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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04L
管理番号 1120988
審判番号 不服2001-6490  
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-09-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-04-23 
確定日 2005-08-10 
事件の表示 平成10年特許願第290964号「ケーブル網を用いた電話通信サービスシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 9月17日出願公開、特開平11-252180〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成10年10月13日(パリ条約による優先権主張1997年12月29日、韓国)の出願であって、平成13年1月15日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月23日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

第2.本願発明
(1)本願発明について
本願の請求項1に係る発明は、平成11年12月14日付の手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める(以下、「本願発明」という。)。
「【請求項1】 ケーブル網で第1ケーブルホンと第2ケーブルホン間の電話通信サービスシステムにおいて、
第1ケーブルホンの電話番号に対応するIPアドレスを貯蔵するディレクトリと 、 第2ケーブルホンの電話番号入力に基づいて前記ディレクトリ部に貯蔵されたIPアドレスを読出し、前記読出されたIPアドレスからインターネットプロトコールを用いて接続音声セションを決定し、第1ケーブルホンとの通話路を設定するヘッドエンド部を備え、ケーブルバックボーン網上に連結された複数個のネットワークセグメント部と、
前記ケーブルバックボーン網を介して前記各ネットワークセグメント部相互間の通信経路を設定するための複数個のルータを含むことを特徴とするケーブル網を用いた電話通信サービスシステム。」

(2)引用例
原審の拒絶の理由に引用された、実用期に入るインターネット電話,日経コミュニケーション,第257号,1997年11月3日,p.98〜111(以下、「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。

ア.「大手総合商社の兼松。同社はこの6月から,インターネットを使った内線電話の利用を実験的に始めた(写真1-1)。普段使っている電話機同士の内線通話を,従来からの専用線ではなくインターネット経由に置き換える,いわば音声版のインターネットVPN(仮想自営網)である。
ねらいは明確だ。「通信コストの大幅な削減が見込めるインターネット中継電話の音質や使い勝手を,実際の利用環境で自ら確かめること」(構築・運用を担当した兼松コンピューターシステムの山本宇征常務)にある。
実験では,同社の東京と大阪,同社米国法人のニューヨークの3拠点間の通話の一部が,インターネットを経由するようにした(図1-1)。国内拠点はインターネットイニシアティブ(IIJ),ニューヨークは兼松米国法人と同じビルに入居する大手プロバイダの米PSIネットと専用線接続している。プロバイダとは,従来の接続契約のままで,音声を上乗せしたのである。
こうした利用を可能にするには,インターネットと社内電話網を結び,音声をIPパケット化するゲートウエイ製品が必要になる。同社の実験で使ったゲートウエイは,米ルーセント・テクノロジー製の「Internet Telephony Server」(写真1-2)である。普段使っているNEC製のPBXに接続し,実験に参加するモニター・ユーザーのトラフィックだけをインターネット経由で送るようにした。」(100頁左欄10行〜右欄11行)、

イ.「ゲートウエイ,基本設定は極めて単純
アクセス制限などの付加機能を使わなければ,ゲートウエイ製品の設定はいたって簡単だ。
ゲートウエイの基本設定は,電話番号とIPアドレスの対応アドレス表を作ることである(写真2-A)。電話機同士の通話では,発信側のユーザーが分かるのは相手の電話番号だけで,最寄りのゲートウエイの存在は意識することがない。そこで,インターネット中継電話のゲートウエイは,相手先の電話番号から最寄りのゲートウエイのIPアドレスを探し出す変換機能を搭載する必要がある。」(111頁下半分のコラム 左欄1行〜15行)。


前記記載事項で、インターネットにおいては、インターネットプロトコールが用いられ、通信経路を設定するためにルータが用いられることは、技術常識である。
また、PBXを用いた社内電話網に接続される電話機同士の内線電話をゲートウエイ及びインターネットを介して行うのだから、社内電話網及びインターネットを用いた電話通信サービスに関するものであり、ゲートウエイにおいて、インターネットプロトコールを用いてインターネットにおける接続音声セションを決定するものであるから、
前記記載事項、図面並びに技術常識からみて、引用例1には、
「社内電話網及びインターネットで第1電話機と第2電話機間の電話通信サービスシステムにおいて、
第1電話機の電話番号に対応するゲートウエイのIPアドレスが設定された対応アドレス表と、第2電話機の電話番号入力に基づいて前記対応アドレス表に設定されたIPアドレスを読出し、前記読出されたIPアドレスからインターネットプロトコールを用いて接続音声セションを決定し、第1電話機との通話路を設定するゲートウエイ及びPBXを備え、インターネット上に連結された複数個の社内電話網と、
前記インターネットを介して前記各社内電話網相互間の通信経路を設定するための複数個のルータを含む社内電話網及びインターネットを用いた電話通信サービスシステム。」の発明(以下、「引用例1に記載された発明」という。」が記載されている。


例えば、原審の拒絶の理由に引用された、K.Gudapati,et al.,”Local Telephone Service for Cable Subscribers Using Packet Switched Access,”ISS’97(International Switching Symposium),Sept.1997,No.2,p.325-329(以下、「周知例1」という。)には、次の事項の旨が記載されている。

ウ.「ヘッドエンドでは、ルータ/パケットスイッチは、加入者のデータ設備からIPトラフィックを行き先アドレスに基づく適当なサーバへ経路指定する。行き先はインターネット、イントラネットなどを含むことができる。」(326頁右欄9行〜12行の和訳)、

エ.「第2項で述べたデータサービス・アーキテクチャは本稿で述べる電話サービス・アーキテクチャの出発点である。図4-1に示すこのアーキテクチャは、(1)電話機と2方向ケーブルモデムの間に位置する加入者構内の電話アダプタ(PA)、(2)ケーブルヘッドエンドまたはケーブル網内の他の場所にあるケーブル網ゲートウエイ(CNG)、及び(3)「加入者ループ」を終端し、ローカル電話サービスを提供するローカルスイッチの3主要機器を含む。機器の各々について以下に述べる。この記述はアナログ・ループを通じてローカルスイッチをインターフェースするCNGを備えるPOTSのケース(ISDNの実施は全体的に同じアーキテクチャを使用するが、細部が異なる)に関するものである。
電話アダプタ(PA):PAは、電話機からくる信号と音声を監視し、これをCNGにアドレスするIPパケットへ変換する。これらのパケットは、HFC網によりトランスポートされ、ヘッドエンドのルータによりCNGへスイッチ/経路指定される。同様にして、PAはHFC網によりCNGからくる信号と音声を変換し、適当なフォーマットで電話機に送る。これは電話機を鳴らし、音声パケットを対応するアナログ信号に変換して電話機におくる操作を含む。
ケーブル網ゲートウエイ(CNG):CNGは、ユーザに対してケーブル・ヘッドエンド内または反対側に配置されている。CNGの主要機能は、パケット交換されるネットワークおよび回線交換されるネットワークの間でゲートウエイとして機能することにある。CNGはヘッドエンドを通じてPAからの信号と音声を受け取り、これを対応するアナログ信号へ変換し、ローカルスイッチへのインターフェース上に伝搬させる。逆の方向では、CNGがローカルスイッチからアナログ信号を受け取ると、これをデジタルストリームに変換し、IPパケットに入れて、加入者のロケーションのPAにアドレスする。CNGとローカルスイッチの間のインターフェースはアナログループや、デジタルトランク、ISDNベーシックレートインターフェース(BRI)、ISDNプライマリーレートインターフェース(PRI)、Bellcore Generic Requirementsの文書GR-303[4]に定義されたインターフェース、またはその他の適当なインターフェースでよい。
ローカルスイッチ:ローカルスイッチは、CNGからの「ローカルループ」を終端し、ローカル電話サービスを提供する。すなわち加入者がかける呼とかかってくる呼をセットアップする。「ローカルループ」は、3つのセグメントにより構成される。第1はアナログ区間(電話機-PA)、次にパケット区間(PA-CNG)、最後にアナログ区間(CNG-ローカルスイッチ)である。ローカルスイッチはアナログである最後のセグメントのみを扱う。このアーキテクチャのローカルスイッチには新規の要件は必要ない。POTSのサポートに加え、ローカルスイッチは補足サービスもサポートできる。」(327頁左欄14行〜右欄25行の和訳)


図4-1において、ヘッドエンド部を備えた単独のケーブル網は、ローカルスイッチを介してLEC(Local Exchange Carrier)或いはIXC(Inter Exchage Carrier)という電話通信サービスを行うネットワークへ接続されて、1つの単位となるネットワーク、すなわち、ネットワークセグメント部を構成しており、またヘッドエンド部から直接インターネットへ接続されていることが読み取れる。
前記記載事項、図面並びに技術常識からみて、
「ヘッドエンド部を備えたインターネットプロトコールによる単独のケーブル網を、電話通信サービスシステムにおけるネットワークセグメント部として用いる」ことは周知な事項(以下、「周知技術1-1」という。)である。
また、「インターネットプロトコールによる単独のケーブル網において、ヘッドエンド部から直接インターネットへ接続し得ること、及び、該ケーブル網に接続されるケーブルホンが対応するIPアドレスを有する」ことは、周知な事項(以下、「周知技術1-2」という。)である。

例えば、藤原洋 他,ディジタルCATVを相互接続した広帯域全国網 インターケーブルネット構想,日経エレクトロニクス,1996.05.06,第661号,p.143-161(以下、「周知例2」という。)には、次の事項が記載されている。

オ.「ここ10年の間に研究機関や企業のコンピュータはLANでつながり,これらのLAN間を広域網(WAN)で相互接続するインターネットワーキングが急速に発展した。この分散するLANが,ルータという従来の通信分野にはなかった技術で相互接続されてきたわけである。」(147頁右欄23行〜30行)、

カ.「ルータ=LAN同士を相互に接続するための装置の一種。インターネットのネットワーク・プロトコルであるTCP/IP(・・略・・)ルータの場合,IPアドレスを見てデータ(パケット)のルーティング(中継経路設定)を行う。TCP/IPはOSI参照モデルでいれは,第4層のトランスポート・レイヤと,第3層のネットワーク・レイヤに相当する。」(148頁下欄外左欄)、

キ.「インターケーブルネット構想
インターケーブルネット(以下、ICN)は,ケーブル・テレビ網を中心とするアクセス・ネットワーク間を,光ファイバを利用したバックボーン・ネットワークで相互接続(internetworking)することを意味する造語である。」(146頁中央欄7行〜右欄下から4行まで)、

ク.「ICNのシステム構成
ICNはケーブル・テレビを主とするコミュニティ・ネットワークと,これらを相互接続する光ファイバ基幹網とから構成される。以下にそのシステム構成について述べる。
システム構成の全体像
ICNの特徴は,広帯域のアクセス系にある(図4)。HE(ヘッドエンド)から加入者までのネットワーク構成方式としては,主に四つの方式が考えられる(図5)。」(149頁左欄下から4行〜中央欄8行)、

ケ.「HE系のシステム構成
ケーブル・テレビ局を例としたHE系,および加入者系システムの構成を図6に示す。
HEとは,もともとアナログ伝送のケーブル・テレビ・システムの中心となるもので,主として有線テレビ放送のための送信部(ヘッド)の機能と,テスト用のパイロット信号や,簡単な要求信号のための受信部(エンド)の機能とを持っている。また,衛星波や地上波を一度受信したのち,あらかじめ設定したケーブル・テレビの周波数割り当てに従って送り出すための周波数変換器の役割も担っている。
HFCを採用したICNのHE系では,従来の下り方向(HEから家庭へ)のアナログ伝送帯域に加えて,双方向のディジタル伝送帯域を備えている。この双方向性を用いて主としてケーブル・テレビ加入者へのコンピュータ通信機能を提供する。このため,アナログ伝送路を用いてディジタル信号を伝送するためのケーブル・モデムをHEと加入者の両端に設置する。
図6に示したHE側のケーブル・モデムは,HE系システム内のLANの1ノードとなり,さらにICNルータを介してICNバックボーンに接続される。」(151頁左欄7行〜右欄9行)。


上記「バックボーン・ネットワーク」は「ケーブルバックボーン網」であり、個々の単独のケーブル網を相互接続するイントラネットである。また、各単独のケーブル網は、全体のネットワークであるケーブル網に対してネットワーク・セグメント部を構成するものであって、図4及び上記オ.、カ.の記載から見て、該ケーブルバックボーン網上では、インターネットプロトコールを用いたものである。
前記記載事項、図面並びに技術常識からみて、
「ネットワークセグメント部である単独のケーブル網を、インターネットプロトコールを用いた、通信経路を設定するための複数個のルータを含むケーブルバックボーン網により連結してケーブル網とすること」は、周知の事項(以下、「周知技術2」という。)である。



(3)対比・判断
a.引用例1に記載された発明の「社内電話網及びインターネット」と本願発明の「ケーブル網」は、いずれも通信を行う網であるから「通信網」である点で一致する。

b.引用例1に記載された発明の「第1電話機」、「第2電話機」と本願発明の「第1ケーブルホン」、「第2ケーブルホン」は、いずれも電話通信を行う端末であるから、各々「第1電話端末」、「第2電話端末」である点で一致する。

c.引用例1に記載された発明の「第1電話機の電話番号に対応するゲートウエイのIPアドレス」は、ゲートウエイが第1電話機に対応したものであって、第1電話機との電話通信サービスを行うためのIPアドレスであるから、引用例1に記載された発明の「第1電話機の電話番号に対応するゲートウエイのIPアドレス」と、本願発明の「第1ケーブルホンの電話番号に対応するIPアドレス」は、上記b.を考慮して、「第1電話端末の電話番号に対応する電話通信サービスを行うためのIPアドレス」である点で一致する。

d.引用例1に記載された発明の「対応アドレス表」は、設定された電話番号に対応するIPアドレスが保持、すなわち貯蔵されることは当然であるから、本願発明の「ディレクトリ」および「ディレクトリ部」に相当する。

e.引用例1に記載された発明の「ゲートウエイ及びPBX」と本願発明の「ヘッドエンド部」は、いずれも、電話通信のための通話路を設定するための装置であるから、「通話路設定部」である点で一致する。

f.引用例1に記載された発明の「社内電話網」は、電話通信サービスシステムのネットワークにおけるひとつの単位となるネットワークであるから、本願発明の「ネットワークセグメント部」に相当する。

g.引用例1に記載された発明の「インターネット」と本願発明の「ケーブルバックボーン網」は、上記f.を考慮して、「ネットワークセグメント部を連結する網」である点で一致する。

そうしてみると、本願発明と引用例1に記載された発明とは、
「通信網で第1電話端末と第2電話端末間の電話通信サービスにおいて、
第1電話端末の電話番号に対応する電話通信サービスを行うためのIPアドレスを貯蔵するディレクトリと、第2電話端末の電話番号入力に基づいて前記ディレクトリ部に貯蔵されたIPアドレスを読出し、前記読出されたIPアドレスからインターネットプロトコールを用いて接続音声セションを決定し、第1電話端末との通話路を設定する通話路設定部を備え、ネットワークセグメント部を連結する網上に連結された複数個のネットワークセグメント部と、
前記ネットワークセグメント部を連結する網を介して前記各ネットワークセグメント部相互間の通信経路を設定するための複数個のルータを含む通信網を用いた電話通信サービスシステム。」である点で一致し、

以下の点で相違する。
A.「通信網」について、本願発明では「ケーブル網」であるのに対して、引用例1に記載された発明では「社内電話網及びインターネット」である点。

B.「第1電話端末」、「第2電話端末」について、本願発明では「第1ケーブルホン」、「第2ケーブルホン」であるのに対して、引用例1に記載された発明では「第1電話機」、「第2電話機」である点。

C.「第1電話端末の電話番号に対応する電話通信サービスを行うためのIPアドレス」について、本願発明では「第1ケーブルホンの電話番号に対応するIPアドレス」であるのに対して、引用例1に記載された発明では「第1電話機の電話番号に対応するゲートウエイに対応するIPアドレス」である点。

D.「通話路設定部」について、本願発明では「ヘッドエンド部」であるのに対して、引用例1に記載された発明では、「PBX及びゲートウエイ」である点。

E.「ネットワークセグメント部を連結する網」について、本願発明では、「ケーブルバックボーン網」であるのに対して、引用例1に記載された発明では、「インターネット」である点。

次に、前記相違点A〜Fについて検討する。
ヘッドエンド部を備えたインターネットプロトコールによる単独のケーブル網を電話通信サービスシステムにおけるネットワークセグメント部として用いることは周知技術1-1にあるように本願出願前周知であり、引用例1に記載された発明の、ネットワークセグメント部であるPBXを用いた社内電話網を、上記ヘッドエンド部を備えたインターネットプロトコールによる単独のケーブル網により構成することに、格別困難な点は認められず、引用例1に記載された発明の「第1電話機」、「第2電話機」をそれぞれ「第1ケーブルホン」、「第2ケーブルホン」と称することは設計事項にすぎない(相違点Bについて)。
そして、引用例1に記載された発明は、PBXを介してゲートウエイによりインターネットにおける接続音声セションを決定して、第1電話機との通話路を設定するものであるが、「インターネットプロトコールによる単独のケーブル網において、ヘッドエンド部から直接インターネットへ接続し得ること」は周知技術1-2にあるように周知であるのだから、引用例1に記載された発明の、PBXを用いた社内電話網を、ヘッドエンド部を備えたインターネットプロトコールによる単独のケーブル網により構成する際に、周知技術1-2にあるように、ヘッドエンド部から直接インターネットへ接続し得ることを勘案して、ヘッドエンド部から直接インターネットを介して第1電話機との通話路を設定するように構成して、該ヘッドエンド部がディレクトリ部に貯蔵されたIPアドレスを読出し、前記読出されたIPアドレスからインターネットプロトコールを用いて接続音声セションを決定し、第1ケーブルホンとの通話路を設定するようになすことは、当業者が容易になし得る事項と認められる(相違点Dについて)。
また、該周知技術1-2にあるように、「該ケーブル網に接続されるケーブルホンが対応するIPアドレスを有する」のだから、インターネットプロトコールを用いて接続音声セションを決定し、第1ケーブルホンとの通話路を設定するためのIPアドレスとして、引用例1に記載された発明の「第1電話機の電話番号に対応するゲートウエイのIPアドレス」を、「第1ケーブルホンの電話番号に対応するIPアドレス」とすることは、格別困難なこととは認められない(相違点Cについて)。
また、「ネットワークセグメント部である単独のケーブル網を、インターネットプロトコールを用いた、通信経路を設定するための複数個のルータを含むケーブルバックボーン網により連結してケーブル網とすること」は周知技術2にあるように本願出願前周知な事項であり、引用例1に記載された発明のインターネットと該ケーブルバックボーン網は、いずれもインターネットプロトコールを用いた、複数個のルータを含む網であるから、引用例1に記載された発明の、PBXを用いた社内電話網を、ヘッドエンド部を有する単独のケーブル網で構成する際に、ネットワークセグメント部を連結する網をインターネットに代えて、ケーブルバックボーン網として(相違点Eについて)、ケーブル網を構成する(相違点Aについて)ことは、当業者が適宜なし得る事項と認められる。


そして、本願発明の作用効果も、引用例1に記載された発明および周知例1,2に示される周知技術1-1,1-2,2から当業者が予測できる範囲のものである。

第3.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は引用例1に記載された発明および周知技術1-1,1-2,2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-03-01 
結審通知日 2005-03-08 
審決日 2005-03-24 
出願番号 特願平10-290964
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 稲葉 和生吉田 隆之  
特許庁審判長 武井 袈裟彦
特許庁審判官 望月 章俊
衣鳩 文彦
発明の名称 ケーブル網を用いた電話通信サービスシステム  
代理人 志賀 正武  

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