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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E02F |
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管理番号 | 1118739 |
審判番号 | 不服2004-22607 |
総通号数 | 68 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-10-15 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-11-04 |
確定日 | 2005-06-17 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第 96036号「カウンタウエイトの取付構造」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年10月15日出願公開、特開平 8-270016〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は平成7年3月28日の出願であって、平成16年9月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月4日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。なお、請求人が審判請求書でいう明細書を補正する平成16年12月15日付け手続補正書は提出されていない。 2.本願発明 本願の各請求項に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1〜7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「【請求項1】下部走行体の上部に上部旋回体を設け、その上部旋回体の後端部にカウンタウエイトを装着した建設機械において、上部旋回体の旋回フレームの後面部の平面視略中央部と、左右両側部の後面側にそれぞれ支持部を設け、上記3点の支持部に対してカウンタウエイトを支持せしめるようにしたことを特徴とするカウンタウエイトの取付構造。 【請求項2】〜【請求項7】(記載を省略。)」 (請求項1に係る発明を、以下、「本願発明」という。) 3.引用刊行物の記載事項 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に国内において頒布された刊行物である実願昭56-74222号(実開昭57-185681号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という)には、「動力作業機のバランスウエイト取付構造」に関して、 (1)「(A)は動力作業機の一例としてのバックホーを示すものであり、同バックホー(A)は、機体(a)の下部にクローラ型の走行部(1)を設け、機体(a)は走行部(1)上においてターンテーブルを介して旋回自在に構成されている。 」(2頁12行〜16行) (2)「機体(a)の後端部のフレーム(a)には、同フレーム(a)の形状すなわち中央部を平面にその左右をやや前方に折曲した形状に沿った形状構成をしてなるバンパー兼用のバランスウエイト(B)を装着している。」(3頁4〜8行) (3)「バランスウエイト(B)の中央には、中央取付孔(6)を設けており、同孔(6)の外側端縁部には、ボルト(7)にて取付ける際のボルト頭が嵌入する凹部(8)を設け、同孔(6)の内側端縁部には、機体(a)のフレーム(a)に当接してスペーサーの機能を行う突出縁部(9)を設けている。また、バランスウエイト(B)の左右縁部には、左右取付孔(10),(11)を設けており、同孔(10),(11)の外側端縁部及び内側端縁部には、ボルト(12),(13)にて取付ける際のボルト頭が嵌入する左右凹部(14),(15)及びスペーサーの機能を行う左右突出縁部(16),(17)をそれぞれ設けている。」(3頁14行〜4頁7行) と記載されている。 これら(1)〜(3)の技術事項を含む引用文献1全体の記載及び図面並びに当業者の技術常識によれば、引用文献1には、次の発明が記載されているものと認める。〔〕かっこ内は対応する引用文献1における構成・用語である。 「下部走行体〔走行部(1)〕の上部に上部旋回体〔機体(a)〕を設け、その上部旋回体の後端部にカウンタウエイト〔バランスウエイト(B)〕を装着した建設機械〔バックホー(A)〕において、上部旋回体の旋回フレーム〔フレーム(a)〕の後面部の平面視略中央部と、左右の後面側にそれぞれ支持部を設け、上記3点の支持部に対してカウンタウエイトを支持せしめるようにしたカウンタウエイトの取付構造。」 (以下、「引用発明」という) 4.対比・判断 本願発明と引用発明を比較すると、両者は、 「下部走行体の上部に上部旋回体を設け、その上部旋回体の後端部にカウンタウエイトを装着した建設機械において、上部旋回体の旋回フレームの後面部の平面視略中央部と、左右の後面側にそれぞれ支持部を設け、上記3点の支持部に対してカウンタウエイトを支持せしめるようにしたカウンタウエイトの取付構造。」である点で一致しているが、 本願発明では、左右の「両側部の」後面側にそれぞれ支持部を設けているのに対し、引用発明では、両側部より少し内寄りの後面側にそれぞれ支持部を設けている点で相違している。 そこで、上記相違点について検討すると、 カウンタウエイトを支持する左右の支持部を両側部に詰めて設けるか、両側部より少し内寄りに設けるかは、その機能においても特段の差があることでもなく、必要に応じて当業者が容易になし得る設計事項にすぎない。 してみると、引用発明の左右の支持部を両側部に詰めて設けること、即ち上記相違点に係る本願発明の事項のようにすることは、当業者が容易に想到し得ることにすぎないと言える。 そして、本願発明によりもたらされる効果も、引用文献1記載の技術事項から当業者であれば当然に予測できる程度のものであって、格別顕著なものではない。 5.むすび したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-04-26 |
結審通知日 | 2005-04-26 |
審決日 | 2005-05-09 |
出願番号 | 特願平7-96036 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(E02F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 志摩 美裕貴、河本 明彦 |
特許庁審判長 |
安藤 勝治 |
特許庁審判官 |
▲高▼橋 祐介 南澤 弘明 |
発明の名称 | カウンタウエイトの取付構造 |