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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F04C |
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管理番号 | 1120150 |
審判番号 | 不服2002-21639 |
総通号数 | 69 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-07-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-11-07 |
確定日 | 2005-07-14 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第 4208号「横置き電動圧縮機」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 7月30日出願公開、特開平 8-193589〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯及び本願発明 本件出願は、平成7年1月13日の出願であって、その請求項1ないし4に係る発明は、平成17年3月1日付けの手続補正書によって補正された明細書、及び、図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載されたとおりのものであると認められるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。 「【請求項1】 底部に油溜りを有する内部高圧の密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機と、この電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達する主軸と、この主軸の一端に取付けられ前記圧縮機構部とは反対側の吐出管が存在する空間内で前記油溜りに臨むオイルポンプとを含んで構成し、前記密閉容器に焼き嵌め固定される前記電動機ステータの外周部に軸線方向と略平行に複数個の切欠きを設け、これらの切欠きのうち、底部の切欠きの軸線方向開口面積を最大にしてオイル通路とし、他の切欠きはガス通路としたことを特徴とする横置き電動圧縮機。」 2.引用文献記載の発明 2-1.引用文献1記載の発明 (1)当審において平成17年1月7日付けで通知した拒絶の理由に引用された特開平6-264885号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。 ア.「【請求項1】密閉容器内に、圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機と、この電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達するクランク軸と、前記密閉容器内の空間を前記圧縮機構部が存在する空間と吐出管が存在する空間とに2分割する隔壁部材とを備え、この隔壁部材に、前記圧縮機構部から吐出された高圧のガスが通る複数個のガス噴出穴と密閉容器底部に存在する潤滑オイルの連通穴を複数個設けるとともに、そのガス噴出穴と潤滑オイルの連通穴に対向する位置にガス衝突板を設けてなる横置き電動圧縮機。 【請求項2】隔壁部材に、クランク軸の一端を支承する軸受を取り付け、圧縮機構部の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプを取り付け、前記オイルポンプにガス衝突板を取り付けた請求項1記載の横置き電動圧縮機。 【請求項3】オイルポンプを構成する吸入プレート、あるいは吐出プレートを延長させて、ガス衝突板を形成してなる請求項2記載の横置き電動圧縮機。 【請求項4】ガス噴出穴を通過した冷媒ガスが密閉容器の内壁に衝突するように、隔壁部材の外周部の傾斜面にガス噴出穴を配設してなる請求項1〜3いずれかに記載の横置き電動圧縮機。」(特許請求の範囲) イ.「【0018】図1は、本発明の一実施例である。同図において、1は密閉容器、2および3は密閉容器の鏡板、4は吸入管、5は吐出管である。6は電動機、7は電動機のステータ、8は電動機のロータ、9は圧縮機構部である。10は電動機の回転力を圧縮機構部9に伝達するクランク軸である。本実施例はスクロール圧縮機であるので、圧縮機構部9は、旋回スクロール11、固定スクロール12、旋回軸受13および、軸受部品14等から構成されている。軸受部品14はクランク軸10の大軸部15を支承している。16は隔壁部材で密閉容器1に固定してあり、この密閉容器1を圧縮機構部9が存在する空間と吐出管5が存在する空間とに2分割している。 【0019】この隔壁部材16の中央部には、クランク軸10の一端を支承する第2の軸受17を取り付けている。また、隔壁部材16には、冷媒ガスが密閉容器の内壁に衝突するように、傾斜面に冷媒ガスが通るガス噴出穴18を複数個設けるとともに、密閉容器底部に存在する潤滑オイルの連通穴19を複数個設けている。そして、このガス噴出穴18と潤滑オイルの連通穴19に対向する位置にガス衝突板20を設けている。21は、圧縮機構部9の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプであって、オイルポンプ21の吸入ポートを備えた吸入板を延長して、前記のガス衝突板20を構成している。」(段落0018、0019) ウ.「【0020】次に、このような構成によるスクロール圧縮機の動作について説明する。電動機ロータ8の回転にともなって、クランク軸10、旋回軸受13が回転し、その結果、旋回スクロール11が固定スクロール12の周囲を旋回運動し、旋回スクロール11と固定スクロール12の空間に圧縮作用が発生する。すると、低圧の冷媒ガスが吸入管4から吸い込まれて、旋回スクロール11と固定スクロール12の空間で圧縮されて、吐出穴24から密閉容器1内に吐き出される。両スクロール間の隙間をシールして圧縮効率を高めるために、圧縮中の冷媒ガスにオイルを混入させているので、吐き出された高圧の冷媒ガスは、一定量のオイルを含んでいる。その後、高圧の冷媒ガスは圧縮機構部9に設けたガス通路23、電動機ステータ7に設けたガス通路24を通過して、ステータ7と隔壁部材16に挟まれた空間に到達する。この空間は、電動機ロータ8でまき上げられた多量のオイル液滴が飛散しているので、冷媒ガスはこれらのオイル液滴を捕獲し、多量のオイルを含むこととなる。 【0021】この後、多量のオイルを含んだ冷媒ガスは、隔壁部材16にあけたガス噴出穴18より、噴流となって吹き出し、密閉容器1の内壁に高速で衝突したのち、ガス衝突板20に衝突する。高速で密閉容器1の内壁とガス衝突板20に衝突した冷媒ガスは内壁と衝突板に付着して流れる。この接触中に冷媒ガスに含まれるオイルが密閉容器1の内壁と衝突板20に順次付着していき、付着したオイルはその表面張力によって、より大きなオイル液滴に成長して流れ落ちる。このような衝突分離によって、冷媒ガスから多量のオイルが分離される。また、密閉容器の底部に溜ったオイルは、ガス力により連通穴19から吐出側の空間へ吹き上げられるが、衝突板20により吹き上げが抑制され、密閉容器1内に飛散するオイル粒子が減少する。これらにより、冷媒ガスに含まれたオイルはほとんど取り除かれることになる。その結果、吐出管から圧縮機の外へ出ていくオイル量、すなわち、オイル吐出量を著しく減少させることができる。 【0022】ガス衝突板20に衝突した後、冷媒ガスはこのガス衝突板20の外周部を迂回し、箱体22の周囲を回り込んで、最後に曲がった吐出管5より密閉容器1の外へ出ていく。箱体22の周囲を迂回して冷媒ガスが流れる時に、この箱体22に冷媒ガスが接触して、残りのオイルがさらに分離される。」(段落0020から0022) エ.「【図面の簡単な説明】【図1】本発明の1実施例を示すスクロール圧縮機の断面図【図2】図1に示すスクロール圧縮機のA-A断面図【図3】従来のスクロール圧縮機の断面図 【符号の説明】1密閉容器 6電動機 7 固定子 8回転子 9圧縮機構部 10クランク軸 16隔壁部材 17第2の軸受 18ガス噴出穴 19潤滑オイルの連通穴 20ガス衝突板 21オイルポンプ」(図面の簡単な説明、符号の説明) オ.第1図において、1、2、3と表示された横長略長方形断面(以下、「横長略長方形断面」という。以下、図面上で縦横上下左右という。)の、図面上左側の3と表示された一辺に、5と表示された部材が存在する。3と表示された一辺に近接して、16と表示された断面が表示されている。3と表示された一辺と、16と表示された断面の間との空間に21と表示された部材が存在する。横長略長方形断面の下部には、16と表示された断面を挟んだ左右の箇所と、9と表示された部材の左脇の3箇所に、左右方向の単線が逆三角形状に積層して3箇所表示されている。 横長略長方形断面の下部辺の中央には、7と表示された長方形が前記下部辺とわずかな間隔を保って表示されている。この長方形の左右辺は何れも下方に延長して前記下部辺に接している。横長略長方形断面の上部辺の中央には、7と表示された長方形と同様な長方形が、前記上部辺とわずかな間隔を保って表示されている。この長方形の左右辺は上方に延長して前記上部辺に接しており、このわずかな間隔には24と表示されている。(第1図) (2)ここで、上記記載事項イ.ないしウ.及び図1から、次のことがわかる。 図1において、1は密閉容器、2および3は密閉容器の鏡板、4は吸入管、5は吐出管である。6は電動機、7は電動機のステータ、8は電動機のロータ、9は圧縮機構部である。10は電動機の回転力を圧縮機構部9に伝達するクランク軸である。圧縮機構部9は、旋回スクロール11、固定スクロール12、旋回軸受13および、軸受部品14等から構成されている。軸受部品14はクランク軸10の大軸部15を支承している。16は隔壁部材で密閉容器1に固定してあり、この密閉容器1を圧縮機構部9が存在する空間と吐出管5が存在する空間とに2分割している。隔壁部材16には、ガス噴出穴18を複数個設けるとともに、密閉容器底部に存在する潤滑オイルの連通穴19を複数個設けている。ガス噴出穴18と潤滑オイルの連通穴19に対向する位置にガス衝突板20を設けている。21は、圧縮機構部9の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプであって、オイルポンプ21の吸入ポートを備えた吸入板を延長して、ガス衝突板20を構成している。 電動機ロータ8の回転にともなって、クランク軸10が回転し、旋回スクロール11と固定スクロール12の空間に圧縮作用が発生すると、低圧の冷媒ガスが吸入管4から吸い込まれて、旋回スクロール11と固定スクロール12の空間で圧縮されて、吐出穴24から密閉容器1内に吐き出される。高圧の冷媒ガスは圧縮機構部9に設けたガス通路23、電動機ステータ7に設けたガス通路24を通過して、ステータ7と隔壁部材16に挟まれた空間に到達する。多量のオイルを含んだ冷媒ガスは、隔壁部材16にあけたガス噴出穴18より、噴流となって吹き出し、密閉容器1の内壁に高速で衝突したのち、ガス衝突板20に衝突する。ガス衝突板20に衝突した後、冷媒ガスはこのガス衝突板20の外周部を迂回し、箱体22の周囲を回り込んで、最後に曲がった吐出管5より密閉容器1の外へ出ていく。このことから、密閉容器底部に存在する潤滑オイルを有する内部高圧の密閉容器1内に圧縮機構部9と、この圧縮機構部9を駆動する電動機8と、この電動機8の回転力を圧縮機構部9に伝達するクランク軸10とで構成されていることがわかる。 また、上記記載事項ア.、ウ.、エ.、オ.から次のことがわかる。 密閉容器1内の空間を圧縮機構部9が存在する空間と吐出管5が存在する空間とに2分割する隔壁部材16とを備え、隔壁部材16に、クランク軸10の一端を支承する軸受を取り付け、圧縮機構部9の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプ21を取り付け、オイルポンプ21にガス衝突板20を取り付けた横置き電動圧縮機である。したがって、横置き電動圧縮機は、クランク軸10の一端に取り付けられ圧縮機構部9とは反対側の吐出管5が存在する空間内で密閉容器底部に存在する潤滑オイルに臨むオイルポンプ21とを含んで構成している。そして、高圧の冷媒ガスは、電動機ステータ7の外周部に設けたガス通路24を通過して、ステータ7と隔壁部材16に挟まれた空間に到達することから、電動機ステータ7にはガス通路24が設けられている。 (3)引用文献1記載の発明 上記記載事項(2)より、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。 「密閉容器底部に存在する潤滑オイル貯留部を有する内部高圧の密閉容器1内に圧縮機構部9と、この圧縮機構部9を駆動する電動機8と、この電動機8の回転力を圧縮機構部9に伝達するクランク軸10と、クランク軸10の一端に取付けられ圧縮機構部9とは反対側の吐出管5が存在する空間内で密閉容器底部に存在する潤滑オイル貯留部に臨むオイルポンプ21とを含んで構成し、電動機ステータ7の外周部にガス通路24が設けられた横置き電動圧縮機。」 2-2.引用文献2記載の発明 (1)同じく当審において平成17年1月7日付けで通知した拒絶の理由に引用された特開平2-264189号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。 ア.「密閉容器内に電動要素と圧縮要素とを水平方向に並べて収納し、上記密閉容器内の底部に貯溜した潤滑油を油ポンプによってクランク軸部へ供給し、上記圧縮要素の摺動部を潤滑するようにした横置形回転式圧縮機において、複数の連通穴がある仕切板で上記密閉容器内を仕切って密閉容器の電動要素側端部に油分離室を形成し、上記圧縮要素の主軸受と端軸受との少なくとも一方に、マフラ本体の被圧縮ガス下流側に張出部が設けてある吐出マフラを設け、上記張出部と上記油分離室とを上記密閉容器外に配置したバイパス管によって連通させ、上記電動要素の固定子と回転子との少なくともー方に設けた連通路によって上記密閉容器内の電動要素両側に位置する室を連通させ、上記圧縮要素のシリンダに設けた連通部によって上記密閉容器内の電動要素と圧縮要素との間にある室と圧縮要素側端部に形成した油ポンプ室を連通させ、この油ポンプ室内に開口する吐出管を上記密閉容器外に突出させたことを特徴とする横置形回転式圧縮機。」(特許請求の範囲) イ.「【従来の技術】第4図は、例えば特開昭60-10129号公報に示された従来の横置形回転式圧縮機の一部縦断側面図である。第4図に於て、1は密閉容器であり、この密閉容器1内に圧縮要素2と電動要素3とが水平(左右)方向に並べて収納され、密閉容器1内の底部には潤滑油4が貯溜されている。上記圧縮要義2はシリンダ5と、このシリンダ5内で偏心回転するローリングピストン6と、このピストン6を駆動するクランク軸7と、このクランク軸7を支持すると共に上記シリンダ5の両側側面を塞ぐ主軸受8及び端軸受9と、密閉容器1内底部の潤滑油をクランク軸7部に供給し圧縮要素2の摺動部を潤滑する油ポンプ10とを備えており、この油ポンプ10は端軸受9の外側端部に設けられ、給油口10aが潤滑油4内に開口されている。次に、この横置形回転式圧縮機の動作について説明する。電動要素3の駆動により上記クランク軸7が回転することで、上記ピストン6が圧縮室内で偏心回転し、ピストン6の外周面にシリンダ5に支持されているベーン(図示省略)が当接していることにより、冷媒ガスがシリンダ5内の圧縮室で圧縮されて吐出される。この被圧縮ガスは吐出弁装置(図示省略)を経て吐出マフラ11内に吐出され、その後、電動要素3の固定子12と回転子13とを冷却するため、密閉容器1内に吐出され、吐出管(図示省略)を通って密閉容器1外へ吐出される。」(1頁右下欄9行から2頁左上欄18行。「特開昭60-10129号公報」は、特開昭60-10123号公報の誤り。) ウ.「【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明する。第1図はこの発明による横置形回転式圧縮機の第1実施例を示す縦断側面図である。第1図において、1は密閉容器、2は圧縮要素、3は電動要素、4は潤滑油、5はシリンダ、6はローリングピストン、7はクランク軸、8は主軸受、9は端軸受、10は油ポンプ、11は吐出マフラ、12及び13は電動要素3の固定子及び回転子であり、これらの各部は第4図に示す従来のものと同一または相当部分を示す。第1図において、16は複数の連通穴16aが形成された円板状の仕切板であり、仕切板16は外周面が密閉容器1の電動要素3よりも右側の内周面に固定されて、密閉容器1内が軸方向に仕切られ、仕切板16と電動要素3側の密閉容器1端部との間に油分離室17が形成されている。圧縮要素2の主軸受8外周面に吐出マフラ11のマフラ本体1laが嵌合固定され、この本体11a上方の密閉容器1内周側に張出部11bが連通されている。またマフラ本体11aは主軸受8に設けた吐出弁装置14を介してシリンダ5内の圧縮室と連通されている。吐出マフラ11の張出部11bと上記油分離室17とは密閉容器1外の上方に配置したバイパス管15によって連通されている。上記電動要素3の固定子12外周には切欠きからなる連通路12aが形成され、回転子13には穴からなる連通路13aが形成され、これらの連通路12a、13aは、固定子12、回転子13を水平方向に貫通し、固定子12、回転子13の軸方向両側の密閉容器1内に形成した電動要素室18と圧縮要素室19とを連通させている。この圧縮要素室19はシリンダ5によって油ポンプ室20と仕切られ、油ポンプ20は上記油分離室17と反対側に位置する圧縮要素2側の密閉容器1端部に配置されている。さらに圧縮分離室19と油ポンプ室20とは、シリンダ5の下部以外を貫通する穴からなる連通路5aと、シリンダ5下部の潤滑油4が貯溜された部分を貫通する穴からなる下連通部5bとでそれぞれ連通されている。上記油ポンプ室20には油ポンプ10が配置され、このポンプ10の給油口10aが潤滑油4中に開口され、油ポンプ室20の上部には密閉容器1に固定されて、これを貫通する吐出管22が開口されている。なお、第1図中21は電動要素3の固定子12と回転子13との間の電動機空隙であり、矢印は圧縮された被圧縮ガスの流れ方向を示す。」(2頁右下欄16行から3頁左下欄2行) エ.「次に、第1実施例の動作について説明する。従来の横置形回転式圧縮機と同様に、シリンダ5内で圧縮されたガスは、主軸受8に取り付けられた吐出弁装置14より吐出マフラ11内へ吐出される。この被圧縮ガスは吐出マフラ11の張出部11bを経由し、バイパス管15によって密閉容器1外へ導かれ、密閉容器1内の電動要素3側端部に仕切板16によって形成された油分離室17へ入る。油分離室17内の空間で被圧縮ガスの流速は低くなり、被圧縮ガスと共に流れてきた潤滑油は、油分離室17の底部へ落ち、仕切板16底部の連通穴16aから電動機室18に入り、固定子12に設けられた底部の連通路12aを経て圧縮機室19へ導かれ、シリンダ5の下連通部5bから油ポンプ室20へ戻る。そして、クランク軸7が回転することで、油ポンプ室20内の油ポンプ10が動作し、これの給油口10aから潤滑油4を汲上げ、クランク軸7部を経て圧縮要素2の摺動部に給油し、これらの摺動部を潤滑する。一方、油分離室17で潤滑油を分離した被圧縮ガスは、仕切板16の底部以外の連通穴16aを通って電動要素室18へ入り、固定子12の底部以外の連通路12a、回転子13の連通路13a、及び電動機空隙21を通りながら、電動要素3を冷却し、圧縮要素室19へ入り、シリンダ5の連通部5aを経て油ポンプ室20内に導かれ、吐出管22から密閉容器1外へ吐出される。第1実施例による横置形回転式圧縮機は、上記のように吐出ガス流路を形成したため、吐出マフラ11内の圧力をP1、油分離室17内の圧力をP2、電動要素室18内の圧力をP3、圧縮要素19内の圧力をP4、油ポンプ室20内の圧力をP5とすると、密閉容器1内の圧力分布がP1>P2>P3>P4>P5となる。このような圧力差が圧縮機運転中に発生する結果、油分離室17内で分離された油は、油ポンプ室20へ順次移動しやすくなり、油ポンプ10の給油口10aに対し油ポンプ室20内に貯溜された潤滑油4の油面を十分に高く確保でき、圧縮要素2の摺動部への潤滑油4の供給量不足を解消できた。」(3頁左下欄3行から4頁左上欄2行) オ.「第1図、第2図及び第3図はこの張出部による横置形回転式圧縮機の第1、第2及び第3実施例をそれぞれ示す縦断側面図、第4図は従来の横置形回転式圧縮機を示す一部縦断側面図である。1…密閉容器、2…圧縮要素、3…電動要素、4…潤滑油、5…シリンダ、6…ローリングピストン、7…クランク軸、8…主軸受、9…端軸受、10…油ポンプ、11…吐出マフラ、11a…マフラ本体、11b…張出部、12、13…電動要素の固定子、回転子、12a、13a…連通路、14…吐出弁装置、15…バイパス管、16…仕切板、16a…連通孔、17…油分離室、18…電動要素室、l9…圧縮要素室、20…油ポンプ室、22…吐出管。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。」(図面の簡単な説明、符号の説明) カ.第1図において、1と表示された横長略長方形断面(以下、「横長略長方形断面」といい、図面上で縦横上下左右という。)の上部辺の中央には、12と表示された長方形が前記上部辺とわずかな間隔を保って表示されている。この横長略長方形断面横中心線に略平行な、わずかな間隔には12aと表示されている。この長方形の左右辺は何れも上方に延長して前記上部辺に接している。横長略長方形断面横中心線に線対称に下部辺の中央には、12と表示された長方形と同様な長方形が、前記下部辺とわずかな間隔を保って表示されている。この長方形の左右辺は下方に延長して前記下部辺に接しており、この横長略長方形断面横中心線に略平行な、わずかな間隔には12aと表示されている。(第1図) (2)ここで、上記記載事項2-2.(1)ア.ないしカ.、及び図1ないし4から、次のことがわかる。 密閉容器1内に電動要素3と圧縮要素2とを水平方向に並べて収納し、上記密閉容器1内の底部に貯溜した潤滑油4を油ポンプ10によってクランク軸7部へ供給し、上記圧縮要素2の摺動部を潤滑するようにした横置形回転式圧縮機において、複数の連通穴16aがある仕切板16で上記密閉容器1内を仕切って密閉容器1の電動要素3側端部に油分離室17を形成し、上記圧縮要素の主軸受8と端軸受9との少なくとも一方に、マフラ本体11aの被圧縮ガス下流側に張出部11bが設けてある吐出マフラ11を設け、上記張出部11bと上記油分離室17とを上記密閉容器1外に配置したバイパス管15によって連通させ、上記電動要素の固定子12と回転子13とに設けた連通路12a、13aによって上記密閉容器内の電動要素両側に位置する電動要素室18室と圧縮要素室19とを連通させ、上記圧縮要素2のシリンダに設けた連通路5aと下連通部5bによって、上記密閉容器内の圧縮要素室19と、圧縮要素側端部に形成した油ポンプ室20とを連通させた横置形回転式圧縮機である。 上記電動要素3の固定子12外周には切欠きからなる連通路12aが形成され、回転子13には穴からなる連通路13aが形成され、これらの連通路12a、13aは、固定子12、回転子13を水平方向に貫通し、固定子12、回転子13の軸方向両側の密閉容器1内に形成した電動要素室18と圧縮要素室19とを連通させている。潤滑油は、仕切板16底部の連通穴16aから電動機室18に入り、固定子12に設けられた底部の連通路12aを経て圧縮機室19へ導かれる。被圧縮ガスは、仕切板16の底部以外の連通穴16aを通って電動要素室18へ入り、固定子12の底部以外の連通路12a、回転子13の連通路13a、及び電動機空隙21を通りながら、電動要素3を冷却し、圧縮要素室19へ入る。 吐出マフラ11内の圧力をP1、油分離室17内の圧力をP2、電動要素室18内の圧力をP3、圧縮要素19内の圧力をP4、油ポンプ室20内の圧力をP5とすると、密閉容器1内の圧力分布がP1>P2>P3>P4>P5となる。このような圧力差が圧縮機運転中に発生する結果、油分離室17内で分離された油は、油ポンプ室20へ順次移動しやすくなる。 上記記載事項2-2.(1)オ.、カ.から、上記電動要素3の固定子12外周は、密閉容器1内に接していることがわかる。固定子12に設けられた底部の連通路12aと、固定子12の底部以外の連通路12aは、軸線方向と略平行であることがわかる。 (3)引用文献2記載の発明 上記記載事項2-2.(2)より、引用文献2には次の発明が記載されていると認められる。 「密閉容器1内に電動要素3と圧縮要素2とを水平方向に並べて収納した横置形回転式圧縮機において、電動要素3の固定子12外周は密閉容器1内に接し、電動要素3の固定子12外周に軸線方向と略平行に複数個の切欠きからなる連通路12aが形成され、潤滑油は、固定子12に設けられた底部の連通路12aを経て移動し、また、被圧縮ガスは、固定子12の底部以外の連通路12aを通る横置形回転式圧縮機。」(以下、「引用文献2記載の発明」という。) 2-3.引用文献3記載の発明 (1)同じく当審において平成17年1月7日付けで通知した拒絶の理由に引用された特開平6-33890号公報(以下、「引用文献3」という。)には、次の事項が図面とともに記載されている。 ア.「【0002】【従来の技術】図2に従来の横置きに設置されたスクロール型圧縮機の1例が示されている。密閉ハウジング8の内部はディスチャージカバー31によって高圧側44と低圧側45とに仕切られている。 【0003】低圧側45の内部にはその前方にスクロール型圧縮機構Cが、後方に電動モータMが配設され、これらは回転シャフト5を介して互いに連動連結されている。 【0004】電動モータMはロータMaとステータMbとからなり、ロータMaは回転シャフト5に固定され、ステータMbは密閉ハウジング8に圧入されることによって固定されている。スクロール型圧縮機構Cは固定スクロール1、旋回スクロール2、旋回スクロール2の公転旋回運動を許容するが、その自転を阻止するオルダムリンク等の自転阻止機構3、固定スクロール1及び電動モータMが締結されるフレーム6、回転シャフト5を軸支する前部軸受71及び後部軸受72等からなる。 【0005】固定スクロール1は端板11とその内面に立設された渦巻き状ラップ12とを備え、この端板11の中央部には吐出ポート13が設けられている。旋回スクロール2は端板21とこの内面に立設された渦巻き状ラップ22とを備え、この端板21の外面に立設されたボス23内にドライブブッシュ54が旋回軸受73を介して回転自在に嵌装され、このドライブブッシュ54に穿設された孔55内に回転シャフト5の端部から突出する偏心ピン53が回転自在に嵌合されている。 【0006】固定スクロール1と旋回スクロール2とを相互に所定距離だけ偏心させ、かつ、180度だけ角度をずらせて噛み合わせることによって複数個の密閉空間24が形成されている。回転シャフト5の端部には油ポンプ51が備えられており、この油ポンプ51の吸入口56は密閉ハウジング8の下方に臨むとともに図示しない吐出口は回転シャフト5に穿設された給油孔52に連通している。 【0007】電動モータMを駆動することによって回転シャフト5、偏心ピン53、ドライブブッシュ54、ボス23等からなる公転旋回機構を介して旋回スクロール2が駆動され、旋回スクロール2は自転阻止機構3によって自転を阻止されながら公転旋回半径の円軌道上を公転旋回運動する。 【0008】旋回スクロール2の旋回によって、ガスが吸入管82を経て低圧側45に入り、このガスは通路61を通って低圧室43を経た後密閉空間24内に吸入される。そして、旋回スクロール2の公転旋回運動により密閉空間24の容積が減少するのに伴って、圧縮されながら中央部に至り、吐出ポート13より逆止弁17を押し開いて高圧室42から高圧側44に入り、ここから吐出管83を経て外部に吐出される。 【0009】これと同時に、密閉ハウジング8内下部に貯留された潤滑油は油ポンプ51によって吸入口56より吸い上げられ、給油孔52を通って後部軸受72、前部軸受71、偏心ピン53、旋回軸受73等の摺動部に供給され、これらを潤滑した後、排油通路62から排出して密閉ハウジング8の下部に貯留される。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の横型密閉圧縮機においては、密閉ハウジング8の内周面に圧入されたステータMbには部分的に切欠かれた通路85が形成されており、排油通路62から排出した潤滑油がこの通路85を通ってステータMbの後方側に戻るようになっている。しかし、通路85を大きく形成すると電動モータMの効率が低下するため最小限に止められる。 【0011】この結果、排油通路62から密閉ハウジング8内に排出した潤滑油は油ポンプ51の吸入口56に戻り難くなり、ステータMbの後方側においては油面が低下して油ポンプ51の吸引量が減少するため摺動部の潤滑不良を招く他、ステータMbの前方側においては油面が上昇して潤滑油が密閉ハウジング8から密閉空間24に吸入されるガスに同伴され易くなるため油上り量(吐出ガスに含まれる潤滑油の量をいう)が増加する等の問題があった。本発明は、横型密閉圧縮機において、前記したような潤滑不良が生ずるのを防ぐと共に油上りを防止することを課題としている。」(段落0002から0011) イ.「【0012】【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するため、圧縮機構、同圧縮機構を駆動する電動モータ及び同電動モータによって駆動される油ポンプをこの順に密閉ハウジングに内蔵し前記油ポンプによって前記圧縮機構の摺動部に供給された潤滑油を前記圧縮機構と前記電動モータの間に排出するように構成した横型密閉圧縮機において、前記密閉ハウジングの外部を通り前記電動モータの前後において前記密閉ハウジングの下部を連通する抜出管を設けた構成を採用する。 【0013】【作用】本発明では上記手段を講じた結果、次のような作用を生ずる。圧縮機構等の摺動部を潤滑した潤滑油は密閉ハウジング内の圧縮機構と電動モータの間に排出された後、抜出管を通って電動モータの後方側にスムーズに戻され、油ポンプに吸入される。これによって、従来のものにみられた潤滑不良や油上りを防ぐ。 【0014】【実施例】以下、本発明を図1に示す実施例に基いて具体的に説明する。図1において、図2に示した従来のものと対応する部材には同じ符号が付されており、それらの詳細な説明は省略する。横置きに設置された圧縮機の密閉ハウジング8にはこの外部を通した抜出管91が設けられている。この抜出管91の一端は排油通路62が位置するステータMbの前方側に接続されるとともに他端は油ポンプ51が設置されたステータMbの後方側に接続されている。 【0015】油ポンプ51によって吸入口56より吸い上げられた潤滑油は給油孔52を通って後部軸受72、前部軸受71、偏心ピン53、旋回軸受73等の摺動部に供給され、これらを潤滑した後、排油通路62から密閉ハウジング8内に排出し、抜出管91を通ってステータMbの後方側に戻る。 【0016】このように、油ポンプ51が設置されたステータMbの後方側には抜出管91を介して潤滑油がスムーズに戻るので、その油面を常に十分な高さに維持でき摺動部の給油切れを招くことが防がれ、また、ステータMbの前方側の油面が上昇する事態を回避することができる。」(段落0012から0016) (2)ここで、上記記載事項2-3.(1)ア.、及び図2から、引用文献3には次の発明が記載されていると認められる。 「密閉ハウジング8の内周面に圧入されたステータMbには部分的に切欠かれた通路85が形成された横型密閉圧縮機。」(以下、「引用文献3記載の技術1」という。) また、上記記載事項2-3.(1)イ.、及び図1から、次のことがわかる。(「本発明」として示された図1の実施例) 圧縮機構C、同圧縮機構Cを駆動する電動モータM及び同電動モータMによって駆動される油ポンプ51をこの順に密閉ハウジング8に内蔵し前記油ポンプ51によって前記圧縮機構Cの摺動部に供給された潤滑油を前記圧縮機構Cと前記電動モータMの間に排出するように構成した横型密閉圧縮機において、前記密閉ハウジング8の外部を通り前記電動モータMの前後において前記密閉ハウジング8の下部を連通する抜出管91を設けている。油ポンプ51が設置されたステータMbの後方側には抜出管91を介して潤滑油がスムーズに戻る。 本発明も図2に従来の横置きに設置されたスクロール型圧縮機を前提としており、本発明は、上記記載事項2-3.(1)ア.の段落0010、0011より、密閉ハウジング8の内周面に圧入されたステータMbには部分的に切欠かれた通路85が形成されており、排油通路62から排出した潤滑油がこの通路85を通ってステータMbの後方側に戻るようになっており、排油通路62から密閉ハウジング8内に排出した潤滑油は油ポンプ51の吸入口56に戻ることがわかる。 したがって、引用文献3には次の技術思想が記載されていると認められる。 「圧縮機構、同圧縮機構を駆動する電動モータ及び同電動モータによって駆動される油ポンプを内蔵する横型密閉圧縮機において、前記電動モータの前後において、潤滑油の通過をスムーズにするため潤滑油の通過通路面積を大きくした」点。(以下、「引用文献3記載の技術2」という。) 3.対比 そこで、本願発明と引用文献1記載の発明を対比するに、引用文献1記載の発明における「密閉容器底部に存在する潤滑オイル貯留部」、「クランク軸10」は、本願発明における「底部に油溜り」、「主軸」に相当する。 したがって、本願発明と、引用文献1記載の発明は、 「底部に油溜りを有する内部高圧の密閉容器内に圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動機と、この電動機の回転力を前記圧縮機構部に伝達する主軸と、この主軸の一端に取付けられ前記圧縮機構部とは反対側の吐出管が存在する空間内で前記油溜りに臨むオイルポンプとを含んで構成し、前記電動機ステータの外周部にガス通路を設けた横置き電動圧縮機。」である点で一致し、次の相違点1、2で相違している。 (1)相違点1 本願発明においては、密閉容器に焼き嵌め固定される電動機ステータの外周部に軸線方向と略平行に複数個の切欠きを設け、これらの切欠きのうち、底部の切欠きをオイル通路とし、他の切欠きはガス通路としたのに対して、引用文献1記載の発明では、電動機ステータの外周部にガス通路を設けているものの、密閉容器に焼き嵌め固定される電動機ステータの外周部に軸線方向と略平行に複数個の切欠きを設け、これらの切欠きのうち、底部の切欠きをオイル通路とし、他の切欠きはガス通路とした構成が明示的に示されていない点。 (2)相違点2 本願発明においては、電動機ステータの底部の切欠きを、軸線方向開口面積を最大にしてオイル通路としたのに対して、引用文献1記載の発明では、そのような構成がない点。 4.判断 上記相違点1、2について検討する。 (1)相違点1 引用文献2記載の発明における「電動要素3」、「固定子12」、「潤滑油」、「底部の連通路12a」、「被圧縮ガス」、「底部以外の連通路12a」、「横置形回転式圧縮機」は、本願発明の「電動機」、「電動機ステータ」、「オイル」、「オイル通路」、「ガス」、「ガス通路」、「横置き電動圧縮機」にそれぞれ相当する。引用文献2記載の発明における「圧縮要素2」は、圧縮機構部である限りにおいて本願発明の「圧縮機構部」に相当する。 そして、引用文献2記載の発明には、密閉容器内の電動機ステータの外周部に軸線方向と略平行に複数個の切欠きを設け、これらの切欠きのうち、底部をオイル通路とし、他の切欠きをガス通路とした点が示されている。 また、引用文献3記載の技術1には、部分的に切欠かれた通路を有する電動機ステータを密閉容器内に圧入した点が示されており、さらに圧入を必要に応じ焼き嵌めに変更することは設計的事項にすぎない。また、電動機ステータを密閉容器内に焼き嵌めした点は周知技術でもある。(例、実願昭63-98216号(実開平2-19894号)のマイクロフィルムの明細書6頁等、実願昭60-35788号(実開昭61-152782号)のマイクロフィルム、特開昭63-61794号公報) したがって、引用文献1記載の発明に、引用文献2記載の発明、引用文献3記載の技術1、及び上記周知技術を適用して、上記相違点1に係る本願発明のような構成とすることは、当業者が容易に想到しうる程度のものと認められる。 (2)相違点2 密閉容器内の電動機ステータの外周部の複数個の切欠きのうち、オイル通路の軸線方向開口面積を最大とすることは、ガスやオイルの粘性、オイル通路数とガス通路数の割り当て割合、必要通過量、強度等を考慮して、当業者が適宜設定すべき設計的事項であり、また、引用文献3記載の技術2の技術思想から当業者が容易になしえたことでもある。 以上のように、引用文献1記載の発明に、引用文献2記載の発明、引用文献3記載の技術1ないし2、及び上記周知技術を適用して、本願発明のような構成とすることは、当業者が容易に想到しうる程度のものと認められ、しかも、本願発明は、全体構成でみても、引用文献1記載の発明、引用文献2記載の発明、引用文献3記載の技術1ないし2、及び上記周知技術から予測できる作用効果以上の顕著な作用効果を奏するものとも認められない。 5.むすび したがって、本願発明は、引用文献1記載の発明、引用文献2記載の発明、引用文献3記載の技術1ないし2、及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-05-16 |
結審通知日 | 2005-05-17 |
審決日 | 2005-05-30 |
出願番号 | 特願平7-4208 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(F04C)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 藤井 眞吾 |
特許庁審判長 |
大橋 康史 |
特許庁審判官 |
平城 俊雅 飯塚 直樹 |
発明の名称 | 横置き電動圧縮機 |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 岩橋 文雄 |