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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する A61F
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A61F
審判 訂正 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 訂正する A61F
審判 訂正 1項3号刊行物記載 訂正する A61F
管理番号 1123367
審判番号 訂正2004-39281  
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-07-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-12-13 
確定日 2005-08-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3345204号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3345204号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求は、本件特許に係る異議申立事件(異議2003-71239号事件)の異議決定に対する訴えがあった平成16年11月22日から起算して90日の期間内である平成16年12月13日に請求されたものであって、その請求の要旨は、特許第3345204号(平成7年1月13日出願、平成14年8月30日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(1)ないし(7)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートを合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、」
という記載を、
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、」(下線部は訂正個所。以下同じ。)
と訂正する。
(2)訂正事項b
特許請求の範囲の請求項2の
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートを合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、
前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせる一方、前記表裏面シートを互いに接合して形成した袋の前記合掌状に重ね合わせた表裏面シート間に、前記合掌状に重ね合わせた第1、2ティッシュペーパーを介在させたことを特徴とする前記おむつ。」
という記載を、
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、
前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合したことを特徴とする前記おむつ。」
と訂正する。
(3)訂正事項c
明細書段落【0007】の
「この発明が前記課題を解決するために手段とするところは、」
という記載を、
「この発明は第1発明と第2発明とからなり、これら第1、第2発明が前記課題を解決するために手段とするところは、」
と訂正する。
(4)訂正事項d
明細書段落【0008】の
「これらの発明はいずれも、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートを合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつを前提としている。」
という記載を、
「これらの第1、第2発明はいずれも、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつを前提としている。」
と訂正する。
(5)訂正事項e
明細書段落【0009】の
「かかる前提において、これらの発明の一つは、」
という記載を、
「かかる前提において、これらの発明の一つである前記第1発明は、」
と訂正する。
(6)訂正事項f
明細書段落【0010】の
「また、前記前提において、これら発明の他の一つは、前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせる一方、前記表裏面シートを互いに接合して形成した袋の前記合掌状に重ね合わせた表裏面シート間に、前記合掌状に重ね合わせた第1、2ティッシュペーパーを介在させたことを特徴とする使い捨ておむつである。」
という記載を、
「また、前記前提において、これら発明の他の一つである前記第2発明は、前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合したことを特徴とする使い捨ておむつである。」
と訂正する。
(7)訂正事項g
明細書段落【0019】の
「この場合、好ましくは上下面ティッシュペーパー15,16もホットメルト接着剤17で互いに接合しておく。図4の態様では、図2のそれと異なりD=dとなることがある。」
という記載を、
「この場合、図4に示すように、好ましくは上下面ティッシュペーパー15,16の周縁部分もホットメルト接着剤17で互いに接合し、その周縁部分を表裏面シート2,3の接合した部分の内側部位間に介在させて接合する。図4の態様では、図2のそれと異なりD=dとなることがある。」
と訂正する。

2.当審の判断
(1)訂正の目的の適否、新規事項の追加及び拡張・変更の存否
(a)訂正事項aについて
上記訂正事項aは、表面シートと裏面シートの接合態様を明りょうにするものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正である。そして、この訂正事項は本件の図2ないし図4及び明細書の段落【0016】の記載に基づくものであるので、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(b)訂正事項bについて
上記訂正事項bのうち、「表裏面シートを」を「表裏面シートの部分を」と訂正する部分については、訂正事項aと同様に、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
上記訂正事項bのうち、「第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせる一方、前記表裏面シート間に、前記合掌状に重ね合わせた第1、2ティッシュペーパーを介在させた」を「第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合した」と訂正する部分については、第1、2ティッシュペーパーの態様を限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。そして、この訂正事項は本件の図4及び明細書の段落【0019】の記載に基づくものであるので、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(c)訂正事項cないしfについて
請求項1及び請求項2の訂正に伴い整合性を図るとともに、本件特許に係る発明が請求項1に係る第1発明と、請求項2に係る第2発明とからなることを明確にするものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(d)訂正事項gについて
本件の実施例における上下面ティッシュペーパーの態様を明りょうにするものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正である。そして、これら訂正事項は本件の図4に基づくものであるので、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)独立特許要件
訂正により減縮される請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものかについて検討する。
訂正後の請求項2に係る発明(以下「本件発明2」という。)は訂正明細書の特許請求の範囲の請求項2に記載された以下のとおりのものである。
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、
前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合したことを特徴とする前記おむつ。」

(a)新規性及び進歩性について
本件特許に係る特許異議申立事件である異議2003-71239号事件において、異議申立人は、本件発明2は、以下の刊行物に記載された発明であるか、又は、それらに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである旨主張している。
刊行物1:特開昭62-45701号公報(特許異議申立人提出の甲第1号証)
刊行物2:米国特許第4519798号明細書(特許異議申立人提出の甲第2号証)
刊行物3:特開平3-15465号公報(特許異議申立人提出の甲第3号証)
刊行物4:特開平1-195855号公報(特許異議申立人提出の甲第4号証)
刊行物5:特開昭61-247450号公報(特許異議申立人提出の甲第5号証)

(i)各刊行物に記載された発明
上記刊行物1は「使いすておむつ」に関するものであって、第1図〜第2図と共に、以下の事項が記載されている。
(1-イ)「1.液透過性の表面シート及び液不透過性の裏面シートの間に上層部を形成する第1の吸水層(A)と、下層部を形成する第2の吸水層(B)を有し、且つ、第1吸水層と第2吸水層の間に高吸水性高分子物質層を有する使いすて紙おむつにおいて、第1吸水層(A)に対する第2吸水層(B)の坪量の比(A/B)が2/3以下であることを特徴とする使いすておむつ。」(第1頁左下欄第5〜12行)
(1-ロ)「ここで1は液透過性シートを示す。通常ポリエステル、ポリプロピレン、あるいはレーヨンなどを素材とした不織布が使用されているが、いずれを使用しても良い。2は吸水紙、3は綿状パルプからなる第1吸水層であり、4の吸水紙はついていても、いなくてもいずれでも良い。5は高吸水性高分子物質であり、市販されているポリアクリル酸系、デンプン系、カルボキシルメチルセルロース系など全ての高吸水性高分子物質が使用可能である。6は綿状パルプからなる第2吸水層、7は吸水紙、8はポリエチレンフィルムからなる液不透過性シートである。」(第2頁右上欄第2〜13行)
(1-ハ)「以下実施例に基いて本発明を更に詳しく説明する。
実施例-1
第1図に示した構造のおむつを第1吸水層(A)及び第2吸水層(B)の坪量を綿状パルプの量を変えることにより変えたサンプルを試作した。第1吸水層及び第2吸収層に使用した綿状パルプは合計で400g/m2である。・・・・第1吸収層、第2吸収層及び高吸水性高分子物質を組立てた後プレスした。プレス後の吸収材の緊度0.08〜0.09g/m2の範囲であった。」(第2頁左下欄第5〜20行)

上記刊行物2は「Absorptive structure」に関するものであって、Fig.1〜3と共に、以下の事項が記載されている。
(2-イ)「The discussion hereinafter is primarly directed to a disposable diaper.」(第1欄第56〜57行:日本語訳「以下の説明は、主として使い捨ておむつに関する。」)
(2-ロ)「The structure or diaper 10 comprises a permeable top sheet 11, a permeable carrier sheet 12, a pad of absorbent material 13, a carrier sheet 14 and a non-permeable or back sheet 15. 」(第2欄第3〜6行:日本語訳「物品又はおむつ10は、液透過性のトップシート11、液透過性のキャリアシート12、吸収体パッド13、キャリアシート14及び液不透過性のバックシート15からなる。」)
(2-ハ)「In FIG. 2, sheets 11, 12, 14, and 15 are each constructed of a material which will seal without the necessity of an adhesive. One manner of sealing is illustrated in FIG. 2, wherein a heat source 20 is provided for sealing the edges 11a, 12a, 14a and 15a of respective sheets 11, 12, 14, and 15.」(第2欄第12〜17行:日本語訳「図2に示すシート11、12、14及び15は、それぞれ接着剤なしで接合可能な材料から形成されている。図2には、接合方法の一つとして、熱源20から熱を供給して、シート11、12、14、15の端縁部11a、12a、14a、15aを接合する方法が示されている。」)
また、Fig.2には、吸収体パッド13の縁部から水平方向に延出させたキャリアシート12、14各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させてトップシート11とバックシート15と共に合掌状に重ね合わせ、シート11、12、14、15の外縁をそろえて接合することが示されていると認められる。

そして、これら記載事項(2-イ)〜(2-ハ)の記載及び図面の記載を総合すると、上記刊行物2には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「液透過性のトップシート11、液透過性のキャリアシート12、吸収体パッド13、キャリアシート14及び液不透過性のバックシート15からなる使い捨ておむつ10であって、前記シート11、12、14及び15は、それぞれ接着剤なしで接合可能な材料から形成されており、熱源20から熱を供給して、前記シート11、12、14、15の端縁部11a、12a、14a、15aが外縁をそろえて接合されるとともに、吸収体パッド13の縁部から水平方向に延出させたキャリアシート12、14各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させてトップシート11とバックシート15と共に合掌状に重ね合わせ接合している使い捨ておむつ10。」

上記刊行物3は「生理用ナプキン」に関するものであって、第1図〜第4図と共に、以下の事項が記載されている。
(3-イ)「小判形の防水紙の上に略同形の吸水紙を重ね、その短径を略3等分した中央部上に、長手方向の1端から長径の略3分の2の位置まで、高分子吸収剤を介在させた吸収材を配設し、更にその上に前記小判形の防水紙と略同形の吸収紙を重ね、その上に略同形の不織布を重ね、周縁部をヒートシールするとともに吸収材の周縁部をエンボッシングし、且つ下面における小径の両端部近傍および吸収材の両側部近傍相当部に粘着テープを配設してなることを特徴とする生理用ナプキン」(第1頁左下欄第5〜14行)
(3-ロ)「〔実施例〕
以下図面に示す本発明の実施例により詳細に説明する。・・・・・ここで、1は防水紙、2は吸収紙、3は吸収材、4は不織布、51、52は粘着テープ、6はヒートシール部、7はエンボッシング部を示す。
先ず小判形の防水紙1を用意し、その上に略同形の吸収紙2を重ねる。防水紙1としては、プラスチックフィルムあるいは不織布、布、紙等にポリエチレン樹脂等の薄いフィルムを積層したものなどを挙げることができる。吸水紙2としては、粉砕パルプその他吸収性のある素材を紙状にしたものである。
前記小判形の防水紙1の上に略同形の吸収紙2を重ねたものの上に吸収材3を配設する。
吸収材3は、前記小判形の防水紙の上に略同形の吸収紙を重ねたものにおいて、短径を略3等分したその中央部分上に、長手方向の1端から長径の略3分の2の位置まで配設してある。第2図において符号3で示される格子部分が吸収材3の配設された部分である。
その吸収材3には、吸収材3としての粉砕パルプに高分子吸収剤を介在させてある。粉砕パルプと高分子吸収剤とが均一に混合していてもよく、あるいは粉砕パルプの中心部分に高分子吸収剤を配設した状態でもよい。高分子吸収剤は粉末状、シート状あるいは糸状等各種の形状の高分子吸収剤を使用することができる。高分子吸収剤とは、よく水等を吸収し保水する高分子化合物であって、例えば架橋材でゆるく橋をかけたポリアクリル酸ソーダ等を挙げることができる。
更に前記吸収材3の上に前記小判形の防水紙1と略同形の吸収紙2を重ね、その上に略同形の不織布4を重ね、周縁部をヒートシール部6とする。本実施例においては、防水紙1を吸収紙2よりも僅かに大きく形成し、当該吸収紙2よりも大きい吸収紙1を上側に折り曲げ、防水紙1で吸収紙2をくるんでから当該折曲部分の端部近傍をヒートシールしてあるが、重ねたままでその端部近傍をヒートシールしてもよい。」(第2頁左上欄第15〜同頁左下欄第18行)

上記刊行物4は「パンティライナー」に関するものであって、第1図〜第3図と共に、以下の事項が記載されている。
(4-イ)「1.表面層、吸収層、防漏層から成る薄型吸収性シートにおいて、表面層は有機繊維から成る不織布、吸収層は複数枚のパルプ紙、防漏層は高分子樹脂ラミネート紙または高分子樹脂フィルムによりそれぞれ形成すると共に、前記吸収層のパルプ紙間の少なくとも1つにサイクロデキストリン包接香料を挟持させ、かつ、総シート厚さを2.5mm以下としたことを特徴とするパンティライナー
2.表面層の不織布を構成する有機繊維が、レーヨンまたはレーヨンとパルプとの混紡であることを特徴とする請求項1記載のパンティライナー」(第1頁左下欄第5〜17行)
(4-ロ)「本発明においては、第1に、吸収層を覆う表面層に有機繊維から成る不織布を用いるものである。有機繊維とは、レーヨン、パルプ、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン・ポリプロピレン複合繊維、アセテート、エチレン・酢酸ビニル・ポリプロピレン複合繊維、キュープラ、ポリ塩化ビニル、木綿等である。レーヨン、パルプが特に好ましい。
吸収層の反対側にはポリエチレンラミネート紙等の高分子樹脂ラミネート紙または高分子樹脂フィルムから成る防漏層を設けるものであり、これによりショーツ等の下着へのにじみ出しを防ぐことが出来る。高分子樹脂とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン・ポリエチレンアイオノマー樹脂等が挙げられる。
吸収層は複数枚のパルプ紙により構成するものである。本発明が対象とするおりもの等の分泌物は通常0.2〜1.0mlであるからパルプ紙は20g/m2程度のもので、8枚あれば充分である。使用時のパンティライナーの総厚みを2.5mm以下とするためには、10枚以下とすることが好ましい。」(第2頁右上欄第13〜同頁左下欄第15行)
(4-ハ)「請求項2の発明においては、吸収層を覆う表面層にレーヨンまたはレーヨンとパルプの混紡の繊維から成る不織布を用いるものである。一般的に、おりものはムチンを包み、粘性が高いので吸収されにくいが、このようにレーヨンまたはレーヨンとパルプの混紡の繊維から成る不織布を用いることにより、おりもの等に対する吸収性の良いパンティライナーを提供することができるものである。」(第3頁左上欄第4〜12行)
(4-ニ)「〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。第1図は本発明の一実施例を示す図であり、第1図(a)は実施例パンティライナーの平面図、第1図(b)は同実施例パンティライナーのA-A断面図である。第2図は第1図(b)の断面図の部分拡大図である。
実施例 1
第2図に示すように、表面層11をパルプとレーヨンから成る不織布により、防漏層13,14をポリエチレンラミネート紙によりそれぞれ構成し、表面層11と防漏層13,14との間に8枚のパルプ紙12を挟み、さらに、8枚のパルプ紙12の間にサイクロデキストリン包接香料粉末15と消臭剤粉末15を挟み込ませた。また、防漏層の外面に粘着剤16を塗布し、その上に剥離紙17を貼付した。パルプ紙の外周端部は圧着し、表面層と防漏層の外周端部18はヒートシールにより接合した。」(第3頁右下欄第14行〜第4頁左上欄第12行)

上記刊行物5は「使い捨て排泄物収納衣料品」に関するものであって、第1図〜第11a図と共に、以下の事項が記載されている。
(5-イ)「1.後方腰バンド領域、前方腰バンド領域および股領域を有する本体部材を具備し、そしてその本体部材は、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性芯、および近位縁と遠位遠とを有する2つの内方に面する縦方向延出液体不透過性側縁漏れガードガターを具備し、前記ガターは、前記本体部材の縦方向側縁に隣接して配置され、前記ガターは前記遠位縁に隣接して縦方向に弾性化される部材を具備し、前記衣料品は、前記遠位縁を前記遠位縁の長さ全体にわたって使用者の胴領域と接触させるのを可能としかつ前記遠位縁が前記使用者のももを囲むのを実質上妨げるのを可能とするように前記使用者に関して所定の大きさおよび形状に設定され、前記衣料品は、横方向に向けられた張力が前記衣料品の端と前記使用者の上もも高さとの間に延出する前記ガターの近位縁の部分に適用されるように、前記使用者上に固着させる手段、および前記衣料品の適用時および使用時に前記ガターの反転を実質上回避する手段を更に具備することを特徴とする使い捨て排泄物収納衣料品。」(第1頁左下欄第5行〜同頁右下欄第9行)
(5-ロ)「同様に、第10a図は、第9a図の断面から後方に配置された横方向断面図を図示し、そして実質上開口で立っており、即ち自由液体が吸収性芯42の隣接部分に灯心作用されかつ吸収され得るまで自由(未吸収)液体を捕えかつ収納する準備のできたガター46を示す。追加的に、この図は、使用者が横向きに寝たか、または座った時または立った時のように直立しているかのいずれでもガターがこのように自由液体を収納するであろうことを明示する。また、この図は、ガター46が液体透過性トップシート40と液体不透過性バックシート41との間に配置される灯心作用材料、即ちティッシュペーパー43のプライによって部分的に内張りされることを明示する。このような灯心作用材料内張りは、ガターの長さ全体にわたって延出し、それ故ガターは、液体灯心作用材料で凝集的に(coherently)内張りされると言われる。」(第7頁右上欄第12行〜同頁左下欄第8行)
(5-ハ)「吸収性芯組立体は、ティッシュペーパー43内に十分に包み込まれかつシールされている吸収性芯42からなる。」(第8頁左上欄第6〜8行)
(5-ニ)「次いで、吸収性芯組立体を、バックシートの長さに等しい長さ、および幅約12インチ(約30.5cm)を有するトップシートによって覆う。次いで、吸収性芯組立体の縁を超えて延出するその縁部をバックシートの下層領域に固着させる。」(第8頁左上欄第19行〜同頁右上欄第3行)

(ii)対比
本件発明2と引用発明とを対比すると、その構造・機能からみて、後者の「液透過性のトップシート11」が前者の「透液性表面シート」に相当することは明らかであり、以下同様に、「液透過性のキャリアシート12」が「第1ティッシュペーパー」に、「キャリアシート14」が「第2ティッシュペーパー」に、「液不液透過性のバックシート15」が「不透液性裏面シート」に相当する。そして、前者の「吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体」と後者の「吸収体パッド13」とは「吸液性材料からなるコア本体」として共通していると言えるから、両者は、
「透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料からなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆した使い捨ておむつにおいて、前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合した使い捨ておむつ。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

相違点a:吸液性材料からなるコア本体が、前者においては、「吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体」であるのに対して、後者では、吸液性材料を加圧賦型したものか否か不明である点。
相違点b:前者においては、「前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成し、前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合した」のに対して、後者では「シート11、12、14、15の端縁部11a、12a、14a、15aが外縁をそろえて接合されている」点。

(iii)当審の判断
相違点aについて検討すると、上記刊行物1記載の「使いすておむつ」も本件発明2及び引用発明と同様に「使い捨ておむつ」に関するものであって、上記刊行物1記載の「吸水材」は、本件発明2の「コア本体」および引用発明の「吸収体パッド13」に対応していると言える。そして、上記記載事項(1-ハ)の「第1吸水層、第2吸水層及び高吸水性高分子物質を組立てた後プレスした。プレス後の吸水材の緊度は0.08〜0.09g/m2の範囲であった」からみて、上記刊行物1記載の「吸水材」も加圧賦型してなるものと言える。
してみると、引用発明の「吸収体パッド13」を、上記刊行物1記載の「加圧賦型してなる吸水材」に置き換え、相違点aのように構成することは、何ら阻害要因がなく、当業者が容易に想到し得る程度のことに過ぎず、該置換により格別の作用効果も奏しない。

次に、相違点bについて検討すると、本件発明2における「前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成し、前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合した」という構成は、その接合形態を検討してみると、第1、2ティッシュペーパーの重ね合わせて接合した周縁部分の上下を表裏面シートに更に接合し、表裏面シートは、第1、2のティッシュペーパーより外側に延び、表裏面シートをその外側に延びた部分で接合したものと言える。一方、引用発明における「シート11、12、14、15の端縁部11a、12a、14a、15aが外縁をそろえて接合されている」という構成は、第1、2ティッシュペーパーの重ね合わせて接合した周縁部分の上下を表裏面シートに更に接合したものであるが、表裏面シートは、第1、2のティッシュペーパーより外側に延びていない。

それに対して、上記記載事項(1-イ)ないし(1-ハ)からみて、上記刊行物1記載の「液透過性の表面シート1」、「吸水紙2」、「吸水紙7」及び「液不透過性の裏面シート」が、それぞれ、本件発明2の「透液性表面シート」、「第1ティッシュペーパー」、「第2ティッシュペーパー」及び「不透液性裏面シート」に相当すると言えるが、上記刊行物1には、前記4枚のシートあるいは紙がどのように接合されるのか具体的な記載はなく、単に第1図に前記4枚のシートあるいは紙が同一の周縁部にて接合されていることが示されているのみであって、相違点bにおける本件発明2の構成に相当する接合形態を記載しているあるいは示唆しているとは言えない。その意味で、上記相違点bは、上記刊行物1に記載されておらず、上記刊行物1の記載から自明の事項でもない。
また、上記記載事項(3-イ)ないし(3-ロ)からみて、上記刊行物3記載の「不織布4」、「吸水紙2」及び「防水紙1」が、それぞれ、本件発明2の「透液性表面シート」、「第1、2ティッシュペーパー」及び「不透液性裏面シート」に相当すると言えるが、上記刊行物3には、前記4枚の布あるいは紙が同一の周縁部にてヒートシールされることが記載されているのみであって、相違点bにおける本件発明2の構成に相当する接合形態を記載しているあるいは示唆しているとは言えない。その意味で、上記相違点bは、上記刊行物3に記載されておらず、上記刊行物3の記載から自明の事項でもない。
また、上記記載事項(4-イ)ないし(4-ニ)からみて、上記刊行物4記載の「表面層(不織布)11」、「吸収層12」および「耐水性紙13」が、それぞれ、本件発明2の「透液性表面シート」、「コア本体」および「不透液性裏面シート」に相当すると言えるが、上記刊行物4には、本件発明2の「第1、2ティッシュペーパー」に相当するものを備えておらず、相違点bにおける本件発明2の構成に相当する接合形態を記載しているあるいは示唆しているとは言えない。その意味で、上記相違点bは、上記刊行物4に記載されておらず、上記刊行物4の記載から自明の事項でもない。
さらに、上記記載事項(5-イ)ないし(5-ニ)からみて、上記刊行物5記載の「液体透過性トップシート40」、「ティッシュペーパー43」および「液体不透過性バックシート41」が、それぞれ、本件発明2の「透液性表面シート」、「第1、2ティッシュペーパー」および「不透液性裏面シート」に相当すると言えるが、上記刊行物5には、前記4枚のシートあるいはペーパーが同一の周縁部にて接合されることが記載されているのみであって、相違点bにおける本件発明2の構成に相当する接合形態を記載しているあるいは示唆しているとは言えない。その意味で、上記相違点bは、上記刊行物5に記載されておらず、上記刊行物5の記載から自明の事項でもない。
また、特許異議申立人が提出した参考文献1ないし7も、相違点bにおける本件発明2の構成に相当する接合形態を記載しているあるいは示唆しているとは言えない。
相違点bは、本来的にはティッシュペーパーの周縁部分を内に止めるか、外に出すかの二者択一事項であるが、両者の作用効果を対比してみると、平成17年6月23日付けの上申書の実験成績証明書を参酌すれば、ティッシュペーパーの周縁部分を内に止めることにより、表裏面シートからなる外袋の周縁部分の接合部が障壁となり、ティッシュペーパーを介して体液が外部に滲出するのを効果的に防止することができるという相違を見いだすことができる。このことからティッシュペーパーの周縁部分を外に出すことに代えて、ティッシュペーパーの周縁部分を内に止めるという構成とすることが容易にできたと言うことができない。
結局、相違点bは、刊行物1ないし5の記載に基いて当業者が容易に想到し得る程度のものであるとは言えない。そして、平成17年6月23日付けの上申書の実験成績証明書から、本件発明2は相違点bにより、「接合部が障壁となり、それら(第1、第2)ティッシュペーパーを介して体液が外部に滲出するのを効果的に防止することができる。」(本件訂正審判請求書の第7頁)という格別の効果を奏すると認められる。

以上のことから、本件発明2の構成のうち、「前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成し、前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合した」点については、刊行物1ないし5のいずれにも記載がなく、かつ、当業者に自明の構成ではない新規な構成であり、それにより本件発明2は格別の効果を奏すると認められるから、本件発明2は、刊行物1ないし5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。

(b)記載要件について
同じく異議申立人は、「加圧賦型」及び「所要寸法だけ離間させて」(異議申立書の「所定寸法」は「所要寸法」の誤記であると認められる。)の意味が不明りょうであり、本件発明2の構成が明確でないので、本件発明2は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしておらず、特許を受けることができないものである旨主張している。
しかしながら、「加圧賦型」の用語は、成形の分野において一般的に使用されており、本件の特許明細書においてはこれに関して、【0005】には「本体は一般に粉砕パルプや高吸水性ポリマー粉末を圧縮賦型してなるものであって、比較的剛性が高い。」および【0017】には「コア4は、粉砕パルプを加圧賦型してなる矩形のコア本体14と、その上面を被覆する上面ティッシュペーパー15と、下面を被覆する下面ティッシュペーパー16とからなる。」との記載があり、「加圧して所定の形状に成形する」を意味することは、明らかである。
また、「所要寸法だけ離間させて」の「所要寸法」は請求項2において定義されていないが、これに関して特許明細書の【0017】には「上下面ティッシュペーパー15,16は、大きさが同じ矩形のものであって、本体14の四周から延出して距離dのところで合掌状に重なり合い、ホットメルト接着剤17により互いに接合することで内袋18を形成している。」、【0018】には「外袋12を形成する表裏面シート2,3、および内袋18を形成する上下面ティッシュペーパー15,16は、各々コア本体14の周縁からの距離Dとdの範囲で緩やかに傾斜し、おむつ1を着用したときに本体14の比較的硬い縁部が角張って肌に食い込むように作用するのを防止している。ちなみに距離Dとdとは測定部位が同じであればD>dの関係にあり、その関係を保ちながら各側縁や端縁ではそれらの値が変化していてもよい。」および【図面の簡単な説明】の【符号の説明】の欄には「d 距離(所要寸法)」との記載があり、また、図4にはこれらの記載に対応する「d」が明示されている。これらの記載から「所要寸法」の技術的意味は明らかである。
したがって、「加圧賦型」と「所要寸法だけ離間させて」は明確でないとは言えず、本件発明2の構成は明確である。

また、他に訂正後の請求項2に係る発明について独立特許要件がないとする証拠も発見しない。
したがって、訂正後の請求項2に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は平成6年改正前特許法第126条第1項ないし第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
使い捨ておむつ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、
前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせ、その重ね合わせた部分を接合する一方、前記表裏面シートを接合して形成した袋の合掌状に重ね合わせた部分の内面に、前記第1、2ティッシュペーパーの合掌状に重ね合わせた部分の外縁を水平方向から当接させたことを特徴とする前記おむつ。
【請求項2】
透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつにおいて、
前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合したことを特徴とする前記おむつ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、使い捨ておむつにおいて、表面シートと裏面シートとの間に介在させる吸液性コアを粉砕パルプなどを圧縮してなるコア本体と、その本体を被覆する透液性のティッシュペーパーとで構成する技術は公知である。
【0003】
例えば、米国特許第4,636,207号公報には、コア本体の上下面を上面ティッシュペーパーと下面ティッシュペーパーで被覆する技術が開示されている。この技術では、コア本体の端縁から下面ティッシュペーパーを延出させ、その延出させた部分を端縁に密着させて本体上面側へ折り返し、そこで上面ティッシュペーパーに重ねて接合する。一方、上下面ティッシュペーパーの幅は本体の幅よりも小さく、したがって上下面ティッシュペーパーの側縁がコア本体側縁の内側に位置している。このように上下面ティッシュペーパーで被覆した本体は、さらに底面部を裏面シートで被覆し、残余の部分を表面シートで被覆する。上下面ティッシュペーパーは各々本体と接合する他に、表面シートまたは裏面シートと接合し、吸液性コアがそれら両シートに対してずれ動くことがないようにする。
【0004】
また、米国特許第4,681,579号公報には、1枚のティッシュペーパーでコア本体の上面から側縁を経て下面に至る範囲を被覆したおむつが開示されている。このおむつにおいても、ティッシュペーパーは本体の側縁に密着している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知技術が開示するティッシュペーパーによるコア本体の被覆構造では、ティッシュペーパーが本体の側縁や端縁とそれらの近傍とに密着して当該部における本体の型崩れを防止する効果を奏している。一方、本体は一般に粉砕パルプや高吸水性ポリマー粉末を圧縮賦型してなるものであって、比較的剛性が高い。それゆえこの本体に前記公知技術を利用すると、その周縁部分が角張っておむつにごつごつした感じをもたらし、着用感の妨げになることがある。同じように、ずれ動くことを防止するためにティッシュペーパーを本体や表裏面シートに接合することも、その接合部位がごつごつした感じをもたらし、着用感の妨げになることがある。
【0006】
そこでこの発明は、コア本体の上下面の各々を被覆する第1、2ティッシュペーパーの周縁部分を本体の縁部から離間したところで合掌状に重ね合わせて接合することなどにより、前記従来技術の問題を解決することを課題にしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は第1発明と第2発明とからなり、これら第1、第2発明が前記課題を解決するために手段とするところは、以下のとおりである。
【0008】
これらの第1、第2発明はいずれも、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性材料を加圧賦型してなるコア本体を介在させ、前記本体をティッシュペーパーで被覆し、前記本体の縁部外方の前記本体近傍に位置する前記表裏面シートの部分を合掌状に重ね合わせるとともにこの部分を互いに接合して袋を形成した使い捨ておむつを前提としている。
【0009】
かかる前提において、これらの発明の一つである前記第1発明は、前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせ、その重ね合わせた部分を接合する一方、前記表裏面シートを接合して形成した袋の合掌状に重ね合わせた部分の内面に、前記第1、2ティッシュペーパーの合掌状に重ね合わせた部分の外縁を水平方向から当接させたことを特徴とする使い捨ておむつである。
【0010】
また、前記前提において、これら発明の他の一つである前記第2発明は、前記ティッシュペーパーを前記本体の上面を被覆する第1ティッシュペーパーと下面を被覆する第2ティッシュペーパーとで構成し、前記本体の縁部から水平方向に延出させた前記第1、2ティッシュペーパー各々の周縁部分を、前記縁部から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合して前記袋に対する内袋を形成し、前記内袋はその前記周縁部分を、前記袋を形成している前記表裏面シートの前記接合した部分の内側部位間に介在させて接合したことを特徴とする使い捨ておむつである。
【0011】
【作用】
このように構成したおむつでは、コア本体の上下面を被覆する第1、2ティッシュペーパーを本体の縁部から延出させ、その縁部から所要寸法だけ離間したところで合掌状に重ね合わせて接合したから、その接合した部分と本体の縁部との間で、第1、2ティッシュペーパーの少なくともいずれか一方が穏やかな傾斜面をつくり、本体の縁部が角張るのを防止する。
【0012】
また、表裏面シートの周縁部を接合して袋をつくり、袋の内面に水平方向から第1、2ティッシュペーパーの接合した部分の外縁を当接するか、または表裏面シートの周縁部間に第1、2ティッシュペーパーを介在させてそれら周縁部を接合すると、表裏面シートに対しコアがずれ動くことを防止できる。
【0013】
【実施例】
この発明に係る使い捨ておむつの詳細を添付の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。
【0014】
図1は、使い捨ておむつ1の部分破断斜視図であり、図2、3は、図1のII-II線、III-III線端面図である。
【0015】
これらの図において、おむつ1は透液性表面シート2と、不透液性裏面シート3と、それら両シート2,3間に介在する吸液性コア4とによって構成され、左右両側縁部と後身頃端縁部とには表裏面シート2,3のいずれかの内面に伸長状態で貼着した脚周り弾性部材5と腰周り弾性部材6とがある。後身頃の左右側縁部には慣用のテープファスナ7が取り付けてある。
【0016】
表裏面シート2,3は、矩形のコア4を構成するコア本体14の四周から水平方向に延出し、周縁からの距離Dのところで合掌状に重なり合い、ホットメルト接着剤11により互いに接合することで四周が閉じた外袋12を形成している。
【0017】
コア4は、粉砕パルプを加圧賦型してなる矩形のコア本体14と、その上面を被覆する上面ティッシュペーパー15と、下面を被覆する下面ティッシュペーパー16とからなる。上下面ティッシュペーパー15,16は、大きさが同じ矩形のものであって、本体14の四周から延出して距離dのところで合掌状に重なり合い、ホットメルト接着剤17により互いに接合することで内袋18を形成している。内袋18は、その外周縁19が外袋12の内面に水平方向から当接しており、コア4は外袋12の中で容易にずれ動くことがない。なおコア本体14と上下面ティッシュペーパーとは必要に応じて間欠的に接合し、相互にずれ動くことがないようにすることができる。
【0018】
外袋12を形成する表裏面シート2,3、および内袋18を形成する上下面ティッシュペーパー15,16は、各々コア本体14の周縁からの距離Dとdの範囲で緩やかに傾斜し、おむつ1を着用したときに本体14の比較的硬い縁部が角張って肌に食い込むように作用するのを防止している。ちなみに距離Dとdとは測定部位が同じであればD>dの関係にあり、その関係を保ちながら各側縁や端縁ではそれらの値が変化していてもよい。
【0019】
図4は、おむつ1の態様の一例を示す図2と同様の端面図である。このおむつ1では、合掌状に重ね合わせた表裏面シート2,3の間に上下面ティッシュペーパー15,16を介在させて接合することにより、コア4が表裏面シート2,3に対してずれ動くことがないようにしてある。この場合、図4に示すように、好ましくは上下面ティッシュペーパー15,16の周縁部分もホットメルト接着剤17で互いに接合し、その周縁部分を表裏面シート2,3の接合した部分の内側部位間に介在させて接合する。図4の態様では、図2のそれと異なりD=dとなることがある。
【0020】
この発明に係るおむつ1においては、表裏面シート2,3や上下面ティッシュペーパー15,16に当該技術分野の慣用素材を使用することができる。また、上下面ティッシュペーパー15,16には親水性繊維に所要量の疎水性繊維を混合したシート素材を利用してもよい。そのようにするとティッシュペーパーの体液拡散性を向上させることができる。
【0021】
【発明の効果】
この発明に係るおむつでは、コア本体を被覆する上下面ティッシュペーパーをコア本体の周縁から延出させ、かつ、その周縁から所要寸法だけ離間させて合掌状に重ね合わせて接合したから、コア本体の周縁は角張ることがなくおむつの着用感が向上する。
【0022】
また、このおむつでは、上下面ティッシュペーパーの外周縁部を表裏面シートが形成する外袋の内面に当接することなどによって、コアが表裏面シートに対しずれ動くことがないようにしたから、従来技術に見られるような接着剤によるティッシュペーパーと表裏面シートとの接合が不要となり、おむつの肌触りが柔軟になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図2】
図1のII-II線端面図。
【図3】
図1のIII-III線端面図。
【図4】
おむつの一実施態様を示す図2と同様の端面図。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 コア
12 外袋(袋)
14 コア本体
15 上面ティッシュペーパー(第1ティッシュペーパー)
16 下面ティッシュペーパー(第2ティッシュペーパー)
d 距離(所要寸法)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2005-07-27 
出願番号 特願平7-4373
審決分類 P 1 41・ 121- Y (A61F)
P 1 41・ 856- Y (A61F)
P 1 41・ 534- Y (A61F)
P 1 41・ 113- Y (A61F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 新井 克夫  
特許庁審判長 大元 修二
特許庁審判官 内藤 真徳
山本 信平
登録日 2002-08-30 
登録番号 特許第3345204号(P3345204)
発明の名称 使い捨ておむつ  
代理人 白浜 吉治  
代理人 小林 義孝  
代理人 小林 義孝  
代理人 白浜 吉治  

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