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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) A01C
管理番号 1118556
審判番号 無効2003-35231  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1990-11-07 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-06-03 
確定日 2005-03-31 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2124469号発明「苗自動移植方法及び苗自動移植機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第2124469号の請求項1ないし9に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2124469号の請求項1ないし9に係る発明についての出願は、平成1年4月13日に特許出願され、平成8年12月20日にその発明について特許権の設定登録がなされた後、その特許について、平成15年6月3日に本件無効審判が請求され、被請求人から答弁書と共に訂正請求書が提出され(後に取り下げ)、請求人から弁駁書が提出され、平成16年6月16日付けで無効理由を通知したところ、指定期間内である平成16年8月12日に審判事件意見書と訂正請求書が提出され、これに対し請求人から回答書が提出されたものである。

2.請求人の主張等
(1)請求人の主張
請求人は、下記の証拠方法を提示し、本件特許第2124469号の請求項1ないし9に係る発明は、甲第1ないし3号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の各発明の特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、特許法123条1項2号に該当し無効とすべきものである旨主張する。

甲第1号証:特公昭53-13529号公報
甲第2号証:特開昭57-155906号公報
甲第3号証:特開昭61-191000号公報
参考資料1:実公昭53-23645号公報
(2)無効理由通知の概要
本件の請求項1ないし9に係る発明は、特開昭47-38425号公報、特開昭57-155906号公報及び特開昭61-191000号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

3.被請求人の主張
(1)「第1に、移植用苗の仕分けについてみると、本件請求項1〜4の各発明においては、左右交互に軸回動自在な振分け部体により順次左右交互に連続的に振り分けるのに対し、引用刊行物1の発明においては、ガイド11中を左右に交互に走行する移送爪13により左右に間欠的に移送するものであって、両者は、移植用苗の仕分け方法を全く異にする。
第2に、移植用苗の二つの苗植付装置への供給についてみると、本件請求項1〜4の各発明においては、振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給するのに対し、引用刊行物1の発明においては、上記移送により、左右のポケットホイール6,6のポケット5上に交互に間欠供給するものであって、両者は、移植用苗の二つの苗植付装置への供給の方法についても全く異なる。」(平成16年8月12日付け審判事件意見書3頁13〜24行)
(2)「引用刊行物2の発明は、育苗容器で育苗した苗を移植機で移植するに当たり、光電スイッチAによって、葉部を有する良苗であるか葉部を有しない不良苗であるかを判別し、不良苗のみを苗選別ガイド68により系外に排除し、良苗については全て苗供給コンベアー上に集め苗植付機構に供給するもので、その良苗をさらに仕分けするというようなことがない。すなわち、上記苗選別ガイド68は、本件請求項1〜4の各発明の上記振分け部体とは相違し、移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分けるようなことはしない。」(同審判事件意見書3頁25行〜4頁3行)

4.訂正請求について
4-1.訂正の内容
被請求人が求めている訂正の内容は、次のとおりである(下線部分が訂正個所である)。
(1)訂正事項a
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「1 移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた移植用苗を、運搬中に検知手段で検知して振分け部体を制御し、その振分け部体により二つの苗植付装置に振り分けて供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」を、
「1. 移植用苗を苗受入装置から苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互二軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」と訂正する。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「2 移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた移植用苗を、その苗受入装置から振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して該振分け部体を制御し、その振分け部体により二つの苗植付装置に振り分けて供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」を、
「2. 移植用苗を苗受入装置から苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その苗受入装置から左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「3 移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた移植用苗を、その苗転送装置で運搬中に検知手段で検知して振分け部体を制御し、その振分け部体により二つの苗植付装置に振り分けて供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」を、
「3. 移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置で運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「4 移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた移植用苗を、一つの苗転送装置において振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して振分け部体を制御し、その振分け部体により二つの苗植付装置に振り分けて供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」を、
「4. 移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置において左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。」と訂正する。
(5)訂正事項e
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「5 苗受入装置と苗植付装置とを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者が送出した移植用苗を後者に振り分け供給する振分け部体を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。」を、
「5. 重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置苗と受入装置とを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。」と訂正する。
(6)訂正事項f
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「6 苗受入装置、苗転送装置及び苗植付装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者が送出した移植用苗を後者に振り分け供給する振分け部体を内装した一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。」を、
「6. 重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を内装した一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。」と訂正する。
(7)訂正事項g
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「7 苗受入装置、苗転送装置及び苗植付装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、上記苗受入装置から送出された移植用苗を振り分ける振分け部体を有する振分け転送機構部、その振り分けられた移植用苗を分岐誘導する二つの分岐転送機構部、及びその分岐誘導された移植用苗を上記二つの苗植付装置に各別に供給する二つの供給転送機構部とからなる一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。」を、
「7. 重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、左右交互の軸回動により左右交互に連続的に振り分ける振分け部体を有する振分け転送機構部、その振り分けられた移植用苗を分岐誘導する二つの分岐転送機構部、及びその分岐誘導された移植用苗を上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する二つの供給転送機構部とからなる一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。」と訂正する。
(8)訂正事項h
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「8 苗受入装置から振分け部体に向かつて運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体を制御する検知手段を備えてなることを特徴とする請求項5,6または7記載の苗自動移植機。」を、
「8. 苗受入装置から左右交互の軸回動自在な振分け部体に向かって運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を備えてなることを特徴とする請求項5,6または7記載の苗自動移植機。」と訂正する。
(9)訂正事項i
特許明細書の特許請求の範囲に記載された「9 苗転送装置の移植用苗運搬路が、ベルトを対向させてなる苗挟持運搬路であることを特徴とする請求項6,7または8記載の苗自動移植機。」を、
「9. 苗転送装置の移植用苗運搬路が、突起付きのベルトを対向させてなる苗挟持運搬路であることを特徴とする請求項6,7または8記載の苗自動移植機。」と訂正する。
(10)訂正事項j
特許明細書の5頁16行〜8頁16行(公告公報4欄14行〜5欄29行)の記載を、
「(1)特許請求の範囲1.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、その運搬中に検知手段D〜D″で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″の該軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けるものである。
(2)特許請求の範囲2.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、その苗受入装置Bから左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″に向かう運搬中に検知手段D〜D″で検知して、該振分け部体E〜E″の上記軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けるものである。
(3)特許請求の範囲3.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗転送装置Cを介して苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、一つの苗転送装置Cで運搬中に検知手段D〜D″で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″の該軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けるものである。
(4)特許請求の範囲4.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗転送装置Cを介して苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、一つの苗転送装置Cにおいて左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″に向かう運搬中に検知手段D〜D″で検知して、該振分け部体E〜E″の上記軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けものである。
(5)特許請求の範囲5.に記載の本発明苗自動移植機は、重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置A1,A2と苗受入装置Bとを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置Bに二つの苗植付装置A1,A2を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置Bと二つの苗植付装置A1,A2との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗Pを、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給する左右交互の軸回動自在な振分け部体E〜E″を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互に軸回動を制御する検知手段D〜D″を設けてなる。
(6)特許請求の範囲6.に記載の本発明苗自動移植機は、重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置A1,A2と苗受入装置B及び苗転送装置Cを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置Bに、二つの苗植付装置A1,A2を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置Bと二つの苗植付装置A1,A2との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所の間隔で送出した移植用苗Pを、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″を内装した一つの苗転送装置Cを設置し、かつ、運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動を制御する検知手段D〜D″を設けてなる。
(7)特許請求の範囲7.に記載の本発明苗自動移植機は、重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置苗A1,A2と苗受入装置B及び苗転送装置Cを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置Bに、二つの苗植付装置A1,A2を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置Bと二つの苗植付装置A1,A2との間に、上記一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、左右交互の軸回動により左右交互に連続的に振り分ける振分け部体E〜E″を有する振分け転送機構部a、その振り分けられた移植用苗Pを分岐誘導する二つの分岐転送機構部b,b′、及びその分岐誘導された移植用苗Pを上記二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給する二つの供給転送機構部c,c′とからなる一つの苗転送装置Cを設置し、かつ、運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動を制御する検知手段D〜D″を設けてなる。
(8)特許請求の範囲8.に記載の本発明は、苗受入装置Bから左右交互の軸回動自在な振分け部体E〜E″に向かって運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動を制御する検知手段D〜D″を備えてなる請求項5,6または7記載の苗自動移植機である。
(9)特許請求の範囲9.に記載の本発明は、苗転送装置Cの移植用苗運搬路が、突起付きのベルト20〜25を対向させてなる苗挟持運搬路であることを特徴とする請求項6,7または8記載の苗自動移植機である。 なお、上記検知手段D〜D″による振分け手段E〜E″の制御は、電磁クラッチ46,46′、モータ103、ソレノイド109等適宜のものを介して行うものである。」と訂正する。

4-2.訂正の適否
(1)上記訂正事項aないしdについて
上記訂正事項aないしdは特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記訂正事項aないしdにおける「苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し」については、特許明細書に、「左右の苗植付装置で、例えば、重合した一対のゴム製回転円板の上周において、その開口部に受け取つた移植用苗を回転にともない閉成挟持して運搬し」(本件公告公報3頁右欄2〜5行)と記載されており、
また、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互二軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、」については、特許明細書に、「上記振分け転送機構部aは、上段左ベルト20のローラ26,27間の垂直走行部分と上段右ベルト21のローラ29,30間の垂直走行部分とで、苗受入装置Bが密接状態のまま運搬し送出端から突出させた移植用苗Pを、後続のものから分離し、かつ所定の間隔で下方に向けて運搬する苗挟持中央垂直運搬路と、該運搬路中の移植用苗Pを検知する検知手段Dと、該運搬路の下方空処に装架した振分け部体Eとからなり、検知手段Dによる移植用苗Pの検知に基づき振分け部体Eが交互に左あるいは右に回動すべく制御され、該振分け部体Eに到達した移植用苗Pを左右に振り分けるものである。」(本件公告公報4頁左欄26〜38行)と記載されており、
さらに、「その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し」については、特許明細書に、「A1,A2は互いに隣り合う2本の畝溝に移植用苗を植え付ける左右の苗植付装置で、例えば、重合した一対のゴム製回転円板の上周において、その開口部に受け取つた移植用苗を回転にともない閉成挟持して運搬し、それを下周で畝溝に放出する構成のもので、本移植機の駆動輪(図示していない)に連動して回転する公知の型のものである。」(本件公告公報3頁右欄1〜8行)と記載されている。
したがって、上記訂正事項aないしdによる訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)上記訂正事項eないしgについて
上記訂正事項eないしgは特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記訂正事項eないしgにおける「重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置苗」については、特許明細書に、「左右の苗植付装置で、例えば、重合した一対のゴム製回転円板の上周において、その開口部に受け取つた移植用苗を回転にともない閉成挟持して運搬し」(本件公告公報3頁右欄2〜5行)と記載されており、
また、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け」については、特許明細書に、「上記振分け転送機構部aは、上段左ベルト20のローラ26,27間の垂直走行部分と上段右ベルト21のローラ29,30間の垂直走行部分とで、苗受入装置Bが密接状態のまま運搬し送出端から突出させた移植用苗Pを、後続のものから分離し、かつ所定の間隔で下方に向けて運搬する苗挟持中央垂直運搬路と、該運搬路中の移植用苗Pを検知する検知手段Dと、該運搬路の下方空処に装架した振分け部体Eとからなり、検知手段Dによる移植用苗Pの検知に基づき振分け部体Eが交互に左あるいは右に回動すべく制御され、該振分け部体Eに到達した移植用苗Pを左右に振り分けるものである。」(本件公告公報4頁左欄26〜38行)と記載されており、
さらに、「二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなる」については、特許明細書に、「所定の間隔で下方に向けて運搬する苗挟持中央垂直運搬路と、該運搬路中の移植用苗Pを検知する検知手段Dと、該運搬路の下方空処に装架した振分け部体Eとからなり、検知手段Dによる移植用苗Pの検知に基づき振分け部体Eが交互に左あるいは右に回動すべく制御され、該振分け部体Eに到達した移植用苗Pを左右に振り分けるものである。」(本件公告公報4頁左欄31〜38行)、「左右の苗植付装置で、例えば、重合した一対のゴム製回転円板の上周において、その開口部に受け取つた移植用苗を回転にともない閉成挟持して運搬し、それを下周で畝溝に放出する」(本件公告公報3頁右欄2〜6行)と記載されている。
したがって、上記訂正事項eないしgによる訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項hについて
上記訂正事項hは、特許請求の範囲の記載において、「振分け部体」が「左右交互の軸回動自在な」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項iについて
上記訂正事項iは、特許請求の範囲の記載において、「ベルト」が「突起付きの」ものに限定するから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、「突起付きのベルト」については、特許明細書に、「上記各ベルトは突起付きのゴム製ベルトである。」(本件公告公報3頁右欄42〜43行)と記載されているから、訂正事項iによる訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)上記訂正事項jについて
上記訂正事項jは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載を整合させるための訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

4-3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成6年改正前特許法第134条第2項ただし書に適合し、平成15年改正前特許法第134条第5項において準用する平成6年改正前第126条第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

5.無効理由について
5-1.本件特許発明
上記「4.訂正請求について」に示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1ないし9に係る発明(以下、「請求項1の発明」・・・「請求項9の発明」という。)は、平成16年8月12日付けの訂正請求書に添付した訂正明細書における特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載からみて次のとおりのものであると認める。
「1.移植用苗を苗受入装置から苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
2.移植用苗を苗受入装置から苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その苗受入装置から左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
3.移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置で運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
4.移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置において左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
5.重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と受入装置とを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。
6.重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を内装した一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。
7.重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、左右交互の軸回動により左右交互に連続的に振り分ける振分け部体を有する振分け転送機構部、その振り分けられた移植用苗を分岐誘導する二つの分岐転送機構部、及びその分岐誘導された移植用苗を上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する二つの供給転送機構部とからなる一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。
8.苗受入装置から左右交互の軸回動自在な振分け部体に向かって運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を備えてなることを特徴とする請求項5,6または7記載の苗自動移植機。
9.苗転送装置の移植用苗運搬路が、突起付きのベルトを対向させてなる苗挟持運搬路であることを特徴とする請求項6,7または8記載の苗自動移植機。」
なお、請求項1の発明の「左右交互二軸回動自在な」は「左右交互に軸回動自在な」の明らかな誤記であり、また、請求項4の「重合した 一対の」、「植え付け ていく」、「複数本の 密接状態」、「移植 用苗を」及び「振分け部体に 向かう」は、「重合した一対の」、「植え付けていく」、「複数本の密接状態」、「移植用苗を」及び「振分け部体に向かう」の明らかな誤記であり、さらに、請求項5の発明の「苗植付装置苗」は「苗植付装置」の明らかな誤記であるから、請求項1、4及び5の発明を上記のように認定した。

5-2.引用文献等記載の発明
(1)無効理由で引用した特開昭47-38425号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。
(1-a)「苗を回転に伴い挟持して溝中に植立するポケットホイールを左右に備え、それらの前後に夫々開溝器、閉溝器を設け全体が自走し又は牽引車或は被牽引車に連結されて進行する移植機に於て、左、右のポケットホイールの所定位置のポケットに渉り苗を移送するに適した上下間隙が保てる上下枠によるガイドを設け、その略中央部に開口部を設け此の開口部とポケットの間をガイド中に移送爪を有する移送体を設置して間欠的に左右交互に運動させる事を特徴とした苗移植機。」(特許請求の範囲)、
(1-b)「本発明は苗を回転に伴いポケット爪で挟持しポケットホイールの下端位置に相当して解放して順次挿苗して行く苗移植機に於ける左、右のポケットホイールの所定のポケットの位置に、苗を左右交互に自動的に移送、供給さす事を目的としたもので、」(1頁左下欄15〜20行)、
(1-c)「機体(1)の前部上に座席(2)を設け、機体(1)の中央部の左右には、夫々内側面の周囲に弾性によつて開閉自在となり且つ機体(1)に設けた固定ガイド(3)に沿うて閉合するポケット爪(4)によるポケット(5)を設けたポケットホイール(6)(6)を回転軸(7)で軸支し、該回転軸に伝動装置筺(8)中の一つの伝動軸より適宜の回転を与えるようにし、左右のポケットホイール(6)(6)に位置して左右の所定位置のポケットに渉り苗を移送するに適した間隙(9)が保てる調整可能な上、下枠(10)(10)′によるガイド(11)を設置し、その略中央部に開口部(12)を設け、此の開口部(12)と一側方のポケット(5)との間に於けるガイド(11)中に移送爪(13)を設けた移送体(14)を設置し之れを移動装置(15)例えばチエーン(15)′に連結し該移送体を時計方向と反時計方向に交互に間欠回転伝動する様にしたスプロケツト軸(16)とガイドスプロケツト(17)(17)′によつてチエーン(15)′を介し間欠的に左又は右に移送連動さすようにしたもので、上記ガイド(11)の形状は第5図の(A)(B)に示す様な左右直線型或は凸弧状の何れでも可能である。又左右直線型のガイド(11)の場合はガイド中の移送体(14)を並行四辺形型リンク運動機構で連結し左、右往復運動させる事が容易である。」(1頁右下欄2行〜2頁左上欄4行)、
(1-d)「本発明は叙上の様な構成で、・・・座席(2)に搭乗した作業者の手から苗(ロ)をガイド(11)の開口部(12)に投入するか或は適宜の装置で順次所定速度で送り込むと、該苗は移送体(14)が・・・左、右に間欠的に移動させられているから、上記開口部(12)に投入された苗(ロ)は・・・移送爪(13)で開口部(12)とポケット(5)との間をガイド(11)を経て左又は右に交互に移送せられ、左、右のポケットホイール(6)(6)の開放状態にある夫々のポケット(5)上に順次交互に乗せられ、此の苗(ロ)は・・・ガイド部(3)の末端から解放されて溝(イ)中に植立され、・・・行くものである。」(2頁左上欄6行〜右上欄6行)、
(1-e)「移送体の左、右交互の間欠的な運動によって苗を左右に振り分け、適確に且つ円滑に左、右のポケットホイールに給送でき」(2頁右上欄12〜15行)。
上記記載及び図面の記載によると、引用文献1には、
座席(2)に搭乗した作業者の手から苗(ロ)をガイド(11)の開口部(12)に投入するか或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んで左、右の苗移植機のポケットホイール(6)(6)に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの開口部(12)に受入れさせた苗(ロ)を、左、右に間欠的に移動させられている、移送体(14)の移送爪(13)により左、右のポケットホイール(6)(6)のポケット(5)に振り分けて供給し、此の苗(ロ)をガイド部(3)の末端から解放して溝(イ)中に植立させる苗自動移植方法(以下、「引用文献1の発明1」と言う。)、及び、
苗を回転に伴い挟持して溝中に植え付けるポケットホイール(6)(6)を左右に備え、それらの前後に夫々開溝器、閉溝器を設けた移植機において、
左、右のポケットホイール(6)(6)のポケット(5)に苗を移送するに適した上下間隙が保てる上下枠によるガイド(11)を設け、その略中央部に開口部(12)を設け、この開口部(12)とポケット(5)の間をガイド(11)中に移送爪(13)を設けた移送体(14)を設置して間欠的に左右交互に運動させ、一つの開口部(12)に受入れさせた苗(ロ)を左、右のポケットホイール(6)(6)のポケット(5)に振り分けて供給する苗移植機(以下、「引用文献1の発明2」と言う。)の発明が記載されていると認められる。

(2)無効理由で引用した特開昭57-155906号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
(2-a)「(1)苗を併列搬送するコンベアー、該コンベアーの末端に設けた苗分離ロール、該苗分離ロールの下方に設けた苗選別用コンベアー、苗選別用コンベアーの下方に設けた苗供給コンベアー、苗供給コンベアーより苗を受取る苗植付機構よりなり、苗選別コンベアーには苗の葉部検出用センサと苗選別具を設け、該センサと苗選別具を連結したことを特徴とする選別装置付移植機。・・・
(3)苗選別コンベアーが一対のベルトでありその下方に苗取出杆を配したことを特徴とする特許請求の範囲第1項の選別装置付移植機。
(4)苗取出杆がロータリーソレノイドで作動することを特徴とする特許請求の範囲第1項の選別装置付移植機。」(特許請求の範囲)、
(2-b)「苗供給機構15は・・・苗Pを運ぶもので、作業者が・・・苗台19より苗をとり、苗搬送コンベアー20の上に苗を併列さす。該コンベアー20・・・の回動端部には苗抑え輪23及び苗分離ロール24を設けてある。・・・苗抑え輪23よりも苗分離ロール24の周速を大きくしてあるので、苗Pは1本1本に分離され一定間隔をおいてコンベアー20の端部より繰出されることになる。」(2頁左下欄2〜18行)、
(2-c)「良い苗Pのみ苗ガイド41に案内されて降下し、貯苗部42に落下する。貯苗部42は・・・苗供給コンベアー48の一辺と副枠16に固定された余剰苗受箱44の側辺で構成せられた空間」(3頁左上欄15〜19行)、
(2-c)「第5図は本発明の別の例を示すもので、分離ロール24により1本1本の苗に分離せられた苗Pは、互に対向し、一対をなす苗選別ベルト60,60′に供給する。選別ベルト60,60′はそれぞれ苗選別コンベアローラ61,62,61′,62′に掛けられており、コンベアローラ62の軸63にはスプロケツト64を設けスプロケツト47の軸47′に固定した伝導スプロケツト49との間にチエン51を張設し連動駆動させ、コンベアローラ62の軸63に固定した歯車64とコンベアローラ62′の軸63′に固定した歯車64′を互に噛み合せ、互に内方向に回転さす。又、軸63′には伝導スプロケツト65を固定し、チエン66を介して苗供給コンベアのプリーの軸21に固定したスプロケツト66との間にチエン67を張設する。従つて、ベルト60はスプロケツト65,66、歯車27,28を介して苗分離ロール24、苗供給コンベアー20と互に連動するが、ベルト60の線速度は苗供給コンベアーの線速度より約2倍程度早くし、苗Pと苗Pの間隔を広げ検出を容易にするようにしてある。又、ベルト60,60′の間の下方位置で苗Pの葉部の通過する位置には光電スイツチA、光電スイツチL1、光電スイツチL2をその順に設け、ベルト60,60′の下方には苗選別ガイド(杆)68を設けてある。苗選別ガイド68はロータリソレノイドにより駆動せられる軸69に固定される。」(3頁左下欄19行〜4頁左上欄5行)、
(2-d)「上記構成において、不良苗Pが送られて来ると苗間隔を拡げて検出を容易にし、第6図を参照して、光電スイッチAは葉を検出しないのでリレーX1は働かない。従ってX1(b)は接続しているので光電スイッチL1(a)により苗が送られて来たことを検出するとリレーX2が働いてX2(a)が自己保持し、・・・電気はX2(a)の回路に流れるのでロータリソレノイドSoが働く。従って苗選別ガイドが落下する苗Pを不良苗箱40方向に誘導する。」(4頁左上欄6〜15行)、
(2-e)「本発明は・・・、苗分離ロールで1本1本に分けられた苗を選別コンベアーで苗間隔を広げ、葉部の検出を容易にし、不良苗のみを系外に排除し、良い苗のみ苗供給コンベアー上に集め苗植付機構に供給して移植するものである。」(4頁右上欄1〜5行)。

(3)無効理由で引用した特開昭61-191000号公報(以下、「引用文献3」という。)には、次の事項が記載されている。
(3-a)「(12)プリント配線基板を表裏判別部に搬送する搬送部と、プリント配線基板の表裏いずれかに施された配線部の有無または配線部のパターンを検知手段を備える表裏判別部と、表裏判別部における判別信号に基づいてプリント配線基板を振り分ける振り分け手段を備える振り分け部とから成るプリント配線基板の表裏判別装置。
(13)前記表裏判別部の検知手段は金属検知センサーまたはイメージセンサーから成る特許請求の範囲第12項記載のプリント配線基板の表裏判別装置。」(特許請求の範囲第12項及び第13項)、
(3-b)「第1図において、1はプリント配線基板Aの搬送部、2は搬送部1の供給台20より供給されるとともに搬送ベルト21により搬送されるプリント配線基板Aの表裏判別部、3はこの表裏判別部2の判別信号に基づいてプリント配線基板Aを、その表側のものと、裏側のものとを左右両側の搬送部30,31に振り分ける振り分け部、」(同公報3頁右下欄15行〜4頁左上欄1行)、
(3-c)「8,9,10,11は振り分け部6,7にて振り分けられそれぞれの搬出部81,82,91,92を介して搬出されるプリント配線基板Aを積め重ねる搬出用積載部を示すものである。
また、前記搬送部1は、多数のプリント配線基板Aを倒立状態にて積載する供給台22と前記搬送ベルト21と協働してプリント配線基板Aを順次表裏判別部2に搬送するガイドローラ23を備えている。」(4頁左上欄13行〜同頁右上欄2行)、
(3-d)「87は搬送ベルト84の左右両側に立設されたガイドベルト88,89を駆動する駆動モーターを示すものである。」(同公報5頁左上欄6〜8行)、
(3-e)「搬送ベルト21上側に供給されたプリント配線基板Aはガイドローラー23およびガイドベルト220,230を介してガイドされつつ表裏判別部2に搬送されるとともに光学センサー26,27による表裏判別部2に存在するプリント配線基板Aの検知信号により、金属検知センサー24,25により、同プリント配線基板Aの表裏に於る配線部を検知する。そして、金属検知センサー24,25の検知信号により、振り分け部3の案内部38を操作部39を介して操作せせめることにより、前記プリント配線基板Aを搬送部30,31のいずれかに振り分ける。」(同公報5頁左下欄19行〜右下欄11行)、
(3-f)「前記において、搬送部30,31に振り分けられたプリント配線基板Aは搬送ベルト83,84により、両側のガイドベルト32,33,34,88,89にてガイドされつつ前後判別部4,5に搬送される」(同公報6頁左上欄16〜20行)。

(4)特開昭58-98008号公報(以下、「参考文献1」という。)には、次の記載が認められる。
(4-a)「作業者により、供給コンベア10の上面に列状に並べられた苗17は、供給コンベア10の終端に向つて移送され、押えローラー11と供給コンベア10の搬送終端上部とに挟持される。・・・
押えローラー11より出てきた苗17は搬送コンベア・長12の始端に突当ると、搬送コンベア・長12の搬送速度は供給コンベア10の搬送速度より通常10〜20倍の搬送速度を持つているので、苗17は搬送コンベア・長12に供給コンベア10の終端部に押し付けられながら急速に搬送コンベア・短13の始端部まで移送される。・・・搬送コンベア・長12により、苗17が分離移送される際、次に分離移送されるべき苗は押えローラー11により充分狭持され、紙筒苗の糊のはがれが悪かつたり、葉がらみ、根がらみがあつても一本ずつに分離移送される事になる。」(2頁右下欄10行〜3頁右上欄2行)、
(4-b)「上記搬送コンベア・長12及び搬送コンベア・短13の表面にはゴム状物質からなる無数の突起を設けてあり」(3頁右上欄15行〜同頁左下欄2行)、
(4-c)「搬送コンベア・長12と搬送コンベア・短13の終端に移送された苗17は、ゴム円盤7に受け渡され、ゴム円盤押え8により挟持されながら移送され、・・・開溝器9によつて圃場に切られた溝の中に垂直に置かれると同時に鎮圧輪6により土を寄せられ、苗のまわりに土が鎮圧されて圃場に定植される。」(3頁右下欄7〜15行)。
苗供給コンベア15の上に苗を併列させて供給された苗Pを1本1本に分離して一定間隔をおいて苗供給コンベア15の端部より繰出すこと(上記(4-a)(4-b)参照)が記載されている。

(5)特開昭61-100111号公報(以下、「参考文献2」という。)には、次の記載が認められる。
(5-a)「作業者は、苗供給コンベア18上に苗Pを倒置して連続的に並べるが、苗Pは互いに糊着されていても良いし個々に離れていても良い。」(5頁左下欄3〜5行)、
(5-b)「苗供給コンベア18の終端に達した苗Pは苗押えスポンジ輪24を通過した毎にまだ苗押えスポンジ輪24を通過していない苗Pより苗送りベルト,長26により分離され、適当な間隔を保つて苗送りベルト,長26と苗送りベルト,短27に挾持されて下方に移送される。」(5頁左下欄7〜12行)、
(5-c)「苗送りベルト48,49に挟持移送されゴム円盤14に受け渡されてゴム円盤14は苗の上部を挾持移送して本圃に定植する。」(6頁左上欄5〜8行)。

5-3.対比・判断
5-3-1.請求項1の発明について
(1)引用文献1の発明との対比
請求項1の発明と引用文献1の発明1とを対比する。
引用文献1の発明1の「苗(ロ)」及び「開口(12)」は、請求項1の発明の「移植用苗」及び「苗受入装置」に対応する。引用文献1の発明1は、「ポケットホイール(6)(6)」、「ポケット(5)」及び「ガイド部(3)」で移植用苗を植え付けるものであり、これら「ポケットホイール(6)(6)」等が請求項1の発明の「苗植付装置」に対応している。
また、本件発明の「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し」、及び、引用文献1の発明1の「一つの開口部(12)に受入れさせた苗(ロ)を、左、右に間欠的に移動させられている、移送体(14)の移送爪(13)により左、右のポケットホイール(6)(6)のポケット(5)に振り分けて供給し、」は、一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送手段で左右交互に振り分けて二つの苗植付装置へ供給することといえる。
そうすると、請求項1の発明と引用文献1の発明1とは、
移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送手段で左右交互に振り分けて二つの苗植付装置へ供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付ける苗自動移植方法で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(A)
苗植付装置が、請求項1の発明では、重合した一対のゴム製回転円板で構成されているのに対し、引用文献1の発明1では、ポケットホイール(6)(6)等で構成されている点。
相違点(B)
一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送手段で左右交互に振り分けて2つの苗植付装置へ供給する構成が、請求項1の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給」するのに対し、引用文献1の発明1では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給する点。
上記相違点について検討する。
相違点(A)について
重合した一対のゴム製回転円板で構成した苗植付装置は周知であり(例えば、上記参考資料1及び2参照。)、引用文献1の発明1において、苗植付装置をこの周知な苗植付装置にすることは当業者が容易にできることである。
相違点(B)について
苗受入装置(苗供給コンベア)の上に密接状態の(併列させて供給された)移植用苗を1本1本に分離して一定間隔をおいて苗受入装置(苗供給コンベア)の端部より繰出す構成は周知である(例えば、引用文献2、参考資料1及び2参照。)。
また、引用文献2には、移植機において、苗搬送コンベアー20に受入れた複数本の併列状態の苗Pを、苗搬送コンベアー20の端部より一定間隔をおいて繰り出し、選別ベルト60,60′によって所定の間隔で運搬する苗を光電スイッチL1(a)で検出して苗選別ガイド68の軸69をロータリソレノイドSoにより駆動し、不良苗Pを不良苗箱40に誘導し、良い苗Pを貯留部42に落下させ、貯留部42の良い苗Pを供給コンベアー43により苗植付機構に搬送することが記載されている。
すなわち、引用文献2には、移植用苗(苗P)を良い苗と不良苗とを振り分けて植え付けるものであるが、苗自動移植方法において、一つの苗受入装置(苗搬送コンベアー20)に受入させた複数本の密接(併列)状態の移植用苗の後続のものから分離し、選別ベルト60,60′によって所定の間隔で運搬する移植用苗(苗P)を、その運搬中に検知手段(光電スイッチL1(a))で検知して、軸回動自在な振分け部体(苗選別ガイド68)の該軸回動を制御し、この振分け部体の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を、振分け部体の軸回動により不良苗箱40と貯留部42との2つの方向に誘導し(2つに振り分け)、貯留部42にある良い移植用苗を苗供給コンベアー43により苗植付装置(苗植付機構)に搬送することが記載されている。
さらに、引用文献3には、1つの搬送装置(搬送部1)で搬送されてくる物品(プリント配線基板A)を振り分け手段(振り分け部3)により振り分け、振り分けられた物品を搬送装置(搬送部30、搬送ベルト83)あるいは搬送装置(搬送部31、搬送ベルト84)より所定の位置まで搬送することが、開示されている。
ところで、引用文献1の発明1は、移植用苗がどのようなものか明らかではないが、密接状態の移植用苗は例示するまでもなく周知であり、引用文献1の発明1の苗自動移植方法において、密接状態の移植用苗を用いて植え付け作業を行う場合は、作業者が、密接状態の移植用苗を1本1本の苗に分離し、また、作業者が、移送体(14)の移送爪(13)が開口部(12)に位置しているときに合わせて、分離した移植用苗を開口部(12)に送り込むことは明らかである。
そして、作業者が行う作業を機械化しようとすることは当業者が当然考えることであり、引用文献1の発明1において、作業者が行っている作業(密接状態の移植用苗を1本1本の苗に分離すること、移送体(14)の位置に合わせて移植用苗を開口部(12)に送り込むこと)を機械化するため、引用文献2に記載された構成、周知技術を適用しようとすることは当業者なら容易に想到できることである。
そうすると、引用文献1の発明1において、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離し、選別ベルト(搬送ベルト)によって所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に振り分け、その振り分けられた移植用苗を2つの苗植付装置に苗供給コンベアーによって供給するようにし、上記相違点(B)における請求項1の発明のように構成することは当業者が容易に想到できることである。
なお、請求項1の発明は、「所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け」、「二つの苗植付装置において同時的に連続供給」するものであるが、請求項1の発明は、左右の苗植付装置に移植用苗を同時に供給するものではなく、請求項1の発明と引用文献1の発明1とは、所定間隔で送られてくる移植用苗を順次左右交互に振り分けて左右の苗植付装置に供給するという点では同じであり、作用において相違するとはいえない。
しかも、引用文献1の発明1に引用文献2記載の発明及び周知技術を適用し、当業者が容易に発明したものが請求項1の発明の効果を奏することは明らかである。
したがって、請求項1の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-2.請求項2の発明について
請求項2の発明は、請求項1の発明における「その運搬中に」を「その苗受入装置から左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に」と限定するものである。
そこで、請求項2の発明と引用文献1の発明とを対比すると、両者は、
移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送装置で左右交互に振り分けて二つの苗植付装置へ供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付ける苗自動移植方法で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(A)
苗植付装置が、請求項2の発明では、重合した一対のゴム製回転円板で構成されているのに対し、引用文献1の発明1では、ポケットホイール(6)(6)等で構成されている点。
相違点(C)
一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送手段で左右交互に振り分けて2つの苗植付装置へ供給する構成が、請求項2の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その苗受入装置から左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給」するのに対し、引用文献1の発明1では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給している点。
上記相違点について検討する。
相違点(A)については、上記「5-3-1.請求項1の発明について」に記載したとおりである。
相違点(C)について
上記「5-3-1.請求項1の発明について」の「相違点(B)について」は、「引用文献1の発明1において、・・・選別ベルト(搬送ベルト)によって所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、・・・移植用苗を順次左右交互に振り分け、その振り分けられた移植用苗を2つの苗植付装置に苗供給コンベアーによって供給するように・・・構成することは当業者が容易に想到できることである。」と、請求項2の発明の「その苗受入装置から左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知」することについては、上記「相違点(B)について」において実質的に検討している。
したがって、上記相違点(C)は、「5-3-1.請求項1の発明について」の「相違点(B)について」に記載した理由により当業者が容易に想到することができたことである。
そして、請求項2の発明が奏する効果は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術から当業者が予測できることであって格別顕著なものではない。
したがって、請求項2の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-3.請求項3の発明について
請求項3の発明は、請求項1の発明における「苗受入装置から苗植付装置」を「苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置」と、「その運搬中に」を「一つの苗転送装置で運搬中に」と限定するものである。
そこで、請求項3の発明と引用文献1の発明とを対比すと両者は、
移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送装置で左右交互に振り分けて二つの苗植付装置へ供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付ける苗自動移植方法で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(D)
移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給するのに、請求項3の発明では、「苗転送装置を介して」いるのに対し、引用文献1の発明では、移送体(14)を介している点。
相違点(A)
苗植付装置が、請求項3の発明では、重合した一対のゴム製回転円板で構成されているのに対し、引用文献1の発明では、ポケットホイール(6)(6)等で構成されている点。
相違点(E)
1個所に受入れた移植用苗を、振分け移送装置で左右交互に振り分けて2つの苗植付装置へ供給する構成が、請求項3の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置で運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給」するのに対し、引用文献1の発明1では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給している点。
上記相違点について検討する。
相違点(A)については、上記「5-3-1.請求項1の発明について」に記載したとおりである。
相違点(D)及び(E)について
上記「5-3-1.請求項1の発明について」の「相違点(B)について」は、「引用文献1の発明1において、・・・選別ベルト(搬送ベルト)によって所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、・・・上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に振り分け、その振り分けられた移植用苗を2つの苗植付装置に苗供給コンベアーによって供給する・・・ように構成することは当業者が容易に想到できることである。」と、請求項3の発明の「一つの苗転送装置」に対応する「選別ベルト(搬送ベルト)」に言及し、請求項3の発明の「移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して・・・供給」すること及び「一つの苗転送装置で運搬中に検知手段で検知」することについは、上記「相違点(B)について」において実質的に検討している。
したがって、上記相違点(D)及び(E)は、「5-3-1.請求項1の発明について」の「相違点(B)について」に記載した理由により当業者が容易に想到することができたことである。
そして、請求項3の発明が奏する効果は、引用文献1及び2に記載された発明及び周知技術から当業者が予測できることであって格別顕著なものではない。
したがって、請求項3の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-4.請求項4の発明について
請求項4の発明は、請求項1の発明における「苗受入装置から苗植付装置」を「苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置」と、「その運搬中に」を「一つの苗転送装置において左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に」と限定するものである。
そこで、請求項4の発明と引用文献1の発明1とを対比すと両者は、
移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入れた移植用苗を、振分け移送装置で左右交互に振り分けて二つの苗植付装置へ供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付ける苗自動移植方法で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(D)
移植用苗を苗受入装置から苗植付装置に供給するのに、「苗転送装置を介して」いるのに対し、引用文献1の発明では、ポケットホイール(6)(6)等で構成されている点。
相違点(A)
苗植付装置が、請求項3の発明では、重合した一対のゴム製回転円板で構成されているのに対し、引用文献1の発明では、ポケットホイール(6)(6)等で構成されている点。
相違点(F)
1個所に受入れた移植用苗を、振分け移送装置で左右交互に振り分けて2つの苗植付装置へ供給する構成が、請求項4の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置において左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給」するのに対し、引用文献1の発明では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給している点。
上記相違点について検討する。
相違点(A)については、上記「5-3-1.請求項1の発明について」に記載したとおりである。
相違点(D)及び(F)について
上記「5-3-1.請求項1の発明について」の「相違点(B)について」は、「引用文献1の発明1において、・・・選別ベルト(搬送ベルト)によって所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、・・・上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に振り分け、その振り分けられた移植用苗を2つの苗植付装置に苗供給コンベアーによって供給する・・・ように構成することは当業者が容易に想到できることである。」と、請求項4の発明の「移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して・・・供給」すること及び「一つの苗転送装置において左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知」することについは、上記「相違点(B)について」において実質的に検討している。
したがって、上記相違点(D)及び(F)は、「5-3-1.請求項1の発明について」の「相違点(B)について」に記載した理由により当業者が容易に想到することができたことである。
そして、請求項4の発明が奏する効果は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術から当業者が予測できることであって格別顕著なものではない。
したがって、請求項4の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-5.請求項5の発明について
請求項5の発明と引用文献1の発明2とを対比する。
引用文献1の発明2の「ポケットホイール(6)(6)」、「苗移植機」及び「開口(12)」は、請求項1の発明の「苗植付装置」、「苗自動移植機」及び「苗受入装置」に対応する。
また、本件発明の「一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を設置し」、及び、引用文献1の発明2の「左、右のポケットホイール(6)(6)のポケット(5)に苗を移送するに適した上下間隙が保てる上下枠によるガイド(11)を設け、その路中央部に開口部(12)を設け、この開口部(12)とポケット(5)の間をガイド(11)中に移送爪(13)を設けた移送体(14)を設置して間欠的に左右交互に運動させ、一つの開口部(12)に受入れさせた苗(ロ)を左、右のポケットホイール(6)(6)のポケット(5)に振り分けて供給する」とは、「一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、移植用苗を、左右交互に振り分け上記二つの苗植付装置の各々に向けて供給する振分け移送装置を設置し」ているといえる。
そうすると、請求項5の発明と引用文献1の発明2とは、
苗植付装置と苗受入装置とを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、移植用苗を、左右交互に振り分け、上記二つの苗植付装置の各々に向けて供給する振分け移送装置を設置した苗自動移植機で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(イ)
苗植付装置が、請求項5の発明では、「重合した一対のゴム製回転円板を備え」ているのに対し、引用文献1の発明2では、ポケットホイール(6)(6)等を備えている点。
相違点(ロ)
振分け移送装置が、請求項5の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなる」のに対し、引用文献1の発明2では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給している点。
上記相違点について検討する。
相違点(イ)について
重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置は周知であり(例えば、上記参考資料1及び2参照。)、引用文献1の発明2の苗植付装置(ポケットホイール(6)(6))をこの周知な苗植付装置にすることは当業者が容易にできることである。
相違点(ロ)について
苗供給コンベア(苗受入装置)の上に併列させて供給された(密接状態の)移植用苗を1本1本に分離して一定間隔をおいて苗供給コンベア(苗受入装置)の端部より繰出す構成は周知である(例えば、引用文献2、参考資料1及び2参照。)。
また、引用文献2には、移植機において、苗搬送コンベアー20に受入れた複数本の併列状態の苗Pを、苗搬送コンベアー20の端部より一定間隔をおいて繰り出し、選別ベルト60,60′によって所定の間隔で運搬する苗を光電スイッチL1(a)で検出して苗選別ガイド68の軸69をロータリソレノイドSoにより駆動させ、不良苗Pを不良苗箱40に誘導し、良い苗Pを貯留部42に落下させ、貯留部42の良い苗Pを供給コンベアー43により苗植付機構に搬送することが記載されている。
すなわち、引用文献2には、移植用苗(苗P)を良い苗と不良苗とを振り分けて植え付けるものであるが、苗自動移植機(移植機)において、一つの苗受入装置(苗搬送コンベアー20)と苗植付装置(苗植付機構)との間に、一つの苗受入装置(苗搬送コンベアー20)に受入させた複数本の密接(併列)状態の移植用苗の後続のものから分離し、選別ベルト60,60′によって所定の間隔で運搬する移植用苗(苗P)を、その運搬中に検知手段(光電スイッチL1(a))で検知して、軸回動自在な振分け部体(苗選別ガイド68)の該軸回動を制御し、この振分け部体の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を、振分け部体の軸回動により不良苗箱40と貯留部42との2つの方向に誘導し(2つに振り分け)、貯留部42にある良い移植用苗を苗植付装置(苗植付機構)に搬送する苗供給コンベアー43を設けた構成が記載されている。
さらに、引用文献3には、1つの搬送装置(搬送部1)で搬送されてくる物品(プリント配線基板A)を振り分け手段(振り分け部3)により振り分け、振り分けられた物品を搬送装置(搬送部30、搬送ベルト83)あるいは搬送装置(搬送部31、搬送ベルト84)より所定の位置まで搬送することが、開示されている。
ところで、引用文献1の発明2は、移植用苗がどのようなものか明らかではないが、密接状態の移植用苗は例示するまでもなく周知であり、引用文献1の発明2の苗自動移植機において、密接状態の移植用苗を用いて植え付け作業を行う場合は、作業者が、密接状態の移植用苗を1本1本の苗に分離し、また、作業者が、移送体(14)の移送爪(13)が開口部(12)に位置しているときに合わせて、分離した移植用苗を開口部(12)に送り込むことは明らかである。
そして、作業者が行う作業を機械化しようとすることは当業者が当然考えることであり、引用文献1の発明2において、作業者が行っている作業(密接状態の移植用苗を1本1本の苗に分離すること、移送体(14)の位置に合わせて移植用苗を開口部(12)に送り込むこと)を機械化するため、引用文献2に記載された構成、周知技術を適用しようとすることは当業者なら容易に想到できることある。
そうすると、引用文献1の発明2において、一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に設置されている振分け移送装置に引用文献2記載の構成を適用し、振分け移送装置を、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、二つの苗植付装置に供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体と、苗植付装置に移植用苗を搬送する苗供給コンベアーと、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段とで構成し、上記相違点(ロ)における請求項5の発明のように構成することは当業者が容易に想到することができたものである。
なお、請求項5の発明は、「振り分け部体」は、「所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け」、「二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な」ものである。
しかしながら、請求項5の発明の「振り分け部体」は、所定の間隔で送出した移植用苗を、振分け部体の左右交互の軸回動により、順次左右交互に振り分けているのに、引用文献1の発明2の「移送体(14)」は、間欠的に左右交互に運動することにより、開口部(12)に順次所定速度(所定間隔)で送り込んだ移植用苗をして左右交互に振り分けており、所定間隔で送られてくる移植用苗を左右交互に振り分けるという点では同じであり、請求項5の発明の「振り分け部体」と引用文献1の発明2の「移送体(14)」の作用に差異があるわけではない。
しかも、引用文献1の発明2に引用文献2記載の発明及び周知技術を適用し、当業者が容易に発明したものが請求項5の発明の効果を奏することは明らかである。
したがって、請求項5の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-6.請求項6の発明について
請求項6の発明は、請求項5の発明における「苗植付装置苗と受入装置とを具備した」を「苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した」と、「振分け部体を設置し」を「振分け部体を内装した一つの苗転送装置」と限定するものである。
そこで、請求項6の発明と引用文献1の発明2とを対比すると、両者は、
苗植付装置と苗受入装置とを具備した苗自動移植機であって、
一つの苗受入装置に二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、移植用苗を、左右交互に振り分け、上記二つの苗植付装置の各々に向けて供給する振分け移送装置を設置した苗自動移植機で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(ハ)
苗自動移植機が、請求項6の発明では、「苗転送装置」を具備しているのに対し、引用文献1の発明2では、開口部(12)とポケット(5)の間をガイド(11)中に移送爪(13)を設けた移送体(14)を設置している点。
相違点(イ)
苗植付装置が、請求項6の発明では、「重合した一対のゴム製回転円板を備え」ているのに対し、引用文献1の発明2では、ポケットホイール(6)(6)等を備えている点。
相違点(ニ)
振分け移送装置が、請求項6の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を内装した一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けて」のに対し、引用文献1の発明2では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給している点。
上記相違点について検討する。
相違点(イ)については、上記「5-3-5.請求項5の発明について」に記載したとおりである。
相違点(ハ)及び(ニ)について
上記「5-3-5.請求項5の発明について」の「相違点(ロ)について」は、「引用文献1の発明2において、・・・振分け移送装置を、・・・所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、二つの苗植付装置に供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体と、苗植付装置に移植用苗を搬送する苗供給コンベアーと、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段とで構成・・・することは当業者が容易に想到することができたものである。」と、請求項6の発明の「苗転送装置」に対応する「振分け部体」と「苗供給コンベアー」について言及し、請求項6の発明における、苗自動移植機が「苗転送装置」を具備していること、及び、「振分け部体を内装した一つの苗転送装置を設置し」ていることについは、上記「相違点(ロ)について」において実質的に検討している。
したがって、上記相違点(ハ)及び(ニ)は、「5-3-5.請求項5の発明について」の「相違点(ロ)について」に記載した理由により当業者が容易に想到することができたことである。
そして、請求項6の発明が奏する効果は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術から当業者が予測できることであって格別顕著なものではない。
したがって、請求項6の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-7.請求項7の発明について
請求項7の発明と引用文献1の発明2とを対比すると、両者は、
苗植付装置と苗受入装置とを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、移植用苗を、左右交互に振り分け、上記二つの苗植付装置の各々に向けて供給する振分け移送装置を設置した苗自動移植機で一致し、次の点で構成が相違する。
相違点(ハ)
苗自動移植機が、請求項7の発明では、「苗転送装置」を具備しているのに対し、引用文献1の発明2では、開口部(12)とポケット(5)の間をガイド(11)中に移送爪(13)を設けた移送体(14)を設置している点。
相違点(イ)
苗植付装置が、請求項7の発明では、「重合した一対のゴム製回転円板を備え」ているのに対し、引用文献1の発明2では、ポケットホイール(6)(6)等を備えている点。
相違点(ホ)
振分け移送装置が、請求項7の発明では、「一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、左右交互の軸回動により左右交互に連続的に振り分ける振分け部体を有する振分け転送機構部、その振り分けられた移植用苗を分岐誘導する二つの分岐転送機構部、及びその分岐誘導された移植用苗を上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する二つの供給転送機構部とからなる一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなる」のに対し、引用文献1の発明2では、作業者の手から或は適宜の装置でガイド(11)の開口部(12)に順次所定速度で送り込んだ移植用苗を移送体(14)により振り分けて供給している点。
上記相違点について検討する。
相違点(イ)については、上記「5-3-5.請求項5の発明について」に記載したとおりである。
相違点(ハ)及び(ホ)について
苗供給コンベア(苗受入装置)の上に併列させて供給された(密接状態の)移植用苗を1本1本に分離して一定間隔をおいて苗供給コンベア(苗受入装置)の端部より繰出す構成は周知である(例えば、引用文献2、参考資料1及び2参照。)。
また、引用文献2には、移植機において、苗搬送コンベアー20に受入れた複数本の併列状態の苗Pを、苗搬送コンベアー20の端部より一定間隔をおいて繰り出し、選別ベルト60,60′によって所定の間隔で運搬する苗を光電スイッチL1(a)で検出して苗選別ガイド68の軸69をロータリソレノイドSoにより駆動させ、不良苗Pを不良苗箱40に誘導し、良い苗Pを貯留部42に落下させ、貯留部42の良い苗Pを供給コンベアー43により苗植付機構に搬送することが記載されている。
すなわち、引用文献2には、移植用苗(苗P)を良い苗と不良苗とを振り分けて植え付けるものであるが、苗自動移植機(移植機)において、一つの苗受入装置(苗搬送コンベアー20)と苗植付装置(苗植付機構)との間に、一つの苗受入装置(苗搬送コンベアー20)に受入させた複数本の密接(併列)状態の移植用苗の後続のものから分離し、選別ベルト60,60′によって所定の間隔で運搬する移植用苗(苗P)を、その運搬中に検知手段(光電スイッチL1(a))で検知して、軸回動自在な振分け部体(苗選別ガイド68)の該軸回動を制御し、この振分け部体の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を、振分け部体の軸回動により不良苗箱40と貯留部42との2つの方向に誘導し(2つに振り分け)、貯留部42にある良い移植用苗を苗植付装置(苗植付機構)に搬送する苗供給コンベアー43を設けた構成が記載されている。
さらに、引用文献3には、1つの搬送装置(搬送部1)で搬送されてくる物品(プリント配線基板A)を振り分け手段(振り分け部3)により振り分け、振り分けられた物品を搬送装置(搬送部30、搬送ベルト83)あるいは搬送装置(搬送部31、搬送ベルト84)より所定の位置まで搬送することが、開示されている。
ところで、引用文献1の発明2は、移植用苗がどのようなものか明らかではないが、密接状態の移植用苗は例示するまでもなく周知であり、引用文献1の発明2の苗自動移植機において、密接状態の移植用苗を用いて植え付け作業を行う場合は、作業者が、密接状態の移植用苗を1本1本の苗に分離し、また、作業者が、移送体(14)の移送爪(13)が開口部(12)に位置しているときに合わせて、分離した移植用苗を開口部(12)に送り込むことは明らかである。
そして、作業者が行う作業を機械化しようとすることは当業者が当然考えることであり、引用文献1の発明2において、作業者が行っている作業(密接状態の移植用苗を1本1本の苗に分離すること、移送体(14)の位置に合わせて移植用苗を開口部(12)に送り込むこと)を機械化するため、引用文献2に記載された構成、周知技術を適用しようとすることは当業者なら容易に想到できることである。
そうすると、引用文献1の発明2において、一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に設置されている振分け移送装置に引用文献2記載の構成を適用し、振分け移送装置を、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、二つの苗植付装置に供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体と、苗植付装置に移植用苗を搬送する苗供給コンベアーと、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段とで構成し、その際、苗植付装置に移植用苗を搬送する苗供給コンベアーを、複数のコンベアによって搬送するように構成し、上記相違点(ホ)における請求項7の発明のように構成することは当業者が容易に想到することができることである。
そして、請求項7の発明が奏する効果は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術から当業者が予測できることであって格別顕著なものではない。
したがって、請求項7の発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-8.請求項8の発明について
請求項8の発明は、請求項5,6または7の発明に、「苗受入装置から左右交互の軸回動自在な振分け部体に向かって運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を備えてなる」構成要件を付加するものである。
しかしながら、請求項5,6または7の発明は、「運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなる」の構成要件を備えており、前記「運搬中」が苗受入装置から振分け部体に向かって運搬中であることは明らかであるから、上記請求項8の発明において付加された上記構成は請求項5,6または7の発明も備えているといえるので、請求項8の発明における上記構成は、上記「5-3-5.請求項5に係る発明について」ないし「5-3-7.請求項7に係る発明について」において実質的に検討している。
したがって、本件請求項8の発明は、上記「5-3-5.請求項5に係る発明について」ないし「5-3-7.請求項7に係る発明について」に記載された理由により引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-3-9.請求項9の発明について
請求項9の発明は、請求項6,7または8の発明に、「苗転送装置の移植用苗運搬路が、突起付きのベルトを対向させてなる苗挟持運搬路である」構成要件を付加して限定するものである。
請求項9の発明と引用発明とを対比すると、上記「5-3-6.請求項6に係る発明について」ないし「5-3-8.請求項8に係る発明について」に記載された相違点に加え、
相違点(ヘ)
苗挟持運搬路が、請求項9の発明では、「苗転送装置の移植用苗運搬路が、突起付きのベルトを対向させてなる苗挟持運搬路である」のに対し、引用発明では、突起付きのベルトを対向させてなる苗転送装置を備えていない点、で構成が相違する。
しかしながら、突起付きのベルトを対向させてなることは周知である(例えば、上記参考文献1、2参照。)から、本件請求項9の発明は、上記「5-3-5.請求項5に係る発明について」ないし「5-3-7.請求項5に係る発明について」に記載された理由により引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-4.結び
以上のとおり、本件の請求項1ないし9に係る発明は、引用文献1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第123条第2項第2号の規定により無効とされるべきものである。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
苗自動移植方法及び苗自動移植機
(57)【特許請求の範囲】
1.移植用苗を苗受入装置から苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して、左右交互二軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
2.移植用苗を苗受入装置から苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、その苗受入装置から左右交互に軸回動自在な振分け部体に向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
3.移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、一つの苗転送装置で運搬中に検知手段で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体の該軸回動を制御し、この振り分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
4.移植用苗を苗受入装置から苗転送装置を介して苗植付装置の重合した 一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付け ていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置に受入させた複数本の 密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植 用苗を、一つの苗転送装置において左右交互に軸回動自在な振分け部体に 向かう運搬中に検知手段で検知して、該振分け部体の上記軸回動を制御し、この振分け部体の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗を順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗を二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給し、各苗植付装置に対応するそれぞれの畝溝に植え付けることを特徴とする苗自動移植方法。
5.重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置苗と受入装置とを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。
6.重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗を、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体を内装した一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。
7.重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置と苗受入装置及び苗転送装置を具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、上記一つの苗受入装置に受入させた複数本の密接状態の移植用苗の後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗を、左右交互の軸回動により左右交互に連続的に振り分ける振分け部体を有する振分け転送機構部、その振り分けられた移植用苗を分岐誘導する二つの分岐転送機構部、及びその分岐誘導された移植用苗を上記二つの苗植付装置の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置において同時的に連続供給する二つの供給転送機構部とからなる一つの苗転送装置を設置し、かつ、運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を設けてなることを特徴とする苗自動移植機。
8.苗受入装置から左右交互の軸回動自在な振分け部体に向かって運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体の左右交互の軸回動を制御する検知手段を備えてなることを特徴とする請求項5,6または7記載の苗自動移植機。
9.苗転送装置の移植用苗運搬路が、突起付きのベルトを対向させてなる苗挟持運搬路であることを特徴とする請求項6,7または8記載の苗自動移植機。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、所定の育苗管理をして得た土付苗あるいは裸苗等の移植用苗を、苗植付装置によって、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法、及びその方法の実施に直接使用する苗自動移植機に関するものである。
【従来の技術】
移植用苗を、苗受入装置から苗植付装置に供給して、本圃に植え付けるようにした苗移植機としては、既に各種のものが知られているが、そのいずれにおいても、苗受入装置と植付装置は1対1で組をなし、一畝の移植作業に関与することになっているものである。
【発明が解決しようとする課題】
このため、例えば二畝の移植を行うには、当該苗自動移植機に、苗受入装置と苗植付装置を二組搭載し、かつ、各苗受入装置に移植苗を補給する二人の作業員を必要とした。
本発明の目的は、一つの苗受入装置が受入した移植用苗を、二つの苗植付装置に振り分けて供給できるようにし、これによって、苗自動移植機全体の構成を簡略化するとともに、作業員を減らし効率のよい移植を行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
(1) 特許請求の範囲1.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、その運搬中に検知手段D〜D″で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″の該軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けるものである。
(2) 特許請求の範囲2.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、その苗受入装置Bから左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″に向かう運搬中に検知手段D〜D″で検知して、該振分け部体E〜E″の上記軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けるものである。
(3) 特許請求の範囲3.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗転送装置Cを介して苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、一つの苗転送装置Cで運搬中に検知手段D〜D″で検知して、左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″の該軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けるものである。
(4) 特許請求の範囲4.に記載の本発明苗自動移植方法は、移植用苗Pを苗受入装置Bから苗転送装置Cを介して苗植付装置A1,A2の重合した一対のゴム製回転円板間に供給し、本圃に所定の間隔で連続的に植え付けていく苗自動移植方法であって、一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、一つの苗転送装置Cにおいて左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″に向かう運搬中に検知手段D〜D″で検知して、該振分け部体E〜E″の上記軸回動を制御し、この振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動により、上記所定の間隔で運搬する移植用苗Pを順次左右交互に連続的に振り分け、その振り分けられた移植用苗Pを二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給し、各苗植付装置A1,A2に対応するそれぞれの畝溝に植え付けものである。
(5) 特許請求の範囲5.に記載の本発明苗自動移植機は、重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置A1,A2と苗受入装置Bとを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置Bに二つの苗植付装置A1,A2を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置Bと二つの苗植付装置A1,A2との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で送出した移植用苗Pを、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給する左右交互の軸回動自在な振分け部体E〜E″を設置し、かつ、上記運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互に軸回動を制御する検知手段D〜D″を設けてなる。
(6) 特許請求の範囲6.に記載の本発明苗自動移植機は、重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置A1,A2と苗受入装置B及び苗転送装置Cを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置Bに、二つの苗植付装置A1,A2を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置Bと二つの苗植付装置A1,A2との間に、前者すなわち上記一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所の間隔で送出した移植用苗Pを、左右交互に連続的に振り分け、後者すなわち上記二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給する左右交互に軸回動自在な振分け部体E〜E″を内装した一つの苗転送装置Cを設置し、かつ、運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動を制御する検知手段D〜D″を設けてなる。
(7) 特許請求の範囲7.に記載の本発明苗自動移植機は、重合した一対のゴム製回転円板を備えた苗植付装置苗A1,A2と苗受入装置B及び苗転送装置Cを具備した苗自動移植機であって、一つの苗受入装置Bに、二つの苗植付装置A1,A2を対応設置するとともに、これら一つの苗受入装置Bと二つの苗植付装置A1,A2との間に、上記一つの苗受入装置Bに受入させた複数本の密接状態の移植用苗Pの後続のものから分離して所定の間隔で運搬する移植用苗Pを、左右交互の軸回動により左右交互に連続的に振り分ける振分け部体E〜E″を有する振分け転送機構部a、その振り分けられた移植用苗Pを分岐誘導する二つの分岐転送機構部b,b′、及びその分岐誘導された移植用苗Pを上記二つの苗植付装置A1,A2の各々の重合した一対のゴム製回転円板間に向けて、該二つの苗植付装置A1,A2において同時的に連続供給する二つの供給転送機構部c,c′とからなる一つの苗転送装置Cを設置し、かつ、運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動を制御する検知手段D〜D″を設けてなる。
(8) 特許請求の範囲8.に記載の本発明は、苗受入装置Bから左右交互の軸回動自在な振分け部体E〜E″に向かって運搬中の移植用苗Pを検知しかつその検知に基づき上記振分け部体E〜E″の左右交互の軸回動を制御する検知手段D〜D″を備えてなる請求項5,6または7記載の苗自動移植 機である。
(9) 特許請求の範囲9.に記載の本発明は、苗転送装置Cの移植用苗運搬路が、突起付きのベルト20〜25を対向させてなる苗挟持運搬路であることを特徴とする請求項6,7または8記載の苗自動移植機である。
なお、上記検知手段D〜D″による振分け手段E〜E″の制御は、電磁クラッチ46,46′、モータ103、ソレノイド109等適宜のものを介して行うものである。
【作用】
本発明苗自動移植方法によれば、一つの苗受入装置が受入した移植用苗を、その運搬中に検知手段で検知して振分け部体を制御し、その振分け部体により二つの苗移植装置に振り分けて供給し、2本の畝溝に対して、従来に比べ作業員を減らしながら、所期の苗移植作業を効率よく実施できる。
本発明苗自動移植機によれば、その移植機全体の構成を従来に比し簡略化でき、したがって、経済的に製造できるとともに、作動を確実にするものである。
【実施例】
まず、第1図乃至第4図に示した第1実施例について説明する。
A1,Aは互いに隣り合う2本の畝溝に移植用苗を植え付ける左右の苗植付装置で、例えば、重合した一対のゴム製回転円板の上周において、その開口部に受け取った移植用苗を回転にともない閉成挟持して運搬し、それを下周で畝溝に放出する構成のもので、本移植機の駆動輪(図示していない)に連動して回転する公知の型のものである。
Bは苗受入装置で、それは、ローラ1,2間にベルト3を張架し、そのベルト3の受入端側31に乗載した移植用苗Pを運搬し送出する送出端側32の上方に押え輪4を軸架してなる。
5は、本移植機の駆動輪に連動する軸6、スプロケット7、チエーン8、スプロケット7′を介して回転する主軸である。
この主軸5は、スプロケット9、チエーン10、スプロケット11、軸12、スプロケット13、チエーン14及びスプロケット15を介して軸16を回転するとともに、その軸16に固定の上記ローラ1を回転してベルト3を走行させる。
軸16は、同時に、歯車17,18及び軸19を介し押え輪4を回転させる(第3図参照)。
これによって、苗受入装置Bは、作業員がベルト3の受入端側31上に補給乗載した移植用苗Pを、送出端側32と押え輪4の間からからその前方に送出することになるものである。
Cは苗受入装置Bが送出した移植用苗Pを上記苗植付装置A1,A2に転送供給する苗転送装置である。
この苗転送装置Cは、苗受入装置Bから送出された移植用苗Pを左右に振り分ける振分け転送機構部aと、その振り分けられたものを分岐誘導する分岐転送機構部b,b′と、さらにそれを苗植付装置A1,A2に供給する供給転送機構部c,c′からなるものである。
そして、これら振分け転送機構部a、分岐転送機構部b,b′及び供給転送機構部c,c′は、概括的には、上段左右ベルト20,21、その下方に配置した下段左右ベルト22,23、及びその外方に配置した外側左右ベルト24,25によって、ほぼ左右対称に構成されているもので、その詳細は次のとおりである。
なお、上記各ベルトは突起付きのゴム製ベルトである。
上段左ベルト20は、苗受入装置Bの送出端、すなわち、ローラ1の前方に対向軸架したローラ26、その垂直下方に軸架のローラ27、及びこれら両ローラ26,27の外側斜め下方に軸架したローラ28に巻回されている。
上段右ベルト21は、上記ローラ1の下側に対向軸架したローラ29、その垂直下方に軸架のローラ30、及びこれら両ローラ29,30の外側斜め下方に軸架したローラ31に巻回されているものである。
下段左ベルト22は、上記ローラ27の下側に軸架のローラ32、上記ローラ28の下側に軸架のローラ33、及び該ローラ33の垂直下方に軸架のローラ34に巻回されている。
下段右ベルト23は、上記ローラ30の下側に軸架のローラ35、上記ローラ31の下側に軸架のローラ36、及び該ローラ36の垂直下方に軸架のローラ37に巻回されている。
外側左ベルト24は、ローラ28,33の外側に軸架のローラ38と、該ローラ38の垂直下方であってかつローラ34の外側真横に軸架のローラ39に巻回されている。
外側右ベルト25は、上記ローラ31,36の外側に軸架のローラ40と、該ローラ40の垂直下方であってかつローラ37の外側真横に軸架のローラ41に巻回されている。
上記振分け転送機構部aは、上段左ベルト20のローラ26,27間の垂直走行部分と上段右ベルト21のローラ29,30間の垂直走行部分とで、苗受入装置Bが密接状態のまま運搬し送出端から突出させた移植用苗Pを、後続のものから分離し、かつ所定の間隔で下方に向けて運搬する苗挟持中央垂直運搬路と、該運搬路中の移植用苗Pを検知する検知手段Dと、該運搬路の下方空処に装架した振分け部体Eとからなり、検知手段Dによる移植用苗Pの検知に基づき振分け部体Eが、交互に左あるいは右に回動すべく制御され、該振分け部体Eに到達した移植用苗Pを左右に振り分けるものである。
上記分岐転送機構部bは、上段左ベルト20のローラ27,28間の斜め走行部分と下段左ベルト22のローラ32,33間の斜め走行部分とで苗挟持左側傾斜運搬路を形成してなる。
上記分岐転送機構部b′は、上段右ベルト21のローラ30,31間の斜め走行部分と下段右ベルト23のローラ35,36間の斜め走行部分とで苗挟持右側傾斜運搬路を形成してなる。
供給転送機構部cは、上記下段左ベルト22のローラ33,34間の垂直走行部分と外側左ベルト24の対向垂直走行部分とで苗挟持左側垂直運搬路を形成してなる。
供給転送機構部c′は、下段右ベルト23のローラ36,37間の垂直走行部分と外側右ベルト25の対向垂直走行部分とで苗挟持右側垂直運搬路を形成してなる。
上記のようにして、振分け部体Eにより左右に振り分けられた移植用苗Pは、それぞれ分岐転送機構部b,b′の苗挟持左右側傾斜運搬路、供給転送機構部c,c′の苗挟持左右側垂直運搬路を経て、苗植付装置A1,A2に供給され、前記のようにして、隣り合う2本の畝溝に植え付けられるものである。
振分け部体Eの左右回動とそれによる移植用苗Pの振分け動作は次のように行われる。
本移植機の駆動輪に連動して回転するところの前記主軸5の回転は、スプロケット42,チエーン43,スプロケット44を介して軸45を回転させる。
この状態において、一方の電磁クラッチ46をON、他方の電磁クラッチ46′をOFFにすると、スプスロケット47が、軸45と同回転になり、チエーン48,スプロケット49を介して軸50を、第1図反時計方向の回転すなわち左回転させる。これによって、軸50に固定してある上記振分け部体Eが左側に所定角度回動し、移植用苗Pを苗挟持左側傾斜運搬路に送入する。
反対に、他方の電磁クラッチ46′をON、一方の電磁クラッチ46をOFFにすると、軸45の回転は、歯車51,52を介して軸53を右回転させ、さらにスプロケット54,チエーン55,スプロケット56を介して、上記軸50、及び振分け部体Eを、上記とは逆の方向すなわち右側に所定角度回動し、移植用苗Pを苗挟持右側傾斜運搬路に送入する(第1図及び第3図参照)。
上記において、電磁クラッチ46,46′のON,OFFの制御は、振分け転送機構部aの苗挟持中央垂直運搬路の所定位置を通過する移植用苗Pを、上記検知手段Dで検知するのにともない適宜行うものであるが、その検知手段Dは、必ずしも振分け部体Eの直ぐ上である必要はない。
すなわち、例えば、所要の位置に設置するエンコーダあるいは回転量検出器を利用することによって、振分け部体Eの上方の移植用苗Pの移動量を知ることができるので、移植用苗Pが検知手段Dの検知位置を通過してから、その苗Pが該検知手段Dと振分け部体E間の距離を移動したか否かを、上記エンコーダ等から得て、移動していたときに振分け部体Eを所定の方向に回動させる構成とすることによって、検知手段Dは、上記苗挟持中央垂直運搬路の上方部適宜の位置に設置できるものである。
また、振分け部体Eとして、翼片を備えていない単純な形状のローラを使用した場合、それと移植用苗Pとの間のすべりのため、振分け動作にロスを生じることがあるので、これを回避するために、本実施例では、翼片付きローラを採用している。
しかし、振分け部体Eとしては、適当な材質のものを選択使用することにより翼片のないローラにするとか、あるいは所望の形状のものとすることができること明らかである。
ただ、翼片付きローラを使用したときには、その翼片の停止する位置が問題になるが、例えば、第4図に示すようにローラ36の軸36′等に設けるエンコーダFからパルス信号を得ることによって、その翼片の回転角を制御するとよい。すなわち、翼片が回転し始めてからパルス信号をカウントし、所定の値になったときに、電磁クラッチ46または46′をOFFにして停止させるようにするとよいものである。
ところで、振分け転送機構部a、分岐転送機構部b,b′及び供給転送機構部c,c′を構成するところの上段左右ベルト20,21、その下方に配置した下段左右ベルト22,23、及びその外方に配置した外側左右ベルト24,25の駆動は、次のようにして行われる。
▲1▼ 下段左ベルト22
主軸5の回転が、スプロケット57,チエーン58,スプロケット59を介して軸60、及びこれに固定の前記ローラ34を回転する。また、スプロケット61,チエーン62,スプロケット63,アイドル軸64,スプロケット65,チエーン66,スプロケット67を介して軸68、及びこれに固定の前記ローラ33を回転する。さらに、スプロケット69,チエーン70,スプロケット71を介して軸72、及びこれに固定の前記ローラ32を回転する。これによって、下段左ベルト22が第1図反時計方向に駆動走行する。
▲2▼ 外側左ベルト24
上記軸60の回転が、歯車73,74によって回転方向が変換され、アイドル軸75に伝達され、スプロケット76,チエーン77,スプロケット78を介して、軸79とそれに固定の前記ローラ39を回転する。また、軸79の回転はスプロケット80,チエーン81,スプロケット82を介して軸83と、それに固定のローラ38を回転する。これによって、外側左ベルト24が第1図時計方向に駆動走行する。
▲3▼ 上段左ベルト20
上記軸83の回転は、スプロケット84,チエーン85,スプロケット86を介して軸87、及びそれに固定のローラ28を回転する。また、軸87の回転は、スプロケット88,チエーン89,スプロケット90を介して軸91と、それに固定の前記ローラ27を回転する。さらに、軸91の回転は、スプロケット92,チエーン93,スプロケット94を介して軸95と、それに固定の前記ローラ26を回転する。これによって、上段左ベルト20が第1図時計方向に駆動走行するものである。
上段右ベルト21、下段右ベルト23、及び外側右ベルト25の駆動については、前記軸6の回転を、歯車96,97を介して回転方向を変換して軸98に伝え、その回転をさらにスプロケット99,チエーン100,スプロケット101を介して主軸102に伝達して行うもので、この主軸102に続く構成及びその作動は、主軸5が、上段左ベルト20、下段左ベルト22、及び外側左ベルト24の場合と同じなので、重複を避けその説明を省略する。
ただし、上段右ベルト21は第1図反時計方向に、下段右ベルト23は同図時計方向に、外側右ベルト25は同図反時計方向にそれぞれ駆動走行するものである。
本実施例において、苗受入装置Bによる移植用苗Pの運搬速度は、苗植付装置A1,A2によるそれより遅く、また、振分け転送機構部a、分岐転送機構部b,b′及び供給転送機構部c,c′からなる苗転送装置Cによる移植用苗Pの運搬速度は、苗受入装置Bによるそれより速くかつ苗植付装置A1,A2のそれとほぼ同じになるようしてある。
今、苗受入装置Bに、複数本の移植用苗Pを密接状態のまま補給乗載すると、それは、ベルト3の送出端側32と押え輪4の間から突出したところで、ベルト3より速く駆動走行している上段左ベルト20の上端部で、後続のものから分離されて、上記振分け転送機構部aの苗挟持中央垂直運搬路を所定の間隔で運搬される。
その運搬中の移植用苗Pを、検知手段Dが検知することによって、振分け部体Eの左右交互回動が自動的に制御され、その回動方向にしたがって、該振分け部体Eに到達の移植用苗Pが左右に振り分けられ、それぞれ、分岐転送機構部b,b′の苗挟持左右側傾斜運搬路に送入される。
各移植用苗Pは、所定の株間間隔を保持して苗挟持左右側傾斜運搬路を運搬されるとともに、供給転送機構部c,c′の苗挟持左右側垂直運搬路に送入されて運搬され、苗植付装置A1,A2に供給される。
苗植付装置A1,A2は、その各移植用苗Pを隣り合う2本の畝溝に所定の株間間隔で連続的に放出し、所期の植え付けを行うものである。
次に、第5図及び第6図に示した第2実施例について説明する。
この第2実施例は、振分け部体の回動手段とその作動方法を上述の第1実施例の場合と相違するだけで、その他は、同第1実施例と共通なので、その相違点についてのみ説明する。
すなわち、第1実施例では、移植用苗Pを振り分けるのに振分け部体Eの左右回動を、本移植機の図示していない駆動輪に連動させるとともに、電磁クラッチ46及び46′のON、OFF動作に関連させて行ったものであるが、第2実施例は、苗挟持中央垂直運搬路中の移植用苗Pを検知する検知手段D′による移植用苗Pの検知に基づいて、モータ103を、振分け部体E′を交互に左右に回動すべく制御し、その回動方向にしたがい、該振分け部体E′に到達した移植用苗Pを左右に振り分けるものである。
上記モータ103の回転は、その出力軸104のスプロケット105,チエーン106,スプロケット107,軸108、及びこの軸108に固定の翼片付きローラである振分け部体E′に伝達される。
そして、振分け部体E′により左右に振り分けられた移植用苗Pは、第1実施例の場合と同様にして、隣り合う2本の畝溝に植え付けられるものである。
さらに、第7図及び第8図に示した第3実施例について説明する。
この第3実施例もまた、振分け部体の回動手段とその作動方法を第1実施例の場合と相違するだけで、その他は、同第1実施例と共通なので、その相違点についてのみ説明する。
すなわち、本第3実施例は、苗挟持中央垂直運搬路中の移植用苗Pを検知する検知手段D″による移植用苗Pの検知に基づき、ソレノイド109を、振分け部体E″を左右に回動すべく制御し、その回動方向にしたがって、該振分け部体E″に到達した移植用苗Pを左右に振り分けるものである。
上記ソレノイド109の鉄心110と振分け部体E″とはリンク111で連結され、通常、バネ112による牽引で突出状態の鉄心110が、ソレノイド109への通電でバネ112に抗して引き込まれるのにともない、軸113、及びこの軸113に固定の翼片付きローラである振分け部体E″に伝達される。
そして、振分け部体E″により左右に振り分けられた移植用苗Pは、第1実施例及び第2実施例の場合と同様にして、隣り合う2本の畝溝に植え付けられるものである。
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなとおり、本発明移植方法によれば、次の効果を奏する。
▲1▼ 一つの苗受入装置に受入させた移植用苗を二つの苗植付装置に振分け部体で振り分けて供給し、各苗植付装置に対応する2本の畝溝に植え付けるものであるから、従来に比べ作業員を減らして所期の苗移植作業を効率よく実施できる。
▲2▼ 一つの苗受入装置に受入させた移植用苗の振分け部体による振分けを、一つの苗転送装置中で行うことによって、該苗の適正な振分けを行いかつその苗を正常な姿勢を保持させて、二つの苗植付装置に供給でき、本圃への植付を適正に行うことができる。
▲3▼ 運搬中の移植用苗を検知する検知手段により振分け部体を制御し、それにより移植用苗の振分けを行うことによって、その振分けは正確に実施され得る。
▲4▼ 上記振分け部体の制御を、苗受入装置から振分け部体に向けて運搬中の移植用苗を検知する検知手段により行うことによって、その振分けは、例えば振分け部体を通過後の移植用苗の運搬状況を検知することによって行う場合と比べて、一層確実に実施できる。
また、本発明移植機によれば、次の効果を奏する。
▲1▼′ 一つの苗受入装置に、二つの苗植付装置を対応設置し、これら一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に、前者が送出した移植用苗を後者に振り分け供給する振分け部体を設置してなるから、従来、2畝の苗移植をするのに苗受入装置と苗植付装置を二組搭載設置していた苗移植機に比べて、移植機全体の構成を簡略化でき、したがって経済的に製造でき、かつ作動も確実なもので、 上記本発明移植方法の実施に効果的である。
▲2▼′上記振分け部体を、一つの苗受入装置と二つの苗植付装置との間に設置した苗転送装置に内装することによって、移植苗の適正な振分けを確実に行いかつその苗に正常な姿勢を保持させて、二つの苗植付装置に供給できる。
▲3▼′苗転送装置を、振分け転送機構部、二つの分岐転送機構部、及び二つの供給転送機構部とで構成することによって、移植苗の適正な振分け
、正常な姿勢の保持及び対応するそれぞれの苗移植装置への正確な供給を一層確実にする。
▲4▼′運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体を制御する検知手段を備えることによって、移植用苗の振分けをさらに一層正確に実施できる。
▲5▼′検知手段を、苗受入装置から振分け部体に向かって運搬中の移植用苗を検知しかつその検知に基づき上記振分け部体を制御する位置に設置することによって、移植用苗の振分けは、例えば振分け部体を通過後の移植用苗の運搬状況を検知する位置に設けた場合と比べて、一層確実に実施される。
▲6▼′上記苗転送装置の移植用苗運搬路を、ベルトを対向させてなる苗挟持運搬路で構成することによって、移植用苗をその運搬中に変位させることなく設定どおりの間隔と正常な姿勢を保持させて、これを運搬でき、したがって、移植用苗を苗植付装置に正確に供給できる。
【図面の簡単な説明】
図面第1図乃至第4図は、本発明苗自動移植機の第1実施例を示すもので、第1図は正面図、第2図は苗転送装置の駆動系の全体平面図、第3図は苗受入装置と振分け部体の駆動系の平面図、第4図は苗転送装置の駆動系の一部平面図、第5図及び第6図は本発明苗自動移植機の第2実施例を示すもので、第5図は要部の正面図、第6図は同上の側面図、第7図及び第8図は本発明苗自動移植機の第3実施例を示すもので、第7図は要部の正面図、第8図は同上の側面図である。
B……苗受入装置、A1,A2……苗植付装置、P……移植用苗、C……苗転送装置、D〜D″……検知手段、E〜E″……振分け部体、a……転送機構部、b,b′……分岐転送機構部、c,c′……供給転送機構部、20〜25……ベルト、46,46′……電磁クラッチ、103……モータ、109……ソレノイド
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2005-01-19 
結審通知日 2005-01-21 
審決日 2005-02-17 
出願番号 特願平1-91935
審決分類 P 1 112・ 121- ZA (A01C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 川向 和実郡山 順  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 藤井 俊二
渡部 葉子
登録日 1996-12-20 
登録番号 特許第2124469号(P2124469)
発明の名称 苗自動移植方法及び苗自動移植機  
代理人 原田 敬志  
代理人 原田 敬志  
代理人 河野 哲  
代理人 原田 信市  
代理人 原田 信市  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 鈴江 武彦  
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