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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A23B |
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管理番号 | 1121908 |
審判番号 | 不服2002-21528 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-12-05 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-09-30 |
確定日 | 2005-08-15 |
事件の表示 | 平成 6年特許願第150706号「塩水メンマの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年12月 5日出願公開、特開平 7-313053〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成6年5月26日の出願であって、「塩水メンマの製造方法」に関するものであり、当審より平成16年11月10日付で拒絶理由が通知されたところ、請求人より平成17年1月13日付で意見書と手続補正書が提出された。 2.当審の平成16年11月10日付拒絶理由は、平成14年5月28日付及び平成16年3月15日付手続補正書により補正された事項は、下記(1)ないし(5)のように、出願当初の明細書に記載した事項の範囲内においてされたものではないので、上記補正は、特許法第17条の2、第3項の規定に違反しているというものである。(なお、本願の明細書の補正については、平成6年改正前の特許法が適用されるので、正確には、適用条文は「平成6年改正前の特許法第17条の2第2項において準用する特許法第17条第2項」であるが、平成6年改正の前後で規定の内容に実質的な変更はない。) 記 (1)(略) (2)(略) (3)平成16年3月15日付手続補正書の「実施例」に係る「本発明を説明すると、乾燥メンマ30kg(含水率15〜30%)を次亜硫酸ナトリウム(例えば商品名ハイドロサルファイト)100gおよびメタリン酸塩20%、ポリリン酸塩34%、ピロリン酸塩46%に配合された複合リン酸塩剤500gを添加した80℃の湯に60分浸漬して湯を交換して、1回目の湯戻しとする。さらに2回目の湯戻しとして80℃の湯にハイドロサルファイト100gと、前記配合の複合リン酸塩剤1kgを添加した湯に浸漬して夜間放置し、湯を交換する。」(段落【0007】)との事項について: 上記(1)で検討したように、1回目の湯戻しから乾燥メンマを、次亜硫酸ナトリウム及びメタリン酸塩・ポリリン酸塩・ピロリン酸塩の三種を混合した複合リン酸塩を添加した湯に浸漬して行うことは、出願当初の明細書には開示されておらず、しかも、次亜硫酸ナトリウム、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩を特定の量で使用することについて言及するところはない。そうすると、上記「実施例」に係る事項は、出願当初の明細書に記載した事項の範囲を超える内容を含むものである。 (4)(略) (5)(略) 3.平成17年1月13日付の手続補正 平成17年1月13日付の手続補正は、実施例の記載を、下記のとおり補正することを含むものである。 「【実施例】 本発明を説明すると、乾燥メンマ30kg含水率15〜30%)を、次亜硫酸ナトリウム(例えば商品名ハイドロサルファイト)100gを添加した80℃の湯に60分浸漬して1回目の湯戻しを行い、湯を切り、2回目の湯戻しとして次亜硫酸ナトリウム100gとメタリン酸塩20%、ポリリン酸塩34%、ピロリン酸塩46%を配合した複合リン酸塩剤500gを添加した80℃の湯に浸漬する。そして湯を切り、さらに80℃の湯に次亜硫酸ナトリウム100gと前記配合の複合リン酸塩剤1kgを添加した湯に浸漬して夜間放置し水槽から取出す。」(段落【0007】) 4.判断 請求人は、平成17年1月13日付手続補正書により、本願明細書の段落【0007】を、上記「3」の記載のように補正した。 しかるに、本願当初明細書の段落【0007】の記載は、 「【実施例】本発明を説明すると、乾燥メンマ30kg(含水率15〜30%)を次亜硫酸ナトリウム(サイドロサルファイト)100gを添加した80℃の湯に60分浸漬して湯を交換して、1回目の湯戻しとする。さらに2回目の湯戻しとして80℃の湯にハイドロサルファイト100gおよびメタリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩の配合された複合リン酸塩剤を添加した湯に浸漬して夜間放置し、湯を交換する。そして3回目の湯戻しを行い夜間放置して水槽から取出す。」というものである。そして、さらに本願当初明細書の他の部分をみても、「メタリン酸塩」、「ポリリン酸塩」及び「ピロリン酸塩」を上記特定の量で使用して2回目の湯戻しを行うことについては記載されていない。そして、これらのリン酸塩をそれぞれ「20%」、「34%」及び「46%」を配合することは、当技術分野で自明な事項ではない。加えて、本願当初明細書には、3回目の湯戻しとして、「80℃の湯に次亜硫酸ナトリウム100gと前記配合の複合リン酸塩剤1kgを添加した湯に浸漬」するという具体的な記載もなく、また、これは当技術分野で自明な事項ではない。 そうすると、上記「実施例」に係る事項は、出願当初の明細書に記載した事項の範囲を超える内容を含むものである。 そうすると、平成17年1月13日付の手続補正書により補正された、本願明細書の段落【0007】に記載の事項は、出願当初の明細書に記載した事項の範囲を超える内容をいまだ含むものであるから、当審において通知した上記平成16年11月10日付拒絶理由は解消されていない。 5.むすび したがって、この特許出願の願書に添付した明細書又は図面についてした補正は、平成6年改正前の特許法第17条の2第2項において準用する特許法第17条第2項に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-05-31 |
結審通知日 | 2005-06-07 |
審決日 | 2005-06-22 |
出願番号 | 特願平6-150706 |
審決分類 |
P
1
8・
561-
WZ
(A23B)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 内田 淳子、内田 俊生 |
特許庁審判長 |
田中 久直 |
特許庁審判官 |
鵜飼 健 長井 啓子 |
発明の名称 | 塩水メンマの製造方法 |
代理人 | 中村 幹男 |