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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E21D
管理番号 1122498
審判番号 不服2004-8716  
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2003-03-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-04-28 
確定日 2005-09-01 
事件の表示 特願2001-277647「偏心多軸シールド」拒絶査定不服審判事件〔平成15年3月19日出願公開、特開2003-82985〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年(2001年)9月13日に出願された特願2001-277647号の特許出願であって、原審において平成15年12月12日付けで拒絶理由を通知したところ、平成16年2月18日付けの意見書と共に明細書及び図面を補正する同日付けの手続補正書が提出され、前記拒絶理由による平成16年3月25日付けの拒絶査定に対し、拒絶査定不服審判の請求が平成16年4月28日になされ、その後の平成16年5月28日付けで前記明細書を補正する手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
当審の審理の対象とすべき本願の発明は、平成16年5月28日付けの手続補正に基いて補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、これを「本願発明1」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】 複数の中空旋回軸(9)に偏心して軸支持され、かつ中空偏心軸(13)の先端に設けられたカッタヘッド(16)を有する偏心多軸シールドであって、そのカッタヘッド(16)は内部にビット交換用の作業空間(18)を有しており、かつこの作業空間(18)は複数の中空偏心軸(13)と中空旋回軸(9)を通過して出入り可能に構成されるとともに、作業空間(18)は外部からの土水圧に対して密閉構造に構成され、かつ外部には前記作業空間(18)から交換可能な前面ビット(19)、及び外周ビット(20)を設置したことを特徴とする偏心多軸シールド。」

なお、明細書の特許請求の範囲の記載に対する補正について検討すると、平成16年5月28日付けの手続補正は、拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内にした補正ではあるが、前記手続補正は、特許請求の範囲の請求項2に関する誤記の訂正のみの補正であって、特許請求の範囲の請求項1に対しては、「特許請求の範囲の減縮」又は「誤記の訂正」に関する補正はまったくなされていないことにより、前記本願発明1が、平成16年2月18日付けの手続補正に基いて補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明と全く同一のものであることから、平成16年5月28日付けの手続補正に基いて補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(即ち、本願発明1)に対する特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定による、いわゆる独立特許要件の検討は要しないことを、念のために申し添える。

第3 引用刊行物における記載事項
1.原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の特許出願前に頒布された刊行物である特開平3-125795号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、「地中掘削機」に関し、図面の図示とともに次の事項が記載されている。
「(1)地中を掘削する任意形状の掘削機のシールド筒の前部に隔壁を設け、この隔壁に適数の回転体を回転自在に支持し、この回転体の回転中心より偏った位置にこの回転中心と平行に支持軸を設け、この支持軸の前方に多数の掘削刃を有する掘削具を配設し、この掘削具は前記回転体の回転により支持軸を介して平行リンク機構的に回動し、所要掘削断面の一部ないしは略全体を掘削するようにしたことを特徴とする地中掘削機。」(1頁左欄5行〜同13行)
「(産業上の利用分野)
本発明は、地下鉄、道路用トンネルや上下水道等に適用できる断面の横坑や、橋梁や建物の基礎、立坑を地中に深く鉛直に沈下させて築造する場合のケーソソや、地下鉄道の出入口等のための斜坑を構築するのに適した地中掘削機に関する。」(1頁右欄11行〜同16行)
「本発明は上記の点に鑑み提案されたもので、その目的とするところは、変形断面の横坑、立坑、斜坑を構築するために平行リンク機構を用いた掘削具を備えた地中掘削機において、掘削具の運動抵抗を減少させ、かつ掘削具の支持軸の破損の可能性を軽減させ、また、トラブル発生時に補修を容易とした地中掘削機を提供するにある。」(2頁右上欄2行〜同8行)
「(作用)
本発明では、上記のように構成し、要するに、平行リンク機構を有する掘削具の駆動機構の主要部である回転体を隔壁内に収めることにより、切羽室内での運動抵抗を減少させている。
また、掘削具の支持軸を隔壁に支持された回転体で支持しているため、破損の可能性を少なくし、トラブルが発生した場合にも補修を容易とし、その結果、作業性を向上させ、経済面においても有利としている。
(実施例1)
第1図(a)〜(d)は本発明の第1実施例で、掘削断面が略長方形をなす泥土圧シールドに適用した場合の例を示す。
図において、1は地中掘削機、2は地中掘削機1の構成要素であり、かつ断面形状が略長方形のシールド筒で、その前方にはフード3が形成され、また、前方内は切羽室を形成するために隔壁4で仕切られている。
5は、第1図(b),(d)から明らかなように上方に2個、下方に2個づつ配置され、かつ隔壁4に回転自在に支持された中空短円柱状の回転体で、この回転体5は第1図(a)に示すように、切羽室側に面する前部6と、円筒部7と、坑内側に位置する後部8とを有している。そして、回転体5全体は円筒部7の外周側と隔壁4の対向する内周側との間に設けられたシール9によりシールされ、かつ後部8側に設けられた大ロ径ベアリング10によって軸支されている。
また、各回転体5はその中心から偏位した位置において支持軸11が貫通されており、回転体5内であってその外周側に設けられ、かつ軸受ケース14によって固定されたラジアルベアリング12-1,12-2やスラストベアリング12-3等によって支持され、かつ回転体5の前部6の部分にシール13が設けられている。この支持軸11は後述の掘削具25に回転体5の運動を伝達するためのもので、掘削断面の大きさや形状によって取付位置が選定される。」(2頁右上欄20行〜同頁右下欄17行)
「なお、回転体5の後部8の外周には回転体5を回転させるためのギヤ21が設けられ、このギヤ21は駆動モータ22の駆動軸に設けられたピニオン23と噛合され、これらの機構を介し回転するように構成されている。
また、上記において支持軸11内の添加材注入穴15は支持軸11の前端に設けられた桁材24の内部を通り、ベントナイト溶液等の如き添加材を切羽に噴出できるようになっている。
この桁材24はいわゆる平行リンクを形成すべく各支持軸11と連結され、また、掘削具25を構成している。すなわち、桁材24の前面等には掘削刃26が設けられ、また、切羽側には添加材吐出孔27が臨み、切羽に添加材を噴出可能となっている。一方、掘削具25を構成する桁材24の後面には撹拌羽根28が設けられている。なお、この掘削具25の形状は掘削断面の形状により決定され、1回転で掘削断面全体を掘削できるように構成される。
その他、29は回転体5の前面に設けられた撹拌棒、30は隔壁4の切羽側A表面に設けられた圧力計、31は隔壁4の下方に前端が連結されたスクリューコンベア等の排土装置、32は推進用ジャッキであり、隔壁4の後方であってシールド筒2の内側に適数配置されている。
次に上記構成の地中掘削機1の動作について説明する。
駆動装置により平行リンク機構を有する掘削具25の駆動機構の主要部である回転体5を回転させるが、複数の回転体5は同期制御されていて、同時に同速で同方向に回転し、この運動を支持軸11を介し掘削具25に伝え運動させる。そして、掘削具25の前面に取付けられている掘削刃26によって切羽を切削する。
切削された土砂は、切羽室Aに取込まれ、充満し、推進用ジャッキ32により切羽室A内を加圧し、撹拌羽根28および撹拌棒29により、必要により注入された添加材と十分に練り混ぜられ、土砂に不透水性と塑性流動性をもたせ、この混合体の圧力で切羽を安定させ、圧力計30により一定の圧力を維持しつつ、排土装置81により、適量の排土をしながら掘進する。
なお、掘削具25に取付けられている掘削刃26の移動範囲は、ほぼ掘削面全体を切削できる配置となっている。
また、撹拌羽根28や回転体5に付いており切羽室Aに突出している撹拌棒29と添加材吐出孔兼撹拌棒20とは互いに衝突することなく、切羽室A全体を撹拌するように配置されている。
しかして、この場合、平行リンク機構を有する掘削具25の駆動機構の主要部である回転体5の本体部分は隔壁4内に収められ、切羽室A内に位置していないため、掘削具25の掘削時に、その分運動抵抗が少なくなるものである。
また、切羽室A内に掘削土砂が取り込まれるが、その中に含まれる礫によって破損を受ける可能性も少なくなるものである。」(3頁左上欄10行〜同頁右下欄5行)
「また、上記第1実施例では掘削断面が略正方形となる場合、第2実施例では馬蹄形となる場合、第3実施例では楕円形となる場合について示したが、掘削具の形状と配置、その運動範囲によって、円形、楕円形、台形、小判形、長方形、まゆ形、三角形などあらゆる掘削断面に本発明を適用できる。
また、回転体の数も強度、動力等から適数が選定できる。
さらに、横坑だけでなく、ケーソソ等の立坑や斜坑の構築等、広く活用できる。
また、上記実施例は泥土圧シールドで説明したが、泥水加圧シールド、気泡シールド、開放型機械シールド、土圧式シールド等あらゆる工法に採用できるものであり、撹拌翼の設置および添加材の注入は必要に応じて実施されるものである。
(発明の効果)
以上のように本発明によれば、平行リンク機構を有する掘削具の駆動機構の主要部である回転体の本体を切羽室内に位置させることなく隔壁内に収めたため、掘削具を回動するにあたり、切羽室内での運動抵抗を減少させることができる。
また、駆動機構の主要部が切羽室内に露出してなく、かつ掘削具の支持軸を隔壁に回転自在に支持された回転体によって支持しているため、破損の可能性が少なく、トラブルが発生した場合にも補修が容易であり、よって作業性と経済性が向上する。
さらに、掘削具等に撹拌手段を設けておけば、添加材を注入した場合、チャンバー内での土砂の固結等を防止でき、種々の土質に対応でき、スムーズな掘進が可能となる。」(4頁右上欄10行〜同頁左下欄20行)
そして、引用刊行物1には、明細書の発明の詳細な説明欄に記載の上記技術事項を裏付けるシールド掘削機の縦断面図を示した第1図(a)、(a)図中の矢視図を示した第1図(b)、(a)図中のB断面図を示した第1図(c)及び(a)図中のC断面図を示した第1図(d)の各図が記載されている。

そうしてみると、引用刊行物1の上記摘記事項及び添付図面の図示からみて、前記引用刊行物1には、「地中を掘削する任意形状のシールド掘削機1のシールド筒3の前部に隔壁4を設け、該隔壁4に複数の中空短円柱状の回転体5を大口径ベアリング10により回転自在に軸支し、各回転体5の回転中心から偏った位置に前記回転中心と平行に支持軸11を貫通して設け、該支持軸11の前方に、多数の掘削刃26を前面等に有する掘削具25を配設したシールド掘削機において、複数の回転体5を同期制御し同時に同速で同方向に回転駆動させることにより、支持軸11を介して前記掘削具25が平行リンク機構的に回動し、所要掘削断面の一部ないしは略全体を掘削するようにしたシールド掘削機」の発明(以下、これを、「引用発明」という。)の記載が認められる。

2.原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の特許出願前に頒布された刊行物である特開平6-117189号公報(以下、「引用刊行物2」という。)には、「シールド機のカッタビット交換方法」に関し、図面の図示とともに次の事項が記載されている。
「【0002】【従来の技術】長距離シールドトンネルの施工には、カッタビットが摩耗するため、途中で点検用の立坑または地盤改良帯を設け地山を自立させて、カッタビットの交換を行っていた。
【0003】【発明が解決しようとする課題】この方法では点検用の立坑、地盤改良帯を作る必要があり不経済となる。さらに、地盤改良などを用いて地山を完全に自立させることが難しく、安全作業とはいい難い。
【0004】したがって、本発明は、シンプルな機構で経済的に、かつ安全にカッタビットの交換を行うことのできるシールド機のカッタビット交換方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】【課題を解決するための手段】本発明によれば、シールド機のカッタディスクに装着されたカッタビットを次の行程にしたがい交換するシールド機のカッタビット交換方法において、カッタディスクの内側においてカッタビットにカッタビット引き抜き用ジャッキを取付け、カッタビットをカッタディスクに固定しているカッタビット取付けボルトを外し、カッタビット引き抜き用ジャッキを縮めてカッタビットを引き、カッタビットを引くことにより開口したカッタディスクの孔をバルブで止水し、カッタビット引き抜き用ジャッキをカッタビット及びカッタディスクから外し、カッタビットをカッタディスクから外し、この後、逆の動作で新しいカッタビットをカッタディスクに取付けるようになっている。
【0006】【作用】カッタビットが摩耗した時点で作業員がシールド機中央部に設けた中空シャフトを通ってカッタディスク内に移動し、前述の行程にしたがいカッタビットの交換を行う。
【0007】【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0008】図1、図2及び図3は本発明が実施されるシールド機を示し、図1において、シールド機の本体1の前端には、全体を2で示すカッタディスクが設けられている。カッタディスク2は、中心の中空シャフト3によりベアリング4を介し、また半径方向の外方に設けられた支持リング5によりベアリング6を介して本体1に回転自在に支持されている。そして、カッタディスク2は、支持リング5の後端に設けられたリングギヤ7、リングギヤ7に内接するピニオン8及びピニオン8を駆動するカッタ駆動用モータ9により回転されるようになっている。
【0009】また、図2及び図3において、前記中空シャフト3の前部にはカッタディスク2を構成する半径方向に延びるカッタスポーク10がボルト・ナット(図示は省略)により固設されている。カッタスポーク10は中空のものであり、図示の例では等角度で4本設けられている。そしてカッタスポーク10には、1本につき2列のカッタビット11がビット取付ボルト12(図3)により等間隔で多数取付けられている。
【0010】その他図2及び図3において、16はビットシリンダ17で出没される外周カッタ、18はトップカッタ、19はフェースカッタである。また、図1において、20はシールドジャッキ、21は送水管、22は総排泥管、23はエレクタ、24はテールシール、25は薬液注入管、26は裏込注入装置、27はセグメントであり、これ等は従来のシールド機と同様のものである。
【0011】次に前記のシールド機におけるカッタビットの交換方法について図4ないし図9にしたがい説明する。
【0012】カッタビットが摩耗した時点で、図3に示すように、作業員Mがシールド機中央部に設けた中空シャフト3を通ってカッタスポーク10内に移動して次の手順でカッテビット11の交換を行う。
【0013】カッタビット11はビット取付ボルト12によりカッタスポーク10に取付けられている(図4)。
【0014】カッタビット引き抜き用ジャッキ15をカッタビット11とカッタスポーク10との間に取付ける(図5)。
【0015】カッタビット取付ボルト12を外す(図6)。
【0016】カッタビット引抜き用ジャッキ15を縮める。この時はシール13で地山とカッタスポーク10の内空を止水する。バルブ14を用いて止水し、止水をシール13から盛り変える(図7)。
【0017】カッタビット引き抜き用ジャッキ15を外す(図8)。
【0018】カッタビットを外す(図9)。
【0019】この後、逆の動作で新しいカッタビットを取付ける。
【0020】【発明の効果】本発明は、カッタビットが摩耗した時点で作業員がシールド機中央部に設けた中空シャフトを通ってカッタディスク内に移動し、カッタビット引き抜き用ジャッキを用いてカッタビットを交換するものであるので、従来の点検用立坑、地盤改良帯によらないで経済的に簡単かつ安全にカッタビットを交換することができる。」

第4 当審の判断
1.対比及び一致点・相違点
本願発明1と上記引用発明とを対比すると、まず、引用発明の「複数の中空短円柱状の回転体5」、「支持軸11」、「掘削具25」及び「掘削刃26」のそれぞれが、本願発明1の「複数の中空旋回軸(9)」、「偏心軸(13)」、「カッタヘッド(16)」及び「前面ビット(19)、及び外周ビット(20)」に対応する。
また、本願発明1では、本来は「盾、遮蔽物」の意味でしかない「シールド」の用語を、技術用語の「シールド機(シールドマシーン)」を省略する意図で使用していることは明らかであり、そうすると、本願発明1の「偏心多軸シールド」は、「偏心多軸シールドマシーン」の意義であることは明らかである。
そして、引用発明の「シールド掘削機1」は、複数の中空短円柱状の回転体5の回転中心から偏った位置に設けられた支持軸11の前方に多数の掘削刃26を有する掘削具25を配設したシールド掘削機であるから、引用発明の「シールド掘削機1」も、本願発明1の「偏心多軸シールド」と同じく偏心多軸型のシールドマシーンであるといえるので、引用発明の「シールド掘削機1」は、本願発明1の「偏心多軸シールド」に対応する。
そうすると、本願発明1と引用発明とは、「複数の中空旋回軸に偏心して軸支持され、かつ偏心軸の先端に設けられたカッタヘッドを有する偏心多軸シールドであって、外部には前面ビット及び外周ビットを設置した偏心多軸シールド」である点で一致し、次の点で両者の構成が相違する。
相違点:本願発明1が「カッタヘッド(16)は内部にビット交換用の作業空間(18)を有しており、かつこの作業空間(18)は複数の中空偏心軸(13)と中空旋回軸(9)を通過して出入り可能に構成されるとともに、作業空間(18)は外部からの土水圧に対して密閉構造に構成され、かつ外部には前記作業空間(18)から交換可能な前面ビット(19)、及び外周ビット(20)を設置した」のに対し、引用発明は、そのような構成を有さない点。

2.相違点についての検討
(1)相違点について
引用刊行物2には、「カッタビットが摩耗した時点で作業員Mがシールド機中央部に設けた中空シャフト3を通ってカッタディスク2を構成する半径方向に延びる中空のカッタスポーク10内に移動し、カッタスポーク10内で作業員Mが、シール13で地山とカッタスポーク10の内空の止水を確保しながら開口したカッタディスクの孔をバルブ14で止水して、カッタスポーク10にビット取付ボルト12により等間隔で多数取付けられているカッタビット11を、カッタディスクの内側において交換するシールド機のカッタビットの交換技術」について記載されていて、本願特許出願前の公知技術である。
そうしてみると、引用発明に引用刊行物2に記載の上記公知技術を適用して、引用発明の支持軸11及び掘削具25内を中空にすることにより、中空回転体5と中空支持軸11と中空掘削具25とを連通状態にして作業員が出入りできるようにし、かつ、中空掘削具25内に外部からの土水圧に対して密閉構造を有する作業空間を確保して、摩耗等によるカッタビット交換の際に、作業員が中空回転体5と中空支持軸11と中空掘削具25とを通って、中空掘削具25の作業空間内から、掘削具25の外部に装着されてあるビットを交換できるようにして、本願発明1の前記相違点に係る「カッタヘッド(16)は内部にビット交換用の作業空間(18)を有しており、かつこの作業空間(18)は複数の中空偏心軸(13)と中空旋回軸(9)を通過して出入り可能に構成されるとともに、作業空間(18)は外部からの土水圧に対して密閉構造に構成され、かつ外部には前記作業空間(18)から交換可能な前面ビット(19)、及び外周ビット(20)を設置した」の構成を得ることは、当業者が格別の困難を伴うことなく容易に想到できることである。
そして、本願発明1の奏する作用効果は、引用発明及び引用刊行物2に記載の公知技術から予測できる範囲内のものであって、格別顕著であるということができない。

(2)まとめ
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用刊行物2に記載の公知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 むすび
以上のとおり、本願発明1が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであることにより、他の請求項に係る発明についての検討をするまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-06-28 
結審通知日 2005-07-05 
審決日 2005-07-20 
出願番号 特願2001-277647(P2001-277647)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (E21D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安藤 勝治  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
佐藤 昭喜
発明の名称 偏心多軸シールド  
代理人 高山 道夫  

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