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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 C10M 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C10M |
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管理番号 | 1121942 |
審判番号 | 不服2004-133 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-03-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-01-05 |
確定日 | 2005-09-07 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第234657号「転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 3月 4日出願公開、特開平 9- 59664、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成 7年 8月22日の出願であって、平成13年 4月27日付けで手続補正書が提出され、平成15年 4月23日付けの拒絶理由通知に対して、同年 6月30日付けで意見書と共に手続補正書が提出された後、同年12月 1日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成16年 1月 5日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると共に、同年 2月 2日付けで手続補正書が提出されたものである。 2 平成16年 2月 2日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成16年 2月 2日付けの手続補正を却下する。 [理由] 2.1 補正の内容 平成16年 2月 2日付けの手続補正は、特許請求の範囲を以下の通りに補正しようとするものである。 「【請求項1】 40℃における動粘度が150〜450cStのふっ素油に、増ちょう剤としてポリテトラフルオロエチレンパウダーまたはポリテトラフルオロエチレンサスペンジョンのみを配合した混和ちょう度がNLGI(ASTM)No.1〜2であるグリース組成物に、亜硝酸塩及び有機スルホン酸塩を含まず、かつマグネシウム化合物および気化性防錆剤を必須成分とする防錆剤を1〜6重量%の割合で配合してなり、シールまたはシールドを備え、160℃以上の高温に晒される部位に使用される自動車電装部品用またはOA機器用の転がり軸受に封入されることを特徴とする転がり軸受用グリース組成物。 【請求項2】 40℃における動粘度が80〜350cStのシリコーン油に、増ちょう剤として金属石けんのみを配合した混和ちょう度がNLGI(ASTM)No.1〜2であるグリース組成物に、亜硝酸塩及び有機スルホン酸塩を含まず、かつマグネシウム化合物および気化性防錆剤を必須成分とする防錆剤を1〜6重量%の割合で配合してなり、シールまたはシールドを備え、160℃以上の高温に晒される部位に使用される自動車電装部品用またはOA機器用の転がり軸受に封入されることを特徴とする転がり軸受用グリース組成物。 【請求項3】 マグネシウム化合物が酸化マグネシウムまたはジルコン酸マグネシウムであり、気化性防錆剤がベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールまたはジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトであり、かつ防錆剤においてマグネシウム化合物が気化性防錆剤よりも多量に配合されていることを特徴とする請求項1または2記載の転がり軸受用グリース組成物。 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載の転がり軸受用グリース組成物をシールまたはシールドで封止してなることを特徴とする自動車電装部品用の転がり軸受。 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項に記載の転がり軸受用グリース組成物をシールまたはシールドで封止してなることを特徴とするOA機器用の転がり軸受。」 2.2 補正の適否についての判断 上記補正により、請求項1及び2に記載の発明を特定するために必要な事項である「グリース組成物」について、補正前は、混和ちょう度に関しては特定されていなかったのに対して、補正後は、「混和ちょう度がNLGI(ASTM)No.1〜2である」と混和ちょう度を特定する補正がなされ、同グリース組成物に配合する防錆剤の配合量について、補正前の「防錆剤を0.5〜10重量%の割合で配合してなり、」が、補正後は、「防錆剤を1〜6重量%の割合で配合してなり、」と補正され、同グリース組成物に防錆剤を配合した転がり軸受用グリース組成物が使用される温度について、補正前は、当該温度が特定されていなかったのに対して、補正後は、「160℃以上の高温に晒される部位に使用される」と使用温度を特定する補正がなされた。 そこで、補正後の事項について検討する。 グリース組成物について「混和ちょう度がNLGI(ASTM)No.1〜2である」と特定すること、及び転がり軸受用グリース組成物について「160℃以上の高温に晒される部位に使用される」と特定することは、混和ちょう度及び使用温度について言及のないグリース組成物及び転がり軸受用グリース組成物について、それらの事項を特定したものであるから、課題解決手段を概念的に下位にしたものとは言えず、補正前の請求項に記載された発明の発明特定事項、すなわち、課題解決手段のいずれの事項の限定でもない。 したがって、上記補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。 また、上記補正は、特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除、同項第3号の誤記の訂正又は同項第4号の明瞭でない記載の釈明のいずれにも該当しない。 2.3 むすび 以上のとおりであるから、平成16年 2月 2日付けの手続補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反しているので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3 本願発明、当審の判断 平成16年 2月 2日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜5に係る発明は、平成13年 4月27日付け手続補正書、及び平成15年 6月30日付け手続補正書で補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜5に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2005-08-24 |
出願番号 | 特願平7-234657 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(C10M)
P 1 8・ 572- WY (C10M) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山本 昌広 |
特許庁審判長 |
原 健司 |
特許庁審判官 |
井上 彌一 佐藤 修 |
発明の名称 | 転がり軸受用グリース組成物及び転がり軸受 |
代理人 | 高松 猛 |
代理人 | 本多 弘徳 |
代理人 | 小栗 昌平 |
代理人 | 濱田 百合子 |
代理人 | 市川 利光 |