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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 B26D |
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管理番号 | 1121084 |
異議申立番号 | 異議2003-72384 |
総通号数 | 69 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-03-07 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-09-24 |
確定日 | 2005-05-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3390219号「裁断刃研磨装置」の請求項1ないし3に係る発明の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3390219号の請求項1ないし3に係る発明の特許を維持する。 |
理由 |
第1.手続きの経緯 特許3390219号の請求項1ないし3に係る発明についての特許出願は、平成5年8月20日に出願され、平成15年1月17日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、請求項1ないし3に係る発明の特許について、申立人 ガーバー・テクノロジー・インコーポレイテッドより、特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年7月26日に訂正請求がなされたものである。 第2.訂正の適否 (1)訂正の内容 上記訂正請求の内容は、以下の通りである。 ○訂正事項1:設定登録時の願書に添付した明細書及び図面(以下、「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項1において、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を回動するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させ、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」を、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」と訂正する。 ○訂正事項2:本件明細書の特許請求の範囲の請求項2において、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させ、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」を、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」と訂正する。 ○訂正事項3:本件明細書の明細書【0011】段落において、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を回動するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させ、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」を、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」と訂正する。 ○訂正事項4:本件明細書の明細書【0012】段落において、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させ、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」を、 「前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 上記訂正事項1についてみると、その内の「回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し」の点は、発明の構成としての、「切換手段」に関し、前記ロック手段によって摺動環が拘止されたときの回動筒体の回動量を限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、「摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち」の点は、「接触させる状態を保つ」点を明確にするものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 上記訂正事項2は、上記訂正事項1と同様であり、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。 上記訂正事項3,4は、発明の詳細な説明の記載と、請求項1,2の記載との整合性をとるものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして、いずれの訂正事項も、願書に添付した明細書の記載の範囲内のものであるから新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)むすび したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 第3.特許異議の申立てについて (1)特許異議の申立ての概要 申立人は、甲第1号証乃至甲第4号証の2を提出し、請求項1ないし3に係る発明は、甲第1号証乃至甲第4号証の2に記載された発明であるから、上記各請求項に係る発明の特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであり、また、請求項1ないし3に係る発明は、少なくとも甲第1号証乃至甲第4号証の2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、上記各請求項に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、取り消されるべきであると主張している。 (2)本件発明 上記第2.(3)で述べたとおり、上記訂正が認められるから、本件特許の請求項1ないし3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)は、上記訂正請求による訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された、次のとおりのものである。 【請求項1】 裁断テーブル上に載置されたシート材料を、往復動させて裁断する裁断刃を研磨するための装置において、 前記裁断刃が挿通され、裁断刃を往復動可能に支持し、往復動方向に平行な軸を中心として回動されて裁断方向を変更可能な回動筒体と、 前記回動筒体内で、裁断刃に接触および離反可能に設けられる研磨手段と、 前記回動筒体の外周上に設けられ、回動筒体の回動方向に追随して回動可能な摺動環と、 前記回動筒体の半径方向外方に設けられ、前記摺動環を前記裁断テーブルに対して拘止可能なロック手段と、 前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段とを含むことを特徴とする裁断刃研磨装置。 【請求項2】 裁断テーブル上に載置されたシート材料を、往復動させて裁断する裁断刃を研磨するための装置において、 前記裁断刃が挿通され、裁断刃を往復動可能に支持し、往復動方向に平行な軸を中心として回動される回動筒体と、 前記回動筒体内で、裁断刃に接触および離反可能に設けられる研磨手段と、 前記回動筒体の外周上に設けられ、回動筒体の回動方向に摺動変位可能な摺動環と、 前記回動筒体の半径方向外方に設けられ、前記摺動環を拘止可能なロック手段と、 前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段とを含み、 前記研磨手段は、裁断刃の両側方に設けられ、 前記切換手段は、前記回動筒体の回動方向に従って、裁断刃に研磨手段を接触させる側方を切換えることを特徴とする裁断刃研磨装置。 【請求項3】 前記摺動環にはカム面が形成され、 前記切換手段は、カム面に沿って案内されるホロアと、一端側にホロアが設けられ、他端側に前記研磨手段が設けられる揺動腕とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の裁断刃研磨装置。 (3)引用刊行物 上記取消理由通知において引用された刊行物は以下の通りである。 刊行物1:米国特許第4,033,214号明細書(甲第1号証) 刊行物2:米国特許第4,294,047号明細書(甲第2号証の1) 刊行物3:特開昭56-102459号公報(甲第2号証の2) 刊行物4:米国特許第4,732,064号明細書(甲第3号証の1) 刊行物5:特開昭63-216660号公報(甲第3号証の2) 刊行物6:米国特許第4,841,822号明細書(甲第4号証の1) 刊行物7:特開昭62-297092号公報(甲第4号証の2) (4)刊行物に記載された発明 上記刊行物1ないし7には、下記の事項が記載されていると認められる。 (4-1) 刊行物1である米国特許第4,033,214号明細書には、特許異議申立書に添付された抄訳を参照すれば、以下のとおり記載されている。 「より詳細には、図7において概して符号210にて特定される刃研磨装置は裁断ヘッドの下部から垂下し、かかる構成より裁断刃を裁断作業のどの時点でも鋭利に使用可能な状態にする。刃研磨装置210は図11に示される一対の研磨ホイールであって裁断刃24の刃先の両側に近接し、かつ、刃先から若千スペースを設けて位置する研磨ホイールを有する。研磨作業中に研磨ホイール212,214は交互に裁断刃24に接触し、θ軸122を中心に刃研磨装置210全体と裁断刃24とを回転させることにより研磨ホイールは自身の回転軸を中心に回転駆動される。このように研磨ホイールを操作するのに遊星駆動列が採用されている。 図7および図10に最も明確に示すように、大型のリングギア220がブッシュ194に載置されブッシュ194および裁断刃24を支持するスリーブ142とに対し回転するが、研磨操作中、リングギアは通常、裁断刃と共に回転する。遊星ギア222はフランジプレート180のオフセットアーム224に回転自在に載置され、リングギア220の歯に係合する。遊星ギア222は回転駆動軸226上端部に固定され、2つの溝を有するプーリ228は回転駆動軸の中段に固定されギア222と回転する。弾性リングからなる駆動ベルト230が、プーリ228と図11に最も明確に示される支柱232により裁断刃24の近傍に支持される研磨ホイール214との間に渡されている。別の駆動ベルト(図示せず)がプーリ228の他の溝から図11に示す支柱234上に支持されるホイール212との間に渡されている。 両支柱232および234は支持ブロック236内で、駆動軸226の下端で回転自在に固定されている。支持ブロック236と駆動プーリ228間で一対のワッシャ238により摩擦結合が形成され、支持ブロックとプーリ間の摩擦力に関しては圧力スプリング240を支持ブロック236の下のナット242を手で調節することにより変えることができる。 刃研磨装置210はまた、ハウジング140から懸架するロックまたはプレーキ組立体250を含み、それは電動ソレノイド252とブレーキレバー254から構成されている。ブレーキレバー254はブラケット256を介してリングギア220の周表面に接近する位置に支持されている。ブレーキレバー254は回転自在にブラケット256に接続し、かつ、電動ソレノイド252の電機子に接続している。かかる構成により、図7に示すように電機子が電動ソレノイドのハウジングに引っ込むことによりブラケット上のブレーキレバーが時計方向に回転し、ブレーキレバーとリングギア220が制動または固定状態になる。そしてリングギア220はハウジング140および搭載プレート40に対し固定された状態となる。 ブレーキ組立体を作動させリングギア220を固定させることで、θ駆動モータ120による裁断刃24の回転に伴い遊星ギア222と駆動プーリ228と研磨ホイール212,214とが裁断刃と共にθ軸上で回転し、同時に研磨ホイールに回転運動を与える。また、駆動プーリ228と支持ブロック236との間に形成される摩擦結合が一方の研磨ホイールを偏向し、一側で裁断刃の刃先に接触する。刃に接触する精密な研磨ホイールは、θ軸122上でのモータ120による刃の回転方向と刃研磨装置210の回転駆動部とに依存する。例えば図11に示すように、時計方向に回転すれば212の研磨ホイールが裁断刃24に接触し、反時計回りに回転すれば214の研磨ホイールが裁断刃に接触する。研磨刃が回転するのと同時に研磨刃を往復運動させることにより研磨ホイールが刃先のほぼ全範囲をカバーすることができる。駆動モータ120による θ軸上での裁断刃の回転により研磨装置に動力が提供されるため、研磨作業は裁断刃がシート部材から引き離された状態で行われる。 研磨作業は裁断作業時に周期的な間隔をおいて行ってもよく、また裁断刃が横断し集められた裁断路が所定長を超えた時にいっ行なうようにしてもよい。研磨作業が終了すると駆動モータ120が再び加圧され裁断刃24のθ軸上122での回転が止み、ソレノイド252が再び加圧されてリングギア220を開放する。次にセンタリングスプリング260が支持ブロック236にて作動し、研磨ホイール212,214を裁断刃24の中心位置まで動かし刃先から離間させる。」(第6欄第49行目〜第8欄第4行目) 以上の記載によれば、刊行物1には以下の事項が記載されていると認められる。 「切断装置の切断刃の研磨器であって、リングギア220を固定させることでにより、θ駆動モータ120によるフランジプレート180の回転に伴い遊星ギア222と駆動プーリ228と研磨ホイール212,214とが裁断刃24と共にθ軸上で回転し、同時に駆動プーリ228と支持ブロック236との間の摩擦力によって研磨ホイールを偏向させて、裁断刃に接触させて研磨する研磨器。」 (4-2) 刊行物2である米国特許第4,294,047号明細書は、関連する日本国内出願が刊行物3として公開されているので、記載事項の摘記に関しては刊行物3の引用による。 (4-3) 刊行物3である特開昭56-102459号公報には、以下のとおり記載されている。 「図示の装置10は概略的に符号76,76で示す2組の研磨ホイールを具備し、各組のホイール76は対応するヨーク78上で回転可能に軸支された2個の研磨ホイール34,34を含む。ヨーク78,78は、スリーブ52上で半径方向に突出した部分に軸支されかつこの突出部分から懸垂された軸80に支持される。軸80の上方端部にキー止めされたピニオン82は、スリーブ52の下方端部で回転自在に支持されたリング歯車84に噛合係合する。軸に装着された駆動プーリ86,86は、研磨ホイール34,34を保持する軸に装着された対応するプーリ88,88に駆動ベルトにより連結される。リング歯車84と係合可能で、制御器24からの指令に応じて作動するソレノイド駆動ブレーキ90は、リング歯車のプラツトフオーム49に対する回動を阻止すべくリング歯車を固定するように作動する。」(公報第3頁右下欄第17行〜第4頁左上欄第13行) 「刃は、第3図に示す裁断領域から第2図に示す研麿領域へ上昇され、研磨領域内で往復運動させることによって、研磨される。研磨ホイ-ル34の少なくとも一つは、駆動モータ56を作動させることによって、刃と研磨係合するように偏倚され、その間に刃20は研磨領域内で往復運動をしている。ヨーク76の偏心的な装着による遠心力が研磨ホイール34,34の一方または他方を刃20の関連した側面に係含するように偏倚させる。ブレーキ90が作動されプラットフォーム49に対する固定位置にリング歯車84を固着し、リング歯車に対するスリーブ52の回転がビニオン82を介して軸80を回転させ、それ故に研磨ホイール34,34を刃20と係合状態で回転させる。第2図に図示する下方の研磨ホイール34は、刃20が研磨ストロークの下限から上限へ上方に移動するときに、先行裁断刃先28の対応する側面と研磨係合状態に維持される。刃20が研磨領域内のストロークの上限に接近して上限の方へ移動するとき、下方のホイール34は、刃20の先行刃先の下で、下方裁断刃先28と係合しながら第4図に図示する位置から第5図に図示する位置へ動かされる。更に詳しく云えば、刃20は研磨ストロークの下限から上限へ上方に移行するとき、下方研磨ホイール34の一面は先行裁断刃先26の対応する側面と研磨併合するように偏倚される。そして刃が研磨ストロークの上限に接近して上限へ移動するときに、ホイールの周辺部分が下方裁断刃先と研磨係合するように動かされる。刃20が研磨ホイール34に対して上限に図示されている第6図に示すように、刃が研磨ストロークの上限に達するとき、刃20の下方端部が研磨ホイール34と研磨係合することに注目されよう。かくして、下方研磨ホイール34と刃20の下方端部との係合が、下方のヨーク組立体の枢軸運動を効果的に制限する。本発明に基づいて、第2図に示す下方ヨーク組立体だけが下方裁断刃先30を研磨するのに使用される。 一方、上方ヨーク組立体は通常の方法で先行裁断刃先26の上方部分を研磨する作用をなす。刃20の反対側に位置する他方の研磨ホイール34,34は、刃20の回転方向及びθ軸のまわりの刃支持部分を逆転させることによって、刃と研磨係合するように動かされることは理解されよう。」(公報第4頁右上欄第10行〜右下欄第13行) 以上の記載によれば、刊行物3には以下の事項が記載されていると認められる。 「シート裁断装置の往復運動刃研磨装置であって、リング歯車84を固定することにより、駆動モータ56によってスリーブ52を回転させ、スリーブ52上のヨーク76の偏心的な装着による遠心力が研磨ホイール34を刃20の側面に係含するように偏倚させる往復運動刃研磨装置。」 (4-4) 刊行物4である米国特許第4,732,064号明細書は、関連する日本国内出願が刊行物5として公開されているので、記載事項の摘記に関しては刊行物5の引用による。 (4-5) 刊行物5である特開昭63-216660号公報には、以下のとおり記載されている。 「裁断機械10に用いられる改良されたブレード研磨装置は、第2図に示されるように一般的に74、74によって指示される2組の研磨輪を含む。研磨輪74の各組は、第4図最も良く示されるように、2個の研磨輪75、75を含む、各研磨輪75は、協働する軸76の端部に固着される。軸75は、ヨーク(yokes;くびき、棒)78上において水平の軸線α(第6図)の回りに回転するように軸受される。各研磨輪75は、第5図及び第6図に最も良く示されるように、ほぼ平らな研磨部分80及び環状の研磨部分82を有する。 くさび形のワッシャ84は、ほぼ平らなそして傾斜した取り付け面86及び反対側の平らな面88を有し、軸76の端部におけるフランジ86と研磨輪75の間に固定される。平らな面88は、フランジ86にもたれて配置される。研磨輪75は傾斜した取り付け面86にもたれて取り付けられ、第5図に最も良く示されるようにねじ90及び平坦なワッシャ92によって軸76の端部に固着される。第5図に示されるように、傾斜した取り付け面86は、平ら研磨部分80及び環状研磨部分82の対称の軸鎖βを、協働する軸線αに対して角度、典型的には2度と6度の間の角度をなすように位置決めする。軸線α及び軸線βの間の角度関係は、取り付けワッシャ84の平らな面88に対する傾斜した面86の傾斜によって制御され得る。 ヨーク78、78は、軸94上で回転するように軸線Oから偏心的に支持される。第2図に示されるように、軸94は、スリーブ52上の半径方向突出部96に軸受けされ該突出部から懸架される。ピニオン98が軸94の上端にキー止めされ、スリーブ52の下端において自由に回転するように支持される円形歯車100に噛み合わされる。第4図に示されるように、駆動プ-リ102、102が、軸94にキー止めされ、駆動ベルト103によって各軸76にキー止めされる協働するプ-リ104、104に連結される。ソレノイド作動ブレ-キ106が、円形歯車100に係合可能であり、コントローラ24からの信号に応答して作動し、プラットホ-ム40に対する円形歯車の回転を止める。 研磨サイクルの間、裁断ブレード20は、ソレノイド72及びレバ-70の作動により、第2図に示される研磨区域へ上昇され、そこで裁断ブレード20は、回転する偏心軸56及びモータ68の作動により、往復動される。O駆動モータ56は、コントローラ24によって作動され、スリーブ52及び裁断ブレード20を軸線Oの回りに回転する。コント口-ラ24は、ソレノイド作動ブレ-キ106を作動し、ピニオン98がスリーブ52の回転によって軸線Oの回りに円形歯車100内の軌道を回る間、円形歯車の回転を止める。ピニオン98が軌道を回ることによって、軸94並びにプーリl02、102及び104、104が回転され、協働する研磨輪75、75が回転される。ヨーク78、78の軸線Oの回りへの偏心的な取り付けのために、遠心力がヨークの軸線Oの回りの回転の方向に依存して一方又は他方の研磨輪75、75に働き、裁断ブレード20が研磨区域において往復動するとき、一方又は他方の研磨軸75、75を偏倚させ裁断ブレード20に研磨係合させる。 研磨輪7の傾斜した取り付けが、研磨サイクルの間、第5図においてAで指示される制限された研磨面の突出部と裁断ブレ-ド20の切刃の間の係合を確実にする。研磨輪の回転と裁断ブレ-ドの往復動が一緒になって研磨面の突出部Aと切刃に沿う異なる位置との間の無作為の係合を生じさせ、裁断ブレードの全切刃が、次に更に述べるように効果的に研磨される。 研磨サイクルの間、下方研磨輪75の研磨部分は裁断ブレード20の下方へ揺動することを許され、第6図に示されるように、裁断ブレード研磨ストロークの底部において下方切刃44の向かい合う面に係合する。突出部Aは、また突出部Aが各研磨輪の回転において最上部位置及び最下部位置へ達すると先導切刃42の下方部分の向かい合う面に係合する。突出部Aは、また第2図に示される裁断ブレード研磨ストロ-クの頂部において下方卸刃44に係合する。同様に、上方研麿輪75の突出部Aは、突出部Aが最上部位置及び最下部位置にあるとき先導切刃42の上方部分の向かい合う面に係合する。裁断ブレード20の反対側における他方の研磨輪75、75は、同様に取り付けられ、各研磨サイクルの間、軸線Oの回りの裁断ブレ-ド20の回転方向を逆にすることによって裁断ブレ-ドに研磨係合される。 研磨輪75、75が、対称の各軸線の回りに回転する方法で周期的に割り出しをされ、各研磨輪の全研磨面に沿って磨耗を分散できることが理解されよう。」(公報第5頁右上欄第19行〜第6頁左下欄第10行) 以上の記載によれば、刊行物5には以下の事項が記載されていると認められる。 「シート材料裁断機械の往復動裁断ブレードの切刃を研磨する装置であって、円形歯車100を固定することにより、O駆動モータ56による回転と、ヨーク78の軸線Oの回りへの偏心的な取り付けのために発生する遠心力が研磨輪75を裁断ブレード20に研磨係含する研磨装置。」 (4-6) 刊行物6である米国特許第4,841,822号明細書は、関連する日本国内出願が刊行物7として公開されているので、記載事項の摘記に関しては刊行物7の引用による。 (4-7) 刊行物7である特開昭62-297092号公報には、以下のとおり記載されている。 「第8図及び第9図について説明すると、研磨機構78は研磨ア-ム148を備えている、この研磨ア-ム148はハブ150に固着されていて、ツ-ルキャリッジの壁76に関して第1の垂直軸線152を中心に回動する。そのアーム148の外端部には研磨ホイール156が取り付けられていて、それはア-ム148に関して第2の垂直軸線154を中心に回転する。この研磨ホイール156は本体の端部と端部との中間に駆動用溝158が形成されている。またその本体の外表面には砥粒161が接着している。研磨ホイールは、モータ160により、プーリー162及びホイールの溝158に係合するO-リング駆動ベルトを介して駆動される。テンションスプリング166によって、アーム148は、通常は、第8図の一点鎖線で示すように後退位置に保持されて停止杆168に接触している。この位置から、アームは、第8図の実線に示すような、研磨作動位置にまで移動することができる。すなわち、図り実線の位置のところで研磨ホイ-ルはナイフ62と係合することになる。アーム148にこのような動きを与えるために、研磨機構78は、垂直軸線172を中心に回動する出力部材をもち垂直方向に延びたピン174を備えた回転電磁ソレノイドアクチュエータ170を有している。このアクチュエータ170の付勢を除くと、ビン174は内部スプリングによつて第8図の点線によって示される位置に変位させられる。ソレノイドアクチュエ-夕170が付勢されると、ピン174は、第8図に示すように、軸線172を中心に反時計方向に、点線の位置から実線の位置に回動する。この回動にあたって、ピン174はハブ150に固定された水平ピン176と係合し、その結果、研磨アーム148をその後退位置から作動位置へ回動する。 研磨サイクルのあいだは、ベースフレーム46をまずツールキャリッジに関して上昇させて非裁断位置にもって来ることによって、ガイド60から下方に突き出しているナイフの部分を研磨ホイール156の垂直レベルにもってくる。それから、ナイフを研磨するのに適切な角度位置にくるようにθ軸線を中心に回動する。そうすると、研磨ホイールは、そのアーム148が揺動することによって、ナイフと接触することになる、研磨作業中はナイフは往復運動している。その運動速度は、望ましくは、布地を裁断するときよりも小さくして、研磨ホイ-ルがナイフの鋭がらした部分148の全域にわたって係合して研ぐことができるようにしてやる。研磨ホイールの本体はほぼ円錐形を呈している。すなわち、その上端部は底部よりも直径が小さく、そして、研磨ホイールにナイフを押し付けるときにナイフが曲がるのに対処している。そして、研磨ホイールをこのようにほぼ円錐形にしたことによってそれと係合するナイフのその長さ方向にわたつてそれにほぼ均一の研磨効果を与えてやることができる。第9図に示す円錐角度αは教度のオーダーであるが、第9図ではこれを明確に示すために誇張して描いている。また、研磨ホイ-ル56の本体を円筒形にしてその軸線154をθ軸線59に関して傾斜させることによっても前の場合と同じ効果が得られる。 前の説明及び第8図から以下のことも理解されよう。すなわち、ナイフ62をθ軸線59を中心とする角度位置に設定することにより、研磨ホイール56はあるときはナイフの一方の側を研ぎ、またほかのときはナイフの他方の側を研ぐといった交互の研磨作用を行なって、第12図に示すような両刃エッジを形成することができる。すなわち、第8図に示すように、ある研磨サイクルにあってはナイフ62は一点鎖線に示す位直におかれ、別の研磨サイクルにあつてはナイフ62は実線に示す位置におかれる。また別の方法として、ナイフ62が研がれるときはいつもそのナイフはθ軸線を中心とする同一の角度位置に回動されて、ナイフの一方の側だけ研がれて、第15図で示すような鋭がったエッジが形成される。また、θ軸線を中心とするナイフの角度は、鋭がつたエッジの鋭利さを制御するために、変更することができる。すなわち、研磨された表面の角度はナイフの側面に一致する。例えば、繰り返し研磨した結果ナイフの幅が狭くなったときはナイフの鋭利さを変えてやることが望ましい。これは数値制御装置16の制御のもとで行うことができる。」(公報第15頁左下欄第12行〜第16頁左下欄第12行) 以上の記載によれば、刊行物7には以下の事項が記載されていると認められる。 「シート状材料を裁断するカーターヘッドの研磨機構であって、回転電磁ソレノイドアクチュエータ170によって研磨作動位置にまで移動するア-ム148に、モータ160により駆動される研磨ホイール156を取り付け、これにより、カーターヘッドのナイフを研磨する研磨機構。」 (5)対比・判断 上記刊行物1ないし7のいずれにも、本件発明1ないし3の構成に欠くことのできない事項である、「ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段」を備えることが記載も示唆もされていない。 そして、本件発明1ないし3は当該事項を備えることにより、回動筒体の角変位によって確実に研磨状態に移行し、研磨状態を保つことができ、摩擦力や遠心力を利用しないで研磨操作をすることができるものであり、これにより、「以上のように本発明によれば、裁断刃の回転方向にかかわらず、裁断刃に回動筒体内で研磨手段を接触させて、必要時のみ迅速に研磨することができる。研磨手段は回動筒体内で、裁断刃に近接して配置することができるので、研磨誤差を生じることなしに研磨時間を短縮し、生産性を向上することができる。また、研磨は必要時のみ行うので、砥石などの摩耗を少なくして耐久性を向上することができる。」という、明細書記載の格別顕著な作用効果を奏するものと認められる。 したがって、本件発明1ないし3は、上記刊行物1ないし7に記載の発明であるとすることができないばかりではなく、これらの発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとすることはできない。 (6)むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1ないし3についての特許は、拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めることができない。 また、他に本件請求項1ないし3に係る特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めるべき理由を発見しない。 したがって、本件請求項1ないし3に係る発明の特許を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 裁断刃研磨装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 裁断テーブル上に載置されたシート材料を、往復動させて裁断する裁断刃を研磨するための装置において、 前記裁断刃が挿通され、裁断刃を往復動可能に支持し、往復動方向に平行な軸を中心として回動されて裁断方向を変更可能な回動筒体と、 前記回動筒体内で、裁断刃に接触および離反可能に設けられる研磨手段と、 前記回動筒体の外周上に設けられ、回動筒体の回動方向に追随して回動可能な摺動環と、 前記回動筒体の半径方向外方に設けられ、前記摺動環を前記裁断テーブルに対して拘止可能なロック手段と、 前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段とを含むことを特徴とする裁断刃研磨装置。 【請求項2】 裁断テーブル上に載置されたシート材料を、往復動させて裁断する裁断刃を研磨するための装置において、 前記裁断刃が挿通され、裁断刃を往復動可能に支持し、往復動方向に平行な軸を中心として回動される回動筒体と、 前記回動筒体内で、裁断刃に接触および離反可能に設けられる研磨手段と、 前記回動筒体の外周上に設けられ、回動筒体の回動方向に摺動変位可能な摺動環と、 前記回動筒体の半径方向外方に設けられ、前記摺動環を拘止可能なロック手段と、 前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段とを含み、 前記研磨手段は、裁断刃の両側方に設けられ、 前記切換手段は、前記回動筒体の回動方向に従って、裁断刃に研磨手段を接触させる側方を切換えることを特徴とする裁断刃研磨装置。 【請求項3】 前記摺動環にはカム面が形成され、 前記切換手段は、カム面に沿って案内されるホロアと、一端側にホロアが設けられ、他端側に前記研磨手段が設けられる揺動腕とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の裁断刃研磨装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、シート材料を予めプログラムされた裁断パターンにしたがって連続的に裁断する裁断装置の裁断刃を研磨するための装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 典型的な第1の先行技術は、たとえば特公昭56-87595(特開昭52-87780)号公報に開示されている。この先行技術では、切断刃の切刃縁の両側に僅かに離間させて一対の回転研磨砥石を設け、これらの砥石を回転駆動しながら、刃先の向きを変える際の遠心力の作用によって各砥石を切断刃に押しあてるように構成されている。 【0003】 第2の他の先行技術として、特公昭58-5159(特開昭56-102459)号公報および特開昭63-21660号公報がある。 【0004】 第3の先行技術は、たとえば特公平4-33595(特開昭62-297092)号公報に開示されている。この先行技術では、円柱状の砥石を専用のモータによって回転駆動させ、この砥石の裁断刃への押しあては、ヘッドのケーシング上に設けられた研磨アームをロータリーソレノイドによって揺動するように構成されている。 【0005】 さらに第4の先行技術は、たとえば特開平3-86493号公報に開示されている。この先行技術では、裁断刃を挟む両側に直円柱状の砥石を設け、この砥石を高速回転させながら裁断刃に近接させ、裁断刃を上下動させて刃先を研磨するように構成されている。 【0006】 さらに第5の先行技術は、たとえば特開昭62-251098号公報に開示されている。この先行技術では、円形の砥石をヘッドケーシング上に設けたモータ・クラッチ機構によって回転させるとともに、回転方向に応じて摩擦張力によって前記砥石を切断刃に押しあてるように構成されている。 【0007】 さらに他の先行技術は、たとえば特開平5-57582号公報に開示されている。この先行技術では、一対の円形の砥石を相互に交差しないように配置し、研磨時には装置全体を裁断刃に近接させて刃先を研磨するように構成されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 上記第1の先行技術では、研磨装置がフットプレッサ上に設けられているけれども、砥石の裁断刃への押しあては、刃先の向きの回転によって発生する遠心力を利用するものであるため、研磨を必要としない場合であっても、裁断方向が変化する毎に遠心力が発生して、砥石が刃先に押しあてられてしまい、したがって裁断刃を不所望に多く研磨して砥石の寿命を著しく低下させてしまうとともに、騒音を生じるという問題を有する。 【0009】 また第2〜第5の先行技術では、裁断中に裁断刃を研磨する必要が生じた場合には、先ず裁断刃を上昇させて生地から抜取った後に、外設の砥石に裁断刃を押しあてるようにその裁断刃を回転させる必要があり、そのために時間がかかり、生産性が低下してしまう。また、砥石と裁断刃とが近接して配置されていないため、研磨誤差を発生させるという問題を有する。 【0010】 したがって本発明の目的は、砥石の摩耗を少なくして耐久性を向上し、研磨誤差を生じることなしに研磨時間を短縮して生産性を向上することができる裁断刃研磨装置を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】 本発明は、裁断テーブル上に載置されたシート材料を、往復動させて裁断する裁断刃を研磨するための装置において、 前記裁断刃が挿通され、裁断刃を往復動可能に支持し、往復動方向に平行な軸を中心として回動されて裁断方向を変更可能な回動筒体と、 前記回動筒体内で、裁断刃に接触および離反可能に設けられる研磨手段と、 前記回動筒体の外周上に設けられ、回動筒体の回動方向に追随して回動可能な摺動環と、 前記回動筒体の半径方向外方に設けられ、前記摺動環を前記裁断テーブルに対して拘止可能なロック手段と、 前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段とを含むことを特徴とする裁断刃研磨装置である。 【0012】 また本発明は、裁断テーブル上に載置されたシート材料を、往復動させて裁断する裁断刃を研磨するための装置において、 前記裁断刃が挿通され、裁断刃を往復動可能に支持し、往復動方向に平行な軸を中心として回動される回動筒体と、 前記回動筒体内で、裁断刃に接触および離反可能に設けられる研磨手段と、 前記回動筒体の外周上に設けられ、回動筒体の回動方向に摺動変位可能な摺動環と、 前記回動筒体の半径方向外方に設けられ、前記摺動環を拘止可能なロック手段と、 前記ロック手段によって摺動環が拘止されたとき、回動筒体を予め定める角度だけ角変位するように駆動し、摺動環と回動筒体との相対的な摺動変位によって前記研磨手段を裁断刃に接触させる状態を保ち、拘止されないとき、研磨手段を裁断刃から離反させる状態に保つ切換手段とを含み、 前記研磨手段は、裁断刃の両側方に設けられ、 前記切換手段は、前記回動筒体の回動方向に従って、裁断刃に研磨手段を接触させる側方を切換えることを特徴とする裁断刃研磨装置である。 【0013】 また本発明の前記摺動環にはカム面が形成され、 前記切換手段は、カム面に沿って案内されるホロアと、一端側にホロアが設けられ、他端側に前記研磨手段が設けられる揺動腕とを含むことを特徴とする。 【0014】 【作用】 本発明に従えば、研磨手段は回動筒体内に設けられる。ロック手段が摺動環を裁断テーブルに対して拘止すると、回動筒体が回動されるとき、摺動環は回動筒体に対して相対的に摺動変位する。裁断刃の刃先の向きにかかわらず、切換手段は、研磨手段を裁断刃に接触させ、裁断刃の研磨が行われる。摺動環がロック手段によって拘止されないときは、回動筒体が回動されても、摺動環は回動筒体に追随して回動するだけであり、研磨手段は裁断刃から離反した状態に保たれる。 【0015】 また本発明に従えば、裁断刃の両側方に研磨手段が設けられ、回動筒体の回動方向に沿って研磨する側方を切換えることができる。 【0016】 また本発明に従えば、切換手段には、両側にホロアおよび研磨手段が設けられる揺動腕が含まれる。ホロアを案内する摺動環のカム面や揺動腕の形状などによって、切換動作を容易に調整することができる。 【0017】 【実施例】 図1は、本発明の一実施例の裁断装置に備えられる裁断ヘッド1の基本的構成を示す簡略化した斜視図である。多数の剛毛ブラシ4によって構成される平坦な支持面5上には、衣服などの生地である複数のシート材料3が積重して載置される。これらのシート材料3を所定の形状に裁断するための裁断装置の裁断ヘッド1は、基本的に、裁断刃6と、裁断刃6を前記支持面5に垂直なZ軸方向に裁断刃振動用モータによって往復振動させるヘッドブロック9と、ヘッドブロック9をZ軸方向に昇降変位させる空気圧シリンダ11と、裁断刃6の刃先がシート材料3の表面7から予め定める間隔L1を有するように、前記空気圧シリンダ11をZ軸方向に移動させる移動手段13と、裁断刃6の周縁部で支持面5上に載置されたシート材料3を押さえる押さえ部材であるフットプレッサ14と、前記フットプレッサ14のZ軸方向の位置を検出する位置検出手段16と、この位置検出手段16からの出力に応答して、前記移動手段13を制御する制御手段17とを含む。 【0018】 前記ヘッドブロック9には、図示しないクランク機構が内蔵され、このクランク機構によって前記裁断刃6がZ軸に沿って往復振動される。Z軸を中心に裁断刃6を角変位させるためのR軸手段15も設けられ、予めプログラミングされた裁断方向に刃先を向けながら裁断動作を行うように構成される。このようなヘッドブロック9は、一対の平行な案内軸49a,49bに沿って前記空気圧シリンダ11によって裁断刃6とともに上下に変位駆動される。裁断開始位置あるいは大きな角度で裁断方向を変換する位置などにおいて、空気圧シリンダ11のピストン棒18が縮退して裁断刃6がシート材料3を突き刺す。裁断終了位置にくるとピストン棒18が伸長して裁断刃6がシート材料3から抜取られる。このようにして、裁断刃6がシート材料3から抜取られた状態の非裁断位置では、その裁断刃6の先端6aが前記予め定める間隔L1を有するように設定されている。空気圧シリンダ11は、摺動板10に固定される。ヘッドブロック9が下降するときの下限は、ストッパによって規定され、裁断刃6の裁断位置は固定される。 【0019】 前記移動手段13は、摺動板10に固定されたナット部材10aに螺合するねじ棒19と、ねじ棒19の上端部に固定されたプーリ20と、ねじ棒19を双方向A1,A2に回転駆動するためのZ軸リフトモータ21と、Z軸リフトモータ21の出力軸23に固定されるプーリ24と、各プーリ20,24間にわたって巻掛けられて張架されるタイミングベルト25と、前記ナット部材10aの上限位置と下限位置とを検出する一対のリミットスイッチ26a,26bとを有する。 【0020】 前記Z軸リフトモータ21は、フレーム12に取付けられ、たとえばステッピングモータが用いられる。また、前記ねじ棒19のリードは3mm/rev程度に選ばれる。また、各リミットスイッチ26a,26bは、上下に間隔L2=50mmをあけて配置され、前記Z軸リフトモータ21のパルスレートが1000パルス/secの場合、摺動板10を40mm/secで昇降変位駆動することができる。各リミットスイッチ26a,26bのいずれか一方のスイッチング態様が変化すると、制御手段17は停止信号を出力して前記Z軸リフトモータ21を停止させる。前記摺動板10は、裁断ヘッド1のフレーム12に形成された案内溝(図示せず)に沿ってZ軸方向に摺動自在である。 【0021】 フットプレッサ14は、案内軸14a,14bの下端に固定される。案内軸14a,14bの上端にはばねが設けられ、フットプレッサ14をZ軸上でシート材料3の表面7から離反する方向に付勢する。摺動板10に固定される空気圧シリンダ27と、空気圧シリンダ27のピストン棒28の先端部に固定される取付片29と、この取付片29の下端部に軸支されるローラ29aとは、フットプレッサ14をZ軸上で表面7側に押圧する。空気圧シリンダ27のピストン棒28のストロークL3は、たとえば20〜30mmに選ばれている。 【0022】 シート材料3の積層厚を検出するために、フットプレッサ14を用いることができる。空気圧シリンダ27を伸長させた状態から、Z軸リフトモータ21によって摺動板10を下降させる。下降中に、フットプレッサ14がシート材料3の表面7に当接したら前記Z軸リフトモータ21を停止する。このようなフットプレッサ14の当接状態は、位置検出手段16によって検出される。 【0023】 前記位置検出手段16は、フットプレッサ14に当接するローラ29aが軸支される取付片29から上方に立上がるラック33と、このラック33に噛合するピニオン34と、ピニオン34の回転量を検出するロータリエンコーダ35とを含んで構成される。ロータリエンコーダ35は、R軸本体15aに対して固定される。このようなロータリエンコーダ35のカウント値の変化が任意の設定値L4に達したら、前記Z軸リフトモータ21を停止する。前記ヘッドブロック9は、Z軸に沿って往復振動する出力軸50を有し、この出力軸50には前記裁断刃6が角変位および着脱自在に設けられる。裁断刃6は、大略的に直円筒状のR軸本体15aおよび作動リング51内を挿通する。作動リング51は、R軸本体15aの内周側に設けられモータ52からタイミングベルト52aを介して上部の歯車51aに回転力が伝達されることによって、Z軸まわりに矢符A1,A2方向に回動され、裁断刃6の刃先が裁断プログラムに従った裁断方向に向けられる。R軸本体15aは、摺動板10に固定される。前述の案内軸14a,14bの他端は、作動リング51内で保持される。 【0024】 作動リング51内には、裁断刃6を挟んで上下に各対を成す研磨ローラ53a,54a;53b,54bが設けられ、裁断時には、非接触状態である。前記作動リング51に同軸にかつ相互に回転自在に設けられる内歯歯車55によって各研磨ローラ53a,54a;53b,54bは回転駆動される。研磨時には、前記内歯歯車55の下方に同軸に設けられるカムリング57を外部から拘束する。作動リング51の回転方向に従って、一方対の研磨ローラ53a,54aまたは他方対の研磨ローラ53b,54bのいずれかが交互に裁断刃6に接触するように揺動される。前記内歯歯車55は、モータ58からタイミングベルト59を介する動力によって回転駆動される。 【0025】 空気圧シリンダ11を伸長させて裁断刃6が前記移動手段13によって設定される非裁断位置に引上げられたときは、各研磨ローラ53a,54a;53b,54bが刃先を研磨した後、刃幅検出手段60の作動ピン61を前進させて検出ピン62を押圧した後、退避させて、たとえば、移動量と押圧力の変化とから前記裁断刃6の刃先の摩耗量を計測することもできる。すなわち、検出ピン62が前進して刃先に接触すると押圧力が検出される。検出ピン62を退避させて、押圧力が消失するときが刃先の位置を示す。裁断刃6が摩耗すれば、刃先の位置が検出ピン62の前進側に変化する。 【0026】 図2〜図5は、裁断刃6の研磨に関連する構成を示す。図2は部分断面図、図3および図5は図2の切断面線III-IIIから見た断面図、図4は図2の右側から見た断面図であり、図5は一部を省略して研磨状態を示す。 【0027】 モータ58からの駆動力は、プーリ58aおよびタイミングベルト59を介して、内歯歯車55の外周側に伝達される。内歯歯車55の内周側に噛合する遊星歯車65の回転を各研磨ローラ53a,53b;54a,54bに伝達するのは回転伝達手段67であり、前記作動リング51の回転を係止し、かつその係止状態を解除するのはロック手段69である。 【0028】 作動リング51は、摺動板10に対して固定されるR軸本体15aに上下一対の軸受71,72を介して回転自在に軸支される。作動リング51の上方には原点カム56が取付けられる。原点カム56の周縁部に近接して、原点検出器73が設けられる。原点カム56の突起部が原点検出器73の位置にあるときを、裁断刃6の刃先の向きの基準とする。 【0029】 回転伝達手段67では、遊星歯車65は軸75aに固定される。この軸75aの近傍には、軸75aと平行にもう1つの軸75bが配置され、各軸75a,75bには、相互に噛合する歯車76a,76bがそれぞれ固定され、前記遊星歯車65の回転力を一方の歯車76aを介して他方の歯車76bに伝達し、この歯車76bが固定される軸75bに伝達される。一方の軸75aにはまた、軸線方向に間隔をあけて一対のプーリ77a,78aが固定される。他方の軸75bについても同様である。これらのプーリ対間には、揺動部材79a,79bの一端部が揺動自在に装着される。各揺動部材79a,79bの他端部には、軸80a,80bが挿通され、各軸80a,80bの各両端部には前記研磨ローラ53a,54a;53b,54bが回転自在に装着される。 【0030】 R軸本体15aには取付片81が固定され、取付片81には前記ロック手段69が設けられる。ロック手段69は、前記取付片81に固定される空気圧シリンダ82と、空気圧シリンダ82のピストン棒の先端部に固着される当接片83とを有し、この当接片83はカムリング57の歯付部57aの外周面に当接/離反して、カムリング57の回転を係止し、かつその係止状態を解除することができる。 【0031】 図5に示すように、カムリング57には、その内周面から半径方向外方に凸となるカム溝84a,84bと、当接部85の両側に周方向に延びる2つの透孔86a,86bとが形成される。前記カム溝84a,84bには、前記揺動部材79a,79bに一体的に形成されるホロア87a,87bが嵌まり込み、カム面に沿って案内される。各揺動部材79a,79bには、引張コイルばね88の両端部がそれぞれ係止され、研磨ローラ53a,54a;53b,54bが相互に近接する方向に付勢される。これによって各ホロア87a,87bが半径方向外方、すなわち各ホロア87a,87bが各カム溝84a,84bに臨んだときに、各カム面に弾発的に当接する方向にばね付勢される。 【0032】 前記裁断刃6は、作動リング51内に立設される案内部材89の案内溝内に嵌まり込んで案内され、案内部材89には取付片90が固定される。取付片90には、2つの揺動アーム91a,91bがピン92a,92bによって揺動自在に連結され、各揺動アーム91a,91bの遊端部93a,93bは前記透孔86a,86b内に嵌まり込む。各揺動アーム91a,91bは、引張コイルばね94によって各遊端部93a,93bが相互に近接する方向にばね付勢される。カムリング57の歯付部57aから当接片83が離反しているときには、カムリング57と作動リング51とは一体で回転し、ホロア87a,87bは両カム溝84a,84bの中央に留まる。 【0033】 この状態で、空気圧シリンダ82に圧縮空気が供給されると、そのピストン棒が伸長して当接片83が歯付部57aの外周面に当接し、これによってカムリング57の回転が阻止される。R軸駆動用のモータ52が回転駆動されると、作動リング51が一方向Cに僅かに回転し、一方のホロア87aがカム溝84a内に嵌まり込み、また一方の揺動アーム91bの遊端部93bが当接部85に当接した状態で、引張コイルばね94のばね力に抗して、他方の揺動アーム91aから離反する方向に角変位して拡げられる。この状態においては、遊星歯車65の公転動作が拘束され、前記内歯歯車55の回転が遊星歯車65、各軸75a,75b、各歯車76a,76bに、各プーリおよびベルト95,95bを介して各研磨ローラ53a,54a;53b,54bに伝達されて回転駆動される。これらの研磨ローラ53a,54a;53b,54bの回転数は、4500〜8000rpm程度に選ばれ、研磨ローラ54a側で裁断刃6の刃先を研磨する。 【0034】 また、R軸駆動用のモータ52が逆方向に回転駆動を開始すると、その回転は上述のようにして各研磨ローラ53a,54a;53b,54bに伝達されるとともに、作動リング51は、前記回転方向Cとは逆方向に回転されて、他方のホロア87bがカム溝84b内に嵌まり込み、これによって研磨ローラ54b側によって裁断刃6の他側面が研磨される。このような裁断刃6の研磨時において、各研磨ローラ53a,54a;53b,54bの裁断刃6への当接圧力は、前記引張コイルばね88のばね力によって調整することができる。また研磨量は、各カム溝84a,84bの内周面96からの深さdによって設定することができる。このようにして、裁断刃6がどのような回転位置にあっても、ロック手段69によってカムリング57の回転を停止させた状態で、研磨ローラ53a,54a;53b,54bを裁断刃6に接触させて研磨することができる。 【0035】 図6は、裁断刃6の研磨動作を説明するためのフローチャートである。まず、ステップs1で、研磨動作が開始され、ステップs2で裁断中であった裁断刃6が上昇してシート材料3から引抜かれ、ステップs3で内歯歯車駆動用モータ58を作動させて、4500〜8000rpmで回転させる。 【0036】 ステップs4で、R軸モータ52を停止して、ロック手段69を作動させて、当接片83を摺動環であるカムリング57の歯付部57aの外周面に当接させ、カムリング57の回転を係止する。これによって、ステップs5で回動筒体である作動リング51をカムリング57に対して矢符C方向へ-15°回転して、裁断刃6の片面に研磨ローラ53a,54aが押しあてられて、約0.2〜3秒程度研磨する。 【0037】 次に、ステップs6で、R軸モータ52の回転方向を逆方向に切換えて、作動リング51を+30°回転させ、研磨ローラ53b,54bによって裁断刃6の他方の片面を研磨し、ステップs7でR軸モータ52を反転させて、各研磨ローラ53a,54a;53b,54bを裁断刃6に接触しない初期位置に復帰させる。その後、ステップs8で当接片83を歯付部57aの外周面から退避させるとともに、ステップs9で内歯歯車駆動用モータ58を停止して、ステップs10で研磨動作が終了し、次の裁断動作に移る。 【0038】 このようにして、他の裁断パターンに移るためなどに裁断刃6がシート材料3から引抜かれて裁断動作が中断したとき、裁断刃をその向きにかかわらず、均一にかつ迅速に研磨することができる。 【0039】 図7は、本発明の他の実施例を示す断面図である。本実施例のカムリング157には、その内周面から半径方向内方に突出する2つの案内突部184a,184bが周方向に間隔をあけて形成され、これらのカム面197a,197bには、カムリング157に対して相対的な作動リングの正/逆方向の回転動作に応じて各ローラ187a,187bが案内される。各ローラ187a,187bは、各軸75a,75bに角変位自在に連結されたアーム193a,193bの各遊端部に軸支され、これらのアーム193a,193bの各遊端部と各揺動部材179a,179bとの間には、圧縮コイルばね168a,168bがそれぞれ介在され、カム面197a,197bによって半径方向内方に押し上げられたローラ187a,187bの変位によって、各揺動部材179a,179bを相互に近接する方向に押圧し、これによって研磨ローラ53a,54a;53b,54bを裁断刃6に押し付けることができる。また、各揺動部材179a,179bには、引張コイルばね188a,188bの各一端部が係止され、引張コイルばね188a,188bの各他端部は、作動リング51に係止される。これらの引張コイルばね188a,188bによって、各揺動部材179a,179bおよび研磨ローラ53a,54a;53b,54bを相互に離反する方向に付勢して、研磨動作が終了した後、復帰させることができる。 【0040】 本実施例では、研磨ローラ53a,54a;53b,54bの押しあて量を、案内突起184a,184bの高さや、圧縮コイルばね168a,168bの強さによって、容易に調整することができる。 【0041】 【発明の効果】 以上のように本発明によれば、裁断刃の刃先の向きにかかわらず、裁断刃に回動筒体内で研磨手段を接触させて、必要時のみ迅速に研磨することができる。研磨手段は回動筒体内で、裁断刃に近接して配置することができるので、研磨誤差を生じることなしに研磨時間を短縮し、生産性を向上することができる。また、研磨は必要時のみ行うので、砥石などの摩耗を少なくして耐久性を向上することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例の裁断刃研磨装置を備える裁断ヘッド1を示す簡略化した斜視図である。 【図2】 図1の実施例の裁断刃研磨装置に関連する構成を示す裁断ヘッド1の断面図である。 【図3】 図2の切断面線III-IIIから見た拡大断面図である。 【図4】 図3の右側から見た断面図である。 【図5】 図1の実施例で研磨ローラ54a,54bを駆動するための構成を示す一部の断面図である。 【図6】 図1の実施例の裁断刃6の研磨動作を説明するためのフローチャートである。 【図7】 本発明の他の実施例の断面図である。 【符号の説明】 1 裁断ヘッド 3 シート材料 6 裁断刃 14 フットプレッサ 15a R軸本体 51 作動リング 52,58 モータ 53a,54a;53b,54b 研磨ローラ 55 内歯歯車 57,157 カムリング 65 遊星歯車 67 回転伝達手段 69 ロック手段 71,72 軸受 79a,79b;179a,179b 揺動部材 82 空気圧シリンダ 83 当接片 84a,84b カム溝 87a,87b ホロア 88;188a,188b 引張コイルばね 89 案内部材 184a,184b 案内突部 187a,187b ローラ 193a,193b アーム |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-04-21 |
出願番号 | 特願平5-206738 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(B26D)
|
最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
西川 恵雄 |
特許庁審判官 |
菅澤 洋二 岡野 卓也 |
登録日 | 2003-01-17 |
登録番号 | 特許第3390219号(P3390219) |
権利者 | 株式会社島精機製作所 |
発明の名称 | 裁断刃研磨装置 |
代理人 | 杉山 毅至 |
代理人 | 杉山 毅至 |
代理人 | 西教 圭一郎 |
代理人 | 西教 圭一郎 |
代理人 | 廣瀬 峰太郎 |
代理人 | 廣瀬 峰太郎 |
代理人 | 小塚 善高 |
代理人 | 筒井 大和 |