結状態のまま醤油、味醂を添加した水を加え(米および具材の全重量:水重量=1:0.6)、炊飯器で炊飯した。
【0021】
比較例3
無処理の日本米(コシヒカリ)340gを水浸潰後、水切りし、実施例3と同量の具を加え、調味料を適宜添加した水を加え(米:水=1:1.3)炊飯器により炊飯した。
【0022】
比較例4
無処理のタイ米340gを水浸漬後、水切りし、実施例3と同量の具を加え、醤油、味醂を添加した水を加え(米および具材の全重量:水重量=1:1.5)炊飯器により炊飯した。
【0023】
実施例3、比較例3についてそれぞれ官能検査を行い、また炊飯時間を比較した。水分、α化度については、実施例3において蒸煮処理終了後の米の水分、α化度を測定した。
官能検査は、専門パネラー10名によりおこなった。
比較例3の無処理の日本米(コシヒカリ)炊飯米をコントロールとし、硬さ、食味、食感、外観、臭いの5項目について、それぞれコントロールと同等もしくはそれ以上の場合2点、少し劣る場合は1点、非常に劣る場合は0点とし、10名の点数を加算した。(最高100点)
【0024】
【表3】

【0025】
本発明の方法で処理した冷凍米は、炊飯後、カリフォルニア米、中国米ともに、日本米(コシヒカリ)と同等の良好な品質のものが得られ、また冷凍せずに常法により炊飯した日本米(コシヒカリ)と比較しても遜色のない炊飯米が得られた。
また、タイ米に関しては、通常の炊飯では粘りがなく、米飯としての評価が良くないものであったが、本発明の処理により品質良好の炊飯米が得られた。
【0026】
【発明の効果】
炊飯時間が1/3程度短縮できる、長期保存が可能で、米の種類を問わず一定の炊飯時間で米飯が得られ、炊き込みご飯、ピラフ等に適用すれば、炊き込みご飯等製造時の手間が省略できる、早炊き用の冷凍米を提供できる。また、凍結処理の際には、氷結晶の増長による米の破砕や、ブロッキングが起こらず、凍結、解凍の時間も短時間で済み、さらに通常炊飯処理の異なる外国米であっても、国産米と同様の炊飯処理で簡単に短時間で食味、食感、外観に優れた早炊き用米を提供することができる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-01-17 
出願番号 特願平6-251167
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A23L)
最終処分 取消  
前審関与審査官 北村 弘樹  
特許庁審判長 田中 久直
特許庁審判官 河野 直樹
柿沢 恵子
登録日 2003-04-18 
登録番号 特許第3419910号(P3419910)
権利者 昭和産業株式会社
発明の名称 早炊き用の米の調製方法  
代理人 須藤 阿佐子  
代理人 須藤 晃伸  
代理人 田治米 惠子  
代理人 須藤 阿佐子  
代理人 須藤 晃伸  
代理人 田治米 登  
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