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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A63F 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A63F 審判 全部申し立て 2項進歩性 A63F |
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管理番号 | 1119448 |
異議申立番号 | 異議2003-73538 |
総通号数 | 68 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2003-04-02 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-26 |
確定日 | 2005-07-04 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 特許第3456986号「スロットマシン」の請求項1ないし10に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3456986号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件発明 特許第3456986号の請求項1ないし10に係る発明(平成13年9月25日に出願、平成15年8月1日に設定登録。)は、特許明細書及び図面の記載からみてその特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次の事項により特定されるものである。 【請求項1】 主表示部と、副表示部と、ハズレを含む所定の入賞役を決定する入賞役抽選手段とを具備し、 前記主表示部として複数の図柄が可変表示する可変表示部が備えられるとともに、前記可変表示部の図柄列の停止により導出される表示結果があらかじめ定められた表示態様と一致した場合に、所定の遊技価値媒体の払出しを行う遊技価値媒体払出手段と、 前記各入賞役に対応した複数の主データテーブルと、 前記入賞役抽選手段の抽選結果に対応して、前記複数の主データテーブルから一の主データテーブルを選択する主データテーブル選択手段と、 前記一の主データテーブルから読み出したデータに基づき所定表示態様を前記主表示部に表示する主表示制御手段と、 前記入賞役に関する所定の情報を伝達すると共に、前記入賞役抽選手段による抽選の結果が特定の入賞役でない場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが所定のものであるとき、前記主データテーブルに基づいた情報を伝達する情報伝達手段と、 あらかじめ前記入賞役に関する所定の情報、および前記主データテーブルに基づいた情報に対応付けられた演出態様を含む複数の副データテーブルと、 前記情報伝達手段から伝達される情報に基づいて、前記複数の副データテーブルから一の副データテーブルを選択し、選択された前記一の副データテーブルから前記演出態様を含むデータを読み出して、前記ハズレを含む所定の入賞役に関する所定の報知態様を前記副表示部へ表示する副表示制御手段と、 を備えたスロットマシン。 【請求項2】 前記主表示制御手段により前記主表示部に表示される前記所定表示態様に含まれる、プレイヤーに前記入賞役に対応した表示態様となる可能性を報知する第一報知態様と、 前記情報伝達手段により伝達された前記入賞役の情報又は前記主データテーブルに基づいた情報に対応する前記演出態様を含むデータを前記副データテーブルから読みだして、前記プレイヤーに前記入賞役の可能性を報知する第二報知態様とを具現し、 前記第一報知態様が前記プレイヤーに与える期待度は、前記第二報知態様が前記プレイヤーに与える期待度と、同一又は類似となるように前記主表示制御手段および前記副表示制御手段による制御が行われることを特徴とする請求項1に記載されたスロットマシン。 【請求項3】 前記第一報知態様と前記第二報知態様とのうち、いずれか先に停止する報知態様は非断定的であり、後に停止する報知態様は断定的であるように、前記主表示制御手段と前記副表示制御手段とによる制御が行われることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。 【請求項4】 前記副表示部は画像表示装置により構成されており、前記第二報知態様は動画により表現されることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のスロットマシン。 【請求項5】 前記主データテーブルは前記可変表示部の図柄の停止位置を制御する停止テーブルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。 【請求項6】 前記副表示制御手段が前記第二報知態様の表示を行っている間に、前記プレイヤーの操作により、前記主表示部の少なくともひとつの前記可変表示部の停止がなされ、他の前記可変表示部は停止されていない場合において、 停止された前記可変表示部に、前記第二報知態様が示唆する入賞役と同一の入賞役の可能性を示唆する図柄が表示された場合には、 前記主表示制御手段は、前記可変表示部の全ての図柄が停止される直前まで、前記第二報知態様が示唆する入賞役とは矛盾なき図柄表示が行われるように前記可変表示部を停止制御する、ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載されたスロットマシン。 【請求項7】 前記副表示部の表示は、前記可変表示部の図柄表示態様を模して行われ、 前記副表示部の図柄表示の後に行われる前記可変表示部の図柄表示が前記副表示部の図柄表示態様と同一又は類似である場合には所定の入賞役に当選したことが示唆されるように前記主表示制御手段および前記副表示制御手段が構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載されたスロットマシンスロットマシン。 【請求項8】 前記副表示制御手段が所定態様の図柄表示を行っている間に、前記プレイヤーの操作により、前記可変示部の少なくともひとつが停止され、他の前記可変表示部は停止されていないときに、停止された前記可変表示部に前記所定態様の図柄表示の一部と同一態様の図柄表示が行われた場合には、 前記主表示制御手段は、前記可変表示部の全ての図柄が停止される直前まで、前記所定図柄表示態様と同一の図柄表示が行われるように前記可変表示部を停止制御する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載されたスロットマシン。 【請求項9】 主表示部と、副表示部と、ハズレを含む所定の入賞役を決定する入賞役抽選手段とを具備し、前記主表示部の表示態様として、ハズレ以外の入賞役に確実に当選していることをプレイヤーに報知する第1表示態様と、ハズレ以外の入賞役に当選しているかもしれないことをプレイヤーに報知する第2表示態様と、ハズレていることをプレイヤーに報知する第3表示態様とがあり、前記副表示部の報知態様として、ハズレ以外の入賞役に確実に当選していることをプレイヤーに報知する第1報知態様と、ハズレ以外の入賞役に当選しているかもしれないことをプレイヤーに報知する第2報知態様と、ハズレていることをプレイヤーに報知する第3報知態様とがあるスロットマシンにおいて、 前記主表示部として複数の図柄が可変表示する可変表示部が備えられるとともに、前記可変表示部の図柄列の停止により導出される表示結果があらかじめ定められた表示態様と一致した場合に、所定の遊技価値媒体の払出しを行う遊技価値媒体払出手段と、 前記各入賞役に対応した複数の主データテーブルと、 前記入賞役抽選手段の抽選結果に対応して、前記複数の主データテーブルから一の主データテーブルを選択する主データテーブル選択手段と、 前記一の主データテーブルから読み出したデータに応じて、前記第1表示態様、前記第2表示態様、又は前記第3表示態様を前記主表示部に表示する主表示制御手段と、 前記入賞役に関する所定の情報を伝達すると共に、前記入賞役抽選手段による抽選の結果が特定の入賞役でない場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが所定のものであるとき、前記主データテーブルに基づいた情報を伝達する情報伝達手段と、 あらかじめ前記入賞役に関する所定の情報、および前記主データテーブルに基づいた情報に対応付けられた演出態様を含む複数の副データテーブルと、 前記情報伝達手段から伝達される情報に基づいて、前記複数の副データテーブルから一の副データテーブルを選択し、選択された前記一の副データテーブルから前記演出態様を含むデータを読み出して前記副表示部に表示することにより、前記主表示部の表示態様が前記第1表示態様である場合前記副表示部の報知態様を前記第1報知態様又は前記第2報知態様とし、前記主表示部の表示態様が前記第2表示態様である場合前記副表示部の報知態様を前記第1報知態様又は前記第2報知態様とし、前記主表示部の表示態様が前記第3表示態様である場合前記副表示部の報知態様を前記第3報知態様とする副表示制御手段と、 を備えたことを特徴とするスロットマシン。 【請求項10】 主表示部と、副表示部と、ハズレ、ビッグボーナス役を含む所定の入賞役の中から一つを決定する入賞役抽選手段とを備え、前記副表示部において、前記入賞役抽選手段の抽選結果がハズレの場合にハズレをプレイヤーに知らせる報知と当選しているかもしれないことをプレイヤーにしらせる報知を所定の割合で実行するスロットマシンにおいて、 前記主表示部として複数の図柄が可変表示する可変表示部が備えられるとともに、前記可変表示部の図柄列の停止により導出される表示結果があらかじめ定められた表示態様と一致した場合に、所定の遊技価値媒体の払出しを行う遊技価値媒体払出手段と、 前記各入賞役に対応して設けられ、前記ビッグボーナス役が当選しているとの期待をプレイヤーに抱かせる表示態様となるように前記可変表示部の図柄の停止位置を制御する特定停止テーブルを含む複数の主データテーブルと、 前記入賞役抽選手段の抽選結果に対応して、前記複数の主データテーブルから一の主データテーブルを選択する主データテーブル選択手段と、 前記一の主データテーブルから読み出したデータに基づき所定表示態様を前記主表示部に表示する主表示制御手段と、 前記入賞役に関する所定の情報を伝達すると共に、前記入賞役抽選手段による抽選の結果がハズレである場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが前記特定停止テーブルであるとき、前記特定停止テーブルを選択したことを示す特定停止テーブル情報を伝達する情報伝達手段と、 あらかじめ前記入賞役に関する情報、および前記特定停止テーブル情報に対応付けられた演出態様を含む複数の副データテーブルと、 前記情報伝達手段から伝達される情報に基づいて、前記複数の副データテーブルから一の副データテーブルを選択し、選択された前記一の副データテーブルから前記演出態様を含むデータを読み出して、前記ハズレを含む所定の入賞役に関する所定の報知態様を前記副表示部へ表示する副表示制御手段と、 前記副表示制御手段は、前記情報伝達手段から伝達される情報に前記特定停止テーブル情報が含まれる場合、前記特定停止テーブル情報に対応する前記一の副データテーブルからデータを読み出すことにより、前記ビッグボーナス役が当選しているとの期待をプレイヤーに抱かせる報知態様を前記副表示部に表示することを特徴とするスロットマシン。 2.特許異議申立の理由の概要 (1)異議申立人 佐藤亮(以下、「異議申立人A」という。)は、下記の証拠方法を提示し、本件請求項1ないし10に係る発明は、本件特許出願前に頒布された甲第1ないし5号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許を受けることができないものであり、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである旨主張する。 記 甲第1号証:特開2001-246042号公報 (以下、「刊行物1」という。) 甲第2号証:特開平11-146939号公報 (以下、「刊行物2」という。) 甲第3号証:特開平11-206960号公報 (以下、「刊行物3」という。) 甲第4号証:特開2001-187183号公報 (以下、「刊行物4」という。) 甲第5号証:特開平9-122309号公報 (以下、「刊行物5」という。) (2)異議申立人 丸本功彦(以下、「異議申立人B」という。)は、下記の証拠方法を提示し、本件請求項1ないし10に係る特許は次の理由により特許法第113条第2号又は第4号の規定により、取り消されるべきものである旨主張する。 (i)本件請求項1ないし10係る発明は、その出願前に頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明、あるいは、甲第1ないし4号証に記載された発明に基づいてその発明の属する分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条の規定に違反してされたものである。 (ii)本件請求項7係る発明は、発明の詳細な説明に何ら記載されていないので、その特許は特許法第36条第4項又は第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 記 甲第1号証:「パチスロ攻略マガジン増刊SUPER7 1998・12 月号増刊」(平成10年12月19日 株式会社双葉社 発 行)131〜139頁(以下、「刊行物6」という。) 甲第2号証:「パチスロ攻略マガジン ドラゴン龍 2001Vol.31 」(平成13年9月21日 株式会社双葉社 発行)21頁 (以下、「刊行物7」という。) 甲第3号証:「パチスロ攻略マガジン 獣王&インディジョーズ2完全 攻略本」(平成13年7月29日 株式会社双葉社 発行) 22頁(以下、「刊行物8」という。) 甲第4号証:「パチスロ必勝ガイド 2000年9月号」(平成12年9 月1日 株式会社白夜書房 発行)4〜10頁 (以下、「刊行物9」という。) 甲第5号証:特開2001-187185号公報 (以下、「刊行物10」という。) 甲第6号証:特開2001-632号公報 (以下、「刊行物11」という。) 3.特許法第29条違反について 3-1.刊行物に記載された発明 (1)刊行物1(特開2001-246042号公報、異議申立人Aの甲第1号証)には、次の事項が記載されている。 (1-a)「【請求項1】 遊技に必要な複数種類の図柄を可変表示するための可変表示手段と、 前記図柄の可変表示を開始させるための開始手段と、 可変表示中の前記図柄を停止させるための停止手段と、 前記図柄の停止時に表示される図柄の組み合わせが所定の入賞態様を構成した場合に、遊技者に利益を付与するための利益付与手段と、 遊技情報を表示するための画像表示手段と、 遊技に関連して音声を発生するための音声発生手段と、 前記可変表示手段、前記開始手段、前記利益付与手段、前記画像表示手段、前記音声発生手段を、階層を有する処理構造に基づいて電気的に制御するための制御手段とを備えた遊技機において、 前記制御手段は、 当該遊技機における処理の最上位階層である第1階層を制御するための主制御手段と、 該主制御手段の制御に基づいて、前記第1階層の下位に位置する第2階層を制御するための中間制御手段と、 該中間制御手段の制御に基づいて、前記第2階層の下位に位置する第3階層を制御するための下位制御手段とからなることを特徴とする遊技機。」(【特許請求の範囲】) (1-b)「・・・前面扉2には、その前面のほぼ中央より上部に表示窓4を設け、表示窓4には、筐体3の内部に配置した3個のリール5a〜cの外周表面がそれぞれ臨んでいる。・・・」(段落【0018】)、 (1-c)「上記した表示窓4a〜cの下方の前面扉2の前面には、そのほぼ中央に、遊技情報を表示するための画像表示部13が設けられている。この画像表示部13は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、CRTディスプレイ、ドットマトリクス表示器等からなり、後に詳述する遊技演出等を静止画表示あるいは動画表示することができる。」(段落【0022】)、 (1-d)「上記ROM102には、スロットマシン1の遊技における処理の手順がシーケンスプログラムとして記憶されているとともに、抽選確率等を決定するための入賞確率テーブルや、内部当選役、および遊技状態に応じたリール5a〜cの停止制御を行うための停止制御テーブル等のデータが記憶されており、シーケンスプログラムに基づいてメインCPU101等が動作することによりスロットマシン1における遊技が制御される。」(段落【0051】)、 (1-e)「・・・確率設定部105により、一般遊技、ビッグボーナス等に使用する乱数が発生される。具体的な処理としては、スタートスイッチ20が操作された際に抽出した乱数値と、ROM102に記憶された入賞確率テーブルとの比較判定に基づいて、内部当選の有無および入賞役を決定する。・・・」(段落【0054】)、 (1-f)「サブ制御基板200には、図3に示すように、サブCPU201、プログラムROM202、制御RAM203が搭載されており、INポート204を介してメイン制御基板100からの信号をサブCPU201で受信する。・・・さらに、サブCPU201は、メイン制御基板100から受信したデータと、プログラムROM202に格納されている選択テーブル等に基づいて後述する各種演出画像を決定し、OUTポート205を介して画像制御基板300に信号を送信する。・・・本実施形態では、サブCPU201の機能として、メイン制御基板100からのコマンドの受信を管理する受信機能、各種演出を選択、決定する演出選択機能、選択された演出種別を画像制御基板300に送信する送信機能、選択された演出種別に基づいて具体的な効果音のシーケンス制御を行う効果音制御機能を持っている。・・・」(段落【0065】)、 (1-g)、「<リーチ演出選択テーブル>画像表示部13では、遊技状態に応じた種々の演出が行われる。画像表示部13における演出には、リーチの発生に関連して、リーチ予兆演出とリーチ演出とがある。図77〜91に基づいて、リーチの発生に関して使用するリーチ演出選択データテーブルについて説明する。」(段落【0142】)、 (1-h)「まず、図98に示すリーチ選択テーブルの選択テーブルにおいて、メイン制御基板100から送信されて各種演出データ、遊技状態および開始音(縦軸方向)とフラッシュデータ番号(横軸方向)から・・・リーチ演出選択テーブルにおける基準値を決定する。そして、遊技状態によってリーチ演出選択テーブルを選択し、演出選択用乱数値と基準値により、リーチ演出およびリーチ予兆演出を決定する。・・・」(段落【0144】)、 (1-i)「<遊技状態チェック処理:C02>図193〜195は、遊技状態チェック処理の手順を示すフローチャートである。遊技状態チェック処理は、図193〜195に示すように、現在の遊技状態をチェックして、当該遊技状態に応じた演出状態(効果音と液晶画像)を発生させるための処理である。」(段落【0266】)。 (2)刊行物2(特開平11-146939号公報、異議申立人Aの甲第1号証)には、次の記載が認められる。 (2-a)「図3は、液晶表示器6’の駆動を制御して液晶表示画面6に可変表示装置の制御に関連して定められた情報を表示させる処理手順を示す。この処理は、スロットマシン1の遊技制御手段であるマイコン20のCPU21で実行されるが、液晶表示器6’のような表示手段自体に表示制御部としてのCPUを持たせた場合には、そのCPUが、遊技制御手段としてのCPU21からの表示指令(例えば、入賞の種類又はハズレに対応した表示指令)に応じて表示画像を決定するようにしてもよい。」(段落【0050】)、 (2-b)「・・・スタートレバー12を操作すると、リール4L,4C,4Rが回転して可変表示を開始する(ステップ3)。この時、乱数サンプリングにより抽出した乱数に基づいて入賞/非入賞の判定を行う(ステップ4)。そして「入賞リクエスト信号」が発生したかどうかを判定し(ステップ5)、その判定結果に応じて液晶表示画面6の表示画像を決定する。すなわち、「入賞リクエスト信号」が発生していなければ、「ハズレ」用の特定パターンを選択する(ステップ6)。「入賞リクエスト信号」が発生したときは、その「入賞リクエスト信号」が「大当り」に該当するか否かを判定し(ステップ7)、“NO”であれば「当り」用の特定パターンを選択し(ステップ8)、“YES”であれば「大当り」用の特定パターンを選択する(ステップ9)。・・・」(段落【0051】)、 (2-c)「一方、液晶表示器6’自体が表示制御部としてCPUを備えている場合には、遊技制御手段としてのCPU21は、上記のリール停止制御を行う時、遊技者が「大当り」、「当り」又は「ハズレ」の発生を予想できる特定パターンを液晶表示画面6に表示させる指令を、液晶表示器6’のCPUに送る。これに応じて、液晶表示器6’のCPUが表示画像を決定し、それを液晶表示画面6に表示する。」(段落【0057】)。 (3)刊行物3(特開平11-206960号公報、異議申立人Aの甲第3号証)には、次の記載が認められる。 (3-a)「図3は、液晶表示器6の表示を制御する動作の処理手順を示す。この処理は、スロットマシン1の遊技制御手段であるマイコン20のCPU21で実行されるが、液晶表示器6のような表示手段自体に表示制御部としてのCPUを持たせた場合には、そのCPUが、遊技制御手段としてのCPU21からの表示指令(例えば、入賞の種類又はハズレに対応した表示指令)に応じて表示画像を決定するようにしてもよい。」(段落【0032】)、 (3-b)「一方、液晶表示器6自体が表示制御部としてCPUを備えている場合には、遊技制御手段としてのCPU21は、上記のリール停止制御を行う時、遊技者が「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」の発生を予想できる演出パターンを液晶表示器6に表示させる指令を、液晶表示器6のCPUに送る。これに応じて、液晶表示器6のCPUが表示画像を決定し、それを画面に表示する。」(段落【0038】)。 (4)刊行物4(特開2001-187183号公報、異議申立人Aの甲第4号証)には、 「【発明の効果】以上説明したように本発明は、以下に示す効果を有する。請求項1に記載したように、複数列に配列された識別情報を変動および停止させて、停止した識別情報に応じて遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するスロットマシンにおいて、特別遊技状態に移行可能な状態とするか否かの入賞抽選を行う入賞抽選手段と、入賞抽選手段が抽選を行った結果、特別遊技状態に移行可能な状態となっていることを条件として、その旨を報知する告知を行う告知手段と、特別遊技状態に移行可能な状態である場合および特別遊技状態に移行不可能な状態である場合のいずれにおいても、告知とは異なる報知である予告を行うことが可能な予告手段とを備え、特別遊技状態に移行していない状態で、告知手段が告知を行っている場合には、告知をする条件となった入賞抽選手段の抽選結果に基づいた予告を行わないので、告知と予告との両方を行うことができる場合であっても、特別遊技状態に移行可能であることについて確実な報知である告知を行っている場合には予告を行わないことで無駄な報知を避け、無意味な演出によって遊技者が遊技状態を誤認しないようにすることができる。」(段落【0148】)と記載されている。 (5)刊行物5(特開平9-122309号公報、異議申立人Aの甲第5号証)には、次の記載が認められる。 (5-a)「このパチンコ遊技機においては、可変表示装置として、特別図柄用可変表示装置60と、飾り図柄用可変表示装置1とが設けられているが、飾り図柄用可変表示装置1は、特別図柄用可変表示装置60と連動して可変表示を行なわうものであり、飾り図柄用可変表示装置1には、特別図柄用可変表示装置60の表示結果に関連する表示結果を表示する制御がなされる。」(段落【0145】)、 (5-b)「具体的には、特別図柄用可変表示装置60の表示結果が大当りになれば、飾り図柄用可変表示装置1の表示結果も大当りとなり、一方、特別図柄用可変表示装置60の表示結果が外れとなれば、飾り図柄用可変表示装置1の表示結果も外れとなる。」(段落【0146】)。 (6)刊行物6(「パチスロ攻略マガジン増刊SUPER7」、異議申立人Bの甲第1号証)には、機種名が「ビッグウェーブ」であるスロットマシンに関し、 (6-a)131頁の写真に、スロットマシンの基本構成たる3列のリールが示されており、その上方には、複数のランプが示されており、 (6-b)131頁の中段右側に、「役の構成」として「イカの絵柄の3つ揃い…0枚」と記載されており、 (6-c)132頁の1段目から2段目に、「通常時に0枚小役である『イカ』が揃うとボーナス成立の有無に関わらず、取りあえずランプが点灯を開始する。で、最終的に(マル10)以上で停止したなら喜んでヨシ。BIGまたはREGのフラグ成立が確定だ。逆に、(マル9)以下で停止した場合は残念ながらその時点でのボーナス成立の可能性はゼロ…というワケだ。」と記載されており、 (6-d)132頁の3段目から4段目に、「次に、イカチェックのランプ点灯パターンの解説に移ろう。この機種の点灯動作は単純に左から右へと移動していくだけでは無く、実は全部で4つのチェックパターンが搭載されている。 左にあるように、「ノーマル」「2段階」「スーパー」「プレミア」で分類出来るが、スーパーとプレミアに関しては何と出現しただけでBIGが確定。必ず「12」で停止する。パチンコで言えば大当り確定のプレミアムリーチのようなものだ。」と記載されており、 (6-e)132頁の5段目に、「ボーナス成立後はイカが揃いやすいのだ!」の見出しの下、「イカの出現率に注目してみよう。左のカコミを見て欲しい。ボーナスフラグが立っていない場合、イカはオヤジ打ちではなかなか揃わないが、狙えばソコソコ揃う。逆に、フラグが成立している場合はガンガン揃ってくれる。つまり、状態で制御が異なるのである。」と記載され、そのカコミ中の「ボーナス非成立時」に、「オヤジ打ち1/28.57」、「イカKKK 1/8.77」と記載されており、 (6-f)135頁の1段目に、「さて、このページからはリーチ目の特集だ。この機種にはある意味最大のリーチ目ともいえるイカチェック機能があり、・・・ しかし、イカは成立プレイで必ず揃うワケでは無いのでリーチ目を覚えていく事はコインロス防止に直結するハズ。」と記載されており、 (6-g)137頁の上段において、「イカ揃いで確定となるリーチ目」の見出しがつけられたカコミ内に、「続いて『イカ揃い確定型』について。性質上、必然的に前ページで挙げたものと重複してしまうものも存在するが、『イカ揃いによるもの』を条件とすると出目的にはココに挙げた35パターンが存在する。」と記載され、また、右下段において、「3連イカのリーチ目」の見出しがつけられたカコミ内に、「3連イカによるリーチ目も存在する。うちココに挙げたものが法則化出来るものである。比較的覚えやすいのでは?」と記載され、さらに、左下段において、「イカ揃いでもハズレ確定型」の見出しがつけられたカコミ内に、「上で紹介しているイカ揃いでボーナス確定となる形に対し、イカ揃いでハズレが確定する形も存在する。つまり、ココに挙げたイカ揃いはLEDランプが決して(マル10)以上で停止することは無い、いわゆるノーチャンスパターンである。」と記載されている。 (7)刊行物7(「パチスロ攻略マガジンドラゴン龍」、異議申立人Bの甲第2号証)には、機種名が「ネコde小判」であるスロットマシンに関し、21頁の1段目に、「さて本機の場合、左リールは状況別に数本のテーブルが用意されており、使用されるテーブルの種類は内部振り分け率にて選択される事となる。…つまりは、同じフラグ状況下でも異なるスベリが生じるケースがある、というわけだ。」と記載され、「状況毎の左テーブルは複数存在!」の見出しがつけられた、左下のカコミ内に、「左配列」、「ハズレ時テーブルA」、「ハズレ時テーブルB」、「ハズレ時テーブルC」と記載されている。 (8)刊行物8(「パチスロ攻略マガジン獣王&インディジョーズ2完全攻略本」、異議申立人Bの甲第3号証)には、機種名が「獣王」であるスロットマシンに関し、22頁における「発展別ボーナス信頼度 キリン編」の見出しがつけられた、左上のカコミ内に、「シマウマ→キリンも出現率激低のプレミアムアクション。キリンがシマウマを追っかけてきた後、7が追っかけてきて停止する。そのコミカルなアクションは必見だ!」と記載されている。 (9)刊行物9(「パチスロ必勝ガイド 2000年9月号」、異議申立人Bの甲第4号証)には、機種名が「タイムクロス」であるスロットマシンに関し、 (9-a)5頁の右下において、「液晶内で繰り広げられる超時空冒険活劇は必見!!」の見出しがつけられたカコミ内に、「それでは…早速皆さんが最も興味をソソられているであろう、液晶ディスプレイによるゲーム演出について解説しよう。・・・ 超高画質液晶ディスプレイに映し出されるアニメーションのテーマは…ズバリ、「時空旅行」。・・・ 博士とアボットが大冒険を繰り広げるのは、「原始時代」「古代エジプト」「大航海時代」「未来都市」からなる4つの時代ステージ。それぞれ、「鉄板告知」「チャンス予告」「小役ナビ」「解析ナビ」といった、異なるゲーム演出を担っており、最終的に「ウィンちゃんを見つけだすことが出来ればボーナス確定」となる仕組みだ。」と記載されており、 (9-b)、8頁の2段目左側において、「作動タイミング レバーON時 帆船発見」の見出しがつけられたカコミ内に、「近づいてくる船の帆に描かれた絵柄に注目!」と記載され、さらに、「「ボーッ」という汽笛と共に大きな帆船が通りかかったら…風にはためく帆に注目。そこに描かれた絵柄が、そっくりそのままフラグ成立小役を表現しているのだ。チェリーやスイカが描かれている場合は、シッカリと目押ししよう。」と記載されており、 (9-c)8頁の3段目左側において、「作動タイミング 第1停止時 フィッシング」の見出しがつけられたカコミ内には、右欄に、「ホワイトフィッシュ」「ハイチャンス!」と記載され、下欄に、「魚の色は4種類。「ホワイトフィッシュ」の場合は、ボーナスの可能性激高となる。」と記載されている。 (10)刊行物10(特開2001-187185号公報、異議申立人Bの甲第5号証)には、 (10-a)「【請求項1】 役の抽選を行う役抽選手段と、 複数の演出パターンを有する演出パターンデータテーブルと、 前記役抽選手段の抽選結果に基づいて、前記演出パターンデータテーブルから演出パターンを選択する演出パターン選択手段と、 前記演出パターン選択手段で選択された演出パターンに基づいて、演出の出力を制御する演出出力制御手段とを備え、 前記演出パターンデータテーブルの演出パターンには、複数回の連続する遊技にわたって一連の演出を行うようにする連続遊技演出パターンを有し、 前記演出出力制御手段は、前記演出パターン選択手段で連続遊技演出パターンが選択されたときは、その連続遊技演出パターンに基づいて、演出の出力を制御することを特徴とするスロットマシン。」(特許請求の範囲)、 (10-b)「(演出出力制御手段)演出出力制御手段79は、演出パターン選択手段75で選択された演出パターンや、演出内容決定手段78で決定された演出内容に基づいて、所定の機器から所定のタイミングで演出を出力するように制御するものである。例えば、リール31の停止時に、画像表示装置35に所定の画像表示をしたり、又はバックランプ33を点灯させたり、スピーカ34からサウンドを出力したりする。」(段落【0048】)と記載されている。 (11)刊行物11(特開2001-632号公報、異議申立人Bの甲第6号証。)には、「【請求項1】 特定役の当選可能性を告知演出するスロットマシンであって、役の抽選を行う役抽選手段と、 前記役抽選手段の抽選結果に基づいて選択されるデータテーブルが複数設けられ、各前記データテーブルには告知演出を行うパターンと告知演出を行わないパターンとを有する演出データテーブル群と、・・・ 前記演出データテーブル群の中から、前記役抽選手段の抽選結果に基づいて、使用するデータテーブルを選択するデータテーブル選択手段と、 前記データテーブル選択手段で選択したデータテーブルの中から告知演出のパターンを選択する告知演出パターン選択手段と、 前記告知演出パターン選択手段で選択した告知演出のパターンに基づいて、特定役の当選可能性の告知演出を行う告知演出手段と を備え、 前記演出データテーブル群の前記データテーブルには、告知演出を行わないパターンの選択確率が告知演出を行うパターンの選択確率より高く設定された第1データテーブルと、告知演出を行うパターンの選択確率が告知演出を行わないパターンの選択確率より高く設定された第2データテーブルとを有し、 前記データテーブル選択手段は、少なくとも特定役に当選していない特定役非当選遊技において、前記数列発生手段から数値を抽出し、その抽出した数値が第1の範囲にあるときは前記第1データテーブルを選択し、第2の範囲にあるときは前記第2データテーブルを選択し、 前記数列発生手段から抽出される数値が前記第2の範囲にある時間を、予め定められた所要時間よりも長く設定したことを特徴とするスロットマシン。」(特許請求の範囲)と記載されている。 3-2.対比・判断 (1)請求項1に係る発明について 請求項1に係る発明と刊行物1ないし11に記載された発明とを対比すると、刊行物1ないし11には、請求項1に係る発明における「入賞役に関する所定の情報を伝達すると共に、前記入賞役抽選手段による抽選の結果が特定の入賞役でない場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが所定のものであるとき、前記主データテーブルに基づいた情報を伝達する情報伝達手段と、 あらかじめ前記入賞役に関する所定の情報、および前記主データテーブルに基づいた情報に対応付けられた演出態様を含む複数の副データテーブル」の構成(以下、「構成A」という。)が記載されていない。 そして、前記構成Aについてみると、請求項1に係る発明の「情報伝達手段」は、「入賞役」に関する所定の情報を伝達すると共に、「主データテーブルに基づいた情報」については、「入賞役抽選手段による抽選の結果が特定の入賞役でない場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが所定のものであるとき」に伝達するものであるから、前記情報に対応付けられた、請求項1に係る発明の「副データテーブル」の演出態様は、「入賞役」、及び、「入賞役抽選手段による抽選の結果が特定の入賞役でない場合」において選択された所定の「主データテーブル」に対応付けられたものであるということができる。 これに対し、刊行物1には、スタートスイッチ20が操作された際に抽出した乱数値と入賞確率テーブルとの比較判定に基づいて決定される「入賞役」と、内部当選役等に応じたリール5a〜cの停止制御を行うための「停止制御テーブル」(請求項1に係る発明の「主データテーブル」に対応。)があり、メイン制御基板100からサブ制御基板200に「コマンド」を伝達し、画像表示部13で、遊技状態に応じた種々の演出が「選択テーブル」(請求項1に係る発明の「副データテーブル」に対応。)等に基づいて行われることが記載されているが、「選択テーブル」及び「停止制御テーブル」と、画像表示部13で行われる演出との対応が明らかではなく、刊行物1に上記構成Aが記載されているとすることはできない。 また、刊行物6には、主表示装置に「イカ」の図柄が揃うと、ランプ(請求項1に係る発明の「副表示部」に対応。)が点灯を開始し、その点灯数や点灯の仕方により内部当たりの「期待度」を変えて報知することが記載されており、また、「イカ揃いで確定となるリーチ目」や「イカ揃いでもハズレ確定型」があり、主表示装置に停止させる図柄を決定するテーブルがあり、そのテーブルとランプの点灯(演出態様)とに関連があることは伺えるが、請求項1に係る発明における上記のような副データテーブルがあるということはできないから、請求項1に係る発明が刊行物6に記載された発明であるとすることはできない。 さらに、刊行物2又は3には、遊技制御手段としてのCPU21が、遊技者が「大当り」、「当り」又は「ハズレ」の発生を予想できる特定パターンを液晶表示画面6に表示させる指令を、液晶表示器6’のCPUに送り、これに応じて、液晶表示器6’のCPUが表示画像を決定し、それを液晶表示画面6に表示することが記載されており、「入賞役」に関する情報に対応付けられた演出態様(特定パターン)を含む複数のテーブルがあるといえるが、このテーブルが、請求項1に係る発明における上記したような副データテーブルと同様の構成であるとすることはできず、結局、刊行物2〜5、7〜11に、上記構成Aが記載されていると認めることはできない。 そして、請求項1に係る発明は特許明細書記載の効果を奏するので、請求項1に係る発明が、刊行物1ないし11に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (2)請求項2ないし8に係る発明について 請求項2ないし8に係る発明は、請求項1に係る発明を引用していて、請求項1に係る発明を更に限定しているから、上記「(1)請求項1に係る発明について」に記載した理由により、請求項2にないし8係る発明が、刊行物6に記載された発明である、あるいは、刊行物1ないし11に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (3)請求項9に係る発明について 請求項9に係る発明と刊行物1ないし11に記載された発明とを対比すると、刊行物1ないし11には、請求項9に係る発明における「入賞役に関する所定の情報を伝達すると共に、前記入賞役抽選手段による抽選の結果が特定の入賞役でない場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが所定のものであるとき、前記主データテーブルに基づいた情報を伝達する情報伝達手段と、 あらかじめ前記入賞役に関する所定の情報、および前記主データテーブルに基づいた情報に対応付けられた演出態様を含む複数の副データテーブル」の構成(以下、「構成A」という。)が記載されていない。 そして、請求項9に係る発明は、上記「(1)請求項1に係る発明について」に記載した理由により、請求項9係る発明が、刊行物6に記載された発明である、あるいは、刊行物1ないし11に記載された発明に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (4)請求項10に係る発明について 請求項10に係る発明と刊行物1ないし11に記載された発明とを対比すると、刊行物1ないし11には、請求項10に係る発明における「入賞役に関する所定の情報を伝達すると共に、前記入賞役抽選手段による抽選の結果がハズレである場合において、前記主データテーブル選択手段で選択された前記一の主データテーブルが前記特定停止テーブルであるとき、前記特定停止テーブルを選択したことを示す特定停止テーブル情報を伝達する情報伝達手段と、 あらかじめ前記入賞役に関する情報、および前記特定停止テーブル情報に対応付けられた演出態様を含む複数の副データテーブル」の構成が記載されていない。 そして、請求項10に係る発明は特許明細書記載の効果を奏するものであるから、請求項10に係る発明が、刊行物6に記載された発明であるとすることはできないし、刊行物1ないし11に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない(上記「(1)請求項1に係る発明について」の理由参照。)。 4.特許法第36条第6項違反について 異議申立人Bは、「本件発明7については、発明の詳細な説明(発明の実施の形態)に何ら記載されていない。このため、例えば、「副表示部の表示が、可変表示部の図柄表示態様を模して行われ」るとあるが、どのように「模」されるのかが理解できず、発明が不明確と言わざるを得ない。従って、かかる点において、本件は、特許法第36条第6項第1号,2号及び第36条第4項の要件を満たしていないことは明らかである。」(特許異議申立書21頁7〜12行)と主張する。 しかしながら、特許明細書には、「液晶表示装置47において表示されるアニメーションとして、風景や、キャラクターが使用されているの例を説明したが、リールを模した絵柄を表示して、これに「リーチ目」、「チャンス目」、「ハズレ目」などを表してもよい。」(段落【0063】)と記載されていて、請求項7に記載された「前記副表示部の表示は、前記可変表示部の図柄表示態様を模して行われ、前記副表示部の図柄表示の後に行われる前記可変表示部の図柄表示が前記副表示部の図柄表示態様と同一又は類似である場合には所定の入賞役に当選したことが示唆される」が不明瞭であるとは認められないから、前記主張は採用できない。 5.むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件請求項1ないし10に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし10に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2005-06-14 |
出願番号 | 特願2001-291155(P2001-291155) |
審決分類 |
P
1
651・
537-
Y
(A63F)
P 1 651・ 113- Y (A63F) P 1 651・ 121- Y (A63F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 土屋 保光 |
特許庁審判長 |
藤井 俊二 |
特許庁審判官 |
渡部 葉子 渡戸 正義 |
登録日 | 2003-08-01 |
登録番号 | 特許第3456986号(P3456986) |
権利者 | KPE株式会社 |
発明の名称 | スロットマシン |
代理人 | 山本 晃司 |
代理人 | 星野 哲郎 |