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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1120973
審判番号 不服2000-13197  
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-05-13 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-08-21 
確定日 2005-08-10 
事件の表示 平成 7年特許願第293432号「テレビゲームシステムとそのゲームコントロールユニットのキープログラミング方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 5月13日出願公開、特開平 9-122355〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成7年10月17日の出願であって、平成9年6月4日付で拒絶理由通知がなされ、同年12月17日付で手続補正がなされ、平成12年4月21日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月21日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。

2.補正の適否
平成12年8月21日付けの手続補正を認める。
[理由]
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を以下の通り補正することを含むものである。
平成9年12月17日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「連接用の電線」を「 連接用のコード」と改め、同じく「キープログラミングプロセス中止のプロセスをテレビスクリーンに表示し、」を「キープログラミングプロセスの表示を中止し、」とテレビスクリーンに表示されているキープログラミングプロセスの中止を明らかにし、同じく「一つのコントロールキーに対して、ゲームコントロールユニット中の複数の他のコントロールキーが形成するキー押圧順序により、その機能を定義し、」を「ゲームコントロールユニット中の複数の他のコントロールキーが形成するキー押圧順序により、一つのコントロールキーに対してその機能を定義し、」と一つのコントロールキーの機能をキープログラミングプロセスにおけるキー押圧順序により定義するようにすることで明らかにし、同じく「ビデオ信号をテレビスクリーンに出力して表示するようにしてあり、」を「ビデオ信号をテレビスクリーンに出力して表示し、」と表示を明らかにしている。これらの記載は、明りょうでない記載を釈明するものと認められるから、特許法第17条の2第4項第4号の規定「明りょうでない記載の釈明」に該当する補正と認められる。

3.本願発明
したがって、本件出願の請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)は、平成12年8月21日付けの手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された下記のとおりのものと認める。
「一つのテレビスクリーン、ゲームソフトを格納した一つのゲームソフトカートリッジ、プログラミングキーと複数のコントロールキーを含む一つのゲームコントロールユニット、及び、ゲーム機本体を包括するテレビゲームシステムにおいて、上記ゲーム機本体が、テレビスクリーンとの連接用のコードと、ゲームソフトカートリッジを出し入れ自在に挿入できるスロットと、一つのメモリユニットと、プログラムを執行するための一つのCPUと、該ゲーム機本体の運転をコントロールするためのシステムソフト、以上を包括し、該システムソフトは、キープログラミングプロセスをテレビスクリーンに表示するための表示ソフトを包括し、該表示ソフトは、上記プログラミングキーが押された後に再度該プログラミングキーが押された後に、キープログラミングプロセスの表示を(表示を)中止し、このキープログラミングプロセスにおいては、ゲームコントロールユニット中の複数の他のコントロールキーが形成するキー押圧順序により、一つのコントロールキーに対してその機能を定義し、上記ゲームソフトカートリッジ中のゲームソフトがCPUにより執行され、且つゲーム機本体がゲームコントロールユニットから送られた入力信号を受信してテレビゲームの進行を制御すると共に、ビデオ信号をテレビスクリーンに出力して表示し、以上の構成からなるテレビゲームシステム。」
なお、上記「(表示を)」は、重複しており、誤記と認め、以後、削除する。

4.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-225975号公報(以下、引用例1という。)には、図面とともに、
「ゲーム操作を指示する複数の操作キーを・・・有し、この操作キーからの操作情報をゲーム機本体に出力してゲーム進行を行わすゲーム機のコントローラにおいて、登録指示スイッチと、記憶手段と、上記登録指示スイッチの押下に続いて押下された上記複数の操作キーの操作情報を押下順に上記記憶手段に記憶して登録させる登録制御手段と、上記操作面上に配され、登録内容の読み出しを指示する読出指示キーと、上記読出指示キーが操作されたとき上記登録された操作キーの押下順に操作情報を読み出して上記ゲーム機本体に出力する読出制御手段とを備えたことを特徴とするゲーム機のコントローラ。」(特許請求の範囲、【請求項1】)、
「本発明は、主にテレビゲーム機の本体に接続され、複数の操作キーを備えたコントローラに関する。」(段落【0001】)、
「本発明は、コントローラに内蔵され、該コントローラ上に登録、読出の専用キーを設けて、登録情報の読出操作を容易にしてゲーム操作にも支障なく、複雑なキー操作や高速キー操作を可能とするゲーム機のコントローラを提供することを目的とするものである。
」(段落【0005】)、
「本発明によれば、登録指示スイッチが押下されて登録モードに移行し、この押下に続いて・・・、順次所要の操作キーが押下されると、登録制御手段は、・・・操作キーの操作情報を操作順に記憶手段に記憶して登録させる。一方、ゲーム進行中に、・・・読出指示キーが押下されると、上記登録された操作キーの押下順に操作情報が読み出されて、ゲーム機本体に出力され、この読み出された操作キーの順序に従ってゲーム展開が実行される。」(段落【0014】)、
「読み出される操作情報は所定速度で行われる。この速度は遊戯者が逐次操作キーを押下し得る速さ以上に設定しておいてもよい。」(段落【0015】)、
「ブランク信号の有無を確認し、有りのときは操作情報が所定速度で行われる。無しのときは他の任意の方法により読み出される。」(段落【0016】)、
「登録中はその旨が報知されるので、通常のゲーム操作との識別が容易となる。」、(段落【0021】)、
「図2は、・・・外観構成を示す図である。1はゲーム展開を指示するコントローラ、2は信号ラインや電源ライン等を含むケーブルで、3は該コントローラ1をゲーム機本体4(図1参照)に接続するためのコネクタである。なお、本ゲーム機は、図1に示すようにゲーム表示部としてモニター5を有し、このモニター5にゲーム画面が表示される。なお、ゲーム表示部は液晶、その他の部材で構成されたものでもよい。」(段落【0022】)、
「図2において、コントローラ1は・・・複数の操作キーが・・・配設されている。」(段落【0023】)、
「読出指示キー111〜113が、・・・読出指示キー121,122が・・・配設されている。これらの読出指示キーには、それぞれ・・・キー操作情報の登録が可能なようになっている。」(段落【0024】)、
「プログラムモードによる登録を指示する登録指示スイッチ110・・・及びリアルタイムモードによる登録を指示する登録指示スイッチ120・・がそれぞれ・・・配設されている。」(段落【0025】)、
「上記読出指示キー111〜112、121,122は当該キーの押下操作中、登録されたキー操作情報の読み出しを繰り返し指示(リピート機能)するもので、読出指示キー113は一旦押下された後、スタートキー102、ブランクキー130、または他の読出指示キーが押下されるまで登録されたキー操作情報の読み出しを繰り返し指示(リピート機能+ホールド機能)するものである。そして、読み出された操作情報はケーブル2及びコネクタ3を介してゲーム機本体4に出力され、ここで通常の操作キーと同様に操作キー103〜107の操作情報として処理され、これによりゲーム展開が進められる。」(段落【0026】)、
「図1は、本発明に係るゲーム機のコントローラの内部ブロックを示す図で、コントローラ1内には、各種データの入出力及び後述の登録やその読出のための処理を行うマイコン11、各種スイッチ、キーの操作信号を出力するSW/KEY部(以下、操作信号発生手段という)12、操作信号をゲーム機本体4へ出力したり、マイコン11側に導いたり通路切換を行うゲートアレイ13及びマイコン11からの情報を必要に応じて記憶するRAM14を備えると共に、・・・登録処理やその読出プログラムを記憶するROM等の内部メモリを備えている。上記マイコン11はタイマを内蔵し、あるいはゲーム機本体4に予め内蔵されているタイマを利用し、・・・計時を行えるようにしている。すなわち、マイコン11は、・・・操作キーの押下状態を監視するようにしている。」(段落【0027】)、
「上記マイコン11、ゲートアレイ13及びRAM14はコネクタ3及びケーブル2内の電源ラインを介して電源供給されており、また、RAM14のバックアップ用として大容量コンデンサが用いられている。なお、このRAM14は必要に応じてコントローラ1に対して外付けするようにしてもよい。」(段落【0028】)、
「プログラムモードによる登録を指示する登録指示スイッチ110が押下(操作信号発生手段12からオン信号が出力)されると、・・・、先ず、LED110aが点灯する(ステップS2)。次いで、・・・読出指示キーがオンされたかどうかが判別される(ステップS4)。すなわち、・・・希望するキーとして読出指示キー111が・・・オンされると(ステップS4でYES)、LED110aが点灯から点滅に移行する(ステップS6)。」(段落【0031】)、
「この状態で、希望するキー操作の一連の入力作業が開始可能となる。・・・一連のキー操作(操作情報)をキー操作毎に登録する(ステップS8,10)場合について説明する。」(段落【0032】)、
「先ず、操作キー103の上スイッチがオンされて、その旨がRAM14に記憶され、登録される。次いで、登録指示スイッチ110がオンされたかどうかが判別され(ステップS12)、オンでなければステップS8に戻って、操作キーの1つであるブランクキー130がオンされ、同様に登録される。次いで、登録指示スイッチ110がオンされたかどうかが判別され(ステップS12)、オンでなければステップS8に戻って、操作キー103の上スイッチがオンされ、この内容が更に登録される。かかる操作を順次繰り返し、最後にブランクキー130がオンされてこの内容が登録される。そして、登録指示スイッチ110がオンされると(ステップS12でYES)、LED110aが消灯され(ステップS14)、登録処理が終了したことを報知する。」(段落【0033】)、
「ゲーム進行中、この読出指示キー111がオンされると、上記操作情報・・・が所定の速度、・・・で繰り返し読み出され、ゲーム機本体4に出力される。この所定速度は遊戯者の操作速度の限界以上に、あるいは通常の速度に設定されているもので、また、不図示の変更スイッチ等を設けておいて、適宜読出速度を所望の速度に可変しえるようにしてもよい。」(段落【0034】)、
「なお、・・・操作情報の登録が行われたときは、ゲーム進行中、当該キーがオンされたときは、そのオン期間中、上記操作情報が所定速度で繰り返し連続して読み出される。また、読出指示キー113に対して操作情報の登録が行われたときは、ゲーム進行中、このキーがオンされたときは、スタートキー102、ブランクキー130、または他の読出指示キーのいずれかがオンされるまで、上記操作信号が繰り返し読み出される。また、別の読出方法として、所定の読出指示キーがオンされたときに、登録された操作情報を所定の複数回連続して読み出すようにすることも可能である。」(段落【0035】)、
「操作情報「上,上,下,下,左,右,左,右,A,B」の一連のキー操作を登録する場合・・・、リアルタイムモードでは、・・・、タイマを利用して・・・操作キーのオンまたオフの状態がそのまま読み込まれて登録されるようになっている。」(段落【0037】)、
「すなわち、先ず、タイマから1/60秒毎にキー状態読み取り指示信号が入力され(ステップS28)、これに伴ってその時の操作キーの状態、すなわち、ここでは操作キー103の上スイッチのオンが読み込まれ(ステップS30)、次いで、登録指示スイッチ110がオンされたかどうかが判別され(ステップS32)、オンでなければステップS34に移行して、その旨がRAM14に登録されてステップS28に戻る。続いて、次の1/60秒後に、操作キーの状態が読み込まれ、同様に登録処理される。このようにして、操作キー103の上スイッチの状態がオン、オフに関わらず、そのまま1/60秒単位で順次登録される。かかる操作が繰り返され、最後に操作キー105のボタンBがオンされると、この旨が登録され、次いで、登録指示スイッチ110がオンされて(ステップS32でYES)、LED110aが消灯され(ステップS36)、登録処理が終了したことを報知する。」(段落【0038】)、
「ゲーム信号中、この読出指示キー111がオンされると、上記操作情報・・・が各キー操作と同一タイミングで繰り返し読み出され、ゲーム機本体4に出力される。これにより、ゲーム展開がある状態になったときに、この読出指示キー111を押下することで、登録時と全く同一のタイミングで順次キー操作が実現され、例えば微妙なキー操作タイミングが再現され、ゲーム展開を遊戯者に有利に進めることができる。」(段落【0039】)、
「また、本実施例におけるキー操作の登録処理は、ゲーム進行中以外の間に行われるが、例えばリアルタイムモードでの登録処理は・・・、ゲーム進行中におけるキー操作をそのまま登録させることも可能となる。また、登録キー操作の数は、・・・、少なくとも1以上であればよい。また、例えばプログラムモードでの登録は8秒までとし、リアルタイムモードでの登録は最大30秒までというように登録に要する時間に規制を設けてもよい。なお、上記「上」の登録とは、操作キー103の上スイッチを所望時間だけオンさせる場合等に有利で(あ)る。」(段落【0041】)、
「リアルタイムモードでの登録処理は、・・・、登録の際の操作キーのオン時間と次の操作キーのオンまでの時間とをその都度タイマをリセットスタートさせることで、逐次、計時し、この時間と操作キーの内容とを関連付けて登録するようにしてもよい。」(段落【0042】)、
「本発明は、複数の操作キーの操作情報を押下順に上記記憶手段に記憶して登録させ、操作面上に配された読出指示キーが操作されたとき上記登録された操作キーの押下順に操作情報を読み出して上記ゲーム機本体に出力するようにしたので、複雑な一連のキー操作、繰り返し操作される可能性のある一連のキー操作、また通常の操作速度以上での一連のキー操作等の登録及びその読出操作を容易にしてゲーム操作にも支障なく、複雑なキー操作や高速キー操作を可能とする。」(段落【0043】)
「ゲーム機本体4が、モニター5と連結部で繋がっており、また、テレビゲーム機において、モニター5にゲーム画面を表示させるためにビデオ信号を出力することは常套手段である。」(第1図)
との記載が認められ、また、ゲーム機のゲーム機本体には、ゲーム操作を指示する複数の操作キーからの操作情報に基づいてゲーム進行を行わすゲーム進行手段が存在するものと認められ、また、登録指示スイッチ110は、オンによる一連のキー操作(操作情報)の登録中に、通常のゲーム操作との識別をするため、LEDを点灯し「登録中」を確認している。つまり、コントロールキー操作の一連の入力作業におけるキー操作情報の登録・確認手段としての機能を持っていると認められる。
これらの記載によれば、引用例1には、

「一つのモニター5、登録指示スイッチと複数の操作キーを含む一つのコントローラ1、及び、ゲーム機本体4を包括するテレビゲーム機において、上記ゲーム機本体4が、モニター5との連結部と、ゲーム進行手段、以上を包括し、コントロールキー操作の一連の入力作業におけるキー操作情報の登録・確認手段、該コントローラ1は、プログラムモードのキー操作の一連の入力作業をLEDに点灯するための報知手段を包括し、該報知手段は、上記登録指示スイッチが押された後に再度該登録指示スイッチが押された後に、プログラムモードのキー操作の一連の入力作業の報知を終了し、このプログラムモードのキー操作の一連の入力作業においては、コントローラ1中の複数の他の操作キーが形成するキー押圧順序により、一つの読出指示キーに対してその機能を定義し、上記ゲーム進行手段によりゲームが展開され、且つゲーム機本体4がコントローラ1から送られた入力信号を受信してテレビゲームの進行を制御すると共に、ビデオ信号をモニター5に出力して表示し、以上の構成からなるテレビゲーム機。」
との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。

5.対比
そこで、本願発明と引用例1発明とを比較すると、引用例1発明の「モニター5」、「登録指示スイッチ」、「操作キー」、「コントローラ1」、「ゲーム機本体4」、「テレビゲーム機」、「連結部」、「プログラムモードのキー操作の一連の入力作業」および「読出指示キーに対してその機能を定義」は、本願発明の「テレビスクリーン」、「プログラミングキー」、「コントロールキー」、「ゲームコントロールユニット」、「ゲーム機本体」、「テレビゲームシステム」、「連接用のコード」、「キープログラミングプロセス」および「一つのコントロールキーに対してその機能を定義」に相当し、また、本願発明における「一つのメモリユニットと、プログラムを執行するための一つのCPUと、ゲーム機本体の運転をコントロールするためのシステムソフト」は、ゲームを行うのに必要な構成要素であり、引用例1発明のゲーム進行手段に相当し、また、本願発明における「キープログラミングプロセスをテレビスクリーンに表示するための表示ソフト」は、キープログラミングプロセスの登録を目で確認するために必要とするものであり、引用例1発明のキー操作情報の登録・確認手段に相当するから、両者は、
「一つのテレビスクリーン、プログラミングキーと複数のコントロールキーを含む一つのゲームコントロールユニット、及び、ゲーム機本体を包括するテレビゲームシステムにおいて、上記ゲーム機本体が、テレビスクリーンとの連接用のコードと、ゲーム進行手段、以上を包括し、コントロールキー操作の一連の入力作業におけるキー操作情報の登録・確認手段、キープログラミングプロセスにおいては、ゲームコントロールユニット中の複数の他のコントロールキーが形成するキー押圧順序により、一つのコントロールキーに対してその機能を定義し、上記ゲーム進行手段によりゲームが展開され、且つゲーム機本体がゲームコントロールユニットから送られた入力信号を受信してテレビゲームの進行を制御すると共に、ビデオ信号をテレビスクリーンに出力して表示し、以上の構成からなるテレビゲームシステム。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:ゲーム機の構成要素に関連して、本願発明では、「ゲームソフトを格納した一つのゲームソフトカートリッジ」を用い、また、ゲーム機本体には、「ゲームソフトカートリッジを出し入れ自在に挿入できるスロットと、一つのメモリユニットと、プログラムを執行するための一つのCPUと、該ゲーム機本体の運転をコントロールするためのシステムソフト、」を包括し、また、ゲームソフトを利用するにあたり、「ゲームソフトカートリッジ中のゲームソフトがCPUにより執行され」るようにしているのに対し、引用例1発明には、テレビゲーム機およびゲーム進行の具体的構成が示されていない点。

相違点2:一連のキー操作情報の登録・確認機能において、本願発明では、「システムソフトは、キープログラミングプロセスをテレビスクリーンに表示するための表示ソフトを包括し、該表示ソフトは、上記プログラミングキーが押された後に再度該プログラミングキーが押された後に、キープログラミングプロセスの表示を中止し」ているのに対し、引用例1発明は、コントローラ1に、プログラムモードのキー操作の一連の入力作業をLEDに点灯するための報知手段を設け、該報知手段は、上記登録指示スイッチが押された後に再度該登録指示スイッチが押された後に、プログラムモードのキー操作の一連の入力作業の報知を終了するようにしており、テレビスクリーンに表示するように記載されていない点。

6.判断
上記相違点について検討する。
相違点1について、一般的に、ゲームプログラムを格納したカセットを用いたテレビゲーム装置で、ゲーム機本体に、ゲームプログラムを有するカセットを出し入れする装着部と、メモリと、ゲームプログラムを執行するためのCPUと、ゲーム機本体の運転をコントロールするためのROM、を構成要素とすること、および、ゲームプログラムを利用するにあたり、カセット中のゲームプログラムをCPUにより実行することは周知であり(例えば、下記(A)参照。)、引用例1発明のテレビゲーム機に上記周知技術を付加して本願発明のように構成することは、当業者が容易にできる設計事項である。
相違点2について、引用例1発明は、キープログラミングプロセスをコントローラ内に設けたRAM14に登録し、コントローラ上のLEDの点灯で「登録中」を確認している。しかし、リモコン装置のキー操作を伴う電子機器において、或るキーに複合機能を持たせるために一連のキー操作の情報をテレビ画面で確認しながら登録することが従来周知であり(例えば、下記(B)参照。)、前記引用例1発明のようにプログラムモードのキー操作の一連の入力作業をLEDの点灯で確認している構成に代えて、本願発明のように、表示ソフトを付加してキープログラミングプロセスをテレビスクリーンに表示することは、その適用に当たり、特に困難性も認められず、当業者が必要に応じて容易に想到できたものである。また、テレビスクリーンにキー操作情報を表示するため、ゲーム機本体にあるシステムソフトに表示ソフトを包括するようにすることは、システム設計の観点から当業者が適宜なし得ることである。

そして、本願発明が奏する効果は、引用例1発明および周知技術から当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。

(A)カートリッジタイプのテレビゲーム機の周知例
(a)特開平3-275092号公報には、「1はゲーム装置本体であり、ROMカード2に記憶されたゲームプログラムにしたがって処理を行う。」(第2頁左欄上段第15〜17行)、「7はCPU・・・であり、装置各部の制御を行う。8はROM・・・であり、CPU7を制御するためのプログラムが記憶されている。9はRAM・・・であり、各種データを記憶する。」(第2頁右欄上段第13〜18行)、「ROMカード2がゲーム装置本体1に装着されている」(第2頁左欄下段第17〜18行)、「CPU7はROMカード2の・・・ゲームプログラムとキャラクタデータを順次読出し、RAM9・・・に書込む。・・・ゲームプログラムにしたがって処理を行う。」(第2頁右欄下段第4〜9行)と記載されている。すなわちゲーム装置本体1には、ゲームプログラムを格納したROMカード2が装着され、各種データを記憶するRAM9と、CPU7を制御するためのプログラムが記憶されているROM8があり、CPU7がゲームプログラムにしたがって処理を行っている。
(b)特開平7-100267号公報には、「ゲームプログラムを記憶する第一のメモリ(1)と、・・・、該第一のメモリ(1)に記憶されるゲームプログラムに基づきゲームを実行し、且つ・・・、ゲーム画面のスプライトの動きの制御値を変更するCPU(3)と、・・・各々のキーに対する定義を記憶する第二のメモリ(4)と」(【特許請求の範囲】、【請求項1】)、「図1において、1は、固定記憶メモリ(ROM)であり、ゲームプログラムを記憶する。一般にゲーム装置本体外からROMカセット・・・形式で接続される。」(段落【0017】)、「3は、CPUであり、ROM1から読み込まれるゲームプログラムを同様に本体内のROM10に記憶されるOSの制御の下に実行する。4は、書込読出メモリ(RAM)であり、ゲーム中のデータを記憶する。」(段落【0019】)、「入力装置2のキーボタンの定義は、ROM1に記憶されているゲームプログラムの中に存在し、ゲームスタート時にCPU3の制御の下に読出し、RAM4に転送記憶される。あるいは、ゲームのプレーヤがゲーム開始に当たって、入力装置2からディスプレー7の表示にしたがって入力し、RAM4に書込記憶するようにゲーム装置のシステムを設計することも可能である。」(段落【0027】)と記載されている。すなわち、ゲーム装置本体には、ゲームプログラムを記憶する第一のメモリ(1)を有するカセットが接続され、各々のキーに対する定義を記憶する第二のメモリ(4)と、ゲームプログラムに基づきゲームを実行するCPU(3)と、OSが記憶されるROM10を有し、CPU(3)は、ゲームプログラムを実行する。

(B)一連のキー操作情報の登録・確認機能に関する周知例
(a)特開平4-178098号公報には、「モニタ・テレビジョン装置は・・・オーディオ/ビジュアル機器に対するコマンド信号に関連付けたいモニタ・テレビジョン装置の動作内容を予めモニタ・テレビジョン装置に学習させて登録しておき、その後・・・登録済の・・・信号を検出したときには、・・・動作内容が自動的に実行される」(第2頁右欄上段第5〜12行)、「14はマイクロコンピュータであり、MON/TV装置1に対する動作コマンド信号や学習モード時において登録された動作内容に応じて各種の動作制御を行なう動作制御手段15を備えている。」(第4頁左欄上段第20行〜同頁右欄上段第3行)、「学習内容を対話式に入力して登録することができるようにした処理例・・・。・・・リモートコマンダ5の学習釦を押して学習モードを形成すると、例えば・・・文字表示が画面上になされ・・・学習モードが設定されたことが知らされる。・・・所望のAV機器に関するリモートコマンダの操作によりコマンド信号が発せられ、・・・コマンド信号検出手段16によって検出され、・・・操作内容が識別される。例えばVTR(1)の「PLAY」釦の操作がなされたときには・・・どのような処理を行なうかをユーザーに促すための表示がなされる。・・・即ち、コマンド信号に関連付けたい動作内容について、その操作を行なう。・・・例えば、VTR(1)のリモートコマンダ7の「PLAY」釦を押したときに・・・MON/TV装置1の電源釦を押圧する。・・・VTR(1)の「PLAY」釦を押したときに電源をオンする旨の画面表示がなされる。・・・さらに関連付けたい動作があるか・・・が問われ、ない場合には次・・・に進み、ある場合にはステップc)に戻る。・・・学習させたい動作があるか否かが画面表示されるので、動作内容として2チャンネルの選局を行ないたいときにはそのチャンネル釦を押圧する。・・・。学習させたい動作が全て終了すると、・・・学習した内容(つまり、VTR(1)の「PLAY」釦を押したときに電源のオン及び2チャンネルの選局を行なうこと)が画面上に表示される。・・・選ばれたコマンド信号と・・・操作された動作内容とを対応させてメモリ20に記憶する。・・・学習釦を再び押圧することにより学習モードが解除され、その旨が画面に表示される。」(第5頁左欄下段第20行〜第6頁左欄下段第9行)と記載されている。つまり、リモートコマンダのキー操作によるモニタ・テレビジョン装置において、VTR(1)の「PLAY」釦に関連付けた動作を持たせるためにMON/TV装置1の電源釦の押圧、チャンネル釦の押圧を画面で確認しながら登録する。

(b)特開平6-225234号公報には、「所定の画像・・・を表示する表示手段と、1つの複合化機能としてまとめられる複数の機能を、複合化機能毎に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記複合化機能に含まれる複数の機能を前記表示手段に表示させる処理手段とを備えることを特徴とする電子機器。」(【特許請求の範囲】、【請求項1】)、「所定の機能を入力または選択する入力手段と、所定の画像・・・を表示する表示手段と、実行可能な複数の機能を、前記表示手段に表示し、前記表示した複数の機能のうち前記入力手段によって選択された複数の機能を、1つの複合化機能として前記表示手段に表示させる処理手段とを備えることを特徴とする電子機器。」(【特許請求の範囲】、【請求項2】)、「所定の画像または各機器の接続状況若しくは動作状況を表示する表示手段と、所定の機能の選択、またはソース側若しくはデスティネーション側の機器の選択を行う選択手段と、前記選択手段により選択された機能を、前記選択手段により選択された機器に対して実行する処理手段とを備えることを特徴とする電子機器。」(【特許請求の範囲】、【請求項4】)、「本発明の第1の電子機器は、所定の画像・・・を表示する表示手段(例えば、図1のCRT10)と、1つの複合化機能としてまとめられた複数の機能を、複合化機能毎に記憶する記憶手段(例えば、図1の不揮発性メモリ(NVRAM6C))と、この記憶手段に記憶された複合化機能に含まれる複数の機能を表示手段に表示させる処理手段(例えば、図1のCPU5)とを備えることを特徴とする。」(段落【0010】)、「本発明の第2の電子機器は、所定の機能を入力または選択する入力手段(例えば、図1のリモコン2・・・)と、所定の画像・・・を表示する表示手段(例えば、図1のCRT10)と、実行可能な複数の機能を、表示手段に表示し、表示した複数の機能のうち入力手段によって選択された複数の機能を、1つの複合化機能として表示手段に表示させる処理手段(例えば、図1のCPU5)とを備えることを特徴とする。」(段落【0011】)、「本発明の第4の電子機器は、所定の画像または各機器の接続状況若しくは動作状況を表示する表示手段(例えば、図1のCRT10)と、所定の機能またはソース側若しくはデスティネーション側の機器の選択を行う選択手段(例えば、図1のリモコン2・・・)と、前記選択手段により選択された機能を、前記選択手段により選択された機器に対して実行する処理手段(例えば、図1のCPU5)とを備えることを特徴とする。」(段落【0013】)、「リモコン2は、テレビジョン受像機1の電源をオン/オフする電源スイッチ、・・・チャンネルボタン、・・・AV機器への接続命令を出す接続命令スイッチ、記録/再生選択スイッチ、・・・制御スイッチ、・・・複合化機能の一覧をCRT10に表示させる複合化機能表示スイッチ、・・・カーソル制御スイッチ、複合化機能F1,F2,F3,F4・・のそれぞれのタイトル文字を入力するための文字入力スイッチ、CRT10の下欄に表示される複数の機能(図2参照)から複合化機能F1,F2,F3,F4・・のそれぞれに含めるべき機能を選択する機能選択スイッチ、図2のように表示された複数の複合化機能の中から複合化機能を選択する複合化機能選択スイッチ、複合化機能設定終了を指示する設定終了スイッチ、ならびに複合化機能実行を指示する実行スイッチと、ランプ表示付きスイッチ、ダビングスイッチ、中断スイッチ、確定スイッチを有し、操作されたスイッチ(ボタン)に対応する光を、内蔵する発光素子より発光する。」(段落【0019】)、「CPU5は、リモコン2・・・が操作されたときに、ボリューム(図示せず)、チューナ7、スイッチボックス8、制御部9、およびメッセージ表示回路12を制御する。ROM6Aは、CPU5が動作する上において必要なプログラムおよびデータを記憶している。RAM6Bは、CPU5の処理の結果得られたデータ等を記憶する。NVRAM(不揮発性メモリ)6Cは、電源オフ後も記憶しておく必要のあるデータ等を記憶する。」(段落【0021】)、「メッセージ表示回路12は、リモコン2・・・の複合化機能表示スイッチが操作されたときに、CPU5によって制御され、図2に示されているように、複合化機能F1,F2,F3,F4・・・として設定可能な機能(すなわち、図2の機能A,機能B,機能C,・・・)をCRT10の下欄に表示し、複合化機能F1,F2,F3,F4・・・として設定された複数の機能およびそのタイトルをCRT10の上欄に表示する。」(段落【0027】)、「メッセージ表示回路12は、図3に示されているようにNVRAM6Cに記憶されている各複合化機能についてのタイトルデータおよび機能データをCRT10に表示する。例えば、メッセージ表示回路12は、複合化機能F1については、タイトル1、ならびに機能A,機能Bおよび機能Cを、CRT10に表示する。」(段落【0028】)、「NVRAM6Cに記憶されている各複合化機能についてのタイトルデータは、リモコン2・・・のカーソル制御スイッチが操作されてCRT10に表示されているタイトルの特定位置にカーソルが位置決めされ、リモコン2・・・の文字入力スイッチが操作されると、カーソル位置に対応するデータが、入力された文字で書き換えられる。」(段落【0029】)、「NVRAM6Cに記憶されている各複合化機能についての機能データは、リモコン2・・・のカーソル制御スイッチが操作されてCRT10に表示されている特定位置の機能(例えば、図2の「機能A」)にカーソルが位置決めされ、リモコン2・・・の機能選択スイッチが操作されると、カーソル位置に対応する機能データ(例えば、図3の「機能Aデータ」)が、選択された機能データ(例えば、図2の「機能D」を示す機能データ)で書き換えられる。」(段落【0030】)、「メッセージ表示回路12は、CPU10の制御の下に、書き換え後のNVRAM6Cの複合化機能についての記憶内容を表示する。」(段落【0031】)、「図6は、図1の実施例における複合化機能設定動作の一例を示す。まず、ユーザは、リモコン2・・・の複合化機能表示スイッチを操作し、これにより、CPU5は、NVRAM6Cに記憶されている複合化機能の一覧(図2および図4参照)を、メッセージ表示回路12を介して、CRT10に表示する。」(段落【0034】)、「次に、ユーザは、リモコン2・・・の複合化機能選択スイッチを操作して設定すべき複合化機能(例えば、「F1」)を指定し(ステップS1)、リモコン2・・・のカーソル制御スイッチおよび機能選択スイッチを操作して、CRT10の下欄に表示された複数の機能(図2および図4参照)から、指定した複合化機能に含めるべき機能を選択する(ステップS2)。」(段落【0035】)、「そして、CPU5は、指定された複合化機能に対して選択された機能をNVRAM6Cに記憶する(ステップ3)。ステップS1において指定された複合化機能に対してさらに含めるべき機能があれば(ステップ4のNO)、上述のステップS2およびS3の処理が繰り返され、なければ、ユーザは、リモコン2・・・の設定終了スイッチを操作し、これにより複合化機能設定動作が終了する(ステップS4のYES)。」(段落【0036】)と記載されている。つまり、リモコン2のスイッチ操作を伴うテレビジョン受像機1において、複合化機能選択スイッチに指定された複合化機能を持たせるためにカーソル制御スイッチおよび機能選択スイッチの操作を繰り返し、複合化機能設定動作をCRT10で確認しながら設定する。

7.むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1に係る発明は、引用例1に記載された発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明できたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-11 
結審通知日 2005-03-15 
審決日 2005-03-29 
出願番号 特願平7-293432
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植野 孝郎  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 國分 直樹
林 晴男
発明の名称 テレビゲームシステムとそのゲームコントロールユニットのキープログラミング方法  
代理人 竹本 松司  
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