• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1120612
審判番号 不服2003-21084  
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-10-30 
確定日 2005-08-02 
事件の表示 特願2000-149535「文字情報と画像情報の合成方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 1月26日出願公開、特開2001- 22790〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成7年1月13日に出願した特願平7-19863号の一部を平成11年11月9日に新たな特許出願とした特願平11-318428号を、さらに、平成12年5月22日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明は、平成12年12月7日、平成15年8月4日、平成16年6月14日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という)
「【請求項1】ネットワークを介して画像を表示したり、CD-ROM等の光ディスクを介して画像を表示する第1工程と、
前記画像上で対象物の場所の指定を促す第2工程と、
前記画像上において指定された前記対象物の座標情報と利用者が所有する既存データベースに記憶されている文字情報とを、前記対象物の座標情報に対応させて付与した管理コードにより対応付けて登録する第3工程と、
前記対象物を含む画像部を表示すると共に、前記登録された文字情報を前記画像部と関連付けて合成して表示する第4工程と
を有することを特徴とする文字情報と画像情報の合成方法。」

2.引用例記載の発明
これに対して、当審の拒絶の理由に引用された、本願の原原出願の日前である平成5年4月16日に頒布された特開平5-94129号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)「【産業上の利用分野】本発明は、地図情報表示装置に関し、例えばナビゲーション装置にて好適なものである。」(引用例1の2頁1欄15〜17行、段落【0001】)
(2)「地図情報はCD-ROMに記憶されており、車両の現在位置を含む地図がこのCD-ROMから読み出されてモニタ上に表示される。この表示地図上には車両の現在位置も重ねて表示される。ここで車両の現在位置は、GPS(Global Positioning System)、ビーコン、地磁気検出器などを利用して表示地図上において逐次更新されて行く。ユーザは、モニタを見ることにより、車両の現走行位置をリアルタイムで知ることができる。」(引用例1の2頁1欄21〜29行、段落【0002】)
(3)「【0003】かかるナビゲーション装置には、ユーザによって施設の情報を登録できる機能が備えられている。かかる施設の情報はメモ情報と称されている。ユーザは表示地図上において、その施設が存在する位置をカーソルによって設定し、その後その施設の名称などを文字、記号、アルファベットなどで入力することにより、その施設の位置と内容を装置に登録することができる。ナビゲーション装置側では、かかるメモ情報の位置および内容をお互いに関連付けて装置内のメモリに記憶する。そして、ユーザからの指示情報に応じてこのメモリから所望の施設の位置情報が読み出され、これが識別できるように地図上に表示される。
【0004】かかるメモ情報の表示には、従来、2通りの表示方法が採用されていた。1つは車両の現在位置を中心とした表示方法で、地図表示画面を車両の現在位置を中心とした地図表示画面に切り替え、この画面上にメモ情報を重ね表示する方法である。もう1つはメモ情報の施設の位置を中心とした表示方法で、地図表示画面を施設の位置を中心とした地図表示画面に切り替え、この画面上にメモ情報を重ね表示する方法である。」(引用例1の2頁1欄30〜49行、段落【0003】〜段落【0004】)
(4)「【0008】
【実施例】図1に実施例のブロック図を示す。本実施例は、車載用のナビゲ-ション装置に本発明を実施した例である。図において、1はマイクロコンピュータ(マイコン)で各部の制御を行う。2は地図情報を記憶したCR-ROMを再生して所望の地図情報を取り出す地図再生回路、3は車両の現在位置をGPS、ビ-コン、地磁気検出器などを利用して検出する現在位置検出回路、4はユーザによる入力に応答し、所望設備の情報及び地図上におけるその設備の位置を関連づけて記憶する記憶回路、5は記憶回路4から読み出した情報を一旦記憶するメモリ、6はマイコン1からの信号を受けてCRT画面上に地図、車両の現在位置あるいはメモリ5に記憶されたメモ情報を映写する表示装置、7はメモ情報の登録などのためにユーザによって操作される入力部である。
【0009】通常の地図表示は、現在位置検出回路3によって検出された車両の現在位置に基づき、この現在位置を含む地図に応じた地図情報を地図再生回路2から読み出し、この地図情報と車両の現在位置情報とから地図上に車両の現在位置が重ねられた画面を作成して表示装置6上に表示する。かかる地図表示における情報処理は、既存のナビゲ-ション装置と同様にして行われる。
【0010】メモ情報の登録は以下のようにして行う。上記のように所望領域の地図が表示されている状態において、まず装置本体の入力部7に配されたモード切り替えキーを操作することにより、装置をメモ情報登録モードに設定する。すると表示画面は、図3の右側の画面に示すように、表示されていた画面の中心位置にカーソルが、下部にタッチパネルとして機能するカーソル移動キー(矢印キー)および登録キーが付加された表示画面に切り替わる。ユーザは、かかる画面において、カーソル移動キーを操作することによってカーソルを登録したい施設の位置に移動し、その後、登録キーを操作する。以上の操作によって、登録したい施設の位置が決定される。尚、かかる施設の位置は、地図上における経度、緯度を示す座標情報に換算されて登録される。
【0011】以上の操作が終了すると、表示画面は図3の右側の状態に切り替わる。かかる状態においては、表示画面は全てタッチパネルとして機能する。かかる画面において、ユーザはカーソルキー(矢印キー)を操作することによって文字列上における文字を選び、“情報”の位置に施設の内容を示す文字を入力する。ここで、各文字は、カーソルキーによって文字を選んだ後、文字キーを操作することのよって入力できる。情報として英数を入力したいときには英数キーを操作し、画面上に文字列に代えて英数列を表示せしめ、この英数列から所望の英数を選ぶことによって行う。このようにして“情報”の入力が終了すると、次にユーザは記号キーを操作し、施設の位置を表示する際の施設の目印となる記号の入力に移る。かかる記号キーを操作すると、“記号”の位置に所定の記号が表示される。ユーザは、かかる記号以外の記号を目印として採用する場合には、カーソルキーの内上下方向のキーを操作し、“記号”の位置に表示される記号を変更する。かかる記号は、装置内のメモリ(図示せず)に記号列情報として記憶されており、上下のカーソルキーの操作によってこの記号列が順方向あるいは逆方向に順番に読み出されて“記号”の位置に順番に表示される。
【0012】このようにして“情報”および“記号”の入力が終了すると、ユーザは設定キーを操作する。かかる設定キーの操作に応答してメモ情報の位置、内容および記号を示す各情報が図1における記憶回路4に互いに関連づけて記憶される。かかるメモ情報に関する記憶回路4のメモリマップを図4に示す。同図において、nはメモ情報の登録順序を示す。また座標情報は、前述したように、地図上における経度、緯度を示すものである。
【0013】次にメモ情報の表示について説明する。通常の地図表示モードにおいて、モードの変更をキー入力部7を介して入力すると、表示画面は、図5の右上に示す画面、即ち表示画面の下部にタッチパネルとして機能するモード変更キーが表示された画面に切り替わる。メモ情報を表示する場合、ユーザはかかるモード変更キーからメモキーを選択して操作する。かかるメモキーの操作に応答して表示画面は、図5の左上の画面、即ちメモ情報のリストを示す画面に切り替わる。かかる表示画面は、上述した如くして図1の記憶回路4に記憶されたメモ情報を読み出すことによって映写される。ここでメモ情報のリストは、記憶回路4に登録された順番に映写される。ユーザは、かかるリストから表示したいメモ情報を選択しこれを入力する。メモ情報の選択の入力は、上記と同様、タッチパネルによって行う。このようにしてメモ情報の指定がなされると、対応するメモ情報の施設の位置が地図上に表示される。かかるメモ情報の表示は、図2のフローチャートに従ってマイコン1によって実行される。
【0014】かかるメモ情報の表示について、図2のフローチャートに従って以下に説明する。上述した操作によりユーザがメモ情報を指定すると、まず指定されたメモ情報が記憶回路4から読み出されメモリ5にストアされる(ステップ1)。同時に車両の現在位置がメモリ5にストアされる(ステップ2)。次に、指定されたメモ情報に応じた施設の位置(登録地点)が、メモ情報指定前の表示地図上に存在するか否かが判別され(ステップ3)、もし存在していればこの地図上に車両の現在位置とメモ情報の登録地点が重ねられた画面がモニタ上に表示される(ステップ7)。一方、指定されたメモ情報の登録位置がメモ情報指定前の表示地図上に存在しなければ、現在位置と登録地点の間の距離が算出され(ステップ4)、かかる距離に応じて両位置が同一地図上に表示できるか否かが判別される(ステップ5)。
【0015】ここで、現在位置と登録地点が同一地図上に表示できるか否かは、メモ情報指定前に表示されていた地図の縮尺に従って判別する。即ち、かかる縮尺においては、画面上に表示できる2地点間の最大距離は長方形の表示画面上における対角線の距離であるが、前記現在位置と登録地点間の距離がかかる対角線の距離を越えていれば、この2地点を同一地図上に表示することはできない。従ってこの場合には、ステップ5においてNOと判別する。かかる場合には、登録地点が中心位置となるような地図に表示地図を変更する(ステップ6b)。一方、現在位置と登録地点間の距離が前記対角線の距離を越えていなければ、これら2地点が画面上に表示できるような地図に表示地図を変更する(ステップ6a)。ここで、これら2地点間の距離が前記対角線の距離に近いときには、表示地図を適当にスクロールして、2地点がかかる対角線上にほぼ並ぶような表示地図に変更する。
【0016】このようにして表示地図の変更が行われると、この地図上に車両の現在位置とメモ情報の登録地点を重ね(ただしステップ6bを経由した場合には車両の現在位置は地図上に重ねられない)、これをモニタ上に表示する(ステップ7)。図5において、右下の画面は、ステップ3においてYESと判別された場合の表示画面の一例を示し、左下の画面はステップ5においてNOと判別された場合の表示画面の一例を示す図である。
【0017】以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能である。例えば上記実施例においては、車両の現在位置とメモ情報の登録地点とが同一の地図上に表示できない場合にはメモ情報の登録地点を地図の中心位置において表示するようにしたが、かかる場合に、表示地図の縮尺を適宜切り替えれるようになし、これにより2地点を同時に表示できる最大縮尺の地図上において2地点をモニタモニタできるようにすれば、ユーザはかかる表示の切り替えによって車両の現在位置と登録地点の位置関係を大まかに知ることができるようになる。」(引用例1の2頁2欄27行〜4頁5欄13行、段落【0008】〜【0017】)
この記載事項によると、引用例1には、
「各部の制御を行うマイクロコンピュータ(マイコン)1と、地図情報を記憶したCD-ROMを再生して所望の地図情報を取り出す地図再生回路2と、車両の現在位置を検出する現在位置検出回路3と、ユーザによる入力に応答し、所望設備の情報及び地図上におけるその設備の位置を関連づけて記憶する記憶回路4と、記憶回路4から読み出した情報を一旦記憶するメモリ5と、マイコン1からの信号を受けてCRT画面上に地図、車両の現在位置あるいはメモリ5に記憶されたメモ情報を映写する表示装置6と、メモ情報の登録などのためにユーザによって操作される入力部7とから構成される車載用のナビゲ-ション装置において、
通常の地図表示は、現在位置検出回路3によって検出された車両の現在位置に基づき、この現在位置を含む地図に応じた地図情報を、地図情報を記憶したCR-ROMを再生して所望の地図情報を取り出す地図再生回路2から読み出し、この地図情報と車両の現在位置情報とから地図上に車両の現在位置が重ねられた画面を作成して表示装置6上に表示され、
メモ情報を登録するときには、所望領域の地図が表示されている状態において、まず装置本体の入力部7に配されたモード切り替えキーを操作して、装置をメモ情報登録モードに設定し、表示画面を、カーソル移動キー(矢印キー)および登録キーが付加された表示画面に切り替え、ユーザは、かかる画面において、カーソル移動キーを操作することによってカーソルを登録したい施設の位置に移動し、登録キーを操作することによって、登録したい施設の位置が地図上における経度、緯度を示す座標情報に換算されて登録され、以上の操作が終了すると、画面において、ユーザはカーソルキーを操作することによって文字列上における文字を選び、“情報”の位置に施設の内容を示す文字を入力する、そして、“情報”の入力が終了すると、次にユーザは記号キーを操作し、施設の位置を表示する際の施設の目印となる記号の入力を行う、このようにして“情報”および“記号”の入力が終了すると、ユーザは設定キーを操作し、かかる設定キーの操作に応答してメモ情報の位置、内容および記号を示す各情報が記憶回路4に互いに関連づけて登録順序番号を付けて記憶され、
メモ情報の表示については、通常の地図表示モードにおいて、モードの変更をキー入力部7を介して入力すると、表示画面は、表示画面の下部にタッチパネルとして機能するモード変更キーが表示された画面に切り替わり、ユーザはかかるモード変更キーからメモキーを選択して操作すると、メモキーの操作に応答して表示画面は、メモ情報のリストを示す画面に切り替わり、ユーザは、かかるリストから表示したいメモ情報を選択しこれを入力する、このようにしてメモ情報の指定がなされると、対応するメモ情報の施設の位置が地図上に表示され、その表示は、指定されたメモ情報に応じた施設の位置(登録地点)が、メモ情報指定前の表示地図上に存在するか否かに応じて、もし存在していればこの地図上に車両の現在位置とメモ情報の登録地点が重ねられた画面がモニタ上に表示され、存在しなければ、登録地点が中心位置となるような地図に表示地図を変更して表示される等の表示制御される
ことを特徴とする地図情報表示装置。」
の発明(以下、「引用例1記載の発明」という。)が記載されていると認められる。

3.対比
本願発明と引用例1記載の発明を対比すると、
引用例1のものは、地図情報を記憶したCD-ROMを再生して、CRT画面上に地図を表示しているから、CD-ROM等の光ディスクを介して画像を表示する工程を有しており、
引用例1の施設の登録について、ユーザは、画面において、カーソル移動キーを操作することによってカーソルを登録したい施設の位置に移動して登録操作を行っているから、画像上で対象物を指定する工程を有しており、
引用例1では、登録したい施設の位置が地図上における経度、緯度を示す座標情報に換算されて登録され、その操作の終了後に、登録したい施設の文字情報、記号の入力が行われ、施設の位置、内容および記号を示す各情報が記憶回路にお互いに関連づけ登録順序番号を付けて記憶されているから、画像上において指定された対象物の座標情報と文字情報とを、対応付けて登録する工程を有しており、
引用例1では、メモ情報の登録地点が記号により画面モニタ上に表示されているから、記号も登録された情報であるから、対象物を含む画像部を表示すると共に、登録された情報を画像部と関連付けて合成して表示する工程を有しており、
また、引用例1記載の発明は装置として表現されているが、これを方法として表現し得ることは自明のことであって、単なる表現上の問題にすぎないから、
両者は次の点で一致し、
(一致点)
「CD-ROM等の光ディスクを介して画像を表示する第1工程と、
前記画像上で対象物の場所の指定する第2工程と、
前記画像上において指定された前記対象物の座標情報と文字情報とを、対応付けて登録する第3工程と、
前記対象物を含む画像部を表示すると共に、前記登録された情報を前記画像部と関連付けて合成して表示する第4工程と
を有することを特徴とする情報の合成方法。」
次の各点で相違する。
(相違点)
(相違点1)
第1工程において、本願発明は、ネットワークを介して画像を表示したりと記載されているのに対して、引用例1では、この点については記載されていない点。
(相違点2)
第2工程において、本願発明は、画像上で対象物の場所の指定を促す第2工程と記載されているのに対して、引用例1には促すとは記載されていない点。
(相違点3)
第3の工程で、本願発明では、画像上において指定された前記対象物の座標情報と利用者が所有する既存データベースに記憶されている文字情報とを、前記対象物の座標情報に対応させて付与した管理コードにより対応付けて登録するのに対して、引用例1では、ユーザが文字情報をカーソルキーを用いて入力し、設定キーの操作に応答して登録したい施設の位置、内容および記号を示す各情報を互いに関連づけて登録順序番号を付けて記憶している点。
(相違点4)
本願発明では、対象物を含む画像部を表示すると共に、登録された文字情報を画像部と関連付けて合成して表示するのに対して、引用例1では、表示地図上に登録施設の記号は示されているが、文字情報は表示されていない点。
(相違点5)
本願発明は、文字情報と画像情報の合成方法であるのに対して、引用例1は、地図情報表示装置である点。

4.当審の判断
上記相違点について検討すると、
(相違点1)について
ネットワークを介して画像を表示することは、本願発明では、「ネットワークを介して画像を表示したり、CD-ROM等の光ディスクを介して画像を表示する」と記載されている。したがって、本願発明は、ネットワークを介して画像を表示するだけに限定されておらず、引用例1では、CD-ROMの光ディスクを介して画像を表示しているので、この点は相違点になり得ない。たとえなったとしても、ネットワークを介して画像を得てそれを表示することは周知のことである。
(相違点2)について
「促す」とは、本願発明の基となる原原出願(特願平7-19863号)、及び原出願(特願平11-318428号)の出願当初の明細書には記載されていないことであり、また、本願の発明の詳細な説明にも具体的な記載はないので、通常の意味の「促す」が単に挿入されたものと認められる。一般的に、情報処理装置に入力する場合おいて、音声あるいは表示画面上において入力を促すようにすることは周知慣用のことであるから、本願発明のように場所の指定を促すようにすることは当業者ならば、容易に考えられることである。
(相違点3)について
「利用者が所有する既存データベースに記憶されている文字情報とを、前記対象物の座標情報に対応させて付与した管理コードにより対応付けて登録する」について、本願の発明の詳細な説明には、既存データベースに記憶されている文字情報と、対象物の座標情報との対応付けについては、「入力装置1を介してユーザデータベースDB等から入力された文字情報は、中央処理部3内の文字情報登録手段32によって情報記憶部4内の文字情報記憶部42に登録される。」と記載されているように、データベースDB等から入力された文字情報を文字情報登録手段32によって文字情報記憶部42に登録していることが記載されている。
また、その、既存のデータベースからの文字情報の入力について、原原出願(特願平7-19863号)においては、その段落【0013】に「入力装置1を介してユーザデータベースDB等から入力された文字情報は、文字情報登録手段32によって情報記憶部4内の文字情報記憶部42に登録される。」と記載されているのみであり、入力の方法については格別示唆されているわけではない。
一般的に、文字情報を入力するに当たり、1文字ずつ文字入力して文字列を作成するかわりに、既に作成された文書ファイル等からなるデータベース上にある文字列データを用いて、例えば、コピーして貼り付けること等により簡単に文字データを入力することは、日常的に行われていることであること等を考慮すると、引用例1においても、文字入力するにあたり、カーソルキーにより文字を入力するに替えて、既存のデータベースに記憶されている文字情報を用いて、その文字情報をコピーして貼り付けるなどの入力方法により入力するようにすることは当業者が容易に考えられることである。
また、管理コード等により各種情報を対応付けて登録することも慣用手段である。
したがって、引用例1のものにおいて、画像上において指定された登録したい施設の座標情報を文字情報と対応して登録するときに、既存データベースに記憶されている文字情報をもちいて、その文字情報とを、対象物の座標情報に対応させて付与した管理コードにより対応付けて登録るようにすることは当業者が容易に考えられることである。
(相違点4)について
ディスプレイに表示された地図上に施設の名前等の文字情報を表示することはよく行われていることであるから、引用例1においても、表示地図上に登録施設の記号が表示されているが、これに替えて、登録施設の文字情報を表示することは当業者が容易に考えらることである。
(相違点5)について
上述したように、装置として表現されている発明を、方法として表現し得ることは自明のことであって、単なる表現上の問題にすぎず、また、文字情報と画像情報の合成についても、上述したように文字情報を入力することは容易に考えられることであるから、発明を文字情報と画像情報の合成方法とすることに困難性はない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2004-07-12 
結審通知日 2004-07-20 
審決日 2004-08-02 
出願番号 特願2000-149535(P2000-149535)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡本 俊威  
特許庁審判長 小川 謙
特許庁審判官 井上 信一
加藤 恵一
発明の名称 文字情報と画像情報の合成方法及びシステム  
代理人 安形 雄三  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ