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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1120899
審判番号 不服2003-4489  
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-03-19 
確定日 2005-08-12 
事件の表示 平成11年特許願第 3891号「画像通信装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 7月28日出願公開、特開2000-209418〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成11年1月11日の出願であって、平成15年2月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年3月19日に拒絶査定に対する審判の請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。
同手続補正は、補正前の請求項1を削除し請求項の番号を繰り上げるものであるから、特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除を目的とするものに該当する。
そして本願の請求項1に係る発明は、同手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「【請求項1】通信手段を介して接続された相手先画像通信装置に画像データを送信している途中で通信エラーが発生した場合、当該通信に関する通信結果レポートを画像出力手段より出力し、画像入力手段より通信結果レポートが入力されたときに該通信結果レポートに基づいて上記画像データの再送信を開始する画像通信装置において、
通信毎に固有のジョブIDと関連付けて上記通信に関する情報を格納するジョブ管理テーブルと、
上記ジョブIDに対応するマークを記載した通信結果レポートを出力する上記画像出力手段と、
上記画像入力手段より通信結果レポートが入力されたのち再送信が開始される前に、当該通信結果レポートに記載された上記マークに対応する通信に関する情報を表示するとともに、当該表示した通信に関する情報の変更を指示入力できる操作手段と、
を備えたことを特徴とする画像通信装置。」

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用した特開平5-336295号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。(摘記箇所についてはそれぞれ段落番号を参照)
(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 読取手段で読取られた原稿の画情報を記憶する画情報記憶手段と、
文書の送信結果情報を記憶する送信結果記憶手段と、
再送信指示情報および前記送信結果情報を示すバーコード、ならびに送信文書の内容を示す情報が含まれたモニタレポートを作成するモニタレポート作成手段と、
前記モニタレポートを識別する画情報識別手段と、
前記画情報識別手段で前記再送信指示情報が検出されてモニタレポートが識別されたときには、前記画情報記憶手段に記憶されている再送信文書の画情報を、前記送信結果情報が示す情報に従って送信するように構成された送信手段とを具備したことを特徴とする文書送信装置。」
(2)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文書送信装置に関するものであり、特に、1回送信した文書を容易に再送信することができる文書送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置などの文書送信装置では、文書の送信が終了すると、その通信結果を通知する通信結果通知シート(以下、モニタレポートという)を出力するようになっているものが多い。また、このモニタレポートを出力するか否かを、必要に応じてあらかじめ設定できるようになっているのが一般的である。
【0003】図11は、従来のファクシミリ装置から出力されるモニタレポートの例を示す図である。図示のように、モニタレポートには送信開始時刻、終了時刻、送信枚数などの送信結果が印字されている。したがって、このモニタレポートによって送信が無事に終了したか、未送信原稿があったかを確認できる。」
(3)「【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図2は本発明の一実施例を示す文書送信装置のハード構成を示すブロック図である。同図において、読取装置1では、セットされた原稿の画情報が読取られる。操作パネル2は、キーボードおよびモニタ用画面などを有している。この操作パネル2および後述のコントロールシートからの指示によって送信指令がなされると、前記読取装置1で読取られた原稿の画情報は符号化/復号化装置3で圧縮符号化され、回線制御装置(NCU/モデム)4に供給されて回線に送出される。
【0020】一方、回線から入力された画情報は、NCU/モデム4を介して符号化/復号化装置3で復号化された後、プリンタ5に供給されて印字される。
【0021】以上の各構成要素は、ROM6およびRAM7に格納されたプログラムや制御用データに従ってCPU8で制御される。
【0022】なお、本実施例の文書送信装置では、上記ハード構成のほか、前記ROM6およびRAM7に格納されたプログラムや制御用データに従ってモニタレポートや未送信確認レポートを作成したり、このモニタレポートや未送信確認レポートをコントロールシートとして、このコントロールシートに書込まれた予定の動作を行わせるソフトウェア機能を有する。
【0023】次に、図3を参照してモニタレポートの例を示す。同図において、モニタレポートつまりコントロールシートには、画情報の位置決定用原点を示す位置合わせマーク21が書込まれている。原稿が読取装置1の読取位置に斜めに供給されたり、画像歪みがあったりした場合には、この位置合わせマーク21を基準として画像の補正が行われる。この位置合わせマーク21は、基準点としての機能を失わないようにするため、モニタレポートの用紙の横方向、縦方向に所定長さを有するL形のマークになっている。位置合わせマーク21は前記補正機能を失わせないという点が考慮されていれれば、L形に限らず方形など他の形状であってもよい。なお、本実施例では、この位置合わせマーク21をモニタレポートの4隅に設けたが、モニタレポート上方の2か所に設けるだけでも、ほぼその目的は達成される。
【0024】この位置合わせマーク21を基準とする予定位置に、このモニタレポートがコントロールシートであることを示すバーコード22が設けられる。このモニタレポートをコントロールシートとすることによって複数の動作指示を行わせることができる。複数の動作指示のためのチェック領域として、前記位置合わせマーク21を基準とする予定位置に再送信指示チェック枠23、管理情報削除指示チェック枠25、および再送信ページ指示チェック枠26が設けられる。
【0025】再送信指示チェック枠23は、読取装置1で読取られて所定の記憶部に格納されている送信文書の再送信を指示するためのチェック領域である。また、再送信ページ指示チェック枠26は、文書再送信において文書の全ページを送信するのではなく、最初のページだけを送信すればよいときに、そのことを指示するためのチェック領域である。さらに、管理情報削除指示チェック枠25はRAM7に記憶されている再送信のための管理情報や送信文書の一部を、送信動作後に削除するためのチェック領域である。
【0026】マイクロバーコード27には、ROM6やRAM7のうち該モニタレポートに対応する記憶領域にアクセスするための識別情報が含まれている。該モニタレポートに対応する記憶領域には、送信文書の画情報や、再送信相手先電話番号およびに送信モードなどの送信結果情報が記憶されている。これらの情報は、先の送信の際に送信結果として検出されて登録されたものである。」
(4)「【0032】このようなモニタレポートは、送信後にプリンタ5によって印字されて出力される。そして、このモニタレポートを利用して所定の動作を指示する場合は、これを読取装置1に読取らせる。読取装置1によってモニタレポートの前記マイクロバーコード27が読取られると、このマイクロバーコード27が示す情報、あるいはマイクロバーコード27自体に含まれる情報に基づいて、間接的にあるいは直接的にチェック枠23,25,26内のデータがチェックされ、マークの有無が解析される。チェック枠23,25,26にマークが検知されれば、そのチェック枠に予め割り付けられている予定の動作つまり記憶されている原稿の再送信や記憶情報の削除が指示される。また、文書の再送信に際しては、すべてのページを送信するのか、最初のページのみを送信するのかについても、前記チェック枠26内のマーク有無によって判断される。
【0033】なお、前記モニタレポートは、複数の動作を行わせるように構成しているが、例えば文書の再送信のみに限定したコントロールシートとすることもできる。この場合、記憶領域へのアクセスのための情報の量は少なくなるので、この情報を前記バーコード22に含ませるようにしてマイクロバーコード27は省略してもよい。さらに、再送信だけの単機能の場合は、モニタレポートのバーコード22を検知すれば直ちに再送信のための動作開始すればよいので、チェック枠23,25,26を省略してもよい。また、チェック枠23,26を設けて、最初のページのみを再送信するかすべてのページを再送信するかの指示を行うだけの動作に限定してもよい。このように、チェック枠の数や種類は任意に設定できる。
【0034】次に、図4のフローチャートを参照して本実施例の動作を詳述する。ここでは、チェック枠としてチェック枠23,26のみが設けられている場合について説明する。なお、図4に示した動作の前段階として、読取装置1にセットされた原稿またはモニタレポートが読取られて記憶領域に蓄積されているものとする。
【0035】図4において、ステップS1では、すでに蓄積されている画情報を予定量だけCPU8のワークエリアに読み出す。読み出す画情報の量は、位置合わせマーク21、バーコード22、マイクロバーコード27の解析ができるだけの範囲の画情報量であればよい。
【0036】ステップS2では、バーコード22の有無によって、記憶領域から読み出された画情報が送信原稿の画情報か、コントロールシートとしてのモニタレポートかの判断がなされる。バーコード22の有無の判断は、前記位置合わせマーク21を基準とする予定位置(予定範囲の領域)のイメージデータを、ROMに予め記憶してあるバーコードデータと照合することによって行う。したがって、このバーコード22の検出に先だって位置合わせマーク21の検出も同様にして行われる。
【0037】位置合わせマーク21やバーコード22が検出されなければ、読取られた原稿はコントロールシートでなく、通常の送信原稿であると判断され、ステップS15に進む。ステップS15では、別に入力されるダイヤル数字によって発呼動作を行い、通常の画情報送信動作が行われる。
【0038】一方、ステップS2の判断が肯定の場合は、ステップS3に進み、前記位置合わせマーク21の読取り結果に従ってスキュー(斜め送り)補正と画像歪み補正が行われる。
【0039】ステップS4では、マイクロバーコード27を読取り、その情報からROM6を検索し、チェック枠23,26の位置情報を読出す。そして、この位置情報に基づいてチェック枠23,26を検出する。
【0040】ステップS5では、チェック枠23内にマークが記入されているか否かを判断する。マークが記入されていなければ、ステップS5の判断は否定となって処理を終了する。なお、ステップS5の判断が否定の場合に操作パネル2でエラー表示する処理(ステップS14)を行ってもよい。
【0041】ステップS5の判断が肯定の場合、つまりチェック枠23内にマークが記入されている場合にはステップS6に進む。ステップS6では、先の通信の際に記憶しておいた再送信の相手先電話番号(ダイヤル数字)を読出し、そのダイヤル数字に従って発呼を行う。回線が接続されてステップS7の判断が肯定となれば、ステップS8に進む。
【0042】ステップS8では、チェック枠26内にマークが記入されているか否かを判断する。マークが記入されていれば、最初のページだけを再送信すると判断し、ステップS9に進み、画情報記憶手段に記憶されている該当文書第1ページの画情報を読出す。ステップS10では読出した画情報を送信する。
【0043】一方、チェック枠26内にマークが記入されていなければ、全ページを再送信すると判断し、ステップS11に進み、予定の記憶領域に記憶されている該当文書の第1ページの画情報を読出す。ステップS12では読出した画情報を送信する。
【0044】ステップS13では、送信する原稿がまだ有るか否かを判断し、このステップS13の判断が否定となるまで、ステップS11,S12の処理を続ける。なお、ステップS13の判断が肯定の場合には、次ページの画情報を読出すため、ページを示すカウンタをインクリメントしてステップS11に進むのはいうまでもない。」
(5)「【0074】図3のモニタレポートに示した管理情報の削除指示については詳しく説明しなかったが、このチェック枠25内についても、他のチェック枠と同様にマーク有無を検出するようにし、その結果に従ってコントロールデータ記憶部12や画情報記憶部16にアクセスして所定の情報を削除するように構成すればよい。」

これら記載事項及び図3によると、引用刊行物には、
「読取手段で読取られた原稿の画情報を記憶する画情報記憶手段と、
文書の送信結果情報を記憶する送信結果記憶手段と、
再送信指示情報および前記送信結果情報を示すバーコード、ならびに送信文書の内容を示す情報が含まれたモニタレポートを作成するモニタレポート作成手段と、
前記モニタレポートを識別する画情報識別手段と、
前記画情報識別手段で前記再送信指示情報が検出されてモニタレポートが識別されたときには、前記画情報記憶手段に記憶されている再送信文書の画情報を、前記送信結果情報が示す情報に従って送信するように構成された送信手段とを具備したことを特徴とする文書送信装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

3.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の文書送信装置は原稿の画情報を送信するように構成されていることから「画像通信装置」である。
引用刊行物の図3中に「送信結果 送信できませんでした。」とあることから、このモニタレポートは、「通信手段を介して接続された相手先画像通信装置に画像データを送信している途中で通信エラーが発生した場合」に作成されるものであり、本願発明の「通信に関する通信結果レポート」に相当する。また作成は具体的にはプリンタによって印字されて出力される(2.(4)段落0032参照)ので、このプリンタは本願発明の「画像出力手段」に相当する。
そして、モニタレポートは読取装置に読み取らせる(2.(4)段落0032参照)ので、この読取装置は本願発明の「画像入力手段」に相当する。
引用発明は、具体的に、「モニタレポートに対応する記憶領域には、送信文書の画情報や、再送信相手先電話番号およびに送信モードなどの送信結果情報が記憶されて」おり(2.(3)段落0026参照)、この「再送信相手先電話番号」は本願発明の「通信に関する情報」に相当し、「モニタレポートに対応する記憶領域」は本願発明の「ジョブ管理テーブル」に相当する。さらに、引用発明においては「管理情報削除指示チェック枠25はRAM7に記憶されている再送信のための管理情報や送信文書の一部を、送信動作後に削除するためのチェック領域である。」(2.(3)段落0025参照)とあることから、前記「再送信相手先電話番号」等の「管理情報」は、削除されるまでは前記「記憶領域」に残っているのであり、このために「マイクロバーコード27には、ROM6やRAM7のうち該モニタレポートに対応する記憶領域にアクセスするための識別情報が含まれている。」(2.(3)段落0026参照)のであり、この識別情報は複数あり得る前記「再送信相手先電話番号」を識別する機能を有するから本願発明の「通信毎に固有のジョブID」に相当する。そして、この「マイクロバーコード」は本願発明の「上記ジョブIDに対応するマーク」に相当する。
してみると、本願発明と引用発明は、
「通信手段を介して接続された相手先画像通信装置に画像データを送信している途中で通信エラーが発生した場合、当該通信に関する通信結果レポートを画像出力手段より出力し、画像入力手段より通信結果レポートが入力されたときに該通信結果レポートに基づいて上記画像データの再送信を開始する画像通信装置において、
通信毎に固有のジョブIDと関連付けて上記通信に関する情報を格納するジョブ管理テーブルと、
上記ジョブIDに対応するマークを記載した通信結果レポートを出力する上記画像出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像通信装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
(相違点)本願発明が「上記画像入力手段より通信結果レポートが入力されたのち再送信が開始される前に、当該通信結果レポートに記載された上記マークに対応する通信に関する情報を表示するとともに、当該表示した通信に関する情報の変更を指示入力できる操作手段」を備えるのに対し、引用発明はこのような操作手段を備えない点。

4.判断
上記(相違点)について検討する。
引用発明は画像通信装置における通信エラーの場合のものであるが、このような送信不成功の原因の多くは宛て先の入力ミスにあることが知られている(必要ならば、特開平7-162660号公報の段落0006参照)から、引用発明において再送信をする際に宛て先の入力ミスを修正することは当業者が容易に考え得ることである。
そして、宛て先を修正するために宛て先を表示するとともに、宛て先の変更を指示入力できる操作手段は、周知である(必要ならば、前記公報の段落0026参照)から、通信エラーに対応するものである引用発明に通信エラーを防ぐために前記周知技術を組み合わせることは、当業者が容易になし得ることである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-06-21 
結審通知日 2005-06-21 
審決日 2005-07-04 
出願番号 特願平11-3891
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀井 啓明  
特許庁審判長 田口 英雄
特許庁審判官 深沢 正志
大野 弘
発明の名称 画像通信装置  
代理人 福井 豊明  

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