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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H04N
管理番号 1118561
審判番号 訂正2005-39054  
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-07-21 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-03-28 
確定日 2005-05-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3409045号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 特許第3409045号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1 請求の要旨
本件審判の請求の要旨は,特許第3409045号発明(平成5年12月24日特許出願,平成15年3月20日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり,すなわち,下記(1)ないし(3)のとおり訂正することを求めるものである。

(1) 特許請求の範囲の請求項17に係る記載
「磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有するスチル写真フイルムに適用され,前記フイルムが現像されたのちに該フイルムのコマ毎の画像データと,該コマに対応する前記磁気データ及び光学データとを読み取り,前記画像データを前記磁気データ及び光学データに基づいて処理するフイルム画像入力方法であつて,
前記フイルムの同ーコマに対して記録された前記磁気データと光学データとを比較し,
同一種類の処理に対して異なる内容を示すデータが記録されている場合には,前記磁気データの内容に基づいて前記画像データを処理するようにしたことを特徴とするフイルム画像入力方法。」を,
「磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有するスチル写真フイルムに適用され,前記フイルムが現像されたのちに該フイルムのコマ毎の画像データと,該コマに対応する前記磁気データ及び光学データとを読み取り,前記画像データを前記磁気データ及び光学データに基づいて処理するフイルム画像入力方法であつて,
前記フイルムの同ーコマに対して記録された前記磁気データと光学データとを比較し,
画像の縦横比に対応するハイビジョン,パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットの処理に対して前記磁気データと光学データとで異なるプリントフォーマットが記録されている場合には,前記磁気データのプリントフォーマットに基づいて前記画像データを処理するようにしたことを特徴とするフイルム画像入力方法。」と訂正する。

(2) 特許請求の範囲の請求項28に係る記載
「磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有する長尺のスチル写真フイルムに適用され,前記フイルムが現像されたのちの該フイルム画像を撮影レンズを介してイメージセンサに結像させ,該イメージセンサによって光電変換された画像信号をモニタに出力することによってフイルム画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であつて,
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と,前記フイルム給送手段によるフイルム給送時に前記フイルムの磁気記録層に磁気データを書き込み及び該磁気記録層に書き込まれた磁気データを読み取る磁気記録再生手段と,
前記フイルムの光学データ記録領域に記録された光学データを読み取る光学データ読取手段と,
前記磁気記録再生手段及び光学データ読取手段によってそれぞれ読み取られた前記磁気データ及び光学データを入力し,前記フイルムの同ーコマに対して記録されたデータ同士を比較する比較手段と,
前記比較手段による比較結果に基づいて同ー種類の処理に対して異なる内容を示すデータが記録されていることが検出されると,前記磁気データの内容に基づいて処理する処理手段と,
を備えたことを特徴とするフイルム画像入力装置。」を,
「磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有する長尺のスチル写真フイルムに適用され,前記フイルムが現像されたのちの該フイルム画像を撮影レンズを介してイメージセンサに結像させ,該イメージセンサによって光電変換された画像信号をモニタに出力することによってフイルム画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって,
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と,
前記フイルム給送手段によるフイルム給送時に前記フイルムの磁気記録層に磁気データを書き込み及び該磁気記録層に書き込まれた磁気データを読み取る磁気記録再生手段と,
前記フイルムの光学データ記録領域に記録された光学データを読み取る光学データ読取手段と,
前記磁気記録再生手段及び光学データ読取手段によってそれぞれ読み取られた前記磁気データ及び光学データを入力し,前記フイルムの同ーコマに対して記録されたデータ同士を比較する比較手段と,
前記比較手段による比較結果に基づいて画像の縦横比に対応するハイビジョン,パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットの処理に対して前記磁気データと光学データとで異なるプリントフォーマットが記録されていることが検出されると,前記磁気データのプリントフォーマットに基づいて処理する処理手段と,
を備えたことを特徴とするフイルム画像入力装置。」と訂正する。

(3) 特許請求の範囲の請求項35に係る記載
「磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有する現像済みのスチル写真フイルムのコマの画像データを読み取る画像読取手段と,
前記フイルムから前記磁気データを読み取る磁気データ読取手段と,
前記フイルムから前記光学データを読み取る光学データ読取手段と,
前記磁気データ読取手段及び光学データ読取手段により読み取られた前記フイルムの同一コマに対する磁気データと光学データとを比較し,両データの内容の一致不一致を検出する検出手段と,
前記検出手段によって前記両データの内容の不ー致が検出されると,前記磁気データの内容に基づいて前記画像読取手段によって読み取った画像データを処理する処理手段と,
を備えたことを特徴とするフイルム画像入力装置。」を,
「磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有する現像済みのスチル写真フイルムのコマの画像データを読み取る画像読取手段と,
前記フイルムから前記磁気データを読み取る磁気データ読取手段と,
前記フイルムから前記光学データを読み取る光学データ読取手段と,
前記磁気データ読取手段及び光学データ読取手段により読み取られた前記フイルムの同ーコマに対する磁気データと光学データとを比較し,両データの画像の縦横比に対応するハイビジョン,パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットのー致不ー致を検出する検出手段と,
前記検出手段によって前記両データのプリントフォーマットの不ー致が検出されると,前記磁気データのプリントフォーマットに基づいて前記画像読取手段によって読み取った画像データを処理する処理手段と,
を備えたことを特徴とするフイルム画像入力装置。」と訂正する。

2 当審の判断
これらの訂正事項について検討する。
(1) 上記1(1)及び1(2)の訂正は,特許明細書の特許請求の範囲に記載された「同ー種類の処理」を,特定の1種類の情報である「画像の縦横比に対応するハイビジョン,パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットの処理」に限定しようとするものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2) 上記訂正1(3)は,特許明細書の特許請求の範囲に記載された「両データの内容」を,特定の1種類の「両データの画像の縦横比に対応するハイビジョン,パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマット」に限定しようとするものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(3) そして,上記各訂正は,磁気データ及び光学データとして記録される「同ー種類」の情報の中に,「ハイビジョン,パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットを示す磁気データ及び光学データ」が含まれていることは,明細書の段落【0018】,【0047】及び【0060】に記載されている事項であり,願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって,かつ,実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

また,訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明が,実願平01―131872号(実開平03―069145号公報)のマイクロフイルムに記載された,「擬似ズーム用トリミング情報」と「トリミング情報」とが,共に,トリミングに関する情報であり,同一種類に属する情報とみることができるとしても,訂正された請求項の記載は,プリントフォーマットに関するもので明らかに相違し,かつ,当該刊行物に記載された発明から当業者が容易に推考できたともいえないから,本件訂正は,特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

さらに,上記請求項17及び35の訂正により,これらを引用する形式で記載された請求項34及び36も訂正されたことになる。
そこで検討するに,請求項34は請求項17を更に条件を付して限定するものであり,請求項36は請求項35を更に条件を付して限定するものであるから,前述のとおり請求項17及び35が独立して特許を受けることができるものであることに鑑みると,請求項34及び請求項36も,特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではない。

3 むすび
したがって,本件審判の請求は,特許法126条1項に掲げる事項を目的とし,かつ,同条2項及び3項の規定に適合する。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
フイルム画像入力方法及び装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、
前記フイルムを全コマにわたって第1の速度で連続給送することにより前記ラインセンサを介して全コマの粗い画像データをそれぞれ取り込み、
前記取り込んだ粗い画像データに基づいてコマ毎の撮影条件を検知し、
その後、1コマの再生時には前記フイルムを前記第1の速度よりも低速の第2の速度で給送することにより、前記ラインセンサを介して所望のコマの細密画像データを前記検知した当該コマの撮影条件に応じて調整して取り込み、
前記取り込んだ細密画像データに基づいて画像信号をモニタに出力することを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項2】 前記撮影条件は前記フイルムに写し込まれたコマの明るさであり、前記所望のコマの細密画像データの取り込みに際し、当該コマの明るさに応じて前記ラインセンサに対する露光を制御することを特徴とする請求項1のフイルム画像入力方法。
【請求項3】 前記撮影条件は前記フイルムに写し込まれたコマの白バランス状態であり、前記所望のコマの細密画像データの取り込みに際し、当該コマの白バランス状態に応じて白バランスを調整することを特徴とする請求項1又は2のフイルム画像入力方法。
【請求項4】 前記全コマの粗い画像データに基づいてn×mコマのインデックス画像を作成し、該インデックス画像をモニタに表示するようにしたことを特徴とする請求項1のフイルム画像入力方法。
【請求項5】 前記撮影条件の検知後、前記第2の速度よりも速い速度で再度前記フイルムを連続給送することにより、前記ラインセンサを介して前記検知したコマ毎の撮影条件に応じてそれぞれ調整された全コマの粗い画像データを取り込み、この粗い画像データに基づいてn×mコマのインデックス画像を作成し、該インデックス画像をモニタに表示するようにしたことを特徴とする請求項1のフイルム画像入力方法。
【請求項6】 前記各コマのコマ数が前記n×mコマよりも多い場合には、前記n×mコマのインデックス画像を上下又は左右にスクロールさせて全コマを表示するようにしたことを特徴とする請求項4又は5のフイルム画像入力方法。
【請求項7】 前記フイルムは磁気データが記録される磁気記録層を有し、前記フイルムが第1の速度で連続給送中に前記磁気記録層から全コマ分の磁気データを読み取り、その読み取った磁気データに基づいてフイルム画像を再生することを特徴とする請求項1又は5のフイルム画像入力方法。
【請求項8】 前記磁気データは、コマ番号、画像の縦横比に対応するフォーマット、プリント枚数、カメラでの撮影条件、タイトル及び撮影日/時刻などのうちの少なくとも1つを示すデータである請求項7のフイルム画像入力方法。
【請求項9】 前記フイルムは磁気データが記録される磁気記録層を有し、この磁気記録層から読み取った磁気データに基づいて撮影日時が略同一であるコマが複数あることが検知されると、これらのコマの撮影条件を一致させるようにしたことを特徴とする請求項1又は7のフイルム画像入力方法。
【請求項10】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、
予め前記フイルムを連続給送することにより前記ラインセンサを介して全コマの画像データをそれぞれ取り込み、
前記取り込んだ全コマの画像データに基づいて複数コマのインデックス画像を示す画像信号をモニタに出力することによりインデックス画像をモニタに表示し、前記モニタに表示されたインデックス画像を見ながら各コマの表示方法を含む設定を行うとともに、その設定を示す設定データを記憶し、
その後、所望のコマの画像データに基づく1コマの再生時に当該コマの設定データに対応して処理した画像信号をモニタに出力し、
前記複数コマのインデックス画像はn×mコマのインデックス画像であり、全コマのコマ数が前記n×mコマよりも多い場合には、前記n×mコマのインデックス画像を上下又は左右にスクロールさせて全コマを表示するようにしたことを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項11】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、
前記フイルムを連続給送することにより該フイルム上から全コマのコマ番号を取り込むとともに、前記ラインセンサを介して全コマの画像データをそれぞれ取り込み、
前記取り込んだ各コマのコマ番号及び各コマの画像データに基づいてコマ番号がスーパーインポーズされた複数コマのインデックス画像を示す画像信号を生成し、
前記画像信号をモニタに出力することによってコマ番号がスーパーインポーズされた複数コマのインデックス画像をモニタに表示し、
前記コマ番号の取り込みは、前記フイルムのコマに対応して穿設されているパーフォレーションをカウントすることにより行うことを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項12】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、
前記フイルムを連続給送することにより該フイルム上から全コマのコマ番号を取り込むとともに、前記ラインセンサを介して全コマの画像データをそれぞれ取り込み、
前記取り込んだ各コマのコマ番号及び各コマの画像データに基づいてコマ番号がスーパーインポーズされた複数コマのインデックス画像を示す画像信号を生成し、
前記画像信号をモニタに出力することによってコマ番号がスーパーインポーズされた複数コマのインデックス画像をモニタに表示し、
前記フイルムは単一のスプールを有するフイルムカートリッジに収納され、前記フイルムにはカメラでの撮影時のフイルム巻取方向を示すノーマルワインド/プリワインドを示すデータが光学的又は磁気的に記録され、前記データに基づいて各コマの撮影順番とコマ番号の順番とを一致させて表示させるようにしたことを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項13】 前記フイルムに前記プリワインドを示すデータが記録されている場合には、前記連続給送時に1,2,…,N-1,Nの順番に順次取り込んだ画像データに対しN,N-1,…,2,1のコマ番号を付与するようにしたことを特徴とする請求項12のフイルム画像入力方法。
【請求項14】 前記フイルムに前記プリワインドを示すデータが記録されている場合には、前記フイルムの給送方向を逆方向にするようにしたことを特徴とする請求項12のフイルム画像入力方法。
【請求項15】 現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、
予め前記フイルムを給送することにより前記ラインセンサを介して少なくとも1コマの画像データを取り込み、
前記取り込んだコマの画像データに基づいて該コマの輝度の高い方向を上とする天地方向を判定し、
前記判定結果に基づいて天地方向を修正した画像データをモニタに出力することを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項16】 前記フイルムには磁気記録層が形成され、前記判定結果である天地方向を示すデータを各コマに対応した磁気記録層にそれぞれ記録しておき、前記磁気記録層に天地方向を示すデータが記録されている場合には、そのデータを読み取って使用するようにしたことを特徴とする請求項15のフイルム画像入力方法。
【請求項17】 磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有するスチル写真フイルムに適用され、前記フイルムが現像されたのちに該フイルムのコマ毎の画像データと、該コマに対応する前記磁気データ及び光学データとを読み取り、前記画像データを前記磁気データ及び光学データに基づいて処理するフイルム画像入力方法であって、
前記フイルムの同一コマに対して記録された前記磁気データと光学データとを比較し、
画像の縦横比に対応するハイビジョン、パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットの処理に対して前記磁気データと光学データとで異なるプリントフォーマットが記録されている場合には、前記磁気データのプリントフォーマットに基づいて前記画像データを処理するようにしたことを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項18】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって、
前記フイルムを照明する照明手段と、
前記フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサと、
前記照明手段によって照明された前記フイルムの画像を前記ラインセンサに結像させる撮影レンズと、
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と、
前記ラインセンサを介して入力する少なくとも1コマ分の画像データを記憶する画像メモリと、
前記画像メモリに記憶された画像データに基づいて画像信号をモニタに出力する手段と、
前記ラインセンサ、フイルム給送手段及び画像メモリを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記ラインセンサを介して粗い画像データを前記画像メモリに記憶させる時には第1の速度で前記フイルムを全コマにわたって連続給送し、前記ラインセンサを介して細密画像データを前記画像メモリに記憶させる時には前記第1の速度よりも低速の第2の速度で前記フイルムを給送するように前記フイルム給送手段によるフイルム給送速度を制御することを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項19】 前記制御手段は、前記第1の速度によるフイルム給送時には前記フイルムを連続給送し、前記フイルムの全コマの粗い画像データを前記画像メモリに記憶させ、前記第2の速度によるフイルム給送時には1コマ分の細密画像データを前記画像メモリに記憶させることを特徴とする請求項18のフイルム画像入力装置。
【請求項20】 前記制御手段は記憶手段を含み、前記全コマの粗い画像データに基づいてコマ毎の撮影条件を検知するとともに、その検知したコマ毎の撮影条件を前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項19のフイルム画像入力装置。
【請求項21】 前記制御手段は、前記第2の速度による1コマの画像データの取り込みに際し、前記記憶手段に記憶したコマ毎の撮影条件に応じて露光制御手段及び白バランス調整手段の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項20のフイルム画像入力装置。
【請求項22】 前記制御手段は、前記画像メモリに記憶された全コマの粗い画像データに基づいて全コマのインデックス画像を示す画像信号をモニタに出力させることを特徴とする請求項19のフイルム画像入力装置。
【請求項23】 磁気記録層が形成された長尺の現像済みスチル写真フイルムの画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって、
前記フイルムを照明する照明手段と、
前記フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサと、
前記照明手段によって照明された前記フイルムの画像を前記ラインセンサに結像させる撮影レンズと、
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と、
前記ラインセンサを介して入力する少なくとも1コマ分の画像データを記憶する画像メモリと、
前記画像メモリに記憶された画像データに基づいて画像信号をモニタに出力する手段と、
前記フイルムの磁気記録層に磁気データを書き込み又は該磁気記録層に書き込まれた磁気データを読み取る磁気記録再生手段と、
前記ラインセンサ、フイルム給送手段、画像メモリ及び磁気記録再生手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記磁気記録再生手段を介して前記フイルムに磁気データを書き込み又は前記フイルムから磁気データを読み取る時には第1の速度で前記フイルムを給送し、前記ラインセンサを介して読み取った画像データを前記画像メモリに記憶させる時には前記第1の速度よりも低速の第2の速度で前記フイルムを給送するように前記フイルム給送手段によるフイルム給送速度を制御することを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項24】 前記制御手段は、前記第1の速度によるフイルム給送時には全フイルムを連続給送し、前記第2の速度によるフイルム給送時には1コマ分だけフイルム給送するように前記フイルム給送手段を制御することを特徴とする請求項23のフイルム画像入力装置。
【請求項25】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって、
前記フイルムを照明する照明手段と、
前記フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサと、
前記照明手段によって照明された前記フイルムの画像を前記ラインセンサに結像させる撮影レンズと、
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と、
前記ラインセンサを介して入力する画像データを記憶する画像メモリと、
前記フイルムの各コマの表示方法を含む設定を行うキー操作部と、
前記キー操作部からの信号を入力するとともに前記ラインセンサ、フイルム給送手段及び画像メモリを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、インデックス画像作成時に前記フイルムを連続給送して前記ラインセンサを介して全コマの画像データを前記画像メモリに記憶させ、該画像メモリに記憶された全コマの画像データを処理してインデックス画像を示す画像信号をモニタに出力させ、前記キー操作部は前記モニタに表示されたインデックス画像を見ながら操作され、
前記フイルムの連続給送中に該フイルムの各コマのコマ番号を取り込むコマ番号検出手段を有し、前記制御手段は、前記取り込んだ各コマのコマ番号に基づいて前記複数コマのインデックス画像にコマ番号をスーパーインポーズさせ、
前記コマ番号検出手段は、前記フイルムのコマに対応して穿設されているパーフォレーションを検出するパーフォレーション検出手段と、該パーフォレーション検出手段によって検出されたパーフォレーションをカウントするカウンタとからなることを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項26】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって、
前記フイルムを照明する照明手段と、
前記フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサと、
前記照明手段によって照明された前記フイルムの画像を前記ラインセンサに結像させる撮影レンズと、
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と、
前記ラインセンサを介して入力する画像データを記憶する画像メモリと、
前記フイルムの各コマの表示方法を含む設定を行うキー操作部と、
前記キー操作部からの信号を入力するとともに前記ラインセンサ、フイルム給送手段及び画像メモリを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、インデックス画像作成時に前記フイルムを連続給送して前記ラインセンサを介して全コマの画像データを前記画像メモリに記憶させ、該画像メモリに記憶された全コマの画像データを処理してインデックス画像を示す画像信号をモニタに出力させ、前記キー操作部は前記モニタに表示されたインデックス画像を見ながら操作され、
前記フイルムの連続給送中に該フイルムの各コマのコマ番号を取り込むコマ番号検出手段を有し、前記制御手段は、前記取り込んだ各コマのコマ番号に基づいて前記複数コマのインデックス画像にコマ番号をスーパーインポーズさせ、
前記フイルムにはカメラでの撮影時のフイルム巻取方向を示すノーマルワインド/プリワインドを示すデータが光学的又は磁気的に記録され、前記制御手段は前記データに基づいて各コマの撮影順番とコマ番号の順番とを一致させて表示させることを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項27】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって、
前記フイルムを照明する照明手段と、
前記フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサと、
前記照明手段によって照明された前記フイルムの画像を前記ラインセンサに結像させる撮影レンズと、
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と、
前記ラインセンサを介して入力する画像データを記憶する画像メモリと、
前記フイルムの各コマの表示方法を含む設定を行うキー操作部と、
前記キー操作部からの信号を入力するとともに前記ラインセンサ、フイルム給送手段及び画像メモリを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、インデックス画像作成時に前記フイルムを連続給送して前記ラインセンサを介して全コマの画像データを前記画像メモリに記憶させ、該画像メモリに記憶された全コマの画像データを処理してインデックス画像を示す画像信号をモニタに出力させ、前記キー操作部は前記モニタに表示されたインデックス画像を見ながら操作され、
前記制御手段は、前記取り込んだコマ毎の画像データに基づいて輝度の高い方向を上とする天地方向の判定を各コマ毎に行う天地方向判定手段を含み、該天地方向判定手段からのデータに基づいてモニタに出力する画像信号の天地方向を修正するようにしたことを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項28】 磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有する長尺のスチル写真フイルムに適用され、前記フイルムが現像されたのちの該フイルム画像を撮影レンズを介してイメージセンサに結像させ、該イメージセンサによって光電変換された画像信号をモニタに出力することによってフイルム画像をモニタに表示させるフイルム画像入力装置であって、
前記フイルムの給送を行うフイルム給送手段と、
前記フイルム給送手段によるフイルム給送時に前記フイルムの磁気記録層に磁気データを書き込み及び該磁気記録層に書き込まれた磁気データを読み取る磁気記録再生手段と、
前記フイルムの光学データ記録領域に記録された光学データを読み取る光学データ読取手段と、
前記磁気記録再生手段及び光学データ読取手段によってそれぞれ読み取られた前記磁気データ及び光学データを入力し、前記フイルムの同一コマに対して記録されたデータ同士を比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて画像の縦横比に対応するハイビジョン、パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットの処理に対して前記磁気データと光学データとで異なるプリントフォーマットが記録されていることが検出されると、前記磁気データのプリントフォーマットに基づいて処理する処理手段と、
を備えたことを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項29】 前記フイルムは単一のスプールを有するフイルムカートリッジに収納されるものである請求項1又は7のフイルム画像入力方法。
【請求項30】 前記フイルムは、前記フイルムカートリッジのスプールを正転及び逆転させるフイルム給送部と、前記フイルムが巻き付けられる巻取軸を駆動するフイルム巻取部との間で双方向に給送される請求項29のフイルム画像入力方法。
【請求項31】 前記コマ毎の撮影条件を検知するための粗い画像データ及び前記磁気データの取み込みを、前記フイルムカートリッジから前記フイルム巻取部への前記フイルムの給送中に行い、
前記インデックス画像を作成するための全コマの粗い画像データの取り込みを、前記フイルム巻取部から前記フイルムカートリッジへの前記フイルムの巻戻し中に行うことを特徴とする請求項30のフイルム画像入力方法。
【請求項32】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、
前記フイルムを第1の速度で連続給送することにより前記ラインセンサを介して全コマの粗い画像データをそれぞれ取り込み、
前記取り込んだ粗い画像データに基づいてコマ毎の撮影条件を検知し、
その後、1コマの再生時には前記フイルムを前記第1の速度よりも低速の第2の速度で給送することにより、前記ラインセンサを介して所望のコマの細密画像データを前記検知した当該コマの撮影条件に応じて調整して取り込み、
前記取り込んだ細密画像データに基づいて画像信号をモニタに出力し、
前記撮影条件の検知後、前記第2の速度よりも速い速度で再度前記フイルムを連続給送することにより、前記ラインセンサを介して前記検知したコマ毎の撮影条件に応じてそれぞれ調整された全コマの粗い画像データを取り込み、この粗い画像データに基づいてn×mコマのインデックス画像を作成し、該インデックス画像をモニタに表示し、
前記フイルムは磁気データが記録される磁気記録層を有し、前記フイルムが第1の速度で連続給送中に前記磁気記録層から全コマ分の磁気データを読み取り、その読み取った磁気データに基づいてフイルム画像を再生し、
前記インデックス画像を作成するための全コマの粗い画像データの取り込み時のフイルム給送速度は、前記コマ毎の撮影条件を検知するための粗い画像データ及び前記磁気データの取み込み時の前記第1の速度よりも遅いことを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項33】 前記インデックス画像を作成するための全コマの粗い画像データに基づいて再度コマ毎の撮影条件を検知することを特徴とする請求項5のフイルム画像入力方法。
【請求項34】 前記処理された画像データに基づいてフイルム画像をモニタに表示させることを特徴とする請求項17のフイルム画像入力方法。
【請求項35】 磁気データが記録される磁気記録層と被写体光によって露光される領域以外に光学データが露光される光学データ記録領域とを有する現像済みのスチル写真フイルムのコマの画像データを読み取る画像読取手段と、
前記フイルムから前記磁気データを読み取る磁気データ読取手段と、
前記フイルムから前記光学データを読み取る光学データ読取手段と、
前記磁気データ読取手段及び光学データ読取手段により読み取られた前記フイルムの同一コマに対する磁気データと光学データとを比較し、両データの画像の縦横比に対応するハイビジョン、パノラマ及び通常のいずれかを示すプリントフォーマットの一致不一致を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記両データのプリントフォーマットの不一致が検出されると、前記磁気データのプリントフォーマットに基づいて前記画像読取手段によって読み取った画像データを処理する処理手段と、
を備えたことを特徴とするフイルム画像入力装置。
【請求項36】 前記画像読取手段はラインセンサである請求項35のフイルム画像入力装置。
【請求項37】 長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、該ラインセンサによって前記フイルムの各コマの画像データを読み取るフイルム画像入力方法において、
第1のプリスキャン時に、第1の速度で前記フイルムを連続給送し、その連続給送中に前記フイルムの全コマの第1の画像データを読み取り、その第1の画像データに基づいてコマ毎の第1の撮影条件を検知し、
第2のプリスキャン時に、第2の速度で前記フイルムを連続給送し、その給送中に前記フイルムの全コマの第2の画像データを前記検知した当該コマの第1の撮影条件に応じて調整して読み取り、その第2の画像データに基づいてコマ毎の第2の撮影条件を検知し、
本スキャン時に、前記第1、第2の速度よりも低速の第3の速度で前記フイルムを給送し、その給送中に前記フイルムの任意のコマの画像データを前記検知した当該コマの第2の撮影条件に応じて調整して読み取ることを特徴とするフイルム画像入力方法。
【請求項38】 前記第1のプリスキャン時のフイルム給送方向と、第2のプリスキャン時のフイルム給送方向は互いに逆方向である請求項37のフイルム画像入力方法。
【請求項39】 前記フイルムは単一のスプールを有するフイルムカートリッジに収納され、該フイルムカートリッジを収納するフイルム供給部と、前記フイルムを巻き取る巻取軸を有するフイルム巻取部との間で給送され、
前記第1のプリスキャンは、前記フイルム巻取部の巻取軸でのフイルム巻取中に行われ、前記第2のプリスキャンは、前記フイルム供給部のフイルムカートリッジ内への巻戻し中に行われることを特徴とする請求項38のフイルム画像入力方法。
【請求項40】 前記第2の速度は第1の速度よりも遅い請求項37のフイルム画像入力方法。
【請求項41】 前記フイルムは磁気記録層を有し、前記磁気記録層からの磁気データの読取りは、前記第1のプリスキャン時に行い、前記磁気記録層への磁気データの書込みは、前記巻取軸に巻き取られたフイルムを前記第1の速度でカートリッジ本体内に巻き戻しながら行うことを特徴とする請求項39のフイルム画像入力方法。
【請求項42】 前記第2のプリスキャン時に読み取った前記第2の画像データに基づいて全コマを表示するためのインデックス画像データを作成することを特徴とする請求項37のフイルム画像入力方法。
【請求項43】 現像済みスチル写真フイルムのコマの画像データを取り込むステップと、
前記コマ内における複数の領域の明るさを検出するステップと、
前記検出したコマ内の複数の領域の明るさに基づいて該コマの輝度の高い方向を上とする天地方向を判定するステップと、
を有するフイルム画像入力方法。
【請求項44】 前記取り込んだ画像データ及び前記判定された天地方向に基づいて表示画像が正立するように天地方向を修正した画像データをモニタに出力することを特徴とする請求項43のフイルム画像入力方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はフイルム画像入力方法及び装置に係り、特に現像済みスチル写真フイルムの画像を撮影レンズを介してイメージセンサに結像させ、該イメージセンサによって光電変換された画像信号をモニタTVに出力することによってフイルム画像をモニタTVの画面に再生させるフイルム画像入力方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像済みスチル写真フイルムをCCD等のイメージセンサで撮像し、写真フイルムの画像を画像信号に変換し、これをモニタTVに出力してフイルム画像を表示するフイルム画像入力装置は、WO90/04301、特開平5-75922号公報、特開平5-56345号公報、特開平5-22656号公報等において公知である。
【0003】
WO90/04301には、磁気記録トラックを有する写真フイルムを使用したカメラ及びフイルム画像入力装置が開示されており、特開平5-75922号公報には、現像済みスチル写真フイルムが単一のスプールに巻回されているフイルムカートリッジを使用したフイルム画像入力装置等が開示されている。
また、特開平5-22656号公報には、マルチ画面(以下、インデックス画像という)の作成が指示されると、現像済みスチル写真フイルムを1コマずつ巻き取り又は巻き戻し、イメージセンサを介して各コマの画像データを取り込み、各コマの画像データを圧縮して1画面分の画像メモリに記憶させ、この画像メモリに記憶された画像データに基づいてインデックス画像をモニタTVに表示するフイルム画像入力装置が開示されている。
【0004】
また、上記従来のフイルム画像入力装置には、フイルムの1コマ内から必要な範囲の画像のみを取り出して拡大するため(トリミングのため)のズームレンズやスキャン機構、フイルム画像の縦横を切り替えるためのイメージセンサ回転機構等を備えているものもある。
更に、従来のフイルム画像入力装置において、モニタTVに表示される表示画像に対する編集作業を行う場合(例えば、画像の天地方向の切替え(縦横変換)、画像の縦横比に対応するハイビジョン、パノラマ、通常等のフォーマット指定、フイルムの全コマを順次表示する際の表示/非表示コマの指定等を行う場合)には、1コマ分の画像をモニタTVに表示し、その画像を見ながら行うようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のフイルム画像入力装置は、いずれもイメージセンサとして2次元のイメージセンサを使用しているため、撮影条件によって異なる各コマの明るさや白バランス等をリアルタイムに補正した画像データを得ることができるという利点があるが、2次元のイメージセンサは1次元のイメージセンサ(ラインセンサ)に比べて高価であるという問題がある。
【0006】
一方、ラインセンサを使用して連続給送される写真フイルムの1コマ分の画像データを取り込み、その画像データに基づいて静止画をモニタTVに表示させる場合には、2次元のイメージセンサのようにリアルタイムに画像データを得ることができないため、1コマ分の画像データを1度だけを取り込んでも各コマの明るさや白バランス等が補正された良好な画像データを得ることができないという問題がある。
【0007】
また、上記従来のフイルム画像入力装置では、モニタTVに表示される表示画像に対する編集作業を行う場合には、1コマ分の画像をモニタTVに表示し、その画像を見ながら行うようにしているため、フイルムに写し込まれている全コマに対するストーリ編集を行う編集作業がやりずらく、複数コマがモニタTVに同時に表示されていないため、編集作業の効率も悪いという問題がある。
【0008】
一方、特開平5-22656号公報には、前述したようにインデックス画像を作成し、これを表示する記載があるが、このインデックス画像はモニタTVに表示するための所望のコマを選択するために使用されるもので、編集作業に使用されるものではない。
尚、上記インデックス画像を編集作業に使用することも可能であるが、従来のフイルム画像入力装置は、2次元のイメージセンサを使用しているため、上記インデックス画像を作成するためには、フイルムを1コマずつ巻き取り又は巻き戻し、フイルムが静止している状態でイメージセンサを介して各コマの画像データを取り込む必要があり、1本のフイルムの全コマの画像データを取り込むには多くの時間が必要となる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、イメージセンサとしてラインセンサを使用することによりコストの低減を図るとともに、ラインセンサを使用した場合に生じる各コマの撮影条件に応じた画像データの補正も迅速に行うことができるフイルム画像入力方法及び装置を提供することを目的とする。
また、本発明はインデックス画像を短時間で作成することができ、そのインデックス画像を見ながら一連の画像に対する編集作業を容易に行うことができるフイルム画像入力方法及び装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、長尺の現像済みスチル写真フイルムの給送方向と直交する方向に光電変換素子が配列されたラインセンサを設け、前記フイルムを全コマにわたって第1の速度で連続給送することにより前記ラインセンサを介して全コマの粗い画像データをそれぞれ取り込み、前記取り込んだ粗い画像データに基づいてコマ毎の撮影条件を検知し、その後、1コマの再生時には前記フイルムを前記第1の速度よりも低速の第2の速度で給送することにより、前記ラインセンサを介して所望のコマの細密画像データを前記検知した当該コマの撮影条件に応じて調整して取り込み、前記取り込んだ細密画像データに基づいて画像信号をモニタTVに出力することを特徴としている。
【0011】
また、前記フイルムが第1の速度で連続給送中に前記フイルムの磁気記録層から磁気データを読み取り、その読み取った磁気データに基づいてフイルム画像を再生することを特徴としている。
更に、前記フイルムを連続給送することにより取り込んだ全コマの画像データに基づいて複数コマのインデックス画像を示す画像信号をモニタTVに出力することによりインデックス画像をモニタTVに表示し、前記モニタTVに表示されたインデックス画像を見ながら各コマの表示方法を含む設定を行うとともに、その設定を示す設定データを記憶し、その後、所望のコマの画像データに基づく1コマの再生時に当該コマの設定データに対応して処理した画像信号をモニタTVに出力することを特徴としている。
【0012】
【作用】
本発明によれば、高価な2次元イメージセンサの代わりにラインセンサを使用し、現像済み写真フイルムを一定速度で給送することにより前記ラインセンサを介して画像データを取り込むようにしている。ここで、所望の画像データの取込みに先立ち、先ず前記フイルムを第1の速度で連続給送することによりラインセンサを介して全コマの粗い画像データをそれぞれ取り込み、その取り込んだ粗い画像データに基づいてコマ毎の明るさ、白バランス等の撮影条件を検知する。
【0013】
そして、1コマの再生時には前記フイルムを第1の速度よりも低速の第2の速度で給送し、ラインセンサを介して所望のコマの細密画像データを取り込むが、その取り込みに際し、前記検知した当該コマの撮影条件に応じて露出や白バランス等を調整して取り込むようにしている。
また、磁気記録再生時には磁気ヘッドと記録媒体との間の相対速度が一定速度以上必要であるが、前記フイルムが高速の第1の速度で連続給送中に、前記フイルムの磁気記録層から磁気データを読み取り又は磁気記録層への磁気データの書き込みを行うようにしている。
【0014】
更に、予めフイルムを連続給送することにより取り込んだ全コマの画像データに基づいて複数コマのインデックス画像を作成し、そのインデックス画像を示す画像信号をモニタTVに出力することによりインデックス画像をモニタTVに表示できるようにしている。そして、このモニタTVに表示されたインデックス画像を見ながら各コマの表示方法を含む設定を行うとともに、その設定を示す設定データを記憶し、これによりコマ毎の編集作業をまとめて行うようにしている。その後、所望のコマの画像データに基づく1コマの再生時には、上記のようにして編集した当該コマの設定データを読み出し、その設定データに対応して画像処理した画像信号をモニタTVに出力するようにしている。
【0015】
【実施例】
以下添付図面に従って本発明に係るフイルム画像入力方法及び装置の好ましい実施例を詳説する。
図1は本発明に係るフイルム画像入力装置を含むシステム全体の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、本発明に係るフイルム画像入力装置100は直方体状に形成され、その前面にはフイルムカートリッジトレー102及び電源スイッチ104が設けられている。フイルムカートリッジトレー102は、フイルムカートリッジ110のローディング/アンローディング時に前後方向に進退駆動され、これよりフイルムカートリッジ110の収納または取出しが行われる。
【0016】
フイルム画像入力装置100にはキーパッド120及びモニタTV109が接続され、キーパッド120からは信号ケーブル106を介してフイルム画像入力装置100を制御するための各種の操作信号がフイルム画像入力装置100に出力され、フイルム画像入力装置100からは信号ケーブル108を介して映像信号がモニタTV109に出力される。尚、キーパッド120によるフイルム画像入力装置100の制御の詳細については後述する。また、キーパッド120から信号ケーブル106を介して操作信号を送出するようにしているが、これに限らず、キーパッド120及びフイルム画像入力装置100にそれぞれ赤外リモコン送信器及び受信器を設け、キーパッド120からの操作信号を赤外リモコン信号としてフイルム画像入力装置100に送信するようにしてもよい。
【0017】
フイルムカートリッジ110は、図2に示すように単一のスプール112を有し、このスプール112に写真フイルム114が巻回されている。写真フイルム114には、各コマの位置を示すパーフォレーション114Aが穿設されるとともに、フイルム全面又はフイルム縁部に磁気記録層114Bが形成されており、この磁気記録層114Bには、磁気ヘッドを有するカメラによってコマ毎の撮影データ等を示す磁気データが記録できるようになっている。また、現像処理された上記写真フイルム114はフイルムカートリッジ110に巻き取られ、これにより保管できるようになっている。
【0018】
このフイルムカートリッジ110を使用するカメラは、カメラ内蔵の磁気ヘッドによって前記フイルム114の磁気記録層114Bに各種の磁気データをコマ毎に記録することができる。記録される磁気データとしては、例えば、コマ番号、ハイビジョン画像、パノラマ画像及び通常画像のいずれかを示すプリントフォーマット、撮影日/時刻、カメラでの撮影時のフイルム巻取方向を示すノーマルワインド/プリワインドを示すデータ等が考えられるが、その他、カメラによって多数種類のデータを記録することができる。また、前記写真フイルム114には、被写体光によって露光されるコマ領域以外にフイルムタイプ、コマ番号等を示すバーコードや、撮影時にカメラ内蔵の光源によってプリントフォーマット等を示すデータを光学的に記録することができる。
【0019】
図3は上記フイルム画像入力装置100の内部構成の一実施例を示すブロック図である。このフイルム画像入力装置100は、主として照明用の光源130、撮影レンズ136、CCDラインセンサ142を含むCCD回路ユニット140、第1信号処理回路151、第2信号処理回路152、第3信号処理回路153、メモリ制御回路154、CCDバッファM1、表示バッファM2、中央処理装置(CPU)160、フイルム駆動メカ170、光学データ読取装置180、磁気記録再生装置182等を備えている。
【0020】
光源130は、例えばフイルム114の給送方向と直交する方向に長い蛍光灯からなり、赤外カットフィルタ132を介してフイルム114を照明する。フイルム114を透過した画像光は、単焦点の撮影レンズ136を介してCCDラインセンサ142の受光面に結像される。尚、CCDラインセンサ142によるフイルム画像の撮像中には、フイルム114はフイルム駆動メカ170によって一定速度で矢印A方向(以下、順方向という)又は矢印B方向(以下、逆方向という)に移動させられるが、このフイルム駆動の詳細については後述する。
【0021】
CCDラインセンサ142はフイルム給送方向と直交する方向に配設されている。そして、CCDラインセンサ142の受光面に結像された画像光は、R,G,Bフィルタを有する各センサで所定時間電荷蓄積され、光の強さに応じて量のR,G,Bの信号電荷に変換される。このようにして蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路144から加えられる所定周期のリードゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって順次読み出される。
【0022】
尚、CCDラインセンサ142は、フイルム給送方向と直交する方向に例えば1024画素分のセンサを有している。また、1コマのフイルム給送方向と同方向の画素数は、CCD駆動回路144のリードゲートパルス等の周期を変更しない場合にはフイルム給送速度に応じて変化し、本実施例では標準のフイルム画像を取り込む時の給送速度の1/2倍、1倍、8倍、16倍の各速度における画素数は、1792画素、896画素、112画素、56画素である。
【0023】
このようにしてCCDラインセンサ142から読み出された信号電荷は、CDSクランプによってクランプされてR,G,B信号としてアナログ処理回路146に加えられ、ここでR,G,B信号のゲイン等が制御される。アナログ処理回路146から出力されるR,G,B信号はマルチプレクサ148によって点順次化され、A/Dコンバータ150によってデジタル信号に変換されたのち、第1信号処理回路151及びCPU160に加えられる。
【0024】
第1信号処理回路151は、白バランス調整回路、ネガポジ変転回路、γ補正回路及びRGB同時化回路等を含み、順次入力する点順次のR,G,B信号を各回路で適宜信号処理したのち、同時化したR,G,B信号を第2信号処理回路152に出力する。尚、第1信号処理回路151における白バランス調整回路は、CPU160から加えられる制御信号に基づいて行うもので、その詳細は後述する。
【0025】
第2信号処理回路152はマトリクス回路を有し、入力するR,G,B信号に基づいて輝度信号Y及びクロマ信号Cr/bを生成し、これらをメモリ制御回路154に出力する。
メモリ制御回路154は、上記輝度信号Y及びクロマ信号Cr/bのCCDバッファM1への書込み/読出しを制御するとともに、CCDバッファM1に記憶された輝度信号Y及びクロマ信号Cr/bの表示バッファM2への書込み/読出しを制御する。尚、CCDバッファM1及び表示バッファM2への書込み/読出し制御の詳細については後述する。
【0026】
メモリ制御回路154によって表示バッファM2から読み出される輝度信号Y及びクロマ信号Cr/bは、第3信号処理回路153に加えられる。第3信号処理回路153は、入力する輝度信号Y及びクロマ信号Cr/bに基づいて例えばNTSC方式のカラー複合映像信号を生成し、これをD/Aコンバータ156を介してビデオ出力端子158に出力する。尚、メモリ制御回路154、第3信号処理回路156及びD/Aコンバータ156には同期信号発生回路159から所定周期の同期信号がそれぞれ加えられており、これにより各回路の同期がとられるとともに所要の同期信号を含む映像信号が得られるようにしている。また、CCD回路ユニット140、A/Dコンバータ150、第1信号処理回路151、第2信号処理回路152及びメモリ制御回路154にはCPU160によって制御されるタイミング信号発生回路162からタイミング信号がそれぞれ加えられており、これにより各回路の同期がとられている。
【0027】
フイルム駆動メカ170は、フイルムカートリッジ110のスプール112と係合し、そのスプール112を正転/逆転駆動するフイルム供給部と、このフイルム供給部から送出されるフイルム114を巻き取るフイルム巻取部と、フイルム搬送路に配設され、フイルム114をキャプスタンとピンチローラとで挟持してフイルム114を一定速度で送る手段とから構成されている。尚、上記フイルム供給部は、フイルムカートリッジ110のスプール112を図3上で時計回り方向に駆動し、フイルム先端がフイルム巻取部によって巻き取られるまでフイルムカートリッジ110からフイルム114を送り出すようにしている。
【0028】
光学データ読取装置180は、フイルム114のパーフォレーション114Aを光学的に検出する第1の光センサ180Aと、フイルム縁部に書き込まれているバーコード等の光学データを光学的に検出する第2の光センサ180Bとを含み、これらの光センサ180A、180Bを介して検出した光学データを処理してCPU160に出力する。
【0029】
磁気記録再生装置182は磁気ヘッド182Aを含み、磁気ヘッド182Aを介してフイルム114の磁気記録層114Bに記録されている磁気データを読み取り、その磁気データを処理してCPU160に出力してRAM160Aに記録し、また、CPU160のRAM160Aに記録されたデータを読み出し、これを磁気記録に適した信号に変換したのち磁気ヘッド182Aに出力し、フイルム114の磁気記録層114Bに記録する。
【0030】
次に、上記構成のフイルム画像入力装置100の作用について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、フイルムカートリッジ110をフイルムカートリッジトレー102にセットすると、CPU160はフイルム駆動メカ170を制御してフイルムローディングを実行する(ステップ200)。即ち、フイルムカートリッジ110からフイルム114を送り出し、フイルム先端をフイルム巻取部の巻取軸に巻き付ける。
【0031】
フイルムローディングが完了すると、フイルム114の第1のプリスキャンを実行する。即ち、図5に示すようにフイルム114を148.0mm/秒の高速で順方向(図4参照)に給送し、続いて148.0mm/秒の高速で逆方向に巻き戻す。上記順方向の第1のプリスキャン時には、CCDラインセンサ142を介して画像データが取り込まれるとともに、光学データ読取装置180及び磁気記録再生装置182を介して光学データ及び磁気データが読み取られる。
【0032】
次に、上記第1のプリスキャン時に取り込んだ画像データに基づく処理について説明する。
CPU160は、図3に示すA/Dコンバータ150から点順次のR,G,B信号を入力する。CPU160は、全コマのR,G,B信号を各別に取り込み、色信号別のオフセット量、及び白バランスを調整するための色信号別のゲイン調整量を算出し、これらの色信号別のオフセット量を示すオフセットデータ及びゲイン調整量を示すAWBデータをコマ毎にCPU内蔵のランダム・アクセス・メモリ(RAM)160Aに記憶する。また、各コマのR,G,B信号から各コマの明るさを示すAEデータをRAM160Aに記憶する。尚、CPU160は、光学データ読取装置180及び磁気記録再生装置182を介して加えられる光学データ及び/又は磁気データに基づいてフイルム114の各コマを検知することができ、また、各コマをカウントすることによりコマ番号も検知することができる。
【0033】
次に、フイルム114の第2のプリスキャンを実行する。即ち、図5に示すようにフイルム114を74・0mm/秒の高速で順方向に再び給送し、続いて148.0mm/秒の高速で逆方向に巻き戻す。上記順方向の第2のプリスキャン時には、再びCCDラインセンサ142を介して画像データが取り込まれる。この画像データの取込み時には、CPU160は、RAM160Aに記憶したAEデータに基づいて絞り制御装置164を介して各コマ毎に絞り134を制御する。尚、CCDラインセンサ142として、電子シャッタ機構を有するものを使用する場合には、CCD駆動回路144を介してCCDラインセンサ142における電荷蓄積時間を制御することにより、露光量を調整することができ、この場合には絞り134や絞り制御装置164は不要になる。
【0034】
また、CPU160は、第1信号処理回路151において、各コマ毎にR,G,B信号のオフセット量及び白バランスの調整を行わせる。即ち、CPU160は、RAM160Aに記憶した各コマの色信号毎のオフセットデータを第1信号処理回路151に出力し、第1信号処理回路151はこのオフセットデータに基づいて点順次のR,G,B信号のオフセット量を調整する。同様に、CPU160は、RAM160Aに記憶した各コマの色信号毎のAWBデータを第1信号処理回路151に出力し、第1信号処理回路151はこのAWBデータに基づいて点順次のR,G,B信号のゲインを調整する。
【0035】
上記AWデータ、AWBデータ等に基づいて各コマの画像データを調整しているため、各コマの撮影条件にかかわらず、良好な画像データを取り込むことができる。
このようにして調整された各コマの画像データ、即ち、第2信号処理回路152から出力される輝度信号Y及びクロマ信号Cr/bは、メモリ制御回路154を介してCCDバッファM1に順次記憶される。尚、前述したように標準のフイルム画像を取り込む時の給送速度の8倍の速度でフイルム114が給送されるため、図7(A)に示すように1コマのフイルム給送方向と同方向の画素数は、112画素である。また、CCDラインセンサ142は、前述したようにフイルム給送方向と直交する方向に1024画素分のセンサを有しているが、1/16に間引くことにより1コマのフイルム給送方向と直交する方向の画素数は、64画素である。そして、CCDバッファM1は、図7(A)に示すように512×1024画素のデータを記憶する記憶容量を有しており、これにより5×4×2(=40)コマ分の画像データを記憶することができる。即ち、CCDバッファM1には、40コマ分のインデックス画像を示す画像データが記憶されることになる。
【0036】
表示バッファM2は、図7(B)に示すように512×1024画素のデータを記憶する記憶容量を有しているが、上記インデックス画像を示す画像データを記憶する場合には、1コマの画素が73×128に拡大されて5×4(=20)コマ分の画像データを記憶する。そして、インデックス画像をモニタTV109に表示させる場合には、表示バッファM2の左上の480×640画素分の領域が読み出される(図7(B)、(C)参照)。
【0037】
さて、CCDバッファM1には、図7(A)に示すように上記スキャン時における各コマの画像データの読取り順に、各コマの画像データが左上の記憶領域から右側に向かって順次記憶され、4コマ分記憶されると、1行下がった記憶領域から再び右側に向かって順次記憶される。そして、5行分(4×5=20コマ分)記憶れると、隣の20コマ分の記憶領域に同様にして記憶される。
【0038】
CCDバッファM1への上記記憶動作中にも、CCDバッファM1の記憶内容は表示バッファM2に転送され、その結果、ノーマルワインド式カメラ(通常のカメラ)で撮影されたフイルムカートリッジがセットされている場合には、図8(A)に示すようにモニタTV109には、左上から順次コマ画像が表示されることになる。
【0039】
表示バッファM2には1度に20コマ分の画像データしか記憶できないため、CCDバッファM1に21コマ目の画像データが入力されると、インデックス画像を上方向にスクロールさせるように、表示バッファM2への画像データの書換え及び読み出しが行われる。例えば、CCDバッファM1に21コマ目の画像データが入力されると、表示バッファM2のコマ番号1〜4の1行分の記憶領域の画像データがクリアされ、21コマ目の画像データが書き込まれるとともに、映像信号出力時のスキャン開始アドレスを2行目に変更される。これにより、モニタTV109では1行分だけ上方向にスクロールしたインデックス画像が表示されることになる。このようにして全コマの画像データがCCDバッファM1に記憶されると、モニタTV109には再びコマ番号1〜20までのインデックス画像が表示されるように下方向にスクロール又は画面が切り替えられる。
【0040】
ところで、CPU160は、上記スキャン時における各コマの画像データの読取り順に各コマに対してコマ番号を1、2、…とし、各コマのコマ番号を示すキャラクター信号を出力することにより、図8に示すようにコマ番号がスーパーインポーズされたインデックス画像を表示させるようにしている。
一方、プリワインド式カメラで撮影されたフイルムカートリッジがセットされ、例えば全コマ数が40コマの場合には、図8(B)に示すように画像データの読取り順にコマ番号40、39、…がスーパーインポーズされたコマ画像をモニタTV109の画面右下から順次表示する。これにより、各コマの撮影順とコマ番号とを一致させることができる。
【0041】
尚、上記のようにして各コマの撮影順とコマ番号とを常に一致させて表示させる場合は、少なくともプリワインド式カメラで撮影されたフイルムには、プリワインドを示すデータを光学的又は磁気的に記録する必要がある。
上記のようにしてインデックス画像の作成が行われ、インデックス画像がモニタTV109に表示されると、続いてインデックス画像を見ながらキーパッド120を使用し、対話形式でモニタTV109に1コマ表示するために必要な編集、その他の指定を行う(ステップ204)。
【0042】
即ち、キーパッド120は、図1に示すように上下左右の各キー121〜124、「UP」キー125、「DOUN」キー126、「Execute」キー127、「Cancel」キー128の8キーから構成されている。
さて、CPU160は、図9に示すように20コマ分のインデックス画像とともに各種の設定メニューを示す文字をモニタTV109に表示させる。尚、「PSET」はプリント枚数の設定を示し、「ROTS」はコマの縦横の設定を示し、「SKPS」は再生時における非表示コマの設定を示し、「VIEW」は1コマずつ再生することを示し、「PLAY」は各コマを一定のインターバルで連続的に再生することを示し、「ENV」はインターバル時間や背景色等の環境設定を示し、「END」はインデックス画像を用いた編集の終了を示す。
【0043】
上記メニューの選択は、キーパッド120の「UP」,「DOUN」キー125、126を使用して実行したいメニューの位置にカーソル(他のメニューと色を変えて区別する)を移動させ、「Execute」キー127を押すことによって行われる。尚、メニューが選択されると、1コマ目が編集対象のコマとなり、1コマ目のコマ番号がカレント表示(そのコマ番号がブリンク表示)される。また、編集対象のコマの選択は、キーパッド120の上下左右のキー121〜124を操作することによって行うことができる。
【0044】
いま、図9に示すように「SKPS」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押すと、スキップ設定メニューとなる。
このスキップ設定メニューにおいて、例えばコマ番号1のコマを非表示コマとして設定する場合には、編集対象のコマとしてコマ番号1のコマを選択し、「UP」キー125を押す。これにより、コマ番号1のコマ内には「SKIP」の文字が表示される。そして、「Execute」キー127を押すと、表示バッファM2のコマ番号1に対応する記憶領域はクリア色で塗りつぶされるとともに、非表示コマのコマ番号1を示すデータがCPU160のRAM160Aに記憶される。尚、CCDバッファM1上では画像データはそのままの状態になっているため、「DOWN」キー126を押し、コマ番号1のコマ内に「VIEW」の文字を表示したのち、「Execute」キー127を押すと、表示バッファM2のコマ番号1に対応する記憶領域にはコマ番号1に対応する画像データがCCDバッファM1から転送され、これによりコマ表示が行われるとともに、RAM160Aに記憶された非表示コマのコマ番号1を示すデータがクリアされる。このようにして、表示/非表示コマの設定が行われる。尚、「Cancel」キー128によって設定内容をキャンセルすることもできる。
【0045】
次に、コマの縦横を切り替える場合について説明する。
この場合には、図10に示すように「ROTS」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押し、縦横設定メニューにする。
縦横設定メニューが選択されると、図10に示すように編集対象のコマのコマ番号がブリンク表示されるとともに、そのコマの画像中に天地方向を示す矢印↑が表示される。この状態から「UP」キー125を押すと、ワンプッシュする毎に矢印の方向が90度ずつ時計回り方向に回転し、「DOWN」キー126を押すと、ワンプッシュする毎に矢印の方向が90度ずつ反時計回り方向に回転する。このようにして、矢印によって天地方向を選択したのち、「Execute」キー127を押すと、表示バッファM2の対象コマの記憶領域の画像データは、前記選択された天地方向に応じて回転させられる。尚、図7に示したように1コマの縦と横の画素数が異なるため、横から縦に回転させる場合には画像を縮小し、縦から横に回転させる場合には画像を拡大する。
【0046】
次に、各コマのプリント枚数を設定する場合について説明する。
この場合には、図11に示すように「PSET」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押し、プリント枚数設定メニューにする。
プリント枚数設定メニューが選択されると、図11に示すように編集対象のコマのコマ番号がブリンク表示されるとともに、そのコマの画像中にプリント枚数が表示される。このプリント枚数は、そのコマの画像中に予め0が表示されるようになっており、この状態から「UP」キー125を押すと、ワンプッシュする毎に数字が1ずつ増加し、「DOWN」キー126を押すと、ワンプッシュする毎に数字が1ずつ減少する。このようにして、プリント枚数を選択したのち、「Execute」キー127を押すと、その表示されたプリント枚数が設定され、CPU160のRAM160Aに格納される。
【0047】
また、画像の縦横比に対応するハイビジョン、パノラマ、通常等のプリントフォーマット指定も各コマ毎に行うことができる。この場合、フォーマット指定に応じてインデックス画像のコマの縦横比を変更すれば、いずれのフォーマットが指定されたかをインデックス画像上で視認することができる。
更に、あるコマから次のコマに表示を切り替える場合のコマ切替方法も指定することができる。例えば、あるコマから次のコマに表示を切り替える場合に、表示画面を瞬時に切り替えるコマ切替方法の他に、画面をスクロールさせて切り替えるコマ切替方法、フェードアウト/フェードインで切り替えるコマ切替方法等の指定をインデックス画像を見ながら行うことができる。
【0048】
上記のようにしてインデックス画像を見ながら編集を行ったのち、「END」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押すと、インデックス画像を用いた編集が終了する。
インデックス画像による編集が終了すると、続いてステップ206(図4)において各コマ毎の編集を行うか否かが選択される。この選択もモニタTV109の画面を見ながらキーパッド120を操作することによって行うことができる。
【0049】
次に、各コマ毎の編集を行う場合について説明する。
この場合には、先ず表示コマ番号を1にセットし(ステップ208)、続いて図5に示すようにフイルム114を9.25mm/秒で順方向に1コマ分給送して、コマ番号1のコマのスキャン(本スキャン)を行う(ステップ210)。この本スキャン時にCCDラインセンサ142を介して画像データがCCDバッファM1に取り込まれる。
【0050】
この画像データの取込み時には、CPU160は、RAM160Aに記憶したAEデータ、AWBデータ等に基づいて各コマの画像データを調整しているため、各コマの撮影条件にかかわらず、良好な画像データを取り込むことができる。また、このようにしてCCDバッファM1に取り込まれる1コマ分の画素数は、図7(D)に示すように512×896画素である。即ち、1024画素分のセンサを有するCCDラインセンサ142のCCD出力を、本スキャン時には1/2に間引き、これにより1コマのフイルム給送方向と直交する方向の画素数を512とし、また、フイルム給送速度をインデックス画像の画像データの取込み時に比べて1/8にすることにより、インデックス画像の1コマのフイルム給送方向と同方向の画素数(112画素)の8倍の896画素としている。
【0051】
上記のようにしてCCDバッファM1に取り込まれた1コマ分の画像データは、表示バッファM2に転送され、この表示バッファM2の記憶内容が繰り返し読み出されことによりモニタTV109に1コマの画像が表示される。尚、1コマ再生メニュー設定モード時には、図12に示すようにコマ番号がモニタTV109の画面左上に表示され、1コマの編集に必要な設定メニュー等を示す文字がモニタTV109の画面右側に表示される。尚、「FWD」は次のコマ再生を示し、「REV」は前のコマ再生を示し、「RST」は各種設定をリセットし、再スキャンを行うこと示し、「ZOOM」はズーム設定を示し、「MASK」はマスク設定を示し、「ROT」はコマの縦横の設定を示し、「SET」はプリント枚数等の設定を示し、「IDX」は前述したインデックス画像の表示を示し、「ENV」はインターバル時間や背景色等の環境設定を示し、「END」は1コマの画像を用いた編集の終了を示す。
【0052】
上記メニューの選択は、前述したインデックス画像を用いた編集時と同様にキーパッド120の「UP」,「DOUN」キー125、126を使用して実行したいメニューの位置にカーソルを移動させ、「Execute」キー127を押すことによって行われる。
いま、「ZOOM」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押すと、ズーム設定メニューとなる(ステップ212)。このズーム設定メニューにおいて、キーパッド120の上下左右のキー121〜124を操作することによりポインタを適宜移動させ、ズーム中心を指示する。そして、「UP」キー125又は「DOWN」キー126を押すことにより、電子ズームによるズームアップ又はズームアウトを行う。このようにして所望のズーミングを行ったのち、「Execute」キー127を押すと、ズーム設定が確定し、CPU160のRAM160Aに記憶される(ステップ214)。尚、フイルム画像入力装置100と接続されるビデオプリンタ(図示せず)でプリントする場合には、プリンタ側からのプリント指示によって行われる(ステップ216)。
【0053】
また、上記電子ズームでは、例えば0.5〜1.5倍の範囲のズーミングができるものとする。そして、電子ズームによる倍率が1.5となり、更に「UP」キー125によるズームアップが指示されると、低速の本スキャンを行う。この場合、フイルム114を4.63mm/秒(通常の本スキャンの速度の1/2)で順方向に給送するとともに、CCDラインセンサ142のCCD出力を間引かずに、前記指定されたズーム中心を基準にして取り込む。これにより、通常の本スキャン時に比べて2倍にズーミングされた画像データが取り込まれるとになる。この画像データに対して、電子ズームをかけることにより、最大3倍までズーミングすることができるようになる。
【0054】
更に、キーパッド120を用いながら、コマ画像に重ねて表示するタイトルを入力することができ(ステップ218、220)、そのタイトルを示す文字データはCPU160のRAM160Aに格納され、また、「MASK」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押すことにより、枠付け設定メニューにすることができ、キーパッド120を用いながら表示コマの周囲に設ける枠の大きさや位置を入力することができる(ステップ224、226)。尚、これらの入力確定後、ステップ216と同様にビデオプリンタによるプリントが可能となる(ステップ222、228)。
【0055】
次に、表示コマのプリント枚数等を設定する場合について説明する。
この場合には、「SET」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押し、プリント枚数設定メニューにする(ステップ230、232)。
即ち、プリント枚数設定メニューが選択されると、図13に示すようにそのコマの画像の左上に「SET」が表示されるとともに、3つの対象項目「PRINT 0」,「DATE ON」,「PLAY VIEW」が表示される。これらの対象項目は、上・下キー121、122を操作することにより選択され、選択された対象項目はブリンク表示される。「PRINT 0」を選択すると、「UP」キー125、「DOUN」キー126によってプリント枚数を指定することができ、「DATE ON」を選択すると、「UP」キー125、「DOUN」キー126によって撮影日時をプリントするか否か(ON/OFF)を指定することができ、「PLAY VIEW」を選択すると、「UP」キー125、「DOUN」キー126によってコマの表示/非表示(VIEW/SKIP)を指定することができる。このようにしてプリント枚数等を指定したのち、「Execute」キー127を押すと、その表示されたプリント枚数等が設定され、CPU160のRAM160Aに格納される。尚、インデックス画像で設定したプリント枚数と、1コマ設定メニューで設定したプリント枚数とが異なる場合には、例えば1コマ設定メニューで設定したプリント枚数が優先される。
【0056】
次に、表示コマのインターバル時間等を設定する場合について説明する。
この場合には、「ENV」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押し、環境設定メニューにする。
環境設定メニューが選択されると、画像はミュートとされ、図14に示すように「INTERVAL TIME:10」,「BACK COLOR:BLACK」の文字のみが表示される。これらの対象項目は、上・下キー121、122を操作することにより選択され、選択された対象項目はブリンク表示される。「INTERVAL TIME:10」を選択すると、「UP」キー125、「DOUN」キー126によって1コマずつ連続的に表示する際の表示時間を指定することができ、「BACK COLOR:BLACK」を選択すると、「UP」キー125、「DOUN」キー126によって表示コマの背景色を8色の中から指定することができる。このようにしてインターバル時間等を指定したのち、「Execute」キー127を押すと、その表示されたインターバル時間等が設定され、CPU160のRAM160Aに格納される。
【0057】
上記のようにして表示コマの編集を行たのち、「END」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押すと、表示コマの編集が終了し(ステップ234)、一方、「FWD」又は「REV」にカーソルを合わせて「Execute」キー127を押すと、コマ番号を1だけ増加又は減少し(ステップ236)、ステップ210に戻る。これにより上記と同様にして別の表示コマの編集を実行することができる。
【0058】
さて、表示コマの編集が終了すると(ステップ234)、図5に示すようにフイルム114を148.0mm/秒の高速で順方向に給送し、この給送中に予めフイルム114の磁気記録層114Bから読み取られてCPU160のRAM160Aに記憶された磁気データ、前記インデックス画像を用いた編集の内容を示すデータ、表示コマを用いた編集の内容を示すデータ等がフイルム114の磁気記録層114Bに再び記録される(ステップ238)。続いて148.0mm/秒の高速で逆方向に巻き戻され、フイルムカートリッジ110が取り出される(ステップ240)。
【0059】
一方、ステップ206において、表示コマを用いた編集を実行しない場合には、ステップ244、244に進み、上記ステップ238、240と同様にフイルム114の磁気記録層114Bへの書き込み、及びフイルムカートリッジ110の取出しが行われる。
尚、図4のフローチャートでは示していないが、上記のようにして編集した編集内容に応じてフイルムの各コマを1コマずつ又は所定のインターバルで連続的にモニタTV109に再生してフイルム画像を楽しむことができる。また、一旦編集が行われたフイルムカートリッジ110をローディングした場合には、その編集内容に応じてモニタTV109に再生することができる。但し、この場合には、少なくとも1コマ再生に先立ってフイルムから磁気データ、AEデータ、AWBデータ等を読み取る必要がある。更に、ノーマルワインド式カメラで撮影されたフイルムかプリワインド式カメラで撮影されたフイルムかに応じて1コマ再生時のフイルムの搬送シーケンスを変更するようにすれば、常に撮影順に再生することができる。
【0060】
ところで、磁気データ及び光学データの記録が可能なフイルムの場合、同一種類の処理に対して磁気データと光学データの双方で記録されることが考えられる。撮影時に光学的に記録した光学データは書き換えることができないが、磁気データは編集時に書換えが可能であり、その結果、光学データの内容と磁気データの内容とが異なる場合が発生する。例えば、撮影時にカメラでハイビジョンのフォーマットを示すデータを光学的に記録し、その後、編集時にパノラマのフォーマットを示すデータをフイルムの磁気記録層に書き込む場合が考えられる。
【0061】
そこで、CPU160は、光学データ読取装置180及び磁気記録再生装置182によってそれぞれ読み取られた光学データ及び磁気データを入力し、フイルムの同一コマに対して記録されたデータ同士を比較する。そして、その比較結果に基づいて同一種類の処理に対して異なる内容を示すデータが記録されていることが検出されると、磁気データの内容に基づく処理を実行する。尚、光学データのみが記録されている場合、或いは磁気データにエラーが発生している場合には、光学データに基づいて処理を行う。また、磁気データにエラーが発見された場合には、光学データに基づいて磁気データを修正することもできる。
【0062】
また、本実施例では、各コマ毎に撮影時の明るさや白バランス等の撮影条件を検知するようにしたが、これに限らず、フイルムの磁気記録層から読み取った磁気データに基づいて撮影日時が略同一のコマが複数あることは検知されると、これらのコマの撮影条件を最初のコマについて検知した撮影条件と一致させるようにしてもよい。尚、撮影日時が略同一とは、撮影日が同一で、かつ同一シーンや同一の撮影状況下で撮影していると判定できる程度に各コマの撮影時刻が近い場合をいう。
【0063】
更に、本実施例では、図5に示すようにフイルムを順方向に送るときのみ、磁気データの読取り/書込み、画像データの読取りを行うようにしているが、これに限らず、図6に示すようにフイルムを逆方向に送るときに、インデックス画像の画像データの読込み、磁気データの書込み等を行うようにしてもよく、これによれば、フイルムローディングから各コマの編集等が終了してフイルムを取り出すまでの時間の短縮化を図ることができる。尚、この場合には、磁気データの読取り時と書込み時のフイルムの給送方向が逆になるため、書込み時の磁気データの送出順序を逆にする必要がある。
【0064】
更にまた、本実施例では、プリワインド式カメラで撮影されたフイルムのインデックス画像の画像データの処理を図8(B)に示すようにしたが、これに限らず、フイルムの搬送シーケンスを変更し、例えば図5に示す巻戻し時(フイルムを逆方向に送る時)に画像データ等の読取りを行うようにしてもよい。
次に、フイルムに記録されたコマの天地方向を自動判別する方法について説明する。
【0065】
前述したようにプリスキャン時には、CPU160は、A/Dコンバータ150から点順次のR,G,B信号を入力し、これらの信号を処理して各コマのAEデータ等を検知しているが、上記R,G,B信号に基づいて図15に示すように1コマを9つの領域に区分し、各領域毎の明るさを示すデータE11〜E33を検知し、図16に示す処理を行うことにより各コマの天地方向を自動判別する。
【0066】
即ち、図16に示すように各コマの上記データE11〜E33を読み込み(ステップ300)、図15に示すように周囲4辺の明るさを示すデータX1,X3,Y1,Y3を、次式によって求める(ステップ302)。
X1=E11+E12+E13
X3=E31+E32+E33
Y1=E11+E21+E31
Y3=E13+E23+E33
続いて、ステップ304からステップ316において、4つのデータX1,X3,Y1,Y3をそれぞれ比較し、これにより周囲4辺のうちいずれの辺が最も明るいかを判別する。そして、最も明るい辺は空や照明が近いと判断し、その辺のある方向に画像が正立していると判断する。即ち、図5に示すように天地方向を示す矢印A,B,C,Dのうち、データY1に対応する辺が最も明るい場合には、矢印A方向に画像が正立していると判断し、同様にしてデータY3に対応する辺が最も明るい場合には、矢印B方向に画像が正立していると判断し、データX1に対応する辺が最も明るい場合には、矢印C方向に画像が正立していると判断し、データX3に対応する辺が最も明るい場合には、矢印D方向に画像が正立していると判断する。
【0067】
このようにしてプリスキャン時に得られる各コマの画像データから各コマの天地方向を自動的に判別することができる。CPU160はこのようにして判別した天地方向を示すデータをRAM160Aに記憶するとともに、各コマの天地方向に応じてインデックス画像の各コマを回転させることができる。
尚、上記のようにして自動的に判別した各コマの天地方向は正しいとは限らないため、誤って天地方向が判別されたコマについては、前述したようにキーパッド120を用いて修正することもできる。また、1つのフイルムカートリッジのフイルム内において、図15に示す矢印A方向に画像が正立しているコマと、矢印B方向に画像が正立しているコマとが混在している場合は考えにくいため、このような場合にはいずれか多い方に統一するようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るフイルム画像入力方法及び装置によれば、イメージセンサとしてラインセンサを使用することによりコストの低減を図ることができるとともに、ラインセンサを適用したためプリスキャンによって1本のフイルムの全コマの撮影条件を迅速に検知することができ、これによりラインセンサを使用した場合に生じる各コマの明るさ、白バランス等の撮影条件に応じた画像データの補正も迅速に行うことができる。また、1本のフイルムの全コマの画像データを迅速に取り込むことができ、これによりインデックス画像を短時間で作成することができ、そのインデックス画像を見ながら一連の画像に対する編集作業を容易に行うことができる。尚、インデックス画像は鑑賞用の画像でないため、画質は問題とされず、迅速に取り込んだ粗い画像データでも十分に作成することができる。
【0069】
また、本発明によれば、プリスキャン時には高速でフイルムを給送し、本スキャン時には低速でフイルムを給送するようにしたため、プリスキャン時におけるフイルムの磁気記録層への磁気データの記録又は再生を容易に行いことができるとともに、1本のフイルムの全コマの画像データを迅速に取り込むことができ、一方、本スキャン時には1コマの細密な画像データを取り込むことができる。
【0070】
更に、本発明によれば、プリワインド式カメラで撮影されたフイルムか否かによってコマ番号の順番又はフイルムの搬送シーケンスを変更することにより、常に撮影順とコマ番号とを一致させることができ、また、プリスキャン時に得られる各コマのコマ内の明るさを示すデータに基づいて自動的にそのコマの天地方向を判別するようにしたため、各コマの天地を目視によって修正せずに天地を正しく表示することができ、または目視による修正作業を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明に係るフイルム画像入力装置を含むシステム全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】
図2は図1に示したフイルム画像入力装置に適用されるフイルムカートリッジの一例を示す図である。
【図3】
図3は図1に示したフイルム画像入力装置の内部構成の一実施例を示すブロック図である。
【図4】
図4は図1に示したフイルム画像入力装置の作用を説明するために用いたフローチャートである。
【図5】
図5は図1に示したフイルム画像入力装置において搬送されるフイルムの搬送シーケンスの一例を示す図である。
【図6】
図6は図1に示したフイルム画像入力装置において搬送されるフイルムの搬送シーケンスの他の例を示す図である。
【図7】
図7(A)乃至(D)は図1に示したフイルム画像入力装置におけるCCDバッファ、表示バッファにおける記憶領域及びモニタTVの表示画面を示す図である。
【図8】
図8(A)及び(B)はノーマルワインド式カメラとプリワインド式カメラで撮影されたフイルムのインデックス画像の処理を説明するために用いた図である。
【図9】
図9はインデックス画像を用いたスキップ設定を説明するために用いた図である。
【図10】
図10はインデックス画像を用いたコマの縦横設定を説明するために用いた図である。
【図11】
図11はインデックス画像を用いた各コマのプリント枚数の設定を説明するために用いた図である。
【図12】
図12は1コマ再生メニュー設定モード時のモニタ画面の一例を示す図である。
【図13】
図13は表示コマのプリント枚数等の設定を説明するために用いた図である。
【図14】
図14は表示コマの環境設定を説明するために用いた図である。
【図15】
図15は1コマを9つの領域と各領域毎の明るさを示すデータ及び天地方向記号を示す図である。
【図16】
図16は各コマの天地方向を自動判別する処理を説明するために用いたフローチャートである。
【符号の説明】
100…フイルム画像入力装置
102…フイルムカートリッジトレー、
109…モニタTV
110…フイルムカートリッジ
114…写真フイルム
114A…パーフォレーション
114B…磁気記録層
120…キーパッド
130…光源
134…絞り
135…撮影レンズ
140…CCD回路ユニット
142…CCDラインセンサ
150…A/Dコンバータ
151…第1信号処理回路
152…第2信号処理回路
153…第3信号処理回路
154…メモリ制御回路
156…D/Aコンバータ
158…ビデオ出力端子
160…中央処理装置(CPU)
160A…RAM
164…絞り制御回路
170…フイルム駆動メカ
180…光学データ読取装置
182…磁気記録再生装置
M1…CCDバッファ
M2…表示バッファ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-04-26 
出願番号 特願平5-327194
審決分類 P 1 41・ 851- Y (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 関谷 隆一  
特許庁審判長 杉山 務
特許庁審判官 大野 弘
原 光明
登録日 2003-03-20 
登録番号 特許第3409045号(P3409045)
発明の名称 フイルム画像入力方法及び装置  
代理人 松浦 憲三  
代理人 松浦 憲三  

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