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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B65D
管理番号 1121964
審判番号 不服2003-21901  
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-11-12 
確定日 2005-09-06 
事件の表示 平成 6年特許願第217770号「タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 3月26日出願公開、特開平 8- 80957、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.本件出願
本件出願は平成6年9月13日の出願であって、その請求項1乃至6に係る発明は、平成15年8月21日付け手続補正により補正された明細書並びに図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至6に記載されたとおりのものと認められるので、請求項1に係る発明は、少なくとも「該軸線方向破断手段は、周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる第一及び第二のスコアと、周方向に延びて該第一のスコアと該第二のスコアとを接続しているスリットとから構成されている」ことを、その構成の一部とし、残余の発明も同構成をその構成の一部としている。

2.刊行物
原査定で引用した、実願平5-307号(実開平6-54544号)のCD-ROM(以下、刊行物1という。)には、図1〜6の記載と共に、次の記載がある。
a)「天板部とその周縁から垂下するスカート部とで形成されると共に、前記スカート部の下部に複数の幅狭ブリッジと1本の幅広ブリッジとが残るように円周方向に入れられた水平スコアにより、該スカート部が天板部側の主部と下端側のピルファープルーフリング部とに区画され、さらにこのピルファープルーフリング部の前記幅広ブリッジ近傍に、ピルファープルーフリング部ブリッジが残るように垂直スコアが形成されてなる合成樹脂製キャップにおいて、
前記垂直スコアは、前記幅広ブリッジ近傍の前記水平スコアから下端側に向けて延びる第1垂直方向スコアと、ピルファープルーフリング部の下端から上方側に向けて延びる第2垂直方向スコアとを備え、前記第1垂直方向スコアの下端部と第2垂直方向スコアの上端部とが、ピルファープルーフリング部の周方向に所定の間隔を有してなることを特徴とするピルファープルーフキャップ。」(実用新案登録請求の範囲、請求項1)
b)「これら垂直スコア29は、PPリング部27を貫通するように切断して形成される他、開栓時に容易に切断されるブリッジを残すように切断するか薄い膜が残るように切断して形成された弱化線であっても良い。」(段落番号0009)
また、原査定で引用した実願平3-72202号(実開平5-16650号)のCD-ROM(以下、刊行物2という。)には、図1の記載と共に、次の記載がある。
c)「本実施例では該蓋のタンパーエビデントバンド2に図示のように、下端から上方に延びる第1縦スリット5をほぼ中間部まで形成し、該第1スリットの上端から周方向に延びる横スリット6、該横スリット端部から上方に上端まで延びる第2縦スリット7からなるタンパーエビデントバンドスリット8を連続して形成してある。これにより、タンパーエビデントバンドスリット8が縦方向に横方向スリットを介して2つに分離され、キャッピング後に縦スリットが拡がっても目立つことがない。しかもスリットがタンパーエビデントバンドの上下に完全につながって形成されているので、開栓時にタンパーエビデントバンドを容器から確実に除去することができる。」(段落番号0009)

3.判断
したがって、刊行物1は、
天面壁と該天面壁から垂下するスカート壁とを具備し、該スカート壁には周方向に延在する周方向破断手段が形成されており、該スカート壁は該周方向破断手段よりも上方の主部と該周方向破断手段よりも下方のタンパーエビデント裾部とに区画されており、該周方向破断手段は周方向に間隔をおいて配設され該タンパーエビデント裾部を該主部に接続している複数個の橋絡部を含み、該橋絡部の少なくとも1個は他の橋絡部よりも大きな強度を有する非破断橋絡部であり、該主部の内周面には雌螺条が形成されており、該タンパーエビデント裾部の内周面には係止手段が形成されており、該タンパーエビント裾部には軸線方向破断手段が形成されている合成樹脂製容器蓋において、
該軸線方向破断手段は、周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる第一及び第二のスコアから構成されている合成樹脂製容器蓋。
を開示するとしても、本件出願請求項1に係る発明の「第一及び第二のスコア」と「スリット」は独立して把握すべきものではないことから、「周方向に延びて該第一のスコアと該第二のスコアとを接続しているスリット」を開示するものではない。

ところで、刊行物2には、軸線方向破断手段として、周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる第一及び第二のスリットと、周方向に延びて第一のスリットと第二のスリットとを接続しているスリットを有する合成樹脂製容器蓋の発明が記載されている。しかしながら、上記c)に記載されるように、刊行物2に記載の発明の周方向に延びるスリットは、キャッピング後に軸線方向のスリットが拡がっても目立つことがないようにするためのものであって、本件出願請求項1に係る発明のタンパーエビデント裾部がその上端から下端まで連続して破断されることを回避するための「周方向に延びて該第一のスコアと該第二のスコアとを接続しているスリット」とは技術内容を異にするものである。したがって、刊行物2に記載の発明の周方向のスリットを刊行物1に記載の発明の軸線方向に延びる第一及び第二のスコアの間に適用する動機付けは存在しない。
なお、附言すれば、刊行物2に記載の発明の軸線方向に延びる第一及び第二のスリットのみをスコアとすることを検討しても、その場合、スコアは構造上キャッピング後に拡がらないため、刊行物2に記載の発明が解決しようとしているキャッピング後にスリットが拡がって目立つという課題自体が存在しないこととなるため、軸線方向に延びる第一及び第二のスリットのみをスコアとする理由がない。

4.むすび
したがって、本件出願の請求項1に係る発明は、上記刊行物1及び2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものではなく、残余の発明も同様に当業者が容易に発明することができたものではない。
また、他に本件出願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論の通り審決する。
 
審決日 2005-08-24 
出願番号 特願平6-217770
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B65D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 溝渕 良一  
特許庁審判長 粟津 憲一
特許庁審判官 一ノ瀬 覚
渡邊 豊英
発明の名称 タンパーエビデント特性を備えた合成樹脂製容器蓋  
代理人 小野 尚純  
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