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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 B65H 審判 一部申し立て 特29条の2 B65H |
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管理番号 | 1121078 |
異議申立番号 | 異議2003-71719 |
総通号数 | 69 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-07-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-07-08 |
確定日 | 2005-05-23 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3363725号「シート穿孔装置、シート処理装置及び画像形成装置」の請求項1、6ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3363725号の請求項1、5、6、7に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3363725号の発明についての出願は、平成8年12月27日に出願され、平成14年10月25日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、市東勇より請求項1及び6ないし8に係る発明についての特許に対し、特許異議の申立てがなされ、当審において取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成16年5月18日に意見書の提出とともに訂正請求がなされたものである。 2.訂正請求について (1) 訂正請求の内容 本件訂正請求の趣旨は、特許第3363725号の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、訂正事項は以下のとおりである。 訂正事項a 特許請求の範囲の記載「【請求項1】シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、を有し、前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させることを特徴とするシート穿孔装置。」を「【請求項1】シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に移動自在に装着され、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、を有し、前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させることを特徴とするシート穿孔装置。」と訂正する。 訂正事項b 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 訂正事項c 特許請求の範囲の請求項5を請求項4に繰り上げる。 訂正事項d 特許請求の範囲の請求項6を請求項5に繰り上げるとともに、引用する請求項を「請求項1ないし4」と訂正する。 訂正事項e 特許請求の範囲の請求項7を請求項6に繰り上げるとともに、引用する請求項を「請求項1ないし4」と訂正する。 訂正事項f 特許請求の範囲の請求項8を請求項7に繰り上げるとともに、引用する請求項を「請求項5」と訂正する。 訂正事項g 明細書の段落【0021】の「本発明は、・・・ことを特徴とする。」を「本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、請求項1に係る発明は、シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に移動自在に装着され、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、を有し、前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させることを特徴とする」と訂正する。 訂正事項h 明細書の段落【0054】の「ユでっト」を「ユニット」と訂正する。 訂正事項i 明細書の段落【0062】の「づつ」を「ずつ」、「閉口」を「開口」、「離接」を「離間」及び「束排出ローラ」を「束排出ローラ対」と訂正する。 訂正事項j 明細書の段落【0131】の「ピニオン(駆動手段)70」を「ピニオン(駆動手段)83」と訂正する。 (2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項aは、請求項1において、「穿孔手段に移動自在に装着されている」との事項を追加し、検知手段の発明特定事項を限定するものであり、この限定した事項は、特許請求の範囲の【請求項4】、発明の詳細な説明の段落【0079】〜【0087】及び【図13】に記載されていたものであるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、しかも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項bは、特許請求の範囲の【請求項4】を削除するものであり、また、訂正事項cは、訂正事項bの訂正による【請求項4】の削除に伴い、訂正前の【請求項5】を形式的に繰り上げるものであり、また、訂正事項dは、訂正事項bの訂正による【請求項4】の削除に伴い訂正前の【請求項6】を形式的に繰り上げるもので、さらに、訂正後の【請求項5】の「請求項1ないし6」なる記載を「請求項1ないし4」に訂正するものであり、また、訂正事項eは、訂正事項bの訂正による【請求項4】の削除に伴い、訂正前の【請求項7】を形式的に繰り上げるもので、さらに、訂正後の【請求項6】の「請求項1ないし6」なる記載を「請求項1ないし4」に訂正するものであり、さらに、訂正事項fは、訂正事項bの訂正による【請求項4】の削除に伴い、訂正前の【請求項8】を形式的に繰り上げるもので、さらに、訂正後の【請求項7】の「請求項6」なる記載を「請求項5」に訂正するものであるから、これらの訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、しかも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 訂正事項gは特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためにする訂正であるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正である。また、訂正事項h,i,jはいずれも誤記の訂正を目的とする訂正である。そして、訂正事項g、h、i、jは、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、しかも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3) むすび 上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについての判断 (1) 異議申立ての理由の概要 申立人市東勇は、下記の甲第1ないし5号証より、請求項1,6,7,8に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消すべき旨主張するとともに、甲第6号証より、同各請求項に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであるから、取り消すべき旨主張している。 甲第1号証:特開平3-92299号公報 甲第2号証:特開平5-286281号公報 甲第3号証:特開平4-125246号公報 甲第4号証:特開平8-108965号公報 甲第5号証:特開昭62-109072号公報 甲第6号証:特開平9-249348号公報 (2) 請求項1,6,7,8に係る発明 上記のとおり訂正が認められたので、異議の申立てがされた請求項1,6,7,8は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1,5,6,7にそれぞれ対応し、請求項1,5,6,7に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1,5,6,7に記載された事項により特定される次のものと認める。 【請求項1】シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に移動自在に装着され、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、を有し、前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させることを特徴とするシート穿孔装置。 【請求項5】前記請求項1ないし4の何れか1項記載のシート穿孔装置と、該シート穿孔装置から排出されるシートを搬送する搬送手段と、該搬送手段から排出されるシート束をオフセットして積載整合する第1の積載トレイと、第1の積載トレイから排出されるシート束を積載する第2の積載トレイと、を有することを特徴とするシート処理装置。 【請求項6】前記請求項1ないし4の何れか1項記載のシート穿孔装置と、 シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段により画像形成したシートを前記シート穿孔装置に排出する排出手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 【請求項7】前記請求項5に記載のシート処理装置と、シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段により画像形成したシートを前記シート処理装置に排出する排出手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 (3) 特許法第29条2項について (ア)甲各号証記載事項 異議申立人の提出した甲第1号証の第2頁左下第3〜17行には「第1図は穿孔機構Aを示し、第2図は穿孔機構Aを内蔵させた複合複写タイプの静電写真複写機(画像形成装置の一例)を示すものであって・・・定着後の用紙aをトレイ16に排出するための上下一対の排紙ローラ17a,17bから成る排紙手段17を設けてある。」と記載され、同第3頁左上欄第13,14行には「排紙手段17の上流側近傍に穿孔機構Aを設け」、同第3頁左上欄第18,19行には「穿孔部の近傍で穿孔前の用紙aの巾方向端部位置bを検出する紙端部位置検出手段28」、同第3頁右上欄第9〜18行には「前記穿孔機構Aは、前記定着装置14から排紙手段17に至る用紙搬送路33の上部に位置するパンチ刃30と、前記用紙搬送路33の下部側に位置して前記パンチ刃30を導入するパンチダイ34と、前記パンチ刃30を上昇位置に後退復帰させる復帰付勢手段(例えばコイルスプリング)35と、パンチ孔の抜きカスを回収するための回収箱36、及び、前記復帰付勢手段35に抗して前記パンチ刃30をパンチダイ34に導入させるカム(パンチ刃駆動手段の一例)37から構成され」、同第3頁左下欄第15行〜同頁右下欄第6行には「そして、可動側部材cが固定側部材dよりも短く形成されたスライド部材43を、前記一対のブラケット40,40にわたって設けると共に、このスライド部材43の可動側部材cにコの字状の保持具44を取り付け、当該保持具44の長手中心振り分け箇所に所定間隔を隔てて2本のパンチ刃30を上下移動自在に取り付けると共に、該パンチ刃30を上昇位置に後退復帰させる復帰付勢手段35を設け、更に、前記パンチダイ34の両端折曲部34aを保持具44の下面側に連設し、もって、パンチ刃並設方向でのパンチ刃30の配置中心P1をパンチダイ34と共にパンチ刃並設方向に位置変更可能とし」、同第4頁左上欄第16行〜同頁右上欄第17行には「一方、前記紙端部位置検出手段28は、定形の例えばA4サイズとB5サイズの用紙aを所謂センター基準によって横搬送・・・Aサイズの用紙aを給紙対象とした場合は、Aサイズ用の発光素子46が発光され、Bサイズの用紙aを給紙対象とした場合はBサイズ用の発光素子47が発光されるようになっている。」、同第4頁左下欄第6行〜第5頁左上欄第3行には「前記紙中心検出手段29は、上記紙端部位置検出手段28からの用紙aの端部位置検出の情報を基にして、用紙aの巾方向中心Pを検出するものであって、・・・その偏差検出の情報を基にして偏差が零になるまで前記中心合わせ手段32のパルスモータMが制御させるように構成されている。」、同第5頁左上欄第7〜19行には「上記の構成によれば、パンチ孔形成のモードが選択されると、片面複写と合成複写あるいは両面複写の何れの形態をとる場合であっても、用紙aの後端が穿孔部の上流側近傍に到達すると、前記排紙手段17が一旦駆動停止されて用紙aの後端近傍が挟持されて搬送が停止され、その用紙aの紙端部位置bの検出情報を基にして用紙aの巾方向中心Pが検出されると共に、その用紙aの巾方向中心Pとパンチ刃30の配置中心P1との偏差が検出されて、パンチ刃30の配置中心P1を前記用紙aの巾方向中心Pに一致させるように当該パンチ刃30がパンチ刃並設方向に移動され、」と記載されている。 これらの記載からみて、甲第1号証には「用紙の巾方向に用紙を穿孔するパンチ刃を備え、パンチ刃並設方向に位置変更可能な穿孔機構と、穿孔機構に搬送される用紙の巾方向端部位置を検出する紙端部位置検出手段と、前記検出手段により検出された情報に基づいて穿孔機構を位置変更させる中心合わせ手段を有する画像形成装置の穿孔装置」が記載されていると認められる。 同じく甲第2号証の段落【0029】には、画像形成装置の綴り装置に関して、「整合板駆動モータ56は、制御系からの用紙サイズ信号に基づいて、あらかじめ整合板51を用紙幅に応じた位置まで移動させている。また、整合板51には、その移動位置を検出するための位置検知センサ57が取り付けられている。」と記載されている。 同じく甲第3号証の第9頁右下欄第16〜20行には、記録紙後処理装置に関して、「コピー時、コピー終了時およびコピー再スタート時においては、本体のコピースタート後に紙サイズ信号が受信された後、ステープラ移動モータ39がオンされて紙サイズに合わせた位置に所定量ステープラSが移動される。」と記載されている。 同じく甲第4号証の【請求項1】には「複数のシートを収容するコンパイルトレイと、スタックトレイへの排出方向に関して前記コンパイルトレイに搬入されたシートの後端の位置決めを行うシート後端位置決め部材およびシートを前記シート後端位置決め部材に寄せるシート後端寄せ部材と、前記コンパイルトレイに搬入されたシ-トの幅方向の位置決めを行うシート側縁位置決め部材およびシートを前記シート側縁位置決め部材に寄せるシート側縁寄せ部材と、前記コンパイルトレイ上で端部が揃えられた複数のシートにより構成されるシート束をスタックトレイに排出するシート束排出手段とを備えたシート処理装置において、下記の要件を備えたことを特徴とするシート処理装置、(Y01)前記コンパイルトレイ上のシート束を幅方向に移動させるシート束幅方向移動装置。」と記載され、同段落【0001】には「【産業上の利用分野】本発明は、複数枚の画像記録されたシート束をオフセットさせてスタックトレイに排出させるシート処理装置に関する。特に、本発明は、コンパイルトレイ上で端縁が位置決めされた前記シート束をその幅方向に対して反対側に交互に移動させるシート束幅方向移動装置を備えたシート処理装置に関するものである。」と記載されている。 同じく甲第5号証の第3頁左下欄第2〜6行には、複写機のフィニッシャに関して、「フィニッシャ300の構成を説明する。本体100から排出された転写紙は、フィニッシャの挿入口301を通過して、穴あけローラ302(B4用)、303(A4用)、304(A3用)によりパンチングされる。」と記載され、同第3頁左下欄第14〜20行には「パンチングされた転写紙はターン部305によりステープル用トレイ306に下から頁順に揃えられ、ステープラー309により綴じられる。ステープルしない場合には回転カム307がストッパー308を上げる位置迄回転する。綴じられた転写紙は排紙トレイ310に排出される。」と記載されている。 (イ)対比・判断 そこで、請求項1に係る発明と甲第1号証に記載された発明とを比較する。 甲第1号証に記載された発明の「用紙の巾方向に用紙を穿孔するパンチ刃を備え、パンチ刃並設方向に位置変更可能な穿孔機構」は、請求項1に係る発明の「シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段」に相当し、同様に「検出手段により検出された情報に基づいて穿孔機構を位置変更させる中心合わせ手段」は、「検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段」に相当する。 また、甲第1号証に記載された発明の「前記穿孔機構に搬送される用紙の巾方向端部位置を検出する紙端部位置検出手段」と請求項1に係る発明の「穿孔手段に移動自在に装着され、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段」とは、「穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段」という点で共通する。 よって、請求項1に係る発明と甲第1号証に記載された発明とは、「シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段とを有するシート穿孔装置」である点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点1 請求項1に係る発明では、検知手段が穿孔手段に移動自在に装着されるのに対し、甲第1号証に記載された発明では、検知手段が搬送路の上部と下部に固定される点。 ・相違点2 請求項1に係る発明では、検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させるのに対し、甲第1号証に記載された発明では、検知手段を移動させるようにはなっていない点。 上記相違点1について検討すると、検知手段を穿孔手段に移動自在に装着した点については、甲2〜5号証に記載も示唆もされておらず、かつ従来より慣用の手段であるともいえない。しかも、検知手段を穿孔手段に移動自在に装着することにより、訂正明細書記載の「連続して搬送される同一サイズのシートを穿孔する際に、穿孔手段の移動手段の駆動のみで、穿孔位置をシート側端部に沿って揃えることができ、横レジ検知センサの駆動動作が省略されて、装置を省電力化できる。」といった顕著な効果を奏するものと認められる。 したがって、請求項1に係る発明は、相違点2について検討するまでもなく、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることができない。 請求項5,6,7に係る発明は、請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当するから、上記請求項1で説示したと同様の理由により、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとすることはできない。 (4) 特許法第29条の2について (ア)甲第6号証記載事項 本願の出願日前の他の出願であって、その出願後に出願公開された特願平8-57816号(特開平9-249348号)の願書に最初に添付した明細書及び図面(異議申立人の提出した甲第6号証参照、以下、「先願明細書」という)の段落【0048】には「ところで、この実施の態様1に係るパンチ処理装置は、例えば、上記の如く構成されるデジタルカラー画像形成装置と組み合わせて使用され、カラー画像が形成された記録用紙等のシート状部材に対してパンチ穴を穿孔するものである。上記パンチ処理装置は、例えば、デジタルカラー画像形成装置の排紙部の外側に排紙トレイ36の代わりに後処理装置の1つとして装着されるが、当該デジタルカラー画像形成装置の内部に一体的に組み込んで装着するように構成しても勿論よい。」と記載され、同じく段落【0096】には「そこで、この実施の態様3に係るパンチ処理装置では、前記実施の態様2と同様に、シート41の巾方向のサイズ情報及びパンチ処理実施の有無の情報に基づいて、パンチ部50及びダイ部51を含むパンチ処理装置本体40を、シート41のサイズ等に応じてシート41の巾方向に沿って移動させる移動機構を備えるとともに、これに加えてパンチ処理装置本体40に固定され、当該パンチ処理装置本体40とともに移動するシート41の巾方向の端面を検知する2つの用紙巾方向端面検知センサー90、91を備えるように構成されている。」と記載され、同じく段落【0097】には「いま、上記画像形成装置が有するシート41の搬送状態における巾方向位置の最大バラツキ量が±Kであるとすると、パンチ処理装置本体40は、図17に示すように、ホーム位置において、パンチ刃55と56の中心が正規の位置における巾方向最大サイズのシート41の中心線からK+αだけ(αは余裕をとるためのマージン)ずれた位置に来るように配置されている。このように、パンチ処理装置本体40のホーム位置を決定する際にマージンαをとるのは、次の理由によるものである。つまり、パンチ処理装置本体40をシート41の巾方向に沿って移動させながら、用紙巾方向端面検知センサー90、91によってシート41の巾方向の端面を検知する際に、マージンαがないと、ステッピングモーター等からなるパンチ移動モーター83を起動し、パンチ処理装置本体40の移動を開始して、当該パンチ処理装置本体40の移動速度が一定にならないうちに、用紙巾方向端面検知センサー90、91がシート41の巾方向の端面を検知してしまい、パンチ処理装置本体40が停止する虞れがある。この場合には、パンチ処理装置本体40をその移動速度が一定にならないうちに停止させるため、パンチ移動モーター83を停止させてからパンチ処理装置本体40が実際に停止するために、当該パンチ処理装置本体40が慣性によって移動する量がばらついてしまい、パンチ処理装置本体40の停止位置を正確に制御することができない。そこで、パンチ処理装置本体40のホーム位置を決定する際にマージンαをとることによって、パンチ処理装置本体40の移動速度が一定になった後に、用紙巾方向端面検知センサー90、91がシート41の巾方向の端面を検知するように構成することができ、用紙巾方向端面検知センサー90、91がシート41の巾方向の端面を検知して、パンチ移動モーター83を停止させてからパンチ処理装置本体40が慣性によって実際に停止するまでの距離を常に一定にすることができるからである。」と記載され、同段落【0102】には「いま、シートサイズ情報によりシート41の巾サイズがL2よりも小さいL3で、パンチ処理実施情報によりパンチ有りがきたら、1枚目のシート41がパンチ処理装置本体40に搬送される前に、パンチ処理装置本体40は、図17に示すホーム位置から第2の待機位置検知センサー94がアクチュエータ86を検知する第2の待機位置(図中、破線で示した位置)まで移動する。また、この場合には、第2の用紙巾方向端面検知センサー91を用いてシート41の端面を検知することを決定し、この第2の用紙巾方向端面検知センサー91がシート端面を検知してからパンチ移動モーター83を停止させるまでの距離が(L2/2-L3/2)mmとなるため、この距離データを時間、カウント数、またはパルス数のいずれかに変換し、パンチ処理装置本体40を移動させる際の制御量を決定する。」と記載されている。 これらの記載からみて、先願明細書には「シート状部材にパンチ穴を穿孔するパンチ処理部を備えシート巾方向に沿って移動可能なパンチ処理装置と、前記パンチ処理装置に搬送されるシートの巾方向の端面を検知する用紙巾方向端面検知センサーと、前記用紙巾方向端面検知センサーにより検知されたサイズ情報に基づいてシートの巾方向にパンチ処理装置を移動させる移動機構と、を有し、前記用紙巾方向端面検知センサーが設けられたパンチ処理装置本体を、シート状部材が搬送される前に第2の待機位置まで移動させるパンチ処理装置」が記載されている。 (イ) 対比・判断 そこで、請求項1に係る発明と先願明細書に記載された発明とを比較する。 先願明細書に記載された発明の「シート状部材にパンチ穴を穿孔するパンチ処理部を備えシート巾方向に沿って移動可能なパンチ処理装置」は、請求項1に係る発明の「シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段」に相当し、同様に「用紙巾方向端面検知センサーにより検知されたサイズ情報に基づいてシートの巾方向にパンチ処理装置を移動させる移動機構」は、「検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段」に相当する。 また、先願明細書に記載された発明の「パンチ処理装置に搬送されるシートの巾方向の端面を検知する用紙巾方向端面検知センサー」と、請求項1に係る発明の「穿孔手段に移動自在に装着され、穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段」とは、「穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段」という点で共通するものである。 さらに、先願明細書に記載された発明は、用紙巾方向端面検知センサーが設けられたパンチ処理装置本体を、シート状部材が搬送される前に第2の待機位置まで移動させるものであるから「検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させる」という事項を備えているものである。 そうしてみると先願明細書に記載された発明と請求項1に係る発明とは、「シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段とを有し、前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させるシート穿孔装置」である点で一致するものの、請求項1に係る発明では、検知手段が穿孔手段に移動自在に装着されるのに対し、先願明細書に記載された発明では、搬送路の上部と下部に固定される点で相違する。 検知手段を穿孔手段に移動自在に装着した点については、先願明細書に記載も示唆もされておらず、かつ従来より慣用の構成でもない。しかも、検知手段を穿孔手段に移動自在に装着することにより、訂正明細書記載の「連続して搬送される同一サイズのシートを穿孔する際に、穿孔手段の移動手段の駆動のみで、穿孔位置をシート側端部に沿って揃えることができ、横レジ検知センサの駆動動作が省略されて、装置を省電力化できる。」といった顕著な効果を奏するものと認められる。 したがって、請求項1に係る発明は、先願明細書に記載された発明と同一であるとは認められない。 請求項5,6,7に係る発明は、請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当するから、上記で説示したと同様の理由により、先願明細書に記載された発明と同一であるとは認められない。 4.むすび 以上のとおりであるから、請求項1,5,6,7に係る発明の特許は、特許異議申立ての理由及び証拠によっては取り消すことができない。 また、他に請求項1,5,6,7に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 シート穿孔装置、シート処理装置及び画像形成装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、 前記穿孔手段に移動自在に装着され、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、 前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、 を有し、 前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させることを特徴とするシート穿孔装置。 【請求項2】 シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、 前記穿孔手段に搬送されてくるシートの前後端部においての搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、 前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、 を有し、 前記検知手段が、前記シートの側端位置が検知可能な検知部をシートの搬送方向と交わる方向に備えたことを特徴とするシート穿孔装置。 【請求項3】 前記検知手段が前記シートの搬送方向と平行な一側端部を複数箇所で検知することによりシートの斜行量を検知し、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報と前記斜行量とに基づいて、前記穿孔手段の穿孔位置を移動させることを特徴とする請求項2に記載のシート穿孔装置。 【請求項4】 前記検知手段が、CCDラインセンサからなるCCD検知センサであることを特徴とする請求項2又は3に記載のシート穿孔装置。 【請求項5】 前記請求項1ないし4の何れか1項記載のシート穿孔装置と、該シート穿孔装置から排出されるシートを搬送する搬送手段と、該搬送手段から排出されるシート束をオフセットして積載整合する第1の積載トレイと、第1の積載トレイから排出されるシート束を積載する第2の積載トレイと、を有することを特徴とするシート処理装置。 【請求項6】 前記請求項1ないし4の何れか1項記載のシート穿孔装置と、シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段により画像形成したシートを前記シート穿孔装置に排出する排出手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 【請求項7】 前記請求項5に記載のシート処理装置と、シートに画像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段により画像形成したシートを前記シート処理装置に排出する排出手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、シート穿孔装置に係り、詳細には、例えば複写機,レーザビームプリンタ等の画像形成装置から出力されるシートを穿孔するシート穿孔装置及びこれを備える処理装置、画像形成装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、複写機・レーザビームプリンタ等に用いられる画像形成装置としては、その一例として図48に示されるような電子写真方式の要部構成例が知られている。 【0003】 図48において、まず、不図示のコントローラにより、レーザ発振器に信号が送られレーザ光が発せられる。次に、このレーザ光が回転しているミラー309(一般にポリゴンミラーと呼ばれる)に反射し、さらに、反射ミラー310で再び折り返されることにより、感光体ドラム312上に照射される。 【0004】 以上のような一連の動作により感光ドラム312上には、いわゆる静電潜像が形成される。この感光ドラム312上の静電潜像は、現像器311により現像された後、シート上にトナー像として転写される。 【0005】 シートは、ピックアップローラ313によりシートカセットから一枚毎に給紙され、感光ドラム312の下を通過する。この通過の際に、前記プロセスによりトナー像が転写される。 【0006】 その後、シートは定着ローラ対301、302に導かれ、このローラ対により圧接され、また、これらローラ内に設けられたヒータの熱で加熱されることにより、トナー像はシートに定着される。 【0007】 定着ローラ301、302には、それぞれ定着上分離爪303、定着下分確爪304が接しており、これによりシートは定着ローラ301、302から分離される。分離されたシートは、排紙ローラ対399により、装置本体外部へと搬送されて、この画像形成プロセスが終了する。 【0008】 画像形成のためのシートは、シートカセット351、352に収納される。それぞれのカセットには操作者が好みのサイズのシートをセットすることが可能であり、操作パネル上で画像形成に使用するシートを選択することが可能である。 【0009】 シートは、各シートカセット351、352からそれぞれのピックアップローラ313により一枚毎に感光ドラム312へと給送されるが、給送される間に搬送するローラの外径差やローラの摩耗による搬送速度のばらつきや、ローラ対の整合や、シートをガイドするガイド板とシートとの摺動抵抗などによる影響を受け、シートは実際には必ずしも進行方向に対して真直ぐに搬送されず、傾いた状態で搬送されてしまうことがある。 【0010】 そのままの状態で、感光ドラム312上にトナー像をシートに転写すると、シートに対して画像が傾いたり、位置がずれて転写されてしまうことになる。これを防止するために、通常、この種の画像形成装置においては、シートの傾き(以下、これを斜行と称する)を矯正するためのレジストローラ対314、315が設けられている。 【0011】 カセットから給送されたシート先端がレジストローラ対314、315にまで到達した時、レジストローラ対は停止したままであるよう制御されている。シート先端でレジストローラ対314、315に突き当たったままの状態で、レジ前ローラ対316、317は、さらに所定の時間回転を続け、シートを前方に搬送する。 【0012】 このため、停止したままのレジストローラ対314、315と、レジ前ローラ対316、317との間にシートのふくらみ(ループ)が生ずる。このループが生じたシートは、そのシートの弾性力(いわゆるシートの“腰”)により、真直ぐに戻ろうとし、シートの先端は停止しているレジストローラ対314、315のニップに突き当たる。 【0013】 この突き当て作用により、シート先端はレジストローラ対314、315のニップ部に倣うことになり、その結果、この時点でシートの斜行は矯正されることになる。 【0014】 しかしながら、このような一連の動作を経た場合、シートの先端をレジストローラ対314、315に突き当ててシートの斜行を矯正するために、シート進行方向に直交する方向へのシートの位置ずれ(一般には“横レジずれ”と称される)が生じてしまうという欠点があった。その結果、シートとその上に形成された画像との相対位置がずれてしまうことになる。 【0015】 また、シートカセット内のシートの幅方向を規制している部材のガタや、シート自体の幅方向サイズのばらつき等により、例えシートが斜行しなくとも、横レジずれが生じてしまう。 【0016】 一方、画像形成装置において画像形成された記録シートは、ファイルにとじたりして利用、保管されることが多い。このため、シートにファイル用の穿孔を行なうシート穿孔装置を画像形成装置と組み合わせて、作業の効率向上を図ることが行なわれている。 【0017】 こうしたシート穿孔装置としては、画像形成された記録紙を供給順に重ねて、複数枚まとめて保持し、穿孔するものと、画像形成された記録紙を搬送中に1枚づつ穿孔するものがある。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来例では、画像形成された記録紙に横レジズレがあるため、記録紙の搬送中に1枚づつ穿孔するシート穿孔装置においては、記録紙1枚毎に穴位置が異なり、複数枚をファイルする際、シート端をそろえても穴位置が不ぞろいのため、一度にファイルできないという欠点があった。 【0019】 また、複数枚をまとめて保持し、穿孔するシート穿孔装置においては、複数枚をまとめて保持する際、整合手段によってシート端をそろえれば、横レジズレの問題は解消できるが、装置が大型化してしまい、さらにシートを穿孔する際の所要時間が大きくなり、画像形成処理速度の妨げとなるという欠点があった。 【0020】 そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、装置を大型化せずにシートの出力速度(画像形成処理速度)を妨げることなく、シート側端に対する穴位置をそろえて穿孔可能なシート穿孔装置及びこれを備えたシート処理装置、画像形成装置を提供することを目的とする。 【0021】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、 請求項1に係る発明は、シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に移動自在に装着され、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、を有し、前記検知手段を、搬送されるシートサイズ情報に基づいて予めシート側端部近傍に移動させることを特徴とする。 【0022】 請求項2に係る発明は、シートの搬送方向と交わる方向にシートを穿孔する穿孔部を備えシートの搬送方向と交わる方向に移動可能な穿孔手段と、前記穿孔手段に搬送されてくるシートの前後端部においての搬送方向と平行な一側端部を検知するための検知手段と、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報に基づいてシートの搬送方向と交わる方向に前記穿孔手段の穿孔位置を移動させる移動手段と、を有し、前記検知手段が、前記シートの側端位置が検知可能な検知部をシートの搬送方向と交わる方向に備えたことを特徴とする。 【0023】 請求項3に係る発明は、前記検知手段が前記シートの搬送方向と平行な一側端部を複数箇所で検知することによりシートの斜行量を検知し、前記検知手段により検知されたシート側端部位置情報と前記斜行量とに基づいて、前記穿孔手段の穿孔位置を移動させることを特徴とする。 【0024】 [作用] 以上構成に基づき、穿孔手段へシートが搬送されてその先端部がシート有無検知手段により検知されると、検知手段及び穿孔手段がシート側に移動し、検知手段がシートの搬送方向と平行な一側端部を検知する。この検知手段のシート側端部位置情報に基づいて、穿孔手段が穿孔位置に移動してシートを穿孔する。 【0025】 また、穿孔手段へ搬送されるシートの搬送方向と平行な一側端部の前後端部が、検知手段により検知されると、この検知手段のシート側端部位置情報に基づいて、穿孔手段がシート側端部位置に移動してシートを穿孔する。 【0026】 また、検知手段が、シートの搬送方向と平行な一側端部の複数箇所を検知してシートの斜行量が検知されると、検知手段の検知によるシートの側端部位置情報と、斜行量を加味した横ズレとに基づいて、穿孔手段が穿孔位置に移動してシートを穿孔する。 【0027】 【発明の実施の形態】 図47は、本発明の基礎になる参考例に係るシート処理装置を備えたシート出力装置としての画像形成装置本体(複写機本体)の一例を示している。 【0028】 画像形成装置本体(複写機本体)300には、原稿載置台としてのプラテンガラス906、光源907、レンズ系908、給紙部909、画像形成部902,原稿をプラテンガラス906に給送する自動原稿給送装置500、複写機本体から排出される画像形成済みのシートを積載するシート処理装置1等が備えられている。 【0029】 給紙部909は、記録用のシートPを収納して装置本体300に着脱自在なカセット910,911、及びペディスタル912に配置されたデッキ913を有している。画像形成部902には、円筒状の感光ドラム914とその回りの現像器915、転写用帯電器916、分離帯電器917、クリーナ918、一次帯電器919等がそれぞれ備えられている。画像形成部902の下流側には、搬送装置920、定着装置904、排出ローラ対905等が配設されている。 【0030】 この画像形成装置本体の動作を説明する。 【0031】 装置本体側300に設けられている制御装置930から給紙信号が出力されると、カセット910,911またはデッキ913からシートPが給送される。一方、原稿載置台906に載置されている原稿Dに、光源907から当てられて反射した光は、レンズ系908を介して感光ドラム914に照射される。感光ドラム914は、あらかじめ一次帯電器919により帯電されていて、光が照射されることによって静電潜像が形成され、次いで現像器915により静電潜像を現像してトナー像が形成される。 【0032】 給紙部909から給送されたシートSは、レジストローラ901で斜行が補正され、さらにタイミングが合わされて画像形成部902へ送られる。画像形成部902では、感光ドラム914のトナー像が、送られてきたシートSに転写用帯電器916によって転写され、トナー像が転写されたシートSは、分離帯電器917によって転写用帯電器916と逆極性に帯電されて、感光ドラム914から分離される。 【0033】 そして、分離されたシートSは、搬送装置920により定着装置904に搬送されて、定着装置904によりシートSに転写画像が永久定着される。画像が定着されたシートSは、排出ローラ対399により装置本体300から排出される。 【0034】 このようにして、給紙部909から給送されたシートSには、画像が形成されて後述するシート穿孔装置又はシート処理装置に排出される。 【0035】 次に、図面にもとづいて本発明の基礎となる参考例について述べる。 【0036】 図1において、1はフィニッシャー、300は画像形成装置本体である。画像形成装置本体300とRDFの詳細の説明については、ここでは省略する。399は画像形成装置本体の排出ローラ、2はフィニッシャー1の入り口ローラ対、3は搬送ローラ、31は紙検知センサー、50は搬送されてきた紙の後端付近に穴あけをするパンチユニット、5は搬送大ローラで12、13、14の押下コロで紙を押圧し搬送する。 【0037】 11は切り換えフラッパでノンソートパス21とソートパス22を切りかえる。10は切り換えフラッパでソートパス22と紙を一時たくわえるためのバッファパス23の切り換えをおこなう。6は搬送ローラ、130はシートを一時的に集積し、整合、ステイプルを行なうための中間トレイ(以下処理トレイ)、7は処理トレイ130上にシートを排出するための排出ローラ、150は揺動ガイド、180bは揺動ガイド150に支持され、揺動ガイド150閉位置にきたときに、処理トレイ130に配置されたローラ180aと協働して処理トレイ130上のシートを束搬送してスタックトレイ200上に束排出するための束排出ローラである。 【0038】 次に、ステイプルユニット100についての説明を図2(主断面)、図3(a視図)、図4(b視図)を用いて行なう。 【0039】 ステイプラ101は、ホルダー102を介して移動台103に固定されている。移動台103に固定された軸104,105には、それぞれコロ106、107が回転自在に組み付けられ、該コロ106,107は固定台108に開設された穴状のレール(108a,108b,108c)に嵌合している。 【0040】 コロ106、107は、共に固定台108のレール穴より大きなフランジ106a,107aを有し、一方、移動台103の下方には、3ケ所に支持コロ、が配設されており、ステイプラ101を支持した移動台103は外れる事なくレールに沿って固定台108上を移動可能になっている。移動台103は、これに回転自在に設けられたコロ109により、固定台108上を移動する。 【0041】 前記レール穴(108a,108b,108c)は、前部と奥部においては、途中から分岐されて行き並行な2本のレールとなる。該レール形状により、ステイプラ101が手前に位置する時には、コロ106がレール穴108b側に、コロ107がレール穴108a側にそれぞれ嵌合されて傾いた状態となる。そして、ステイプラ101が中央部に位置する時には、コロ106、107共にレール穴108aに嵌合されて水平状態となる。 【0042】 更に、ステイプラ101が奥側に位置する時には、コロ106がレール穴108a側にコロ107がレール穴108c側に嵌合され手前の時とは逆の傾いた状態となる。 【0043】 なお、2つのコロ106、107が平行な2本のレールに各々嵌合された後は、その姿勢を保って移動する。そして、向き変え開始の作用は、不図示のカムによりなされる。 【0044】 次に、ステイプラ101の移動機構について説明する。 【0045】 前記移動台103の一方のコロ106は、ピニオンギア106b、ベルトプーリ106cが一体で形成されており、該ピニオンギアはプーリ106cにかけられたベルトを介して移動台上方から固定されたモータM100に連結されている。一方、固定台の下面には、レール穴に沿って前記ピニオンギア106bと嵌合する様にラックギア110が固定されており、前記モータM100の正逆回転で、移動台103は、ステイプラ101と共に前後へ移動される。 【0046】 また、移動台103の下面方向に延びる軸111には、ストッパ倒しコロ112が配設されている。これは、後述する処理トレイ130の後端ストッパ131とステイプラ101との衝突を回逃するために、後端ストッパ131を回動させる役割を担うものであり、詳細は次項で行なう。 【0047】 なお、ステイプラユニット100は、ステイプラ101のホームポジションを検知するセンサが設けられ、通常ステイプラ101はホームポジション(本参考例では最前部)にて待機している。 【0048】 次に、処理トレイ130に積載されたシートPの後端を支持する後端ストッパ131について説明する。 【0049】 後端ストッパ131は、処理トレイ130の積載面に対して垂直面を有し、シート後端を支持する支持面131aと、処理トレイ130に設けられた丸穴に嵌合し揺動するためのピン131bと、後述するリンクと嵌合するためのピン131cを有している。リンクは、前記ステイプラ移動台130に組み付けられたコロ112が当接し押圧されるカム面132aを有した主リンク132と、主リンクの上端とに配設されたピン132bと後端ストッパのピン131cとをつなぐ連結リンク133とで構成される。 【0050】 なお、主リンク132は、図示しないフレームに固設されたシャフト134を支点として揺動するものである。また、主リンク132の下端は主リンクを時計方向に付勢する引っ張りばね135が設けられ、また、主リンクは、突き当て板136により位置決めされているため、通常後端ストッパ131は処理トレイに対して垂直の姿勢を保つ。 【0051】 そして、ステイプル移動台103が移動すると、ステイプラ101と干渉関係になるストッパ131に連結された主リンク132のカム面を、移動台に設けられた倒しコロが押し倒す事となり、後端ストッパ131は連結リンク133で引っ張られ、ステイプラ101と干渉しない位置まで回動される。倒しコロ112は、ステイプラが移動している間、後端ストッパがこの回逃位置を保つ様に複数個(本構成においては3個)設けられている。 【0052】 そして、ステイプル101を支持するホルダー102の両側面には、後端ストッパ131と同一形状の支持面を持つステイプルストッパ113(2点鎖線)とが付設され、従って、ステイプラ101が水平状態(中央部)でストッパ131を押したままでも、ステイプルストッパ113でシート後端の支持が可能となる。 【0053】 次に、処理トレイユニット129について説明する(図5)。 【0054】 処理トレイユニット129は、画像形成装置本体300からのシートを搬送する搬送部と処理トレイ130で処理された束を受け取り収容するスタックトレイ200の中間に配設される。 【0055】 そして、処理トレイユニット129は、処理トレイ130、後端ストッパ131、整合手段140、揺動ガイド150、引き込みパドル160、出没トレイ170、束排出ローラ対180で構成されている。 【0056】 処理トレイ130は、下流側(図の左)を上方に上流側(図の右)を下方にした傾斜トレイであり、下方の端部には、前述の後端ストッパが嵌合されている。搬送部の排出ローラ対で排出されたシートPは、自重及び後述するパドル160の作用で、その後端が後端ストッパ131に当接するまで、処理トレイ130上を滑走する。 【0057】 また、処理トレイ130の上方端部には、束排出ローラ対が、また、後述する揺動ガイド150には、それと当接する束排出上ローラ180bがそれぞれ付設され、モータM18からの駆動を受けて正逆転可能となっている。 【0058】 次に、整合壁(整合手段)140をC視図である図6と共に説明する。 【0059】 整合手段140としての整合部材141,142は、手前と奥の整合部材が各々独立して前後方向に移動可能な構成となっている。手前整合部材141、奥整合部材142共に、処理トレイ131上に立直し、シート側端面を押圧する整合面141a、142aから垂直に折れ曲がり、シートPの下面を支持する支持面141、処理トレイ130と平行で前後方向に延び、ラックギアが刻設されたギア部141b、142bとで構成されている。2つの整合部材は、それぞれ、処理トレイ130前後方向に延びる開設されたガイドに支持され、整合面が処理トレイ130の上面にギア部がトレイの下面に出るように組み付けられている。 【0060】 そして、各々のラックギア部141b、142bは、別々ピニオンギア143、144が係合しており、ピニオンギアはプーリ、ベルトを介してモータM141,M142と連結されていて、モータの正逆転で整合部材141,142は前後方向に動く事となる。なお、各々の整合部材141,142は、ホームポジションを検知するセンサ(不図示)が付設され、通常、整合部材はホームポジションにて待機している。 【0061】 本参考例において、手前整合部材141のホームポジションは最前部、奥整合部材142のホームポジションは最奥部に設定されている。 【0062】 揺動ガイド150は、下流側(図の左)において前記の束排出上ローラ180bを支持し、上流側(図の右)は、揺動支点軸151が配設されている。揺動ガイド150は、通常、1枚ずつのシートPが処理トレイ130に排出される際には、開口状態(束排出ローラ対が離間)にあり、シートの処理トレイ130への排出、落下し、そして整合動作の支障になる事はなく、そして処理トレイ130からスタックトレイ200へ束排出する際に閉口状態(束排出ローラ対が当接)に移動する。 【0063】 回転カム152は、揺動ガイド150の側面に対応した位置に配設されていて、回転カム152が回動し、ガイド側面を押し上げると揺動ガイド150は軸151を中心に揺動しながら閉口し、この状態から180°回転カム152が回動し、揺動ガイド側面から離接すると閉口する。回転カム152の回転駆動は、図示しない駆動系を介して連結されたモータM150により行なわれる。 【0064】 また、揺動ガイド150は、閉口状態がホームポジションとされ、これを検知するセンサ(不図示)が設けられている。 【0065】 次に、引き込みパドル160について説明する。 【0066】 引き込みパドル160は、軸161に対して固定されており、軸161は前後側板に対して回転自在に支持されている。パドル軸161は、モータM160に連結されており、モータM160からの駆動を受けると、反時計方向に回転する。パドル160の長さは、処理トレイ130にまでの距離より若干長く設定されており、パドル160のホームポジションは、排出ローラ対で処理トレイ130へ排出されるシートPに当接する事のない位置(図の実線)に設定されている。この状態でシートPの排出が完了し、シートPが処理トレイ130に着地すると、パドル160はモータM150の駆動を受けて反時計方向に回転し、シートPを後端ストッパ131に当接するまで引き込む。その後、所定時間待ってパドル160はホームポジションで停止し、次のシートの排出に備える。 【0067】 次に、出没トレイ170についてd視図である図7と共に説明する。 【0068】 出没トレイ170は、束排出下ローラ180aの下に位置し、処理トレイ130の傾斜にほぼ従いながら、シート搬送方向(x方向)に進退する。出没トレイ170は、突出状態では先端がスタックトレイ200側へ重なり出ており(2点鎖線)、退避状態では先端が束排出ローラ対より右側に退避する(実線)。突出状態での先端位置に対し、処理トレイ130へ排出されたシートPの重心が越えない様に設定されている。 【0069】 出没トレイ170は、フレーム171に固定されたレール172に支持されており、シート排出方向に移動可能となっている。また、回転リンク173は軸174を中心に回転し、出没トレイ170の下面に設けられた溝に係合されるため、回転リンクの1回転で出没トレイ170は上記のごとく進退するものである。 【0070】 なお、回転リンク173の駆動は、不図示の駆動機構を介してモータM170によって行われる。そして、出没トレイ170のホームポジションは、退避位置(実線)に設定され、その位置は、不図示のセンサにて検出される。 【0071】 次に、スタックトレイ200とサンプルトレイ201について図8、図9を用いて説明する。 【0072】 2つあるトレイは、状況により使い分けられ、下方にあるスタックトレイ200は、コピー出力、プリンタ出力等を受け取る時に選択され、上方にあるサンプルトレイ201は、サンプル出力、割り込み出力、スタックトレイオーバーフロー時の出力、ファンクション仕分け出力、ジョブ混載時出力、等を受け取る時に選択されることになる。 【0073】 この2つのトレイは、両方とも独立して上下方向に自走可能なようにそれぞれモータ202を持ち、シート処理装置と処理装置1のフレーム250に上下方向に取り付けられたコロ受けを兼ねるラック210に取り付くようになっている。また、規制部材215により、トレイの手前・奥方向のガタを規制しているトレイの構成は、トレイベースプレート211にステッピングモータ202が取り付けられ、モータ軸上に圧入されているプーリは、タイミングベルト212によってプーリ203に駆動が伝わる。 【0074】 プーリ203に平行ピンで継がる軸213は、同じく平行ピンで軸213に継がるラチェット205に駆動を伝え、アイドラギア204にばね206で付勢させている。ギア205は、アイドラギア204とつながり駆動を伝え、アイドラギア204はギア207につながり、それは、トレイを手前奥両方でラック210に駆動が伝えられるように、軸208を介してもう1つ取り付いており、ギア209を介してラック210を移動できるようになっており、トレイの固定は片側2コあるコロ214がラックを兼ねるコロ受け210の納まっている。また、各トレイは、ベースプレート211の上に取りついてトレイユニットを構成している。 【0075】 また、トレイ降下時に異物を挟んでトレイ駆動系が破損しないように、トレイが持ち上がる方向にのみ上記ラチェット205はばね206を押しのけ空まわりするようになっている。この空まりが行われる時、すぐモータの駆動を停止させるためのセンサS201が、アイドラギアに組み込まれたスリットを検知させている。このセンサは、通常時には、脱調検知としても使用している。また、閉口部をもつ処理トレイ130部を上下に横断可能なように、揺動ガイド150が閉位置の時トレイの積載壁の一部になっており、閉位置をセンサが検知(図示せず)している時のみ移動可能にしている。 【0076】 次に、センサS202は、エリア検知用センサであり、トレイの上昇しすぎを止める上限センサ203aから処理トレイシート面検知センサS205までのエリアのフラグを検知する。サンプルトレイ1000枚位置検知用のセンサS203bは、ノンソート用紙面検知センサS204からシート1000枚相当の位置に配置され、サンプルトレイ201の積載量を高さで制限させるためのものである。 【0077】 また、S203cは、サンプルトレイ201が処理トレイ130よりシートを受け取る時の積載量を高さで制限するためのもので、やはり紙面検知センサS205より1000枚相当の位置に配置してある。S203dは、スタックトレイ200が処理トレイ130よりシートを受け取る時の積載量を高さで制限するためのもので、紙面検知センサS205より2000枚相当の位置に配置してある。S203eは、スタックトレイ200の下がりすぎを防止する下限センサである。上記センサのうち、紙面検知センサS204,S205のみ手前奥の透過センサである。また、各トレイには、シート有無検知用センサ206が配置されている。 【0078】 また、紙面を検知する方法として、各紙面検知センサの下方から紙面検知センサをおおうまで上げた状態がイニシャルで、シート積載後に紙面検知センサ光軸が現れるまで降下させ、その後再び紙面検知センサ光軸おおうまで上昇させることを繰り返す。 【0079】 次に、パンチユニット(シート穿孔装置)50について説明する。 【0080】 パンチユニット50は、穿孔手段60と横レジ検知手段(検知手段)80を有している。穿孔手段60には、パンチ(穿孔部)61とダイス(穿孔部)62がそれぞれケーシング63に軸支され、それぞれのギヤ64、65が噛み合い、パンチ駆動モータ66の駆動により、矢印B、C方向に同期して回転可能となっている。通常は、図10のホームポジション(H.P.)位置にある。前記シート検知センサー31がシート後端を検知した後、所定タイミングでパンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダイス62は矢印B,C方向に回転し、図11のようにパンチ61がダイス62に設けられたダイス穴62aに噛み合い、搬送中のシートに穿孔する。 【0081】 この際、パンチ61とダイス62の回転速度を前記搬送ローラ対3の回転速度と同一にすることで、搬送中のシートに穿孔することが可能となる。67は、穿孔手段60をシートの搬送方向Aと直角に移動するためのガイド部、68は、ガイド部67と当接し回転するコロで、コロ軸69によりケーシング63にカシメられている。 【0082】 63aは、ケーシング63の一部に形成されたラックギヤで、不図示の穿孔手段移動モータ(移動手段)に設けられたピニオンギヤ70と噛み合っている。71は、シートの搬送方向Aと平行に設けられた受光部71aを持つ穿孔手段イニシャル位置検知センサーで、ケーシング63に取り付けられている。 【0083】 このため、穿孔手段移動モータの駆動により穿孔手段60はシートの搬送方向Aと直角の矢印D,E方向に移動可能となる。穿孔手段イニシャル位置検知センサー71を矢印E方向に移動することにより、本体1に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52を受光部71aによって検知できる。ここで、穿孔手段イニシャル位置は、斜行や横レジのズレ量に相当するシート基準位置の数mm手前とする。 【0084】 横レジ検知手段80は、穿孔手段60に取り付けられている。横レジ検知手段80には、シートの搬送方向Aと平行に設けられた受光部81aを持ち、シートの搬送方向Aと平行な端部である側端部を検知する横レジ検知センサー81が、センサーアーム82の先端に取り付けられている。 【0085】 センサーアーム82は、その一部にラックギヤ82aが形成されており、ケーシング63に取り付けられている不図示の横レジ移動モータに設けられたピニオンギヤ83と噛み合っている。また、センサーアーム82の後端には受光部81aと平行に設けられた受光部84aを持つ横レジイニシャル位置検知センサー84が取り付けられている。 【0086】 このため、横レジ移動モータの駆動により横レジ検知センサー81、横レジイニシャル位置検知センサー84はシートの搬送方向Aと直角の矢印D,E方向に移動可能となる。横レジイニシャル位置検知センサー84を矢印E方向に移動することにより、ケーシング63に設けられた横レジイニシャル位置規定部63bを受光部84aによって検知できる。また、横レジ検知センサー81を矢印D方向に移動することで、選択されたシートサイズに対応する位置に横レジ検知センサー81をセットできる。 【0087】 ここで、シートの側端部を検知する際は、前記シート検知センサー31がシート先端を検知した後、所定タイミングで穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60および横レジ検知センサー81を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサー81の受光部81aがシートの側端部によって遮られるとシート端部と検知し停止する。このため、穿孔位置をシート端部にそろえることが可能となる。 【0088】 次に、シートPの流れについて説明する。 【0089】 ユーザが、画像形成装置本体の操作部(図示略)で、ノンソートモードを指定したいとき、図15に示すように、入り口ローラ対2、搬送ローラ3、搬送大ローラ5は回転し、画像形成装置本体300から搬送されてくるシートPを搬送する。FLAP11は、図に示す位置にソレノイド(図示略)の働きにより回動し、シートPをノンソートパス21に搬送する。センサ33でシートPの後端を検知したら、ローラ9は、積載に適した速度で回転し、サンプルトレイ200にシートPを排出する。 【0090】 次に、ユーザがステイプルソートモードを指定したときの動作を説明する。 【0091】 図16に示すように、入り口ローラ対2、搬送ローラ3、搬送大ローラ5は回転し、画像形成装置本体300から搬送されていくるシートPを搬送する。フラッパ10,11は、図の位置で停止している。シートPは、ソートパス22通り、排出ローラ7によりステイプラ101に排出される。このとき、出没トレイ170は、突出位置にあるため、排出ローラ7でシートPを排出した先に、先端垂れ下がり、戻り不良になるのを防止すると共に、処理トレイ上のシートの整列性を高めている。 【0092】 排出されたシートPは、自重で後端ストッパ131へ移動し始め、加えてホームポジション停止していたパドル160は、モータM160の駆動を受けて反時計方向に回動し、前記シートの移動を助長する。シートPの後端が、ストッパ131に確実に当接し停止するときと、パドル160の回転も停止され、整合部材が排出されたシートを整合する。シートPの整合動作については後述する。 【0093】 1部目のシートが全て処理トレイ130上に排出され、整合されたら、図17に示すように揺動ガイド150は降りてきて、ローラ180bがシート束の上に乗り、ステイプラ101は、シート束をステイプルする。 【0094】 一方、その間に、画像形成装置本体300から排出されてきたシートP1は、図17に示すように、フラッパ10の回動により搬送大ローラ5に巻き付けられ、センサ32から所定距離進んだところで停止する。次のシートP2が紙検知センサー31から所定距離進んだら、図18に示すように、搬送大ローラ5は回転し、1枚目のシートP1より2枚目のシートP2の方が所定距離先行するように重ね合わせ、図19に示すように搬送大ローラ5に巻き付け、所定距離で停止する。一方、処理トレイ130上のシート束は、図19に示すように、スタックトレイ200上に束排出される。 【0095】 但し、この時、出没トレイ170は、シート束をスタックトレイ200に落下させるために、シート束が束排紙ローラを抜ける前に、ホームポジションへ移動する。図20に示すように、3枚目のシートP3が所定位に到達したら、搬送大ローラ5は回転し、シートP3を所定距離ずらして重ね合わせ、フラッパ10は回動して3枚のシートPをソートパス22に搬送する。 【0096】 図21に示すように、揺動ガイド150は降りたまま、ローラ180a,180bで3枚のシートPを受け取り図22に示すようにシートPの後端がローラ7を抜けたらローラ180a,180bは逆転し、後端がストッパ131に当接する前に、図23に示すように、揺動ガイドは上昇しローラ8は、シート面から離れる。4枚目以降のシートPは、1部目の動作と同様ソートパスを通って、処理トレイ上に排出される。3部目以降は、2部目と同じ動作をし設定部数分スタックトレイ200に積載し終了する。 【0097】 上記複数枚のシートを重ね搬送において、各シートPは搬送方向にオフセットされており、シートP2はシートP1に対し下流にオフセットし、シートP3はシートP2に対し下流にオフセットされている。 【0098】 シートPのオフセット量と揺動ガイド上昇タイミングは、束排出ローラの戻し速度によるシートの静定時間に関り、すなわち、画像形成装置本体300の処理能力によって決まり、本参考例においては、シートの搬送速度750mm/s、オフセット量(b=20mm)位、束排出ローラ戻し速度500mm/sにおいて、束排出ローラの離間位置は、シートP1がストッパに当接する40mm以下位前に(aの値)に到達したタイミングに設定している。 【0099】 次に、ソートモードの説明を行なう。 【0100】 ユーザーは、原稿をRDF500にセットし、図示しない操作部上でソートモードを指定し、スタートキー(図示せず)をONする。入り口ローラ2、搬送ローラ3は、ステイプルソートモードと同様に図24のように回転し、処理トレイ130上に積載する。整合手段140は、処理トレイ130上のシートPを整合しながら、処理トレイ上に少数枚を積載した後、図25に示すように、揺動ガイド150が降りてきて、少数枚のシート束を束搬送する。 【0101】 次に、送られてきたシートPは、フラッパ10の上を通り、大ローラ5にステイプルソートモードで述べた動作と同様に巻きつけられ、束排出終了後の処理トレイ130に排出される。束排出する少数枚束の枚数は、実験により20枚以下が望ましい。この枚数については、 原稿枚数≧束排出する枚数≦20枚 を満足する枚数になるようにする。よって、プログラムを組むときに束排出する枚数を5枚と設定したら、原稿枚数が4枚の時は4枚づつ束排出する。原稿枚数が5枚以上の場合、たとえば14枚だった場合、5枚+5枚+4枚に分けてそれぞれ整合し、束排出する。 【0102】 1部目の束排出がすべて終了したら、手前整合壁141は奥整合壁142とともに移動し、2部目の整合位置を1部目の整合位置に対してオフセットさせる。この動作の詳細については後述する。 【0103】 2部目は、オフセットした位置で整合され、1部目と同様に少数枚づつ束排出される。2部目が終了したら、手前整合壁141と奥整合壁142は1部目を整合した位置に戻り、3部目を整合する。このようにして、図26のように、束どうしをずらしながらすべての設定部数を終了させる。 【0104】 ここで、整合動作の説明をする。 【0105】 先ず、処理トレイ130上に1枚もシートが無い場合、つまりはそのジョブの最初のシートP(3枚)が排出される際には、ホームポジションで待機していた手前及び奥整合部材141,142は、事前に各々排出されるシートの幅に対し、若干逃げた位置PS11,PS21へ移動する(図27)。 【0106】 前述の様に、3枚のシートが後端を後端ストッパ131、下面を整合部材の支持面141c142cで支持されると、整合部材141、142は、PS12、PS22へ移動すると共に、シートを第1整合位置190へ移動させ、整合する(図28)。その後、整合部材141は、次に排出されるシートに備えてPS11へ移動・待機し、シート排出が完了すると再びPS12へ移動し、シートを第1整合位置190で整合する。 【0107】 この時、奥整合部材142は、PS22で停止し続け、基準としての役割をはたす。以上の動作が、その束の最終シートまで続けられる。上記の如く整合動作されるため、図29に示す様な移動中のシート端部が、支持面142cの端部に衝突し座屈する様なことはない。 【0108】 整合が完了した1部目のシート束は、必要に応じてステイプルされ、前述の如く束排出されて、スタックトレイ200へ移送される。 【0109】 続いて、2部目のシート(3枚)が処理トレイへ排出されるが、この時、整合部材141、142は、1部目同様にPS11、PS12で待機するが(図27)、整合位置は第2整合位置191へ移る。第2整合位置191は、第1整合位置190に対し、所定量L奥に位置する(図30) 以降、シート束毎に整合位置を変えながらスタックトレイ200上に束積載が行なわれ、オフセット量Lの仕分け積載が可能となる。 【0110】 上記オフセット量Lは、ソートモード、ステイプルモードで変化させても良い。例えば、ステイプルモード時は、積載後、隣り合った束の針同士の重なりが防げる量L(約15mm)とし、ソートモードでは、束識別の視認性が向上されるL2(約20〜30mm)とする事で、ステイプルモード時の整合移動距離が短縮され、処理速度の向上が図れるものである。 【0111】 ステイプルモード時には、ステイプラ101は、整合されたシートに対し所望のクリンチ位置で予め待機しており、束の最終シートPの排出が完了すると、ステイプルするものである。なお、シート束の整合位置は、束毎にオフセット量Lだけ変化するが、それに応じてステイプラも移動する。 【0112】 また、ステイプラ101が、綴じモード(手前斜め綴じ、奥斜め綴じ2ケ所綴じ)に応じて、向き換え移動する構成については、前述の通りである。しかしながら、前記構成においては、同一のステイプル姿勢(水平及び傾斜状態)を維持できる範囲にも限りがあり、更に、ステイプルを行なうシート幅は多数存在するため、上記異なる綴じモードに対し、同一の整合位置ではステイプルできない場合があるため、各綴じモードに応じて上記の第1及び第2整合位置を変えても良い。 【0113】 図31は2ケ所綴じモード、図32は奥斜め綴じモード、図33は手前斜め綴じモードの整合位置を示し、2点鎖線が第1整合位置、実線が第2整合位置である。なお、この時排出位置より手前に整合位置がある場合は、奥整合部材142が基準となる手前整合部材141側へシートを移送し、排出位置より奥側に整合位置がある場合は、前記説明の通りである。 【0114】 この様に、綴じモードによって整合位置を切り換える事で、ステイプラ101に対応した位置へシートを移動できる様になる。 【0115】 次に、スタックトレイ200、サンプルトレイ201の動きについて説明する(図8、図9)。各トレイは、通常、動作開始前は各紙面検知センサ位置で待機している。 【0116】 上記説明で、コピー、もしくはプリンタ出力を通常積載するのがスタックトレイ200であり、上述したステイプラ101等による処理されたものや、未綴じで少数枚づつ排出される束を受け取ることができ、最大で2000枚相当分の積載が可能であり、それをセンサ203dで検知している。 【0117】 この際、コピーのプリンタの出力がまだ続く時は、スタックトレイ200はセンサS203dより1000枚相当分位置を下降させる(S203d′の位置)。つづいて、サンプルトレイ201を処理トレイ用の紙面紙面検知S205まで下降させて、再びシートの受け取りを始める。この時、サンプルトレイ201は最大で1000枚相当分の積載が可能で、センサ203cでそれを検知している。 【0118】 次に、2000枚相当以下のジョブ終了後、スタックトレイ200上のシートを取り除かないで、次のジョブを始める時や、現状のジョブ中に割り込みをする時等は、処理操作はできないが、サンプルトレイ201を用いてノンソート排出パス21より積載することが可能である。 【0119】 通常状態により、ノンソート排出パス21を用いて、サンプルトレイ201に出力されるモードとしては、1部のみ処理なしでサンプル用出力をする時や、ファンクション仕分けでサンプルトレイ出力が設定されている時などである。 【0120】 次に、パンチモードの説明を、図34に示すフローチャートにしたがってパンチユニット50の動作シーケンスを中心に行う。 【0121】 S1において、装置の電源がオンされると、S2において、穿孔手段移動モータが駆動し、穿孔手段60を矢印E方向(図13)に移動することにより、穿孔手段イニシャル位置検知センサー71の受光部71aが本体1に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52によって遮られ、イニシャル位置を検知して停止する。 【0122】 同様に、横レジ移動モータも駆動し、センサーアーム82を矢印E方向に移動することにより、横レジイニシャル位置検知センサー84の受光部84aがケーシング63に設けられた横レジイニシャル位置規定部63bによって遮られ、イニシャル位置を検知して停止する。ここで、入力待ち状態となる(S3)。 【0123】 次に、操作者が、画像形成装置本体300の不図示のパンチ使用の選択ボタンを選択して、不図示のスタートボタンを押すことにより(S4)、画像形成装置本体300において、シートの搬送が開始され、画像形成が行なわれる(S6)。 【0124】 これと同時に、横レジ移動モータが駆動し、センサーアーム82を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサー81を選択されたシートサイズに対応する位置まで移動する(S5)。 【0125】 その後、画像形成されたシートがフィニッシャー1内に搬送され、シートの先端がシート検知センサー31を通過すると、シート検知センサー31がシートの先端を検知して、所定タイミング後に穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60および横レジ検知センサー81を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサー81の受光部81aが、シートの側端部によって遮られると、シート側端部と検知し停止する(S8)。 【0126】 その後、シートの後端が、シート検知センサー31を通過すると、シート検知センサー31がシートの後端を検知して(S9)、所定タイミング後に、パンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダイス62は、矢印B,C方向に回転し、パンチ61がダイス62に設けられたダイス穴62aに噛み合い、搬送中のシートに穿孔する(S10)。その後は、前述の各排出処理モードに応じてシートを排出して終了する。 【0127】 以上のように、シートサイズに対応した位置にある横レジ検知センサー81と穿孔手段60を矢印D方向に移動して、シート側端部を検知した位置で停止し穿孔するため、穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。また、横レジ検知手段80が穿孔手段60に取り付けられているため、連続して搬送される同一サイズのシートの側端部を検出して穿孔する際に、穿孔手段移動モータのみの駆動で、穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。このため、装置を省電力化できる。 【0128】 〈第1の実施の形態〉 図35、図36は、本発明の第1の実施の形態に係るシート穿孔装置を備えたフィニッシャー1の一部を示すパンチャーの横レジセンサ移動機構の図である。 【0129】 前述の参考例と同一の部材等には同一符号を付すと共に、その説明を省略する。 【0130】 パンチユニット(シート穿孔装置)50は、穿孔手段60と横レジ検知手段(検知手段)80を有している。横レジ検知手段80は、穿孔手段60の上流側に所定距離をおいて配置されている。 【0131】 横レジ移動モータのピニオン(駆動手段)83の駆動により横レジイニシャル位置検知センサ84を矢印E方向に移動することで、ケーシング63に設けられた横レジイニシャル位置規定部63bを受光部84aによって検知できる。また、横レジ検知センサ81を矢印D方向に移動することで、シートの側端部位置が受光部81aによって検知できる。 【0132】 ここで、シートの側端部を検知する際は、前記紙検知センサ31がシート先端を検知した後、所定タイミングで横レジ移動モータを駆動し、横レジ検知センサ81を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサ81の受光部81aがシートの側端部によって遮られるとシート端部と検知し停止する。 【0133】 ここで得られたシート端部の位置情報により、穿孔手段60を矢印D方向に移動して穿孔するため、穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。 【0134】 以下、図37に示すフローチャートにしたがってパンチユニット50の動作シーケンスを説明する。 【0135】 S1において、装置の電源がオンされると、S2において、穿孔手段移動モータが駆動し、穿孔手段60を矢印E方向に移動することにより、穿孔手段イニシャル位置検知センサ71の受光部71aがフィニッシャー1に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52によって遮られイニシャル位置を検知して停止する。同様に、横レジ移動モータも駆動し、センサアーム82を矢印E方向に移動することにより、横レジイニシャル位置検知センサ84の受光部84aがケーシング63に設けられた横レジイニシャル位置規定部63bによって遮られイニシャル位置を検知して停止する。ここで入力待ち状態となる(S3)。 【0136】 次に、操作者が、画像形成装置300の不図示のパンチ使用の選択ボタンを選択して、不図示のスタートポタンを押すことにより(S4)、画像形成装置300において、シートの搬送が開始され、画像形成が行なわれる(S6)。これと同時に横レジ移動モータが駆動し、センサアーム82を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサ81を選択されたシートサイズの端部近傍(斜行や横レジのズレ量に相当するシートサイズの数mm手前)まで移動し、シートの側端部を検知する際の移動量を少なくする(S21)。 【0137】 その後、画像形成されたシートがフィニッシャー1内に搬送され、シートの先端が紙検知センサ31を通過すると、紙検知センサ31がシートの先端を検知して(S7)、所定タイミング後に横レジ移動モータを駆動し、横レジ検知センサ81を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサ81の受光部81aがシートの側端部によって遮られるとシート側端部と検知し停止する(S22)。 【0138】 これにより、搬送中のシートの位置がわかるためシートの横レジズレ量を計算し(S23)、穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60を矢印D方向に横レジズレ量相当位置まで移動する(S24)。その後、シートの後端が紙検知センサ31を通過すると、紙検知センサ31がシートの後端を検知して(S9)、所定タイミング後にパンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダイス62は矢印B、C方向に回転し、パンチ61がダイス62に設けられたダイス穴62aに噛み合い、搬送中のシートに穿孔する(S1O)。 【0139】 また、ここでは、シート後端部に穿孔しているが、横レジ検知手段80を穿孔手段60の上流側に所定距離をおいて配置しているため、前記紙検知センサ31がシート先端を検知した後、所定タイミングでパンチ駆動モータ66を駆動することにより、同様の構成においてシート先端部に穿孔することが可能である。その際のパンチユニット50の動作シーケンスを以下に図38に示すフローチャートにしたがって説明する。 【0140】 S1において、装置の電源がオンされると、S2において、穿孔手段移動モータが駆動し、穿孔手段60を矢印E方向に移動することにより、穿孔手段イニシャル位置検知センサ71の受光部71aがフィニッシャー1に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52によって遮られイニシャル位置を検知して停止する。同様に、横レジ移動モータも駆動し、センサアーム82を矢印E方向に移動することにより、横レジイニシャル位置検知センサ84の受光部84aがケーシング63に設けられた横レジイニシャル位置規定部63bによって遮られ、イニシャル位置を検知して停止する。ここで入力待ち状態となる(S3)。 【0141】 次に、操作者が、画像形成装置300の不図示のパンチ使用の選択ボタンを選択して、不図示のスタートボタンを押すことにより(S4)、画像形成装置300において、シートの搬送が開始され、画像形成が行なわれる(S6)。これと同時に横レジ移動モータが駆動し、センサアーム82を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサ81を選択されたシートサイズの端部近傍(斜行や横レジのズレ量に相当するシートサイズの数mm手前)まで移動し、シートの側端部を検知する際の移動量を少なくする(S21)。 【0142】 その後、画像形成されたシートがフィニッシャー1内に搬送され、シートの先端が紙検知センサ31を通過すると、紙検知センサ31がシートの先端を検知して(S7)、所定タイミング後に横レジ移動モータを駆動し、横レジ検知センサ81を矢印D方向に移動し、横レジ検知センサ81の受光部81aがシートの側端部によって遮られるとシート側端部と検知し停止する(S22)。 【0143】 これにより、搬送中のシートの位置がわかるため、シートの横レジズレ量を計算し(S23)、穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60を矢印D方向に横レジズレ量相当位置まで移動する(S24)。その後、紙検知センサ31がシートの先端を検知してから所定タイミング後にパンチ駆動モータ66を馬区動することにより、パンチ61とダイス62は矢印B,C方向に回転し、パンチ61がダイス62に設けられたダイス穴62aに噛み合い、搬送中のシートに穿孔する(S10)。 【0144】 以上のように、横レジ検知センサ81を用いて得られたシート側端部の位置情報により、穿孔手段60を矢印D方向に移動して穿孔するため、穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。また、横レジ検知手段80を穿孔手段60の上流側に所定距離をおいて配置しているため、シートの先端部でも後端部でも穿孔することが可能となる。 【0145】 〈第2の実施の形態〉 図39、図40は、本発明の第2の実施の形態に係るシート穿孔装置を備えたフィニッシャーの一部を示すパンチャー横レジセンサ移動機構の図である。 【0146】 前述の実施の形態と同一の部材等には同一符号を付すと共に、その説明を省略する。 【0147】 パンチユニット50は、穿孔手段60と横レジ検知手段80を有している。横レジ検知手段80は、穿孔手段60の上流側に所定距離をおいて配置されている。 【0148】 横レジ検知手段80には、CCDラインセンサであるCCD横レジ検知センサ85が、シートの搬送方向Aと直角に検知部として設けられている。 【0149】 このため、シートがCCD横レジ検知センサ85上を通過すると、シートの側端部位置が検知できる。また、シートの先端および後端も検知できる。 【0150】 ここで得られたシート側端部の位置情報により、穿孔手段60を矢印D方向に移動して穿孔するため、穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。 【0151】 また、穿孔手段60は、CCD横レジ検知センサ85がシート先端を検知した後、所定タイミングでパンチ駆動モータ66を駆動することにより、搬送中のシートに穿孔する。この際、パンチ61とダイス62の回転速度を前記搬送ローラ対3の回転速度と同一にすることで、搬送中のシートに穿孔することが可能となる。 【0152】 以下、図41に示すフローチャートにしたがってパンチユニット50の動作シーケンスを説明する。 【0153】 S1において、装置の電源がオンされると、S31において、穿孔手段移動モータが駆動し、穿孔手段60を失印E方向に移動することにより、穿孔手段イニシャル位置検知センサ71の受光部71aがフィニッシャー1に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52によって遮られイニシャル位置を検知して停止する。ここで入力待ち状態となる(S3)。 【0154】 次に、操作者が、画像形成装置300の不図示のパンチ使用の選択ボタンを選択して、不図示のスタートボタンを押すことにより(S4)、画像形成装置300において、シートの搬送が開始され、画像形成が行なわれる(S6)。その後、画像形成されたシートがフィニッシャー1内に搬送され、シートの先端がCCD横レジ検知センサ85を通過すると、CCD横レジ検知センサ85がシートの先端および側端を検知する(S32)。 【0155】 これにより、搬送中のシートの位置がわかるためシートの横レジズレ量を計算し(S23)、穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60を矢印D方向に横レジズレ量相当位置まで移動する(S24)。その後、所定タイミング後にパンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダイス62は矢印B、C方向に回転し、パンチ61がダイス62に設けられたダイス穴62aに噛み合い、搬送中のシートに穿孔する(S1O)。 【0156】 また、ここでは、シート先端部に穿孔しているが、横レジ検知手段80を穿孔手段60の上流側に所定距離をおいて配置しているため、CCD横レジ検知センサ85がシート後端を検知した後、所定タイミングでパンチ駆動モータ66を駆動することにより、同様の構成においてシート後端部に穿孔することが可能である。 【0157】 以上のように、CCD横レジ検知センサ85を用いて得られたシート端部の位置情報により、穿孔手段60を矢印D方向に移動して穿孔するため、穿孔位置をシート端部にそろえることが可能となる。しかも、CCD横レジ検知センサ85を用いることで、移動せずにシート端部を検知できるため装置の省電力化になる。 【0158】 さらには、CCD横レジ検知センサ85を用いることでシートの先端部および後端部の検出が可能のため、シートを穿孔する端部でのシート端部の位置情報が得られ、シートが斜行していた際に横レジズレ量を最小限にできる。そして、CCD横レジ検知センサ85を用いることで、シートの先端部および後端部の検出が可能のため、シート検知センサ31が不要となり部品点数の削減にもなる。また、横レジ検知手段80を穿孔手段60の上流側に所定距離をおいて配置しているため、シートの先端部でも後端部でも穿孔することが可能となる。 【0159】 〈第3の実施の形態〉 図42、図43、図44は、本発明の第3の実施の形態に係るシート穿孔装置を備えたフィニッシャーの一部を示すパンチャー横レジセンサ移動機構の図である。図45は、斜行したシートの端部位置を検出している際の説明図である。 【0160】 前述の実施の形態と同一の部材等には、同一符号を付すと共に、その説明を省略する。 【0161】 パンチユニット50は、穿孔手段60と横レジ検知手段80を有している。横レジ検知手段80は、穿孔手段60の上流側に近接して配置されている。 【0162】 横レジ検知手段80には、CCDラインセンサであるCCD横レジ検知センサ85が、シートの搬送方向Aと直角に検知部を設けられている。 【0163】 このため、シートがCCD横レジ検知センサ85上を通過すると、シートの側端部位置が検知できる。また、シートの先端および後端も検知できる。ここで、シートの側端部位置の検知をシート先端部が通過する際と、その所定タイミング後と2回行う。 【0164】 ここで得られた2回のシート側端部の位置情報である横レジ位置の差aと、シートの搬送速度から得られる搬送量bより、2回の検知位置の実際のシート側端部での長さcを計算する。さらに、シートサイズの情報より得られるシートの搬送方向の長さLに対応した横レジ位置の差xを計算して、穿孔手段60を矢印D方向に移動して穿孔するため、シートの後端部で穿孔する際の穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。 【0165】 また、穿孔手段60は、CCD横レジ検知センサ85がシート先端を検知した後、所定タイミングでパンチ駆動モータ66を駆動することにより、搬送中のシートに穿孔する。この際、パンチ61とダイス62の回転速度を前記搬送ローラ対3の回転速度と同一にすることで、搬送中のシートに穿孔することが可能となる。 【0166】 以下、図46に示すフローチャートにしたがってパンチユニット50の動作シーケンスを説明する。 【0167】 S1において、装置の電源がオンされると、S31において、穿孔手段移動モータが駆動し、穿孔手段60を矢印E方向に移動することにより、穿孔手段イニシャル位置検知センサ71の受光部71aがフィニッシャー1に設けられた穿孔手段イニシャル位置規定部52によって遮られ、イニシャル位置を検知して停止する。ここで入力待ち状態となる(S3)。 【0168】 次に、操作者が、画像形成装置300の不図示のパンチ使用の選択ボタンを選択して、不図示のスタートボタンを押すことにより(S4)、画像形成装置300において、シートの般送が開始され、画像形成が行なわれる(S6)。その後、画像形成されたシートがフィニッシャー1内に搬送され、シートの先端がCCD横レジ検知センサ85を通過すると、CCD横レジ検知センサ85がシートの先端および側端を検知する(S32)。その所定タイミング後、再びシートの側端を検知する(S41)。 【0169】 これにより、搬送中のシートの側端部位置がわかるため、横レジ位置の差aと、シートの搬送速度から得られる搬送量bから、シート後端での斜行量を加味した横レジズレ量を計算し(S42)、穿孔手段移動モータを駆動し、穿孔手段60を矢印D方向に横レジズレ量相当位置まで移動する(S24)。その後、所定タイミング後にパンチ駆動モータ66を駆動することにより、パンチ61とダイス62は矢印B,C方向に回転し、パンチ61がダイス62に設けられたダイス穴62aに噛み合い、搬送中のシートに穿孔する(S1O)。 【0170】 以上のように、CCD横レジ検知センサ85を用いて得られた2回のシート側端部の位置情報により、シート後端での斜行量を加味した横レジズレ量を計算し、穿孔手段60を矢印D方向に移動して穿孔するため、CCD横レジ検知センサ85の位置を穿孔手段60の上流側に近接させ省スペース化しても、シートが斜行していた際に横レジズレ量を最小限にできる。 【0171】 また、シートが斜行していなければ、穿孔位置をシート側端部にそろえることが可能となる。しかも、CCD横レジ検知センサ85を用いることで、移動せずにシート側端部を検知できるため装置の省電力化になる。そして、CCD横レジ検知センサ85を用いることで、シートの先端部および後端部の検出が可能のため、シート検知センサ31が不要となり、部品点数の削減にもなる。 【0172】 以上に記した各実施の形態において、シート穿孔装置を処理装置内に配置しているが、画像形成装置内に配置しても、シート穿孔装置単独でも同様の効果が得られる。また、以上に記した各実施の形態において、搬送中のシートに対して、穿孔を行っているが、短時間停止させて、穿孔を行っても構わない。 【0173】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、搬送されるシートの搬送方向と平行な一側端部を横レジ検知手段により検知し、このシート側端部位置情報に基づいて穿孔手段を穿孔位置に移動させたので、シートの穿孔位置をシートの一側端部に揃えることができ、また、シートを出力する装置が横ズレしてシートを搬送しても、横レジ検知手段によりこれを連続的に検知して穿孔手段を適正な穿孔位置に移動させるので、シート出力装置、例えば画像形成装置の処理速度(画像形成速度)を妨げることなく、シートを連続的に穿孔することができる。 【0174】 また、横レジ検知手段を穿孔手段に設けたことで、連続して搬送される同一サイズのシートを穿孔する際に、穿孔手段の移動手段の駆動のみで、穿孔位置をシート側端部に沿って揃えることができ、横レジ検知センサの駆動動作が省略されて、装置を省電力化できる。 【0175】 また、搬送されるシートの前端部もしくは後端部のうち、穿孔する側での搬送方向と平行な一側端部を横レジ検知手段により検知して、検知された側端部位置情報に基づいて穿孔手段の穿孔位置を移動させたので、シートの穿孔位置をシートの一側端部に揃えることができ、斜行しているシートに対しても、シート端に対する穴位置ズレを最小限に抑えて穿孔することができる。 【0176】 また、シートの搬送方向と平行な一側端部の複数箇所を横レジ検知手段により検知してシートの斜行量を検知し、シート側端部位置情報と斜行量とに基づいて、穿孔手段の穿孔位置を移動させるようにしたので、シート端に対する穴位置を揃えて穿孔することができると共に、斜行しているシートに対しても、シート端に対する穴位置ズレを最小限に抑えて穿孔することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の参考例に係るシート処理装置の全体構成を示す正面図。 【図2】 同じくステイプラと処理トレイ部の側面図。 【図3】 同じく図2のa視図でステイプラ移動機構の平面図。 【図4】 同じく図2のb視図でステイプラの背面図。 【図5】 同じく揺動ガイドと処理トレイの縦断側面図。 【図6】 同じく処理トレイ、整合壁移動機構の平面図。 【図7】 同じく出没トレイの平面図。 【図8】 同じくスタックトレイ移動機構の平面図。 【図9】 同じくスタックトレイまわりのセンサ配置図。 【図10】 同じくパンチユニットの側面図。 【図11】 同じくパンチユニットの側面図。 【図12】 同じくパンチユニットの平面図。 【図13】 同じくパンチユニットの横レジセンサ移動機構図。 【図14】 同じくパンチユニットの横レジセンサ移動機構図。 【図15】 同じくノンソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図16】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図17】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図18】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図19】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図20】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図21】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図22】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図23】 同じくステイプルソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図24】 同じくソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図25】 同じくソートモード時のシート処理装置の動作図。 【図26】 同じくソートモード時のシート束の積載図。 【図27】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの平面図。 【図28】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの平面図。 【図29】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの正面図。 【図30】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの平面図。 【図31】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの平面図。 【図32】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの平面図。 【図33】 同じくシート束の整合動作を示す処理トレイの平面図。 【図34】 同じくパンチモードのフローチャート。 【図35】 同じく本発明の第1の実施の形態に係るパンチユニットの横レジセンサ移動機構図。 【図36】 本発明の第1の実施の形態に係るパンチユニットの横レジセンサ移動機構図。 【図37】 第1の実施の形態のパンチモードのフローチャート。 【図38】 第1の実施の形態のパンチモードのフローチャート。 【図39】 本発明の第2の実施の形態に係るパンチユニットの横レジ検知センサの移動機構図。 【図40】 本発明の第2の実施の形態に係るパンチユニットの横レジ検知センサの移動機構図。 【図41】 第2の実施の形態のパンチモードのフローチャート。 【図42】 本発明の第3の実施の形態に係るパンチユニットの横レジ検知センサの移動機構図。 【図43】 本発明の第3の実施の形態に係るパンチユニットの横レジ検知センサの移動機構図。 【図44】 本発明の第3の実施の形態に係るパンチユニットの横レジ検知センサの移動機構図。 【図45】 同じく斜行したシートの複数箇所の側端部位置を検知する状態を示す平面図。 【図46】 同じく第3の実施の形態のパンチモードのフローチャート。 【図47】 本発明に係るシート処理装置が適用可能な画像形成装置の正面図。 【図48】 従来のシート処理装置の一例を示す縦断側面図。 【符号の説明】 P シート 1 フィニッシャー(シート処理装置) 5 搬送大ローラ(搬送手段) 31 紙検知センサー(シート有無検知用センサ) 60 穿孔手段 61 パンチ 62 ダイス 61,62 穿孔部 70 穿孔手段移動モータ(移動手段)のピニオン 80 横レジ検知手段 81 横レジ検知手段 85 CCD横レジ検知センサ(横レジ検知手段) 130 処理トレイ(第1の積載トレイ) 200 スタックトレイ(第2の積載トレイ) 300 画像形成装置本体 399 画像形成装置の排出ローラ対(排出手段) 902 画像形成手段 930 制御装置(制御手段) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-04-26 |
出願番号 | 特願平8-350599 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YA
(B65H)
P 1 652・ 16- YA (B65H) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 杉野 裕幸 |
特許庁審判長 |
鈴木 公子 |
特許庁審判官 |
溝渕 良一 宮崎 敏長 |
登録日 | 2002-10-25 |
登録番号 | 特許第3363725号(P3363725) |
権利者 | キヤノン株式会社 |
発明の名称 | シート穿孔装置、シート処理装置及び画像形成装置 |
代理人 | 近島 一夫 |
代理人 | 近島 一夫 |